JP2004146737A - Power module substrate, and power module - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、大電圧・大電流を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板に係り、特に半導体チップ等の発熱体から発生する熱を放散させる放熱体を有するパワーモジュール用基板及びパワーモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のパワーモジュール用基板にあっては、セラミックス材料からなる絶縁基板(セラミックス基板)の一方の面に回路層を、他方の面に放熱体を各々備え、この放熱体の絶縁基板形成面と対向する面に、冷却水等の冷却手段を備えた冷却シンク部を備えた構成のものが一般的である。しかしながら、絶縁基板に放熱体をはんだ等で積層接着する際に、そのときの熱と、絶縁基板と放熱体との熱膨張係数の差とに起因して、放熱体が絶縁基板に向けて反り、放熱体と絶縁基板との間に間隙が生じる場合があった。この場合、回路層上に設けられた半導体チップが発熱した際の熱を放熱体に良好に伝達することができないという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するための手段として、例えば特許文献1のような技術が開示されている。この文献には、前述の構成において、放熱体の絶縁基板形成面と対向する面に、絶縁基板と略同一の熱膨張係数を有する金属板(例えば、42アロイ)を設けた構成が開示されている。この構成により、絶縁基板と放熱体との間に熱膨張係数の差があったとしても、放熱体の反り発生を抑制することができるというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−286348号公報(第2−4頁、図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記に示す従来のパワーモジュール用基板は、放熱体の絶縁基板形成面と対向する面に前記金属板を設けているので、回路層上に設けられた半導体チップの発熱による熱をパワーモジュール用基板の積層方向に良好に伝達することができないという問題があった。すなわち、半導体チップから絶縁基板に伝達された熱が放熱体に達した後、この熱が前記金属板で留まり良好に放熱できないという問題があった。この場合、パワーモジュール用基板全体の温度が上昇し、その結果、放熱体の絶縁基板へ向けた反りが更に発生し、更なる放熱体の熱伝導率の低下を招く問題があった。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、絶縁基板及び放熱体の双方の熱膨張係数差があっても、これに拘わることなく反りを抑制することができると共に、熱伝導率が低下することを抑制できるパワーモジュール用基板及びパワーモジュールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、絶縁基板と、該絶縁基板の一方の面に設けられた放熱体と、前記絶縁基板の他方の面に設けられた回路層とを備えたパワーモジュール用基板であって、前記放熱体は、放熱体本体に該放熱体本体の熱膨張係数より低い材質からなる低熱膨張材を積層して構成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、放熱体が、放熱体本体と低熱膨張材とを積層した構成となっているので、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げ、絶縁基板と放熱体全体との熱膨張係数の差が可及的に小さくなる。このため、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のパワーモジュール用基板において、前記低熱膨張材の厚さは、前記放熱体本体の厚さの0.1倍以下で形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材の厚さが、放熱体本体の厚さの0.1倍以下で形成されているので、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げるとともに、放熱体全体の熱伝導率の低下を最小限に抑制することになる。これにより、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを抑制するとともに、必要最小限の熱伝導率を有した放熱体を備えたパワーモジュール用基板を提供することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のパワーモジュール用基板において、前記低熱膨張材の積層方向の厚さは、前記放熱体本体の積層方向の厚さの0.05倍以上で形成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材の厚さが、放熱体本体の厚さの0.05倍以上で形成されているので、放熱体全体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材の影響を最小限維持することになり、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げ、絶縁基板と放熱体全体との熱膨張係数の差が可及的に小さくなる。このため、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のパワーモジュール用基板において、前記低熱膨張材の絶縁基板と対応する領域に、放熱体側の熱膨張係数と絶縁基板側の熱膨張係数との差に基づき、段差部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材の絶縁基板と対応する領域に、放熱体と絶縁基板との熱膨張係数の差に基づいて段差部を設けたので、前記領域における放熱体と絶縁基板との熱膨張係数の差を緩和することになる。これにより、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載のパワーモジュール用基板において、前記段差部は、放熱体において、絶縁基板側の熱膨張係数が放熱体側の熱膨張係数より小さいとき、低熱膨張材の前記絶縁基板と対応する領域を、絶縁基板から遠ざかる方向に凹ませて形成する一方、絶縁基板側の熱膨張係数より放熱体側の熱膨張係数が小さいとき、低熱膨張材の前記絶縁基板と対応する領域を、絶縁基板に近づく方向に隆起させて形成することを特徴とする。
【0016】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、絶縁基板側の熱膨張係数と放熱体側の熱膨張係数との差に応じて、低熱膨張材の段差部の積層方向に対する配設位置を変えるので、放熱体の絶縁基板と対応する領域における熱膨張係数に与える低熱膨張材の影響を調整することができ、放熱体の熱膨張係数を見かけ上調整できる構成となっている。これにより、絶縁基板と、この絶縁基板と対応する領域における放熱体との熱膨張係数の差を確実に緩和することができ、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれかに記載のパワーモジュール用基板において、前記低熱膨張材には、これを貫通する孔が穿設されていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材に設けられた孔に放熱体本体を充填し、低熱膨張材を放熱体本体に鋳ぐませる構成とすることができ、これにより、低熱膨張材の孔を介して絶縁基板からの熱を確実に放熱体の積層方向に伝達し、この熱を外部に良好に放熱することになる。以上により、放熱体の熱膨張係数の低下と熱伝導率の低下抑制とを確実に実現することになる。また、低熱膨張材に設けられた孔に放熱体本体を鋳ぐませる構成の他、前記孔に放熱体本体と同一材質の平板又は粉末材料を低熱膨張材の厚さ分だけ充填した後、この低熱膨張材の上下面に放熱体本体をろう材を介して積層接合させた構成としても前述と同様の作用を奏することになる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれかに記載のパワーモジュール用基板において、前記低熱膨張材は、リブを有していることを特徴とする。
【0020】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材がリブを有していると、放熱体全体としての剛性が上がり、強度を増大させることになるので、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを一層確実に抑制することになる。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に記載のパワーモジュール用基板において、前記孔は、前記低熱膨張材において、絶縁基板と対応する領域に設けられた断面積より、該対応領域の周辺領域に設けられた断面積を大きくさせていることを特徴とする。
【0022】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材において、絶縁基板との対応領域に設けられた孔の断面積が、その対応領域の周辺領域に設けられた孔の断面積より小さくなっているので、放熱体の前記対応領域における曲げに対する剛性の低下を最小限に抑制することになる。これにより、絶縁基板からの熱の影響で、前記対応領域が熱変形を受けて反りが発生することを抑制することになる一方、前記対応領域より周辺領域に設けられた孔の断面積が大きくなることで、放熱体本体間の熱伝達を一層良好にさせることになる。以上により、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することになるとともに、放熱体の熱伝達を良好に行うことになる。
【0023】
