JP2004148104A - 組換えbpiタンパク、bpiタンパクの使用および該タンパクの製造方法 - Google Patents

組換えbpiタンパク、bpiタンパクの使用および該タンパクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外科用具、埋め込み可能な侵襲的デバイスなどに用いることの出来る(1) 殺菌活性を示さず且つ (2)内毒素中和活性を示す組成物の提供。
【解決手段】好中球性顆粒タンパクであるBPIタンパクでカテーテル、ステープルなどの外科用具、外科用インプラントなどの埋め込み可能な侵襲的デバイス等の表面に付着させることによりコーティングし、BPIタンパクが内毒素と複合体を形成することにより、グラム陰性菌感染を原因とする内毒素による死亡を予防または治療する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、組換えBPIタンパクを使用する方法に関する。
この出願は、1990年8月13日に出願された米国特許出願第567,016号、および1991年4月5日に出願された米国特許出願第681,551号の一部継続出願である。この1991年4月5日に出願された米国特許出願第681,551号は、1990年8月13日に出願された米国特許出願第567,016号の一部継続出願であり、この親出願は1990年1月22日に出願された米国特許出願第468,695号の一部係属出願であり、またこの親出願は1989年2月14日に出願された米国特許出願第310,842号の一部継続出願である。これら全ての先の出願の内容は、参照としてこの明細書中に組み込まれる。
グラム陰性菌による感染は、特に免疫的無防備状態の入院患者において、病的状態および死亡の主な原因である(非特許文献1、非特許文献2)。入手可能な抗生物質は、一般に、該感染の抑制に効果的であるが、これらはリポ多糖類(LPS)に付随する病理学的影響を何等中和するものではない。
LPSはグラム陰性菌の外層膜の主成分であり、該微生物が溶菌されたときに放出される(非特許文献3)。
抗生物質療法を行っている間に放出されるLPSは、炎症反応の強力な刺激因子である。イン・ビボにおけるLPSの多くの有害な効果は、炎症細胞から放出される可溶性媒介物質によってもたらされる(非特許文献4)。LPSはホスト炎症細胞による媒介物質の放出を誘導し、最終的には汎発性血管内凝固(DIC)、成人呼吸器疾患症候群(ARDS)、心臓機能障害、器官不全、肝不全(肝機能障害)、脳不全(CNS機能障害)、腎不全、多器官不全およびショックをもたらす。
可溶性LPSは、好中球走化性の減少、接着性の増大、ヘキソース一リン酸経路の活性増大およびO2 ラジカル生成の増大を惹き起こし、補体のための表面受容体を活性化するように調節し、また周囲の媒質中へ顆粒タンパクを放出する(非特許文献4)。
内毒素血症は、内毒素、即ち熱安定性のバクテリア毒素が血中に存在することに伴う症状である。内毒素は炎症反応を誘発する。この炎症反応は感染と戦うには有利であるが、もし制御されないと、ホストに対してダメージを与え得る。内毒素血症は、肝臓からの内毒素結合性タンパクの産生を誘導し、白血球から殺菌性タンパクを放出させる。我々の研究は、これら白血球タンパクの一つであるBPIが(従来はイン・ビトロでの殺菌活性のみが知られている)、イン・ビトロにおいて、好中球および単球を刺激する内毒素の能力を阻害し、これをイン・ビボで投与すれば内毒素またはバクテリアによる死亡が減少することを示している。更に、BPIは抗菌作用を有するが、ホスト細胞に対する細胞障害性はもたないことが示されている。
単球および好中球性顆粒球は、バクテリア感染に対するホストの防御に重要な役割を果たし、また内毒素血症の病理学にも関与する。これらの細胞は、微生物を細胞内に取り込んで殺滅し、また殺菌性、タンパク分解性、オプソニン性、発熱原性、補体活性化および組織損傷効果を有する可溶性タンパクを放出することによって、イン・ビボ及びイン・ビトロで内毒素に反応する。
腫瘍壊死因子(TNF)、内毒素で刺激された単球によって放出されるサイトカインは、イン・ビボにおける内毒素の幾つかの毒作用に似た作用を有する。動物にTNFを注射すると、発熱、ショック及びクルコース代謝変化を生じる。また、TNFは好中球の有力な刺激剤である。IL-1、IL-6及びIL-8のような他のサイトカイン類もまた、LPSの幾つかの病態生理学的作用を媒介する。
抗生物質療法の改良にもかかわらず、内毒素血症に伴う病的状態および死亡の発生率は未だに高い。抗生物質のみでは、LPSの毒作用を中和する上で有効ではない。従って、直接的な内毒素中和活性をもった治療法に対する必要性が生じている。内毒素血症の治療のための現在の方法では、抗生物質および支援医療が用いられる。最も多く採用される補助療法は、低血圧および発熱のような内毒素ショックの症状を治療するが、内毒素を不活性化するものではない。他の療法では、LPSに対するホストの炎症性応答を阻害する。現在の治療には、以下に示すように毒性、免疫原性、或いは動物試験とヒト試験との間での効能の非再現性に起因した主な制限がある。
ポリミキシンB(PMB)は塩基性のポリペプチド抗生物質であり、内毒素であるリピドAの最も毒性が強く且つ生物学的に活性な成分と結合し、これを構造的に崩壊させる。PMBは、イン・ビトロにおいて好中球性顆粒放出の内毒素活性化を阻害し、ヒトのグラム陰性菌感染に対する強力な治療剤であることが示されている。しかしながら、その全身性の毒性のために、この薬剤は局所治療剤としての用途に限定されている。
抗生物質および高投与量のコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(MPSS)を用いた組み合わせ療法は、イヌを用いたグラム陰性菌敗血症の実験的モデルにおいて、死亡を防止することが示されている。全身性敗血症の臨床症状を呈する 223人の患者について行われた多施設でのプラセボ対照による二重盲検臨床試験において、抗生物質と共にMPSSを用いた他の研究によれば、治療群とプラセボ群との間では死亡率が有意に異ならないとの結論が出されている。更に、この研究者は、14日以内の二次感染の緩解がプラセボ群において有意に高いことを見出している。
内毒素血症の治療のため比較的新しいアプローチは、内毒素を中和する抗体を使用しての受動免疫である。E.Coli J5 に対する高度免疫ヒト免疫グロブリン(hyperimmune human immunoglobulin)によって、グラム陰性菌血症患者の死亡率およびショックが50%低下されることが示されている。マウス、キメラヒトモノクローナル抗体を用いた動物モデルにおいて、他のグループは有望な結果を示している。モノクローナル抗体は高度免疫血清を凌ぐ利点(例えば、堅実な薬力およびヒト病原の低い伝染性)を有しているが、未だ、LPSを中和するための免疫グロブリンの投与に関連した多くの問題が存在する。
免疫グロブリン自体に対するホストの反応は過敏性をもたらし得る。敗血症患者に対して抗内毒素抗体を含む治療法を用いるときのもう一つの懸念は、補体活性化および免疫複合体の沈着に続く組織損傷である。
BPIは、1975年に初めて発見された好中球性顆粒タンパクである(非特許文献5)。BPIは、1978年にヒト好中球から高度に精製された形態で得られ、またこの物質は膜透過性を増大し、イン・ビトロでのリン酸緩衝生理食塩水中で試験したときにグラム陰性菌に対して殺菌活性を有することが示された(非特許文献6)。Weiss et al.の非特許文献7には、更に、BPIがホスホリパーゼA2活性を増大することが示され、BPIはそのイン・ビトロでの殺菌活性に加えて、前炎症活性(proinflammatory activity)を有することを示唆した。
1979年にウサギBPIが精製され(非特許文献8)、ヒト由来のBPIと同じ殺菌性および透過増大性を有することが示さた。これにより、研究のための更なる物質源が提供されることになった。ウサギおよびヒト由来のBPIは、両者共に、イン・ビトロにおいて、K1-被覆 E.Coli を含む種々のグラム陰性菌に対して有効であることが示された(非特許文献9)。
イン・ビトロでのBPIの殺菌作用におけるリポ多糖の役割が、1984年にWeiss et al.によって提案された(非特許文献10)。これらの研究者は、BPIがグラム陰性菌の外層膜に結合してLPSの細胞該への放出を起こさせ、またLPSの生合成を選択的に刺激することを示した。1984年に、同様の性質を有するタンパクがヒト好中球から単離され、陽イオン性抗菌タンパク57(CAP57)と命名された(非特許文献11)。N-末端アミノ酸配列、アミノ酸組成、分子量および起源から判断して、このタンパクはBPIと同一である(非特許文献12)。別のグループ(Hovde and Gray)は、1986年に、BPIと実質的に同じ性質を有する殺菌性の糖タンパクを報告した(非特許文献13)。
1985年にOoi et al.は、BPIが、好中球プロテアーゼで開裂された後にも殺菌活性を保持することを報告し、該分子のフラグメントが活性を保持することを示唆した(非特許文献14)。イン・ビトロにおけるBPIの殺菌活性および透過性増大活性は全て、該タンパクの 25 kDのN末端フラグメント中に存在する(非特許文献15)。
BPIが、バクテリアの外層膜上の内毒素に関連した構造に結合することの証拠は次の通りである:(1) ラフ株(rough strain)のE.Coliは、スムース株(smooth strain) に比較して、BPIの透過性増大活性に対する感受性が高い(非特許文献16);(2) 内毒素構造の変化をもたらす Prm A変異株は、ポリミキシンB及びBPIの両者の結合性低下をもたらす;(3) ポリミキシンB(PMB)は、S.typhimurium に対する結合に関してBPIと競合する[Farley 1988 ];また(4) BPIは、リポ多糖結合性タンパク(LBP)と称される他の内毒素に対する相同性のアミノ酸配列と、交差反応性とを有している(非特許文献17)。
LBP- LPS複合体は単球上の細胞表面受容体(CD14)に結合し、炎症性サイトカイニン腫瘍壊死因子(TNF)の合成および放出を増大する(非特許文献18)。こうして、LBPはLPSの免疫刺激活性を促進する。BPIは、LBPの作用とは正反対の作用を有する。BPIはLPSに結合し、好中球および単球の活性化を阻害する(非特許文献19、特許文献1、非特許文献20)。
BPIをコードするcDNAが Gray et al.によって得られ、配列が決定された(非特許文献21、非特許文献22)。彼等は、BPIは、開裂して25 kDaの可溶性フラグメントとして放出され得る膜タンパクであると報告している。
当初、グラム陰性菌に対するBPIの結合はLPS構造を崩壊し、小さい疎水性分子に対する微生物透過性を変化させ、細胞死を起こすと報告された(非特許文献6)。最近になって、これと同じ著者が、このような効果は血清アルブミンの不存在下でのみ生じることを示している。BPIは、血清アルブミンの存在下で培養されたバクテリアに添加されたときは殺菌活性をもたず、これによって、BPIはアルブミンが遍在するイン・ビボではバクテリアを殺滅しないことが示唆される(非特許文献23、非特許文献24)。従って、当該技術分野においては従来、BPIの有益な効果はイン・ビトロでの殺菌効果に限定されるものと理解されていた。
我々はここに、BPIが血清および血症の存在下で内毒素に結合すること、またBPIはLBSのような他の公知の内毒素結合性タンパクとは異なり、イン・ビトロ及びイン・ビボの両者において、内毒素の免疫刺激活性および毒活性を阻害することを示す。従ってBPIは、エンドドキシン血症および内毒素ショックを含む内毒素関連疾患の治療および予防処置において、新規かつ独特の用途を有する。
更に、Gray et al. は、BPIが、好中球性顆粒膜から可溶性の形で放出されるためには25 kDaのフラグメントに開裂されなければならない膜タンパクであると説明している(非特許文献25)。本発明は、活性な形で完全な長さの可溶性BPIを製造する方法を提供する。更に本発明は、Gray et al. によっては明確には区別されなかった二つの分子を初めて分離し、これによりグリコシル化された形の分子およびグリコシル化されない形の分子を示す。これらは、イン・ビボにおいて異なった血清半減期を有し、従って異なった治療的能力を有するように見える。好中球から得られるBPIは、グリコシル化形および非グリコシル化形の混合物である。
