JP2004144062A - バルブメカニズム - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンを介して、こじれ等の不都合が生じることがなく、バルブの良好な開閉駆動を可能とするバルブメカニズムを提供する。
【解決手段】ロッカブリッジ3を介するエンジンのバルブメカニズムにおいて、ロッカブリッジ3上端面には、ロッカアーム当接部12が形成されており、ロッカアーム当接部12は、シリンダ部5内部に昇降自在に嵌合されたピストン6の上面に支持されており、ピストン6の下面には油室7が形成され、ピストン6の最上端位置と最下端位置とを決定するストッパー11aが設けられており、ガイドピン2がガイド孔3bに昇降自在に挿入されており、ガイドピン2には圧油ポート8がその周面に設けられ、油圧ポート8に対向すべく制御ポート9を前記油室7に接続すると共に、エンジンの運転状態に応答して油圧ポート8を圧油供給手段とオイルパンに切換接続する制御弁が設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】ロッカブリッジ3を介するエンジンのバルブメカニズムにおいて、ロッカブリッジ3上端面には、ロッカアーム当接部12が形成されており、ロッカアーム当接部12は、シリンダ部5内部に昇降自在に嵌合されたピストン6の上面に支持されており、ピストン6の下面には油室7が形成され、ピストン6の最上端位置と最下端位置とを決定するストッパー11aが設けられており、ガイドピン2がガイド孔3bに昇降自在に挿入されており、ガイドピン2には圧油ポート8がその周面に設けられ、油圧ポート8に対向すべく制御ポート9を前記油室7に接続すると共に、エンジンの運転状態に応答して油圧ポート8を圧油供給手段とオイルパンに切換接続する制御弁が設けられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッカブリッジの昇降駆動を応答性良く行うことができ、これを介するバルブの開閉駆動においても良好な駆動を可能とするエンジンのバルブメカニズムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
膨張行程の途中で排気バルブを補助的に開弁させることによりピストンに加わる膨張力を軽減してエンジンブレーキの効きを改善するようにした圧縮開放型ブレーキ、あるいは、吸入行程の途中で排気バルブを一時的に開弁させることにより排気ポートに残留する排気の一部をシリンダ内に戻して燃焼温度を制御するようにした内部EGRはよく知られている。
【0003】
このように排気バルブを補助的に開閉させるために、特許文献1には、ロッカブリッジの昇降駆動を制御するバルブメカニズムにおいて、ロッカブリッジを昇降駆動させるカムの他、エンジンの運転状態に応じて油圧ポートを圧油供給手段とオイルパンに切換接続する制御弁を設けることにより、制御弁を開閉制御するのみでエンジンの運転状態に応じてバルブの開弁特性を変更することができるメカニズムが開示されている。
【0004】
しかしながら、このような従来のバルブメカニズムにあっては、図2に示すように、2つのピストン6がロッカブリッジ3の両方のアーム3cの先端部分に各々別個に取り付けられているため、両方のピストン6の高さのばらつきや油圧およびスプリング力等の違いによりストロークのばらつき等が生じる場合があった。このような高さおよびストローク等のばらつきは、シリンダヘッド1に立設されたガイドピン2が昇降する際に、こじれ等の不都合を発生させる要因となりロッカブリッジ3の良好な昇降を妨げていた。さらに、このロッカブリッジ3の昇降を介して行われる排気バルブ4の開閉においてもその良好な開閉を困難としていた。
【0005】
このような不都合を解消するために、本発明者等により、両方のピストンの高さを調整する手段が提案されているが、調整に用いるねじ等の組み込みが困難であることや、高さを調節する手段が組み込まれた部分等において生じる油漏れにより油圧が低下する等の問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−112234号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ロッカブリッジに設けられたピストンを介して行われるガイドピンの昇降駆動において、こじれ等の不都合が生じることがなく、バルブの良好な開閉駆動を応答性良く可能とするバブルメカニズムを提供することを主目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、シリンダヘッドに昇降自在に取り付けられたロッカブリッジを介してバルブを開閉駆動するようにしたエンジンのバルブメカニズムにおいて、上記ロッカブリッジ上端面には、ロッカアームの一端部下面が当接するロッカアーム当接部が形成されており、上記ロッカアーム当接部は、上記ロッカブリッジ上面側に形成されたシリンダ部内部に昇降自在に嵌合されたピストンの上面に支持されており、上記ピストンの下面には油室が形成され、上記シリンダ部の内部には、ピストンの最上端位置と最下端位置とを決定するストッパーが設けられており、上記シリンダヘッドに立設したガイドピンが上記ロッカブリッジの脚部に設けられたガイド孔に昇降自在に挿入さており、上記ガイドピンには圧油供給手段に接続された油圧ポートがその周面に設けられ、上記油圧ポートに対向すべく上記ガイド孔の内周面に設けられた制御ポートを上記油室に接続すると共に、エンジンの運転状態に応答して油圧ポートを圧油供給手段とオイルパンに切換接続する制御弁が設けられ、上記ロッカブリッジのアームの両先端部下面には、上記バルブのステムの上端面が連結されていることを特徴とするバルブメカニズムを提供する。
【0009】
本発明においては、ロッカアーム当接部を、ロッカブリッジの上面側に形成されたシリンダ部内部に嵌合されたピストンの上面に形成することにより、ロッカアームの揺動に応じてロッカアーム当接部が昇降し、これに連動して、ピストンを昇降駆動させることができる。従って、従来のようにロッカブリッジのアームの先端部分にピストン機構を設けていた場合には必要であったピストンの高さの調節等を行う必要がなく、また、2つのピストン機構が別個に存在していたことにより生じていた問題点、例えば、バルブの高さのばらつき、油圧およびスプリング力等に左右される各ピストンのストロークの違い等が生じることがなく、ロッカブリッジの良好な昇降が可能となる。さらに、このロッカブリッジの昇降を介して行われるバルブの開閉においても、その良好な開閉が容易に可能となる。
【0010】
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記ピストンおよび上記ロッカアーム当接部には、上記ロッカアーム当接部上面から上記ピストンの下面にかけて貫通孔が形成され、上記貫通孔は上記油室と接続しており、上記ロッカアーム当接部にロッカアームの一端部下面が当接し、ロッカアーム当接部を押圧する際には、上記貫通孔は上記ロッカアームの一端部下面によりシールされることが好ましい。
【0011】
ロッカアーム当接部がロッカアームにより押圧され、油室が油密となっている状態から、ロッカアーム当接部がロッカアームにより押圧されず、油室内の油圧が低下する状態へと移行する際に、貫通孔を経由して、油室内部のオイルを油室外へ流出させることができるため、ピストンがシリンダ部内を下降する速度を速くすることができる。従って、このような移行に対するピストンの応答性を向上させることができるのである。
【0012】