請求項9に係る発明は、絶縁基板と、該絶縁基板の一方の面に設けられた放熱体と、前記絶縁基板の他方の面に設けられた回路層とを備えたパワーモジュール用基板であって、前記放熱体は、放熱体本体と、該放熱体本体の熱膨張係数より低い材質からなる低熱膨張材とを備え、該低熱膨張材は、前記一方の面と他方の面とに亘る厚み方向と連絡し、かつ該厚み方向と交差方向で互いに連なる連絡開口部を有して設けられ、かつ該連絡開口部を介して放熱体本体に鋳ぐまれる構成としたことを特徴とする。
【0024】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、放熱体に低熱膨張材が設けられているとともに、低熱膨張材に連絡開口部を設け、この連絡開口部を介して放熱体本体を充填し、低熱膨張材が放熱体本体に鋳ぐまれる構成としたので、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げることになるとともに、熱伝導率の低下を確実に抑制することになる。従って、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生するのを確実に抑制することができるとともに、放熱体自体の熱伝導率が低下することを抑制することができる。
【0025】
請求項10に係る発明は、請求項9記載のパワーモジュール用基板において、前記低熱膨張材は、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて前記連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けると共に、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設することを特徴とする。
【0026】
この発明に係るパワーモジュール用基板によれば、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けるとともに、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設したので、一方の面と他方の面とに亘る厚み方向に互いに連なる連絡開口部を有する低熱膨張材を確実に形成できる。
【0027】
請求項11に係る発明は、請求項1から10記載のパワーモジュール用基板上にチップを搭載してなることを特徴とする。
【0028】
この発明に係るパワーモジュールによれば、絶縁基板と放熱体との熱膨張係数の差に拘わることなく、両者の反りを可及的に抑えつつ良好な熱伝導率を有するパワーモジュールが得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の第一実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
本第一実施形態のパワーモジュールPにおいて、パワーモジュール用基板10は、大別すると図1に示すように、絶縁基板11と,放熱体16とを備える。
絶縁基板11は、例えばAlN,Al2O3,Si3N4,SiC等により所望の大きさに形成され、その上面に回路層12が積層接合される。回路層12は、純Al,Al合金,Cu等により形成されている。
【0030】
絶縁基板11の回路層12上にはんだ14によって半導体チップ30が搭載される一方、絶縁基板11の下面にはんだ15によって、或いはろう付けや拡散接合等によって放熱体16が接合され、更に、この放熱体16が冷却シンク部31に取り付けられて使用され、該冷却シンク部31内の冷却水(或いは冷却空気)32により、放熱体16に伝達される熱が外部に放熱されることで、パワーモジュールPが構成されている。放熱体16は、冷却シンク部31に取付ねじ33によって密着した状態で取り付けられる。
【0031】
また、放熱体16の放熱体本体17に低熱膨張材18が、図示しないろう材を介して積層接合されている。放熱体本体17は、例えば純Al,Al合金,Cu等,好ましくは純度99.5%以上のAl合金のような熱伝導性の良好な材質,いわゆる高熱伝導材によって形成されている。高熱伝導材としては、熱伝導率が例えば、100W/m・K以上、好ましくは150W/m・K以上のものである。
【0032】
一方、低熱膨張材18は、放熱体本体17の熱膨張係数より低い熱膨張係数の材質からなっており、放熱体本体17に積層することで、放熱体16全体の熱膨張係数と絶縁基板11の熱膨張係数との差を可及的に近づけさせるためのものであり、例えばインバー合金からなっていて、熱膨張係数がおよそ5×10−6/℃以下である。
ここで、インバー合金とは、室温付近でほとんど熱膨張が生じない合金であって、Feが64.6mol%で、Niが35.4mol%の組成率となっている。但し、Fe中には、それ以外の不可避不純物が含まれたものもインバー合金と呼ばれている。
【0033】
このような材質からなる低熱膨張材18は、図1に示すように、放熱体本体17と17との間に接合されている。従って、放熱体16は二枚の放熱体本体17と一枚の低熱膨張材18との三層構造であって、絶縁基板11側と冷却シンク部31側とに放熱体本体17が配置された構成となっている。
【0034】
また、この低熱膨張材18の積層方向の厚さAは、放熱体本体17の積層方向の厚さBの0.05倍以上0.1倍以下で形成されている。これは、放熱体16自体に低熱膨張材18を設けると、それだけ熱伝導率が低下するため、この熱伝導率の低下を極力抑えるためであるとともに、この熱伝導率の低下を抑えるために、徒に低熱膨張材18の厚さAを薄くすると、放熱体16自体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材18の影響が小さくなり、放熱体16自体の熱膨張係数が放熱体本体17の熱膨張係数と略同一となることを回避するためである。
すなわち、低熱膨張材18の厚さAを放熱体本体の厚さBの0.05倍以上0.1倍以下とすることにより、低熱膨張材18による放熱体16自体の熱膨張係数の低下,すなわち放熱体16の反り発生抑制と、放熱体16自体の熱伝導率の低下抑制とを図る構成となっている。
【0035】
以上説明したように、本第一実施形態によるパワーモジュール用基板によれば、放熱体16が、放熱体本体17と低熱膨張材18とを互いに積層して形成されているので、放熱体16全体としての熱膨張係数を確実に下げることができ、絶縁基板11と放熱体16全体との熱膨張係数の差を可及的に小さくすることができる。
【0036】
このため、絶縁基板11と放熱体16とをはんだ15(若しくはろう付けや拡散接合等)によって接合した場合、放熱体16に絶縁基板11に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。これにより、放熱体16を冷却シンク部31に取り付けても、冷却シンク部31と放熱体16との間に間隙が発生することを防止することができ、放熱体16から冷却シンク部31への熱の伝導効率低下を抑制することができる。
【0037】
しかも、低熱膨張材18が金属であってかつ相応の熱伝導率を有しているので、絶縁基板11上の半導体チップ30からの発熱が、回路層12,絶縁基板11,はんだ15,放熱体16及び冷却シンク部31を介して外部に良好に放熱されることになる。すなわち、パワーモジュール用基板10全体としての熱伝導率が低下することを抑制することができ、パワーモジュール用基板10全体としての温度上昇を抑制することができる。この結果、絶縁基板11と放熱体16との熱膨張係数に差があっても、放熱体16の温度上昇を抑制することができるため、放熱体16の反り発生抑制効果を備えた,良好なパワーモジュール用基板10を得ることができる。
【0038】
また、低熱膨張材18の積層方向の厚さAは、放熱体本体17の積層方向の厚さBの0.05倍以上0.1倍以下で形成されているので、放熱体16自体の熱伝導率を低下させることなく、熱膨張係数の低下を図ることができる。
すなわち、低熱膨張材18の厚さAを、放熱体本体17の厚さBの0.05倍以下で形成すると、放熱体16自体の熱伝導率の低下を抑制することはできるが、放熱体16自体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材18の影響が小さくなり、放熱体16自体の熱膨張係数が、高熱膨張材である放熱体本体17のものと略同一となる。また、低熱膨張材18の厚さAを、放熱体本体17の厚さBの0.1倍以上で形成すると、放熱体16自体の熱膨張係数の低下を図ることができるが、放熱体16自体の熱伝導率が低下することになる。以上により、前記厚さAと厚さBとを前記範囲に設定することにより、放熱体16の熱膨張係数の低下,すなわち放熱体16の反り発生抑制と、放熱体16の熱伝導率の低下抑制とを両立させた,良好なパワーモジュール用基板10を得ることができる。
【0039】
次に、本発明の第二実施形態について説明するが、前述の第一実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第二実施形態によるパワーモジュール用基板は、図2,図3に示すように、低熱膨張材18の絶縁基板11と対応する領域に、積層方向に段差部20が設けられている。この段差部20は、絶縁基板11側の熱膨張係数が低熱膨張材18を有する放熱体16側の熱膨張係数より大きい場合、図2に示すように、放熱体16内において、低熱膨張材18の絶縁基板11と対応する領域が、冷却シンク部31に近づくように、つまり、絶縁基板11から遠ざかるように凹んで形成される。
【0040】
反対に、放熱体16側の熱膨張係数が絶縁基板11側の熱膨張係数より大きい場合、段差部20は、図3に示すように、放熱体16内において、低熱膨張材18の絶縁基板11との対応領域を、冷却シンク部31から遠ざかるように、つまり絶縁基板11側に近づくように隆起して形成される。
【0041】
