JP2004144804A - マスターバッチ及び電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】少ないトナー量でも高い画像濃度を達成できるトナー用のカーボンブラックマスターバッチ、及びそれを用いた電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と着色剤からなるマスターバッチにおいて、着色剤がカーボンブラックであり、結着樹脂の酸価が5KOHmg/g〜50KOHmg/gである。カーボンブラックのpHが7以上である。カーボンブラックの含有量が60重量%以下である。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも結着樹脂と着色剤からなるマスターバッチにおいて、着色剤がカーボンブラックであり、結着樹脂の酸価が5KOHmg/g〜50KOHmg/gである。カーボンブラックのpHが7以上である。カーボンブラックの含有量が60重量%以下である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法等に使用されるトナー用カーボンブラックマスターバッチ、それを用いた電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真法など、数多くの方式の潜像形成法が利用されている。電子写真法は、一般に光導電性物質を利用して、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、得られた潜像を電子写真用トナー(以下、「トナー」という)を用いて現像し、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧および溶剤蒸気などによりトナー画像を定着して複写物を得るものである。電子写真法における現像法は、トナーと鉄粉のようなキャリアとを用いる二成分現像方式と、キャリアを用いない一成分現像方式とに大別される。両現像方式は共に、トナー粒子と帯電列の異なるキャリアまたは現像ローラとの摩擦によりトナー粒子を帯電させ、感光体の潜像を現像するものである。
【0003】
以前から、電子写真法において良好な画質が要求されてきた。これは、高解像度、地カブリが無いこと、高い画像濃度などである。高い画像濃度を得るためには、紙の上に載せるトナーの量が多ければ良いが、その反面多量のトナーは地カブリや、トナー飛散などを引き起こす。
【0004】
高い画像濃度を達成するためには、トナー中に含まれるカーボンブラックが均一に分散されている必要がある。カーボンブラックの分散が不均一であると、電子写真法によって、紙の上に形成されたトナー像は、光を吸収しやすい部位としにくい部位が生じ、結果として画像ムラを生じ、均一な高濃度な画像を得ることが出来ない。
【0005】
また、より少ない量でこれまでと同等の画像濃度を得ることが出来れば、マシンのライフを通じてのトナーの消費量が少なくなり、コピー1枚あたりのコストを下げることが出来る。そのためには、トナーそのものの黒色度をあげる必要性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少ないトナー量でも高い画像濃度を達成できるトナー用のカーボンブラックマスターバッチ、及びそれを用いた電子写真用トナーを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは均一なカーボンブラック分散がなされたトナーを見出すべく鋭意研究を行った結果、少なくともカーボンブラック及び結着樹脂Aからなるマスターバッチと、結着樹脂A又はBからなるトナーにおいて、マスターバッチ用の樹脂として酸価が特定の範囲にある結着樹脂Aと、pHが特定の範囲にあるカーボンブラックを用いることにより、均一なカーボンブラック分散を実現したマスターバッチ、及びそのマスターバッチを用いたトナーで高画質を達成できることを見出した。ここでいう酸価とは、結着樹脂1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のmg数(単位:KOHmg/g)を示す。
【0008】
上記のような結着樹脂とカーボンブラックを用いることによって、良好な分散性をえることができるのは、マスターバッチを製造する際に、結着樹脂の酸基とカーボンブラック中のアルカリ基とが電気親和力等により引き合い、結着樹脂表面にカーボンブラックが均一に吸着する。その結果、分散性の良好なマスターバッチを得ることが出来る。
【0009】
分散性の良好なマスターバッチを用いてトナーを作製し、それを現像剤として画像を形成した場合、電子写真法で形成されたトナー像中にカーボンブラックが均一に分散する。形成された画像の画像濃度(黒色度)は、画像に当たった光が散乱すればするほど高く(黒く)なるので、光を散乱させるカーボンブラックが、トナー中に均一に分散しているほうが、より高い画像濃度を得ることが出来る。また、言い換えると同じ画像濃度を達成するのに必要なトナー量は、カーボンブラックの分散の悪いトナーに比べると、少ないトナー量である。
【0010】
かくして、本発明によれば、少なくともカーボンブラック及び結着樹脂A(ポリエステル樹脂)からなるマスターバッチにおいて、カーボンブラックのpHが7以上であり、結着樹脂Aが5KOHmg/gから50KOHmg/gの酸価を有することを特徴とするマスターバッチが提供される。
【0011】
また、本発明は、有機光半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接することにより取り除く機構を有する画像形成方法に用いるトナーであって、上記のマスターバッチと、上記結着樹脂と同一又は相違する結着樹脂からなる電子写真用トナーである。
【0012】
そして、本発明は、外添剤として表面疎水化処理を施されているシリカ微粉体を、トナー100重量部に対して0.01〜3重量部し、また、シリカ微粉体の表面疎水化度が30%〜90%である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明のマスターバッチの構成とすることにより、より良好な分散性をもったマスターバッチを得ることが出来る。マスターバッチに用いる結着樹脂Aは、5〜50KOHmg/gの酸価を有するものが好ましい。この結着樹脂Aの酸価が5KOHmg/g未満の場合には、結着樹脂A中にカーボンブラックを吸着する役割の酸基が不足するため、マスターバッチ製造時に結着樹脂Aにカーボンブラックが均一に付着せず、カーボンブラックの凝集物と結着樹脂Aが混在した状態になり、均一な分散状態のマスターバッチを得ることができなくなる。また、結着樹脂Aの酸価が50KOHmg/gより大きいと、結着樹脂A中に多量の官能基が存在することになり、マスターバッチの耐湿性が低下する。
【0014】
また、有機光半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接することにより取り除く機構を有する画像形成方法に用いるトナーであって、上記のマスターバッチと、結着樹脂Aと同一又は相違する結着樹脂A、Bからなる電子写真用トナーとすることができる。
【0015】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂A、Bとしては、スチレン‐アクリル系共重合体、アクリル系重合体、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、比較的自由に樹脂の化学構造を設計することが出来るポリエステル樹脂が好ましい。
【0016】