上記請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記ロッカアーム当接部には、上記ロッカアームの一端部下面により上記ロッカアーム当接部が押圧されている際に、上記貫通孔からの油漏れを防止するO−リングが設けられていることが好ましい。上述した位置にO−リングを設けることにより、ロッカアーム当接部にロッカアームの一端部下面が当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部を押圧している際に、貫通孔からの油漏れを防止することができ、油室内部の油圧を低下させることがないからである。
【0013】
上記請求項2または請求項3に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記貫通孔のピストン下面側には、貫通孔油室が形成されており、上記貫通孔油室の内部には、上記ロッカアームの一端部下面により上記ロッカアーム当接部が押圧されている際に、上記貫通孔をふさぐボールが配置されていることが好ましい。
【0014】
上記ボールは、油室内の油圧が上昇するにつれ、その油圧の影響により貫通孔油室の上部に押し遣られるため、油室が油密状態に達すると、貫通孔をふさぐことができる。従って、ロッカアームと連動してピストンが昇降駆動している際には、油室は油密状態にあることから貫通孔はボールによりふさがれているため貫通孔からの油漏れを防止することができ、油室内部の油圧を低下させることがないからである。
【0015】
上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項5に記載するように、上記油室と、上記制御ポートとは、制御ポート側油路により接続されており、上記制御ポート側油路には逆止弁が設けられていてもよい。
【0016】
上述した位置に逆止弁を設けることにより、油室が油密状態にある時は、逆止弁の作用によりオイルが制御ポートへと流れることがないため、逆止弁の下側に位置する制御ポート、油圧ポートおよびガイドピン内に設けられている油圧ポート側油路等が過度な油密状態になることが回避される。従って、例えばガイド孔とガイドピンとの摺動部分において過度に油圧がかかることにより生じるおそれがある油漏れを防止することができる。よって、ロッカアームの振動に連動してロッカブリッジが昇降駆動している際に、過度な油圧を要因とする摺動部分からの油漏れを防止できる効果がある。
【0017】
上記請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項6に記載するように、上記ロッカブリッジを昇降駆動させ、バルブの開閉駆動を行う際、左右のバルブの高さのばらつきを調整する高さ方向調整手段を有することが好ましい。このような高さ方向調整手段を組み込むことにより、バルブの高さのばらつきが小さくなり、良好なガイドピンの昇降駆動を可能とする。また、本発明においては、ロッカブリッジの上面側にシリンダ部を設けていることから、ロッカブリッジのアームの先端部分の構造が簡略化され容易に高さ方向調整手段を組み込むことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエンジンのバルブメカニズムについてその一実施態様を図1を用いて説明する。
【0019】
まず、図1に示すように、エンジンのシリンダヘッド1の上面にガイドピン2を立設し、ロッカブリッジ3の脚部3aに設けたガイド孔3bにガイドピン2を昇降自在に挿入してロッカブリッジ3をシリンダヘッド1に昇降自在に取り付ける。そして、ガイドピン2を挟んだ対向位置にそれぞれポペット型の排気バルブ4を取り付けるとともに、脚部3aの上端から図中左右に伸びるアーム3cの先端部下面は、上記排気バルブ4のステム4aの延長線上に臨ませている。
【0020】
さらに、本実施態様においては、ロッカブリッジ3のロッカアーム15の一端部下面15cが当接する部分であるロッカアーム当接部12が、前記ロッカブリッジ3の上面側に形成されたシリンダ部5内部に昇降自在に嵌合されたピストン6の上面に形成されている。これにより、ロッカアーム15の揺動に応じてロッカアーム当接部12が昇降し、これに連動してピストン6が昇降駆動する。また、ピストン6の下面には、油室7が形成されており、当該油室7と制御ポート9および油圧ポート8とが制御ポート側油路21を介して接続されている。
【0021】
本実施態様においては、図2に示すように、従来ロッカブリッジ3の両方のアーム3cの先端部分に各々別個にピストン6を設けていたことにより、別個に2つのピストン機構が存在していたことを要因とする問題点、例えば、両方のピストン6の高さのばらつきや、油圧およびスプリング力等の違いにより生じるストロークのばらつき等が生じる心配がなく、これらを要因とするガイドピン2のガイド孔3b内におけるこじれ等を防止することができる。従って、ピストン機構を介して行われるガイドピン2の昇降が良好に進行するため、これを介したロッカブリッジ3の昇降駆動も良好となる。さらに、このロッカブリッジ3の昇降を介して行われる排気バルブ4の開閉においてもその良好な開閉が容易に可能となる。
【0022】
また、図4は、本実施態様におけるピストンおよびロッカアームの一端部下面の一例を示した概略断面図である。本実施態様においては、図4に示すように、上記ピストン6およびロッカアーム当接部12には、当該ロッカアーム当接部12上面から当該ピストン6下面にかけて貫通するように形成され、前記油室と接続している貫通孔23が形成されていてもよく、このような貫通孔23を設けた場合には、ロッカアーム当接部12にロッカアームの一端部下面15cが当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部12を押圧している際に、当該貫通孔23はロッカアームの一端部下面15cによりシールされることが好ましい。このようにすることで、ロッカアーム当接部12にロッカアームの一端部下面15cが当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部12を押圧している際には、貫通孔23はロッカアームの一端部下面15cによりシールされているため、貫通孔23からの油漏れが防止されるのである。一方、ロッカアームがロッカアーム当接部12から離れた際には、貫通孔23から油室内部のオイルは油室外へ流出する。よって、例えば、図1に示す油室7の油圧が上昇しピストン6がシリンダ部5の上部方向へ押し上げられ、油室7が油密状態に達し、ロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3が昇降駆動している状態から、ロッカアーム当接部12がロッカアーム15により押圧されず、油室7内の油圧が低下する状態へと移行する際に、当該貫通孔23から油室7内部のオイルが流出するため、ピストン6は速やかにシリンダ部5の下部方向へ移動する。よってそのような移行に対するピストン6の応答性を向上させることができる。
【0023】
このような貫通孔23を有するピストン6に対して、図4に示すように、ロッカアームの一端部下面15cを平面状のピポットタイプとすることが好ましく、これにより貫通孔23のシール性を向上させることができる。
【0024】
また、このように貫通孔23を設けた場合において、ロッカアーム15がロッカアーム当接部12を押圧している際に貫通孔23からの油漏れを防止する手段としては、油漏れを容易に防止することができる手段であれば特に限定はされない。例えば、図5(a)に示すように、ロッカアーム当接部12上面にO−リング24を設ける手段や、図5(b)に示すように、貫通孔23のピストン6下面側に貫通孔油室25を形成し、その内部にボール26を配置する手段等を挙げることができる。O−リング24を設ける手段およびボール26を設ける手段はシール性を高める効果があるため、ロッカアーム15がロッカアーム当接部12を押圧している際に、貫通孔23からの油漏れを効果的に防止することができるからである。
