JP2004146267A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】内部の水分量分布を正確に測定でき、内部の水分量分布を適正に制御できる燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】固体高分子電解質膜11と、固体高分子電解質膜11に接するカソード12及びアノード13と、カソード12及びアノード13の固体高分子電解質膜11に接する面の反対側の面に接するセパレータ14、15と、をもつ単位セルを有し、更に、前記単位セルの内部に配設された単位セル内部の水分量分布を直接測定する水分量測定手段20と、測定した水分量分布に基づいて単位セル内部の水分量を調節する水分量調節手段を有することを特徴とする。つまり、燃料電池システムを構成する単位セル内部に直接、水分量測定手段を配設することで単位セル内部の運転状況をより詳細に把握することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子電解質型燃料電池は膜電極接合体(以下、「MEA」と称する)の両面を燃料ガス(水素等)流路及び酸化剤ガス(酸素等)流路を備えたセパレータで狭持した最小発電単位である単位セルを有する。固体高分子電解質型燃料電池はその単位セルを多数積層したスタックを形成する。MEAは電子を通さず、イオンを透過できる固体高分子電解質からなる固体高分子電解質膜と、その固体高分子電解質膜の両面を狭持する触媒層とからなる。触媒層は、触媒を含む触媒層を固体高分子電解質膜に接する側の面にもつ。触媒層は燃料ガスと酸化剤ガスとの反応を触媒する作用をもつ。更に触媒層は触媒層の固体高分子電解質膜と接する面と反対側の面に拡散層をもつ。拡散層は燃料ガス又は酸化剤ガスや反応により生成した水等を拡散・透過させ触媒層で発生した電子を流す作用をもつ。セパレータは燃料ガス及び酸化剤ガスを供給すると共に反応に供されないガスや生成水を排出する通路ともなる。
【0003】
ところで、固体高分子電解質型燃料電池では発電過程における生成水の処理が問題となる。生成水は主にカソード側に出てくるが、一部は固体高分子電解質膜を透過してアノード側に出る。
【0004】
固体高分子電解質膜を構成する固体高分子電解質としてはフッ素系の高分子材料が一般的に使用されている。代表的な固体高分子電解質には市販のNafionTM(米国・デュポン社製商品名)がある。この固体高分子電解質は、他の材料と比較してプロトン伝導性が高いが、乾燥すると急激にプロトン伝導性が低下する(ドライアップ)。反対に、水が過量に存在すると性能低下を起こす(フラッディング)。同様に触媒層についても一定範囲の水分含有量を保持することが好ましい。触媒層もイオン伝導性を付与するために固体高分子電解質を含有するからである。このために固体高分子電解質型燃料電池では常に単位セル内部の構成要素を適正な含水状態に制御することが求められる。特に電池反応により水が生成する触媒層について水分量を制御することで単位セル内部の構成要素の水分量を適正に制御できる。また、単位セル内部の水分量を適正に制御すると耐久性が向上する。
【0005】
従来、固体高分子電解質膜等の単位セル内部の水分量は、燃料ガス及び酸化剤ガスの湿度、排出されるガスの湿度及び燃料電池の運転状況を考慮して推測されていた。単位セル内部の水分量の調節は単位セル内部に供給する燃料ガス及び酸化剤ガスに対して予め加湿したり、単位セル内部からの排ガス及び生成水の排出を制御することで調節しており、燃料電池は水分量を調節する手段を有する燃料電池システムとして用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
従来の燃料電池システムでは単位セル内部での水分量分布は変動しない(例えば一様である)と仮定したり、単純な法則により変動すると仮定して水分量の制御を行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−256988号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料電池システムでは単位セルの面内での水分量分布を測定できないので、現実の燃料電池システムにおける単位セル内部の水分量分布の複雑な変動を正確に知ることができなかった。その結果、単位セル内の水分量を適正に保つことができず、燃料電池システム全体としての発電効率が低下するほか、単位セルの耐久性が低下していた。
【0009】
そこで、本発明では、単位セル内部の水分量分布を正確に測定でき、単位セル内部の水分量分布を適正に制御できる燃料電池システムを提供することを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び効果】
上記課題を解決する本発明の燃料電池システムは、固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に接する一対の触媒層と、該触媒層の該固体高分子電解質膜に接する面の反対側の面に接する一対の拡散層と、該拡散層の該触媒層に接する面の反対側の面に接する一対のセパレータと、をもつ単位セルを有する。