つまり、放熱体16内における低熱膨張材18の段差部20の位置は、絶縁基板11側の熱膨張係数α1と放熱体16側の熱膨張係数α2との大きさに基づいて決定され、例えばα1<α2のとき(図2)、t1(放熱体16において絶縁基板11との接合面から段差部20までの厚み方向の寸法)>t2(放熱体16において冷却シンク部31との接合面から段差部20までの厚み方向の寸法)となる一方、α1>α2のとき(図3)、t1<t2となる。このt1及びt2の寸法は、具体的には、α1及びα2の大きさの比率に基づいて適宜決定されることとなる。
なお、図2及び図3は、低熱膨張材18における段差部20の積層方向における配設位置が異なるだけであり、それ以外は同様に構成されている。
【0042】
以上説明したように、本第二実施形態によるパワーモジュール用基板によれば、放熱体16に低熱膨張材18が設けられているので、基本的には前述した第一実施形態と同様の作用効果が得られる。
ところが、放熱体16側の熱膨張係数と、絶縁基板11側の熱膨張係数との差は、放熱体16に低熱膨張材18を用いているにも拘わらず、必然的に差が生じしてしまうことになる。
【0043】
しかし、本第二実施形態では、前述のように、放熱体16内の低熱膨張材18において、絶縁基板11と対応する領域に、絶縁基板11側の熱膨張係数α1と放熱体16側の熱膨張係数α2との大きさに基づき、絶縁基板11側と冷却シンク部31側とのいずれかに近づくよう段差部20が設けられているので、以下の作用が得られる。
【0044】
即ち、図2に示すように、絶縁基板11側の熱膨張係数α1が低熱膨張材18を有する放熱体16側の熱膨張係数α2より小さい場合、低熱膨張材18の段差部20が、絶縁基板11と対応する領域を、絶縁基板11から遠ざかる方向に凹んで形成されていると、放熱体16において、絶縁基板11が搭載されている面と反対側の面近傍での熱膨張係数が見かけ上、下がることになる。これにより、絶縁基板11側から放熱体16にかけた領域は、熱膨張係数が異なる3層に分けられた構成となる。すなわち、絶縁基板11側と、放熱体16において絶縁基板11が搭載されている面の反対側の面近傍との2層の低熱膨張層と、この低熱膨張層を除く放熱体16の1層の高熱膨張層とである。従って、前記高熱膨張層が、前記2層の低熱膨張層に挟まれた構成となり、前記低熱膨張層の熱膨張係数を、パワーモジュール10全体としての熱膨張係数に対して支配的とする構成を実現することができる。
【0045】
これにより、絶縁基板11側と放熱体16側とに熱膨張係数の差があっても、放熱体16に反りが発生することを抑制することができ、また、低熱膨張材18が金属であってかつ相応の熱伝導率を有していることから、絶縁基板11上の半導体チップ30からの発熱が、回路層12,絶縁基板11,はんだ15,放熱体16及び冷却シンク部31を介して外部に良好に放熱されることになる。すなわち、パワーモジュール用基板10全体としての熱伝導率が低下することを抑制することができ、パワーモジュール用基板10全体としての温度上昇を抑制することができる。この結果、絶縁基板11と放熱体16との熱膨張係数に差があっても、放熱体16の温度上昇を抑制することができるため、放熱体16の反り発生抑制効果を備えた,良好なパワーモジュール用基板10を得ることができる。
【0046】
一方、図3に示すように、放熱体16側の熱膨張係数α2が絶縁基板11側の熱膨張係数α1より小さい場合、低熱膨張材18の段差部20が、絶縁基板11との対応領域を絶縁基板11側に近づく方向に隆起して形成されていると、放熱体16において、絶縁基板11が搭載されている面と反対側の面近傍での熱膨張係数が見かけ上、上がることになる。これにより、絶縁基板11側から放熱体16にかけた領域は、熱膨張係数が異なる3層に分けられた構成となる。すなわち、絶縁基板11側と、放熱体16において絶縁基板11が搭載されている面の反対側の面近傍との2層の高熱膨張層と、この高熱膨張層を除く放熱体16の1層の低熱膨張層とである。すなわち、前記低熱膨張層が、前記2層の高熱膨張層に挟まれた構成となり、前記高熱膨張層の熱膨張係数を、パワーモジュール10全体としての熱膨張係数に対して支配的とする構成を実現することができる。
【0047】
その結果、絶縁基板11と放熱体16との熱膨張係数の差に拘わることなく、放熱体16の反り発生抑制と熱伝導率の低下の抑制とを両立させた,良好なパワーモジュール用基板10を得ることができる。
【0048】
次に、本発明の第三実施形態について説明するが、前述の第一,第二実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第三実施形態によるパワーモジュール用基板は、図4,図5に示すように、低熱膨張材18にこれを貫通する孔19が複数穿設され、この孔19に放熱体本体17が充填され、低熱膨張材18が放熱体本体17に鋳ぐまれた構成となっている。孔19は、放熱体16自体に低熱膨張材18を設けると、それだけ熱伝導率が低下するので、その熱伝導率が低下するのを極力抑えるようにするためのものである。また、孔19は、図5に示すように、低熱膨張材18において、絶縁基板11と対応する領域Aには孔19の穿設される数を少なくするとともに、前記対応領域Aの周辺領域Bには孔19の穿設される数を多くしている。
【0049】
つまり、低熱膨張材18において絶縁基板11との対応領域Aと、これを除く周辺領域Bとでは、孔19の断面積の分布が異なった構成となっている。これは、対応領域Aにおける放熱体16の曲げに対する剛性低下と、放熱体16全体の熱伝導率の低下とを最小限に抑制するためのものである。ここで、低熱膨張材18に穿設される孔19の数が徒らに増えると、低熱膨張材としての機能を果たし難くなることから、低熱膨張材18の表面積に対し、絶縁基板11,放熱体本体17及び低熱膨張材18の材質等に基づき、およそ20〜50%の割合の面積で孔19が形成されることが好ましい。なお、孔19は、本実施形態では丸孔をなしているが、その形状は任意である。また、図4は、図3に対応させて図示しており、冷却シンク部31が省略されている。
【0050】
以上説明したように、本第三実施形態によるパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材18に段差部20が設けられているので、放熱体16側と絶縁基板11側との熱膨張係数差を見かけ上小さくすることができ、放熱体16の反り発生を抑制することができる。
これに加え、低熱膨張材18に孔19が設けられ、この孔19に放熱体本体17を充填し低熱膨張材18を放熱体本体17により鋳ぐるませた構成となっているので、絶縁基板11側の放熱体本体17から冷却シンク部31側の放熱体本体17への熱伝達を良好に行うことができ、これによって、放熱体16本来の放熱効果を的確に果たすことができる。
【0051】
しかも孔19は、図5に示すように、絶縁基板11との対応領域Aでは、その周辺領域Bより少ない個数で穿設され、孔19の断面積が周辺領域Bでのそれより少なくした構成となっているので、放熱体16の対応領域Aにおける曲げに対する剛性の低下を最小限に抑制することができる一方、周辺領域B内の孔19の断面積が対応領域Aより大きくなることで、放熱体16全体の熱伝導率の低下を最小限に抑制することができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、低熱膨張材18に設けられた孔19に放熱体本体17を鋳ぐませた構成を示したが、孔19に放熱体本体17と同一材質の平板又は粉末材料を低熱膨張材18の厚さ分だけ充填した後、この低熱膨張材18の上下面に放熱体本体17をろう材を介して積層接合させた構成としてもよい。
【0053】
次に、本発明の第四実施形態について説明するが、前述の第一〜第三実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第四実施形態によるパワーモジュール用基板は、図6,図7に示すように、放熱体16に設けられた低熱膨張材18がリブ(符示せず)を有している。
リブは、低熱膨張材18に設けられる孔19を形成する際に、予め所定の厚みに形成された板材に図6に示す切り込み(18a、18b)を形成し、この切り込みを利用することで形成される。即ち、予め設けられた切り込みを上下方向に立上げたり,立下げたりして折り曲げることで、立上げ片18a及び立下げ片18bが共に形成され、これらからなるリブを有する低熱膨張材18が形成される。
そして、この低熱膨張材18が放熱体本体17と17との間に挟着され、この際、立ち上げ片18a,立ち下げ片18b及び孔19を有する低熱膨張材18全体が放熱体本体17に鋳ぐまれることで、放熱体16が形成される。
【0054】
以上説明したように、本第四実施形態によるパワーモジュール用基板によれば、放熱体16が、放熱体本体17と孔19を備えた低熱膨張材18とを備え、放熱体本体17が孔19に充填され低熱膨張材18を鋳ぐるんだ構成をなしているので、基本的は前述した第三実施形態と同様の作用効果が得られる。
これに加え、低熱膨張材18が立上げ片18a及び立下げ片18bからなるリブを有しているので、放熱体16全体としての剛性が上がり、強度を増大させることができるので、これによっても、絶縁基板11の熱による反りをより一層抑えることができる。
【0055】
なお、低熱膨張材18は、本第四実施形態では、放熱体本体17間に積層されたり、また放熱体本体17間に挟着することで設けられた例を示したが、これに限らず、例えば、粉末冶金によって孔19付き板を焼成した後、これにリブを後付けして設けるようにしてもよく、又は、ダイカスト鋳造法によって形成することもでき、更には、熱間鍛造により高温処理される溶融鍛造法によって形成することもできる。それ以外として、以下に示すように放熱体16を構成することもできる。
【0056】
次に、本発明の第五実施形態について説明するが、前述の第一〜第四実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第五実施形態によるパワーモジュール用基板は、図8,図9に示すように、低熱膨張材18が、絶縁基板11側の放熱体本体17と接合される一方の面と、冷却シンク部31側の放熱体本体17と接合される他方の面とに亘る厚み方向に連絡すると共に、該厚み方向と交差方向で互いに連なる開口空間部40を有して設けられ、かつ該開口空間部40に放熱体本体17が充填されることで、図8に示すように、放熱体本体17に鋳ぐまれる構成となっている。