【0025】
具体的には、図5(a)に示すように、ロッカアーム当接部12上面からピストン6の下面にかけて貫通孔23が形成されている場合に、ロッカアーム当接部12上面に形成された溝30の内部にO−リング24を配置する。これにより、ロッカアーム当接部12にロッカアームの一端部下面が当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部12を押圧すると、O−リング24は圧縮されるため、O−リング24の性質からロッカアーム当接部12とロッカアームの一端部下面とのシール性を向上させるのである。従って、ロッカアームの振動に伴いピストン6が昇降駆動している際に、貫通孔23からの油漏れを容易に防止することができる。一方、図5(b)には、ロッカアーム当接部12上面からピストン6下面にかけて貫通孔23が形成されており、当該貫通孔23のピストン6下面側には、貫通孔油室25が設けられているロッカアーム当接部12およびピストン6が示されている。さらに、この貫通孔油室25の内部にはボール26が配置されている。このボール26は、ピストン6の下面に形成されている油室の油圧が上昇すると、貫通孔油室25の上部に押しやられ、最終的に油室が油密状態に達すると、貫通孔23の下側をふさぐこととなる。従って、ロッカアームの振動に連動してピストン6が昇降駆動している際には、油室は油密状態となっているため貫通孔23の下側は当該ボール26によりふさがれ、貫通孔23からの油漏れを防止することができるのである。また、ピストン6の油圧が低下した状態へ移行した際は、ボール26は貫通孔23下側より離れストッパー25´によりボール26は停止する。さらに、貫通孔23の下側をボール26にてふさぐ方法以外に、図5(c)に示すように、概略断面図がコの字形のシール部材28を適用することも可能である。このコの字形のシール部材28は、ピストン6の油圧が上昇または低下した際に図5に示すボール26と同様の挙動を示し、同様の効果を得ることができる。
【0026】
これらO−リング24、ボール26およびコの字形のシール部材28は、単独でピストン6に設けられていていてもよいが、例えば、O−リング24およびボール26、O−リング24およびコの字形のシール部材28のように組み合わせて用いることにより、その相乗効果からより一層、ロッカアームの振動に連動してピストン6が昇降駆動している際に貫通孔23からの油漏れを防止することができるため好ましい。
【0027】
また、図5および後述する図6に示す場合において、ロッカアーム15の一端部下面15cを平面状のピペットタイプとすることが好ましい。O−リング24、27、ボール26、およびコの字形のシール部材28の少なくとも一つを設け、かつロッカアーム15の一端部下面15cを図4に示すように平面状のピペットタイプとすることにより、貫通孔23のシール性をより向上させることができるからである。
【0028】
また、図1に示す実施態様は、ロッカアーム当接部12がロッカブリッジ3上面に設けられた一つのシリンダ部5内部のピストン6上面に支持されている例であるが、本実施態様はこれに限定されるものではなく、必要に応じてロッカブリッジ上面には複数個のシリンダ部が形成されていてもよく、ロッカアーム当接部はこの複数個のシリンダ部内部の複数個のピストンにより支持されたものであってもよい。
【0029】
また、ピストン6が昇降自在に嵌合されているシリンダ部5においては、ピストン6が昇降駆動する際に、その最上端位置と最下端位置とを決定する上部ストッパー11aおよび下部ストッパー11bが設けられている。このように上部ストッパー11aおよび下部ストッパー11bを設けることにより、従来、油圧およびスプリング力等により決定されていたストロークを、これらのストッパーにより規定することができるため、所望のストロークとすることができる。
【0030】
このようなピストン6のストロークを一定に規定する上部ストッパー11a、下部ストッパー11bとしては、ピストン6が所望のストローク範囲以外に昇降することを阻止できるものであれば特に限定はされない。具体的には、シリンダ部5の径方向内側に張り出すように凸部を設ける場合や、シリンダ部5の上方または下方の側壁をシリンダ部5の径方向内側に張り出すように形成する場合、さらにピストン6の内径よりも開口部分の内径が狭いワッシャーを設置する場合等を挙げることができる。
【0031】
また、本実施態様においては、アーム3cの先端に取り付けられた両方の排気バルブ4の高さを調節するために、少なくとも一方のアーム3cの先端部分に高さを調節する高さ方向調整手段10を設けてもよい。このような高さ方向調整手段10としては、排気バルブ4を上下に移動させることができ、所望の位置で排気バルブ4を固定することができる手段であれば特に限定はされない。具体的には、一方のアーム3cの上面から下面にかけて組み込まれているアジャストスクリュー10aの下端面が排気バルブ4のステム4aの上端面に接続されており、アジャストスクリュー10aを上下に移動させることにより、一方の排気バルブ4の高さとアジャストスクリュー10aの下面に接続されている排気バルブ4の高さをあわせ、両方の排気バルブ4の高さが同位置となった位置で、ナット10b等の固定具を用いてアジャストスクリュー10aをアーム3cに固定する手段等を挙げることができる。
【0032】
また、本実施態様においては、ロッカブリッジ3の上面側にシリンダ部5を設けていることから、排気バルブ4のステム4aは直接ロッカブリッジ3のアーム3cの先端部下面と連結させることができ、構造の簡略化を図ることができる。従って、図1に示すように、上述した高さ方向調整手段10をアーム3cに取り付ける際の調節ねじ、例えばアジャストスクリュー10a等のアーム3cへの組み込みが容易となる。また、アーム3cの内部には油路が形成されていないことから、アジャストスクリュー10aが組み込まれている部分等から油漏れが生じることがなく、油圧の低下が生じる可能性が少ない。
【0033】
さらに、前記ガイドピン2の上端近傍周面には油圧ポート8を設ける一方、ロッカブリッジ3が上端位置に保持されているときに油圧ポート8に対向する制御ポート9をガイド孔3bの内周面に設けている。そして、制御ポート9と油室7をロッカブリッジ3に設けた制御ポート側油路21を介して接続することにより、ロッカブリッジ3が上端位置に保持されているときは油圧ポート8が制御ポート9および制御ポート側油路21を介して油室7に接続されるようにしている。
【0034】
エンジンの運転にともなって駆動される油圧ポンプ20を圧油供給手段として設け、この油圧ポンプ20の吐出口に制御弁13のポンプポート13aを接続している。制御弁13にはポンプポート13aの他に開放ポート13bおよび出力ポート13cを設けている。そして、開放ポート13bをエンジンのオイルパン14に開放させるとともに、出力ポート13cをガイドピン2に設けた油圧ポート側油路22を介して油圧ポート8に接続している。なお、制御弁13は図示しないコントローラの指令により油圧ポート8を油圧ポンプ20の吐出口とオイルパン14に切換接続する。
【0035】
ロッカブリッジ3の上方に配設したロッカアーム15の一端部下面15cは、ロッカアーム当接部12に当接されている。ロッカアーム15の他端先端部にはローラ15aを介してカム16を当接させることにより、エンジンの運転にともなってカム16が回転駆動されると、ロッカアーム15の一端部下面15cと当接しているロッカカーム当接部12と連動してピストン6が昇降駆動し、このようなピストン6の昇降駆動を介してステム4aが押し下げられて排気バルブ4が開かれるようにしている。
【0036】
