JP2004148033A - 薬袋袋詰機 - Google Patents

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Shiro Omura
司郎 大村
Hideaki Hirobe
英明 廣部
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Abstract

【課題】アンプル・瓶・PTP・箱などの容器に入った薬袋への薬剤投入を優しく且つ素早く行える薬袋袋詰機を実現する。
【解決手段】投入予定薬剤の情報を印字された薬袋2を薬剤投入位置に又はその下方に保持してその口2aを開ける薬袋保持機構20と、薬剤3を薬剤投入位置まで搬送して落下させる搬送機構30とを備えた薬袋袋詰機10において、搬送機構30が、薬剤受入位置から薬剤投入位置まで水平に延びた第1ベルトコンベヤーユニット31と、これに並走して薬剤受入位置から薬剤投入位置に向かう第2ベルトコンベヤーユニット32,33と、これの搬送路に斜交して設けられたガイド部材34,35と、第1ベルトコンベヤーユニット31の搬送路先端を開閉するシャッター部材36を具備する。薬剤が整列集合して優しく投入される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アンプル・瓶・PTP・箱などの容器に入った薬剤を薬袋に詰め込む薬袋袋詰機に関し、詳しくは、薬袋の口からその中へ薬剤を投入する薬剤投入機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の薬袋袋詰機では、袋詰めしようとしている薬剤を薬剤投入機構にて薬剤投入位置で落下させるとともに、予め薬剤投入位置の下方に口を開けた状態で薬袋を薬袋保持機構にて保持しておくことで、薬剤の自動袋詰めが行われていた。その薬剤投入機構は、投入予定薬剤の収集や搬入がトレーを用いて行われる場合には、トレーを傾動させることでトレー内の全薬剤を一気に纏めて投入するようになっている。これに対し、投入予定薬剤の収集や搬入がベルトコンベア等の搬送機構での直接搬送にて行われる場合には、各薬剤が運ばれてくる度にバラバラで投入される。もっとも、ベルトコンベア等での直接搬送の場合でも、搬送経路終端等にシャッタを付設して搬入薬剤を一時貯留するようになった薬剤投入機構では、シャッタを開けることで貯留薬剤が一気に纏めて投入される。何れにしても、薬剤投入機構におけるベルトコンベア、即ち収集後の薬剤やトレーを搬送して薬剤投入位置に至るベルトコンベアは、単線であるか単線に等しいものであった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−212208号公報 (第5頁、図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような薬袋袋詰機は、袋詰めを自動で行うので、処理効率が良いという利点に加えて、袋詰め時もその後も人の手が薬剤に直には触れないで済むという利点もある。特に、薬袋を透明にすると、薬袋を開封しないで監査まで行えることから、施用時は別としてそれまでの薬剤と手との直接接触をほとんど無くすこともできるので、院内感染の防止効果向上等の観点からも、薬袋袋詰機利用の透明薬袋デリバリ方式が注目されつつある。
【0005】
しかしながら、上述したような従来の薬袋袋詰機では、薬剤をバラで投入する場合はもちろん、纏めて投入する場合も、薬剤同士が衝突しその衝撃で薬剤容器が壊れたりしないよう、投入は時間をかけてゆっくり行わなければならなかった。また、アンプルの首など折れやすい部分にボトル等が落下衝突すると、例えゆっくり投入しても損傷しやすいので、そのような薬剤を一緒に袋詰めするのは避けなければならなかった。このため、薬袋袋詰機の利用は未だ限られている。
【0006】