【0057】
具体的に述べると、低熱膨張材18は、図9に示すように、例えば二枚からなる帯状の単位板状体41,42を前記厚み方向に沿って組付けることで連結開口部40を連続的に有する連鎖状体43が形成される。そして、これら連鎖状体43が同一平面上で複数列設けられると共に、連設開口部40を互いに隣接する列毎に互い違いに配列して形成される。
【0058】
このように形成された低熱膨張材18は、放熱体16の形成時、放熱体本体17の材料が注入されると、その材料が連結開口部40内に側方から充填される。そして、この低熱膨張材18は、側面から見たとき、図8に示すように、絶縁基板11側である上層の放熱体本体17と、冷却シンク部31側である下層の放熱体本体17との間に埋設されることになる。
【0059】
以上説明したように本第五実施形態によるパワーモジュール用基板によれば、低熱膨張材18が前記厚み方向に沿って放熱体本体17に鋳ぐまれているので、放熱体16全体の熱膨張係数を下げることができ、また連絡開口部40により放熱体本体17が絶縁基板11からの熱を良好に受けると共に、その熱を冷却シンク部31に対して伝達させることができる。従って、放熱体16の反りを抑えつつ熱伝達が良好となり、基本的には前述した第一〜第四実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0060】
なお、前述の第一〜第五実施形態では、放熱体に積層された低熱膨張材として、インバーを用いた例を示したが、他の低熱膨張材、例えば高炭素鋼(Fe−C)、42合金、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等で構成しても、同様の作用効果が得られる。
また、放熱体16表面に冷却シンク部31を設けた構成を示したが、この形態に限らず、放熱体16表面にろう材を介してコルゲートフィンを設けた構成としてもよい。すなわち、放熱体16表面に図示しないろう材を介して接合された接合部と、接合部の一端に設けられ接合部と直交して立上がる立上がり部と、立上がり部の上端に設けられ接合部に平行且つ離間する方向に延びる平坦部と、平坦部の一端に設けられ平坦部に直交且つ放熱体16に向かって折返る折返し部とを備えた突出部を、放熱体16の沿面方向に沿って繰返し連続して設けた構成としてもよい。なお、この構成においては、立上がり部と平坦部と折返し部と放熱体16表面とが空間を形成することになる。
さらに、前述した第五実施形態に示す低熱膨張材18に替えて,いわゆるコルゲート,コルゲートルーバ,厚さ方向にエキスパンドした断面矩形の連絡開口部40を有するエキスパンド構造,若しくは第五実施形態で示したいわゆる,ハニカム構造を一層設けたもの,又は前記構造のうちの一つを複数積層させた構成としてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げ、絶縁基板と放熱体全体との熱膨張係数の差を可及的に小さくすることができる。このため、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0062】
請求項2に係る発明によれば、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げるとともに、放熱体全体の熱伝導率の低下を最小限に抑制することができる。これにより、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを抑制するとともに、必要最小限の熱伝導率を有した放熱体を備えたパワーモジュール用基板を提供することができる。
【0063】
請求項3に係る発明によれば、放熱体全体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材の影響を必要最小限維持することになり、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げ、絶縁基板と放熱体全体との熱膨張係数の差を可及的に小さくすることができる。このため、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0064】
請求項4に係る発明によれば、絶縁基板とこの絶縁基板と対応する領域における放熱体との熱膨張係数の差を確実に緩和することができる。これにより、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0065】
請求項5に係る発明によれば、低熱膨張材が、放熱体の絶縁基板と対応した領域における熱膨張係数に与える影響を調整することができ、放熱体の熱膨張係数を見かけ上調整できる構成となっている。これにより、絶縁基板と、この絶縁基板と対応する領域における放熱体との熱膨張係数の差を緩和することができ、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0066】
請求項6に係る発明によれば、低熱膨張材の上下面に各々放熱体本体を設け、低熱膨張材に設けられた孔に放熱体本体を充填し、低熱膨張材を放熱体本体で鋳ぐむ構成とすることができ、これにより、孔を介して放熱体の上下面に配設される放熱体本体同士を直接接する構成とすることができる。従って、絶縁基板からの熱を確実に放熱体の積層方向に伝達し、この熱を外部に効率的に放熱することができる。以上により、放熱体の熱膨張係数の低下と熱伝導率の低下抑制とを確実に実現することができる。
【0067】
請求項7に係る発明によれば、低熱膨張材がリブを有しているので、放熱体全体としての剛性を上げ、強度を増大させることができるので、放熱体の絶縁基板に向かう反り発生を確実に抑制することができる。
【0068】
請求項8に係る発明によれば、低熱膨張材において、絶縁基板との対応領域に設けられた孔の断面積が、その対応領域の周辺領域に設けられた孔の断面積より少なくなっているので、放熱体の前記対応領域における曲げに対する剛性の低下を最小限に抑制することができる。これにより、絶縁基板からの熱の影響で、前記対応領域が熱変形を受けて反りが発生することを抑制することができる一方、前記対応領域より周辺領域に設けられた孔の断面積が大きくなることで、放熱体の熱伝導率の低下を最小限に抑制するできる。
【0069】
請求項9に係る発明によれば、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げることができるとともに、熱伝導率の低下を確実に抑制することができる。従って、絶縁基板と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に絶縁基板に向かう反りが発生することを確実に抑制することができるとともに、放熱体自体の熱伝導率が低下することを抑制することができる。
【0070】
請求項10に係る発明によれば、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けるとともに、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設したので、一方の面と他方の面とに亘る厚み方向に互いに連なる連絡開口部を有する低熱膨張材を確実に形成できる。
【0071】
請求項11に係る発明によれば、絶縁基板と放熱体との熱膨張係数の差に拘わることなく、両者の反りを可及的に抑えつつ良好な熱伝導率を有するパワーモジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
【図2】この発明の第二実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図であって、絶縁基板側の熱膨張係数が放熱体側の熱膨張係数より大きい場合を示す図である。
【図3】この発明の第二実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図であって、放熱体側の熱膨張係数が絶縁基板側の熱膨張係数より大きい場合を示す図である。
【図4】この発明の第三実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュール示す全体図である。
【図5】図4に示す低熱膨張材の平面図である。
【図6】この発明の第四実施形態に係るパワーモジュール用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
【図7】図6に示す低熱膨張材の平面図である。
【図8】この発明の第五実施形態に係るパワーモジュール用基板を構成する放熱体の断面側面図である。
【図9】図8に示す低熱膨張材の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
P パワーモジュール
10 パワーモジュール用基板
11 絶縁基板
16 放熱体
17 放熱体本体(高熱伝導材)
18 低熱膨張材
18a 立ち上げ片(リブ)
18b 立ち下げ片(リブ)
19 孔
20 段差部
30 半導体チップ(チップ)
40 連絡開口部
41,42 板状体
43 連鎖状体
α1 絶縁基板側の熱膨張係数
α2 放熱体側の熱膨張係数
A 低熱膨張材の積層方向の厚さ
B 放熱体本体(高熱伝導材)の積層方向の厚さ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a power module substrate used in a semiconductor device for controlling a large voltage and a large current, and more particularly to a power module substrate and a power module having a radiator for dissipating heat generated from a heating element such as a semiconductor chip. .