カム16は、リフト量を発生するノーズ16aを備えている。ノーズ16aにより従来公知の排気行程においてロッカアーム15、ロッカブリッジ3およびピストン6などを介して排気バルブ4を開弁作動させる。15bはロッカシャフト、17はサクションフィルタ、19はエアブリーザであり、油圧ポンプ20の内部あるいは制御弁13より油圧ポンプ20側の油路に図示しないリリーフバルブを設けることにより、制御弁13のポンプポート13aに供給される油圧が所定値を越えないようにしている。
【0037】
上記の構成からなるエンジンのバルブメカニズムにおいて、エンジンの運転にともなって油圧ポンプ20が駆動されると、オイルパン14のオイルが油圧ポンプ20から吐出されて制御弁13のポンプポート13aに供給される。また、エンジンが通常の状態で運転されているときは制御弁13のポンプポート13aが閉じられて出力ポート13cが開放ポート13bに接続されている。従って、油圧ポンプ20から吐出されたオイルは逆止弁18を通って油圧ポート8に供給されるが、制御弁13の出力ポート13cが開放ポート13bに接続されているために、油圧ポンプ20から吐出されたオイルは逆止弁18を通ってオイルパン14に戻されて油室7の圧力は大気圧とほぼ等しくなっている。
【0038】
この状態でカム16が回転してロッカアーム15を図1中反時計回りの方向に揺動させると、ロッカアーム当接部12と連動してピストン6が押し下げられる。すると、ピストン6とともにロッカブリッジ3が下降してステム4aを押し下げようとするが、ロッカブリッジ3は排気バルブ4の開弁付勢力で上昇位置に保持されようとしている。
【0039】
従って、ピストン6が下部ストッパー11bに当接する以前は、ピストン6の下降にともなって油室7のオイルは制御ポート側油路21から制御ポート9および油圧ポート8に逆流し、ガイドピン2に設けた油圧ポート側油路22から制御弁13を通ってオイルパン14にオイルが流出するために、ロッカブリッジ3が相対的に上昇する。従って、排気バルブ4は閉弁状態に保持される。この際、図1に示す実施態様において、図4および図5に示すように、ロッカアーム当接部12上面からピストン6下面にかけて貫通孔23が形成されている場合には、当該貫通孔23からもオイルが流出するため、ピストン6が下部ストッパー11bに当接するまでの時間を短縮することができ、ピストン6の応答性を向上させることができる。
【0040】
さらに、ロッカアーム15の揺動角度が大きくなってピストン6が下部ストッパー11bに当接すると、ロッカブリッジ3はピストン6と一体となって下降するために、ロッカブリッジ3の下降にともなってステム4aが押し下げられて排気バルブ4が開かれる。
【0041】
ところが、図示しないコントローラからの指令により制御弁13が閉弁作動して出力ポート13cがポンプポート13aに接続されているときは、エンジンの運転中は油圧ポンプ20の吐出圧力が油圧ポート8に供給保持されている。従って、この場合は制御ポート9からオイルが流出しないために、ピストン6が下部ストッパー11bに当接する以前に油室7は油密状態となり、ピストン6の下降当初からロッカブリッジ3は、ステム4aを押し下げることになり、排気バルブ4はカム16のプロフィールに従って開弁駆動される。
【0042】
また、図1では、逆止弁18が、制御弁13と並列になるように設けられているが、図3に示すように、逆止弁18は、制御ポート9と油室7とを接続する制御ポート側油路21に設けられていてもよい。このような位置に逆止弁18を設けることにより、例えば、油室7が油密状態にある時は、逆止弁18により制御ポート側油路21へのオイルの流出が妨げられるため、油圧ポート8から制御弁13に至るまでが油密状態になくとも、油室7が油密状態にあれば、ロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3を昇降駆動させることが可能である。従って、油圧ポート8から油圧ポート側油路22、さらには、制御弁13に至るまでは、過度な油密状態になることが避けられるため、ガイド孔3bとガイドピン2との摺動部分において油漏れが生じるおそれが少ない。従って、制御ポート側油路21に逆止弁18を設けることにより、ロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3が昇降駆動している際に、過度な油圧を要因とする摺動部分からの油漏れを防止することができる。
【0043】
さらに、本実施態様においては、図6に示すように、ピストン6の側面にO−リング27を設けることが好ましい。これは、ロッカアーム15と連動してロッカブリッジ3が昇降駆動する際には、油室7に過度な油圧がかかる場合があり、このような過度な油圧は、シリンダ部5とピストン6とにおける摺動部分から油漏れを生じさせるといった不都合を引き起こす可能性がある。そこで、本実施態様においては、ピストン6の側面にO−リング27を設けることにより、O−リング27がシリンダ部5の内壁へ密着するため、シリンダ部5とピストン6とにおける摺動部分からの油漏れを防止することができるからである。
【0044】
また、上記実施態様では排気バルブ4を開閉駆動するバルブメカニズムに本発明を適用しているが、これを吸気バルブのバルブメカニズムに適用してエンジンの運転状態に応答して吸気バルブの開弁時期を最適制御することもできる。さらに、上記実施態様においては油圧ポンプで圧油供給手段を構成しているが、エンジンに装備されているオイルポンプで圧油供給手段を構成することもできる。
【0045】
さらに、上記実施態様では、本発明のバルブメカニズムに逆止弁18を制御ポート側油路21に設ける場合を示したが、これは図2に示す、従来のバルブメカニズムに適用してもよく、この場合も同様にロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3が昇降駆動している際に、過度な油圧を要因とする摺動部分からの油漏れを防止できる効果がある。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、ロッカアーム当接部を、ロッカブリッジの上面側に形成されたシリンダ部内部に嵌合されたピストンの上面に形成することにより、ロッカアームの揺動に応じてロッカアーム当接部が昇降し、これに連動して、ピストンを昇降駆動させることができる。従って、従来のようにロッカブリッジのアームの先端部分にピストン機構を設けていた場合には必要であったピストンの高さの調節等を行う必要がなく、また、2つのピストン機構が別個に存在していたことにより生じていた問題点、例えば、バルブの高さのばらつき、油圧およびスプリング力等に左右される各ピストンのストロークの違い等が生じることがなく、ロッカブリッジの良好な昇降が可能となる。さらに、このロッカブリッジの昇降を介して行われるバルブの開閉においても、その良好な開閉が容易に可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブメカニズムの一例を示す概略断面図である。
【図2】従来のバルブメカニズムの一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明のバルブメカニズムの他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明におけるロッカアーム当接部およびピストンの一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明におけるロッカアーム当接部およびピストンの他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明におけるロッカアーム当接部およびピストンの他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … シリンダヘッド