ポリエステル樹脂は、次に例示するような多価アルコールと多価カルボン酸とから合成することができるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
多価アルコールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ならびにポリオキシエチレン化ビスフェノールAおよびポリオキシプロピレン化ビスフェノールA(ビスフェノールAプロピレンオキサイド)などのビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物などの2価アルコールが挙げられる。
【0018】
また、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶分が発生しない程度に非線状化するために3価以上の多価アルコールを用いることもできる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよび1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
【0019】
一方、多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアルキルコハク酸(例えば、n−オクチルコハク酸およびn−ドデセニルコハク酸)などの2塩基性カルボン酸、トリメリト酸ならびにそれらの酸無水物およびアルキルエステルが挙げられる。上記の多価アルコールと多価カルボン酸との組み合わせとしては、例えば、ビスフェノールAプロピレンオキサイドと、テレフタル酸、フマル酸もしくは無水トリメリト酸またはこれらの混合物との組み合わせが挙げられる。
【0020】
本発明のトナーにおいて用いられる外添剤として、例えば、シリカ微粉体、アルミナ微粉体、酸化チタン微粉体、酸化ジルコニウム微粉体、酸化マグネシウム微粉体、酸化亜鉛の如き金属酸化物の微粉体;チッ化ホウ素微粉体、チッ化アルミニウム微粉体、チッ化炭素微粉体の如きチッ化物;さらにチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウムが挙げられる。
【0021】
本発明においては、特に平均一次粒子径0.001〜0.2μmの無機微粉体を外添剤として用いるのが好ましい。
【0022】
上記外添剤においては、トナーの流動性を高めるばかりでなく、トナーの帯電性を阻害しないことも重要な因子となる。
【0023】
よって本発明のトナーにおいては、無機微粉体が表面疎水化処理されていることが更に好ましく、流動性の付与と帯電の安定化を同時に満足し得ることが可能となる。
【0024】
すなわち、疎水化処理されていることにより、帯電量を左右する因子である水分の影響を除外し、高湿下及び低湿下での帯電量の格差を低減することで環境特性を向上させることが可能になる点と、製造工程の中で疎水化処理を入れることで一次粒子の凝集を防ぐことが可能となり、トナーに均一な帯電付与を行うことが可能になる。
【0025】
本発明に用いられる疎水化処理剤としては、表面改質の目的、たとえば帯電特性のコントロール、さらには高湿下での帯電の安定化および反応性に応じて適宜選択すれば良い。例えばアルキルアルコキシシラン,シロキサン,シラン,シリコーンオイル等のシラン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が熱分解しないものが良い。
【0026】
特に好ましいものとしては、カップリング剤等の揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ結合基の双方を有している下記一般式で示されるアルキルアルコキシシランを用いるのが良い。
RmSiYn
[式中、Rはアルコキシ基を示し、Yはアルキル基,ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル基の如き炭化水素基を示し、m、nは、それぞれ1〜3の整数を示す]
【0027】
例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0028】
より好ましくは、式CaH2a+1−Si−(OCbH2b+1)3[式中、aは4〜12の整数を示し、bは1〜3の整数を示す]で示されるアルキルアルコキシシラン化合物が良い。
【0029】
ここで一般式におけるaが4より小さいと、処理は容易となるが良好な疎水性が得られにくい。また、aが12より大きいと疎水性は十分になるが、微粉体同士の合一が多くなり流動性付与能が低下してしまう傾向を示す。また、bは3より大きいと反応性が低下して良好な疎水化が得られにくい。
【0030】
したがって、本発明において、aは、好ましくは4〜12、より好ましくは4〜8であり、bは、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2が良い。
【0031】
その処理量は、シリカ微粉体100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜45重量部とし、疎水化度を30〜90%、好ましくは40〜80%にすれば良い。外添剤として表面疎水化処理を施されているシリカ微粉体を、トナー100重量部に対して0.01〜3重量部有するのが好ましい。
【0032】
本発明においては、場合により、離型剤を含有させても良い。離型剤としては、それ自体公知の任意の離型剤、例えば脂肪族系樹脂、脂肪族系金属塩、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物類等の脂肪族系化合物が挙げられる。具体的には、例えば低分子量ポリプロピレン、高分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭素数4以上のオレフィン単体からなる低分子量オレフィン重合体、シリコーンオイル、各種ワックス等を使用することもできる。
【0033】
本発明に使用できるカーボンブラックの市販品として、例えば米国キャボット社製リーガル(REGAL)400R,500R,660R;コロンビヤン・カーボン日本(株)製ラベン(RAVEN)H20,ラベン16,ラベン14,ラベン430,ラベン450,ラベン500;西独デグサ社製プリンテクス(Printex)200,プリンテクスA,スペシャルブラック4,プリンテクスG;等が挙げられるがこれらに限られるものではない。また、これらのカーボンブラックは単独であるいは二種以上を種々の組成に組み合わせて用いることができる。
【0034】
その中でも、pHが7以上であることがマスターバッチ中での良好な分散をさせる上でより好ましい。カーボンブラックのpHとは、カーボンブラックと純水とを沸騰した後の懸濁液のpHを測定した時の値をいい、更に好ましくはpH7〜9が好適である。カーボンブラックのpHが7未満であると、結着樹脂中の酸基とカーボンブラック表面の酸性基が}互いに反発し、なじみが悪くなる。その結果マスターバッチの分散性は悪くなる。
【0035】
本発明においては、このようなカーボンブラックがマスターバッチ中のカーボンブラック濃度として5〜60重量%となる量で配合されたものであるが、カーボンブラックの濃度が30重量%よりも低い場合には、カーボンブラックを結着樹脂に均一に分散させることが困難である。そういった場合、一旦30重量%以上の濃度のマスターバッチを調製し、これ希釈して所望の濃度のマスターバッチを得る。またマスターバッチ中のカーボンブラックの濃度が60重量%を越えると、マスターバッチ自体の粘度が高くなり結着樹脂への均一な拡散性が低くなり、分散性が低下する。そのためマスターバッチ中のカーボンブラックの濃度があまりに高濃度であるものは好ましくなく、マスターバッチ中のカーボンブラック濃度は30〜60重量%となる量であることが好ましい。