[0002]
[Prior art]
In this type of power module substrate, a circuit layer is provided on one surface of an insulating substrate (ceramic substrate) made of a ceramic material, and a radiator is provided on the other surface. In general, a cooling sink having a cooling means such as cooling water is provided on the facing surface. However, when the radiator is laminated and bonded to the insulating substrate with solder or the like, the radiator warps toward the insulating substrate due to the heat at that time and the difference in the coefficient of thermal expansion between the insulating substrate and the radiator. In some cases, a gap may be formed between the radiator and the insulating substrate. In this case, there is a problem that heat generated when the semiconductor chip provided on the circuit layer generates heat cannot be transmitted to the heat radiator satisfactorily.
[0003]
As means for solving such a problem, for example, a technique as disclosed in Patent Document 1 is disclosed. This document discloses a configuration in which a metal plate (for example, a 42 alloy) having substantially the same thermal expansion coefficient as the insulating substrate is provided on a surface of the radiator facing the insulating substrate forming surface in the above-described configuration. I have. With this configuration, even if there is a difference in the coefficient of thermal expansion between the insulating substrate and the radiator, it is possible to suppress the warpage of the radiator.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-1-286348 (pages 2-4, FIGS. 1-3)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the conventional power module substrate described above, since the metal plate is provided on the surface of the heat radiator opposite to the surface on which the insulating substrate is formed, heat generated by the heat generated by the semiconductor chip provided on the circuit layer is removed by the power module. However, there is a problem that it cannot be transmitted well in the stacking direction of the substrate. That is, there is a problem that after the heat transmitted from the semiconductor chip to the insulating substrate reaches the radiator, the heat stops at the metal plate and cannot be radiated well. In this case, the temperature of the entire power module substrate rises, and as a result, warping of the heat radiator toward the insulating substrate further occurs, causing a problem that the heat conductivity of the heat radiator further decreases.
[0006]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to suppress warpage regardless of a difference in thermal expansion coefficient between an insulating substrate and a radiator. It is another object of the present invention to provide a power module substrate and a power module that can suppress a decrease in thermal conductivity.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention proposes the following means.
The invention according to claim 1 is a power module substrate including an insulating substrate, a radiator provided on one surface of the insulating substrate, and a circuit layer provided on the other surface of the insulating substrate. The radiator is characterized in that a low thermal expansion material made of a material having a lower thermal expansion coefficient than the radiator main body is laminated on the radiator main body.
[0008]
According to the power module substrate of the present invention, since the radiator has a configuration in which the radiator body and the low thermal expansion material are laminated, the thermal expansion coefficient of the entire radiator is reliably reduced, and the insulating substrate and the radiator The difference in the coefficient of thermal expansion from the whole body becomes as small as possible. For this reason, when the insulating substrate and the heat radiator are joined by solder or the like, it is possible to surely prevent the heat radiator from warping toward the insulating substrate.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, in the power module substrate according to the first aspect, a thickness of the low thermal expansion material is formed to be 0.1 times or less a thickness of the radiator body. I do.