2 … ガイドピン
3 … ロッカブリッジ
3a … 脚部
3b … ガイド孔
4 … 排気バルブ
4a … ステム
5 … シリンダ部
6 … ピストン
7 … 油室
8 … 油圧ポート
9 … 制御ポート
11a …上部ストッパー
11b …下部ストッパー
12 …ロッカアーム当接部
13 … 制御弁
15 … ロッカアーム
15c … ロッカアームの一端部下面
20 … 油圧ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッカブリッジの昇降駆動を応答性良く行うことができ、これを介するバルブの開閉駆動においても良好な駆動を可能とするエンジンのバルブメカニズムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
膨張行程の途中で排気バルブを補助的に開弁させることによりピストンに加わる膨張力を軽減してエンジンブレーキの効きを改善するようにした圧縮開放型ブレーキ、あるいは、吸入行程の途中で排気バルブを一時的に開弁させることにより排気ポートに残留する排気の一部をシリンダ内に戻して燃焼温度を制御するようにした内部EGRはよく知られている。
【0003】
このように排気バルブを補助的に開閉させるために、特許文献1には、ロッカブリッジの昇降駆動を制御するバルブメカニズムにおいて、ロッカブリッジを昇降駆動させるカムの他、エンジンの運転状態に応じて油圧ポートを圧油供給手段とオイルパンに切換接続する制御弁を設けることにより、制御弁を開閉制御するのみでエンジンの運転状態に応じてバルブの開弁特性を変更することができるメカニズムが開示されている。
【0004】
しかしながら、このような従来のバルブメカニズムにあっては、図2に示すように、2つのピストン6がロッカブリッジ3の両方のアーム3cの先端部分に各々別個に取り付けられているため、両方のピストン6の高さのばらつきや油圧およびスプリング力等の違いによりストロークのばらつき等が生じる場合があった。このような高さおよびストローク等のばらつきは、シリンダヘッド1に立設されたガイドピン2が昇降する際に、こじれ等の不都合を発生させる要因となりロッカブリッジ3の良好な昇降を妨げていた。さらに、このロッカブリッジ3の昇降を介して行われる排気バルブ4の開閉においてもその良好な開閉を困難としていた。
【0005】
このような不都合を解消するために、本発明者等により、両方のピストンの高さを調整する手段が提案されているが、調整に用いるねじ等の組み込みが困難であることや、高さを調節する手段が組み込まれた部分等において生じる油漏れにより油圧が低下する等の問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−112234号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ロッカブリッジに設けられたピストンを介して行われるガイドピンの昇降駆動において、こじれ等の不都合が生じることがなく、バルブの良好な開閉駆動を応答性良く可能とするバブルメカニズムを提供することを主目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、シリンダヘッドに昇降自在に取り付けられたロッカブリッジを介してバルブを開閉駆動するようにしたエンジンのバルブメカニズムにおいて、上記ロッカブリッジ上端面には、ロッカアームの一端部下面が当接するロッカアーム当接部が形成されており、上記ロッカアーム当接部は、上記ロッカブリッジ上面側に形成されたシリンダ部内部に昇降自在に嵌合されたピストンの上面に支持されており、上記ピストンの下面には油室が形成され、上記シリンダ部の内部には、ピストンの最上端位置と最下端位置とを決定するストッパーが設けられており、上記シリンダヘッドに立設したガイドピンが上記ロッカブリッジの脚部に設けられたガイド孔に昇降自在に挿入さており、上記ガイドピンには圧油供給手段に接続された油圧ポートがその周面に設けられ、上記油圧ポートに対向すべく上記ガイド孔の内周面に設けられた制御ポートを上記油室に接続すると共に、エンジンの運転状態に応答して油圧ポートを圧油供給手段とオイルパンに切換接続する制御弁が設けられ、上記ロッカブリッジのアームの両先端部下面には、上記バルブのステムの上端面が連結されていることを特徴とするバルブメカニズムを提供する。
【0009】
本発明においては、ロッカアーム当接部を、ロッカブリッジの上面側に形成されたシリンダ部内部に嵌合されたピストンの上面に形成することにより、ロッカアームの揺動に応じてロッカアーム当接部が昇降し、これに連動して、ピストンを昇降駆動させることができる。従って、従来のようにロッカブリッジのアームの先端部分にピストン機構を設けていた場合には必要であったピストンの高さの調節等を行う必要がなく、また、2つのピストン機構が別個に存在していたことにより生じていた問題点、例えば、バルブの高さのばらつき、油圧およびスプリング力等に左右される各ピストンのストロークの違い等が生じることがなく、ロッカブリッジの良好な昇降が可能となる。さらに、このロッカブリッジの昇降を介して行われるバルブの開閉においても、その良好な開閉が容易に可能となる。
【0010】
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記ピストンおよび上記ロッカアーム当接部には、上記ロッカアーム当接部上面から上記ピストンの下面にかけて貫通孔が形成され、上記貫通孔は上記油室と接続しており、上記ロッカアーム当接部にロッカアームの一端部下面が当接し、ロッカアーム当接部を押圧する際には、上記貫通孔は上記ロッカアームの一端部下面によりシールされることが好ましい。
【0011】
ロッカアーム当接部がロッカアームにより押圧され、油室が油密となっている状態から、ロッカアーム当接部がロッカアームにより押圧されず、油室内の油圧が低下する状態へと移行する際に、貫通孔を経由して、油室内部のオイルを油室外へ流出させることができるため、ピストンがシリンダ部内を下降する速度を速くすることができる。従って、このような移行に対するピストンの応答性を向上させることができるのである。
【0012】
上記請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記ロッカアーム当接部には、上記ロッカアームの一端部下面により上記ロッカアーム当接部が押圧されている際に、上記貫通孔からの油漏れを防止するO−リングが設けられていることが好ましい。上述した位置にO−リングを設けることにより、ロッカアーム当接部にロッカアームの一端部下面が当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部を押圧している際に、貫通孔からの油漏れを防止することができ、油室内部の油圧を低下させることがないからである。
【0013】
上記請求項2または請求項3に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記貫通孔のピストン下面側には、貫通孔油室が形成されており、上記貫通孔油室の内部には、上記ロッカアームの一端部下面により上記ロッカアーム当接部が押圧されている際に、上記貫通孔をふさぐボールが配置されていることが好ましい。
【0014】
上記ボールは、油室内の油圧が上昇するにつれ、その油圧の影響により貫通孔油室の上部に押し遣られるため、油室が油密状態に達すると、貫通孔をふさぐことができる。従って、ロッカアームと連動してピストンが昇降駆動している際には、油室は油密状態にあることから貫通孔はボールによりふさがれているため貫通孔からの油漏れを防止することができ、油室内部の油圧を低下させることがないからである。
