JP2004146115A - アース用端子金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着面に対する接続信頼性及び取付作業性を向上させることができる良好なアース用端子金具を提供する。
【解決手段】アース用端子金具21は、導電性金属板からなる基板23の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。アース用端子金具21には、基板23の先端縁を延出して断面コ字状となるように二重に折り曲げ形成した固定片49が、圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられることによって、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aが、圧着部26より高くされる。固定部41と固定片49との間には、間隙51を維持して固定片49の端子取付け面49aの高さを保持する為のスペーサ55が挿入される。
【選択図】 図2
【解決手段】アース用端子金具21は、導電性金属板からなる基板23の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。アース用端子金具21には、基板23の先端縁を延出して断面コ字状となるように二重に折り曲げ形成した固定片49が、圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられることによって、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aが、圧着部26より高くされる。固定部41と固定片49との間には、間隙51を維持して固定片49の端子取付け面49aの高さを保持する為のスペーサ55が挿入される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の後端に電線を接続する圧着部を有すると共に、先端にボルト孔を穿設した固定部を有しており、該固定部が被着面にボルト固定されるアース用端子金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車等に搭載される電装部品は、接地回路を車体パネル等に接続する場合に、密着面積を大きくして導通性を確実にするためのアース用端子金具を使用している(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
図5に示すように、従来のアース用端子金具1は、導電性金属板からなる基板3の表面(図5中、上面)の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部5を有すると共に、先端にボルト孔7を穿設した固定部9を有する所謂LA端子である。
そこで、前記アース用端子金具1は、基板3の表面に圧着部5が高く突出し、基板3の裏面(図5中、下面)が平坦な端子取付け面となる。
【0004】
そして、前記アース用端子金具1は、図6に示すように、平坦な基板3の端子取付け面を被着面である車体パネル11に当接させ、ボルト孔7に挿入したボルト13を車体パネル11の取付孔15に螺着することで、固定部9を車体パネル11の表面に密着固定し、良好な導通性を確保していた。
なお、前記アース用端子金具1の近傍の電線Wは、図示しないワイヤハーネスと伴に車体に配索された際に、バンドクリップ17によって車体パネル11に固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−54182号公報
【特許文献2】
特開2000−277192号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した如き従来のアース用端子金具1は、基板3の表面に圧着部5が高く突出している為、図7に示すように、圧着部5を設けた表面が車体パネル11に当接する向きで固定を行なおうとしても、該圧着部5が車体パネル11に干渉し、固定部9の全面が車体パネル11に密着しなくなるので、導通性が低下する虞があった。
【0007】
そして、車体パネル11に配索後に、固定部9の取付け向きを変えようとしても、アース用端子金具1の近傍の電線Wは、バンドクリップ17によって固定されているため、その反転は困難であった。
また、アース用端子金具1の固定時に、その都度表裏を判別する事は、取付作業性を低下させる。更に、アース用端子金具1の取付け向きが表裏で制約されることは、人手によらないで固定を行う自動化の障害ともなる。
【0008】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、被着面に対する接続信頼性及び取付作業性を向上させることができる良好なアース用端子金具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、導電性金属板からなる基板の後端に電線を電気的に接続する圧着部を有すると共に、先端にボルト孔を穿設した固定部を有するアース用端子金具であって、
前記基板を延出して少なくとも二重に折り曲げ形成した固定片が、前記圧着部を形成された側の固定部の上方に設けられることによって、
前記圧着部を形成された側の端子取付け面が、前記圧着部より高くされることを特徴とするアース用端子金具により達成される。
【0010】
上記構成のアース用端子金具によれば、圧着部を形成された側の固定部の上方に設けられた固定片によって、圧着部を形成された側の端子取付け面が、該圧着部より高く構成されるので、該端子取付け面が被着面にボルト固定されても、前記圧着部が被着面に干渉することは無く、固定部の全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0011】
そこで、端子の表裏何れであっても被着面に端子取付け面を密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止されるとともに、表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。また、端子の表裏何れでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0012】
