JP2004144391A - 外部循環式流動焼却炉とその運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流動砂を分離するサイクロンを付設している外部循環式流動焼却炉であって、分離した流動砂を流動部13に循環するサイクロン3と13を接続する流動砂下降管4と、該4の下部に13に連通したシール室5とを有し、該5内の砂層界面の高さを、レーザ光を、鉛直方向あるいは鉛直との角度が、シール室砂層界面の水平との傾き角度のθの範囲内に、放射して検知するレーザ光レベル計17を設置したものであり、17には、レーザ光発光部から砂層界面高さまでのビーム(光束)部分の全長か、一部長さ部分に、該レーザ光ビームの外径以上の太さのさや管18を設け、該18には、該管内にパージ用空気を吹込む空気供給管を配するのがよい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部循環式流動焼却炉に係り、特に、有機性固形物と水が混合された混合物、ゴミあるいは固形燃料などを焼却するのに好適な外部循環式流動焼却炉とその運転方法に関するのもである。
ここで言う有機性固形物と水が混合された混合物とは、工場廃水、下水、ゴミ汁あるいはこれらを処理したときに発生する汚泥、あるいはこれら汚泥を脱水機で脱水した際に生成する脱水ケーキであり、また、ゴミあるいは固形燃料とは、都市ゴミ、廃プラスチックなどの産業廃棄物及び固形燃料、たとえば石炭タール、アスファルトあるいはバイオマスなどを意味する。(以後、これらを単に「固体可燃物」と呼ぶ)
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献】第39回下水道研究発表会講演集(平成14年度)社団法人日本下水道協会、平成14年6月20日発行、p881〜883
流動砂が循環する流動部に、燃料と流動空気(燃焼空気)を供給して、固体可燃物を燃焼させる焼却部本体と、該本体に接続され、比重と粒度の大きな流動砂と、前記固体可燃物の燃焼によって発生した比重と粒度の小さいダスト、及び燃焼排ガスを分離させるサイクロンと、該サイクロンによって分離された流動砂を、焼却部本体の下部に戻すシール室を有する流動砂下降管とを具備する外部循環式流動焼却炉で、固体可燃物を焼却処理することは従来から行われている。
ここで使用される流動砂は、一般にJIS4〜7号硅砂が使用され、その粒度は平均粒度として0.20〜0.50mm程度である。
焼却部本体底部に設置されている散気管に、流動空気を供給して砂を流動させ(流動砂)、この流動砂に固体可燃物を投入して燃焼させる外部循環式流動焼却炉においては、運転中に散気管からの流動空気の一部が流動砂下降管に逆流し、サイクロン下部から流入する。この現象によって、サイクロンでの旋回流が乱れ、流動砂の一部がサイクロンで回収されず、燃焼排ガス及びダストと共にバグフィルタに流出し、バグフィルタからダストと共に系外へ排出される。また、長時間の運転経過によって、流動砂が破壊、摩耗し、粒度が細かくなり、サイクロンで分級できなくなり、バグフィルタに流出し、系外に排出される。
【0003】
これらによって、下降管下部シール室に滞留する(流動)砂量は減少し、ここの部分での滞留(砂層界面)高さが低くなり、延いては、外部循環する流動砂の量が徐々に減少する。バグフィルタから系外に流出した流動砂に相当する量は、運転中に新たに補給されるが、その補給判断は、固体可燃物の供給量を一定にして運転しているにも関わらず、焼却炉本体の砂中温度が低下し、且つフリーボード部あるいは頂部の温度が上昇し、通常の炉内温度差=50℃程度を上回り、100℃程度になった時を目安としている。このように、炉内の温度差が大きくなると、炉内に投入された固体可燃物が、焼却炉本体の流動部(下部)で燃焼せず、中央部あるいは頂部で燃焼するようになり、一部の固体可燃物が、未燃のまま燃焼排ガスと共にバグフィルタに流出し、バグフィルタダストに未燃のカーボンが多く含まれるようになり、これによって生成するダスト量の増加につながる。また、下降管下部のシール室に滞留する(流動)砂量が減少すると、流動空気の一部が焼却炉本体からシール室に逆流することを防止する役目を果たすことができず、逆流した流動部からの流動空気量の増加によって、サイクロンでの流動砂分級効率が低下し、短時間に流動砂がバグフィルタから系外へ流出する。
