JP2004145171A - 光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法 - Google Patents
光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法に関し、光導波路モジュールの製造コストを低減できる光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】光入力端と、光入力端から入射する光を射出する4つの光出力端とを備えた1×4分岐光導波路42と、入力光ファイバ12とを調芯する調芯装置であって、光入力端近傍に配置される入力光ファイバ12から光入力端に入射して光出力端から射出する光を集光する集光レンズ50と、光出力端の配置される幅より狭い幅を有し、集光される光を受光する受光面を備え、光の強度を検出する受光器20とを有するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】光入力端と、光入力端から入射する光を射出する4つの光出力端とを備えた1×4分岐光導波路42と、入力光ファイバ12とを調芯する調芯装置であって、光入力端近傍に配置される入力光ファイバ12から光入力端に入射して光出力端から射出する光を集光する集光レンズ50と、光出力端の配置される幅より狭い幅を有し、集光される光を受光する受光面を備え、光の強度を検出する受光器20とを有するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面基板上に形成されたクラッド層とコアとからなる平面光導波路(PLC;Planar Lightwave Circuit)部品(PLCチップ)を用いて各種の光導波路モジュールを作製しようとする研究開発や、その光導波路モジュールの製品化が盛んに進められている。
【0003】
光導波路部品を用いて光導波路モジュールを作製するには、光信号の入出力のために、光導波路の光入力端(入射端)に入力側の光ファイバ(以下、「入力光ファイバ」という)を接続し、光導波路の光出力端(出射端)に出力側の光ファイバ(以下、「出力光ファイバ」という)を接続する必要がある。光導波路の光入力端及び光出力端は、一辺7μm程度の正方形状である。光ファイバのコアの直径は9μmである。通常、光導波路の光出力端と入力光ファイバとを調芯接続する場合には、レーザ光等の光を調芯用光源から入力光ファイバに入射して、光導波路の光出力端から射出する光をモニタする。
【0004】
1つの光入力端と1本の入力光ファイバとを接続する際の1対1の調芯では、光導波路を固定した場合、光の進行方向であるZ軸、共にZ軸に直交して互いに直交するX軸及びY軸、X軸回りの回転軸であるθx軸、並びにY軸回りの回転軸であるθy軸の各軸に対して入力光ファイバを移動させる必要がある。複数の光入力端と複数本の入力光ファイバとを接続する際のN対Nの調芯では、X,Y,Z,θx,θyの各軸と、Z軸回りの回転軸であるθz軸とに対して入力光ファイバを移動させる必要がある。
【0005】
図8及び図9は、従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法の例を示している。まず、図8に示すように、1×4分岐光導波路142が形成された光導波路部品116を調芯装置の支持台上に載置する。次に、比較的受光径の大きい(直径50μm又は62.5μm)多重モード光ファイバ(MMF;Multi−Mode Fiber)122の光入力端と光導波路部品116の4つの光出力端のうちの1つとが対向するように、MMF122を配置する。MMF122の光出力端側は、光の強度を検出する受光器120に接続されている。次に、入力光ファイバ112の光出力端と、光導波路部品116の光入力端とがほぼ対向するように、入力光ファイバ112を備えた入力光ファイバ部品(入力光ファイバアレイ)114を大まかに位置決めする。
【0006】
次に、調芯用の光源110から入力光ファイバ112の光入力端に光を入射する。光導波路部品116の4つの光出力端のうち1つからの出力光は、MMF122を介して受光器120で受光される。受光器120で受光する光の強度をモニタしながら、入力光ファイバ部品114を光導波路部品116に対して相対的に移動させ、1×4分岐光導波路142と入力光ファイバ112との光学的な結合が最適になるように調芯する。ここでは1対1の調芯であるため、光導波路部品116に対する入力光ファイバ部品114の相対的な移動は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。その後、紫外線硬化樹脂を用いて、入力光ファイバ部品114と光導波路部品116とを接着して互いに固定する。
【0007】
次に、図9に示すように、出力光ファイバ126の光入力端と光導波路部品116の光出力端とがほぼ対向するように、4本の出力光ファイバ126を備えた出力光ファイバ部品(出力光ファイバアレイ)124を大まかに位置決めする。次に、調芯用の光源110から入力光ファイバ112の光入力端に光を入射する。次に、出力光ファイバ126の4つの光出力端のうち両端の2つのポートからの光出力を2つの受光器120でそれぞれモニタしながら、出力光ファイバ部品124を光導波路部品116に対して相対的に移動させ、1×4分岐光導波路142と各出力光ファイバ126との光学的な結合がそれぞれ最適になるように調芯する。ここでは、N対N(4対4)の調芯であるため、光導波路部品116に対する出力光ファイバ部品124の相対的な移動は、X,Y,Z,θx,θy,θzの各軸に対して行われる。その後、紫外線硬化樹脂を用いて、出力光ファイバ部品124と光導波路部品116とを接着して互いに固定する。これにより、光導波路部品116の1×4分岐光導波路142と、入出力光ファイバ112、126との調芯接続が完了する。
【0008】
以上の手順を経て、光導波路部品116と入力光ファイバ部品114と出力光ファイバ部品124とを備えた最も一般的な光導波路モジュールが製造される。
【0009】
ところが、従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法における入力光ファイバ112と1×4分岐光導波路142とを調芯する手順(図8参照)では、MMF122を正確に配置するのが困難であり、位置決めに長時間を要するという問題が生じていた。
【0010】
上記の問題を解決する調芯方法として、光導波路の形成パターンの幅以上の受光径を有する受光面を備えた受光器を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。図10は、上記の問題を解決する調芯方法を示している。図10に示すように、載置された光導波路部品116の光出力端側には、空間又はクラッド層を伝搬する光とコアを伝搬する光とを分離し、容易に光の強度のピークを検出できるように、スリット部118が配置されている。スリット部118には、光導波路部品116の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅と同程度の幅を有する開口部119が形成されている。スリット部118の開口部119は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。また、載置された光導波路部品116の光出力端からの光をスリット部118を介して受光する受光器121が配置されている。受光器121は、光導波路部品116の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅以上の受光径を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0011】
まず、入力光ファイバ112の光出力端と光導波路部品116の光入力端とがほぼ対向するように、入力光ファイバ112を備えた入力光ファイバ部品114と光導波路部品116とを大まかに位置合わせする。次に、入力光ファイバ112の光入力端に調芯用の光源110から光を入射する。光導波路部品116の4つの光出力端からの出力光は、スリット部118を介して1つの受光器121で受光される。受光器121で受光する光の強度をモニタしながら、入力光ファイバ部品114を光導波路部品116に対して相対的に移動させて調芯し、紫外線硬化樹脂を用いて接着して互いに固定する。この後、例えば図9に示した手順と同様に、出力光ファイバ部品124を光導波路部品116に対して相対的に位置合わせして調芯し、紫外線硬化樹脂を用いて接着固定する。
【0012】
上記の調芯方法によれば、光導波路部品116の光出力端側における光導波路の形成パターン幅以上の受光径を有する受光面を備えた受光器121により、光導波路部品116の4つの光出力端から出力される光を同時に受光できる。このため、MMF122を光導波路部品116の光出力端側に正確に位置決めする必要がなく、調芯工程が容易になる。
【0013】
このようにして作製された光導波路モジュールは、都市間を繋ぐ比較的長距離の光通信ネットワークや、通信業者の基地局から各ユーザ宅までを繋ぐ光アクセスネットワーク(例えばFTTH(Fiber To The Home))等に使用されている。近年の光通信市場の競争激化により、光導波路モジュールのコストダウンは重要事項となっている。この流れを受けて、小型化や集積化の行われやすい光導波路作製技術の利点を生かし、互いに光学的に独立した同一パターンの複数の光導波路が1つの光導波路部品内に形成された多芯光導波路モジュールが要求されている。
【0014】
図8は、互いに独立した複数の光導波路が形成された多芯光導波路部品を有する多芯光導波路モジュールの構成を示している。図8に示すように、光導波路モジュール140は、光導波路部品117と、光導波路部品117の光入力端側に配置された入力光ファイバ部品(多芯入力光ファイバ部品)115と、光導波路部品117の光出力端側に配置された出力光ファイバ部品(多芯出力光ファイバ部品)125とを有している。光導波路部品117は、互いに光学的に独立した4つの1×4分岐光導波路142を有している。4つの1×4分岐光導波路142は、互いに同一パターンで形成されている。
【0015】
入力光ファイバ部品115は、4本の入力光ファイバ112を有している。各入力光ファイバ112は、4つの1×4分岐光導波路142の光入力端に、光学的な結合がそれぞれ最適になるように調芯されて接続されている。出力光ファイバ部品125は、16本の出力光ファイバ126を有している。各出力光ファイバ126は、16個の1×4分岐光導波路142の光出力端に、光学的な結合がそれぞれ最適になるように調芯されて接続されている。
【0016】
図9は、上記のように互いに独立した複数の1×4分岐光導波路142が形成された光導波路モジュール140の調芯方法を示している。まず、図9に示すように、所定の調芯装置の支持台上に光導波路部品117を載置する。載置された光導波路部品117の光出力端側には、空間又はクラッド層を伝搬する光とコアを伝搬する光とを分離するために、スリット部118が配置されている。スリット部118には、光導波路部品117の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅と同程度の幅を有する開口部119が形成されている。スリット部118の開口部119は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。また、載置された光導波路部品117の光出力端からの光をスリット部118を介して受光する受光器121が配置されている。受光器121は、光導波路部品117の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅以上の受光径を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0017】