【0036】
本発明の着色用マスターバッチは種々の混合方法により得ることができる。一般的には例えば、マスターバッチの結着樹脂の粉末またはペレットと着色用顔料カーボンブラックをタンブラーまたはスーパーミキサー等で混合したのち、押出機やバンバリーミキサーのような混練機により、加熱溶融混練してペレット化または粗粒子化する方法である。
【0037】
また別の方法として、ポリカーボネートオリゴマーの合成時に混合する方法もある。例えば、反応後の溶液状態のポリカーボネートオリゴマーに、着色用顔料カーボンブラックを添加混合後、溶媒を除き押出機やバンバリーミキサーのような混練機により、混練してマスターバッチとすることもできる。
【0038】
本発明の着色用マスターバッチ中には所望に応じて、樹脂組成物に添加される公知の種々の添加剤類、補強剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、その他の難燃剤や耐衝撃性改良用のエラストマ−などを配合することも可能である。これらのうち特に滑剤、離型剤または耐衝撃性改良用のエラストマ−等の添加はマスターバッチの粘度を低下させるのに好適である。
【0039】
これらの添加剤の配合は、添加剤の種類、量により異なるが予めカーボンブラックまたはポリカーボネートオリゴマーと混合することもできるし、またカーボンブラックをベース樹脂のポリカーボネートオリゴマーと溶融混練する時にまたは溶融混練後混合することもできる。滑剤、離型剤等の添加はカーボンブラックをベース樹脂のポリカーボネートオリゴマーと溶融混練する時にまたは溶融混練後混合することが好ましい。
【0040】
トナーの製造方法の一例としては、まず、結着樹脂、カーボンブラック、有機金属化合物等を混合撹拌する。一般にコニカルブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ナウタミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の各種混合撹拌装置で行うことができる。混合撹拌温度は、結着樹脂のガラス転移点(Tg)よりも低い温度とするのがよい。必要な混合撹拌時間は装置の種類、投入量によっても相違するが、一般に5〜300分の範囲が適当である。
【0041】
このようにして得られた前混合物を常法により溶融混練し、この混練物を粉砕、分級してトナーとする。上記製造方法により得られたトナー粒子に、流動性、帯電性向上を目的に外添剤粒子を適当重量部数混合分散させ、粉体トナーとする。
【0042】
トナー粒子としては、平均粒径が4〜10μmの粒子を使用する。平均粒径が4μmより小さいと、取り扱いが非常に困難になり、人体に悪影響を及ぼす。また10μmより大きいと画像の解像度や帯電性を著しく低下させる。
【0043】
二成分現像用として用いる場合においては、このトナーを、ガラスビーズや酸化または未酸化の鉄粉、フェライト等の未被覆キャリア、または鉄、ニッケル、コバルト、フェライト等の磁性体をアクリル系重合体、フッ素樹脂系重合体、ポリエステル、変性シリコーン樹脂等の重合体で被覆した被覆キャリアと混合して現像剤とする。上記キャリアは一般に30〜500μmの平均粒径を有しており、トナー濃度(T/D)は、1〜15%であるのが望ましい。
【0044】
得られたトナーは、公知の静電荷像現像法の全てに適用できる。例えば、カスケード法、磁気ブラシ法、マイクロトーニング法などの二成分現像法;導電性一成分現像法、絶縁性一成分現像法、ジャンピング現像法などの磁性トナーを使用する一成分現像法;粉末雲法およびファーブラシ法;トナー担持体上に静電気的力によって保持されることによって現像部へ搬送され、現像される非磁性一成分現像法;電界カーテンにより現像部へ搬送され現像される電界カーテン現像法などに用いられる。また、トナージェット方式の画像形成方法にも用いることができる。
【0045】
酸価の測定方法を説明する。サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50mlを加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
【0046】
トナーの摩擦帯電量の測定方法を説明する。図1は摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。底に500メッシュの導電性スクリーン53のある金属製の測定容器52に、複写機又はプリンターの現像スリーブ上から採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ金属製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の重量を秤りW1(g)とする。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調整して真空計55の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
(但し、測定条件は23℃,60%RHとする。)
【0047】
測定に用いるキャリアは、250メッシュパス・350メッシュオンのキャリア粒子が70〜90質量%有するコートフェライトキャリアを使用する。
【0048】
以下、本発明について、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
作成例1を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 20 KOHmg/g)50重量部にカーボンラック(PRINTEXL 6 デグサ社製 pH 7)50重量部を、スーパーミキサーで均一に混合した後、得られた混合物を二軸押出機で溶融混練し、マスターバッチ1を得た。
【0050】
作成例2を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 6 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ2を得た。
【0051】
作成例3を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 47 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ3を得た。
【0052】
作成例4を説明する。カーボンラック(NIPex60 デグサ社製 pH10)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ4を得た。
【0053】
作成例5を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 2 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ5を得た。
【0054】
作成例6を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 60 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ6を得た。
【0055】
作成例7を説明する。カーボンラック(#7300 東海カーボン社製 pH6.5)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ7を得た。
【0056】