【0004】
また、シール室の(流動)砂に、ダストが多く含まれると、これが焼却炉本体の流動部に搬送され、砂中バーナで加熱されると、ダストが流動砂と共に焼結し、クリンカ化して粗大化し、流動砂が外部循環しなくなると共に、炉壁に融着し、たとえばサイクロンの出入り口の閉塞などが発生する。
流動砂の流出量(補給量)は、一般に固体可燃物処理固形物1t当たり50kg程度と言われている。
従来から行われている下降管下部シール室の砂層の砂の高さの測定法は、下降管の側壁に覗き窓を取付け、この窓から直接目視する方法、あるいはシール室上壁に、開閉可能な孔を作成し、この孔から検尺俸を差込み砂層界面までの差込深さによって測定する方法、あるいはシール室内部に温度計を多数設置し、(流動)砂内部と燃焼排ガスの温度の違いから界面を求める方法などがあるが、覗き窓から直接覗いて目視測定する方法は、ダストが舞ってしかも暗いシール室内部を目視しても、覗き窓と砂層界面までの距離が長いと、界面を全く検視することができず、測定することが不可能である。
【0005】
開閉可能な開口部から検尺棒を差込み、その差込み深さによって界面高さを測定する方法は、流動砂にダストが多く含まれると、界面そのものが明確に出なくなると共に、流動砂の支持力が小さくなるため、検尺棒を差込んでも軟弱な界面のため(ズブズブと潜り込み、どの高さが界面かはっきりせず)、正確な界面高さの測定値を得ることができない。シール室内部に温度計を多数設置し、シール室内部の温度分布から流動砂の界面を求める方法は、流動砂の循環量が多い場合には、流動砂の内部部分と燃焼排ガス部分での温度差がなく、温度測定値だけで流動砂の界面が判断できないことがあり、かつ、測定箇所を多くしなければ不連続となり、正確に把握することができない。
このように、シール室の流動砂滞留界面を目視から測定する方法、検尺俸を差込み、その差込み深さによって測定する方法、及び温度測定値から測定する方法は、炉の運転条件の影響を受け、正確に判定することが難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、下降管下部シール室の砂層界面高さの測定を、炉の運転条件に係わりなく行うことができる外部循環式流動焼却炉とその運転方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、流動砂が循環する流動部に、固体可燃物、燃料及び流動空気を供給し、流動砂を分離するサイクロンを付設している外部循環式流動焼却炉であって、前記分離した流動砂を流動部に循環するサイクロンと流動部を接続する流動砂下降管と、該下降管の下部に流動部に連通したシール室とを有し、該シール室上部外壁に、該シール室内の砂層界面の高さを、レーザ光を、鉛直方向あるいは鉛直との角度が、シール室の砂層界面の水平との傾き角度のθの範囲内に、放射して検知するレーザ光レベル計を設置したことを特徴とする外部循環式流動焼却炉としたものである。
【0008】
前記流動焼却炉において、前記レーザ光レベル計には、レーザ光発光部から砂層界面高さまでのビーム(光束)部分の全長あるいは一部長さ部分に、該レーザ光ビームの外径以上の太さのさや管を設けることができ、前記さや管には、該管内にパージ用空気を吹込む空気供給管を配すると共に、該さや管内にレーザ光の反射光散乱を防止するための吸光剤を施すことができ、また、前記レーザ光レベル計には、前記取付けられたさや管の先端部とシール室砂層界面までの距離を一定値に保つ可動手段を設けることができる。