【0011】
更に、本発明の燃料電池システムは、前記単位セルの内部に配設され該単位セル内部の水分量分布を直接測定する水分量測定手段と、測定した水分量分布に基づいて該単位セル内部の水分量を調節する水分量調節手段を有することを特徴とする(請求項1)。
【0012】
つまり、燃料電池システムを構成する単位セル内部に直接、水分量測定手段を配設することで単位セル内部の運転状況をより詳細に把握することが可能となる。
【0013】
そして前記水分量測定手段は前記セパレータと前記拡散層との間に配設されることが好ましい(請求項2)。燃料電池システムの単位セルを構成する要素のうち最も拡散層が水分量の影響を受けやすいので、拡散層の水分量を直接測定することで、燃料電池システムを効率よく運転できる。
【0014】
水分量測定手段としては、水分量により物性が変化する高分子材料を用いることができる。例えば、前記水分量測定手段は吸湿性高分子材料からなる測定部と該測定部のインピーダンス又は電気容量を測定するプローブとから構成できる(請求項3)。吸湿性高分子材料は加工性に優れる共に燃料電池システムを構成する材料との親和性にも優れる。従って、測定部は前記固体高分子電解質膜に一体的に埋設することも(請求項4)、前記拡散層に一体的に埋設することも(請求項5)、前記触媒層に一体的に埋設することもできる(請求項6)。吸湿性高分子材料としては微小な形状でも作動可能である材料である固体高分子電解質膜を構成する前記固体高分子電解質が例示できる(請求項7)。吸湿性高分子材料のインピーダンス及び電気容量のいずれか一方を測定することで単位セル内部の水分量を正確に測定できる。吸湿性高分子材料のインピーダンス及び電気容量は水分量に対してよい相関性をもつ。
【0015】
そして、前記水分量測定手段は前記拡散層の複数部位の水分量が測定でき、前記水分量調節手段は、前記拡散層内に埋設された複数の電極と任意の該電極間に電流を流すことができる駆動部と前記複数部位のうち測定された前記水分量から導出される該拡散層の水分量の高い部位が発熱するように駆動部を制御する制御部とをもつことができる(請求項8)。水分量測定手段は拡散層の領域を複数部位に分けて測定すると、測定した部位の水分量に合わせて水分量調節手段により拡散層の水分量を調節することができる。水分量調節手段は複数の電極を備え、その複数の電極のうちの任意の電極の間に電流を流すことで必要な部位を発熱させて水分を追い出すことで水分量を減少させることができる。
【0016】
また、前記水分量測定手段は、前記触媒層又は前記拡散層の複数部位の水分量が測定できる手段であり、前記水分量調節手段は、前記触媒層又は前記拡散層のうち、測定された水分量に応じてスタックを振動させる振動手段とすることができる(請求項9)。触媒層及び拡散層は振動させることで、水分量を減少させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔構成〕
本発明の燃料電池システムは単位セルと水分量測定手段と水分量調節手段とを有する。本発明の燃料電池システムは単位セルを複数積層等することで目的の電圧、出力をもつ燃料電池を実現している。本燃料電池システムは必要に応じてその他の部材を有することができる。
【0018】
(単位セル)
単位セルは固体高分子電解質膜と触媒層と拡散層とセパレータとをもつ。固体高分子電解質膜は固体高分子電解質から構成される薄膜である。固体高分子電解質は電池反応により生成するプロトンを伝導させることができると共に電子を伝導させない材料である。例えば、スルホン酸等の強酸性官能基を有する高分子材料である。例えば、ナフィオンTM等のパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料が挙げられる。一般的には固体高分子電解質を溶媒等に溶解させた溶液から製膜する。内部に補強材をもつこともできる。固体高分子電解質膜の厚みは15μm〜50μm程度とすることができる。
【0019】
触媒層は固体高分子電解質膜を両面から狭持する一対の部材である。触媒層は白金、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、金、銀等の貴金属元素、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、W等の卑金属元素を含む触媒微粒子をカーボンブラック等の担体粉末上に担持させた触媒を有する膜である。触媒層の厚みは10〜20μm程度とすることができる。
【0020】
触媒は、担体に担持された触媒微粒子により、水素等の燃料ガスのプロトン化及び発生したプロトンと酸素等の酸化剤ガスとの反応を促進する部材である。担持される触媒微粒子は粒子径が2〜3nm程度であることが好ましい。触媒微粒子を担体上に担持させる量としては触媒微粒子と担体との質量比で60:40程度が好ましい。
【0021】
触媒層はこの触媒を前述したパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料等の固体高分子電解質中に分散したものが好ましい。例えば、固体高分子電解質膜の両面に、固体高分子電解質の溶液中に触媒を分散させたペーストを塗布・乾燥することで触媒層を形成できる。プロトン伝導性の高い固体高分子電解質中に触媒を分散させることで、プロトン移動に伴う燃料電池の内部抵抗が低減できる。