【0015】
上記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項5に記載するように、上記油室と、上記制御ポートとは、制御ポート側油路により接続されており、上記制御ポート側油路には逆止弁が設けられていてもよい。
【0016】
上述した位置に逆止弁を設けることにより、油室が油密状態にある時は、逆止弁の作用によりオイルが制御ポートへと流れることがないため、逆止弁の下側に位置する制御ポート、油圧ポートおよびガイドピン内に設けられている油圧ポート側油路等が過度な油密状態になることが回避される。従って、例えばガイド孔とガイドピンとの摺動部分において過度に油圧がかかることにより生じるおそれがある油漏れを防止することができる。よって、ロッカアームの振動に連動してロッカブリッジが昇降駆動している際に、過度な油圧を要因とする摺動部分からの油漏れを防止できる効果がある。
【0017】
上記請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項6に記載するように、上記ロッカブリッジを昇降駆動させ、バルブの開閉駆動を行う際、左右のバルブの高さのばらつきを調整する高さ方向調整手段を有することが好ましい。このような高さ方向調整手段を組み込むことにより、バルブの高さのばらつきが小さくなり、良好なガイドピンの昇降駆動を可能とする。また、本発明においては、ロッカブリッジの上面側にシリンダ部を設けていることから、ロッカブリッジのアームの先端部分の構造が簡略化され容易に高さ方向調整手段を組み込むことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエンジンのバルブメカニズムについてその一実施態様を図1を用いて説明する。
【0019】
まず、図1に示すように、エンジンのシリンダヘッド1の上面にガイドピン2を立設し、ロッカブリッジ3の脚部3aに設けたガイド孔3bにガイドピン2を昇降自在に挿入してロッカブリッジ3をシリンダヘッド1に昇降自在に取り付ける。そして、ガイドピン2を挟んだ対向位置にそれぞれポペット型の排気バルブ4を取り付けるとともに、脚部3aの上端から図中左右に伸びるアーム3cの先端部下面は、上記排気バルブ4のステム4aの延長線上に臨ませている。
【0020】
さらに、本実施態様においては、ロッカブリッジ3のロッカアーム15の一端部下面15cが当接する部分であるロッカアーム当接部12が、前記ロッカブリッジ3の上面側に形成されたシリンダ部5内部に昇降自在に嵌合されたピストン6の上面に形成されている。これにより、ロッカアーム15の揺動に応じてロッカアーム当接部12が昇降し、これに連動してピストン6が昇降駆動する。また、ピストン6の下面には、油室7が形成されており、当該油室7と制御ポート9および油圧ポート8とが制御ポート側油路21を介して接続されている。
【0021】
本実施態様においては、図2に示すように、従来ロッカブリッジ3の両方のアーム3cの先端部分に各々別個にピストン6を設けていたことにより、別個に2つのピストン機構が存在していたことを要因とする問題点、例えば、両方のピストン6の高さのばらつきや、油圧およびスプリング力等の違いにより生じるストロークのばらつき等が生じる心配がなく、これらを要因とするガイドピン2のガイド孔3b内におけるこじれ等を防止することができる。従って、ピストン機構を介して行われるガイドピン2の昇降が良好に進行するため、これを介したロッカブリッジ3の昇降駆動も良好となる。さらに、このロッカブリッジ3の昇降を介して行われる排気バルブ4の開閉においてもその良好な開閉が容易に可能となる。
【0022】
また、図4は、本実施態様におけるピストンおよびロッカアームの一端部下面の一例を示した概略断面図である。本実施態様においては、図4に示すように、上記ピストン6およびロッカアーム当接部12には、当該ロッカアーム当接部12上面から当該ピストン6下面にかけて貫通するように形成され、前記油室と接続している貫通孔23が形成されていてもよく、このような貫通孔23を設けた場合には、ロッカアーム当接部12にロッカアームの一端部下面15cが当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部12を押圧している際に、当該貫通孔23はロッカアームの一端部下面15cによりシールされることが好ましい。このようにすることで、ロッカアーム当接部12にロッカアームの一端部下面15cが当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部12を押圧している際には、貫通孔23はロッカアームの一端部下面15cによりシールされているため、貫通孔23からの油漏れが防止されるのである。一方、ロッカアームがロッカアーム当接部12から離れた際には、貫通孔23から油室内部のオイルは油室外へ流出する。よって、例えば、図1に示す油室7の油圧が上昇しピストン6がシリンダ部5の上部方向へ押し上げられ、油室7が油密状態に達し、ロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3が昇降駆動している状態から、ロッカアーム当接部12がロッカアーム15により押圧されず、油室7内の油圧が低下する状態へと移行する際に、当該貫通孔23から油室7内部のオイルが流出するため、ピストン6は速やかにシリンダ部5の下部方向へ移動する。よってそのような移行に対するピストン6の応答性を向上させることができる。
【0023】
このような貫通孔23を有するピストン6に対して、図4に示すように、ロッカアームの一端部下面15cを平面状のピポットタイプとすることが好ましく、これにより貫通孔23のシール性を向上させることができる。
【0024】
また、このように貫通孔23を設けた場合において、ロッカアーム15がロッカアーム当接部12を押圧している際に貫通孔23からの油漏れを防止する手段としては、油漏れを容易に防止することができる手段であれば特に限定はされない。例えば、図5(a)に示すように、ロッカアーム当接部12上面にO−リング24を設ける手段や、図5(b)に示すように、貫通孔23のピストン6下面側に貫通孔油室25を形成し、その内部にボール26を配置する手段等を挙げることができる。O−リング24を設ける手段およびボール26を設ける手段はシール性を高める効果があるため、ロッカアーム15がロッカアーム当接部12を押圧している際に、貫通孔23からの油漏れを効果的に防止することができるからである。
【0025】
具体的には、図5(a)に示すように、ロッカアーム当接部12上面からピストン6の下面にかけて貫通孔23が形成されている場合に、ロッカアーム当接部12上面に形成された溝30の内部にO−リング24を配置する。これにより、ロッカアーム当接部12にロッカアームの一端部下面が当接し、ロッカアームがロッカアーム当接部12を押圧すると、O−リング24は圧縮されるため、O−リング24の性質からロッカアーム当接部12とロッカアームの一端部下面とのシール性を向上させるのである。従って、ロッカアームの振動に伴いピストン6が昇降駆動している際に、貫通孔23からの油漏れを容易に防止することができる。一方、図5(b)には、ロッカアーム当接部12上面からピストン6下面にかけて貫通孔23が形成されており、当該貫通孔23のピストン6下面側には、貫通孔油室25が設けられているロッカアーム当接部12およびピストン6が示されている。さらに、この貫通孔油室25の内部にはボール26が配置されている。このボール26は、ピストン6の下面に形成されている油室の油圧が上昇すると、貫通孔油室25の上部に押しやられ、最終的に油室が油密状態に達すると、貫通孔23の下側をふさぐこととなる。従って、ロッカアームの振動に連動してピストン6が昇降駆動している際には、油室は油密状態となっているため貫通孔23の下側は当該ボール26によりふさがれ、貫通孔23からの油漏れを防止することができるのである。また、ピストン6の油圧が低下した状態へ移行した際は、ボール26は貫通孔23下側より離れストッパー25´によりボール26は停止する。さらに、貫通孔23の下側をボール26にてふさぐ方法以外に、図5(c)に示すように、概略断面図がコの字形のシール部材28を適用することも可能である。このコの字形のシール部材28は、ピストン6の油圧が上昇または低下した際に図5に示すボール26と同様の挙動を示し、同様の効果を得ることができる。