次に、他の支持台上に、入力光ファイバ部品115を載置する。入力光ファイバ部品115は、並列して配置された4本の入力光ファイバ112a〜112dを有している。4本の入力光ファイバ112a〜112dのうち一端の入力光ファイバ112aには、調芯用光ファイバ113aが接続されている。他端の入力光ファイバ112dには、調芯用光ファイバ113dが接続されている。入力光ファイバ112aの光出力端は調芯用の第1ポート146aとなり、入力光ファイバ112dの光出力端は調芯用の第2ポート146dとなる。第1ポート146a、第2ポート146dは、それぞれ1×4分岐光導波路142の光入力端近傍に大まかに位置合わせされる。各調芯用光ファイバ113a、113dの光入力端側は、光スイッチ148の出力側にそれぞれ接続されている。光スイッチ148の入力側は、調芯用の光源110に接続されている。光スイッチ148は、所定の操作により光路の切替えが可能になっている。光源110から射出した光は、光スイッチ148によって、調芯用光ファイバ113a、113dのうちいずれか一方に入射するようになっている。
【0018】
まず、光スイッチ148を制御して光路を調芯用光ファイバ113a側に切り替え、1×4分岐光導波路142の光出力端から射出される光の強度をモニタしながら入力光ファイバ112aを調芯する。これにより、第1ポート146aと1×4分岐光導波路142の光入力端とが位置合わせされる。次に、光スイッチ148を制御して光路を調芯用光ファイバ113d側に切り替え、1×4分岐光導波路142の光出力端から射出される光の強度をモニタしながら入力光ファイバ112dを調芯する。これにより、第2ポート146dと1×4分岐光導波路142の光入力端とが位置合わせされる。この手順を数回繰り返すことにより、X,Y,Z,θx,θy,θzの各軸の調芯が完了する。出力光ファイバ126(図9では図示せず)と1×4分岐光導波路142とは、同様に光スイッチにより光路を切り替えて多芯調芯が行われる。
【0019】
【特許文献1】
特許第3112155号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように互いに独立した複数の光導波路が形成された多芯光導波路部品と光ファイバとの調芯接続を行う場合には、調芯用の光源110からの光路を光スイッチ148を用いて切り替える必要がある。このため、光スイッチ148のような高価な光学部品が必要になるとともに、調芯工程のアルゴリズムが複雑になる。したがって、光導波路モジュールの製造コストが増加してしまうという問題が生じている。
【0021】
また、上記の調芯接続では、光導波路部品117に形成された複数の1×4分岐光導波路142の出力端側の形成パターン幅よりも受光径の大きな受光器121が必要となる。一般に受光器121は、受光面積が大きくなるとともに高価になる。したがって、受光径の大きな受光器121を備えた調芯装置は高価になり、これに伴い、光導波路モジュールの製造コストが増加してしまうという問題が生じている。また今後、光導波路部品等の加工技術の精度向上等によって、光導波路パターンのさらなる集積化が予測される。このため、受光径がさらに大きく、さらに高価な受光器121が必要になってしまう。
【0022】
本発明の目的は、光導波路モジュールの製造コストを低減できる光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、光入力端と光出力端とを備えた光導波路と、前記光入力端側の光ファイバとを調芯する調芯装置であって、前記光ファイバから前記光入力端に入射して前記複数の光出力端から射出した射出光を集光する集光部と、集光された前記射出光を受光して前記射出光の強度を検出する受光部とを有することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置によって達成される。
【0024】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記光出力端と前記集光部との間に配置されて前記射出光を通過させるスリット部をさらに有することを特徴とする。
【0025】
また、上記目的は、光入力端と光出力端とを備えた光導波路が複数配置された多芯光導波路と、前記光入力端にそれぞれ光を入射する複数の光ファイバが配置された多芯光ファイバとを調芯する調芯装置であって、所定の前記光ファイバから所定の前記光入力端に入射して所定の前記光出力端から射出した所定の射出光を受光して前記所定の射出光の強度を検出する受光部と、一の前記光出力端から他の前記光出力端へ前記受光部を移動させる移動ステージとを有することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置によって達成される。
【0026】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記光出力端と前記受光部との間に配置されて前記射出光を通過させる前記スリット部をさらに有することを特徴とする。
【0027】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記スリット部は、前記移動ステージにより前記受光部と共に移動することを特徴とする。
【0028】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記移動ステージにより前記受光部と共に移動し、前記光ファイバから前記光入力端に入射して前記複数の光出力端から射出した射出光を集光する集光部をさらに有していることを特徴とする。
【0029】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記スリット部は、複数の前記光出力端からの前記射出光を通過させる複数の開口部を備えていることを特徴とする。
【0030】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記光入力端側に配置されて入射された光を分岐して射出する光分岐素子をさらに有することを特徴とする。
【0031】
さらに、上記目的は、互いに独立した複数の光導波路からなる多芯光導波路の複数の光入力端に複数の光ファイバを介して同時に光を入射し、1つの前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記1つの光導波路と1本の前記光ファイバとを調芯した後に、他の前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記他の光導波路と他の前記光ファイバとを調芯することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯方法によって達成される。
【0032】
また、光導波路と光ファイバとを調芯して接続する光導波路モジュールの製造方法であって、互いに独立した複数の光導波路からなる多芯光導波路の複数の光入力端に複数の光ファイバを介して同時に光を入射する工程と、1つの前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記1つの光導波路と1本の前記光ファイバとを調芯した後に、他の前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記他の光導波路と他の前記光ファイバとを調芯する工程とを含むことを特徴とする光導波路モジュールの製造方法によって達成される。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を模式的に示している。図1に示すように、調芯装置1は、調芯用の光源10を有している。
【0034】
調芯装置1の支持台(図示せず)には入力光ファイバ部品14が載置され、調芯装置1の他の支持台(図示せず)には光導波路部品16が載置される。両支持台は相対的に6軸(X,Y,Z,θx,θy,θz)方向に移動可能であり、載置された入力光ファイバ部品14と光導波路部品16との位置合わせができるようになっている。入力光ファイバ部品14は、例えば直径125μmの入力光ファイバ12を1本有している。入力光ファイバ12は、入力光ファイバ部品14を構成する下板側に形成されたV字溝と平板状の上板(カバーガラス)とによって固定されている。入力光ファイバ12の光入射端側は、光源10に接続される。光導波路部品16は、基板上に形成されたクラッド層と、クラッド層内に埋め込まれ、クラッド層の屈折率より大きい屈折率を有するコアとを有している。光導波路部品16には、例えば1×4分岐光導波路42が1つ形成されている。1×4分岐光導波路42は、一端面側に配置された1つの光入力端と、他端面側に配置された4つの光出力端とを有している。1×4分岐光導波路42の4つの光出力端は、所定幅の範囲に配置されている。
【0035】
また、調芯装置1は、載置された光導波路部品16の光出力端側にスリット部18を有している。スリット部18には、長方形状の開口部19が形成されている。開口部19の長辺方向の長さは1×4分岐光導波路42の光出力端の配置される範囲の幅とほぼ同程度であり、短辺方向の長さは例えば250μm程度である。スリット部18の開口部19は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。スリット部18では、1×4分岐光導波路42を伝搬して光出力端から射出する結合光と、1×4分岐光導波路42以外のクラッド層等を伝搬する散乱的な非結合光とを分離できるようになっている。
【0036】
また、調芯装置1は、載置された光導波路部品16の光出力端側から射出する光を集光する集光部である集光レンズ50と、集光された光を受光する受光部である受光器20とを有している。集光レンズ50は、開口部19の長辺方向の長さと同程度以上の幅を有している。受光器20は、1×4分岐光導波路42の光出力端の配置される範囲の幅より狭い幅(受光径)を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0037】
次に、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について説明する。まず、入力光ファイバ部品14と光導波路部品16とを調芯装置1の支持台にそれぞれ載置し、入力光ファイバ12の光入力端側を光源10に接続する。次に、入力光ファイバ12の光出力端と1×4分岐光導波路42の光入力端とが対向するように、入力光ファイバ部品14と光導波路部品16とを大まかに位置合わせする。
【0038】