【0022】
拡散層は触媒層の固体高分子電解質に接する面の反対側の面に接する一対の部材である。拡散層は触媒層で発生した電子を集電する作用をもつと共に燃料ガス又は酸化剤ガスや反応により生成した水等をできるだけ均一に拡散・透過させる部材である。従って、単位セル内部の水分量分布にも大きな影響を与える部材である。拡散層の構成としては、基材は導電性及び機械的強度を併せもつカーボン材料等からなる繊維等で構成できる。更に、基材がカーボンから構成される場合には、フッ素系の高分子のように撥水性であり気体との親和性の高い材料を基材に添加することが好ましい。一般的に拡散層を撥水処理することで、生成水の影響による性能低下を防ぐことが知られている。
【0023】
セパレータは燃料ガス及び酸化剤ガスが混合しないように隔離する作用をもつと共に、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給する流路並びに反応に供されないガスや生成水を単位セル外に排出する流路が形成されている。セパレータは拡散層の触媒層に接する面の反対側の面に接する一対の部材である。セパレータは炭素材料や耐久性向上のための処理がなされた金属材料等から構成できる。
【0024】
(水分量測定手段)
水分量測定手段は単位セルの内部に配設され単位セル内部の水分量分布を直接測定する手段である。水分量測定手段が測定した単位セル内部の水分量分布は水分量調節手段に引き渡される。
【0025】
ここで、水分量分布を「直接測定」するとは、燃料電池システムに出入りするガスの湿度を測定して単位セル内部の水分量分布を推測するように、単位セルを外部から測定して単位セル内部の水分量分布を測定するのではなく、単位セル内部の構成要素に水分量測定手段を挿入し単位セル内部の水分量分布を測定することを意味する。
【0026】
水分量測定手段は単位セル内部の幾つかの部位の水分量を測定することで単位セル内部の水分量分布を測定する手段である。水分量を測定する箇所を増加すると、得られる単位セル内部の水分量分布の精度が上がる。水分量測定手段は必要な精度が得られるように分割された単位セル内部のそれぞれの部位の水分量を測定する。水分量測定手段が単位セル内部を測定する部位は均等に配設されることは必須でなく任意の部位に配置できる。例えば、水分量分布の不均一さが大きい部位をより細かく分割して測定することで測定された水分量分布の正確さを向上できる。
【0027】
水分量測定手段を配設する部位は特に限定されないが、単位セルを面方向で複数部位に分割した中で水分量が高くなり易い部位及び水分量が低くなり易い部位に少なくとも配設することが好ましい。水分量を測定する部位を多くすると、より精密に単位セル内部の水分量分布を測定できる。水分量が高くなりやすい部位としては、ガスの流れがよどんでおり排ガスによって運ばれている液滴が落下し易い部位であるセパレータの流路の曲がり角付近や、排ガスの出口付近等の生成水が運ばれる部位が挙げられる。水分量が低くなり易い部位としては、乾燥したガスが入ってくるガスの入り口付近や、発電によりアノード側の水分をカソード側に運ぶ力が働く部位である発電量の多い部位のアノード側が挙げられる。
【0028】
そして、水分量測定手段は拡散層の表面乃至は内部に配設することができる。好ましくは水分量測定手段はセパレータと拡散層との間に配設する。単位セルの構成要素のなかでも拡散層の水分量の変化が燃料電池の性能に大きな影響を与えるからである。また、セパレータと拡散層との間に水分量測定手段を配設するのは、拡散層と触媒層との間に水分量測定手段を配設するよりも電池性能に対する悪影響が少ないからである。
【0029】
本発明の燃料電池システムが単位セルを複数有する場合に、水分量測定手段はすべての単位セル内部について水分量分布を測定することは必須ではない。複数の単位セルのうちの幾つかを代表として水分分布を測定することで他の単位セル内部の水分量分布を推定することができる。少なくとも、幾つかの単位セル内部の水分量分布を測定しているので、水分量測定手段で水分量分布を直接測定していない単位セルについても、従来の燃料電池システムよりも正確な水分量分布を推定できる。水分量分布を測定するために複数の単位セルから代表として選択される単位セルは、水分量分布や水分量の変動が大きい単位セルから選択することが好ましい。また、単純に単位セルを幾つかのグループに分割してそのグループ内で1つずつ単位セルを選択し、その単位セル内の水分量分布を測定することでそのグループ内の単位セルを代表させることもできる。
【0030】
水分量測定手段は吸湿性高分子材料からなる測定部とその測定部のインピーダンス又は電気容量を測定するプローブとからなることができる。吸湿性高分子材料からなる測定部は接触する単位セル内の雰囲気により、自身の水分量が変化する。測定部は自身の水分量によりインピーダンスや電気容量が変化する。具体的には自身の水分量が高くなるとインピーダンス及び電気容量は低くなり、反対に自身の水分量が低くなるとインピーダンス及び電気容量は高くなる。測定されたインピーダンス又は電気容量の値から測定部が接する部位の水分量が算出できる。水分量は測定部の温度を考慮することで更に精度良く算出できる。測定部の温度は冷却水温度等で近似できる単位セルの定常温度を用いたり、測定部に温度センサを付加することでも達成できる。