尚、好ましくは前記固定部と前記固定片との間には、これら固定部と固定片との間隙を維持して前記端子取付け面の高さを保持する為の間隙保持手段が設けられる。
この場合、ボルト固定された際に、固定片が固定部に接近する方向に変形して圧着部より低くなることがない。
これにより、前記圧着部を形成された側の端子取付け面の高さは、圧着部より常に高く保持され、ボルト締め後においても圧着部が被着面に干渉せずに、端子取付け面が被着面に密着して固定される。
【0013】
又、好ましくは前記間隙保持手段が、前記ボルト孔と同軸の貫通孔を有するスペーサや、前記固定片の縁部に垂設されて先端が前記固定部に当接する突き当て部から成る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係るアース用端子金具を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るアース用端子金具の分解斜視図、図2は図1に示したアース用端子金具の部分破断側面図である。
【0015】
本第1実施形態に係るアース用端子金具21は、図1に示したように、導電性金属板(例えば、銅板等)からなる基板23の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。
前記圧着部29は、電線Wの絶縁被覆31に外側から圧着するシース圧着部29aと、絶縁被覆31を除去した導体33のみに圧着する導体圧着部29bとからなる。
【0016】
前記固定部41は、中央部にボルト孔39を配置した略矩形状とされている。そこで、前記基板23の表面(図1中、上面)には圧着部29が突出し、基板23の裏面(図1中、下面)が平坦な端子取付け面41bとなる(図2、参照)。
更に、前記アース用端子金具21には、前記基板23の先端縁を延出して断面コ字状となるように二重に折り曲げ形成した固定片49が、前記圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられている。
【0017】
前記固定片49は、前記圧着部29を形成した側となる固定部41の表面側に、該固定部41に対して所定の間隙51を隔てて平行に対向しており、前記ボルト孔39と同軸のボルト孔47を穿設されている。この間隙51は、固定片49の端子取付け面49aが圧着部29より高くなるように適宜設定される。
更に、固定部41と固定片49との間には、前記間隙51を維持して前記固定片49の端子取付け面49aの高さを保持する為の間隙保持手段であるスペーサ55が挿入されている。
【0018】
前記スペーサ55は、前記ボルト孔39と同軸の貫通孔53を有する樹脂製部材である。前記固定部41及び前記固定片49のそれぞれの対向面には、複数の係止用小突起57が突設されており、この係止用小突起57がスペーサ55に凹設した係止孔59に嵌合することによって該スペーサ55の脱落を防止する。
【0019】
即ち、本実施形態のアース用端子金具21は、図2に示すように、前記固定片49の高さAが、電線Wを圧着した圧着部29の高さaと同等或いはそれより高くなっており(A≧a)、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aは、圧着部29と同等或いはそれより高くなっている。
そこで、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aが、車体パネル等の被着面にボルト固定されても、圧着部29が被着面に干渉することは無く、アース用端子金具21の端子取付け面49aの全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0020】
更に、上記アース用端子金具21によれば、固定部41と固定片49との間にスペーサ55が挟装されることで、片持ち梁構造となる固定片49がスペーサ55を介して固定部41に支持されるので、ボルト締め付け後においても、固定片49が固定部41に接近する方向に変形して圧着部29より低くなることがない。
これにより、前記固定片49は圧着部29より常に高く保持され、ボルト締め後においても圧着部29が被着面に干渉せずに、端子取付け面49aが被着面に密着して固定される。
【0021】
従って、前記アース用端子金具21の表裏何れの取付け面49a,41bであっても、被着面に各取付け面49a,41bを密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止される。
又、アース用端子金具21の表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。更に、前記アース用端子金具21の表裏何れの取付け面49a,41bでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0022】
図3は本発明の第2実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。なお、図1に示した第1実施形態に係るアース用端子金具21と略同一の構成部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
本第2実施形態に係るアース用端子金具61は、図3に示したように、導電性金属板(例えば、銅板等)からなる基板43の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。
【0023】
また、前記アース用端子金具61には、前記基板43の先端縁を延出して断面コ字状となるように二重に折り曲げ形成した固定片49が、前記圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられている。
前記固定片49は、前記圧着部29を形成した側となる固定部41のおもて面側に、該固定部41に対して所定の間隙51を隔てて平行に対向しており、前記ボルト孔39と同軸のボルト孔47を穿設されている。この間隙51は、固定片49の端子取付け面49aが圧着部29より高くなるように適宜設定される。
更に、前記固定片49の先端縁部には、前記間隙51を維持して前記固定片49の端子取付け面49aの高さを保持する為の間隙保持手段である突き当て部49bが垂直に折り曲げ形成されており、先端49cが前記固定部41に当接している。