次に、光源10から入力光ファイバ12に光を入射する。受光器20では、入力光ファイバ12の光出力端から1×4分岐光導波路42の光入力端に入射して1×4分岐光導波路42の4つの光出力端から射出する光を集光レンズ50を介して受光する。入力光ファイバ部品14と光導波路部品16との相対的な位置を微調整しながら、受光器20により光の強度ピークを検出し、入力光ファイバ12と1×4分岐光導波路42との光学的な結合が最適になるように調芯する。ここでは1対1の調芯であるため、光導波路部品16に対する入力光ファイバ部品14の相対的な移動は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。その後、紫外線硬化樹脂等を用いて、入力光ファイバ部品14と光導波路部品16とを接着して互いに固定する。
【0039】
次に、スリット部18、集光レンズ50及び受光器20を出力側の調芯の際に邪魔にならない位置に移動させた後、4本の出力光ファイバを備えた出力光ファイバ部品(図示せず)と光導波路部品16との間の調芯接続を従来と同様の方法を用いて行う。以上の手順を経て、光導波路モジュールが作製される。
【0040】
本実施の形態では、集光レンズ50により集光された光を受光器20の受光面で受光するため、比較的受光径の小さい受光器20を用いることができる。一般に受光器20は、受光面積が小さくなるとともに安価になる。したがって、受光径の小さな受光器20を備えた調芯装置1は比較的安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について図2乃至図4を用いて説明する。図2は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を模式的に示している。図2に示すように、調芯装置1は、調芯用の光源10を有している。
【0042】
調芯装置1の支持台(図示せず)には入力光ファイバ部品15が載置され、調芯装置1の他の支持台(図示せず)には光導波路部品17が載置される。両支持台は相対的に移動可能であり、載置された入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との位置合わせができるようになっている。入力光ファイバ部品15は、並列して配置された例えば直径125μmの入力光ファイバ12a〜12dを4本有している。入力光ファイバ12a〜12dは、入力光ファイバ部品15を構成する下板側に形成されたV字溝と平板状の上板とによってそれぞれ固定されている。V字溝は、一定の間隔(例えば127μmピッチ又は250μmピッチ)で形成されている。4本の入力光ファイバ12a〜12dのうち一端の入力光ファイバ12aには、調芯用光ファイバ13aが接続されている。他端の入力光ファイバ12dには、調芯用光ファイバ13dが接続されている。入力光ファイバ12aの光出力端は調芯用の第1ポート46aとなり、入力光ファイバ12dの光出力端は調芯用の第2ポート46dとなる。
【0043】
光導波路部品17は、互いに光学的に独立した4つの1×4分岐光導波路42a〜42dを有している。1×4分岐光導波路42a〜42dは、互いに同一パターンで形成されている。1×4分岐光導波路42a〜42dの計16個の光出力端は、所定幅の範囲に配列している。
【0044】
調芯装置1は、載置された光導波路部品17の光出力端側にスリット部18を有している。スリット部18には、長方形状の開口部19が形成されている。開口部19の長辺方向の長さは、1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅とほぼ同程度であり、短辺方向の長さは例えば250μm程度である。スリット部18の開口部19は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。スリット部18では、1×4分岐光導波路42a〜42dを伝搬して光出力端から射出する結合光と、1×4分岐光導波路42以外のクラッド層等を伝搬する散乱的な非結合光とを分離できるようになっている。
【0045】
また、調芯装置1は、載置された光導波路部品17の光出力端側から射出する光を受光する受光部である受光器21を有している。受光器21は、1×4分岐光導波路42a〜42dの計16個の光出力端の配置される範囲の幅よりも狭く、独立した1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅以上の幅を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0046】
スリット部18と受光器21は、1軸又は2軸以上の方向に移動可能な移動ステージ56によって、1×4分岐光導波路42の光出力端の配列する方向(図2の矢印方向)に移動可能になっている。
【0047】
さらに、光源10と載置された入力光ファイバ部品15との間には、1×2分岐の光分岐素子54が設けられている。光分岐素子54の光入力端は、調芯用光ファイバ52を介して光源10に接続されている。光分岐素子54の2つの光出力端は、調芯用光ファイバ13a、13dを介して、入力光ファイバ12a、12dにそれぞれ接続されている。光分岐素子54は、極めて安価であるファイバ溶融延伸型が用いられているが、スプリッタを用いてもよい。
【0048】
本実施の形態では、光導波路部品17の16個の光出力端の配置される幅よりも狭い幅の受光面を有する比較的受光径の小さい受光器21を用いることができる。一般に受光器21は、受光面積が小さくなるとともに安価になる。したがって、受光径の小さな受光器21を備えた調芯装置1は比較的安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。今後、光導波路部品等の加工技術の精度向上により、光導波路パターンのさらなる集積化が予測される。このため、光導波路モジュールの製造コストの低減の効果がより一層顕著になる。
【0049】
次に、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について説明する。まず、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17とを調芯装置1の支持台にそれぞれ載置する。次に、第1ポート46aと1×4分岐光導波路42aの光入力端、及び第2ポート46dと1×4分岐光導波路42dの光入力端がそれぞれ対向するように、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17とを大まかに位置合わせする。
【0050】
次に、光源10から光分岐素子54を介して入力光ファイバ12a、12dに光を入射する。これにより、第1ポート46a、第2ポート46dに光が入力される。第1ポート46a、第2ポート46dには、以下の調芯動作中は常時光が入力されている。受光器21及びスリット部18は、移動ステージ56により例えば事前に座標が設定されている1×4分岐光導波路42d側に移動させておく。このとき受光器21では、第2ポート46dから1×4分岐光導波路42dの光入力端に入射して1×4分岐光導波路42dの4つの光出力端から射出する光を受光する。入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との相対的な位置を微調整しながら、受光器21により光の強度ピークを検出し、入力光ファイバ12dと1×4分岐光導波路42dとの光学的な結合が最適になるように調芯する。この調芯は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。調芯された後の入力光ファイバ部品15の光導波路部品17に対する第1の座標は、不図示の記憶部に格納される。
【0051】
次に、移動ステージ56を用いて、受光器21及びスリット部18を1×4分岐光導波路42a側に移動させる。これにより受光器21は、第1ポート46aから1×4分岐光導波路42aの光入力端に入射して1×4分岐光導波路42aの4つの光出力端から射出する光を受光する。入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との相対的な位置を微調整しながら、受光器21により光の強度ピークを検出し、入力光ファイバ12aと1×4分岐光導波路42aとの光学的な結合が最適になるように調芯する。この調芯は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。調芯された後の入力光ファイバ部品15の光導波路部品17に対する第2の座標は、不図示の記憶部に格納される。
【0052】
次に、記憶部に格納された第1及び第2の座標に基づいて、不図示の制御部はθz方向の回転角度ずれの角度Δθzを算出する。次に、入力光ファイバ部品15を光導波路部品17に対して相対的に角度Δθzだけ回転させて回転角度ずれを補正する。以上の調芯手順を数回繰り返し、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との調芯が終了する。その後、紫外線硬化樹脂等を用いて、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17とを接着して互いに固定する。
【0053】
次に、移動ステージ56を用いて、スリット部18及び受光器21を出力側の調芯の際に邪魔にならない位置に移動させる。次に、16本の出力光ファイバを備えた出力光ファイバ部品(図示せず)と光導波路部品17との間の調芯接続を従来と同様の方法を用いて行う。以上の手順を経て、光導波路モジュールが作製される。
【0054】
本実施の形態によれば、多芯光導波路と多芯光ファイバとを調芯する場合に、調芯用の光源10からの光路を切り替える必要がない。このため、光スイッチ等の高価な光学部品が不要になり、調芯装置1の構成が簡略化するとともに調芯装置1が安価になる。さらに、調芯工程のアルゴリズムが簡略化する。したがって、光導波路モジュールの製造コストが低減する。
【0055】
図3は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第1の変形例を示している。図3に示すように、調芯装置1は、載置された光導波路部品17の光出力端側から射出する光を集光する集光部である集光レンズ50と、集光された光を受光する受光部である受光器20とを有している。受光器20は、独立した1つの1×4分岐光導波路42の光出力端の配置される範囲の幅より狭い幅を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0056】
集光レンズ50及び受光器20は、移動ステージ56によって、1×4分岐光導波路42a〜42dの光出力端の配列する方向(図3の矢印方向)にスリット部18と共に移動可能になっている。
【0057】
本変形例によれば、集光レンズ50により集光された光を受光器20の受光面で受光するため、図2に示す受光器21よりも受光径の小さい受光器20を用いることができる。したがって、受光器20を備えた調芯装置1はさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0058】