そこで、透明薬袋デリバリ方式の実用化にも十分に役立つべく、薬袋への薬剤投入を従来より短時間で効率良く行っても、さらにアンプルや小ボトル等の各種薬剤を組み合わせて一緒に袋詰めしても、薬剤容器に損傷を与えることなく優しく薬剤の袋詰めがなされるよう、薬剤投入機構に工夫を凝らすことが技術的な課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、薬袋への薬剤投入を優しく且つ素早く行える薬袋袋詰機を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1乃至第4の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0008】
[第1の解決手段]
第1の解決手段の薬袋袋詰機は、出願当初の請求項1に記載の如く、投入予定薬剤の情報を印字された薬袋を薬剤投入位置に又はその下方に保持してその口を開ける薬袋保持機構と、薬剤を前記薬剤投入位置まで搬送して落下させる搬送機構とを備えた薬袋袋詰機において、前記搬送機構が、薬剤受入位置から前記薬剤投入位置まで水平に延びた第1ベルトコンベヤーユニットと、これに並走して前記薬剤受入位置から前記薬剤投入位置に向かう第2ベルトコンベヤーユニットと、これの搬送路に斜交して設けられたガイド部材と、前記第1ベルトコンベヤーユニットの搬送路先端を開閉するシャッター部材とを具備している、というものである。
【0009】
このような第1の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、投入予定薬剤は、薬剤受入位置で搬送機構に渡されるとき、第1,第2ベルトコンベヤーユニット双方の搬送路上に広がるので、重なりあって壊れるという心配が無い。それから薬剤投入位置に向けて搬送されるが、その際、第2ベルトコンベヤーユニット上の薬剤がガイド部材によって第1ベルトコンベヤーユニット上へ移され、それらの合流薬剤がシャッター部材によってその手前に留められて、再び纏められる。そして、薬袋の準備が調ったところで、その口から薬袋中へ投入される。
【0010】
こうして、薬剤が薬剤受入口から薬剤投入位置まで搬送されるとき、それに伴い、薬剤がガイド部材によって集合させられると同時に或る程度は整列もさせられる。そして、この整列集合機能により、薬剤を搬器から薬袋へ直に纏めて投入するよりも優しく、単にコンベヤーを介してバラバラに投入するよりも素早く、薬袋への薬剤投入が行えることとなる。
したがって、この発明によれば、薬袋への薬剤投入を優しく且つ素早く行える薬袋袋詰機を実現することができる。
【0011】
[第2の解決手段]
第2の解決手段の薬袋袋詰機は、出願当初の請求項2に記載の如く、上記の第1の解決手段の薬袋袋詰機であって、前記第1ベルトコンベヤーユニットが前記第2ベルトコンベヤーユニットより長くなっている、というものである。
【0012】
このような第2の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、第2ベルトコンベヤーユニットの先端が薬剤投入位置まで来ないので、第1ベルトコンベヤーユニットの先端を薬袋の口に近づけることや或いは口の中に一時挿入することも可能となる。これにより、衝撃を少なくしながらも薬剤の投入は確実に行える。
したがって、この発明によれば、薬袋への薬剤投入を優しく且つ素早く而も確実に行える薬袋袋詰機を実現することができる。
【0013】
[第3の解決手段]
第3の解決手段の薬袋袋詰機は、出願当初の請求項3に記載の如く、上記の第2の解決手段の薬袋袋詰機であって、前記第1ベルトコンベヤーユニットが、前記薬剤投入位置に向けて進退可能なものであり、前記シャッター部材の開動作に同期して搬送および後退を行うようになっている、というものである。
【0014】
このような第3の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、開動作と搬送とによって薬剤が確実に薬袋の口中へ落とされるとともに、同時になされる後退によって薬剤の水平方向運動は抑制されるので、薬剤は静かに落下する。これにより、薬剤投入が更に優しいものとなる。