作成例8を説明する。作成例1と同じポリエステル樹脂、カーボンブラックを用い、但しその混合比をポリエステル樹脂30重量部、カーボンブラック70重量部にしたこと以外、作成例1同様にして、マスターバッチ8を得た。
【0057】
実施例1を説明する。
結着樹脂(ポリエステル系) 80部
マスターバッチ1 20部
有機金属化合物 2部
ポリプロピレンワックス 4部
上記材料を均一混合したあと、内温150℃の二軸押出機で混練、冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級し平均粒径7μmの着色剤含有粒子を得た。この着色剤含有粒子に市販シリカ(一次平均粒子径が0.1μm、疏水化度 50%)を1重量部混合分散し、トナー1を得た。
【0058】
実施例2を説明する。マスターバッチ2を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー2を得た。
【0059】
実施例3を説明する。マスターバッチ3を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー3を得た。
【0060】
実施例4を説明する。マスターバッチ4を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー4を得た。
【0061】
比較例1を説明する。マスターバッチ5を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー5を得た。
【0062】
比較例2を説明する。マスターバッチ6を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー6を得た。
【0063】
比較例3を説明する。マスターバッチ7を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー7を得た。
【0064】
比較例4を説明する。マスターバッチ7を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー8を得た。
【0065】
実施例5を説明する。疏水化度が30%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー9を得た。
【0066】
実施例6を説明する。疏水化度が85%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー10を得た。
【0067】
実施例7を説明する。シリカをトナー100重量部に対して0.02重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー11を得た。
【0068】
実施例8を説明する。シリカをトナー100重量部に対して2.8重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー12を得た。
【0069】
比較例5を説明する。疏水化度が20%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー13を得た。
【0070】
比較例6を説明する。疏水化度が95%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー14を得た。
【0071】
比較例7を説明する。シリカをトナー100重量部に対して0.005重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー15を得た。
【0072】
比較例8を説明する。シリカをトナー100重量部に対して3.3重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー16を得た。
【0073】
上記実施例及び比較例で得られたトナーについての評価方法を説明する。
(1)初期画像濃度(黒色度)
トナー1〜16にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製 F−150)を均一混合し、市販複写機(シャープ(株)AR−505)に、得られた現像剤を実装し、下記に示す評価を行った。まず、複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装し、現像剤中のトナー濃度を変化させながら、全面黒の画像をとり、その画像濃度として、光学反射密度を反射濃度計 RD−915(マクベス社製)で測定し、画像濃度1.40を越えるトナー濃度を求め、以下の基準で評価した。
◎:3.5%未満
○:3.5%以上4%未満
△:4%以上5%未満
×:5%以上
結果を図2に示す。
【0074】
(2)10万枚耐刷後カブリ
トナー1〜16の各々4部にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製 F−150)96部を均一混合し、複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装し、10万枚の耐刷テストを行った。テスト終了後に全面白のサンプルをとり、カブリの評価を行い、以下の基準で評価した。
◎:1.0未満
○:1.0以上1.5未満
△:1.5以上2.5未満
×:2.5以上
結果を図2に示す。
【0075】
(3)帯電量変化率(帯電性)
トナー1〜16の各々4部にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製F−150)96部を均一混合し、複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装し、温度25℃/湿度50%の環境での帯電量を測定し、その後、温度35℃/湿度80%の環境での帯電量を測定した。その変化率{(25℃/50%での帯電量)−(35℃/80%での帯電量)}/(25℃/50%での帯電量)を以下の基準で評価した。
◎:5%未満
○:5%以上10%未満
△:10%以上20%未満
×:20%以上
結果を図2に示す。
【0076】
(4)耐ブロッキング性
100mlのガラス瓶に10gのトナーを入れ、温度50℃の恒温槽に2日間放置し、以下の基準で評価した。
◎:全くブロッキングが見られない。
○:若干のブロッキングが見られる。
△:ブロッキングはあるが、簡単にほぐれる。
×:激しくブロッキングしている。
結果を図2に示す。
【0077】
(5)判定
上記(1)〜(4)の評価をもとに、以下の判定を行った。
○:◎が2個以上、△が1個以下、×は無い
△:初期画像濃度以外の評価に×が1個
×:×が2個以上又は初期画像濃度が×
結果を図2に示す。
【0078】
図2を見ると、実施例1〜8のトナーは、すべて、初期画像濃度、10万枚耐刷後カブリ、帯電量変化率、耐ブロッキング性が◎又は○であり、判定が○であり、良好なトナーであったが、比較例1〜8のトナーは、判定が△又は×であり、不適切なトナーであるといえる。
【0079】
なお、上記実施例説明したトナーは、有機光半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接することにより取り除く機構を有する画像形成方法に用いることにより、優れた電子写真用トナーとすることができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明により、少ないトナー量でも高い画像濃度を達成できるトナー用のカーボンブラックマスターバッチ、及びそれを用いた電子写真用トナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のトナーの摩擦帯電量を測定する際に使用する装置の説明図。