1990年8月23日に発行された Marra and ScottのWO90/09183; Duma,R.J., Am.J.of Med., 78(Suppl.6A): 154-164 Kreger B.E.,D.E.Craven and W.R.McCabe, Am.J.Med., 68:344-355 (1980) Shenep,J.L. and K.A.Morgan, J.Infect.Dis., 150(3):380-388 (1984) Morrison D.C. and R.J. Ulevich, Am.J.Pathol., 93(2):527-617(1978) Weiss,J., R.C.Franson, S.Becherdite, K.Schmeidler, and P.Elsbach: J.Clin.Invest., 55:33(1975) Weiss,J., et al., J.Biol.Chem, 253(8):2664-2672(1978) J.Biol.Chem, 254(21):110010-11014(1979) Elsbach et al.,J.Biol.Chem., 254(21): 11000-11009 Weiss et al.,Infection and Immunity 38(3):1149-1153,(1982) J.Immunol., 132(6):3109-3115 (1984) Shafer,W.M., C.E.Martin and J.K.Spitznagel, Infect.Immun., 45:29(1984) Spitznagel et al.,Blood 76:825-834,1990 Hovde and Gray, Infection and Immunity 54(1):142-148(1986) Ooi and Elsbach, Clinical Research 33(2):567A(1985) Ooi,C.E.,et al., J.Biol.Chem., 262:14891 (1987) Weiss,J. et al.,Infect.Immun. 51:595(1986) Tobias et al., J.Biol.Chem. 263(27):13479-13481 (1988) Schumann et al., Science 249:1429-1431 Marra et al., J.Immunol.147: 662-666(1990) C.J.Fisher et al.,Circulatory Shock 34:120(1991) Gray et al.,Clin.Res.36:620A(1988) Gray et al., J.Biol.Chem., 264(16):9505-9506(1989) Mannion et al., J.Clin.Invest. 85:853-860(1990) Mannion et al.,J.Clin.Invest. 86:631-641 J.Biol.Chem.264(16):9505-9509(1989)
発明の概要
本発明は、BPIタンパクおよび陰イオン性化合物を含有し、(1) 殺菌活性を示さず且つ (2)内毒素中和活性を示す組成物を提供する。
この発明はまた、(1) 内毒素に特異的に結合し、(2) 内毒素への結合に関してBPIタンパクと競合し、(3) 内毒素に誘発された死亡を阻害する、生物学的に活性なBPIの変種を提供する。
本発明は更に、組換えBPIタンパクを細胞内で産生し、細胞から分泌させる方法を提供する。この方法は、(a) BPIタンパクをコードするDNAを有するベクターを構築することと、(b) 該ベクターで細胞を形質転換することと、(c) こうして形質転換された細胞を、組換えBPIタンパクが分泌されるような条件下に培地中で培養することとを具備する。 また本発明は、バクテリア細胞から組換えBPIタンパクを製造する方法を提供する。この方法は、(a) シグナル配列をもたず、BPIタンパクをコードするDNAを有するベクターを構築することと、(b) 該ベクターでバクテリア細胞を形質転換することと、(c) こうして形質転換されたバクテリア細胞を、組換えBPIタンパクが産生されるような条件下に培地中で培養することとを具備する。
本発明は更に、昆虫細胞から組換えBPIタンパクを製造する方法を提供する。この方法は、(a) BPIタンパクをコードするDNAを有するベクターを構築することと、(b) 該ベクターで昆虫細胞を形質転換することと、(c) こうして形質転換された昆虫細胞を、組換えBPIタンパクが産生されるような条件下に培地中で培養することとを具備する。
また、本発明は、対象から得たサンプル中の内毒素の量を測定する方法であって、内毒素- BPIタンパク複合体が形成されるような条件下に、該サンプルをBPIタンパクと接触させることと、こうして形成された複合体の量を測定することにより、サンプル中の内毒素の量を決定することとを具備した方法を提供する。
或いは、本発明は対象から得た、既結合内毒素及び未結合内毒素を含有するサンプル中の内毒素の量を測定する方法を提供する。この方法は、(a) 前記内毒素が結合しているかもしれない内毒素結合性タンパクを変性して、未結合内毒素を得るように、前記サンプルを処理することと、(b) この処理されたサンプルを、BPIタンパクが前記ステップ(a) の未結合内毒素に結合して、内毒素- BPIタンパク複合体が形成されるような条件下に、BPIタンパクと接触させることと、(c) こうして形成された複合体の量を測定することにより、サンプル中の内毒素の量を決定することとを具備した方法を提供する。
本発明はまた、サンプル中の内毒素を検出する方法であって、前記内毒素がBPIタンパクと結合して両者間の複合体を形成するように、該サンプルをBPIタンパクと接触させることと、この複合体を検出することとを具備する。
本発明は更に、BPIタンパクが内毒素と複合体を形成するように、外科用具をBPIタンパクでコーティングする方法であって、前記外科用具の生物学的サンプルと接触するように設計された表面に、BPIタンパクを付着させることを具備した方法を提供する。
また、この発明は、BPIタンパクが内毒素との複合体を形成するように、埋込み可能な侵襲的デバイスをBPIタンパクでコーティングする方法であって、前記デバイスの生物学的サンプルと接触するように設計された表面に、BPIタンパクを付着させることを具備した方法を提供する。
本発明は更に、内毒素を含有する流体から、これを対象に投与する前に汚染物を除去する方法であって、投与に先立って、内毒素がBPIタンパクと複合体を形成するような条件下で前記流体をBPIタンパクと接触させ、これにより前記流体から汚染物を除去することを具備した方法を提供する。前記流体は、血液、血漿、血清、等張溶液、薬学的製剤、細胞培養剤または骨髄であり得る。
この発明はまた、生物学的流体サンプル中のBPIタンパクの存在を検出するためのキットであって、(a)未結合の内毒素分子に結合するポリミキシンBを含有した検査用緩衝液と、(b)(1) 活性BPIタンパクの一部に結合し、且つ(2) 内毒素結合ドメインについてBPIタンパクと競合しない、表面に付着された第一抗体と、(c)(1) BPIタンパクとの結合について前記第一の抗体と競合せず、且つ(2) 内毒素結合部位またはその近傍でBPIタンパクと特異的に結合する、検出可能な成分でラベルされた第二抗体とを具備し、前記生物学的流体サンプルが検査用緩衝液中で前記第一抗体および第二抗体と接触したときに、前記生物学的流体サンプル中に含まれる活性BPIタンパクが前記第一抗体および第二抗体によって補捉され、第一抗体/BPIタンパク/第二抗体の複合体が形成され、この複合体を検出することによって前記生物学的流体サンプル中のBPIタンパクを検出するキットを提供する。
また、本発明は生物学的流体サンプル中のBPPIタンパクの量を測定するためのキットであって、(a)未結合の内毒素分子に結合するポリミキシンBを含有した検査用緩衝液と、(b)(1) 活性BPIタンパクの一部に結合し且つ(2) 内毒素結合ドメインに対してBPIタンパクと競合しない、表面に付着された第一抗体と、(c)(1) BPIタンパクとの結合について前記第一の抗体と競合せず、且つ(2) 内毒素結合部位またはその近傍でBPIタンパクと特異的に結合する、検出可能な成分でラベルされた第二抗体とを具備し、前記生物学的流体サンプルが検査用緩衝液中で前記第一抗体および第二抗体と接触したときに、前記生物学的流体サンプル中に含まれる活性BPIタンパクが前記第一抗体および第二抗体によって補捉され、第一抗体/活性BPIタンパク/第二抗体の複合体が形成され、この複合体を検出して、前記生物学的流体サンプル中の活性BPIタンパクの量を測定するキットを提供する。
加えて、本発明は対象における内毒素血症を防止する方法であって、対象に対して、内毒素に結合して対象における内毒素血症を防止するために有効な量のBPIタンパクを投与することを具備した方法を提供する。
本発明は、内毒素血症にかかった対象を治療する方法であって、対象に対して、内毒素に結合して内毒素血症にかかった対象を治療するために有効な量のBPIタンパクを投与することを具備した方法を提供する。
発明の詳細な説明
この出願で用いられるとき、以下の語句はここに特定した意味を有する。
ここで用いる「BPI」は、天然の又は天然に存在する生物学的に活性な、感受性のグラム陰性菌の外層膜に結合するヒト 57kD タンパクを意味する。
ここで用いられる「生物学的に活性な、BPIのポリペプチドフラグメント」は、BPIの生物学的活性を有し且つBIP内のアミノ酸配列をもった、分子量が57 kD 未満のポリペプチドを意味する。
ここで用いる「生物学的に活性な、BPIのポリペプチド類縁体」とは、BPIと実質的に同じアミノ酸配列および生物学的活性を有するポリペプチドを意味する。この生物学的に活性なBPIのポリペプチド類縁体には、BPI配列内で変化したアミノ酸(例えば突然変異)、またはBPIのアミノ末端もしくはカルボキシ末端での一以上のアミノ酸の追加、或いはその両者によって、アミノ酸配列がBPIの配列から変化したペプチドが含まれる。
ここで用いられる「生物学的に活性な、BPIの変種」とは、(1) BPIに存在するアミノ酸配列の一部およびBPIに存在しないアミノ酸配列を含むポリペプチドと、(2) BPIと同様の生物学的活性、即ち、内毒素中和活性を有するポリペプチドとを意味する。
ここで用いられる「組換え体」は、遺伝子工学的方法によって製造されたポリペプチドを意味する。従って、BPI、生物学的に活性なBPIのポリペプチドフラグメント、生物学的に活性なBPIのポリペプチド類縁体、および生物学的に活性なBPIの変種の夫々が、組換え体であり得る。しかしながら、この出願の内容において、BPIは組換えBPIと同じではなく、後者は幾つかの分子的特徴(例えばグリコシル化パターン)において、天然のまたは天然に存在するポリペプチドとは異なっている。
ここで用いる「BPIタンパク」は、(1) BPI、(2) 生物学的に活性なBPIのフラグメント、(3) 生物学的に活性なBPIのポリペプチド類縁体、または(4) 生物学的に活性なBPIの変種を意味し、これらは夫々組換え体もしくは非組換え体の何れであってもよい。
本発明は、BPIタンパクおよび陰イオン性化合物を含有し、(1) 殺菌活性を示さず且つ (2)内毒素中和活性を示す組成物を提供する。
この発明の実施に従えば、この陰イオン性化合物はタンパク、プロテオグリカン(例えばヘパリン)または合成ポリマー(例えばデキストラン硫酸もしくはポリグルタミン酸)であり得る。好ましくは、この陰イオン性化合物は血清アルブミンのようなタンパクである。
本発明はまた、(1) 内毒素に対して特異的に結合し、(2) 内毒素への結合に関してBPIタンパクと競合し、(3) 内毒素に誘発された死亡を阻害する、生物学的に活性なBPIの変種を提供する。
この出願で用いられる「内毒素」の語は、発熱原性のバクテリア毒素を意味する。
生物学的に活性なBPIフラグメントの一例が、図13に示されている。生物学的に活性なBPIフラグメントの他の例が、図14に示されている。