【0031】
プローブは測定部内部で間隔を空けて配設される2つ以上の導体から構成される。プローブは測定部の内部に配設され、プローブを構成する導体が測定部以外に接することを防止することが好ましい。水分量測定手段が配設される電池反応が行われている燃料電池システム内の触媒層や拡散層付近にプローブを構成する導体をむき出しのまま配設すると、プローブ間に短絡が発生して正確な水分量の測定が妨げられるほか、予想外の事態が生起するおそれがある。また、プローブに電気的に接続される配線についても周囲の触媒層や拡散層との間での絶縁が確保できる構成とすることが好ましい。
【0032】
ここで、測定部とプローブとからなる水分量測定手段は固体高分子電解質膜、触媒層又は拡散層に一体的に埋設することができる。固体高分子電解質膜、触媒層又は拡散層に水分量測定手段を埋設することで、それぞれの構成要素についての正確な水分量の測定が可能となる。ここで、吸湿性高分子材料として前述した固体高分子電解質を用いると、電池反応により生成するプロトンの伝導を妨げるおそれが少なくなる。特に、固体高分子電解質膜又は触媒層に水分量測定手段を埋設する場合に、水分量測定手段の部位においてもプロトンの伝導を確保できるので好ましい。吸湿性高分子材料として固体高分子電解質を用いた場合には水分量を測定する指標としてインピーダンスの測定によることが好ましい。また、吸湿性高分子材料として固体高分子電解質以外の材料を用いた場合には水分量を測定する指標として電気容量の測定によることが好ましい場合もある。
【0033】
水分量測定手段の大きさは、電池反応を阻害しないために小さいことが好ましい。例えば、吸湿性高分子材料からなる測定部とプローブとからなる水分量測定手段では1mm角以下の大きさとすることもできる。
【0034】
(水分量調節手段)
水分量調節手段は測定した単位セル内部の水分量分布に基づいて単位セル内部の水分量を調節する手段である。水分量調節手段は固体高分子電解質膜、触媒層、拡散層及びセパレータの流路のうちのいずれかの部位若しくはすべての部位又は任意の部位の組み合わせについて水分量を調節することで単位セル内部の水分量を調節する。水分量調節手段は単位セル全体(単位セルが複数ありスタックを形成している場合には、スタック全体)に対して作用する手段と、単位セル内部に配設され、単位セル内部の一部の水分量を調節する手段とがある。単位セル内部を局所的に水分量を調節する手段は単位セル毎に水分量調節手段を配設することが好ましい。
【0035】
固体高分子電解質等の単位セルの構成要素はそれぞれ適正な水分量の範囲をもつ。水分量が多くなりすぎたり、少なくなりすぎたりすると、本来の性能が発揮できないばかりか単位セルの寿命が短縮される。水分量を調節する方法は特に限定しない。例えば、単位セル内部の水分量が全体として高いときに水分量を低下させる方法としては以下の方法がある。
【0036】
▲1▼供給する燃料ガス等の湿度を低くして内部に入る水分の量を減少できる。▲2▼燃料ガス等の供給量を増加させて水分の蒸発を促進させて水分量を低下できる。▲3▼背圧を低下させて排出される排ガスの量を増加させて、排ガスと共に燃料電池システム内の水分を排出できる。▲4▼流路内での燃料ガス等の流速を増加させて水分の排出を促進できる。▲5▼そして、固体高分子電解質等の単位セルの構成要素を振動させて単位セル内からの水分の排出を促進できる。スタックは振動手段により振動できる。振動手段は、特に拡散層を振動させることで壁面に付着した液滴を引き剥がすことができ、排ガスの流れに乗せて生成水を積極的に排出できるので、拡散層の水分量を低下できる。これらの手段は前述の水分量測定手段の測定結果に基づき、水分量が多い部位から選択的に水分を除くことで単位セル内の水分量を均一に近づけることができる。
【0037】
単位セル内部で水分量分布が不均一である場合には、単位セル内部の水分量が多い部位について水分量を減少させ、水分量が少ない部位の水分量を増加させることで、水分量分布を均等化する。
【0038】
そして、単位セル内部で局所的に水分量が多い部位に対しては、その部位に対して局所的に加熱を行うことで水分の排出を促進できる。加熱は単位セル内部全体に対して均等に行うことで単位セル内の水分量を全体として低下することができる。
【0039】
加熱方法としてはヒータが採用できる。つまり、水分量調節手段はヒータとヒータを駆動する駆動手段と駆動部を制御する制御部とをもつことができる。ヒータは固体高分子電解質膜、触媒層、拡散層又はセパレータ内に配設することができる。ヒータは単位セル内部で水分量測定手段が単位セル内部の水分量を測定する部位に合わせて配設し、水分量測定手段により測定された水分量分布に応じて駆動部がヒータを駆動・制御することが好ましい。つまり、水分量測定手段による測定値に応じて直接的に拡散層等を加熱して水分量を調節することが好ましい。