【図2】実施例及び比較例のトナーの判定結果を説明する図表。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法等に使用されるトナー用カーボンブラックマスターバッチ、それを用いた電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真法など、数多くの方式の潜像形成法が利用されている。電子写真法は、一般に光導電性物質を利用して、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、得られた潜像を電子写真用トナー(以下、「トナー」という)を用いて現像し、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧および溶剤蒸気などによりトナー画像を定着して複写物を得るものである。電子写真法における現像法は、トナーと鉄粉のようなキャリアとを用いる二成分現像方式と、キャリアを用いない一成分現像方式とに大別される。両現像方式は共に、トナー粒子と帯電列の異なるキャリアまたは現像ローラとの摩擦によりトナー粒子を帯電させ、感光体の潜像を現像するものである。
【0003】
以前から、電子写真法において良好な画質が要求されてきた。これは、高解像度、地カブリが無いこと、高い画像濃度などである。高い画像濃度を得るためには、紙の上に載せるトナーの量が多ければ良いが、その反面多量のトナーは地カブリや、トナー飛散などを引き起こす。
【0004】
高い画像濃度を達成するためには、トナー中に含まれるカーボンブラックが均一に分散されている必要がある。カーボンブラックの分散が不均一であると、電子写真法によって、紙の上に形成されたトナー像は、光を吸収しやすい部位としにくい部位が生じ、結果として画像ムラを生じ、均一な高濃度な画像を得ることが出来ない。
【0005】
また、より少ない量でこれまでと同等の画像濃度を得ることが出来れば、マシンのライフを通じてのトナーの消費量が少なくなり、コピー1枚あたりのコストを下げることが出来る。そのためには、トナーそのものの黒色度をあげる必要性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少ないトナー量でも高い画像濃度を達成できるトナー用のカーボンブラックマスターバッチ、及びそれを用いた電子写真用トナーを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは均一なカーボンブラック分散がなされたトナーを見出すべく鋭意研究を行った結果、少なくともカーボンブラック及び結着樹脂Aからなるマスターバッチと、結着樹脂A又はBからなるトナーにおいて、マスターバッチ用の樹脂として酸価が特定の範囲にある結着樹脂Aと、pHが特定の範囲にあるカーボンブラックを用いることにより、均一なカーボンブラック分散を実現したマスターバッチ、及びそのマスターバッチを用いたトナーで高画質を達成できることを見出した。ここでいう酸価とは、結着樹脂1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のmg数(単位:KOHmg/g)を示す。
【0008】
上記のような結着樹脂とカーボンブラックを用いることによって、良好な分散性をえることができるのは、マスターバッチを製造する際に、結着樹脂の酸基とカーボンブラック中のアルカリ基とが電気親和力等により引き合い、結着樹脂表面にカーボンブラックが均一に吸着する。その結果、分散性の良好なマスターバッチを得ることが出来る。
【0009】
分散性の良好なマスターバッチを用いてトナーを作製し、それを現像剤として画像を形成した場合、電子写真法で形成されたトナー像中にカーボンブラックが均一に分散する。形成された画像の画像濃度(黒色度)は、画像に当たった光が散乱すればするほど高く(黒く)なるので、光を散乱させるカーボンブラックが、トナー中に均一に分散しているほうが、より高い画像濃度を得ることが出来る。また、言い換えると同じ画像濃度を達成するのに必要なトナー量は、カーボンブラックの分散の悪いトナーに比べると、少ないトナー量である。
【0010】
かくして、本発明によれば、少なくともカーボンブラック及び結着樹脂A(ポリエステル樹脂)からなるマスターバッチにおいて、カーボンブラックのpHが7以上であり、結着樹脂Aが5KOHmg/gから50KOHmg/gの酸価を有することを特徴とするマスターバッチが提供される。
【0011】
また、本発明は、有機光半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接することにより取り除く機構を有する画像形成方法に用いるトナーであって、上記のマスターバッチと、上記結着樹脂と同一又は相違する結着樹脂からなる電子写真用トナーである。
【0012】
そして、本発明は、外添剤として表面疎水化処理を施されているシリカ微粉体を、トナー100重量部に対して0.01〜3重量部し、また、シリカ微粉体の表面疎水化度が30%〜90%である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明のマスターバッチの構成とすることにより、より良好な分散性をもったマスターバッチを得ることが出来る。マスターバッチに用いる結着樹脂Aは、5〜50KOHmg/gの酸価を有するものが好ましい。この結着樹脂Aの酸価が5KOHmg/g未満の場合には、結着樹脂A中にカーボンブラックを吸着する役割の酸基が不足するため、マスターバッチ製造時に結着樹脂Aにカーボンブラックが均一に付着せず、カーボンブラックの凝集物と結着樹脂Aが混在した状態になり、均一な分散状態のマスターバッチを得ることができなくなる。また、結着樹脂Aの酸価が50KOHmg/gより大きいと、結着樹脂A中に多量の官能基が存在することになり、マスターバッチの耐湿性が低下する。
【0014】
また、有機光半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接することにより取り除く機構を有する画像形成方法に用いるトナーであって、上記のマスターバッチと、結着樹脂Aと同一又は相違する結着樹脂A、Bからなる電子写真用トナーとすることができる。
【0015】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂A、Bとしては、スチレン‐アクリル系共重合体、アクリル系重合体、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、比較的自由に樹脂の化学構造を設計することが出来るポリエステル樹脂が好ましい。
【0016】
ポリエステル樹脂は、次に例示するような多価アルコールと多価カルボン酸とから合成することができるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
多価アルコールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ならびにポリオキシエチレン化ビスフェノールAおよびポリオキシプロピレン化ビスフェノールA(ビスフェノールAプロピレンオキサイド)などのビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物などの2価アルコールが挙げられる。
【0018】
また、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶分が発生しない程度に非線状化するために3価以上の多価アルコールを用いることもできる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよび1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