また、本発明では、前記外部循環式流動焼却炉の運転方法において、前記シール室砂層の界面高さをレーザ光レベル計で測定し、該測定値によってシール室の砂の移送量を増減させ、あるいは流動砂の補給を行い、シール室砂層界面高さを一定値に制御しながら運転することとしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、外部循環式流動焼却炉において、下降管下部のシール室上壁に、水平あるいはシール室砂層界面の傾き角度θと同じ範囲内の角度でレーザ光レベル計を設置し、レーザ光発光部からレーザビーム(光束)を鉛直にあるいは鉛直との角度θの範囲内に放射し、かつ、流動砂界面高さまでのビーム(光束)部分に、直管でビーム(光束)の外径より太い内径を有するさや管を設けると共に、該さや管内にパージ空気を吹込み、かつ、さや管内面にレーザ光の反射散乱を防止するための吸光剤を施すと共に、この測定値によってシール室の流動砂の移送量を増減させ、あるいは流動砂の補給を行うことによって、シール室内の砂層界面高さを制御しながら運転することとした。
【0010】
上記のように、下降管下部のシール室の流動砂界面高さの測定に、レーザ光レベル計を設置し、レーザ光発光部から流動砂界面までのビーム(光束)部分にさや管を設けると共に、さや管内にパージ空気を吹込むことによって、暗く、ダストが舞っているシール室内であっても、さや管内部及びさや管先端部分が清澄なパージ空気に置換されており、ダストが含まれないためレーザ光が乱反射せず、正確に流動砂界面高さを測定することができる。また、さや管の内径を大きくするか、あるいは内面にレーザ光吸光剤を施すことによって、砂界面から反射したレーザ光がさや管内で乱反射せずあるいはこの面で吸光されるため、砂層の界面から反射したレーザ光だけが吸光部に到達するので、正確に界面を測定することができる。また、炉をスケールアップした際には、シール室そのものが大きくなり、シール室外部上壁から流動砂界面までの距離が大きくなり、ダストの舞う燃焼排ガス層が厚くなるが、この場合、パージ空気の吹込まれたさや管の長さを長くすることによって、レーザ光が乱反射せず正確に砂層の界面高さを測定することができ、炉のスケールアップに係わりなく、正確な測定値を得ることができる。
【0011】
このように、レーザ光によって下降管下部のシール室内の砂層の界面高さを連続的に正確に測定することができるため、得られた測定値によって、シール室の(流動)砂の移送量を増減させ、砂層界面高さを一定値に制御、あるいは流動砂の補給タイミングを求めることができ、これらによって、炉内に投入された固体可燃物の燃焼を安定した状態に保つことができると共に、シール室内の(流動)砂に含まれるダスト含有率を小さくすることができ、流動砂が流動部に搬送されて、砂中バーナで加熱されても、ダストの含有量が少ないため、ダストと流動砂が融着して生成するクリンカ量が少なく、流動砂の粗大化あるいは炉壁への融着などのトラブルが発生しない。
【0012】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明のシール室の砂層界面高さを測定する外部循環式流動焼却炉を示す概略構成図である。
図1において、流動焼却炉1は、本体2、サイクロン3、下降管4及びシール室5から構成され、これに流動ブロア6、砂中バーナ7、スクリューフィーダ8、流動砂補給装置9、バグフィルタ10、誘引ファン11及び散気管12が具備されている。
本体2底部に滞留している流動砂16は、散気管12から噴出された流動ブロア6からの流動空気によって、本体2を吹抜けてサイクロン3で分級され、下降管4、シール室5を通り、もとの本体2下部に戻り外部循環する。本体2では、砂中バーナ7に供給された燃料Aと、流動ブロア6からの流動空気によって、スクリューフィーダ8から供給された固体可燃物を燃焼させる。
【0013】
下部の流動部13、中央部のフリーボード部14及び頂部15から構成される本体2の上部に接続されているサイクロン3は、上記燃焼物によって生成した燃焼排ガスとダスト、及び流動砂が分級され、流動砂は、下降管4とシール室5を通って本体2の下部、すなわち流動部13に返送(外部循環)される。
一方、サイクロン3で分級された燃焼排ガスと、粒子径の小さな流動砂及び燃焼物焼却灰のダスト(以後これらをダスト類と呼ぶ)は、バグフィルタ10に導かれて分離され、ダスト類は、バグフィルタ10の下部からダスト受け19に収容される。燃焼排ガスBは、誘引ファン11によって誘引され、大気に放出される。