図4は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第2の変形例を示している。図4に示すように、調芯装置1は、長方形状の2つの開口部19a、19dを備えたスリット部(分割型スリット部)18を有している。開口部19aは、1×4分岐光導波路42aの4つの光出力端に対向する位置に配置されている。また開口部19dは、1×4分岐光導波路42dの4つの光出力端に対向する位置に配置されている。開口部19a、19dの長辺方向の長さは、独立した1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅とほぼ同程度である。また、スリット部18は、例えば光導波路部品17が載置される支持台に固定されている。
【0059】
受光器21は、1×4分岐光導波路42a〜42dの計16個の光出力端の配置される範囲の幅よりも狭く、独立した1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅以上の幅を有する受光面(図示せず)を備えている。受光器21は、移動ステージ56によって、1×4分岐光導波路42a〜42dの光出力端の配列する方向(図4の矢印方向)に移動可能になっている。
【0060】
調芯装置1は、移動ステージ56を有さずに、開口部19dに対向する位置に配置される受光器21に加えて、開口部19aに対向する位置に配置される2つ目の受光器21’をさらに有する構成にしてもよい。さらに、受光器21(又は受光器21’)とスリット部18との間に、集光レンズ50を有していてもよい。
【0061】
本変形例によれば、スリット部18が支持台に固定されているために、移動ステージ56は高い移動精度を必要としない。したがって、調芯装置1がさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0062】
図5は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第3の変形例を示している。本変形例は、光の分岐が生じない光導波路を有する光導波路部品57に本調芯装置を用いた点に特徴を有する。なお、図2に示した本実施の形態の調芯装置1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみ説明する。また、光導波路部品57を用いた光導波路モジュールの製造工程は、図2の本実施の形態と同様なため、ここでの説明は省略する。
【0063】
光導波路部品57は、例えば互いに光学的に独立した4つの1×1光導波路58a〜58dが形成されている。1×1光導波路58a〜58dは、互いに同一パターンで形成されている。1×1光導波路58a〜58dの計4個の光出力端は、所定幅の範囲に配列している。
【0064】
スリット部18に備えられた開口部19の長辺方向の長さは、光導波路58の光出力端の幅とほぼ同程度である。スリット部18を通過した光は、ごく狭い範囲に限られるため、図3に示した受光器20よりも受光径の小さい受光器59を用いることができる。したがって、受光器59を備えた調芯装置1はさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0065】
さらに、スリット部18は、図4に示した長方形状の2つの開口部19a、19dを備えた分割型スリット部でもよく、その場合には、移動ステージ56は高い移動精度を必要としない。したがって、調芯装置1がさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0066】
図6は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第4の変形例を示している。本変形例は、2×4分岐光導波路を有する光導波路部品60と、8本の光ファイバを有する入力光ファイバ部品62を備えることを除いては、図2に示した本実施の形態と同様の構成である。なお、図2に示した本実施の形態の調芯装置1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0067】
入力光ファイバ部品62は、並列して配置された入力光ファイバ12a〜12hを8本有している。8本の入力光ファイバ12a〜12hのうち一端の入力光ファイバ12aには、調芯用光ファイバ13aが接続されている。他端の入力光ファイバ12hには、調芯用光ファイバ13dが接続されている。入力光ファイバ12aの光出力端は調芯用の第1ポート46aとなり、入力光ファイバ12hの光出力端は調芯用の第2ポート46hとなる。
【0068】
光導波路部品60は、例えば互いに光学的に独立した4つの2×4分岐光導波路61a〜61dを有している。2×4分岐光導波路61a〜61dは、互いに同一パターンで形成されている。2×4分岐光導波路61a〜61dの計16個の光出力端は、所定幅の範囲に配列している。
【0069】
本変形例による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法において、第1ポート46aは、2×4分岐光導波路61aの2本の光入力端のうち光入力端61a1と対向するように大まかに位置合わせされる。一方、第2ポート46hは2×4分岐光導波路61dの2本の光入力端のうち光入力端61d2と対向するように大まかに位置合わせされる。光源10より射出された光は、光分岐素子54で分岐され、分岐された一方の光は、調芯用光ファイバ13aと入力光ファイバ12aを介して光入力端61a1に入射され、2×4分岐光導波路61aの光出力端から射出される。また、分岐された他方の光は、調芯用光ファイバ13dと入力光ファイバ12hを介して光入力端61d2に入射され、2×4分岐光導波路61dの光出力端から射出される。2×4分岐光導波路61aと2×4分岐光導波路61dの各々の光出力端から射出された光を基に、図2の実施形態と同様の方法により、光導波路モジュールを製造することができる。
【0070】
本変形例において、光分岐素子とスリット部と集光レンズと受光器及び移動ステージは、図2乃至図4において説明したものと同様のものを使用することができ、2×4分岐光導波路のように複数の光入力端を有する光導波路においても、調芯装置1が安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。
【0071】
図7は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第5の変形例を示している。本変形例は、自己発光素子の光を用いて調芯する点に特徴を有している。本変形例の調芯装置1は、光源と調芯用光ファイバと光分岐素子と入力光ファイバ(光源部)の代わりに、LED(Light Emitting Diode)等の自己発光素子63を設けたことを除いては、図2の構成と同様である。
【0072】
本変形例による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法において、自己発光素子63が発光して射出した光は、入力光ファイバ部品15に配設された入力光ファイバ12a及び入力光ファイバ12dの各々を介し、1×4分岐光導波路42a及び1×4分岐光導波路42dに入射される。1×4分岐光導波路42a及び1×4分岐光導波路42dの光出力端から射出された光を基に、図2の実施形態と同様の方法により、光導波路モジュールを製造することができる。また、本変形例における自己発光素子63は、図3乃至図6において説明した光源部の代替として使用することができる。
【0073】
光源部に自己発光素子63を使用した本変形例の調芯装置は、調芯装置を小型化することが可能である。また、光源部の低価格化を図ることができ、調芯装置1が安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、光導波路モジュールの製造コストを低減できる光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第1の変形例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第2の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第3の変形例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第4の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第5の変形例を示す図である。
【図8】従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【図9】従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【図10】従来の他の光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【図11】従来の多芯光導波路モジュールの構成を示す図である。
【図12】従来の多芯導波路モジュールの光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【符号の説明】
1 調芯装置
10 光源
12、12a〜12h 入力光ファイバ
13a、13d、52 調芯用光ファイバ
14、15、62 入力光ファイバ部品
16 17、57、60 光導波路部品
18 スリット部
19、19a、19d 開口部
20、21、59 受光器
42、42a〜42d 1×4分岐光導波路
46a 第1ポート
46d、46h 第2ポート
50 集光レンズ
54 光分岐素子
56 移動ステージ
58a〜58d 1×1光導波路
61a〜61d 2×4分岐光導波路
61a1、61d2 光入力端
63 自己発光素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面基板上に形成されたクラッド層とコアとからなる平面光導波路(PLC;Planar Lightwave Circuit)部品(PLCチップ)を用いて各種の光導波路モジュールを作製しようとする研究開発や、その光導波路モジュールの製品化が盛んに進められている。
【0003】
光導波路部品を用いて光導波路モジュールを作製するには、光信号の入出力のために、光導波路の光入力端(入射端)に入力側の光ファイバ(以下、「入力光ファイバ」という)を接続し、光導波路の光出力端(出射端)に出力側の光ファイバ(以下、「出力光ファイバ」という)を接続する必要がある。光導波路の光入力端及び光出力端は、一辺7μm程度の正方形状である。光ファイバのコアの直径は9μmである。通常、光導波路の光出力端と入力光ファイバとを調芯接続する場合には、レーザ光等の光を調芯用光源から入力光ファイバに入射して、光導波路の光出力端から射出する光をモニタする。
【0004】
1つの光入力端と1本の入力光ファイバとを接続する際の1対1の調芯では、光導波路を固定した場合、光の進行方向であるZ軸、共にZ軸に直交して互いに直交するX軸及びY軸、X軸回りの回転軸であるθx軸、並びにY軸回りの回転軸であるθy軸の各軸に対して入力光ファイバを移動させる必要がある。複数の光入力端と複数本の入力光ファイバとを接続する際のN対Nの調芯では、X,Y,Z,θx,θyの各軸と、Z軸回りの回転軸であるθz軸とに対して入力光ファイバを移動させる必要がある。
【0005】