【0040】
ヒータとしては汎用されている一般的なヒータを採用できるほか、拡散層内に埋設された複数の電極を採用できる。この複数の電極のうち、任意の電極間に電流を流すことで電流を流した電極間にジュール熱を発生させて、その部位の拡散層を加熱して水分量を低下させることができる。拡散層等をヒータの一部乃至は全部として用いることで、ヒータを拡散層等の中に配設することにより発生する電池反応に対する悪影響を最小限に抑えることができる。
【0041】
ヒータとして複数の電極を採用する場合には、駆動部はそれらの電極のうちの任意の電極間に電流を流す手段である。制御部は、水分量測定手段により測定された複数部位のうち、測定された水分量から導出される触媒層等の水分量の高い部位に対応した部位の拡散層を加熱するように複数の電極を選択してその電極間に電流を流す手段である。具体的には複数の電極の組み合わせのうち、拡散層の加熱する部位に電流が流れる電極の組み合わせを算出し、その電極の組み合わせに対して必要な加熱ができる大きさ・時間の電流を流すように駆動部を制御する。
【0042】
反対に、制御部は水分量が少ない部位に対してはその部位にある電極への通電を停止して加熱を停止することで水分量を増加させることもできる(水分量の減少を防止することで水分量の増加を図る)。
【0043】
(その他の部材)
必要に応じて有することができるその他の部材としては、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給手段(ガスへの加湿手段を含む)、貯蔵手段、燃料ガスの改質手段、単位セルを積層したスタックを冷却する冷却手段等が挙げられる。
【0044】
〔作用及び効果〕
本実施形態の燃料電池システムは以上の構成をもつことから以下の作用効果を発揮する。燃料電池システムの運転中は、各単位セル内のアノード側に燃料ガスを、カソード側に酸化剤ガスをそれぞれ供給されており、カソード側で生成水が発生する。
【0045】
燃料電池システムの運転条件により、単位セル全体における水の生成量が増減する。また、単位セル内部におけるガスの流れは一様ではないので、単位セル内部の水分量分布は不均一となる。
【0046】
水分量測定手段は単位セル内部の水分量分布を測定し、水分量調節手段に引き渡す。例えば、吸湿性高分子材料からなる測定部とプローブとからなる水分量測定手段の場合には測定部が隣接する単位セル内部の部位から測定部に生成水が移行し平衡化する。測定部の水分量はプローブによって測定部のインピーダンス又は電気容量に関連する値として測定できる。平衡化した測定部の水分量は測定部が接する部位の水分量と高い相関性をもつ。従って、プローブにより測定された値は測定部が配設された部位の水分量と高い相関性をもつ。水分量測定手段は単位セル内部の複数の部位の水分量を測定する。単位セル内部の複数の部位の水分量を測定した結果、単位セル内部の水分量分布が算出できる。
【0047】
水分量調節手段は水分量測定手段から引き渡された単位セル内部の水分量分布から水分量が少ない部位には水分量を増加させ、水分量が多い部位には水分量を減少させる。水分量の多・少の判断基準は実験的・理論的に求めることができる。
【0048】
水分量測定手段がすべての単位セル内部に配設されていない場合には水分量測定手段により測定される単位セルの水分量分布により水分量分布を推定して、水分量を調節する。
【0049】
単位セル内部で局所的に水分量が多い場合には、単位セル内部の目的とする部位をヒータで加熱することでその部位の水分量を減少できる。そして、単位セル内部の水分量が全体として多い場合には水分量調節手段は単位セル全体に作用させて内部の水分量を減少させる。単位セル内部の水分量を全体として減少させる場合にはヒータで加熱するほか、燃料ガス及び/又は酸化剤ガスの流量及び/又は流速を増加することや、単位セル(スタック)を加振することでも調節できる。酸化剤ガス等の流速等を増加させると液滴等がガスに流されて排出が促進されることで水分量が減少する。単位セルを加振すると壁面等に付着した液滴を落下・除去することができ、水分量を減少できる。
【0050】
反対に単位セル内部で局所的に水分量が少ない場合には、単位セル内部の目的とする部位をヒータで加熱することを中止してその他の部位のみを加熱することで加熱を行わない部位の水分量を増加できる。そして、単位セル内部の水分量が全体として少ない場合には水分量調節手段は単位セル全体に作用させて内部の水分量を増加させる。単位セルへの加振を停止すると水分量が増加できる。
【0051】
単位セル内部の水分量を全体として増加させるにはヒータでの加熱を中止するほか、燃料ガス及び/又は酸化剤ガスの流量及び/又は流速を減少させて水分の蒸発を抑制したり、単位セル(スタック)への加振を停止することでも調節できる。酸化剤ガス等の流速等を減少させると水分量は増加できる。
【0052】
以上説明したように、本発明の燃料電池システムは燃料電池システムの単位セル内部の水分量が正確に測定できるので水分量の調節も正確に行うことができる。その結果、単位セル内部の水分量分布を適正に制御できるので、燃料電池システムの高効率化・高耐久性化を実現できる。