下降管4下部のシール室5には、外部上壁面に流動砂界面検知計、すなわちレーザ光レベル計17が取付けられ、レーザ光発光部には、パージ空気Cの吹込まれるさや管18が取付けられている。
【0014】
シール室5の外部上壁面に、水平あるいはシール室砂層界面の傾き角度θと同じ角度の範囲内で、任意の角度に調整できるように設置されているレーザ光レベル計17は、さや管18ごと上下鉛直方向に移動し、任意の高さで固定でき、しかもさや管の先端位置が、砂層界面から20cm程度の距離(高さ)に保たれるように配備され、かつ、レーザ光レベル計17の設置位置と流動砂の界面高さの測定値が共に表示、あるいは加算されて表示され、これら測定値がある値以上になったら、流動砂補給装置9を作動させて一定量の流動砂が補給されるように、あるいはある値以下になったら、流動ブロア6の流動空気量を増加させ、シール室内の(流動)砂の移送量を増加させ、及び、サイクロン3内のガス流速を大きくし、これによってサイクロン3での流動砂に含まれるダストの分級効率を高め、下降管4のシール室5に戻る流動砂のダスト含有量を少なくし、結果として砂層の界面高さを低下させるなどの操作が行われる。
【0015】
レーザ光レベル計の取付け角度は、先に示したようにシール室外壁でレーザビーム(光束)が鉛直方向になるように、あるいは鉛直方向との角度θが、シール室の砂層界面の傾き角度の水平方向との角度θと一致するように取付けることが望ましい。鉛直との角度θ以上にレーザ光レベル計を取付けた場合、レーザ光の反射光がレーザ光レベル計の受光部に到達する量が減少し、正確な測定値が得られなくなる。よって、レーザ光レベル計の取付け角度は、上記θの範囲内とするのがよい。
【0016】
さや管18の先端位置が、流動砂界面から20cm程度の距離を保つようにレーザ光レベル計17を設置しているが、この距離が20cm程度以上になると、運転条件によっては舞っているダストの濃度が濃くなり、レーザ光がダストで散乱され、流動砂の界面まで透過せず、あるいは反射光がダストに散乱されて、受光部まで到着することができず、界面を正確に測定することができないことがある。さや管に吹込まれたパージ空気によって、さや管内部及び先端部分はダストを含まない清澄な空気に置換され、レーザ光の透過に支障を来さないが、さや管先端部から距離が離れるにしたがって、清澄な空気での置換ができなくなり、ダストによってレーザ光の透過率が減少し、正確な測定値が得られなくなる。また、流動砂の循環量が脈動した場合、先端部と流動砂界面との距離が20cm以下であると、サイクロン3から下降管4を通り、シール室5に戻る流動砂が、短時間に多量に戻った場合、さや管18先端部分が流動砂で埋まってしまい、正確な値の測定ができなくなる。
【0017】
レーザ光レベル計17の設置位置が、シール室5の上壁面に接し(設置高さ=0)、しかも流動界面高さがある値になった場合、流動砂の流出量が多くなり、シール室5での流動砂滞留量が減少し、界面高さが低下したと判定し、流動砂補給装置9を作動させて流動砂の補給を行うが、通常補給される流動砂は、常温で保管されているため短時間に多量を補給すると、炉内の温度が低下する以外に、補給された流動砂が、本体2、サイクロン3、下降管4を通過し、シール室5に戻るまである程度の時間を要するため、過剰に供給されることになり、少量ずつ数回にわけて補給する方がよい。
1回での補給量は、炉の大きさによって異なるが、運転開始前の流動砂の5wt%程度とする。たとえば、運転開始前に本体2の内底部に1tの流動砂が滞留している場合には、1回の補給量は50kg程度である。また、補給間隔は、運転条件によっても異なるが、30分以上であれば、流動砂の補給によって低下した炉内の温度は回復するので、この時間以上とする。
【0018】