[0010]
According to the power module substrate of the present invention, since the thickness of the low thermal expansion material is formed to be 0.1 times or less the thickness of the radiator body, the thermal expansion coefficient of the entire radiator is reliably reduced. At the same time, a decrease in the thermal conductivity of the entire radiator is suppressed to a minimum. In this way, when the insulating substrate and the heat radiator are joined by solder or the like, the heat radiator is prevented from warping toward the insulating substrate, and the power provided with the heat radiator having the minimum necessary thermal conductivity. A module substrate can be provided.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the power module substrate according to the first or second aspect, the thickness of the low thermal expansion material in the stacking direction is 0.05 times or more the thickness of the heat radiator body in the stacking direction. It is characterized by being formed by.
[0012]
According to the power module substrate of the present invention, the thickness of the low thermal expansion material is formed to be at least 0.05 times the thickness of the radiator main body, so that the low thermal expansion material contributes to the thermal expansion coefficient of the entire radiator. Since the influence of the expansion material is kept to a minimum, the thermal expansion coefficient of the entire radiator is reliably reduced, and the difference in the thermal expansion coefficient between the insulating substrate and the entire radiator is reduced as much as possible. For this reason, when the insulating substrate and the heat radiator are joined by solder or the like, it is possible to surely prevent the heat radiator from warping toward the insulating substrate.
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, in the power module substrate according to any one of the first to third aspects, the thermal expansion coefficient on the heat radiator side and the heat on the insulating substrate side are provided in a region corresponding to the insulating substrate of the low thermal expansion material. A step portion is provided based on a difference from an expansion coefficient.
[0014]
According to the power module substrate of the present invention, the stepped portion is provided in the region corresponding to the insulating substrate of the low thermal expansion material based on the difference in thermal expansion coefficient between the radiator and the insulating substrate. This reduces the difference in the coefficient of thermal expansion between the body and the insulating substrate. Thus, when the insulating substrate and the radiator are joined by solder or the like, it is possible to reliably suppress the occurrence of warpage of the radiator toward the insulating substrate.
[0015]
According to a fifth aspect of the present invention, in the power module substrate according to any one of the first to fourth aspects, in the heat sink, the step portion has a thermal expansion coefficient on the insulating substrate side smaller than that on the heat radiator side. When the region corresponding to the insulating substrate of the low thermal expansion material is formed so as to be depressed in a direction away from the insulating substrate, while the thermal expansion coefficient of the radiator side is smaller than the thermal expansion coefficient of the insulating substrate side, the low thermal expansion material A region corresponding to the insulating substrate is formed so as to protrude in a direction approaching the insulating substrate.
[0016]
According to the power module substrate according to the present invention, the disposition position of the low thermal expansion material in the stacking direction is changed according to the difference between the thermal expansion coefficient on the insulating substrate side and the thermal expansion coefficient on the radiator side. The effect of the low thermal expansion material on the thermal expansion coefficient in the region corresponding to the insulating substrate of the radiator can be adjusted, and the thermal expansion coefficient of the radiator can be apparently adjusted. This makes it possible to reliably reduce the difference in the coefficient of thermal expansion between the insulating substrate and the radiator in a region corresponding to the insulating substrate. The occurrence of warpage toward the insulating substrate is surely suppressed.
[0017]
According to a sixth aspect of the present invention, in the power module substrate according to any one of the first to fifth aspects, the low thermal expansion material has a hole formed therethrough.
[0018]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the board | substrate for power modules which concerns on this invention, it can be set as the structure which fills the hole provided in the low thermal expansion material with the radiator main body, and casts the low thermal expansion material into the radiator main body, The heat from the insulating substrate is surely transmitted in the laminating direction of the radiator through the hole of the expansion material, and this heat is radiated well to the outside. As described above, the reduction of the thermal expansion coefficient of the radiator and the suppression of the reduction of the thermal conductivity are reliably realized. Further, in addition to the configuration in which the radiator body is cast into the hole provided in the low thermal expansion material, a flat plate or a powder material of the same material as the radiator body is filled into the hole by the thickness of the low thermal expansion material, The same effect as described above can also be achieved by a configuration in which the radiator body is laminated and joined to the upper and lower surfaces of the low thermal expansion material via a brazing material.
[0019]
The invention according to claim 7 is the power module substrate according to any one of claims 1 to 6, wherein the low thermal expansion material has a rib.
[0020]
According to the power module substrate of the present invention, if the low-thermal-expansion material has ribs, the rigidity of the entire radiator is increased, and the strength is increased. In the case of joining by such as above, the occurrence of warpage toward the insulating substrate in the radiator is more reliably suppressed.
[0021]
According to an eighth aspect of the present invention, in the power module substrate according to the sixth or seventh aspect, the hole is formed in a region corresponding to the insulating substrate in the low thermal expansion material, based on a cross-sectional area provided in the region corresponding to the insulating substrate. The cross-sectional area provided in the peripheral area is increased.
[0022]
According to the power module substrate of the present invention, in the low thermal expansion material, the cross-sectional area of the hole provided in the region corresponding to the insulating substrate is smaller than the cross-sectional area of the hole provided in the peripheral region of the corresponding region. Therefore, a decrease in rigidity of the heat radiator against bending in the corresponding region is suppressed to a minimum. This suppresses the occurrence of warpage due to thermal deformation of the corresponding region due to the influence of heat from the insulating substrate, while the cross-sectional area of the hole provided in the peripheral region is larger than that of the corresponding region. As a result, the heat transfer between the radiator main bodies is further improved. As described above, when the insulating substrate and the heat radiator are joined by solder or the like, it is possible to reliably suppress the occurrence of warpage of the heat radiator toward the insulating substrate, and to achieve good heat transfer of the heat radiator. Become.
[0023]
The invention according to claim 9 is a power module substrate including an insulating substrate, a radiator provided on one surface of the insulating substrate, and a circuit layer provided on the other surface of the insulating substrate. The radiator includes a radiator body and a low-thermal-expansion material made of a material having a lower thermal expansion coefficient than the radiator body, and the low-thermal-expansion material has a thickness extending between the one surface and the other surface. A communication opening is provided so as to communicate with the direction and intersect with the thickness direction, and is formed so as to be cast into the radiator body through the communication opening.
[0024]
According to the power module substrate of the present invention, the radiator is provided with the low thermal expansion material, the low thermal expansion material is provided with a communication opening, and the radiator main body is filled through the communication opening to reduce the heat dissipation. Since the expansion material is cast into the radiator body, the thermal expansion coefficient of the radiator as a whole can be reliably reduced, and a decrease in thermal conductivity can be reliably suppressed. Therefore, when the insulating substrate and the heat radiator are joined by solder or the like, it is possible to reliably prevent the heat radiator from warping toward the insulating substrate, and to reduce the thermal conductivity of the heat radiator itself. Can be suppressed.
[0025]
According to a tenth aspect of the present invention, in the power module substrate according to the ninth aspect, the low thermal expansion material has a chain-shaped unit plate-like body assembled to each other at the same row position to continuously have the communication opening. And a plurality of rows of the chain-like bodies are provided on the same plane, and the positions of the communication openings are shifted from each other in adjacent rows.