【0053】
【実施例】
以下に本発明の燃料電池システムを実施例に基づき更に詳細に説明する。適宜、図を参照しながら説明を行うが、図は模式図であり、縮尺等の細部の再現性については厳密ではない。
【0054】
(実施例)
(構成)
本実施例の燃料電池システムは、複数の単位セルを積層したスタックと、第1及び第2水分量測定手段と、複数種類の水分量調節手段と、制御装置とを有する。第1及び第2水分量測定手段はすべての単位セルの内部には配設されておらず、幾つかの単位セル毎に配設している。水分量測定手段が配設されていない単位セルの水分量分布は測定された単位セルから水分量分布を推定する。水分量調節手段は水分量測定手段からの測定値に従い単位セル内部の水分量を調節する。
【0055】
その他にスタックの恒温性を向上するために、所定温度の冷却水を循環する冷却装置(図略)をもつ。単位セルは、図1に示すように、固体高分子電解質膜11と触媒層及び拡散層の積層体としてのカソード12及びアノード13とセパレータ14、15とをもつ。図1は1つの単位セルの断面図であり、図面の上下方向に複数の単位セルが積層されている。セパレータは上又は下に接する単位セルと共用する。スタックの端部を構成する単位セルのセパレータには外部に電力を取り出す電極が形成されている。
【0056】
固体高分子電解質膜11はパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料を製膜した部材である。カソード12及びアノード13は白金を担持したカーボン粉末をパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料に分散させたペーストを拡散層としてのカーボンペーパーの片面に塗布して形成した触媒層をもつ。固体高分子電解質膜11はカソード12及びアノード13により狭持されている。固体高分子電解質膜11は触媒層12、13のそれぞれ触媒層を形成した面と接している。
【0057】
セパレータ14、15は炭素材料から構成されている。セパレータ14、15は両面に燃料ガス及び酸化剤ガスの流路が形成されている(図上では片面の流路を省略)。カソード12側のセパレータ14の流路141には水分量測定手段20が配設されている。カソード12側のセパレータ14の流路141には酸化剤ガスとしての空気が供給され、アノード13側のセパレータ15の流路151には燃料ガスとしての水素ガスが供給される。空気及び水素ガスはそれぞれ空気供給装置(図略)及び水素ガス供給装置(図略)により流路141、151に供給されている。空気供給装置及び水素ガス供給装置はそれぞれ水分量調節手段の1つとしての作用をもち、更に水分量調節手段としての加湿装置(図略)をもつ。空気供給装置及び水素ガス供給装置は単位セル(スタック)に燃料等を供給するほか、ガスの流れによって単位セル内部の水分量を全体として調節する作用をもつ。加湿装置も単位セル(スタック)全体の水分量を調節する手段である。加湿手段は、空気及び/又は水素ガスに対して加湿を行うことで単位セル内部の水分量を全体として増加させることができる装置である。
【0058】
第1水分量測定手段20は絶縁基板201上に形成された金属箔からなるプローブ202、203とパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料から構成される測定部204とをもつ。第1水分量測定手段20のプローブ202、203は制御装置(図略)に配線21によって電気的に接続されている。絶縁基板201に形成されたプローブ202、203は表面が導体となっており、測定部204により被覆絶縁されている。
【0059】
第1水分量測定手段20はセパレータ14の流路141の1つに測定部204を流路141に接するように配設されている。流路141は断面が1mm×1mmの大きさであり、水分量測定手段20も同程度の大きさである。図では第1水分量測定手段20は1つのみ配設されているように見えるが、他の断面における流路141に接して複数の第1水分量測定手段20が配設されている。
【0060】
第2水分量測定手段30は、図3に示すように、パーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料から構成される直方体状の測定部31と、その測定部31内部に埋設された針金状のプローブ32、33とをもつ。プローブ32、33の測定部31内部に埋設された部位は導体が露出している。プローブ32、33は測定部31の中心付近に埋設されているので測定部の外部とは、ほぼ絶縁されている。
【0061】
なお、プローブ32、33の測定部31内部に埋設されていない部分は絶縁されている。第2水分量測定手段30は固体高分子電解質膜11、カソード12及びアノード13に埋設されている。第2水分量測定手段30は固体高分子電解質膜11、カソード12及びアノード13を構成する固体高分子電解質と同じ材料から構成されているので固体高分子電解質膜11及び触媒層12、13と一体化することができる。第2水分量測定手段30の厚みは埋設する対象(固体高分子電解質膜11及び触媒層12、13)に合わせて選択される。
【0062】