図8及び図9は、従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法の例を示している。まず、図8に示すように、1×4分岐光導波路142が形成された光導波路部品116を調芯装置の支持台上に載置する。次に、比較的受光径の大きい(直径50μm又は62.5μm)多重モード光ファイバ(MMF;Multi−Mode Fiber)122の光入力端と光導波路部品116の4つの光出力端のうちの1つとが対向するように、MMF122を配置する。MMF122の光出力端側は、光の強度を検出する受光器120に接続されている。次に、入力光ファイバ112の光出力端と、光導波路部品116の光入力端とがほぼ対向するように、入力光ファイバ112を備えた入力光ファイバ部品(入力光ファイバアレイ)114を大まかに位置決めする。
【0006】
次に、調芯用の光源110から入力光ファイバ112の光入力端に光を入射する。光導波路部品116の4つの光出力端のうち1つからの出力光は、MMF122を介して受光器120で受光される。受光器120で受光する光の強度をモニタしながら、入力光ファイバ部品114を光導波路部品116に対して相対的に移動させ、1×4分岐光導波路142と入力光ファイバ112との光学的な結合が最適になるように調芯する。ここでは1対1の調芯であるため、光導波路部品116に対する入力光ファイバ部品114の相対的な移動は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。その後、紫外線硬化樹脂を用いて、入力光ファイバ部品114と光導波路部品116とを接着して互いに固定する。
【0007】
次に、図9に示すように、出力光ファイバ126の光入力端と光導波路部品116の光出力端とがほぼ対向するように、4本の出力光ファイバ126を備えた出力光ファイバ部品(出力光ファイバアレイ)124を大まかに位置決めする。次に、調芯用の光源110から入力光ファイバ112の光入力端に光を入射する。次に、出力光ファイバ126の4つの光出力端のうち両端の2つのポートからの光出力を2つの受光器120でそれぞれモニタしながら、出力光ファイバ部品124を光導波路部品116に対して相対的に移動させ、1×4分岐光導波路142と各出力光ファイバ126との光学的な結合がそれぞれ最適になるように調芯する。ここでは、N対N(4対4)の調芯であるため、光導波路部品116に対する出力光ファイバ部品124の相対的な移動は、X,Y,Z,θx,θy,θzの各軸に対して行われる。その後、紫外線硬化樹脂を用いて、出力光ファイバ部品124と光導波路部品116とを接着して互いに固定する。これにより、光導波路部品116の1×4分岐光導波路142と、入出力光ファイバ112、126との調芯接続が完了する。
【0008】
以上の手順を経て、光導波路部品116と入力光ファイバ部品114と出力光ファイバ部品124とを備えた最も一般的な光導波路モジュールが製造される。
【0009】
ところが、従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法における入力光ファイバ112と1×4分岐光導波路142とを調芯する手順(図8参照)では、MMF122を正確に配置するのが困難であり、位置決めに長時間を要するという問題が生じていた。
【0010】
上記の問題を解決する調芯方法として、光導波路の形成パターンの幅以上の受光径を有する受光面を備えた受光器を用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。図10は、上記の問題を解決する調芯方法を示している。図10に示すように、載置された光導波路部品116の光出力端側には、空間又はクラッド層を伝搬する光とコアを伝搬する光とを分離し、容易に光の強度のピークを検出できるように、スリット部118が配置されている。スリット部118には、光導波路部品116の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅と同程度の幅を有する開口部119が形成されている。スリット部118の開口部119は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。また、載置された光導波路部品116の光出力端からの光をスリット部118を介して受光する受光器121が配置されている。受光器121は、光導波路部品116の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅以上の受光径を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0011】
まず、入力光ファイバ112の光出力端と光導波路部品116の光入力端とがほぼ対向するように、入力光ファイバ112を備えた入力光ファイバ部品114と光導波路部品116とを大まかに位置合わせする。次に、入力光ファイバ112の光入力端に調芯用の光源110から光を入射する。光導波路部品116の4つの光出力端からの出力光は、スリット部118を介して1つの受光器121で受光される。受光器121で受光する光の強度をモニタしながら、入力光ファイバ部品114を光導波路部品116に対して相対的に移動させて調芯し、紫外線硬化樹脂を用いて接着して互いに固定する。この後、例えば図9に示した手順と同様に、出力光ファイバ部品124を光導波路部品116に対して相対的に位置合わせして調芯し、紫外線硬化樹脂を用いて接着固定する。
【0012】
上記の調芯方法によれば、光導波路部品116の光出力端側における光導波路の形成パターン幅以上の受光径を有する受光面を備えた受光器121により、光導波路部品116の4つの光出力端から出力される光を同時に受光できる。このため、MMF122を光導波路部品116の光出力端側に正確に位置決めする必要がなく、調芯工程が容易になる。
【0013】
このようにして作製された光導波路モジュールは、都市間を繋ぐ比較的長距離の光通信ネットワークや、通信業者の基地局から各ユーザ宅までを繋ぐ光アクセスネットワーク(例えばFTTH(Fiber To The Home))等に使用されている。近年の光通信市場の競争激化により、光導波路モジュールのコストダウンは重要事項となっている。この流れを受けて、小型化や集積化の行われやすい光導波路作製技術の利点を生かし、互いに光学的に独立した同一パターンの複数の光導波路が1つの光導波路部品内に形成された多芯光導波路モジュールが要求されている。
【0014】
図8は、互いに独立した複数の光導波路が形成された多芯光導波路部品を有する多芯光導波路モジュールの構成を示している。図8に示すように、光導波路モジュール140は、光導波路部品117と、光導波路部品117の光入力端側に配置された入力光ファイバ部品(多芯入力光ファイバ部品)115と、光導波路部品117の光出力端側に配置された出力光ファイバ部品(多芯出力光ファイバ部品)125とを有している。光導波路部品117は、互いに光学的に独立した4つの1×4分岐光導波路142を有している。4つの1×4分岐光導波路142は、互いに同一パターンで形成されている。
【0015】
入力光ファイバ部品115は、4本の入力光ファイバ112を有している。各入力光ファイバ112は、4つの1×4分岐光導波路142の光入力端に、光学的な結合がそれぞれ最適になるように調芯されて接続されている。出力光ファイバ部品125は、16本の出力光ファイバ126を有している。各出力光ファイバ126は、16個の1×4分岐光導波路142の光出力端に、光学的な結合がそれぞれ最適になるように調芯されて接続されている。
【0016】
図9は、上記のように互いに独立した複数の1×4分岐光導波路142が形成された光導波路モジュール140の調芯方法を示している。まず、図9に示すように、所定の調芯装置の支持台上に光導波路部品117を載置する。載置された光導波路部品117の光出力端側には、空間又はクラッド層を伝搬する光とコアを伝搬する光とを分離するために、スリット部118が配置されている。スリット部118には、光導波路部品117の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅と同程度の幅を有する開口部119が形成されている。スリット部118の開口部119は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。また、載置された光導波路部品117の光出力端からの光をスリット部118を介して受光する受光器121が配置されている。受光器121は、光導波路部品117の光出力端側における1×4分岐光導波路142の形成パターン幅以上の受光径を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0017】
次に、他の支持台上に、入力光ファイバ部品115を載置する。入力光ファイバ部品115は、並列して配置された4本の入力光ファイバ112a〜112dを有している。4本の入力光ファイバ112a〜112dのうち一端の入力光ファイバ112aには、調芯用光ファイバ113aが接続されている。他端の入力光ファイバ112dには、調芯用光ファイバ113dが接続されている。入力光ファイバ112aの光出力端は調芯用の第1ポート146aとなり、入力光ファイバ112dの光出力端は調芯用の第2ポート146dとなる。第1ポート146a、第2ポート146dは、それぞれ1×4分岐光導波路142の光入力端近傍に大まかに位置合わせされる。各調芯用光ファイバ113a、113dの光入力端側は、光スイッチ148の出力側にそれぞれ接続されている。光スイッチ148の入力側は、調芯用の光源110に接続されている。光スイッチ148は、所定の操作により光路の切替えが可能になっている。光源110から射出した光は、光スイッチ148によって、調芯用光ファイバ113a、113dのうちいずれか一方に入射するようになっている。
【0018】
まず、光スイッチ148を制御して光路を調芯用光ファイバ113a側に切り替え、1×4分岐光導波路142の光出力端から射出される光の強度をモニタしながら入力光ファイバ112aを調芯する。これにより、第1ポート146aと1×4分岐光導波路142の光入力端とが位置合わせされる。次に、光スイッチ148を制御して光路を調芯用光ファイバ113d側に切り替え、1×4分岐光導波路142の光出力端から射出される光の強度をモニタしながら入力光ファイバ112dを調芯する。これにより、第2ポート146dと1×4分岐光導波路142の光入力端とが位置合わせされる。この手順を数回繰り返すことにより、X,Y,Z,θx,θy,θzの各軸の調芯が完了する。出力光ファイバ126(図9では図示せず)と1×4分岐光導波路142とは、同様に光スイッチにより光路を切り替えて多芯調芯が行われる。
【0019】
【特許文献1】
特許第3112155号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように互いに独立した複数の光導波路が形成された多芯光導波路部品と光ファイバとの調芯接続を行う場合には、調芯用の光源110からの光路を光スイッチ148を用いて切り替える必要がある。このため、光スイッチ148のような高価な光学部品が必要になるとともに、調芯工程のアルゴリズムが複雑になる。したがって、光導波路モジュールの製造コストが増加してしまうという問題が生じている。
【0021】