【0024】
即ち、本実施形態のアース用端子金具61は、図3に示すように、前記固定片49の高さ(厚み)Aが、電線Wを圧着した圧着部29の高さ(厚み)aと同等或いはそれより高くなっており(A≧a)、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aは、圧着部29と同等或いはそれより高くなっている。
そこで、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aが、車体パネル等の被着面にボルト固定されても、圧着部29が被着面に干渉することは無く、アース用端子金具61の端子取付け面49aの全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0025】
更に、上記アース用端子金具61によれば、固定片49の先端縁部に垂設された突き当て部49bの先端49cが前記固定部41に当接することで、片持ち梁構造となる固定片49の先端が突き当て部49bを介して固定部41に支持されるので、ボルト締め付け後においても、固定片49が固定部41に接近する方向に変形して圧着部29より低くなることがない。
【0026】
なお、前記固定片49の縁部に垂設される突き当て部は、先端側の一辺のみならず、三辺の全てから延出させて、固定部41へ向かって折り曲げ形成されるものであってもよい。このような構成とすれば、固定部41と固定片49とが箱状となり、間隙51を狭める方向の変形に対する強度を更に高めることができる。
【0027】
従って、本第2実施形態のアース用端子金具61によれば、上記第1実施形態のアース用端子金具21と同様に、前記アース用端子金具61の表裏何れの取付け面49a,41bであっても、被着面に各取付け面49a,41bを密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止される。
又、アース用端子金具61の表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。更に、前記アース用端子金具61の表裏何れの取付け面49a,41bでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0028】
図4は本発明の第3実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。
本第3実施形態に係るアース用端子金具71は、図4に示したように、導電性金属板(例えば、銅板等)からなる基板45の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。
【0029】
また、前記アース用端子金具71には、前記基板45の先端縁を延出して三重に折り曲げ形成した固定片73が、前記圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられている。
前記固定片73は、前記圧着部29を形成した側となる固定部41の表面側に、該固定部41に対して断面S字状に折り畳まれ、折り重なった状態となっており、ボルト孔39と同軸のボルト孔47も穿設されている。
【0030】
即ち、本実施形態のアース用端子金具71は、図4に示すように、前記固定h片73の高さAが、電線Wを圧着した圧着部29の高さaと同等或いはそれより高くなっており(A≧a)、圧着部29を形成された側の端子取付け面73aは、圧着部29と同等或いはそれより高くなっている。
そこで、圧着部29を形成された側の端子取付け面73aが、車体パネル等の被着面にボルト固定されても、圧着部29が被着面に干渉することは無く、アース用端子金具71の端子取付け面73aの全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0031】
なお、本実施形態では、固定片73が三重に折り重ねられた場合を例に説明するが、該固定片73は、基板45の厚みを考慮して折り畳み後の高さAが、圧着部29の高さaよりも高くなれば、二重或いは四重以上に折り重ねられるものであってもよい。
【0032】
従って、本第3実施形態のアース用端子金具71によれば、上記第1実施形態のアース用端子金具21と同様に、前記アース用端子金具71の表裏何れの取付け面73a,41bであっても、被着面に各取付け面73a,41bを密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止される。
又、アース用端子金具71の表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。更に、前記アース用端子金具71の表裏何れの取付け面73a,41bでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0033】
尚、本発明のアース用端子金具における基板、圧着部、固定部、固定片及び間隙保持手段等の構成は、上記各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のアース用端子金具によれば、圧着部を形成された側の固定部の上方に設けられた固定片によって、圧着部を形成された側の端子取付け面が、該圧着部より高く構成されるので、該端子取付け面が被着面にボルト固定されても、前記圧着部が被着面に干渉することは無く、固定部の全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0035】
そこで、端子の表裏何れであっても被着面に端子取付け面を密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止されるとともに、表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。また、端子の表裏何れでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るアース用端子金具の分解斜視図である。
【図2】図1に示したアース用端子金具の部分破断側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。