加えて、生物学的に活性なBPI変種の例は図23に示されている。生物学的に活性なBPI変種の他の例は、図24に示されている。更に、生物学的に活性なBPI変種の別の例が図25に示されている。
本発明は更に、組換えBPIタンパクを細胞内で産生し、細胞から分泌させる方法を提供する。この方法は、(a) BPIタンパクをコードするDNAを有するベクターを構築することと、(b) 該ベクターで細胞を形質転換することと、(c) こうして形質転換された細胞を、組換えBPIタンパクが分泌されるような条件下に培地中で培養することとを具備する。この発明に従えば、該ベクターは、更にシグナル配列を具備する。
この方法に従えば、哺乳動物細胞が好ましい。哺乳動物細胞の例には、HeLa細胞、CHO 細胞、DUX B11 細胞、Sp2/0 細胞、W138細胞、DHK 細胞、HEPG2 細胞およびCOS-1 細胞が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本発明はまた、上記の方法で製造されたBPIタンパクを提供する。一実施例において、このBPIタンパクは図11に示される 148159 rBPIと命名された組換えBPIタンパクである。加えて、本発明は、図11に示される 148179 rBPIタンパクと命名された組換えBPIタンパクを提供する。
興味深いことに、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳動物細胞中で産生された組換えBPIタンパクは、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS- PAGE)での若干変化した移動パターンを示す。これは、哺乳類細胞においては、該分子もまた好中球またはHL60細胞におけるのとは異なったプロセッシングを受け得ることを示している。このようなプロセッシングが生じるのは、該分子が顆粒膜中に内包されずに分泌されることによるものか、或いはその結果である。
本発明はまた、グリコシル化されたBPIタンパクを提供する。
上記の方法に従えば、分泌されるBPIタンパクは、完全な長さの可溶性PBIタンパクであり得る。
また本発明は、バクテリア細胞から組換えBPIタンパクを製造する方法を提供する。この方法は、(a) シグナル配列をもたず、BPIタンパクをコードするDNAを有するベクターを構築することと、(b) 該ベクターでバクテリア細胞を形質転換することと、(c) こうして形質転換されたバクテリア細胞を、組換えBPIタンパクが産生されるような条件下において培地中で培養することとを具備する。バクテリア細胞の例には E.coli が含まれるが、これに限定されるものではない。
BPIタンパクは、バクテリアに対して毒性であることが示されている。しかし、こうして産生されるBPIタンパクのバクテリアに対する毒効果は、BPIタンパクcDNAを具備したベクター中の正常なリーダー配列を除去することによって克服され得る。
完全な長さのクローン中に与えられるように、また Gray et al.((1989) Journ. of Biol.Chem.,264:9505)によって報告されたように、シグナル配列が発現プラスミド中に含まれるときは明らかにバクテリアのコロニーは全く得られないが、シグナル配列が除去されると多くのコロニーが得られる。更に、上記に記載した方法は、非グリコシル化形態で且つ完全な長さのBPIタンパクの発現を提供する。この発明は更に、グリコシル化されたBPIタンパクを含まない、非グリコシル化形態のBPIタンパクを提供する。
本発明は更に、昆虫細胞から組換えBPIタンパクを製造する方法を提供する。この方法は、(a) シグナル配列をもたず、BPIタンパクをコードするDNAを有するベクターを構築することと、(b) 該ベクターで昆虫細胞を形質転換することと、(c) こうして形質転換された昆虫細胞を、組換えBPIタンパクが分泌されるような条件下において培地中で培養することとを具備する。
上記方法の一例において、昆虫細胞は、BPIタンパクをコードする配列を含んだバキュロウイルスベクターのためのホストとして機能する。また、昆虫細胞から誘導されたBPIタンパクは、SDS- PAGEにおいて、哺乳動物細胞から誘導されたBPIタンパクまたは好中球に天然に存在するBPIタンパクとは異なった移動パターンを示す。従って本発明は、バキュロウイルスに感染した昆虫細胞によってプロセッシングされた、BPIタンパクの新規な分子種を提供する。
更に、本発明は上記方法によって製造される、生物学的に活性なBPIの変種を提供する。
また、本発明は、対象から得たサンプル中の内毒素の量を測定する方法であって、内毒素- BPIタンパク複合体が形成されるような条件下に、該サンプルをBPIタンパクと接触させることと、こうして形成された複合体の量を測定することにより、サンプル中の内毒素の量を決定することとを具備した方法を提供する。
加えて、本発明は対象から得た、既結合内毒素及び未結合型内毒素を含有するサンプル中の内毒素の量を測定する方法を提供する。この方法は、(a) 前記内毒素が結合しているかもしれない内毒素結合性タンパクを変性して、未結合内毒素を得るように、前記サンプルを処理することと、(b) この処理されたサンプルを、BPIタンパクが前記ステップ(a) の未結合内毒素に結合して、内毒素- BPIタンパク複合体が形成されるような条件下に、BPIタンパクと接触させることと、(c) こうして形成された複合体の量を測定することにより、サンプル中の内毒素の量を決定することとを具備した方法を提供する。
本発明に従えば、ステップ(a) の変性は、温度を上昇することにより行ない得る。例えば、この温度は95℃であり得る。或いは、該変性は酸を用いて行なってもよい。
本発明はまた、サンプル中の内毒素を検出する方法であって、前記内毒素がBPIタンパクと結合して両者間の複合体を形成するように、該サンプルをBPIタンパクと接触させることと、この複合体を検出することとを具備する。
本発明の一実施例においては、サンプルを検出可能な成分でラベルされたBPIタンパクと接触させるに先立って、サンプル中の内毒素が支持体に付着されるような条件下で、内毒素を含有するサンプルは適切な支持体上に移される。
本発明は更に、対象における内毒素血症を診断するための方法であって、該対象から生物学的流体サンプルを得ることと、上記の方法を用いてこのようなサンプル中の内毒素を検出することにより、該疾患を診断することとを具備する。このサンプルは細胞性サンプルであり得る。或いは、このサンプルは血清、尿、血液、組織抽出物または唾液のような生物学的流体サンプルであってもよい。
本発明の実施に従えば、BPIタンパクは蛍光性ラベルで標識され得、検出はフルオロメータで行ない得る。或いは、BPIタンパクは放射能ラベルで標識され得、検出はラジオグラフで行ない得る。更に、BPIタンパクは酵素で標識され得、検出はスペクトロフォトメータで行ない得る。
本発明は更に、BPIタンパクが内毒素と複合体を形成するように、外科用具をBPIタンパクでコーティングする方法であって、生物学的サンプルと接触するように設計された前記外科用具の表面にBPIタンパクを付着させることを具備した方法を提供する。
また、この発明は、BPIタンパクが内毒素との複合体を形成するように、埋込み可能な侵襲的デバイスをBPIタンパクでコーティングする方法であって、生物学的サンプルと接触するように設計された前記デバイスの表面にBPIタンパクを付着させることを具備した方法を提供する。
本発明の実施に従えば、この生物学的サンプルは血液であり得る。或いは、この生物学的サンプルは組織サンプルであり得る。更に、この生物学的サンプルは筋肉サンプルであり得る。また、この生物学的サンプルは軟骨であり得る。加えて、この生物学的サンプルは骨であり得る。
また、本発明の実施に従えば、前記外科用具はカテーテル管であり得る。或いは、この外科用具は外科用ステープルであり得る。
更に、本発明の実施に従えば、前記デバイスは外科用インプラントであり得る。
本発明は更に、内毒素を含有する流体から、これを対象に投与する前に汚染物を除去する方法であって、投与に先立って、内毒素がBPIタンパクと複合体を形成するような条件下で前記流体をBPIタンパクと接触させ、これにより前記流体から汚染物を除去することを具備した方法を提供する。この流体は、血液、血漿、血清、等張溶液、薬学的製剤、細胞培養剤または骨髄であり得る。
本発明はまた、生物学的流体サンプル中のBPIタンパクの存在を検出するためのキットであって、(a)未結合の内毒素分子に結合する、検査用緩衝液中のポリミキシンBと、(b)(1) 活性BPIタンパクの一部に結合し、且つ(2) 内毒素結合ドメインについてBPIタンパクと競合しない、検査用緩衝液を含む表面に付着された第一抗体と、(c)(1) BPIタンパクとの結合について前記第一の抗体と競合せず、且つ(2) 内毒素結合部位またはその近傍でBPIタンパクと特異的に結合する、検出可能な成分でラベルされた第二抗体とを具備し、前記生物学的流体サンプルが前記第一抗体および第二抗体と接触したときに、前記生物学的流体サンプル中に含まれる活性BPIタンパクが前記第一抗体および第二抗体によって補捉され、第一抗体/BPIタンパク/第二抗体の複合体が形成され、この複合体を検出することによって前記生物学的流体サンプル中のBPIタンパクを検出するキットを提供する。
また、本発明は生物学的流体サンプル中のBPPIタンパクの量を測定するためのキットであって、(a)未結合の内毒素分子に結合する、検査用緩衝液中のポリミキシンBと、(b)(1) 活性BPIタンパクの一部に結合し、且つ(2) 内毒素結合ドメインについてBPIタンパクと競合しない、前記検査用緩衝液を含んだ表面に付着された第一抗体と、(c)(1) BPIタンパクとの結合について前記第一の抗体と競合せず、且つ(2) 内毒素結合部位またはその近傍でBPIタンパクと特異的に結合する、検出可能な成分でラベルされた第二抗体とを具備し、前記生物学的流体サンプルが前記第一抗体および第二抗体と接触したときに、前記生物学的流体サンプル中に含まれる活性BPIタンパクが前記第一抗体および第二抗体によって補捉され、第一抗体/活性BPIタンパク/第二抗体の複合体が形成され、この複合体を検出して、前記生物学的流体サンプル中の活性BPIタンパクの量を測定するキットを提供する。
加えて、本発明は対象における内毒素血症を防止する方法であって、対象に対して、内毒素に結合して対象における内毒素血症を防止するために有効な量のBPIタンパクを投与することを具備した方法を提供する。
本発明は、内毒素血症にかかった対象を治療する方法であって、対象に対して、内毒素に結合して内毒素血症にかかった対象を治療するために有効な量のBPIタンパクを投与することを具備した方法を提供する。
本発明の実施に従えば、内毒素血症を防止するための、または内毒素血症にかかった対象を治療するためのBPIタンパクの有効量は、該対象の体重1kg当りで、約0.1 mg〜約10 mg であり得る。また、この有効量は対象の体重1kg当り、約1mg〜約10 mg であり得る。
以下の詳細な実験の部に本発明を例示する。この実験の部の記述は本発明の理解を助けるためのものであって、如何なる意味においても、後記の特許請求の範囲に記載される発明を限定することを意図したものではなく、またそのように解釈されてはならない。
実験の詳細
例 1
<材料および方法>
試薬および溶液
大腸菌0111:Bおよびネズミチフス菌 RE 突然変異体 (S.typhimurim RE mutant) 由来の内毒素は、RIBIイムノジェン・リサーチ社(RIBI Immunogem Research Inc., Hamilton, MT.FMLP)から購入した。また、サイトカラシンB及び硫酸ポリミキシンB(polymyxinB sulfate)(7900U/mg) は、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemicals Co.,Ltd.,St.,Louis,MO)から購入した。天然ヒト腫瘍壊死因子は、エンドジェン社(Endogen Inc.,Boston MA.) から購入した。カルシウムおよびマグネシウムを含有しない HBSS および RPMI 1640は、ギブコ BRL社(Gibco BRL Grand Island N.Y.)から購入した。