また、上記の調芯接続では、光導波路部品117に形成された複数の1×4分岐光導波路142の出力端側の形成パターン幅よりも受光径の大きな受光器121が必要となる。一般に受光器121は、受光面積が大きくなるとともに高価になる。したがって、受光径の大きな受光器121を備えた調芯装置は高価になり、これに伴い、光導波路モジュールの製造コストが増加してしまうという問題が生じている。また今後、光導波路部品等の加工技術の精度向上等によって、光導波路パターンのさらなる集積化が予測される。このため、受光径がさらに大きく、さらに高価な受光器121が必要になってしまう。
【0022】
本発明の目的は、光導波路モジュールの製造コストを低減できる光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、光入力端と光出力端とを備えた光導波路と、前記光入力端側の光ファイバとを調芯する調芯装置であって、前記光ファイバから前記光入力端に入射して前記複数の光出力端から射出した射出光を集光する集光部と、集光された前記射出光を受光して前記射出光の強度を検出する受光部とを有することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置によって達成される。
【0024】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記光出力端と前記集光部との間に配置されて前記射出光を通過させるスリット部をさらに有することを特徴とする。
【0025】
また、上記目的は、光入力端と光出力端とを備えた光導波路が複数配置された多芯光導波路と、前記光入力端にそれぞれ光を入射する複数の光ファイバが配置された多芯光ファイバとを調芯する調芯装置であって、所定の前記光ファイバから所定の前記光入力端に入射して所定の前記光出力端から射出した所定の射出光を受光して前記所定の射出光の強度を検出する受光部と、一の前記光出力端から他の前記光出力端へ前記受光部を移動させる移動ステージとを有することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置によって達成される。
【0026】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記光出力端と前記受光部との間に配置されて前記射出光を通過させる前記スリット部をさらに有することを特徴とする。
【0027】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記スリット部は、前記移動ステージにより前記受光部と共に移動することを特徴とする。
【0028】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記移動ステージにより前記受光部と共に移動し、前記光ファイバから前記光入力端に入射して前記複数の光出力端から射出した射出光を集光する集光部をさらに有していることを特徴とする。
【0029】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記スリット部は、複数の前記光出力端からの前記射出光を通過させる複数の開口部を備えていることを特徴とする。
【0030】
上記本発明の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、前記光入力端側に配置されて入射された光を分岐して射出する光分岐素子をさらに有することを特徴とする。
【0031】
さらに、上記目的は、互いに独立した複数の光導波路からなる多芯光導波路の複数の光入力端に複数の光ファイバを介して同時に光を入射し、1つの前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記1つの光導波路と1本の前記光ファイバとを調芯した後に、他の前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記他の光導波路と他の前記光ファイバとを調芯することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯方法によって達成される。
【0032】
また、光導波路と光ファイバとを調芯して接続する光導波路モジュールの製造方法であって、互いに独立した複数の光導波路からなる多芯光導波路の複数の光入力端に複数の光ファイバを介して同時に光を入射する工程と、1つの前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記1つの光導波路と1本の前記光ファイバとを調芯した後に、他の前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記他の光導波路と他の前記光ファイバとを調芯する工程とを含むことを特徴とする光導波路モジュールの製造方法によって達成される。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を模式的に示している。図1に示すように、調芯装置1は、調芯用の光源10を有している。
【0034】
調芯装置1の支持台(図示せず)には入力光ファイバ部品14が載置され、調芯装置1の他の支持台(図示せず)には光導波路部品16が載置される。両支持台は相対的に6軸(X,Y,Z,θx,θy,θz)方向に移動可能であり、載置された入力光ファイバ部品14と光導波路部品16との位置合わせができるようになっている。入力光ファイバ部品14は、例えば直径125μmの入力光ファイバ12を1本有している。入力光ファイバ12は、入力光ファイバ部品14を構成する下板側に形成されたV字溝と平板状の上板(カバーガラス)とによって固定されている。入力光ファイバ12の光入射端側は、光源10に接続される。光導波路部品16は、基板上に形成されたクラッド層と、クラッド層内に埋め込まれ、クラッド層の屈折率より大きい屈折率を有するコアとを有している。光導波路部品16には、例えば1×4分岐光導波路42が1つ形成されている。1×4分岐光導波路42は、一端面側に配置された1つの光入力端と、他端面側に配置された4つの光出力端とを有している。1×4分岐光導波路42の4つの光出力端は、所定幅の範囲に配置されている。
【0035】
また、調芯装置1は、載置された光導波路部品16の光出力端側にスリット部18を有している。スリット部18には、長方形状の開口部19が形成されている。開口部19の長辺方向の長さは1×4分岐光導波路42の光出力端の配置される範囲の幅とほぼ同程度であり、短辺方向の長さは例えば250μm程度である。スリット部18の開口部19は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。スリット部18では、1×4分岐光導波路42を伝搬して光出力端から射出する結合光と、1×4分岐光導波路42以外のクラッド層等を伝搬する散乱的な非結合光とを分離できるようになっている。
【0036】
また、調芯装置1は、載置された光導波路部品16の光出力端側から射出する光を集光する集光部である集光レンズ50と、集光された光を受光する受光部である受光器20とを有している。集光レンズ50は、開口部19の長辺方向の長さと同程度以上の幅を有している。受光器20は、1×4分岐光導波路42の光出力端の配置される範囲の幅より狭い幅(受光径)を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0037】
次に、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について説明する。まず、入力光ファイバ部品14と光導波路部品16とを調芯装置1の支持台にそれぞれ載置し、入力光ファイバ12の光入力端側を光源10に接続する。次に、入力光ファイバ12の光出力端と1×4分岐光導波路42の光入力端とが対向するように、入力光ファイバ部品14と光導波路部品16とを大まかに位置合わせする。
【0038】
次に、光源10から入力光ファイバ12に光を入射する。受光器20では、入力光ファイバ12の光出力端から1×4分岐光導波路42の光入力端に入射して1×4分岐光導波路42の4つの光出力端から射出する光を集光レンズ50を介して受光する。入力光ファイバ部品14と光導波路部品16との相対的な位置を微調整しながら、受光器20により光の強度ピークを検出し、入力光ファイバ12と1×4分岐光導波路42との光学的な結合が最適になるように調芯する。ここでは1対1の調芯であるため、光導波路部品16に対する入力光ファイバ部品14の相対的な移動は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。その後、紫外線硬化樹脂等を用いて、入力光ファイバ部品14と光導波路部品16とを接着して互いに固定する。
【0039】
次に、スリット部18、集光レンズ50及び受光器20を出力側の調芯の際に邪魔にならない位置に移動させた後、4本の出力光ファイバを備えた出力光ファイバ部品(図示せず)と光導波路部品16との間の調芯接続を従来と同様の方法を用いて行う。以上の手順を経て、光導波路モジュールが作製される。
【0040】
本実施の形態では、集光レンズ50により集光された光を受光器20の受光面で受光するため、比較的受光径の小さい受光器20を用いることができる。一般に受光器20は、受光面積が小さくなるとともに安価になる。したがって、受光径の小さな受光器20を備えた調芯装置1は比較的安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について図2乃至図4を用いて説明する。図2は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を模式的に示している。図2に示すように、調芯装置1は、調芯用の光源10を有している。
【0042】
調芯装置1の支持台(図示せず)には入力光ファイバ部品15が載置され、調芯装置1の他の支持台(図示せず)には光導波路部品17が載置される。両支持台は相対的に移動可能であり、載置された入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との位置合わせができるようになっている。入力光ファイバ部品15は、並列して配置された例えば直径125μmの入力光ファイバ12a〜12dを4本有している。入力光ファイバ12a〜12dは、入力光ファイバ部品15を構成する下板側に形成されたV字溝と平板状の上板とによってそれぞれ固定されている。V字溝は、一定の間隔(例えば127μmピッチ又は250μmピッチ)で形成されている。4本の入力光ファイバ12a〜12dのうち一端の入力光ファイバ12aには、調芯用光ファイバ13aが接続されている。他端の入力光ファイバ12dには、調芯用光ファイバ13dが接続されている。入力光ファイバ12aの光出力端は調芯用の第1ポート46aとなり、入力光ファイバ12dの光出力端は調芯用の第2ポート46dとなる。
【0043】
光導波路部品17は、互いに光学的に独立した4つの1×4分岐光導波路42a〜42dを有している。1×4分岐光導波路42a〜42dは、互いに同一パターンで形成されている。1×4分岐光導波路42a〜42dの計16個の光出力端は、所定幅の範囲に配列している。
【0044】