【図5】従来のアース用端子金具の斜視図である。
【図6】図5に示したアース用端子金具の車体パネルへの正規の取付け状態を表す側面図である。
【図7】図5に示したアース用端子金具の車体パネルへの誤った取付け状態を表す側面図である。
【符号の説明】
21 アース用端子金具
23 基板
29 圧着部
39 ボルト孔
41 固定部
49 固定片
49a 端子取付け面
51 間隙
55 スペーサ(間隙保持手段)
W 電線
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の後端に電線を接続する圧着部を有すると共に、先端にボルト孔を穿設した固定部を有しており、該固定部が被着面にボルト固定されるアース用端子金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車等に搭載される電装部品は、接地回路を車体パネル等に接続する場合に、密着面積を大きくして導通性を確実にするためのアース用端子金具を使用している(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
図5に示すように、従来のアース用端子金具1は、導電性金属板からなる基板3の表面(図5中、上面)の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部5を有すると共に、先端にボルト孔7を穿設した固定部9を有する所謂LA端子である。
そこで、前記アース用端子金具1は、基板3の表面に圧着部5が高く突出し、基板3の裏面(図5中、下面)が平坦な端子取付け面となる。
【0004】
そして、前記アース用端子金具1は、図6に示すように、平坦な基板3の端子取付け面を被着面である車体パネル11に当接させ、ボルト孔7に挿入したボルト13を車体パネル11の取付孔15に螺着することで、固定部9を車体パネル11の表面に密着固定し、良好な導通性を確保していた。
なお、前記アース用端子金具1の近傍の電線Wは、図示しないワイヤハーネスと伴に車体に配索された際に、バンドクリップ17によって車体パネル11に固定される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−54182号公報
【特許文献2】
特開2000−277192号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した如き従来のアース用端子金具1は、基板3の表面に圧着部5が高く突出している為、図7に示すように、圧着部5を設けた表面が車体パネル11に当接する向きで固定を行なおうとしても、該圧着部5が車体パネル11に干渉し、固定部9の全面が車体パネル11に密着しなくなるので、導通性が低下する虞があった。
【0007】
そして、車体パネル11に配索後に、固定部9の取付け向きを変えようとしても、アース用端子金具1の近傍の電線Wは、バンドクリップ17によって固定されているため、その反転は困難であった。
また、アース用端子金具1の固定時に、その都度表裏を判別する事は、取付作業性を低下させる。更に、アース用端子金具1の取付け向きが表裏で制約されることは、人手によらないで固定を行う自動化の障害ともなる。
【0008】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、被着面に対する接続信頼性及び取付作業性を向上させることができる良好なアース用端子金具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、導電性金属板からなる基板の後端に電線を電気的に接続する圧着部を有すると共に、先端にボルト孔を穿設した固定部を有するアース用端子金具であって、
前記基板を延出して少なくとも二重に折り曲げ形成した固定片が、前記圧着部を形成された側の固定部の上方に設けられることによって、
前記圧着部を形成された側の端子取付け面が、前記圧着部より高くされることを特徴とするアース用端子金具により達成される。
【0010】
上記構成のアース用端子金具によれば、圧着部を形成された側の固定部の上方に設けられた固定片によって、圧着部を形成された側の端子取付け面が、該圧着部より高く構成されるので、該端子取付け面が被着面にボルト固定されても、前記圧着部が被着面に干渉することは無く、固定部の全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0011】
そこで、端子の表裏何れであっても被着面に端子取付け面を密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止されるとともに、表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。また、端子の表裏何れでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0012】
尚、好ましくは前記固定部と前記固定片との間には、これら固定部と固定片との間隙を維持して前記端子取付け面の高さを保持する為の間隙保持手段が設けられる。
この場合、ボルト固定された際に、固定片が固定部に接近する方向に変形して圧着部より低くなることがない。
これにより、前記圧着部を形成された側の端子取付け面の高さは、圧着部より常に高く保持され、ボルト締め後においても圧着部が被着面に干渉せずに、端子取付け面が被着面に密着して固定される。
【0013】
又、好ましくは前記間隙保持手段が、前記ボルト孔と同軸の貫通孔を有するスペーサや、前記固定片の縁部に垂設されて先端が前記固定部に当接する突き当て部から成る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係るアース用端子金具を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るアース用端子金具の分解斜視図、図2は図1に示したアース用端子金具の部分破断側面図である。
【0015】
本第1実施形態に係るアース用端子金具21は、図1に示したように、導電性金属板(例えば、銅板等)からなる基板23の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。