第2水分量測定手段30を固体高分子電解質膜11、カソード12及びアノード13に埋設する方法の1例としては固体高分子電解質膜11、カソード12及びアノード13を製造するときに第2水分量測定手段30を埋設する方法を挙げることができる。プローブ32及び33は制御装置に電気的に接続される。第1水分量測定手段20及び第2水分量測定手段30は単位セルの面上に均等に配設している。
【0063】
水分量調節手段としては前述の加湿装置のほか、流路141、151及び拡散層としてのカーボンペーパーに埋設された複数の電極と、単位セル(すなわち、スタック)を加振する加振手段(図略)とをもつ。図4に示すように、カソード12には電極E1〜E9が埋設されている。埋設された電極は、適正な電極間に電流を流すことでジュール熱を発生させ、単位セル内部を局所的に加熱して局所的に水分量を調節できる手段である。加振手段は単位セル(スタック)全体の水分量を調節する手段である。加振手段はスタックを保持する機構に組み込まれている。
【0064】
制御装置(図略)はプローブ202、203間及びプローブ32、33間に交流を印加することで測定部204及び31の交流インピーダンスを測定する水分量測定手段の一部として作用する手段と、水分量測定手段20、30を用いて測定した水分量に基づき水分量調節手段を駆動する手段とをもつ。制御装置は第1及び第2水分量測定手段20、30と接続できるインターフェースと、制御装置の作用をコンピュータ上のロジックとして実現する手段と、水分量調節手段を駆動する手段とをもつ。制御装置の水分量調節手段を駆動する手段は、電極E1〜E9に接続されて任意の適正な電極E1〜E9間に電流を流すことで加熱する部位を制御したり、加振手段を作動させる手段である。
【0065】
(作用効果)
本実施例の燃料電池システムは上記構成を有することから以下の作用効果をもつ。燃料電池システムの運転中は、各単位セル内のアノード13側に水素ガスを、カソード12側に空気をそれぞれ水素ガス供給装置及び空気供給装置により供給されており、カソード12側で生成水が発生する。
【0066】
燃料電池システムで発生する生成水の全体量は、燃料電池の運転条件によって増減する。また、単位セル内部におけるガスの流れは一様ではないので、単位セル内部の水分量分布は不均一となる。
【0067】
固体高分子電解質膜11等の単位セルの構成要素はそれぞれ適正な水分量の範囲をもつ。水分量が多すぎたり、少なすぎたりすると、本来の性能が発揮できないばかりか単位セルの寿命が短縮される。
【0068】
制御装置は、第1及び第2水分量測定手段20、30により単位セル内部の各部位の水分量を測定することで単位セル内部の水分量分布を算出する。水分量分布は制御装置内で算出する。水分量分布は第1及び第2水分量測定手段20、30により測定された単位セル内部のそれぞれの部位での水分量の組み合わせで表す。単位セル内部の水分量は第1及び第2水分量測定手段20、30により測定された測定部204、31の交流インピーダンスの値と単位セル内部の温度との関数として算出できる。単位セル内部の温度としては冷却手段の冷却水温度を採用する。
【0069】
制御装置は、算出した水分量分布に基づいて水分量調節手段を駆動する。駆動する水分量調節手段及び駆動の程度は算出された水分量分布の各水分量の値から導出する。単位セル(スタック)の水分量の値が全体として適正範囲から外れている場合にはスタック全体の水分量を調節できる水分量調節手段を用いて水分量を調節する。例えば、水分量が適正範囲よりも多い場合には水分量を減少するために加振手段を作動させたり、空気供給装置及び/又は水素ガス供給装置により水素ガス等の供給量を増加させたり、加湿手段を停止したりして水分量を減少させる。また、ヒータ全体に通電して固体高分子電解質膜11、カソード12及びアノード13を加熱することによっても水分量を減少できる。
【0070】
反対に単位セル(スタック)全体の水分量が適正範囲よりも低い場合には水分量を増加するために加振手段を停止させたり、空気供給装置及び/又は水素ガス供給装置により水素ガス等の供給量を減少させたり、加湿手段を作動したりして水分量を増加させる。また、ヒータ全体への通電を停止して固体高分子電解質膜11、カソード12及びアノード13の加熱を停止することによっても水分量を増加できる。
【0071】
単位セル内部の水分量分布が不均一で、単位セル内部が局所的に水分量が多くなった場合には水分量が多いとした水分量測定手段が配設された部位に最も近いカソード12及びアノード13等を加熱する為に、その加熱すべき部位を間に挟む電極を電極E1〜E9から選択する。例えば、電極E5と電極E6との間に電流を流すと、電極E5、E6間のカソード12、セパレータ14等に図4の点線で示すように電流が流れその部位にジュール熱が発生する。電極E5、E6間の中央付近では、主にセパレータ14に電流が流れるものと考えられる。セパレータの抵抗値は小さいので、ジュール熱は電極E5、E6間で幾らか発生するほか、電極E5、E6の周辺で主に発生し、ジュール熱によりカソード12が加熱される。
【0072】