【0019】
一方、多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアルキルコハク酸(例えば、n−オクチルコハク酸およびn−ドデセニルコハク酸)などの2塩基性カルボン酸、トリメリト酸ならびにそれらの酸無水物およびアルキルエステルが挙げられる。上記の多価アルコールと多価カルボン酸との組み合わせとしては、例えば、ビスフェノールAプロピレンオキサイドと、テレフタル酸、フマル酸もしくは無水トリメリト酸またはこれらの混合物との組み合わせが挙げられる。
【0020】
本発明のトナーにおいて用いられる外添剤として、例えば、シリカ微粉体、アルミナ微粉体、酸化チタン微粉体、酸化ジルコニウム微粉体、酸化マグネシウム微粉体、酸化亜鉛の如き金属酸化物の微粉体;チッ化ホウ素微粉体、チッ化アルミニウム微粉体、チッ化炭素微粉体の如きチッ化物;さらにチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウムが挙げられる。
【0021】
本発明においては、特に平均一次粒子径0.001〜0.2μmの無機微粉体を外添剤として用いるのが好ましい。
【0022】
上記外添剤においては、トナーの流動性を高めるばかりでなく、トナーの帯電性を阻害しないことも重要な因子となる。
【0023】
よって本発明のトナーにおいては、無機微粉体が表面疎水化処理されていることが更に好ましく、流動性の付与と帯電の安定化を同時に満足し得ることが可能となる。
【0024】
すなわち、疎水化処理されていることにより、帯電量を左右する因子である水分の影響を除外し、高湿下及び低湿下での帯電量の格差を低減することで環境特性を向上させることが可能になる点と、製造工程の中で疎水化処理を入れることで一次粒子の凝集を防ぐことが可能となり、トナーに均一な帯電付与を行うことが可能になる。
【0025】
本発明に用いられる疎水化処理剤としては、表面改質の目的、たとえば帯電特性のコントロール、さらには高湿下での帯電の安定化および反応性に応じて適宜選択すれば良い。例えばアルキルアルコキシシラン,シロキサン,シラン,シリコーンオイル等のシラン系有機化合物であり、反応処理温度にて、それ自体が熱分解しないものが良い。
【0026】
特に好ましいものとしては、カップリング剤等の揮発性を有し、疎水性基及び反応性に富んだ結合基の双方を有している下記一般式で示されるアルキルアルコキシシランを用いるのが良い。
RmSiYn
[式中、Rはアルコキシ基を示し、Yはアルキル基,ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル基の如き炭化水素基を示し、m、nは、それぞれ1〜3の整数を示す]
【0027】
例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0028】
より好ましくは、式CaH2a+1−Si−(OCbH2b+1)3[式中、aは4〜12の整数を示し、bは1〜3の整数を示す]で示されるアルキルアルコキシシラン化合物が良い。
【0029】
ここで一般式におけるaが4より小さいと、処理は容易となるが良好な疎水性が得られにくい。また、aが12より大きいと疎水性は十分になるが、微粉体同士の合一が多くなり流動性付与能が低下してしまう傾向を示す。また、bは3より大きいと反応性が低下して良好な疎水化が得られにくい。
【0030】
したがって、本発明において、aは、好ましくは4〜12、より好ましくは4〜8であり、bは、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2が良い。
【0031】
その処理量は、シリカ微粉体100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜45重量部とし、疎水化度を30〜90%、好ましくは40〜80%にすれば良い。外添剤として表面疎水化処理を施されているシリカ微粉体を、トナー100重量部に対して0.01〜3重量部有するのが好ましい。
【0032】
本発明においては、場合により、離型剤を含有させても良い。離型剤としては、それ自体公知の任意の離型剤、例えば脂肪族系樹脂、脂肪族系金属塩、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物類等の脂肪族系化合物が挙げられる。具体的には、例えば低分子量ポリプロピレン、高分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭素数4以上のオレフィン単体からなる低分子量オレフィン重合体、シリコーンオイル、各種ワックス等を使用することもできる。
【0033】
本発明に使用できるカーボンブラックの市販品として、例えば米国キャボット社製リーガル(REGAL)400R,500R,660R;コロンビヤン・カーボン日本(株)製ラベン(RAVEN)H20,ラベン16,ラベン14,ラベン430,ラベン450,ラベン500;西独デグサ社製プリンテクス(Printex)200,プリンテクスA,スペシャルブラック4,プリンテクスG;等が挙げられるがこれらに限られるものではない。また、これらのカーボンブラックは単独であるいは二種以上を種々の組成に組み合わせて用いることができる。
【0034】
その中でも、pHが7以上であることがマスターバッチ中での良好な分散をさせる上でより好ましい。カーボンブラックのpHとは、カーボンブラックと純水とを沸騰した後の懸濁液のpHを測定した時の値をいい、更に好ましくはpH7〜9が好適である。カーボンブラックのpHが7未満であると、結着樹脂中の酸基とカーボンブラック表面の酸性基が}互いに反発し、なじみが悪くなる。その結果マスターバッチの分散性は悪くなる。
【0035】
本発明においては、このようなカーボンブラックがマスターバッチ中のカーボンブラック濃度として5〜60重量%となる量で配合されたものであるが、カーボンブラックの濃度が30重量%よりも低い場合には、カーボンブラックを結着樹脂に均一に分散させることが困難である。そういった場合、一旦30重量%以上の濃度のマスターバッチを調製し、これ希釈して所望の濃度のマスターバッチを得る。またマスターバッチ中のカーボンブラックの濃度が60重量%を越えると、マスターバッチ自体の粘度が高くなり結着樹脂への均一な拡散性が低くなり、分散性が低下する。そのためマスターバッチ中のカーボンブラックの濃度があまりに高濃度であるものは好ましくなく、マスターバッチ中のカーボンブラック濃度は30〜60重量%となる量であることが好ましい。
【0036】
本発明の着色用マスターバッチは種々の混合方法により得ることができる。一般的には例えば、マスターバッチの結着樹脂の粉末またはペレットと着色用顔料カーボンブラックをタンブラーまたはスーパーミキサー等で混合したのち、押出機やバンバリーミキサーのような混練機により、加熱溶融混練してペレット化または粗粒子化する方法である。
【0037】
また別の方法として、ポリカーボネートオリゴマーの合成時に混合する方法もある。例えば、反応後の溶液状態のポリカーボネートオリゴマーに、着色用顔料カーボンブラックを添加混合後、溶媒を除き押出機やバンバリーミキサーのような混練機により、混練してマスターバッチとすることもできる。
【0038】
本発明の着色用マスターバッチ中には所望に応じて、樹脂組成物に添加される公知の種々の添加剤類、補強剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、その他の難燃剤や耐衝撃性改良用のエラストマ−などを配合することも可能である。これらのうち特に滑剤、離型剤または耐衝撃性改良用のエラストマ−等の添加はマスターバッチの粘度を低下させるのに好適である。