BPIの精製
BPIは、発熱因子を含まない新しいカラムおよび発熱因子を除去した緩衝液を用いた厳格な無発熱因子の状態で行なった点を除き、上述したようにして(Marra M. N. et al. J.Immunol. 144: 662, 1990 ) 、好中球顆粒プレパレーションから精製された。緩衝液は、パイロサートフィルター(Pyrosart filter:Sartoriu Filters, Hayward, CA )を用いて発熱因子を除去された。これらの条件下で精製することによって、BPIは、内毒素に媒介された好中球刺激を中和する活性について、先に報告されたもの(Marra M.N. et al.,J.Immunol. 144:662,1990)の約4倍の活性を示すようになった。
抗BPI抗体のイムノアフィニティーによる精製
BPI分子のN末端のアミノ酸20個に対応する、20個のアミノ酸のペプチド(BPIペプチド 1-20)で免疫化した兎から血清を収集した。プールされた血清のIgG画分を、プロテインAセファロース(ファーマシア社、Piscatway N.J.)を使用して精製した。活性化したCNBrセファロース(ファマシア社)に結合されたBPIペプチド1-20を使用して、上記画分から特異的な抗タンパクIgGを精製した。結合したIgGを回収し、プールした。また、こうして吸着処理されたIgGを上記ペプチドカラムに更に3回通すことにより、前記IgG中に残留した特異的抗体を更に取り除き、免疫吸着処理されたネガテイブ対照を調製した。抗体の濃度は280nm の光学密度で測定した。これらイムノアフィニティー精製されたIgGおよび吸着処理されたIgGをウエスタンブロテイングに供し、特異性をテストした。免疫吸着処理された対照IgGは、イムアフィニティー精製された抗体に用いた濃度の千倍の濃度でさえも活性を示さなかった。
内毒素結合分析
Tobias P.S. et al., J.Biol.Chem.,264:10867,1989 )に記載されている改変方法を使用して、マイクロタイタープレートに固定された内毒素に対するBPIの結合が行なわれた。概略を説明すると、96穴のマイクロタイタープレートであるイムロン2(Dynatech Biotechnology Products、Chantilly, VA)を、50mMのホウ酸塩(pH9 )および20mMのEDTA中において、ネズミチフス菌RE突然変異体から得た糖脂質(4μg /ウエル)を用いて37℃で一晩コーティングした。次いで、プレートを蒸留脱イオン水で広範に流水洗浄し、37℃で乾燥させた。分析プレートを抗体ブロックするために、発熱因子を含まないPBSで調製された5 mg/mLの低毒性の内毒素BSA(Sigma. St. Louis, MO)を用いて37℃で30分処理された。プレートを水切りし、実験によってはポリミキシンBを夫々のウエルに加え、さらに37℃で30分インキュベートした。プレートを再び水切りし、BPIサンプルを加えた。BPIまたはポリミキシンBを含む全ての緩衝液は、発熱因子を含まないPBSで調製された。発熱因子を含まない緩衝液で稀釈され、或いは実験によっては正常人志願者からの血清または血漿で希釈されたBPI試料を、37℃で振盪しながら3時間インキュベートした。上記プレートを、発熱因子を含まない1mg/mLのBSAを含有するPBSで洗浄した。次いで、兎ポリクローナル抗BPIペプチドIgG抗体と、これに続いて山羊抗兎IgG- アルカリフォスファターゼ複合体(ギブコ・BRI・ライフテクノロジー社、Grand Island, N. Y.)を用いて発色させた。405 nmでの吸光度を、Vmax カイネチックマイクロプレートリーダー(Vmax kinetic microplate reader;モレキュラー・デバイス社、Menlo Park, CA)で測定した。
内毒素に媒介された腫瘍壊死因子誘導(ヒト付着性単核細胞における)のBPIによる阻害
酸性クエン酸デキストロース(acid citrate dextrose) を収容したヴァキュテイナー管(vacutainer tube; ベクトン・デキンソン(Becton Dickinson, Rutherford, N.J.))中に採取された血液を、Ca2+およびMg2+を含まないハンクスの平衡塩溶液(HBSS)で希釈した。フィコール- パクー(Ficol-Paque;ファーマシア社、Piscataway, N. J.)を用いて、単核細胞を分離し、回収して HBSS で3回洗浄し、単核細胞の比率を顕微鏡検査により推定した。この細胞を、グルタミンおよび抗生物質を含有し且つ血清を含有しない適当量のRPMI 1640 中に取り、約1×106 単核/mlとした。上記の細胞を、 200μl/ウエルとなるように96ウエルの平底組織培養プレート(コスター(Costar)、Cambridge,MA)に分注し、37℃で2時間、7%の酸素を含む湿気を与えた培養器中で培養した。次に、血清を含まない加温したRPMI 1640 を用いて細胞を3回洗浄した。最終洗浄液を吸引排出した後、熱で不活性化された10%の自己血清を含有するRPMI 1640 を 200μl/ウエルだけ添加した。次いで夫々のウエルに、緩衝液中、ポリミキシンB中またはBPI中で予めインキュベートされた大腸菌内毒素の10倍稀釈溶液を22μl 加えた。細胞を内毒素混合液中で4時間、37℃で培養し、上澄液を回収し、 ELISA(Endogen Inc.,Boston,MA)でTNFα抗原を分析した。
ネズミの気管支肺胞マクロファージにおけるエンドトキシン誘発TNFαの分泌阻害
通常麻酔を施したスイスウエブスターマウスに対して、10ngの大腸菌0111: B4内毒素(リスト社 Campbell,CA)を鼻腔経路を通して投与した。投与20分前に、麻酔ネズミに対して50μl の生理食塩水、BPIまたはポリミキシンBを鼻腔経路で投与した。内毒素投与の1時間後にネズミを再麻酔し、1%のヒト血清アルブミンを含有する0.7 mlの生理食塩水を気管を通して肺に加えた。肺は穏やかに揉まれた。0.5 mlの気管支肺胞洗浄(BAL)の液体を吸引し、遠心分離機により細胞をペレット状にして、BALサンプルを-70 ℃で保存した。BAL液中のTNFαの濃度を、WEHIクローン13マウス線維肉腫細胞に対する細胞毒性を測定することによって定量した。ヒトrTNFα(Chiron, Emeryville, CA)を標準として使用した。
<結 果>
BPIはバクテリア性リポ多糖類に結合する:
BPIが内毒素に結合することは、上記「方法」に記載したように、改変ELISA 法プロトコルを用いて、固定されたネズミチフス菌 Re 内毒素に結合したBPIを検出することによって実証された。BPIは濃度に依存して結合内毒素を有し、また該結合がポリミキシンBによって阻害されたことは、BPIがリピッドAに若しくはリピッドAの近傍に結合することを示唆している(図19) 。血漿または血清の存在下でも、内毒素に対するBPIの有意な結合が保持されることは(図20)、生理食塩のみならず、血液タンパクの存在下でもBPIが内毒素と結合することを示している。このデーターは、BPIは血清アルブミンの存在下では殺菌性ではないが、かかる条件下でもバクテリアと結合するという Mannion, B. A. らの見解(J.Clin.Invest. 86:631,1990)と一致している。また、BPIと内毒素の結合は、BPI(20-80 mM)の致死作用からバクテリアを守り得るCa2+、Mg2+の濃度によって著しく低下されることはない(図21参照) 。
BPIはin vitroでの内毒素媒介性TNF分泌を阻害する
in vivo での内毒素に応答したTNFの分泌は、内毒素ショックの病原論において重要な役割を果たし得る。内毒素に媒介されたTNF分泌の調節におけるBPIの役割を調査するために、内毒素およびBPIで予備インキュベートされた内毒素に応答して、ヒト付着性末梢血液単核細胞から分泌されたTNFを測定した(表1参照)。BPIは、内毒素刺激による上記の細胞からのTNF分泌を、濃度に依存した形で特異的に阻害した。加えて、BPIによる阻害は、大量の内毒素(100-1000 ng/ml)によって、或いは0.1%の死滅したS.aureusによって克服され得る。このことは、BPIが単球の機能を阻止しないが、内毒素による単球の特異的活性化を阻止することを示している。
Figure 2004148104
緩衝液、BPIまたはポリミキシンBと共に37℃で30分間予めインキュベートされた大腸菌0111:B4 内毒素によって、ヒト末梢血液単核細胞を刺激した。内毒素混合液を添加した4時間後に上澄液を回収し、TNFαをELISA 法によって定量した。
BPIは内毒素のin vivo での発熱原性を阻害する
実験的内毒素注入に応答して分泌されるサイトカイニンは、発熱誘発を含む生理学的変化を惹き起こす。内毒素またはBPIで予めインキュベートした内毒素を兎に注入することによって、内毒素の発熱原性に与えるBPIの影響について研究した。注入後の温度変化を注入後1時間毎に3回チェックした。その最大の温度上昇を、各グループにおける3匹の動物テストのΣΔTを計算するために使用された。1.4 ℃以上の値は発熱原性ありとみなされた(U.S. Pharmacopeal Convention,Inc.,1990, Rockville,MD. Test,151, p1515 )。食品医薬品局標準規格400 EUの内毒素のみを注入したグループでは 3.9℃の合計温度上昇が観察されたが、2 μg のBPIで予め処理された内毒素は合計の温度上昇が 1.1℃にすぎず、発熱原性はなかった。緩衝液で処理した対照動物またはBPI処理した動物では、何の反応も見られなかった。
BPIは、in vivo での内毒素に媒介されたTNF分泌を阻害する
BPIが in vivoでの内毒素に媒介されたTNF分泌を阻害するか否かを決定するために、マウスの肺において、BPIによる内毒素の中和をテストした。内毒素を投与する20分前にBPIを肺に投与すると、マクロファージによって気管支肺胞洗浄液中に分泌されるTNFの量が著しく減少する(表2参照)。5匹の生理食塩水によって処理したマウスのうち4匹で、TNFα濃度は1,000 pg/ml を超えた。これに対してBPIで処理したものでは、TNFα濃度が1,000 pg/ml を超えたのは5匹のうち1匹であった。全体的にみて、BPIは、肺胞のマクロファージによる内毒素に媒介されたTNFα分泌を 8.2倍低下させる。スチューデントのt検定を用いたとき、BPIによるTNF分泌の減少は、生理食塩水による対照と比較してp <0.05のレベルで有意であった。(幾何学的平均±SD;生理食塩水=3.364 ±0.402 、BPI処理グループ=2.109 .02 ±0.764 )。ポリミキシンB(その投与量はモルベースでBPIで用いた投与量の50倍と高いものではあるが)は、生理食塩水の対照と比較して、TNFα分泌の減少に若干効果があった(p<0.02) 。これらのデータは、可溶性BPIが in vivoにおいて内毒素を中和することを示している。
Figure 2004148104