さや管は、レーザ光ビーム(光束)と同心に、しかもビームの外径より太い内径をもつ直管である。さや管の長さは、シール室5の大きさによって異なるが、先に述べたように、通常、レーザ光レベル計の発光部から、シール室5の運転前流動砂界面高さまでの距離から20cmを差し引いた長さである。また、さや管の内径は、レーザビーム(光束)の外径以上であれば(通状ビーム外径=10mm程度)、特に数値を指定しないが、砂層界面からのレーザ光の乱反射、あるいは運転中にさや管が熱によって変形することがあるので、太いほどよいが、太くするとバージ空気Cの供給量が増加し、たとえばコンプレッサの容量が大きくなる。しかし、パージ空気量が多いほど、測定値の精度が高まると共に測定器本体及びさや管を冷却することができ、これらを熱による障害から護ることができる。また、さや管の内面には、レーザ光を吸収する吸光剤を塗布することが望ましい。これは、砂層界面から反射したレーザ光が、さや管内面で乱反射するのを防止するためで、さや管に到達したレーザ光を吸収させるもので、吸光剤としては黒色系の耐熱塗料あるいは炭化ケイ素などが適している。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
図2は、本発明の効果を確認するための実施例に用いた外部循環式流動焼却炉を示す構成図である。同図において、図1と同じ符号を付した部分は、同一部分を示すのでその説明は省略する。
図2の外部循環式流動焼却炉において、本体2の高さ、H1=15400mm、径、Φ1=600mmとし、サイクロン3は、径、Φ2=750mmとしている。シール室5の高さH2=2500mmとし、その上壁面には、レーザ光レベル計〔横河電気(株)製、LM400型〕が取付けられている。レーザビーム照射部には、パージ空気Cが吹込まれ、内面に炭化ケイ素が塗布されたさや管(内径=40mm、長さ=1500mm)の先端部が、流動砂界面から200mmに取付けられている。なお、シール室5の上壁の厚さは90mmである。
【0020】
上記構成の外部循環式流動焼却炉において、表1に示す固体可燃物を用いて運転を行った。ここで、運転開始前に炉内に投入した流動砂の量は、1.0tで、砂中バーナ7から供給された燃料は、20L/hとした。投入流動砂は、鋳物用硅砂JIS4号品と5号品の等量混合物、粒度分布は、0.25mm以下粒子含有率=0.3wt%、0.5mm以下粒子含有率=29.8wt%、1.0mm以下粒子含有率=90.0wt%、有効径=0.34mm、均等係数=1.7のものを用いた。
【0021】
この時、下降管4の下部シール室5の(流動)砂層界面高さは940mm、レーザ光レベル計17のさや管18と(流動)砂層界面高さの間隔は200mmであった。
【表1】
【0022】
表2に結果を示す。表2に示したデータは、本発明によってシール室内の砂層レベル界面を測定したものであり、脱水ケーキを200kg/h投入して処理した時の運転データで、炉の昇温開始時から炉の各部温度が安定した5時間後に脱水ケーキの投入を開始し、その後30時間運転して得られたデータである。
表2に示したように、運転開始時のシール室砂層界面高さは、シール室の上壁面から1650mmの位置であったが、予熱運転が完了した5.0時間後には1590mmの位置になっていた。これは、目視あるいは検尺棒で測定したところ、測定箇所が予熱開始時より60mm高くなっており、レーザ光レベル計の測定値と一致していたことを確認した。
【0023】
また、界面を覗き窓から目視したところ、界面は水平ではなく傾斜していた。このため、測定器の設置角度をシール室砂層界面と平行に設置した。その後、運転時間と共に流動砂がバグフィルタに流出し、界面が低くなっていった。30時間後にはレーザ光レベル計の設置高さがゼロになり、通常ではこの時点で流動砂の補給を行わなければならないが、流動砂の補給を行わず35時間まで運転を継続した。
図3に、レーザ光レベル計の設置位置についての説明図を示し、(a)は運転開始時、(b)は運転開始5時間後、(c)は運転開始30時間後のものである。
この結果、流動砂の界面はさらに低下し、さや管先端部と流動砂の界面は250mmになった。
このように、レーザ光レベル計と検尺俸での測定値は、流動砂の界面とさや管先端部の距離が250mmでも一致し、レーザ光レベル計の信頼性は高いことが確認できた。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例2