【0039】
これらの添加剤の配合は、添加剤の種類、量により異なるが予めカーボンブラックまたはポリカーボネートオリゴマーと混合することもできるし、またカーボンブラックをベース樹脂のポリカーボネートオリゴマーと溶融混練する時にまたは溶融混練後混合することもできる。滑剤、離型剤等の添加はカーボンブラックをベース樹脂のポリカーボネートオリゴマーと溶融混練する時にまたは溶融混練後混合することが好ましい。
【0040】
トナーの製造方法の一例としては、まず、結着樹脂、カーボンブラック、有機金属化合物等を混合撹拌する。一般にコニカルブレンダー、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ナウタミキサー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の各種混合撹拌装置で行うことができる。混合撹拌温度は、結着樹脂のガラス転移点(Tg)よりも低い温度とするのがよい。必要な混合撹拌時間は装置の種類、投入量によっても相違するが、一般に5〜300分の範囲が適当である。
【0041】
このようにして得られた前混合物を常法により溶融混練し、この混練物を粉砕、分級してトナーとする。上記製造方法により得られたトナー粒子に、流動性、帯電性向上を目的に外添剤粒子を適当重量部数混合分散させ、粉体トナーとする。
【0042】
トナー粒子としては、平均粒径が4〜10μmの粒子を使用する。平均粒径が4μmより小さいと、取り扱いが非常に困難になり、人体に悪影響を及ぼす。また10μmより大きいと画像の解像度や帯電性を著しく低下させる。
【0043】
二成分現像用として用いる場合においては、このトナーを、ガラスビーズや酸化または未酸化の鉄粉、フェライト等の未被覆キャリア、または鉄、ニッケル、コバルト、フェライト等の磁性体をアクリル系重合体、フッ素樹脂系重合体、ポリエステル、変性シリコーン樹脂等の重合体で被覆した被覆キャリアと混合して現像剤とする。上記キャリアは一般に30〜500μmの平均粒径を有しており、トナー濃度(T/D)は、1〜15%であるのが望ましい。
【0044】
得られたトナーは、公知の静電荷像現像法の全てに適用できる。例えば、カスケード法、磁気ブラシ法、マイクロトーニング法などの二成分現像法;導電性一成分現像法、絶縁性一成分現像法、ジャンピング現像法などの磁性トナーを使用する一成分現像法;粉末雲法およびファーブラシ法;トナー担持体上に静電気的力によって保持されることによって現像部へ搬送され、現像される非磁性一成分現像法;電界カーテンにより現像部へ搬送され現像される電界カーテン現像法などに用いられる。また、トナージェット方式の画像形成方法にも用いることができる。
【0045】
酸価の測定方法を説明する。サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50mlを加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
【0046】
トナーの摩擦帯電量の測定方法を説明する。図1は摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。底に500メッシュの導電性スクリーン53のある金属製の測定容器52に、複写機又はプリンターの現像スリーブ上から採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ金属製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の重量を秤りW1(g)とする。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調整して真空計55の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
(但し、測定条件は23℃,60%RHとする。)
【0047】
測定に用いるキャリアは、250メッシュパス・350メッシュオンのキャリア粒子が70〜90質量%有するコートフェライトキャリアを使用する。
【0048】
以下、本発明について、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
作成例1を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 20 KOHmg/g)50重量部にカーボンラック(PRINTEXL 6 デグサ社製 pH 7)50重量部を、スーパーミキサーで均一に混合した後、得られた混合物を二軸押出機で溶融混練し、マスターバッチ1を得た。
【0050】
作成例2を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 6 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ2を得た。
【0051】
作成例3を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 47 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ3を得た。
【0052】
作成例4を説明する。カーボンラック(NIPex60 デグサ社製 pH10)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ4を得た。
【0053】
作成例5を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 2 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ5を得た。
【0054】
作成例6を説明する。ポリエステル樹脂(酸価 60 KOHmg/g)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ6を得た。
【0055】
作成例7を説明する。カーボンラック(#7300 東海カーボン社製 pH6.5)を用いること以外は作成例1と同様にして、マスターバッチ7を得た。
【0056】
作成例8を説明する。作成例1と同じポリエステル樹脂、カーボンブラックを用い、但しその混合比をポリエステル樹脂30重量部、カーボンブラック70重量部にしたこと以外、作成例1同様にして、マスターバッチ8を得た。
【0057】
実施例1を説明する。
結着樹脂(ポリエステル系) 80部
マスターバッチ1 20部
有機金属化合物 2部
ポリプロピレンワックス 4部
上記材料を均一混合したあと、内温150℃の二軸押出機で混練、冷却物をジェットミルで微粉砕し、ディスパージョンセパレータで分級し平均粒径7μmの着色剤含有粒子を得た。この着色剤含有粒子に市販シリカ(一次平均粒子径が0.1μm、疏水化度 50%)を1重量部混合分散し、トナー1を得た。
【0058】
実施例2を説明する。マスターバッチ2を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー2を得た。
【0059】
実施例3を説明する。マスターバッチ3を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー3を得た。
【0060】
実施例4を説明する。マスターバッチ4を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー4を得た。
【0061】