我々のデータは、 in vivoで、BPIがその濃度に依存して、内毒素に刺激されたヒト付着性単核細胞によるTNF分泌を特異的に阻止することを示している。内毒素に誘発されたTNF分泌を阻害することによって、BPIはLBPから区別される。LBPは肝細胞によって合成される60kDa の急性タンパクであり、アミノ酸配列の44% においてBPIと相同性をもち、in vivo およびin vitroで内毒素と結合する(Tobias,P.S., K.Soldau and R.J. Ulevitch, 1986,「兎の血清から急性反応物と結合するリポ多糖類の分離」 J. Exp. Med., 164:777; Schuman,R.R., S.R.Leong, G.W.Flaggs, P.Gray, S.D.Wright, J.C.Mathison, P.S.Tobias and R.J. Ulevitch,1990、「リポ多糖類結合タンパクの構造および作用」Science, 249:1429)。その構造的類似性に拘らず、BPIとLBPは機能的には相反している。LBP- 内毒素複合体は、FMLPに対して酸化的バースト応答をするように好中球をプライミングし、単核細胞による in vitro でのTNF生産を加速、増大させる(Vosbeeck,K., L.Sklar, H.Muller, C.Lundberg, C.Hanson, K.Arfors, R.Ulevitch, and P.Tobias, 1988,「急性反応物、リポ多糖類結合タンパク、LBPによるリポ多糖類誘発好中球プライミングの調節」, Eur.J.Clin.Invest., 18 A50)(Wright.S.D., R.A.Ramos, P.S.Tobias., R.J.Ulevitch, and J.C.Mathison.,「CD14、リポ多糖類(LPS)およびLPS結合タンパクの複合体に対するレセプター」, Science, 249:1931)(Tobias,P.S., J.C.Mathison and R.J.Ulevitch,1988,「グラム陰性菌敗血症に対する応答に含まれるリポ多糖類結合タンパクのファミリー」, J.Biol.Chem., 263:13479)。これとは反対に、BPIはin vitroにおいて、好中球およびマクロファージの両者のLPS媒介性刺激を阻害する(Marra,M.N., C.G.Wilde, J.E.Griffith, J.L.Snable and R.W.Scott, 1990,「殺菌性で浸透性を増進するタンパクは内毒性中和活性を有する」, J.Immunol.,144:662)。BPI-内毒素複合体は in vitroで炎症性細胞を刺激しないので、in vivoでBPI-内毒素複合体を投与したときに発熱反応が誘発されることは期待されない。少量の内毒素だけで、TNF,IL-1及びガンマIFN等の内因性発熱因子が分泌される結果、強力な発熱反応が誘導される(Farley,M.M., W.M.Shafer, and J.K.Spitznagel., 1988,「リポ多糖類の構造は、陽イオン性の抗菌性好中球顆粒タンパクのイオン性結合および疎水性結合を決定する」,Infect.Immun. 56:1589)。兎は微量な内毒素に対して非常に敏感で、投与量に依存して反応し、再現性のあるコア温度(core temperature)の上昇をきたす。BPIとの複合体では、内毒素は兎の発熱反応を刺激することはできない。このように、BPIはin vivo での効果的な内毒素阻害剤であり、これはおそらくBIPが内毒素によるサイトカイン分泌を阻害する結果である。
in vitroにおけるBPIの殺菌性および浸透性増大活性は、LBSとの著しい相同性を有するBPI分子のN末端側半分に関係する(Schuman,R.R., S.R.Leong, G.W.Flaggs, P.W.Gray, S.D.Wright, J.C.Mathison, P.S.Tobias, and R.J.Ulevitch,1990, 「リポ多糖類結合タンパクの構造と機能」, Science, 249;1429)。膜連結領域(membrane spanning domein)という以外は、BPIカルボキシル基末端領域に起因する何の作用も知られていない。グレイとその共同研究者らは、BPIのカルボキシル末端側半分はアズール好性顆粒膜と関係していると示唆している(Gray P.W., G.Flaggs, S.R.Leong, R.J.Gumina, J.Weiss, C.E.Ooi and P.Elsbach, 1989,「ヒト好中球殺菌タンパクのcDNAのクローニング;構造的機能的相関関係」, J.Biol.Chem.,264:9505)。そのモデルにおいて、好中球が刺激されるとエラスターゼ等のタンパク分解酵素が分子を分解し、活性な殺菌性のN末端側半分を食胞融解小体中に分泌する。しかしながら、BPIが一体的な膜タンパクであるということに対しては、これに反論する幾つかの証拠がある。BPIは、洗浄剤(detergent) を使用せずに、分離されたアズール好性顆粒から抽出され得る。BPIは水溶液中に可溶であり、可溶性のBPIは内毒素結合および阻害の両方のテストにおいて活性である。また、BPIは完全な長さのタンパクとして、FMLP/サイトカラシンで刺激された好中球(全細胞性BPI の71%)によって分泌され、このことはN末端が脱顆粒化(degranulation) の際に好中球プロテアーゼによって放出されること反論する。
in vivo で、BPIは内毒素の毒性を抑制するように作用し、殺性剤タンパクとしては作用しない。LBPおよびBPI等の内毒素結合性タンパクは夫々、受容体/受容体- 詰抗剤システムとして機能し、内毒素に対する宿主の反応を調節する( 図22参照)。LBPは内毒素の可溶性受容体として作用し、好中球およびマクロファージの両者に対する内毒素の効果を増幅する。BPIが内毒素に対する宿主の反応を制限できることは、BPIがin vivo で内毒素の致命的効果を阻害するにあたって重要な役割を有することを示している。動物における予備実験の結果は、組換えBPIによる処理によって、内毒素で誘発される致死が著しく低減されることを示している(実施例4参照) 。このように、バクテリアの成育を制限する公知の抗生物質と共同して、内毒素を中和するBPIを使用することは、内毒素ショックに対する有用な治療法になる得る。
例 2
BPIタンパクおよび先端切除型BPIの発現
A.遺伝子加工された哺乳類細胞はBPIを発現する
哺乳類細胞中でBPIタンパクおよび/またはBPIタンパク変種を産生するためには、cDNA配列を適切なプラスミドに挿入しなければならない。このような適用に適するベクターはpSV-1 で、これは複製開始点ならびにSV40の初期および後期プロモーターと、これに続く多重挿入クローニング部位(multiple insert cloning sites) と、これに続くB型肝炎表面抗原遺伝子由来の停止配列とを含む。さらに該プラスミドには、バクテリアDNA の複製開始点、アンピシリン耐性およびジヒドロ葉酸還元酵素をコードする遺伝子が含まれている。他の外来遺伝子を発現するために、類似のベクターが使用されてきた(McGrogan, et al., Biotechnology, 6, 72-177)。Hind IIIおよびBam HIによる消化、並びにアルカリフォスフォターゼを用いた脱リン酸化によって、BPIタンパクcDNA配列を受けいれるためのベクターDNAが調製された。
pSV-1 に挿入するために、BPIタンパクcDNAを含む幾つかの挿入物を調製した。まず、EcoRI およびBglII 等の適切な制限酵素で親プラスミドを消化することによって、BPIタンパクの全長をコードする挿入物を調製し、BPIタンパクのコード配列部分を含む2個のDNA 断片を生成した。これら2つのDNA 断片を一緒に、調製されたSV-1に挿入した。得られた組換クローンは、2つの挿入物が適切な向きで存在することを確認するために、制限酵素消化によってスクリーンニングされた。親BPIタンパク挿入DNAのオリゴヌクレオチド指向性DNA増幅法を使用して、先端切除型のBPIタンパクをコードする2つのcDNAを作成した。オリゴヌクレオチド増幅は、BamHI クローニング部位(図5)に加えて、コドン212 (オリゴ459,図7),コドン337 (オリゴ458,図8)がストップコドンで置換されるように設計された。両構築物の5´末端で、オリゴ458 を使用して増幅をおこない(図8)、転写開始コドンATG のすぐ上流にHind III部位を構築した。このようにして、夫々55kDa,38kDa,および 25kDaの3つのBPIをコードする挿入物を構築し、用意されたベクターDNA にそれぞれ連結した。
3つの構築物を制限酵素分解で確かめ、次いでCHO 細胞系のDUXB11細胞にトランスフェクトするために十分な量で調製した。トランスフェクションはリポフェクチン(lipofectin)を使用して行われ、標準プロトコルを用い、メトトレキセートを増量しながら形質転換細胞を選択した(図3参照)。
形質転換物プールまたは該プール由来のクローンの上澄液について、内毒素結合活性の有無を、TNr 放出阻害によって分析した。選択した細胞系の殆どにおいて、BPIは無視し得るものであった。500nM のメトトキセートの大量増幅から樹立された細胞系のみから、商業的に入手可能な量のBPIが生産されることが見出された。これらの二つ細胞系は、3A1 および4D6 と命名されている。大量増幅のみがこれらの細胞系をもたらすことは、予期し得ないものであった。
B.昆虫細胞におけるrBPIのバクロウイルス発現プラスミド発現ベクターの構築
BPIタンパクまたBPIタンパクの変種を昆虫細胞で生産するためには、そのcDNA配列をまずpAC373等(図10参照) の適切なプラスミド発現ベクターに挿入しなけらばならない。その挿入のための適切な制限酵素認識部位を、標準の部位得意的突然変異誘発手法によって作成する。適切な発現ベクターとして不可欠の特質には、pAC373のポリヘドロン遺伝子プロモーター等の転写プロモーター、およびバクロウイルスゲノムに直接的に組換を行うための隣接する相同配列 (flanking homologous sequence) が含まれる。ポリアデニレーション信号(例えば、プラスミドベクターに存在するポリヘドロン遺伝子に由来するもの)は、組換遺伝子の発現のためにはあってもなくてもよい。転写プロモーター(および任意のポリアデニレーションシグナル)を含む調節遺伝子に並置された、大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子のようなマーカー遺伝子がベクター中に含まれ得るが、これはBPIタンパクの発現に必要不可欠なものではない。上記目的の典型的ベクター、pAC373 を図10に示す。
組換えバクロウイルスの構築
BPIタンパクの目的遺伝子(またはセクションAに記載のように誘導されたその先端切除体)を含む発現ベクターと、野生型バクロウイルスDNAとの相同的組換によって、キメラバクロウイルスを構築した。プラスミドとバクロウイルスDNAとをリン酸カルシウム技術によって共沈殿させ、未感染の昆虫細胞である Spodoptera frugiperda(Sf9) に加えた。形質転換後4日から7日すると、細胞は変性細胞形態を示し、またウイルス感染により典型的に形成される核吸蔵体を細胞中に含有するに至った。野生型および組変ウイルスを含むみ且つ細胞を含まない培地が回収され、BPI活性が分析された。
キメラバクロウイルの同定および単離
アガロースでオーバーレイされた単層Sf9細胞をプラーク精製することにより、上記の共形質転換体ストックからウイルスの単離クローンを得た。分析に供されるプラークは、プラーク形態によって同定され、核内蔵体を担持するものが陰性とされる。もし、発現プラスミドがβ−ガラクトシダーゼ遺伝子のようなマーカー遺伝子を含んでいるならば、組換プラークは、アガロースプレート培地において、5-ブロモ-4クロロ-3- インドリル-B-D- ガラクトロピラノシド(X-gal)等の発色源物質から生じる青色で示されるであろう。釣菌されたプラークは、多ウエル皿での細胞培養に用いられる。その結果得られる細胞溶解物と感染細胞の上澄液は、標準活性分析または免疫学的分析を用いることにより、組換BPIの発現について評価される。陽性を示したウエル内の内容物については、野生種が混在しない純粋な組換ウイルスのストックを得るために、もう一度一連のプラーク精製を行う。
BPIのバッチ生産
Sf9細胞を、Excell(J. R. Scientific社)のような無血清の低タンパク培地で成育させる。懸濁した培地から弱遠心分離によって細胞を回収し、1細胞当たり1ウイルスプラーク形成単位の感染を多数回用いて、1000万細胞/mlの濃度のウイルス接種物を含むように、新鮮な培地に再度懸濁した。2時間後、上記培地は新培地により5倍に希釈され、2日ないし3日培養された。培養の最後に、細胞を遠心分離でペレット化し、ならし培地を回収した。BPIタンパクは、準手段により無細胞の上澄液から精製された。
昆虫細胞由来BPIの特徴
バクロウイルス発現系を用いて昆虫細胞で生産されたBPIタンパクは、分子量約55,000kdのグリコシル化タンパクである。N- 末端のアミノ酸配列は成熟した哺乳類細胞のBPIと同一であり、これはシグナル配列の正しいプロセッシングが行われたことを示している。組換タンパクの特異的内毒素結合活性は、BPIの場合と区別できなかった。