実施例2は、さや管にパージ空気を吹込まないで運転した例である。
表3にその結果を示す。表3に示したデータは、本発明によってシール室内の砂層レベル界面を測定したものであり、脱水ケーキを200kg/h投入処理時の運転データで、炉の昇温開始時から炉の各部温度が安定した5時間後に、脱水ケーキの投入を開始し、その後50時間運転して得られたデータであるが、さや管にパージ空気を吹込まないで測定したデータである。
表3に示したように、運転開始時のシール室砂層界面高さはシール室の上壁面から1650mmの位置であったが、予熱運転が完了した5.0時間後には1590mmの位置になっていた。これは実施例1で述べたように測定箇所が予熱開始時より60mm高くなっており、レーザ光レベル計の測定値と一致していたことを確認した。また、界面を覗き窓から目視したところ、実施例1と同様に砂層の界面は水平ではなく傾斜していた。このため、測定器の設置角度をシール室砂層界面と平行に設置した。
【0026】
その後、運転時間と共に流動砂がバグフィルタに流出し、界面が低くなっていった。35時間後には、レーザ光レベル計の設置高さがゼロになった。このまま運転を継続したところ、40時間目には、レーザ光レベル計での測定値は1800mmとなったが、検尺棒での測定値は1820mm、50時間目には、レーザ光レベル計での測定値は40時間目と同じ1800mmであったが、検尺棒での測定値は1850mmとなり、差が大きくなった。
このように、レーザ光レベル計と検尺棒での測定値は、流動砂の界面とさや管先端部の距離が300mm以上になると、さや管にパージ空気を吹込まないと、レーザ光レベル計の信頼性は低くなることが確認できた。
【0027】
【表3】
【0028】
実施例3
実施例3は、さや管にパージ空気を吹込み、流動砂の補給をし、シール室内砂層界面高さの制御をした例である。
表4にその結果を示す。表4に示したデータは、表3に示した運転条件と同じで、脱水ケーキを200kg/h投入処理した時のデータであり、運転途中で流動砂の補給、あるいは流動空気量を増加させて、シール室の砂層界面を制御した時のデータである。
表4に示したように、炉の予熱開始から炉内の温度が安定した5時間後に、脱水ケーキの投入を開始した。運転開始から25時間後に、レーザ光レベル計の設置高さがゼロになり、流動砂補給装置を作動して、4号硅砂30kgと5号硅砂30kg、計60kgを炉内に投入した。
【0029】
1時間経過した後の26時間目に、流動砂の界面を測定したところ、流動砂の界面が50mm高くなっていた。この値を確認した後、流動空気量を400から350Nm3/hに減少させて、この状態で運転を継続したところ、シール室の(流動)砂層の界面は徐々に高くなり、35時間目の9時間後にはさらに高くなり、レーザ光レベル計の設定位置は150mmになった。この値を確認した後、流動空気量を350から400Nm3/hに増加させて運転を継続したところ、(流動)砂層の界面は100mm低下した。
このように、レーザ光レベル計の砂層界面高さ測定値によって流動砂の補給、あるいは流動空気量の設定値を変更することによって、流動砂の界面高さを制御できた。
【0030】
【表4】
【0031】
参考例1
参考例は、レーザ光レベル計レーザビーム(光束)部分にさや管を取付けず、直接砂層界面の測定を行った例であり、表5にその結果を示す。
【表5】
表5に示したように、レーザ光レベル計レーザビーム部分にさや管を取付けないで、シール室砂層界面を測定したところ、シール室内の舞っているダストによってレーザ光が乱反射し、その測定値は不正確であった。すなわち、検尺棒との測定値とかけ離れた値が指示されていた。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a)レーザ光発光部から流動砂界面までのビーム(光束)部分にさや管を設けると共に、さや管内にパージ空気を吹込むことによって、暗く、ダストが舞っているシール室内であっても、さや管内部及びさや管先端部分が清澄なパージ空気に置換されており、ダストが含まれないためレーザ光が乱反射せず、正確に流動砂界面高さを測定することができる。