前記圧着部29は、電線Wの絶縁被覆31に外側から圧着するシース圧着部29aと、絶縁被覆31を除去した導体33のみに圧着する導体圧着部29bとからなる。
【0016】
前記固定部41は、中央部にボルト孔39を配置した略矩形状とされている。そこで、前記基板23の表面(図1中、上面)には圧着部29が突出し、基板23の裏面(図1中、下面)が平坦な端子取付け面41bとなる(図2、参照)。
更に、前記アース用端子金具21には、前記基板23の先端縁を延出して断面コ字状となるように二重に折り曲げ形成した固定片49が、前記圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられている。
【0017】
前記固定片49は、前記圧着部29を形成した側となる固定部41の表面側に、該固定部41に対して所定の間隙51を隔てて平行に対向しており、前記ボルト孔39と同軸のボルト孔47を穿設されている。この間隙51は、固定片49の端子取付け面49aが圧着部29より高くなるように適宜設定される。
更に、固定部41と固定片49との間には、前記間隙51を維持して前記固定片49の端子取付け面49aの高さを保持する為の間隙保持手段であるスペーサ55が挿入されている。
【0018】
前記スペーサ55は、前記ボルト孔39と同軸の貫通孔53を有する樹脂製部材である。前記固定部41及び前記固定片49のそれぞれの対向面には、複数の係止用小突起57が突設されており、この係止用小突起57がスペーサ55に凹設した係止孔59に嵌合することによって該スペーサ55の脱落を防止する。
【0019】
即ち、本実施形態のアース用端子金具21は、図2に示すように、前記固定片49の高さAが、電線Wを圧着した圧着部29の高さaと同等或いはそれより高くなっており(A≧a)、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aは、圧着部29と同等或いはそれより高くなっている。
そこで、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aが、車体パネル等の被着面にボルト固定されても、圧着部29が被着面に干渉することは無く、アース用端子金具21の端子取付け面49aの全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0020】
更に、上記アース用端子金具21によれば、固定部41と固定片49との間にスペーサ55が挟装されることで、片持ち梁構造となる固定片49がスペーサ55を介して固定部41に支持されるので、ボルト締め付け後においても、固定片49が固定部41に接近する方向に変形して圧着部29より低くなることがない。
これにより、前記固定片49は圧着部29より常に高く保持され、ボルト締め後においても圧着部29が被着面に干渉せずに、端子取付け面49aが被着面に密着して固定される。
【0021】
従って、前記アース用端子金具21の表裏何れの取付け面49a,41bであっても、被着面に各取付け面49a,41bを密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止される。
又、アース用端子金具21の表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。更に、前記アース用端子金具21の表裏何れの取付け面49a,41bでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0022】
図3は本発明の第2実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。なお、図1に示した第1実施形態に係るアース用端子金具21と略同一の構成部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
本第2実施形態に係るアース用端子金具61は、図3に示したように、導電性金属板(例えば、銅板等)からなる基板43の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。
【0023】
また、前記アース用端子金具61には、前記基板43の先端縁を延出して断面コ字状となるように二重に折り曲げ形成した固定片49が、前記圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられている。
前記固定片49は、前記圧着部29を形成した側となる固定部41のおもて面側に、該固定部41に対して所定の間隙51を隔てて平行に対向しており、前記ボルト孔39と同軸のボルト孔47を穿設されている。この間隙51は、固定片49の端子取付け面49aが圧着部29より高くなるように適宜設定される。
更に、前記固定片49の先端縁部には、前記間隙51を維持して前記固定片49の端子取付け面49aの高さを保持する為の間隙保持手段である突き当て部49bが垂直に折り曲げ形成されており、先端49cが前記固定部41に当接している。
【0024】
即ち、本実施形態のアース用端子金具61は、図3に示すように、前記固定片49の高さ(厚み)Aが、電線Wを圧着した圧着部29の高さ(厚み)aと同等或いはそれより高くなっており(A≧a)、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aは、圧着部29と同等或いはそれより高くなっている。
そこで、圧着部29を形成された側の端子取付け面49aが、車体パネル等の被着面にボルト固定されても、圧着部29が被着面に干渉することは無く、アース用端子金具61の端子取付け面49aの全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0025】
更に、上記アース用端子金具61によれば、固定片49の先端縁部に垂設された突き当て部49bの先端49cが前記固定部41に当接することで、片持ち梁構造となる固定片49の先端が突き当て部49bを介して固定部41に支持されるので、ボルト締め付け後においても、固定片49が固定部41に接近する方向に変形して圧着部29より低くなることがない。
【0026】
なお、前記固定片49の縁部に垂設される突き当て部は、先端側の一辺のみならず、三辺の全てから延出させて、固定部41へ向かって折り曲げ形成されるものであってもよい。このような構成とすれば、固定部41と固定片49とが箱状となり、間隙51を狭める方向の変形に対する強度を更に高めることができる。