pT7 BPI タンパクプラスミドの構築
DNA合成機(AppliedBiosystems 社、380Bで)を用いて、オリゴヌクレオチド指向性DNA増幅に使用するためのオリゴヌクレオチドを調整した。このオリゴヌクレオチドによって、BPIタンパクDNAの 5´末端および 3´末端に、夫々NdeIおよびBamH I の制限酵素部位が形成された。また、BPIタンパクDNAの先端切除プロリン-212型を生成するために、BamH I 制限酵素部位を含むオリゴヌクレオチドが使用された。
増幅反応に続いて、遺伝子断片が精製され、NdeIおよびBamH I で消化された。プラスミドpGEMEX-1 (Promega より入手)を構築用ベクターとして選択した。pGEMEX-1 は、適当な宿主に挿入したとき、その下流側の配列を発現するために使用されるT7 プロモーターを含んでいる。ベクターをBamH I で切断し、精製した後にNdeIで部分的に分解し、一箇所のNdeI部位および一箇所のBamH I 部位を有すベクターを作成した。遺伝子断片を連結し、Hanahan 形質転換プロトコル(DNAクローニング、第1巻、「実践的アプローチ」、D. M. Glover編集、IRL Press 発行) を使用して、大腸菌JM101 株中に形質転換した。この形質転換されたバクテリアを、カルバミシリン(Carbamicillin)を含有するLBプレートに植菌し、37℃で一晩培養した。カルバミシリン耐性コロニーが選別され、ミニプラスミドプレパレーションの調製および制限酵素での消化により分析された。この消化による分解物を、1% のアガロースゲル及び5% のポリアクリルアマイドゲルの両方で分析した。
発現宿主である大腸菌JM109(DE3)株を、1μl のミニプラスミドプレパレーション及びHanahan 形質転換プロトコルを用いて形質転換した。JM109(DE3)株は、IPTGで誘導され得るT7 RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを有する。形質転換されたバクテリアは、カルバミシリンを含有するLBプレートに植菌され、37℃で一晩培養された。結果を図1A−1Eに示す。
シグナルペプチドを含まないBPIはコロニーを形成するのに対して、シグナルペプチドを有する完全な長さのBPIおよびプロリン-212先端切除型BPIはコロニーを形成しないから、BPIタンパクは活性状態で発現され、正しくプロセッシングされ、バクテリアのペリプラズム空間(シグナルペプチドを有するタンパクが送られて行くバクテリア内の場所)へと送出され、その場所での殺菌活性により細胞は死滅する。ことはまた、完全な長さのBPIおよびプロリン-212短縮型BPIの両者が共に活性で、殺菌活性があることを示唆する。
シグナルペプチドを含有しないBPIタンパクが活性であるか、或いは細胞に封鎖隔離されること(核内臓体を形成すること、シグナルペプチドがないため原形質膜に接近できないこと、或いはその両方により)によってその殺菌活性を示すことが妨げられるかについては知られていない。
組換えBPIは次の様に精製される:
CM- セファロースを用いた一段解プロセスで、組換えBPI(rBPI)を含有するならし培地は、95% の均一性を有するまでに精製された。CM- セファロースカラム(ファーマシア社、Piscataway.N. J.)は、最初に5倍のカラム容量の 0.5M 水酸化ナトリウムで洗浄された後、リムル・アメーバ細胞溶解テスト(Limulus Amebocyte Lysate Assay;Whittaker,Walkersville,MD )で発熱因子が検出されなくなるまで、発熱因子を含まない緩衝液または水で濯いだ。次いで、カラムを50mM Tris pH4 で平衡化した。上記ならし培地をこのCM−セファロースカラムにかけ、結合されたタンパクを50mM Tris 1M、塩化ナトリウムpH7.4 で溶出させた。rBPIを濃縮し、これを50mM Tris 1M、塩化ナトリウムpH7.4 で平衡化した第二のCM−セファロースカラムに通し、0.0-1.0 M 勾配の塩化ナトリウム溶液で溶出さることによって更に精製した。BPIは約0.75M の塩化ナトリウムで溶出した。このようにして精製されたrBPIは、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一のバンドとして現れ、逆相HPLCで単一ピークとして現れた。
例 3
BPIによる内毒素誘発TNF生産の阻害
ヒト末梢血液単核細胞をフィコール -パクー(Ficoll - Paque,ファーマシア社) 勾配で単離し、発熱因子を含まない2倍容量のHBSS(Hazelton)で洗浄し、血清を含まないPRMI培地(ギブコ社)中に5×106 /ml で再懸濁させた。この懸濁細胞 200μl を、96ウエルの平底組織培養皿(coster社)の各ウエル中で、37℃で2時間インキュベートした。RPMIおよび熱で不活性化した10% の自己血清を用いて洗浄し、未付着細胞を除去した。緩衝液、BPIタンパクまたはポリミキシンB(ギブコ社; 7900 U/ml)と共に予め37℃で30分間インキュベートした大腸菌0111:B4 内毒素を用いて、付着単核細胞を刺激した。内毒素混合物を添加した4時間後に、上澄液を回収した。TNFαの分泌をELISA 法(Endogen)で定量した(結果を表3に示す)。CHO細胞由来の天然および組換えBPIの数ロットをテストした。
Figure 2004148104
例 4
グラム陰性菌による敗血症の病態生理学的結果は、基本的にはバクテリア内毒素( LPS) の分泌によって引き起こされる。BPIタンパクはin vitroで内毒素中和活性を有するので、内毒素ショックの実験モデルにおいて、BPIタンパクのin vivo での影響を研究した。
詳細に説明すると、一つの実験においては、8匹のラット(スプラーグ・ドーリー系ラット)からなる1グループに対して、シグマ社から入手した大腸菌0111:B4 内毒素0.5 mg/kg体重を一回に静脈瞬時注入する4時間前に、1 mg/kg体重のBPIタンパクを一回の瞬時注入で投与した。同じ実験において、8匹のラットからなる第2のグループに対しては、大腸菌0111:B4 LPSの 0.5mg/kg体重を一回に静脈瞬時注入すると同時に、1 mg/kg体重のBPIタンパクを一回の瞬時注入で投与した。更に、5匹のラットからなる第3グループに対しては、大腸菌0111:B4 LPSの0.5 mg/kg体重を一回に静脈瞬時注入した4時間後に、1 mg/kg体重のBPIタンパクを一回で瞬時注入した。最後に、10匹のラットからなる第4グループに対しては、内毒素単独の処理を施した。ラットを48時間観察し、各グループにつき生存を記録した。この実験結果を表4に示す。内毒素を単独投与されたラットは、死亡率80%を示した。BPIタンパクおよび内毒素の両方を投与したラットは、死亡率の著しい減少を示した。表4に示す結果によって、BPIタンパクは内毒素の存在に伴う疾病をin vivo で予防し且つ治療するのに有用であることが立証された。BPIタンパクを多量投与して行った毒性研究では、7日目に動物を致死せしめたときに、毒性を示す証拠は示されなかった。我々は、BPIがLPSと結合する無毒性の天然に存在するタンパクであり、TNFの分泌を阻害し、内毒素およびGNB実験敗血症モデルの両方において死亡率を減少させると結論する。BPIタンパクは、敗血症ショックを治療する新規免疫学的方法を提供するものであると確信される。
Figure 2004148104
更に、殺菌性/浸透性増加タンパク(BPI)を用いた第二の実験においては、好中球減少症ラットに対して、その好中球減少期間中にシュードモナス菌(PA1244) を感染させた。第1グループのラットに対しては、5日目の発熱開始時にBPI10 mg/kg(体重)を静脈内投与し、11日目まで観察した。第2番目のグループに対しては、5日目の発熱開始時に生理食塩水を含有した緩衝液による処理を施し、11日目まで観察した。8日目以降、緩衝液で処理したラットグループは死亡したが、BPIで処理したラットグループは60%の生存率を示した。ラットを11日間観察し、各グループの生存を記録した。11日目には、BPIで処理したグループではそれ以上の死亡は発生しなかった。上記実験の結果を図15に示す。図15は線グラフで、(1)緩衝液で処理したラットの死亡率は、8日目およびそれ以後で100 %になることと、(2)BPIで処理したラットの死亡率は、7日目およびそれ以後で40%になることを示している。BPIタンパクを与えられたラットは死亡率の著しい低下を示した。
異系交配のCD−1マウスまたはスプラーグ・ドーリー系ラットにおいて、ヒトBPIタンパクを静脈内投与(IV)で最高10mg/kg まで投与したとき、急性の血液学的、生化学的または病理学的異常は生じなかった(表5)。対照のCD−1マウスにおいて、大腸菌0111:B4 内毒素1mg/kg を静脈内投与した6匹のCD−1マウスは、100%の生存率(6/6)を示した。BPIタンパクの1mg/kg、2mg/kg及び10mg/kg を静脈内注入したBPIタンパク処理マウスに対し、大腸菌0111:B4 内毒素の1mg/kgを静脈内注入したときの生存率は、夫々100%(4/4),100%(4/4),100%(5/5) であった。
対照のCD−1マウスにおいて、大腸菌0111:B4 内毒素の10mg/kg を静脈内注入した6匹のCD−1マウスの生存率は17% であった。BPIタンパク 1mg/kg,2mg/kg及び10mg/kg を静脈注入したBPIタンパク処理マウスに対して、大腸菌0111:B4 内毒素の1mg/kgを静脈内注入したときの生存率は、夫々50%(2/4), 100%(4/4)および100%(5/5) であった。
対照のCD−1マウスにおいて、大腸菌0111:B4 内毒素の50 mg/kgを静脈内注入した6匹のCD−1マウスの生存率は0%(0/6)であった。BPIタンパクの1 mg/kg 、2 mg/kg および10 mg/kgを静脈内注入したBPIタンパク処理マウスに対して、大腸菌0111:B4 内毒素の1 mg/kg を静脈内注入したときの生存率は、夫々25%(1/4), 25%(1/4)及び25%(5/5)であった。
対照のCD−1マウスにおいて、大腸菌0111:B4 内毒素の100 mg/kg を静脈内注入した6匹のCD−1マウスの生存率は0% (0/6) であった。BPIタンパク 1 mg/kg、2 mg/kg および10 mg/kgを静脈注入したBPIタンパク処理マウスに対して、大腸菌0111:B4 内毒素の1 mg/kg を静脈内注入したときの生存率は夫々0%(0/4), 0%(0/4)および80%(4/5)であった。
対照のCD−1マウスにおいて、大腸菌0111:B4 内毒素の200 mg/kg を6匹のCD−1マウスに注入すると、生存率は0% (0/6) であった。BPIタンパクの1 mg/kg 、2 mg/kg および10 mg/kgを静脈内注入したBPI処理マウスに対して、大腸菌0111:B4 内毒素1 mg/kg を静脈内注入したときの生存率は、夫々0%(0/4), 0%(0/4)および20%(1/5)であった。
Figure 2004148104
結論として、表5はBPIタンパクがテスト動物においては無毒性であり、毒素投与に続く死亡に対する顕著な防御力を提供する(図16)ことを示している。この天然に存在する好中球由来の抗菌性タンパクは、敗血症ショックの処置における新規な治療戦略を提供する。