したがって、この発明によれば、薬袋への薬剤投入を更に優しく且つ素早く而も確実に行える薬袋袋詰機を実現することができる。
【0015】
[第4の解決手段]
第4の解決手段の薬袋袋詰機は、出願当初の請求項4に記載の如く、上記の第1〜第3の解決手段の薬袋袋詰機であって、前記第1ベルトコンベヤーユニットが前記第2ベルトコンベヤーユニットより速く搬送するようになっている、というものである。
【0016】
このような第4の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、搬送速度に差のあるところでは薬剤の長手方向が搬送方向を向きやすくなるので、搬送に伴って或る程度の薬剤整列も行われる。その整列機能にてガイド部材の整列集合機能が強化されることにより、比較的簡単な装置構成でも、薬剤の合流や再集合が一層円滑かつ的確に行われる。
したがって、この発明によれば、薬袋への薬剤投入を一層優しく且つ素早く行える薬袋袋詰機を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の薬袋袋詰機について、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1,第2実施例により説明する。
図1〜図3に示した第1実施例は、上述した第1〜第4の解決手段を具現化したものであり、図4に示した第2実施例は、その応用例であり他の装置と連携する調剤システムである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、一般的な筐体パネルや,ベース,フレーム,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具、電動モータ等の駆動部材などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【0018】
【第1実施例】
本発明の薬袋袋詰機の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、その要部の構造を示す斜視図である。
【0019】
この薬袋袋詰機10には、単票状態の薬袋2を薬剤投入可能に保持する薬袋保持機構20と、薬剤を薬袋に投入する薬剤投入機構としての搬送機構30とが、図示しない筐体内に具備されている。また、薬袋への印刷に加えて薬袋の単票化も行うプリンタ11や、プリンタ11から薬袋保持機構20まで薬袋2を移送するリフタ12及びシフタ13、薬剤受入位置で薬剤3を薬剤トレー4から搬送機構30に移載するアーム14も、この例では筐体内に具備されているが、これらは外付けでも良く、必須でも無い。その他、投入予定薬剤の入った薬剤トレー4を搬入するコンベア5や、薬剤投入後の薬袋2の入った薬袋トレー6を搬出するコンベア7も、一部が薬袋袋詰機10に組み込まれて、筐体の内外に亘っている。これらは、何れも、図示しないコントローラによりプログラムに従って制御されて連携動作するようになっている。
【0020】
プリンタ11は、長く連続した薬袋材料1に投入予定薬剤の情報を印字するとともに、所定長だけ送り出してから切断も行うが、それに加えて、何れか一方の切断部を加熱溶着等にてシールすることで、単票状態の薬袋2を作成するようになっている。薬袋2のシールされなかった切断部は開閉可能な口2aとなる。薬袋材料1は、透明で柔らかいプラスチックフィルムからなり、長い筒状体に形成して、それを巻き取ってロール紙状にしたものである。薬剤の情報は、処方箋データや派生した調剤データ等から得られ、例えば、薬品名や,数量,患者名などが印刷されるようになっている。
【0021】
シフタ13は、薬袋2を乗載可能なベルトコンベア或いはテーブル等からなり、プリンタ11から排出される単票の薬袋2を排出速度に同期して水平に移送することで、薬袋2を広げた状態で受け取るようになっている。また、リフタ12は、シフタ13上の薬袋2を真空吸着等にて持ち上げて、薬袋保持機構20のプレート22上へ運ぶことで、薬袋2を水平に広げたまま移送するようになっている。なお、このような薬袋移送手段12,13は、そこに次のオープナー21やプレート22を配置すれば、省いても良い。