発生したジュール熱によりその部位からの水分蒸発量が増加して局所的に水分量を減少することができる。また、図4に示すような隣り合った電極E1〜E9同士でなくとも、図5に示すような電極E1、E5間のように離れた電極E1〜E9間であっても、電極E1〜E9のいずれかの間で電流を流すことで任意の部位を加熱することができる。
【0073】
反対に、単位セル内部の水分量分布が不均一で、単位セル内部が局所的に水分量が少なくなった場合には水分量が少ないとした水分量測定手段が配設された部位に最も近いカソード12、アノード13等に対して、その部位を間に挟む電極を電極E1〜E9間に流す電流を減少乃至は停止させて、その部位の水分蒸発を抑制することによって、水分量を増加できる。
【0074】
以上説明したように、本実施例の燃料電池システムは燃料電池システムの単位セル内部の水分量が正確に測定できるので水分量の調節も正確に行うことができる。その結果、単位セル内部の水分量分布を適正に制御できるので、燃料電池システムの高効率化・高耐久性化を実現できる。
【0075】
(変形例)
実施例の燃料電池システムにおいてセパレータの流路の断面積を可変とすることで、流路を流れるガスの流速をガスの供給量を変えることなく制御することが可能となる。単位セル内部の水分量が増加した場合には流路の断面積を減少させて供給するガスの流速を増加させることで水分の蒸発量が増加して、水分量が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の燃料電池システムの単位セルの拡大断面図である。
【図2】実施例における水分量測定手段の拡大模式図である。
【図3】実施例における固体高分子電解質膜、触媒層及び拡散層に埋設できる水分量測定手段の模式図(a)、断面図(b)である。
【図4】実施例においてカソードに配設された電極及びその電極を使用したカソードの加熱の様子を表した模式図である。
【図5】実施例においてカソードに配設された電極及びその電極を使用したカソードの加熱の様子を表した模式図である。
【符号の説明】
11…固体高分子電解質膜  12…カソード(触媒層、拡散層)  13…アノード(触媒層、拡散層)  14、15…セパレータ  141、151…流路
20…第1水分量測定手段
204…測定部  202、203…プローブ  201…絶縁基板
30…第2水分量測定手段
31…測定部  32、33…プローブ
E1〜E9…電極(水分量調節手段のヒータ)

Claims (9)

  1. 固体高分子電解質からなる固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に接する一対の触媒層と、該触媒層の該固体高分子電解質膜に接する面の反対側の面に接する一対の拡散層と、該拡散層の該触媒層に接する面の反対側の面に接する一対のセパレータと、をもつ単位セルを有する燃料電池システムであって、
    前記単位セルの内部に配設され該単位セル内部の水分量分布を直接測定する水分量測定手段と、測定した水分量分布に基づいて該単位セル内部の水分量を調節する水分量調節手段を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水分量測定手段は、前記セパレータ及び該拡散層の間に配設される請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水分量測定手段は、吸湿性高分子材料からなる測定部と、該測定部のインピーダンス又は電気容量を測定するプローブと、からなる請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記測定部は、前記固体高分子電解質膜に一体的に埋設されている請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記測定部は、前記拡散層に一体的に埋設されている請求項3に記載の燃料電池システム。
  6. 前記測定部は、前記触媒層に一体的に埋設されている請求項3に記載の燃料電池システム。
  7. 前記吸湿性高分子材料は、前記固体高分子電解質である請求項3〜6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記水分量測定手段は、前記拡散層の複数部位の水分量が測定できる手段であり、
    前記水分量調節手段は、前記拡散層内に埋設された複数の電極と、任意の該電極間に電流を流すことができる駆動部と、前記複数部位のうち測定された水分量から導出される該拡散層の水分量の高い部位が発熱するように駆動部を制御する制御部と、をもつ請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池システム。
  9. 前記水分量測定手段は、前記触媒層又は前記拡散層の複数部位の水分量が測定できる手段であり、
    前記水分量調節手段は、前記触媒層又は前記拡散層のうち、測定された水分量に応じてスタックを振動させる振動手段である請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池システム。
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