【0026】
これらO−リング24、ボール26およびコの字形のシール部材28は、単独でピストン6に設けられていていてもよいが、例えば、O−リング24およびボール26、O−リング24およびコの字形のシール部材28のように組み合わせて用いることにより、その相乗効果からより一層、ロッカアームの振動に連動してピストン6が昇降駆動している際に貫通孔23からの油漏れを防止することができるため好ましい。
【0027】
また、図5および後述する図6に示す場合において、ロッカアーム15の一端部下面15cを平面状のピペットタイプとすることが好ましい。O−リング24、27、ボール26、およびコの字形のシール部材28の少なくとも一つを設け、かつロッカアーム15の一端部下面15cを図4に示すように平面状のピペットタイプとすることにより、貫通孔23のシール性をより向上させることができるからである。
【0028】
また、図1に示す実施態様は、ロッカアーム当接部12がロッカブリッジ3上面に設けられた一つのシリンダ部5内部のピストン6上面に支持されている例であるが、本実施態様はこれに限定されるものではなく、必要に応じてロッカブリッジ上面には複数個のシリンダ部が形成されていてもよく、ロッカアーム当接部はこの複数個のシリンダ部内部の複数個のピストンにより支持されたものであってもよい。
【0029】
また、ピストン6が昇降自在に嵌合されているシリンダ部5においては、ピストン6が昇降駆動する際に、その最上端位置と最下端位置とを決定する上部ストッパー11aおよび下部ストッパー11bが設けられている。このように上部ストッパー11aおよび下部ストッパー11bを設けることにより、従来、油圧およびスプリング力等により決定されていたストロークを、これらのストッパーにより規定することができるため、所望のストロークとすることができる。
【0030】
このようなピストン6のストロークを一定に規定する上部ストッパー11a、下部ストッパー11bとしては、ピストン6が所望のストローク範囲以外に昇降することを阻止できるものであれば特に限定はされない。具体的には、シリンダ部5の径方向内側に張り出すように凸部を設ける場合や、シリンダ部5の上方または下方の側壁をシリンダ部5の径方向内側に張り出すように形成する場合、さらにピストン6の内径よりも開口部分の内径が狭いワッシャーを設置する場合等を挙げることができる。
【0031】
また、本実施態様においては、アーム3cの先端に取り付けられた両方の排気バルブ4の高さを調節するために、少なくとも一方のアーム3cの先端部分に高さを調節する高さ方向調整手段10を設けてもよい。このような高さ方向調整手段10としては、排気バルブ4を上下に移動させることができ、所望の位置で排気バルブ4を固定することができる手段であれば特に限定はされない。具体的には、一方のアーム3cの上面から下面にかけて組み込まれているアジャストスクリュー10aの下端面が排気バルブ4のステム4aの上端面に接続されており、アジャストスクリュー10aを上下に移動させることにより、一方の排気バルブ4の高さとアジャストスクリュー10aの下面に接続されている排気バルブ4の高さをあわせ、両方の排気バルブ4の高さが同位置となった位置で、ナット10b等の固定具を用いてアジャストスクリュー10aをアーム3cに固定する手段等を挙げることができる。
【0032】
また、本実施態様においては、ロッカブリッジ3の上面側にシリンダ部5を設けていることから、排気バルブ4のステム4aは直接ロッカブリッジ3のアーム3cの先端部下面と連結させることができ、構造の簡略化を図ることができる。従って、図1に示すように、上述した高さ方向調整手段10をアーム3cに取り付ける際の調節ねじ、例えばアジャストスクリュー10a等のアーム3cへの組み込みが容易となる。また、アーム3cの内部には油路が形成されていないことから、アジャストスクリュー10aが組み込まれている部分等から油漏れが生じることがなく、油圧の低下が生じる可能性が少ない。
【0033】
さらに、前記ガイドピン2の上端近傍周面には油圧ポート8を設ける一方、ロッカブリッジ3が上端位置に保持されているときに油圧ポート8に対向する制御ポート9をガイド孔3bの内周面に設けている。そして、制御ポート9と油室7をロッカブリッジ3に設けた制御ポート側油路21を介して接続することにより、ロッカブリッジ3が上端位置に保持されているときは油圧ポート8が制御ポート9および制御ポート側油路21を介して油室7に接続されるようにしている。
【0034】
エンジンの運転にともなって駆動される油圧ポンプ20を圧油供給手段として設け、この油圧ポンプ20の吐出口に制御弁13のポンプポート13aを接続している。制御弁13にはポンプポート13aの他に開放ポート13bおよび出力ポート13cを設けている。そして、開放ポート13bをエンジンのオイルパン14に開放させるとともに、出力ポート13cをガイドピン2に設けた油圧ポート側油路22を介して油圧ポート8に接続している。なお、制御弁13は図示しないコントローラの指令により油圧ポート8を油圧ポンプ20の吐出口とオイルパン14に切換接続する。
【0035】
ロッカブリッジ3の上方に配設したロッカアーム15の一端部下面15cは、ロッカアーム当接部12に当接されている。ロッカアーム15の他端先端部にはローラ15aを介してカム16を当接させることにより、エンジンの運転にともなってカム16が回転駆動されると、ロッカアーム15の一端部下面15cと当接しているロッカカーム当接部12と連動してピストン6が昇降駆動し、このようなピストン6の昇降駆動を介してステム4aが押し下げられて排気バルブ4が開かれるようにしている。
【0036】
カム16は、リフト量を発生するノーズ16aを備えている。ノーズ16aにより従来公知の排気行程においてロッカアーム15、ロッカブリッジ3およびピストン6などを介して排気バルブ4を開弁作動させる。15bはロッカシャフト、17はサクションフィルタ、19はエアブリーザであり、油圧ポンプ20の内部あるいは制御弁13より油圧ポンプ20側の油路に図示しないリリーフバルブを設けることにより、制御弁13のポンプポート13aに供給される油圧が所定値を越えないようにしている。
【0037】
上記の構成からなるエンジンのバルブメカニズムにおいて、エンジンの運転にともなって油圧ポンプ20が駆動されると、オイルパン14のオイルが油圧ポンプ20から吐出されて制御弁13のポンプポート13aに供給される。また、エンジンが通常の状態で運転されているときは制御弁13のポンプポート13aが閉じられて出力ポート13cが開放ポート13bに接続されている。従って、油圧ポンプ20から吐出されたオイルは逆止弁18を通って油圧ポート8に供給されるが、制御弁13の出力ポート13cが開放ポート13bに接続されているために、油圧ポンプ20から吐出されたオイルは逆止弁18を通ってオイルパン14に戻されて油室7の圧力は大気圧とほぼ等しくなっている。
【0038】