【0022】
薬袋保持機構20には、薬袋2を受け取るプレート22と、口2aを開けるオープナー21とが設けられている。プレート22は、ほぼ平坦な板状体からなり、薬袋2の保持面に真空吸着用の小孔等が形成されており、支軸23にて揺動可能・回転可能に支持され水平と鉛直いずれの状態もとれるようになっている。水平状態で保持面が上を向くようにもなっている。オープナー21も、ほぼ平坦な水平の板状体からなり、下面に真空吸着用の小孔等が形成されており、プレート22の上方で上下動可能に支持されている。何れも真空吸着面・真空吸着範囲が薬袋2より狭くなっており、薬袋2を上下から挟んで吸着して離れることで口2aを大きく開かせるようになっている。なお、オープナー21とリフタ12とを一体化して、部品点数の削減や引渡工程の省略を図るのも良い。
【0023】
搬送機構30は、薬剤3を薬剤受入位置から薬剤投入位置まで搬送して落下させるために、その間に亘って水平にエンドレスベルトを延ばしたコンベア31(第1ベルトコンベヤーユニット)を具備しており、その先端部には搬送路の開閉を行うシャッタ36(シャッター部材)が付設されている。
また、それだけでなく、この搬送機構30には、従来は無かったコンベア32,33(第2ベルトコンベヤーユニット)とガイド34,35(ガイド部材)も設けられている。さらに、コンベア31には図示しない直線往復駆動機構も付設されていて、コンベア31が搬送方向と同じ向きに即ち薬剤投入位置に向けて進退しうるようになっている。
【0024】
コンベア32,33は、コンベア31同様にベルト搬送を行うものであるが、長さがコンベア31より短い。コンベア31の両脇に分かれ、基端部を揃えて並列に設置されて、コンベア31に並走して薬剤受入位置から薬剤投入位置に向かうが薬剤投入位置には至らないものとなっている。また、これによって基端側が複線化された搬送機構30は、薬剤受入位置のところの搬送路の幅が拡張され、薬袋受入範囲・薬袋受入面積の広いものとなる。なお、コンベア32,33は、何れか1本に減らしても良く、3本以上に増やしても良い。
【0025】
ガイド34,35は、他の側板や,仕切部材,シャッタ36等と共に搬送機構30の搬送路を囲んで、薬剤3が搬送路からこぼれ落ちないようにしているが、特にガイド34,35は、その搬送路に斜交して設けられている。具体的には、薬剤受入位置側がコンベア32,33上方に位置し、薬剤投入位置側がコンベア31上方に位置して、搬送路の幅を徐々に狭めるようになっている。なお、搬送路に余裕があれば、ガイド34,35の手前にもそれらと同じか少し短い斜交ガイド34a,35bを設けて(図2(a)参照)、ガイド部材を複列化・多列化すると一層良い。
【0026】
コンベア31,32,33の搬送速度は何れもコントローラのパラメータ設定等にて変更や調整が可能になっているが、その設定に際しては、コンベア31の搬送速度がコンベア32及びコンベア33の搬送速度より速くなるよう、プログラムにて条件が課される又は設定値が矯正されるようにもなっている。
コンベア31の前進速度もコントローラのパラメータ設定等にて変更や調整が可能になっているが、コンベア31の後退速度はコンベア31の搬送速度と同じに自動設定される。また、薬剤投入のためにシャッタ36を開けたときは直ちに搬送動作と後退動作とをコンベア31に行わせるようにも、コントローラがプログラムされている。
【0027】
その他、この薬袋袋詰機10には、袋詰め対象の薬剤3が自動搬入されることに対応して、薬袋受入位置の近くにアーム14等からなる薬剤移載手段が設けられている。アーム14は、コンベア5で運ばれて来た薬剤トレー4を薬袋受入位置で傾動させて薬剤トレー4から薬剤3を搬送機構30の搬送路上に移し替えるものである。図示したのは押し上げるタイプのものであるが、引っ張る方式でも良く、把持する方式でも、移載できれば良い。