[0026]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the board | substrate for power modules which concerns on this invention, a strip | belt-shaped unit plate-shaped object is assembled | attached to the same row position mutually, and it forms in the chain-shaped body which has a communication opening continuously, and the said chain-shaped body on the same plane Since a plurality of rows are provided and the positions of the communication openings are shifted from each other in adjacent rows, a low-thermal-expansion material having communication openings that are continuous with each other in the thickness direction across one surface and the other surface is reliably provided. Can be formed.
[0027]
An eleventh aspect of the present invention is characterized in that a chip is mounted on the power module substrate according to any one of the first to tenth aspects.
[0028]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the power module which concerns on this invention, the power module which has favorable thermal conductivity, suppressing the curvature of both as much as possible, regardless of the difference of the thermal expansion coefficient of an insulating substrate and a heat sink.
[0029]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is an overall view showing a power module to which a power module substrate according to a first embodiment of the present invention is applied.
In the power module P according to the first embodiment, the
The insulating
[0030]
The
[0031]
Further, a low
[0032]
On the other hand, the low
Here, the invar alloy is an alloy that hardly undergoes thermal expansion near room temperature, and has a composition ratio of 64.6 mol% of Fe and 35.4 mol% of Ni. However, Fe containing other unavoidable impurities is also called an Invar alloy.
[0033]
As shown in FIG. 1, the low
[0034]
The thickness A of the low
That is, by setting the thickness A of the low
[0035]
As described above, according to the power module substrate of the first embodiment, the
[0036]
For this reason, when the insulating
[0037]
Moreover, since the low
[0038]
Further, the thickness A of the low
That is, when the thickness A of the low
[0039]
Next, a second embodiment of the present invention will be described. The same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and the description thereof will be omitted.
In the power module substrate according to the second embodiment, as shown in FIGS. 2 and 3, a
[0040]
Conversely, when the thermal expansion coefficient on the
[0041]
That is, the position of the
2 and 3 are different from each other only in the arrangement position of the stepped
[0042]
As described above, according to the power module substrate according to the second embodiment, since the
However, the difference between the thermal expansion coefficient on the
[0043]
However, in the second embodiment, as described above, in the low
[0044]
That is, as shown in FIG. 2, when the thermal expansion coefficient α1 on the insulating
[0045]
Thereby, even if there is a difference in the coefficient of thermal expansion between the insulating
[0046]
On the other hand, as shown in FIG. 3, when the thermal expansion coefficient α2 on the
[0047]
As a result, regardless of the difference in the coefficient of thermal expansion between the insulating
[0048]
Next, a third embodiment of the present invention will be described. Parts similar to those in the above-described first and second embodiments are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
In the power module substrate according to the third embodiment, as shown in FIGS. 4 and 5, a plurality of
[0049]
That is, the distribution of the cross-sectional area of the
[0050]
As described above, according to the power module substrate of the third embodiment, since the
In addition to this, a
[0051]
Moreover, as shown in FIG. 5, the
[0052]
In the present embodiment, a configuration is shown in which the
[0053]
Next, a fourth embodiment of the present invention will be described. The same parts as those in the above-described first to third embodiments are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
In the power module substrate according to the fourth embodiment, as shown in FIGS. 6 and 7, the low
The ribs are formed by forming cuts (18a, 18b) shown in FIG. 6 in a plate material formed in advance to a predetermined thickness when forming the
The low
[0054]
As described above, according to the power module substrate according to the fourth embodiment, the
In addition, since the low
[0055]
In the fourth embodiment, the example in which the low
[0056]
Next, a fifth embodiment of the present invention will be described. Parts similar to those of the above-described first to fourth embodiments are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
As shown in FIGS. 8 and 9, the power module substrate according to the fifth embodiment includes a low-thermal-
[0057]
More specifically, as shown in FIG. 9, the low
[0058]
When the material of the heat radiator
[0059]
As described above, according to the power module substrate according to the fifth embodiment, since the low
[0060]
In the above-described first to fifth embodiments, an example in which invar is used as the low thermal expansion material laminated on the heat radiator has been described. However, other low thermal expansion materials, for example, high carbon steel (Fe-C), The same function and effect can be obtained by using a 42 alloy, molybdenum (Mo), tungsten (W) or the like.
Further, the configuration in which the
Further, in place of the low
[0061]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, it is possible to reliably lower the thermal expansion coefficient of the entire radiator and to minimize the difference in the thermal expansion coefficient between the insulating substrate and the entire radiator. it can. For this reason, when the insulating substrate and the radiator are joined by solder or the like, it is possible to reliably suppress the radiator from warping toward the insulating substrate.
[0062]
According to the second aspect of the present invention, the thermal expansion coefficient of the entire radiator can be reliably reduced, and a decrease in the thermal conductivity of the entire radiator can be minimized. In this way, when the insulating substrate and the heat radiator are joined by solder or the like, the heat radiator is prevented from warping toward the insulating substrate, and the power provided with the heat radiator having the minimum necessary thermal conductivity. A module substrate can be provided.
[0063]
According to the third aspect of the present invention, the influence of the low thermal expansion material that contributes to the thermal expansion coefficient of the entire radiator is kept to a necessary minimum, and the thermal expansion coefficient of the entire radiator is reliably reduced. The difference in the coefficient of thermal expansion between the radiator and the entire radiator can be made as small as possible. For this reason, when the insulating substrate and the radiator are joined by solder or the like, it is possible to reliably suppress the radiator from warping toward the insulating substrate.
[0064]
According to the invention according to claim 4, a difference in thermal expansion coefficient between the insulating substrate and the radiator in a region corresponding to the insulating substrate can be reliably reduced. Accordingly, when the insulating substrate and the heat radiator are joined by solder or the like, it is possible to reliably suppress the occurrence of warpage of the heat radiator toward the insulating substrate.
[0065]
According to the fifth aspect of the present invention, it is possible to adjust the effect of the low thermal expansion material on the thermal expansion coefficient in a region corresponding to the insulating substrate of the heat radiator, so that the thermal expansion coefficient of the heat radiator can be apparently adjusted. It has become. This makes it possible to reduce the difference in the coefficient of thermal expansion between the insulating substrate and the radiator in a region corresponding to the insulating substrate. When the insulating substrate and the radiator are joined by solder or the like, the insulating substrate is attached to the radiator. The occurrence of the warp toward the direction can be surely suppressed.
[0066]
According to the invention according to claim 6, the radiator body is provided on each of the upper and lower surfaces of the low thermal expansion material, the radiator body is filled into the holes provided in the low thermal expansion material, and the low thermal expansion material is cast with the radiator body. The heat radiator main bodies disposed on the upper and lower surfaces of the heat radiator can be directly in contact with each other via the holes. Therefore, the heat from the insulating substrate can be reliably transmitted in the stacking direction of the radiator, and the heat can be efficiently radiated to the outside. As described above, a reduction in the thermal expansion coefficient of the radiator and a suppression of a reduction in the thermal conductivity can be reliably realized.
[0067]
According to the invention according to claim 7, since the low-thermal-expansion material has the ribs, the rigidity of the radiator as a whole can be increased and the strength can be increased. It can be suppressed reliably.