ヒトBPIタンパクは、異系交配のCD−1マウスにおいて、静脈内投与(IV)で最高10mg/kg までは急性の血液学的、生化学的または病理学的異常を生じなかった(表6)。CD−1マウスを用い、大腸菌0111:B4 内毒素の50mg/kg を10匹に静脈内注入することにより、in vivo での内毒素に対するのBPIタンパク有効性を試験した結果、対照のCD−1マウスにおける生存率は 0% (0/10) となった。BPIタンパクの10mg/kg を静脈注入したBPI処理マウスに対して、0111:B4 内毒素50mg/kg を静脈内注入したとき、BPIタンパク処理マウスの生存率は 100%(10/10) であった。P値はp <0.001 である。更に、対照の5匹のマウスに50 mg/kgの 055を静脈内注入したところ、生存率は0%(0/5)であった。BPIタンパク10mg/kg を静脈内注入したBPI処理マウスに対して、50 mg/kgの055 を静脈内注入した結果、BPI処理マウスの生存率は100%(5/5) であった。P値はp <0.001 である。更に、対照の5匹のマウスに対して、25 mg/kgのRcラフ(Rc rough)突然変異体(コア糖脂質)を静脈注入した結果、生存率は0%(0/5)であった。BPIタンパク10mg/kg を静脈注入したマウスに対し、5 mg/kg のRcラフ突然変異体(コア糖脂質)を静脈注入した結果、生存率は100%(5/5) であった。P値はp <0.01である。また、対照の4匹のマウスに対して、25 mg/kgのリピドAを静脈注入したときの生存率は0%(0/4)であった。BPIタンパク10mg/kg を静脈注入したBPI処理マウスに対して、25 mg/kgのリピドAを注入した結果、BPI処理マウスの生存率は100%(5/5) であった。P値はp <0.05である。
BPIは毒性のない天然に存在するタンパクであり、内毒素血症および敗血症症候群の両者における死亡率を低下させる内毒素中和活性を有しているから、敗血症ショックを処置するための有用な免疫治療法となり得る。
Figure 2004148104
非グリコシル型BPI分子を作成するために、グリコシル化された組換BPIタンパク(クローン3A1)を正常に発現するCHO細胞系を、回転瓶(Costar社, Cambridge, MA)内において、7.5%の透析子牛血清(ギブコ社)+ 2μg/mlツニカマイシン(ベーリンガーマンハイム社、Indianapolis, IN)を含有する REM 020培地(ヘーゼルトン(Hazelton Inc.,Denver,PA)中で集密状態にまで生育させた。24時間後、上記培地を捨て、 2μg/mlのツニカマイシンを含有する新鮮な完全培地と交換した。ならし培地を回収し、3日間24時間毎に交換した。非グリコシル化型組換えBPIタンパクを、上記実施例3のBPIタンパクについて記載したように精製した。さらに、20mMグリシン+100 mM塩化ナトリウム、pH2中のスーパーローズ12(Superose12, ファーマシア社)サイズ除外クロマトグラフを用いて、残りのグリコシル化された組換BPIタンパクから分離し、非グリコシル化型BPIタンパクを含有する画分(ポリアクリルアミドゲル電機泳動で同定)をプールした。
グリコシル化型または非グリコシル化型の組換BPIタンパク10mg/kg をマウスに注入し、眼窩後の網状血管を通して指示された回数だけ血液を採取した。血液サンプルを凝集させ、遠心分離によってフィブリン凝集を除去し、組換BPIタンパクの濃度をELISA 分析により定量した(結果は図18に示す)。
ELISA試験
実験器具
イムロン-2 96ウエルプレート(Dynatech)
12チャンネルの50-200μl ピペット
P20, P200, P1000ピペット
試薬貯蔵器(Costar社)
ラック入り1ml チューブ(BioRaD社)
ポリプロピレン製15ml円錘チューブ
試薬
・溶液
25Mmホウ酸塩 pH9.5
ブロッキング溶液=PBS 中の5% BSA
(シグマFRACTION V,低内毒素)
洗浄/試薬緩衝液:50mM Tris pH7.4
500mM 塩化ナトリウム
1 mg/ml BSA
0.05% トウイーン系界面活性剤20
1 μ/ml ポリミキシンB活性剤
(ギブコ/BRL, 7900 U/mg)
BPI標準(試料を小分けして、−70℃で貯蔵)
注:BPI標準および試料はプロピレンで希釈し
なければならない
標準および試料の希釈
=未知の試料用の適切な溶液
(例えば、組織培養上澄液テストの場合は、
REM +7.5% dFBSwo 使用すること)
基質緩衝液:(500 mlを作成)
24.5 mg 塩化マグネシウム
48 ml エタノールアミン
lab V 水で400 mlにメスアップ
pHを9.8 の調整
lab V 水で500 mlにメスアップ
PNPP基質錠剤(5 mg/ 錠剤:シグマ社)
・抗体
捕捉(第一)抗体(100 μl/穴)
A.INVN 1-2(ウサギポリクローナル抗ヒトBPI
タンパク) IgG 1μg/ml, または
B.MM-1 (兎抗N−末端 20 アミノ酸BPIペプチ
ド)3 μl/ml.
レポーター(第2)抗体
A.INVN 1 - 2- ビオチン( 1:1000で使用)
B.PIG8( BPIのバクテリアを結合を阻止するマ
ウスモノクローナル抗BPI抗体)
第3(展開)試薬
A.ストレプタヴァイデイン
(ストレプトアビジン/アルカリフォスファター
ゼ(BioRad社),(1:2000で使用)
B.山羊抗ウサギ Ig/アルカリフォスファターゼ胞
合体(BioRad社),(1:2000を使用)
方法
1.プレートのコーティング
注:少なくとも1カ月前にプレートを被覆し、
必要となるまでプレートを4℃に貯蔵する。
説明したように、捕捉抗体を25mM ホウ酸ナトリウ
ムpH9.5 (10 ml/プレート)中に希釈する。
100 μl を96穴プレート(Immulon-2)の各ウエルに
加え、37℃で一晩インキュベートする。
使用するまで冷蔵する。
2.ブロッキング
コーティング用抗体をプレート外に排出する。
200 μl の5% BSA配合PBS を各ウエルに加える。
37℃で2-4 時間または4℃で一晩インキュベートする。
洗浄液で4回洗浄し、ペーパータオルで水きりをする。
3.BPI標準および未知標準
2ケ月毎に、小分けした新しい標準試薬を解凍する
(0.5 ml、1mg/ml) 。
1.精製したBPIまたは 100ng/ml BPIの1 mlの
ストック溶液を作成する。
2.下記の各標準濃度に従う溶液500 μl を作成する。
μl 100 ng/ml BPI μ希釈 最終[ BPI]ng
150 350 30
100 400 20
75 425 15
50 450 10
40 460 8
25 475 5
10 490 2
0 50 0
100 μl の標準(未知)を各穴に加え、室温にて、2-4 時間あるいは、4℃にて一晩培養し、4回洗浄する。
4.第2抗体
最終洗浄後、プレートの水きりをしっかりして、100
μl のINVN 1-2- ビオチンを1:1000の割合(10μl を
10 ml の洗浄/試料緩衝液中にいれる)で各穴に加え、
37℃で1時間培養し、4回洗浄する。
5.第3抗体
最終洗浄後、プレートの水きりをしっかりして、100
μl の展開試薬を各穴に加え、37℃で30分培養し、4
回洗浄する。
6.基質
注:プレートに加える直前に、全基質錠剤を基質緩衝
液に加える。
最終洗浄後、プレートの水きりをしっかりして、100
μl の基質溶液(2倍の5mg PNPP基質錠剤/10ml
基質緩衝液)を加える。
波長405 nmで、プレートを測定する。測定と測定の間、
プレートを暗所に保管する。
例 5
生物学的に活性なBPI変種:
天然のBPI分子の幾つかの異なった性質を変えるために、幾つかのクラスのBPI変種を構築した。最初の構築物では、血清中でのBPI分子の半減期を延長するように設計された。このような構築物のうちの一つにおいては、セリン351 での一つのグリコシル化部位が、1175位(図12参照)の塩基対を変えることによって、アラニンをコードしてN−グリコシル化を支持しないように変えられた(即ち、表7におけるSer351-Ala BPI(非グリコシル化))。上記塩基対の変換は、所望の配列を含むアンプライマーを用いて、PCR法により該分子のこの特定のセグメントを増幅し、適宜な制限酵素部位(この場合、塩基1202のSphI部分)によってBPI本来のセグメントを修正セグメントで置換することによって達成される。このような分子はBPIに類似した性質を有すると期待されるが、肝臓排除レセプターによって認識されるマンノース残基を欠いているので、肝臓によって急速に除去されることはない。他の構築物は、BPIの相同体であるLBPの優れた安定性という利点が得られるように設計された。例えば、LBPのアミノ末端の25kDa セグメント(内毒素結合部分と思われる)を、BPIのカルボキシル末端の30kDa セグメントと結合して、LBPの大きい血清半減期を有し且つBPIの機能を有するキメラ分子(即ち、表7のLBP25K /BPI130Kキメラ)を構築した。
第3のタイプの構築物では、BPIの安定性を増すために、免疫グロブリンの優れた血清安定性を利用した。BPIのアミノ末端の25kDa セグメント(LPS結合性)を、IgGの定常ドメインをコードするcDNAと結合させた。その結果得られたキメラ分子は、現在開発中の抗内毒素抗体と同様に、内毒素と結合してこれを不活性化することが予想される。
第2クラスの分子は、BPIタンパクの治療指標を高めるように設計された。例えば、BPIタンパクのアミノ末端ドメインは、陽性に帯電した残基を高い比率で(約14%)含んでいる。幾つかの変種においては、一つ以上のアミノ末端の陽イオン残基が、下記の方法によって中性または陰性に帯電した残基に変えられた。このように再構築された分子は生物膜を破壊し難いことを示すので、この再構築分子は弱陽イオン性である。また、下記に述べるLBP/BPIキメラタンパク分子(即ち、表7のLBP25K.BP130Kキメラタンパク)は、BPIに比較して、LBPのアミノ末端領域の陽イオン度が減少するため、より低い毒性を示し得る。
第3クラスの変種では、BPIに結合する内毒素の親和性、特異性および/または原子価を上げることが意図された。例えば、25kDa の部分内で単一の塩基対が変化した組替えBPIタンパクが製造され、in vitroでの内毒素との結合能力がテストされた。鍵となる重要なアミノ酸、特に陽イオン残基の変化は、BPIタンパクとそのリガンド、例えば内毒素との親和性を高める。また、LBP25K./BPI30K キメラと命名されたLBP/BPIキメラタンパク分子は、BPIの機能をもちながら、LBPの内毒素に対する親和性を有し得る。他の構築物では、BPIタンパク当たり2倍量の内毒素に結合することを期待して、第2の内毒素結合ドメインがBPIに加えられた。
第4クラスの突然変異体は、BPIおよび/またはBPI/内毒素複合体と、通常はマクロファージ活性化をダウンレギュレートするレセプターとの間の結合親和性を変えるようにように設計された。この例には、下記に記述したin vitro突然変異によって、30kDa の部分内に単一の塩基対変化を創出された組換えBPIタンパクが包含される。BPI25K./DP/BPI30K (表7参照)と命名されたこの種の突然変異体の一つは、ギ酸処理によって完全な25kDa ドメインを遊離できる変種を生み出した。
生物学的に活性なBPI変種を創出するために用いられた方法は、従来技術で実践されている標準法であった。キメラ分子を形成するために、鍵となる重要分子に関係する部分が通常用いられる方法によって組換えられた。例えば図26に示すように、LBPのアミノ末端25kDa 部分が、遺伝子加工で作成されたコード領域内のCla I 部位を用いて、BPIタンパクカルボキシル末端部分に結合された。標的cDNAの両端にハイブリダヂズして延長するに十分なDNA部分とクローニング部位とを含む、オリゴヌケレオチドアンプライマー(25塩基)を標準法で化学的に合成した。次いで、これらプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction) によって所望の遺伝子セグメントを増幅するために用いられた。この結果得られた新遺伝子セグメントは、標準条件のもとで対応する制限酵素で消化され、ゲル電気泳動によって単離された。別法として、cDNA自身を適切な制限酵素で消化し、脱落した遺伝子セグメントを化学合成されたオリゴヌクレオチドで補充することにより、類似の遺伝子セグメントが製造された。これらコードディング配列セグメントを一緒に繋ぎ合わせ、これを、コードされた配列の組換え体の製造を可能とする適切な発現ベクター中にクローニングした。このようなキメラ分子の適切な発現システムとしては、CHO等の哺乳類細胞、酵母等の菌類、バキュロウイルス等の昆虫ウイルス、大腸菌等のバクテリアが含まれるが、これらに限定されるものではない。これら夫々のシステムについて、もしcDNA配列の中に下記の要素が存在しなければ、それらを含む発現ベクターが有用である:即ち、その要素は、組換クローンの選択を可能にするアンピシリン等の抗生物質耐性遺伝子;ネオマイシン耐性のような、宿主細胞での選択を可能にする第2の抗生物質耐性遺伝子;バクテリア内での繁殖を可能にするバクテリアの複製起源;遺伝子挿入部位の上流にある高レベルプロモータ、例えばCHO細胞のためのMMTV,SV40またはメタロチオネインプリモーター、バクテリア宿主のためのtrp,lac,tacまたはT7のプロモーター、あるいは酵母におけるアルファー因子,galまたはPGDHプロモーター;RSVエンハンサー等の哺乳類宿主のための転写エンハンサー;およびポリアデニレーション部位のAATAAである。標準培養法によって組換え細胞の均一な培養を得た後に、大量の組換キメラ分子をならし培地から回収し、標準クロマトグラフ法で分析した。