【0028】
薬剤トレー4は、プラスチック製の小箱であり、上面開口の縁に鍔状の張出部が形成されている。コンベア5は、薬剤トレー4の2辺の張出部を上下から挟んで搬送するようになっている。これにより、搬送音や,その他の騒音,振動が、ほとんど無くなった。また、底面全体の搬送機構と比べ、つば搬送は構造がシンプルでメンテナンスもしやすい。
薬袋トレー6も上面の開いたプラスチック製の箱であるが、これは、コンベア7での搬送に加えて人手での運搬もなされることや、袋詰め終了後の薬袋2を一個に限らず複数・多数収容することもあるため、コンベア7は、ベルトの上に薬袋トレー6の底面を乗せて薬袋トレー6の搬送を行い、その際に薬剤投入位置の下方を通過させたり一時停止させたりするようになっている。
【0029】
この第1実施例の薬袋袋詰機について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図2(a)〜(d)は、何れも搬送機構の平面図であり、その薬剤搬送動作に伴う整列集合状態を時系列で示している。また、図3(a)〜(d)は、何れも搬送機構および薬袋保持機構についての薬剤投入位置近傍部分の側面図であり、その薬剤投入動作を時系列で示している。
【0030】
この薬袋袋詰機10は、一緒に袋詰めされる幾つかの薬剤3が薬剤トレー4に収容されてコンベア5にて搬入されるとともに、薬剤3を詰め込まれた薬袋2が薬袋トレー6に収容されてコンベア7にて搬出されるような環境下で使用され、搬入された薬剤3を薬剤トレー4から受け入れて薬袋2に投入するとともに、その薬袋2に投入予定薬剤の情報を印刷することも行う。スループット向上のため投入準備と情報印刷はできるだけ並行になされる。
【0031】
すなわち(図1参照)、処方箋データ等に基づいて必要な薬剤3が収集され、それを収容した薬剤トレー4が搬入されると又は搬入予定の通知等を受けると、コントローラの指示に従ってプリンタ11が作動し、それによって薬剤3の情報を印字された単票状態の薬袋2が作成される。その薬袋2は、リフタ12によって薬袋保持機構20のところへ移送され、水平状態のプレート22に乗せられて吸着される。こうして、薬剤投入位置に保持される。それから、薬袋2は、オープナー21の一連の動作によって具体的には下降と吸着と上昇という動作によって、口2aが大きく開けられる。こうして、薬袋2が口を開けた状態で薬剤投入位置に保持され、薬袋2側は薬剤投入が可能な状態となる。
【0032】
一方(図1参照)、薬剤トレー4がコンベア5にて薬剤受入位置まで搬送されて来ると、その薬剤トレー4がアーム14によって傾動させられるので、それに入っていた薬剤3は、コンベア31,32,33の搬送路上に移し替えらる。その搬送路は薬剤受入位置のところが広いので、速やかに移しても、薬剤3は、こぼれ落ちることが無く、ぶつかり合ったり重なり合うことも少ない(図2(a)参照)。こうして、薬剤3の移載が迅速かつ安全に行われる。
【0033】
それから、搬送機構30が搬送動作を開始して、薬剤3が薬剤受入位置から薬剤投入位置へ向けて(図2では左から右へ)搬送されるが、その際、中央のコンベア31による搬送が高速なのに対し、両脇を並走するコンベア32,33の搬送は低速なことから、両搬送路に亘って置かれた薬剤3は搬送に伴って徐々に中央寄りの端部を前に向ける(図2(b)参照)。そして、ガイド34,35に当接すると、それに沿って無理なく中央に寄せられて集められ(図2(c)参照)、シャッタ36の手前に整列集合させられる。こうして、薬剤3も投入可能な状態となる。しかも、そのとき(図2(d)参照)、整然として、貯留され、投入を待つ。
【0034】
薬剤投入位置に薬剤3と薬袋2とが揃うと(図3(a)参照)、コンベア31が前進して先端部がシャッタ36や薬剤3と共に薬袋2の中に進入する(図3(b)参照)。そして、シャッタ36が開くとともに、それに同期してコンベア31の搬送動作と後退動作も行われる(図3(c)参照)。すると、薬剤3が先端の方から順に落下するが、コンベア31の搬送速度と後退速度との相殺によって薬剤3の水平方向速度はほぼ零になる。こうして、薬剤3は静かに落下して薬袋2内に投入され、コンベア31は薬袋2から出る(図3(d)参照)。