比較例1を説明する。マスターバッチ5を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー5を得た。
【0062】
比較例2を説明する。マスターバッチ6を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー6を得た。
【0063】
比較例3を説明する。マスターバッチ7を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー7を得た。
【0064】
比較例4を説明する。マスターバッチ7を用いること以外、実施例1と同様にしてトナー8を得た。
【0065】
実施例5を説明する。疏水化度が30%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー9を得た。
【0066】
実施例6を説明する。疏水化度が85%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー10を得た。
【0067】
実施例7を説明する。シリカをトナー100重量部に対して0.02重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー11を得た。
【0068】
実施例8を説明する。シリカをトナー100重量部に対して2.8重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー12を得た。
【0069】
比較例5を説明する。疏水化度が20%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー13を得た。
【0070】
比較例6を説明する。疏水化度が95%のシリカを用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー14を得た。
【0071】
比較例7を説明する。シリカをトナー100重量部に対して0.005重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー15を得た。
【0072】
比較例8を説明する。シリカをトナー100重量部に対して3.3重量部用いること以外は、実施例1と同様にしてトナー16を得た。
【0073】
上記実施例及び比較例で得られたトナーについての評価方法を説明する。
(1)初期画像濃度(黒色度)
トナー1〜16にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製 F−150)を均一混合し、市販複写機(シャープ(株)AR−505)に、得られた現像剤を実装し、下記に示す評価を行った。まず、複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装し、現像剤中のトナー濃度を変化させながら、全面黒の画像をとり、その画像濃度として、光学反射密度を反射濃度計 RD−915(マクベス社製)で測定し、画像濃度1.40を越えるトナー濃度を求め、以下の基準で評価した。
◎:3.5%未満
○:3.5%以上4%未満
△:4%以上5%未満
×:5%以上
結果を図2に示す。
【0074】
(2)10万枚耐刷後カブリ
トナー1〜16の各々4部にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製 F−150)96部を均一混合し、複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装し、10万枚の耐刷テストを行った。テスト終了後に全面白のサンプルをとり、カブリの評価を行い、以下の基準で評価した。
◎:1.0未満
○:1.0以上1.5未満
△:1.5以上2.5未満
×:2.5以上
結果を図2に示す。
【0075】
(3)帯電量変化率(帯電性)
トナー1〜16の各々4部にフェライトキャリア(パウダーテック(株)製F−150)96部を均一混合し、複写機AR−505(シャープ社製)に現像剤を実装し、温度25℃/湿度50%の環境での帯電量を測定し、その後、温度35℃/湿度80%の環境での帯電量を測定した。その変化率{(25℃/50%での帯電量)−(35℃/80%での帯電量)}/(25℃/50%での帯電量)を以下の基準で評価した。
◎:5%未満
○:5%以上10%未満
△:10%以上20%未満
×:20%以上
結果を図2に示す。
【0076】
(4)耐ブロッキング性
100mlのガラス瓶に10gのトナーを入れ、温度50℃の恒温槽に2日間放置し、以下の基準で評価した。
◎:全くブロッキングが見られない。
○:若干のブロッキングが見られる。
△:ブロッキングはあるが、簡単にほぐれる。
×:激しくブロッキングしている。
結果を図2に示す。
【0077】
(5)判定
上記(1)〜(4)の評価をもとに、以下の判定を行った。
○:◎が2個以上、△が1個以下、×は無い
△:初期画像濃度以外の評価に×が1個
×:×が2個以上又は初期画像濃度が×
結果を図2に示す。
【0078】
図2を見ると、実施例1〜8のトナーは、すべて、初期画像濃度、10万枚耐刷後カブリ、帯電量変化率、耐ブロッキング性が◎又は○であり、判定が○であり、良好なトナーであったが、比較例1〜8のトナーは、判定が△又は×であり、不適切なトナーであるといえる。
【0079】
なお、上記実施例説明したトナーは、有機光半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接することにより取り除く機構を有する画像形成方法に用いることにより、優れた電子写真用トナーとすることができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明により、少ないトナー量でも高い画像濃度を達成できるトナー用のカーボンブラックマスターバッチ、及びそれを用いた電子写真用トナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のトナーの摩擦帯電量を測定する際に使用する装置の説明図。
【図2】実施例及び比較例のトナーの判定結果を説明する図表。
Claims (6)
- 少なくとも結着樹脂と着色剤からなるマスターバッチにおいて、
前記着色剤がカーボンブラックであり、前記結着樹脂の酸価が5KOHmg/g〜50KOHmg/gであることを特徴としたマスターバッチ。 - 上記カーボンブラックのpHが7以上である請求項1記載のマスターバッチ。
- 上記カーボンブラックの含有量が60重量%以下である請求項1記載のマスターバッチ。
- 有機光半導体上の静電潜像を現像したトナー像を転写後、該有機光半導体上に残存する未転写トナーを、ゴム状弾性ブレードを該有機光半導体に当接することにより取り除く機構を有する画像形成方法に用いるトナーであって、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のマスターバッチと、上記結着樹脂と同一又は相違する結着樹脂からなることを特徴とする電子写真用トナー。 - 外添剤として表面疎水化処理を施されているシリカ微粉体を、トナー100重量部に対して0.01〜3重量部有する請求項4記載の電子写真用トナー。
- 上記シリカ微粉体の表面疎水化度が30%〜90%である請求項5記載の電子写真用トナー。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002306651A patent/JP2004144804A/ja active Pending
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