[0068]
According to the invention of claim 8, in the low thermal expansion material, the cross-sectional area of the hole provided in the region corresponding to the insulating substrate is smaller than the cross-sectional area of the hole provided in the peripheral region of the corresponding region. Therefore, it is possible to minimize a decrease in rigidity of the radiator against bending in the corresponding region. Accordingly, it is possible to suppress the occurrence of warpage due to the thermal deformation of the corresponding region due to the influence of heat from the insulating substrate, while the cross-sectional area of the hole provided in the peripheral region is larger than that of the corresponding region. Accordingly, a decrease in the thermal conductivity of the radiator can be suppressed to a minimum.
[0069]
According to the ninth aspect of the present invention, the thermal expansion coefficient of the entire radiator can be reliably reduced, and a decrease in thermal conductivity can be reliably suppressed. Therefore, when the insulating substrate and the radiator are joined by solder or the like, it is possible to reliably suppress the occurrence of warpage of the radiator toward the insulating substrate, and to reduce the thermal conductivity of the radiator itself. Can be suppressed.
[0070]
According to the invention according to
[0071]
According to the eleventh aspect, it is possible to obtain a power module having good thermal conductivity while suppressing warpage of the insulating substrate and the radiator as much as possible, irrespective of the difference in thermal expansion coefficient.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall view showing a power module to which a power module substrate according to a first embodiment of the present invention is applied.
FIG. 2 is an overall view showing a power module to which a power module substrate according to a second embodiment of the present invention is applied, showing a case where a thermal expansion coefficient on an insulating substrate side is larger than a thermal expansion coefficient on a radiator side. It is.
FIG. 3 is an overall view showing a power module to which a power module substrate according to a second embodiment of the present invention is applied, showing a case where a thermal expansion coefficient on a radiator side is larger than a thermal expansion coefficient on an insulating substrate side. It is.
FIG. 4 is an overall view showing a power module to which a power module substrate according to a third embodiment of the present invention is applied.
FIG. 5 is a plan view of the low thermal expansion material shown in FIG.
FIG. 6 is an overall view showing a power module to which a power module substrate according to a fourth embodiment of the present invention is applied.
FIG. 7 is a plan view of the low thermal expansion material shown in FIG.
FIG. 8 is a cross-sectional side view of a radiator constituting a power module substrate according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a perspective view showing a main part of the low thermal expansion material shown in FIG.
[Explanation of symbols]
P power module
10. Power module substrate
11 Insulating substrate
16 Heat radiator
17 Heatsink body (high thermal conductive material)
18 Low thermal expansion material
18a Starting piece (rib)
18b Falling piece (rib)
19 holes
20 steps
30 Semiconductor chip (chip)
40 communication opening
41, 42 plate
43 Chain
α1 Thermal expansion coefficient of insulating substrate
α2 Thermal expansion coefficient on the radiator side
A Thickness of low thermal expansion material in the laminating direction
B Thickness in the stacking direction of the radiator body (high thermal conductive material)
Claims (11)
前記放熱体は、放熱体本体に該放熱体本体の熱膨張係数より低い材質からなる低熱膨張材を積層して構成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。An insulating substrate, a power module substrate including a radiator provided on one surface of the insulating substrate, and a circuit layer provided on the other surface of the insulating substrate,
A power module substrate, wherein the radiator is formed by laminating a low thermal expansion material made of a material having a lower thermal expansion coefficient on the radiator body.
前記低熱膨張材の厚さは、前記放熱体本体の厚さの0.1倍以下で形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to claim 1,
The substrate for a power module, wherein the thickness of the low thermal expansion material is formed to be 0.1 times or less the thickness of the radiator body.
前記低熱膨張材の厚さは、前記放熱体本体の厚さの0.05倍以上で形成されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to claim 1 or 2,
The substrate for a power module, wherein the thickness of the low thermal expansion material is at least 0.05 times the thickness of the radiator body.
前記低熱膨張材の絶縁基板と対応する領域に、放熱体側の熱膨張係数と絶縁基板側の熱膨張係数との差に基づき、段差部が設けられていることを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to any one of claims 1 to 3,
A power module substrate, wherein a stepped portion is provided in a region corresponding to the insulating substrate of the low thermal expansion material, based on a difference between a thermal expansion coefficient on a radiator side and a thermal expansion coefficient on an insulating substrate side.
前記段差部は、放熱体において、絶縁基板側の熱膨張係数が放熱体側の熱膨張係数より小さいとき、低熱膨張材の前記絶縁基板と対応する領域を、絶縁基板から遠ざかる方向に凹ませて形成する一方、
絶縁基板側の熱膨張係数より放熱体側の熱膨張係数が小さいとき、低熱膨張材の前記絶縁基板と対応する領域を、絶縁基板に近づく方向に隆起させて形成することを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to any one of claims 1 to 4,
When the thermal expansion coefficient on the insulating substrate side is smaller than the thermal expansion coefficient on the radiator side, the step portion is formed by denting a region of the low thermal expansion material corresponding to the insulating substrate in a direction away from the insulating substrate. While
When the thermal expansion coefficient on the radiator side is smaller than the thermal expansion coefficient on the insulating substrate side, a region corresponding to the insulating substrate of the low thermal expansion material is formed by being raised in a direction approaching the insulating substrate. substrate.
前記低熱膨張材には、これを貫通する孔が穿設されていることを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to any one of claims 1 to 5,
A power module substrate, wherein the low thermal expansion material has a hole penetrating therethrough.
前記低熱膨張材は、リブを有していることを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to any one of claims 1 to 6,
The power module substrate, wherein the low thermal expansion material has a rib.
前記孔は、前記低熱膨張材において、絶縁基板と対応する領域に設けられた断面積より、該対応領域の周辺領域に設けられた断面積を大きくさせていることを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to claim 6, wherein
The power module substrate, wherein the hole has a cross-sectional area provided in a peripheral region of the corresponding region larger than a cross-sectional area provided in a region corresponding to the insulating substrate in the low thermal expansion material. .
前記放熱体は、放熱体本体と、該放熱体本体の熱膨張係数より低い材質からなる低熱膨張材とを備え、
該低熱膨張材は、前記一方の面と他方の面とに亘る厚み方向と連絡し、かつ該厚み方向と交差方向で互いに連なる連絡開口部を有して設けられ、かつ該連絡開口部を介して放熱体本体に鋳ぐまれる構成としたことを特徴とするパワーモジュール用基板。An insulating substrate, a power module substrate including a radiator provided on one surface of the insulating substrate, and a circuit layer provided on the other surface of the insulating substrate,
The radiator includes a radiator main body and a low thermal expansion material made of a material having a lower thermal expansion coefficient than the radiator main body,
The low thermal expansion material is provided with a communication opening communicating with the thickness direction across the one surface and the other surface, and communicating with each other in a direction crossing the thickness direction, and via the communication opening. A power module substrate characterized in that it is configured to be cast into a radiator body.
前記低熱膨張材は、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて前記連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けると共に、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設することを特徴とするパワーモジュール用基板。The power module substrate according to claim 9,
The low-thermal-expansion material is formed into a chain-like body having the communication openings continuously by assembling the band-like unit plate-like bodies at the same row position, and providing the chain-like body in a plurality of rows on the same plane, A power module substrate, wherein the positions of the communication openings are shifted from each other in adjacent rows.
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