(b)さや管の内径を大きくするが、あるいは内面にレーザ光吸光剤を施すことによって、砂界面から反射したレーザ光がさや管内で乱反射せずあるいはこの面で吸光されるため、砂層の界面から反射したレーザ光だけが吸光部に到達するので、正確に界面を測定することができる。
【0033】
(c)(a)と(b)のように、砂層の界面高さを連続的に正確に測定することができるため、得られた測定値によってシール室の(流動)砂の移送量を増減させ、砂層界面高さを一定値に制御、あるいは流動砂の補給タイミングを求めることができ、これらによって炉内に投入された固体可燃物の燃焼を安定した状態に保つことができる。
(d)シール室内の(流動)砂に含まれるダスト含有率を小さくすることができ、流動砂が流動部に搬送され砂中バーナで加熱されても、ダストの含有量が少ないため、ダストと流動砂が融着して生成するクリンカ量が少なく、流動砂の粗大化あるいは炉壁への融着などのトラブルが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外部循環式流動焼却炉の一例を示す概略構成図。
【図2】実施例に用いた外部循環式流動焼却炉を示す構成図。
【図3】実施例1のレーザ光のレベル計の設置位置の説明図で、(a)運転開始時、(b)運転開始5時間後、(c)運転開始30時間後である。
【符号の説明】
1:流動焼却炉、2:本体、3:サイクロン、4:下降管、5:シール室、6:流動ブロア、7:砂中バーナ、8:スクリューフィーダ、9:流動砂補給装置、10:バグフィルタ、11:誘引ファン、12:散気管、13:流動部、14:フリーボード部、15:頂部、16:流動砂、17:レーザ光レベル計、18:さや管、19:ダスト受け、A:燃料油、B:燃焼排ガス、C:パージ空気
Claims (5)
- 流動砂が循環する流動部に、固体可燃物、燃料及び流動空気を供給し、流動砂を分離するサイクロンを付設している外部循環式流動焼却炉であって、前記分離した流動砂を流動部に循環するサイクロンと流動部を接続する流動砂下降管と、該下降管の下部に流動部に連通したシール室とを有し、該シール室上部外壁に、該シール室内の砂層界面の高さを、レーザ光を、鉛直方向あるいは鉛直との角度が、シール室の砂層界面の水平との傾き角度のθの範囲内に、放射して検知するレーザ光レベル計を設置したことを特徴とする外部循環式流動焼却炉。
- 前記レーザ光レベル計には、レーザ光発光部から砂層界面高さまでのビーム(光束)部分の全長あるいは一部長さ部分に、該レーザ光ビームの外径以上の太さのさや管を設けたことを特徴とする請求項1記載の外部循環式流動焼却炉。
- 前記さや管には、該管内にパージ用空気を吹込む空気供給管を配すると共に、該さや管内にレーザ光の反射光散乱を防止するための吸光剤を施したことを特徴とする請求項2記載の外部循環式流動焼却炉。
- 前記レーザ光レベル計には、前記取付けられたさや管の先端部とシール室砂層界面までの距離を一定値に保つ可動手段を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の外部循環式流動焼却炉。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の外部循環式流動焼却炉の運転方法において、前記シール室砂層の界面高さをレーザ光レベル計で測定し、該測定値によってシール室の砂の移送量を増減させ、あるいは流動砂の補給を行い、シール室砂層界面高さを一定値に制御しながら運転することを特徴とする外部循環式流動焼却炉の運転方法。
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- 2002-10-24 JP JP2002309894A patent/JP2004144391A/ja active Pending
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