【0027】
従って、本第2実施形態のアース用端子金具61によれば、上記第1実施形態のアース用端子金具21と同様に、前記アース用端子金具61の表裏何れの取付け面49a,41bであっても、被着面に各取付け面49a,41bを密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止される。
又、アース用端子金具61の表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。更に、前記アース用端子金具61の表裏何れの取付け面49a,41bでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0028】
図4は本発明の第3実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。
本第3実施形態に係るアース用端子金具71は、図4に示したように、導電性金属板(例えば、銅板等)からなる基板45の後端に電線Wを電気的に接続する圧着部29を有すると共に、先端にボルト孔39を穿設した固定部41を有する。
【0029】
また、前記アース用端子金具71には、前記基板45の先端縁を延出して三重に折り曲げ形成した固定片73が、前記圧着部29を形成された側の固定部41の上方に設けられている。
前記固定片73は、前記圧着部29を形成した側となる固定部41の表面側に、該固定部41に対して断面S字状に折り畳まれ、折り重なった状態となっており、ボルト孔39と同軸のボルト孔47も穿設されている。
【0030】
即ち、本実施形態のアース用端子金具71は、図4に示すように、前記固定h片73の高さAが、電線Wを圧着した圧着部29の高さaと同等或いはそれより高くなっており(A≧a)、圧着部29を形成された側の端子取付け面73aは、圧着部29と同等或いはそれより高くなっている。
そこで、圧着部29を形成された側の端子取付け面73aが、車体パネル等の被着面にボルト固定されても、圧着部29が被着面に干渉することは無く、アース用端子金具71の端子取付け面73aの全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0031】
なお、本実施形態では、固定片73が三重に折り重ねられた場合を例に説明するが、該固定片73は、基板45の厚みを考慮して折り畳み後の高さAが、圧着部29の高さaよりも高くなれば、二重或いは四重以上に折り重ねられるものであってもよい。
【0032】
従って、本第3実施形態のアース用端子金具71によれば、上記第1実施形態のアース用端子金具21と同様に、前記アース用端子金具71の表裏何れの取付け面73a,41bであっても、被着面に各取付け面73a,41bを密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止される。
又、アース用端子金具71の表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。更に、前記アース用端子金具71の表裏何れの取付け面73a,41bでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【0033】
尚、本発明のアース用端子金具における基板、圧着部、固定部、固定片及び間隙保持手段等の構成は、上記各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のアース用端子金具によれば、圧着部を形成された側の固定部の上方に設けられた固定片によって、圧着部を形成された側の端子取付け面が、該圧着部より高く構成されるので、該端子取付け面が被着面にボルト固定されても、前記圧着部が被着面に干渉することは無く、固定部の全面が被着面に密着して固定されることになる。
【0035】
そこで、端子の表裏何れであっても被着面に端子取付け面を密着させて固定することが可能となり、アース接続不良が防止されるとともに、表裏の判別が不要になって、取付け作業性の向上が図れる。また、端子の表裏何れでの取付けも可能となるので、人手によらないで固定を行う自動化も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るアース用端子金具の分解斜視図である。
【図2】図1に示したアース用端子金具の部分破断側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係るアース用端子金具の部分破断側面図である。
【図5】従来のアース用端子金具の斜視図である。
【図6】図5に示したアース用端子金具の車体パネルへの正規の取付け状態を表す側面図である。
【図7】図5に示したアース用端子金具の車体パネルへの誤った取付け状態を表す側面図である。
【符号の説明】
21 アース用端子金具
23 基板
29 圧着部
39 ボルト孔
41 固定部
49 固定片
49a 端子取付け面
51 間隙
55 スペーサ(間隙保持手段)
W 電線
Claims (4)
- 導電性金属板からなる基板の後端に電線を電気的に接続する圧着部を有すると共に、先端にボルト孔を穿設した固定部を有するアース用端子金具であって、
前記基板を延出して少なくとも二重に折り曲げ形成した固定片が、前記圧着部を形成された側の固定部の上方に設けられることによって、
前記圧着部を形成された側の端子取付け面が、前記圧着部より高くされることを特徴とするアース用端子金具。 - 前記固定部と前記固定片との間には、これら固定部と固定片との間隙を維持して前記端子取付け面の高さを保持する為の間隙保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアース用端子金具。
- 前記間隙保持手段が、前記ボルト孔と同軸の貫通孔を有するスペーサから成ることを特徴とする請求項2に記載のアース用端子金具。
- 前記間隙保持手段が、前記固定片の縁部に垂設されて先端が前記固定部に当接する突き当て部から成ることを特徴とする請求項2に記載のアース用端子金具。
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