【0035】
薬剤の投入を終えると(図1参照)、薬袋2は、プレート22に保持された状態で口2aを図示しないヒートシール部材等にてシールされ、プレート22の鉛直状態への移行と吸着停止とによって薬袋トレー6に投入される。こうして、一つの薬袋2に薬剤3を詰め込む処理が完了する。それから、それ単独で搬出して良ければ直ちに、或いは他の薬袋2と一緒に搬出するのであれば上述した袋詰め動作を必要なだけ繰り返してから後に、薬袋2を収容した薬袋トレー6がコンベア7によって搬出される。
【0036】
こうして、この薬袋袋詰機10にあっては、アンプル等の壊れやすい容器に入った薬剤でも安全に、且つ、従来よりも高いスループットで迅速に、薬袋袋詰の自動処理が実行される。
【0037】
【第2実施例】
本発明の薬袋袋詰機の第2実施例である調剤システムについて、その構成を説明する。図4(a)は平面配置図、同図(b)は正面配置図である。
【0038】
この自動調剤システム40には、上述した薬袋袋詰機10に加えて、例えばアンプル入り注射薬の自動払出を行う薬剤払出機41と、例えば50mlや100mlの小さなボトルに収められた水剤を自動で払い出す薬剤払出機42と、空の薬袋トレー6を供給するトレーサプライヤー43と、例えば比較的大きな輸液ボトル等を払い出す薬剤払出機44と、例えばバッグ入りのソフト・キット薬品等を払い出す薬剤払出機45と、薬剤3入りの薬袋2を収容した薬袋トレー6を監査等に備えて取出可能にストックしておくトレーストッカー46も設けられている。
【0039】
それらのうち薬剤払出機41,42は、コンベア5を含んだ搬送装置を介して薬袋袋詰機10と連結されており、その搬送経路が一巡していて(図4の矢付き一点鎖線を参照)、薬剤トレー4が循環するようになっている。
また、トレーサプライヤー43と薬剤払出機44,45とトレーストッカー46は、コンベア7を含んだ搬送装置を介して薬袋袋詰機10と連結されており、薬袋トレー6がトレーサプライヤー43,薬剤払出機44,薬剤払出機45,トレーストッカー46,薬袋袋詰機10,再びトレーストッカー46をその順に搬送されるようになっている(図4の矢付き二点鎖線を参照)。
【0040】
この場合、図示しない上位の処方オーダリングシステム等から処方箋データが送信されて来ると、それに応じて自動調剤システム40では、アンプル等が処方されていればそれが薬剤払出機41から払い出され、小ボトル入り薬剤が処方されていればそれが薬剤払出機42から払い出され、それらが薬剤トレー4に収集されて、薬袋袋詰機10にコンベア5にて搬入される。薬袋袋詰機10では、上述したようにして、透明な薬袋2に薬剤情報が印刷されるとともにアンプル等の薬剤3が詰め込まれる。
【0041】
それと並行して、トレーサプライヤー43からは、空の薬袋トレー6が送り出される。その薬袋トレー6には、処方対象の輸液ボトルやソフト・キット薬品などが薬剤払出機44,45から払い出される。それから、その薬袋トレー6は、トレーストッカー46を通過して、薬袋袋詰機10にコンベア7にて搬入される。そして、袋詰め済み薬袋2を追加投入されてから、トレーストッカー46に戻される。
こうして、この自動調剤システム40にあっては、袋詰め可能な薬剤は薬袋に封入されて人手に触れないようになるとともに、袋詰めに適さない薬剤もトレーを利用してバラバラにならないよう患者単位や処方単位など適宜な単位で纏められる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、整列集合機能も発揮する特定構造の搬送機構を薬剤投入機構に採用したことにより、薬袋への薬剤投入を優しく且つ素早く行える薬袋袋詰機を実現することができたという有利な効果が有る。
【0043】