調芯装置1は、載置された光導波路部品17の光出力端側にスリット部18を有している。スリット部18には、長方形状の開口部19が形成されている。開口部19の長辺方向の長さは、1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅とほぼ同程度であり、短辺方向の長さは例えば250μm程度である。スリット部18の開口部19は、実際には光の進行方向に略直交する面内で開口されているが、理解を容易にするため図では90°回転させて紙面に平行な面上に示している。スリット部18では、1×4分岐光導波路42a〜42dを伝搬して光出力端から射出する結合光と、1×4分岐光導波路42以外のクラッド層等を伝搬する散乱的な非結合光とを分離できるようになっている。
【0045】
また、調芯装置1は、載置された光導波路部品17の光出力端側から射出する光を受光する受光部である受光器21を有している。受光器21は、1×4分岐光導波路42a〜42dの計16個の光出力端の配置される範囲の幅よりも狭く、独立した1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅以上の幅を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0046】
スリット部18と受光器21は、1軸又は2軸以上の方向に移動可能な移動ステージ56によって、1×4分岐光導波路42の光出力端の配列する方向(図2の矢印方向)に移動可能になっている。
【0047】
さらに、光源10と載置された入力光ファイバ部品15との間には、1×2分岐の光分岐素子54が設けられている。光分岐素子54の光入力端は、調芯用光ファイバ52を介して光源10に接続されている。光分岐素子54の2つの光出力端は、調芯用光ファイバ13a、13dを介して、入力光ファイバ12a、12dにそれぞれ接続されている。光分岐素子54は、極めて安価であるファイバ溶融延伸型が用いられているが、スプリッタを用いてもよい。
【0048】
本実施の形態では、光導波路部品17の16個の光出力端の配置される幅よりも狭い幅の受光面を有する比較的受光径の小さい受光器21を用いることができる。一般に受光器21は、受光面積が小さくなるとともに安価になる。したがって、受光径の小さな受光器21を備えた調芯装置1は比較的安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。今後、光導波路部品等の加工技術の精度向上により、光導波路パターンのさらなる集積化が予測される。このため、光導波路モジュールの製造コストの低減の効果がより一層顕著になる。
【0049】
次に、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法について説明する。まず、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17とを調芯装置1の支持台にそれぞれ載置する。次に、第1ポート46aと1×4分岐光導波路42aの光入力端、及び第2ポート46dと1×4分岐光導波路42dの光入力端がそれぞれ対向するように、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17とを大まかに位置合わせする。
【0050】
次に、光源10から光分岐素子54を介して入力光ファイバ12a、12dに光を入射する。これにより、第1ポート46a、第2ポート46dに光が入力される。第1ポート46a、第2ポート46dには、以下の調芯動作中は常時光が入力されている。受光器21及びスリット部18は、移動ステージ56により例えば事前に座標が設定されている1×4分岐光導波路42d側に移動させておく。このとき受光器21では、第2ポート46dから1×4分岐光導波路42dの光入力端に入射して1×4分岐光導波路42dの4つの光出力端から射出する光を受光する。入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との相対的な位置を微調整しながら、受光器21により光の強度ピークを検出し、入力光ファイバ12dと1×4分岐光導波路42dとの光学的な結合が最適になるように調芯する。この調芯は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。調芯された後の入力光ファイバ部品15の光導波路部品17に対する第1の座標は、不図示の記憶部に格納される。
【0051】
次に、移動ステージ56を用いて、受光器21及びスリット部18を1×4分岐光導波路42a側に移動させる。これにより受光器21は、第1ポート46aから1×4分岐光導波路42aの光入力端に入射して1×4分岐光導波路42aの4つの光出力端から射出する光を受光する。入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との相対的な位置を微調整しながら、受光器21により光の強度ピークを検出し、入力光ファイバ12aと1×4分岐光導波路42aとの光学的な結合が最適になるように調芯する。この調芯は、X,Y,Z,θx,θyの各軸に対して行われる。調芯された後の入力光ファイバ部品15の光導波路部品17に対する第2の座標は、不図示の記憶部に格納される。
【0052】
次に、記憶部に格納された第1及び第2の座標に基づいて、不図示の制御部はθz方向の回転角度ずれの角度Δθzを算出する。次に、入力光ファイバ部品15を光導波路部品17に対して相対的に角度Δθzだけ回転させて回転角度ずれを補正する。以上の調芯手順を数回繰り返し、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17との調芯が終了する。その後、紫外線硬化樹脂等を用いて、入力光ファイバ部品15と光導波路部品17とを接着して互いに固定する。
【0053】
次に、移動ステージ56を用いて、スリット部18及び受光器21を出力側の調芯の際に邪魔にならない位置に移動させる。次に、16本の出力光ファイバを備えた出力光ファイバ部品(図示せず)と光導波路部品17との間の調芯接続を従来と同様の方法を用いて行う。以上の手順を経て、光導波路モジュールが作製される。
【0054】
本実施の形態によれば、多芯光導波路と多芯光ファイバとを調芯する場合に、調芯用の光源10からの光路を切り替える必要がない。このため、光スイッチ等の高価な光学部品が不要になり、調芯装置1の構成が簡略化するとともに調芯装置1が安価になる。さらに、調芯工程のアルゴリズムが簡略化する。したがって、光導波路モジュールの製造コストが低減する。
【0055】
図3は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第1の変形例を示している。図3に示すように、調芯装置1は、載置された光導波路部品17の光出力端側から射出する光を集光する集光部である集光レンズ50と、集光された光を受光する受光部である受光器20とを有している。受光器20は、独立した1つの1×4分岐光導波路42の光出力端の配置される範囲の幅より狭い幅を有する受光面(図示せず)を備えている。
【0056】
集光レンズ50及び受光器20は、移動ステージ56によって、1×4分岐光導波路42a〜42dの光出力端の配列する方向(図3の矢印方向)にスリット部18と共に移動可能になっている。
【0057】
本変形例によれば、集光レンズ50により集光された光を受光器20の受光面で受光するため、図2に示す受光器21よりも受光径の小さい受光器20を用いることができる。したがって、受光器20を備えた調芯装置1はさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0058】
図4は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第2の変形例を示している。図4に示すように、調芯装置1は、長方形状の2つの開口部19a、19dを備えたスリット部(分割型スリット部)18を有している。開口部19aは、1×4分岐光導波路42aの4つの光出力端に対向する位置に配置されている。また開口部19dは、1×4分岐光導波路42dの4つの光出力端に対向する位置に配置されている。開口部19a、19dの長辺方向の長さは、独立した1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅とほぼ同程度である。また、スリット部18は、例えば光導波路部品17が載置される支持台に固定されている。
【0059】
受光器21は、1×4分岐光導波路42a〜42dの計16個の光出力端の配置される範囲の幅よりも狭く、独立した1つの1×4分岐光導波路42の4つの光出力端の配置される範囲の幅以上の幅を有する受光面(図示せず)を備えている。受光器21は、移動ステージ56によって、1×4分岐光導波路42a〜42dの光出力端の配列する方向(図4の矢印方向)に移動可能になっている。
【0060】
調芯装置1は、移動ステージ56を有さずに、開口部19dに対向する位置に配置される受光器21に加えて、開口部19aに対向する位置に配置される2つ目の受光器21’をさらに有する構成にしてもよい。さらに、受光器21(又は受光器21’)とスリット部18との間に、集光レンズ50を有していてもよい。
【0061】
本変形例によれば、スリット部18が支持台に固定されているために、移動ステージ56は高い移動精度を必要としない。したがって、調芯装置1がさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0062】
図5は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第3の変形例を示している。本変形例は、光の分岐が生じない光導波路を有する光導波路部品57に本調芯装置を用いた点に特徴を有する。なお、図2に示した本実施の形態の調芯装置1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみ説明する。また、光導波路部品57を用いた光導波路モジュールの製造工程は、図2の本実施の形態と同様なため、ここでの説明は省略する。
【0063】
光導波路部品57は、例えば互いに光学的に独立した4つの1×1光導波路58a〜58dが形成されている。1×1光導波路58a〜58dは、互いに同一パターンで形成されている。1×1光導波路58a〜58dの計4個の光出力端は、所定幅の範囲に配列している。
【0064】
スリット部18に備えられた開口部19の長辺方向の長さは、光導波路58の光出力端の幅とほぼ同程度である。スリット部18を通過した光は、ごく狭い範囲に限られるため、図3に示した受光器20よりも受光径の小さい受光器59を用いることができる。したがって、受光器59を備えた調芯装置1はさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0065】
さらに、スリット部18は、図4に示した長方形状の2つの開口部19a、19dを備えた分割型スリット部でもよく、その場合には、移動ステージ56は高い移動精度を必要としない。したがって、調芯装置1がさらに安価になり、光導波路モジュールの製造コストをさらに低減できる。
【0066】
図6は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第4の変形例を示している。本変形例は、2×4分岐光導波路を有する光導波路部品60と、8本の光ファイバを有する入力光ファイバ部品62を備えることを除いては、図2に示した本実施の形態と同様の構成である。なお、図2に示した本実施の形態の調芯装置1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0067】