例えば、上記構築物のうちの3つの構築物を、商業的に入手可能なベクターであるpMamNeo(Clontech, Mountain View, CA.)に組み込み、哺乳類細胞の宿主である DUXB1の形質転換に使用した。商業的に入手可能な試薬であるリポフェクチン(BRギブコ社、Gaithersberg, MD)を使用して形質転換した後に、該細胞を、ネオマイシン耐性細胞が発現し且つ回収可能な標準組織培養培地で培養した。回収して24時間後に、導入遺伝子を発現している細胞を選択するために、選択剤G418 を培地の中に加えた。選択培地で3週間培養することによって薬物耐性の細胞プールが得られ、これを集密的になるまで成育させた。この時点で培地を除去し、ELISA 法によって抗BPIタンパクに対する免疫反応性の存在について試験し、また多穴プレートにあらかじめ結合させておいた内毒素への結合性について試験した。ベクターもそのプロモーター領域にグルココルチコイド結合部位を含んでいるので、幾つかの場合には、160nm のデキサメタゾンを培地に加えて発現を高めた。採取した夫々の上澄みにおけるBPIタンパクの濃度を調べた。データを下記の表7に示す。
Figure 2004148104
従って、これら3つの生物学的に活性なBPI変種/類縁体は、CHOホスト中で産生されることが示され、免疫学的には抗BPI抗体対して交差反応し、BPIと同様の濃度で内毒素に結合することが可能であった。濃度の改善が得られるかを観察するために、同じベクターを別の宿主細胞系にトランスフェクトした。また、大量の組換タンパクが望まれる構築物については、これを、ジヒドロ葉酸リダクターゼをコードする遺伝子を含んだpSE等の増幅ベクター中に再クローンした。
T7 プロモータ/BPIタンパクプラスミド構造で形質変換されたJM109 (DE3 )の、形質変換プレートを示す写真。これらの写真は 1/125 の第二露出におけるf8 で撮られた。
A.pT7BPI-F(+) は、発現のためのT7 プロモータの後に正しい向きで配置された完全な長さのBPIタンパクの配列(シグナル配列を含む)を含んでいる。
T7 プロモータ/BPIタンパクプラスミド構造で形質変換されたJM109 (DE3 )の、形質変換プレートを示す写真。これらの写真は 1/125 の第二露出におけるf8 で撮られた。
B.pT7BPI-F(-) は、発現のためのT7 プロモータの後に正しくない向きで配置された完全な長さのBPIタンパクの配列(シグナル配列を含む)を含んでいる(得られるタンパクは、T7 遺伝子10の 260アミノ酸リーダーペプチドとの融合タンパクである)。
T7 プロモータ/BPIタンパクプラスミド構造で形質変換されたJM109 (DE3 )の、形質変換プレートを示す写真。これらの写真は 1/125 の第二露出におけるf8 で撮られた。
C.pT7BPI-Sは、発現のためのT7 プロモータの後に正しい向きで配置された完全な長さのBPIタンパクの配列(シグナル配列を含む)を含んでいる。
T7 プロモータ/BPIタンパクプラスミド構造で形質変換されたJM109 (DE3 )の、形質変換プレートを示す写真。これらの写真は 1/125 の第二露出におけるf8 で撮られた。
D.pT7212-Fは、発現のためのT7 プロモータの後に正しい向きで配置された、プロリン-212を切除したBPIタンパクの配列(シグナル配列を含む)を含んでいる。
T7 プロモータ/BPIタンパクプラスミド構造で形質変換されたJM109 (DE3 )の、形質変換プレートを示す写真。これらの写真は 1/125 の第二露出におけるf8 で撮られた。
E.pT7212-Sは、発現のためのT7 プロモータの後に正しい向きで配置された、プロリン-212を切除したBPIタンパクの配列(シグナル配列を含まない)を含んでいる。
pT7BPIタンパクのプラスミドの構築を示す図。 ELISA試験におけるBPIタンパク活性を示す標準曲線。 BPIタンパクのサンドイッチELISA(±内毒素±ポリミキシンB)。プロトコールは次の通り:稀釈剤としてPBS+1%BSAを用い、1μg/mlの硫酸ポリミキシンBの存在下または非存在下、並びに1μg/mlの E.Coli 0111 B4 内毒素の存在下または非存在下で、BPIタンパクの試験を行った。 BPIをコードするcDNAの模式図。 BPIタンパクの突然変異プライマーである25 kDa Pro 212 TGAの核酸配列およびアミノ酸配列(これはBPIタンパクのC末端切片である)。 BPIタンパクの突然変異プライマーである38 kDa Pro 337 TGAの核酸配列およびアミノ酸配列(これはBPIタンパクのC末端切片である)。 BPIタンパクの突然変異プライマー:好ましくはATG 5' HindIIIの核酸配列およびアミノ酸配列(これはBPIタンパクのC末端切片である)。 pSVBPIMDH の模式図。 pAc373の模式図。 pAc373の模式図。 (1) nBPIタンパク(ロット番号No.#148107)、(2) rBPIタンパク(ロット番号No.#148159)および (3)rBPIタンパク(ロット番号No.#148179)のSDS- PAGE分析。 BPIのcDNA配列。 BPIのcDNA配列。 p337に対応するタンパクのアミノ酸配列。 p337に対応するタンパクのアミノ酸配列。 好中球減少ラットモデルを用いたBPIの有効性を示す線図。 イン・ビボでのBPIの有効性を示す棒グラフ。 図17:BPIの有効性を示す棒グラフ。 BPIの血清半減期を示す線グラフ。 内毒素へのBPIの結合を示す線グラフ。BPIの結合は、エントトキシンをコーティングし、種々の濃度の硫酸ポリミキシンBで処理されたウエルで試験された。これらの結果は、対照緩衝液(黒丸)、10μg/mlのポリミキシンB(白丸)、100 μg/mlのポリミキシンB(黒三角)、1mg/mlのポリミキシンB(白三角)についての吸光度(O.D.405 )を示している。データは、4倍値の平均±SKとして表わされている。 BPI内毒素結合を示す線グラフ。BPIは緩衝液(黒丸)またはニート血漿(neat plasma) (白丸)で稀釈され、エントドキシン結合を試験された。 BPI内毒素結合を示す線グラフ。BPIはNaCl(黒丸)、MgCl2 (白丸)又はCaCl2 (黒三角)の増大する濃度(イオン強度 mμとして表わしたもの)で稀釈され、記述したようにしてエントドキシン結合を試験された。 内毒素活性の調節におけるBPIおよびLBPの役割を模式的に示すダイアグラム。 LBP/BPIキメラと命名された生物学的に活性な変種。 CHO- BPIと命名された生物学的に活性な変種。 BPI(DPリンケージ)と命名された生物学的に活性な変種。 BPIの生物学的に活性な変種を製造するためのコンストラクト。

Claims (20)

  1. BPIタンパクが内毒素と複合体を形成するように、外科用具をBPIタンパクでコーティングする方法であって、BPIタンパクを、生物学的サンプルと接触するように設計された前記外科用具の表面に付着させることを具備した方法。
  2. BPIタンパクが内毒素との複合体を形成するように、埋込み可能な侵襲的デバイスをBPIタンパクでコーティングする方法であって、BPIタンパクを、生物学的サンプルと接触するように設計された前記デバイスの表面に付着させることを具備した方法。
  3. 請求項第2項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルが血液である方法。
  4. 請求項第2項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルが組織サンプルである方法。
  5. 請求項第2項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルが筋肉サンプルである方法。
  6. 請求項第2項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルが軟骨である方法。
  7. 請求項第2項に記載の方法であって、前記生物学的サンプルが骨である方法。
  8. 請求項第1項に記載の方法であって、前記外科用具がカテーテル管である方法。
  9. 請求項第1項に記載の方法であって、前記外科用具が外科用ステープルである方法。
  10. 請求項第1項に記載の方法であって、前記デバイスが外科用インプラントである方法。
  11. 内毒素を含有する流体から、これを対象に投与する前に汚染物を除去するために使用される治療用組成物であって、BPIタンパクを含有する組成物。
  12. 請求項第11項に記載の組成物であって、前記流体が血液である組成物。
  13. 請求項第11項に記載の組成物であって、前記流体が血漿である組成物。
  14. 請求項第11項に記載の組成物であって、前記流体が血清である組成物。
  15. 請求項第11項に記載の組成物であって、前記流体が等張溶液である組成物。
  16. 請求項第11項に記載の組成物であって、前記流体が薬学的製剤である組成物。
  17. 請求項第11項に記載の組成物であって、前記流体が細胞培養剤である組成物。
  18. 請求項第11項に記載の組成物であって、前記流体が骨髄である組成物。
  19. 生物学的流体サンプル中におけるBPIタンパクの存在を検出するためのキットであって、(a)未結合の内毒素分子に結合する、検査用緩衝液中のポリミキシンBと;(b)(1) 活性BPIタンパクの一部に結合し、且つ(2) 内毒素結合ドメインについてBPIタンパクと競合しない、検査用緩衝液を含む表面に付着された第一抗体と;(c)(1) BPIタンパクとの結合について前記第一の抗体と競合せず、且つ(2) 内毒素結合部位またはその近傍でBPIタンパクと特異的に結合する、検出可能な成分でラベルされた第二抗体とを具備し、前記生物学的流体サンプルが前記第一抗体および第二抗体と接触したときに、前記生物学的流体サンプル中に含まれる活性BPIタンパクが前記第一抗体および第二抗体によって補捉され、第一抗体/BPIタンパク/第二抗体の複合体が形成され、この複合体を検出することによって前記生物学的流体サンプル中のBPIタンパクを検出するキット。
  20. 生物学的流体サンプル中におけるBPIタンパクの量を測定するためのキットであって、(a)未結合の内毒素分子に結合するポリミキシンBを含有する検査用緩衝液と;(b)(1) 活性BPIタンパクの一部に結合し、且つ(2) 内毒素結合ドメインについてBPIタンパクと競合しない、前記検査用緩衝液を含んだ表面に付着された第一抗体と;(c)(1) BPIタンパクとの結合について前記第一の抗体と競合せず、且つ(2) 内毒素結合部位またはその近傍でBPIタンパクと特異的に結合する、検出可能な成分でラベルされた第二抗体とを具備し、前記生物学的流体サンプルが前記第一抗体および第二抗体と接触したときに、前記生物学的流体サンプル中に含まれる活性BPIタンパクが前記第一抗体および第二抗体によって補捉され、第一抗体/活性BPIタンパク/第二抗体の複合体が形成され、この複合体を検出して、前記生物学的流体サンプル中の活性BPIタンパクの量を測定するキット。
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