また、本発明の第2の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、並走するベルトコンベヤーが投入の妨げにならないよう長短のベルトコンベヤーを組み合わせたことにより、薬袋への薬剤投入を優しく且つ素早く而も確実に行える薬袋袋詰機を実現することができたという有利な効果を奏する。
【0044】
さらに、本発明の第3の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、搬送機構の作動にて投入しても薬剤が静かに落下するようにしたことにより、薬袋への薬剤投入を更に優しく且つ素早く而も確実に行える薬袋袋詰機を実現することができたという有利な効果が有る。
【0045】
また、本発明の第4の解決手段の薬袋袋詰機にあっては、ベルトコンベヤーの搬送速度に差をつけてガイド部材の整列集合機能を強化したことにより、薬袋への薬剤投入を一層優しく且つ素早く行える薬袋袋詰機を実現することができたという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬袋袋詰機の第1実施例について、要部の構造を示す斜視図である。
【図2】搬送機構の薬剤搬送動作を時系列で示した平面図である。
【図3】搬送機構の薬剤投入動作を時系列で示した側面図である。
【図4】本発明の薬袋袋詰機の第2実施例としての調剤システムについて、(a)が平面配置図、(b)が正面配置図である。
【符号の説明】
1 薬袋材料
2 薬袋(透明薬袋)
2a 口(薬剤投入口)
3 薬剤(容器入り薬剤、袋詰対象薬品、投入予定薬剤)
4 薬剤トレー(薬剤受入位置側の循環搬器)
5 コンベア(薬剤トレーの搬送手段)
6 薬袋トレー(薬剤投入位置側の持ち運び搬器)
7 コンベア(薬袋トレーの搬送手段)
10 薬袋袋詰機
11 プリンタ(単票薬袋作成手段、薬袋印刷手段)
12 リフタ(薬袋移送手段)
13 シフタ(薬袋移送手段)
14 アーム(薬剤移載手段)
20 薬袋保持機構
21 オープナー(開け部材)
22 プレート(受け部材、揺動板)
30 搬送機構(薬剤受入位置から薬剤投入位置へ延びる薬剤投入機構)
31 コンベア(第1ベルトコンベヤーユニット)
32,33 コンベア(第2ベルトコンベヤーユニット)
34,35 ガイド(案内手段、絞り手段、斜交ガイド部材)
36 シャッタ(一時貯留手段、開閉シャッター部材)
40 自動調剤システム
41,42 薬剤払出機(袋詰対象薬品の払出装置)
43 トレーサプライヤー(薬袋トレーの供給装置)
44,45 薬剤払出機(袋詰対象外薬品の払出装置)
46 トレーストッカー(薬袋トレーの収納装置)

Claims (4)

  1. 投入予定薬剤の情報を印字された薬袋を薬剤投入位置に又はその下方に保持してその口を開ける薬袋保持機構と、薬剤を前記薬剤投入位置まで搬送して落下させる搬送機構とを備えた薬袋袋詰機において、前記搬送機構が、薬剤受入位置から前記薬剤投入位置まで水平に延びた第1ベルトコンベヤーユニットと、これに並走して前記薬剤受入位置から前記薬剤投入位置に向かう第2ベルトコンベヤーユニットと、これの搬送路に斜交して設けられたガイド部材と、前記第1ベルトコンベヤーユニットの搬送路先端を開閉するシャッター部材とを具備したものであることを特徴とする薬袋袋詰機。
  2. 前記第1ベルトコンベヤーユニットが前記第2ベルトコンベヤーユニットより長いことを特徴とする請求項1記載の薬袋袋詰機。
  3. 前記第1ベルトコンベヤーユニットが、前記薬剤投入位置に向けて進退可能なものであり、前記シャッター部材の開動作に同期して搬送および後退を行うことを特徴とする請求項2記載の薬袋袋詰機。
  4. 前記第1ベルトコンベヤーユニットが前記第2ベルトコンベヤーユニットより速く搬送するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された薬袋袋詰機。
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