入力光ファイバ部品62は、並列して配置された入力光ファイバ12a〜12hを8本有している。8本の入力光ファイバ12a〜12hのうち一端の入力光ファイバ12aには、調芯用光ファイバ13aが接続されている。他端の入力光ファイバ12hには、調芯用光ファイバ13dが接続されている。入力光ファイバ12aの光出力端は調芯用の第1ポート46aとなり、入力光ファイバ12hの光出力端は調芯用の第2ポート46hとなる。
【0068】
光導波路部品60は、例えば互いに光学的に独立した4つの2×4分岐光導波路61a〜61dを有している。2×4分岐光導波路61a〜61dは、互いに同一パターンで形成されている。2×4分岐光導波路61a〜61dの計16個の光出力端は、所定幅の範囲に配列している。
【0069】
本変形例による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法において、第1ポート46aは、2×4分岐光導波路61aの2本の光入力端のうち光入力端61a1と対向するように大まかに位置合わせされる。一方、第2ポート46hは2×4分岐光導波路61dの2本の光入力端のうち光入力端61d2と対向するように大まかに位置合わせされる。光源10より射出された光は、光分岐素子54で分岐され、分岐された一方の光は、調芯用光ファイバ13aと入力光ファイバ12aを介して光入力端61a1に入射され、2×4分岐光導波路61aの光出力端から射出される。また、分岐された他方の光は、調芯用光ファイバ13dと入力光ファイバ12hを介して光入力端61d2に入射され、2×4分岐光導波路61dの光出力端から射出される。2×4分岐光導波路61aと2×4分岐光導波路61dの各々の光出力端から射出された光を基に、図2の実施形態と同様の方法により、光導波路モジュールを製造することができる。
【0070】
本変形例において、光分岐素子とスリット部と集光レンズと受光器及び移動ステージは、図2乃至図4において説明したものと同様のものを使用することができ、2×4分岐光導波路のように複数の光入力端を有する光導波路においても、調芯装置1が安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。
【0071】
図7は、本実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第5の変形例を示している。本変形例は、自己発光素子の光を用いて調芯する点に特徴を有している。本変形例の調芯装置1は、光源と調芯用光ファイバと光分岐素子と入力光ファイバ(光源部)の代わりに、LED(Light Emitting Diode)等の自己発光素子63を設けたことを除いては、図2の構成と同様である。
【0072】
本変形例による光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法において、自己発光素子63が発光して射出した光は、入力光ファイバ部品15に配設された入力光ファイバ12a及び入力光ファイバ12dの各々を介し、1×4分岐光導波路42a及び1×4分岐光導波路42dに入射される。1×4分岐光導波路42a及び1×4分岐光導波路42dの光出力端から射出された光を基に、図2の実施形態と同様の方法により、光導波路モジュールを製造することができる。また、本変形例における自己発光素子63は、図3乃至図6において説明した光源部の代替として使用することができる。
【0073】
光源部に自己発光素子63を使用した本変形例の調芯装置は、調芯装置を小型化することが可能である。また、光源部の低価格化を図ることができ、調芯装置1が安価になり、光導波路モジュールの製造コストを低減できる。
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、光導波路モジュールの製造コストを低減できる光導波路と光ファイバとの調芯装置並びにそれを用いた光導波路と光ファイバとの調芯方法及びそれを含む光導波路モジュールの製造方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第1の変形例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第2の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第3の変形例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第4の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による光導波路と光ファイバとの調芯装置の構成の第5の変形例を示す図である。
【図8】従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【図9】従来の光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【図10】従来の他の光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【図11】従来の多芯光導波路モジュールの構成を示す図である。
【図12】従来の多芯導波路モジュールの光導波路と光ファイバとの調芯方法を示す図である。
【符号の説明】
1 調芯装置
10 光源
12、12a〜12h 入力光ファイバ
13a、13d、52 調芯用光ファイバ
14、15、62 入力光ファイバ部品
16 17、57、60 光導波路部品
18 スリット部
19、19a、19d 開口部
20、21、59 受光器
42、42a〜42d 1×4分岐光導波路
46a 第1ポート
46d、46h 第2ポート
50 集光レンズ
54 光分岐素子
56 移動ステージ
58a〜58d 1×1光導波路
61a〜61d 2×4分岐光導波路
61a1、61d2 光入力端
63 自己発光素子
Claims (10)
- 光入力端と光出力端とを備えた光導波路と、前記光入力端側の光ファイバとを調芯する調芯装置であって、
前記光ファイバから前記光入力端に入射して前記複数の光出力端から射出した射出光を集光する集光部と、
集光された前記射出光を受光して前記射出光の強度を検出する受光部と
を有することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 請求項1記載の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、
前記光出力端と前記集光部との間に配置されて前記射出光を通過させるスリット部をさらに有すること
を特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 光入力端と光出力端とを備えた光導波路が複数配置された多芯光導波路と、前記光入力端にそれぞれ光を入射する複数の光ファイバが配置された多芯光ファイバとを調芯する調芯装置であって、
所定の前記光ファイバから所定の前記光入力端に入射して所定の前記光出力端から射出した所定の射出光を受光して前記所定の射出光の強度を検出する受光部と、
一の前記光出力端から他の前記光出力端へ前記受光部を移動させる移動ステージと
を有することを特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 請求項3記載の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、
前記光出力端と前記受光部との間に配置されて前記射出光を通過させる前記スリット部をさらに有すること
を特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 請求項4記載の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、
前記スリット部は、前記移動ステージにより前記受光部と共に移動すること
を特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 請求項4又は5に記載の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、
前記移動ステージにより前記受光部と共に移動し、前記光ファイバから前記光入力端に入射して前記複数の光出力端から射出した射出光を集光する集光部をさらに有していること
を特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 請求項4記載の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、
前記スリット部は、複数の前記光出力端からの前記射出光を通過させる複数の開口部を備えていること
を特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 請求項3乃至7のいずれか1項に記載の光導波路と光ファイバとの調芯装置であって、
前記光入力端側に配置され、入射光を分岐して射出する光分岐素子をさらに有すること
を特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯装置。 - 互いに独立した複数の光導波路からなる多芯光導波路の複数の光入力端に複数の光ファイバを介して同時に光を入射し、
1つの前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記1つの光導波路と1本の前記光ファイバとを調芯した後に、他の前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記他の光導波路と他の前記光ファイバとを調芯すること
を特徴とする光導波路と光ファイバとの調芯方法。 - 光導波路と光ファイバとを調芯して接続する光導波路モジュールの製造方法であって、
互いに独立した複数の光導波路からなる多芯光導波路の複数の光入力端に複数の光ファイバを介して同時に光を入射する工程と、
1つの前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記1つの光導波路と1本の前記光ファイバとを調芯した後に、他の前記光導波路の光出力端から射出する光の強度に基づいて前記他の光導波路と他の前記光ファイバとを調芯する工程とを含むこと
を特徴とする光導波路モジュールの製造方法。
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WO2008117713A1 (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-02 | Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. | 光導波路素子の光軸調整方法及び光導波路素子 |
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2002
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