この状態でカム16が回転してロッカアーム15を図1中反時計回りの方向に揺動させると、ロッカアーム当接部12と連動してピストン6が押し下げられる。すると、ピストン6とともにロッカブリッジ3が下降してステム4aを押し下げようとするが、ロッカブリッジ3は排気バルブ4の開弁付勢力で上昇位置に保持されようとしている。
【0039】
従って、ピストン6が下部ストッパー11bに当接する以前は、ピストン6の下降にともなって油室7のオイルは制御ポート側油路21から制御ポート9および油圧ポート8に逆流し、ガイドピン2に設けた油圧ポート側油路22から制御弁13を通ってオイルパン14にオイルが流出するために、ロッカブリッジ3が相対的に上昇する。従って、排気バルブ4は閉弁状態に保持される。この際、図1に示す実施態様において、図4および図5に示すように、ロッカアーム当接部12上面からピストン6下面にかけて貫通孔23が形成されている場合には、当該貫通孔23からもオイルが流出するため、ピストン6が下部ストッパー11bに当接するまでの時間を短縮することができ、ピストン6の応答性を向上させることができる。
【0040】
さらに、ロッカアーム15の揺動角度が大きくなってピストン6が下部ストッパー11bに当接すると、ロッカブリッジ3はピストン6と一体となって下降するために、ロッカブリッジ3の下降にともなってステム4aが押し下げられて排気バルブ4が開かれる。
【0041】
ところが、図示しないコントローラからの指令により制御弁13が閉弁作動して出力ポート13cがポンプポート13aに接続されているときは、エンジンの運転中は油圧ポンプ20の吐出圧力が油圧ポート8に供給保持されている。従って、この場合は制御ポート9からオイルが流出しないために、ピストン6が下部ストッパー11bに当接する以前に油室7は油密状態となり、ピストン6の下降当初からロッカブリッジ3は、ステム4aを押し下げることになり、排気バルブ4はカム16のプロフィールに従って開弁駆動される。
【0042】
また、図1では、逆止弁18が、制御弁13と並列になるように設けられているが、図3に示すように、逆止弁18は、制御ポート9と油室7とを接続する制御ポート側油路21に設けられていてもよい。このような位置に逆止弁18を設けることにより、例えば、油室7が油密状態にある時は、逆止弁18により制御ポート側油路21へのオイルの流出が妨げられるため、油圧ポート8から制御弁13に至るまでが油密状態になくとも、油室7が油密状態にあれば、ロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3を昇降駆動させることが可能である。従って、油圧ポート8から油圧ポート側油路22、さらには、制御弁13に至るまでは、過度な油密状態になることが避けられるため、ガイド孔3bとガイドピン2との摺動部分において油漏れが生じるおそれが少ない。従って、制御ポート側油路21に逆止弁18を設けることにより、ロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3が昇降駆動している際に、過度な油圧を要因とする摺動部分からの油漏れを防止することができる。
【0043】
さらに、本実施態様においては、図6に示すように、ピストン6の側面にO−リング27を設けることが好ましい。これは、ロッカアーム15と連動してロッカブリッジ3が昇降駆動する際には、油室7に過度な油圧がかかる場合があり、このような過度な油圧は、シリンダ部5とピストン6とにおける摺動部分から油漏れを生じさせるといった不都合を引き起こす可能性がある。そこで、本実施態様においては、ピストン6の側面にO−リング27を設けることにより、O−リング27がシリンダ部5の内壁へ密着するため、シリンダ部5とピストン6とにおける摺動部分からの油漏れを防止することができるからである。
【0044】
また、上記実施態様では排気バルブ4を開閉駆動するバルブメカニズムに本発明を適用しているが、これを吸気バルブのバルブメカニズムに適用してエンジンの運転状態に応答して吸気バルブの開弁時期を最適制御することもできる。さらに、上記実施態様においては油圧ポンプで圧油供給手段を構成しているが、エンジンに装備されているオイルポンプで圧油供給手段を構成することもできる。
【0045】
さらに、上記実施態様では、本発明のバルブメカニズムに逆止弁18を制御ポート側油路21に設ける場合を示したが、これは図2に示す、従来のバルブメカニズムに適用してもよく、この場合も同様にロッカアーム15の振動に連動してロッカブリッジ3が昇降駆動している際に、過度な油圧を要因とする摺動部分からの油漏れを防止できる効果がある。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、ロッカアーム当接部を、ロッカブリッジの上面側に形成されたシリンダ部内部に嵌合されたピストンの上面に形成することにより、ロッカアームの揺動に応じてロッカアーム当接部が昇降し、これに連動して、ピストンを昇降駆動させることができる。従って、従来のようにロッカブリッジのアームの先端部分にピストン機構を設けていた場合には必要であったピストンの高さの調節等を行う必要がなく、また、2つのピストン機構が別個に存在していたことにより生じていた問題点、例えば、バルブの高さのばらつき、油圧およびスプリング力等に左右される各ピストンのストロークの違い等が生じることがなく、ロッカブリッジの良好な昇降が可能となる。さらに、このロッカブリッジの昇降を介して行われるバルブの開閉においても、その良好な開閉が容易に可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブメカニズムの一例を示す概略断面図である。
【図2】従来のバルブメカニズムの一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明のバルブメカニズムの他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明におけるロッカアーム当接部およびピストンの一例を示す概略断面図である。
【図5】本発明におけるロッカアーム当接部およびピストンの他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明におけるロッカアーム当接部およびピストンの他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … シリンダヘッド
2 … ガイドピン
3 … ロッカブリッジ
3a … 脚部
3b … ガイド孔
4 … 排気バルブ
4a … ステム
5 … シリンダ部
6 … ピストン
7 … 油室
8 … 油圧ポート
9 … 制御ポート
11a …上部ストッパー
11b …下部ストッパー
12 …ロッカアーム当接部
13 … 制御弁
15 … ロッカアーム
15c … ロッカアームの一端部下面
20 … 油圧ポンプ
Claims (6)
- シリンダヘッドに昇降自在に取り付けられたロッカブリッジを介してバルブを開閉駆動するようにしたエンジンのバルブメカニズムにおいて、
前記ロッカブリッジ上端面には、ロッカアームの一端部下面が当接するロッカアーム当接部が形成されており、前記ロッカアーム当接部は、前記ロッカブリッジ上面側に形成されたシリンダ部内部に昇降自在に嵌合されたピストンの上面に支持されており、前記ピストンの下面には油室が形成され、前記シリンダ部の内部には、ピストンの最上端位置と最下端位置とを決定するストッパーが設けられており、
前記シリンダヘッドに立設したガイドピンが前記ロッカブリッジの脚部に設けられたガイド孔に昇降自在に挿入さており、前記ガイドピンには圧油供給手段に接続された油圧ポートがその周面に設けられ、前記油圧ポートに対向すべく前記ガイド孔の内周面に設けられた制御ポートを前記油室に接続すると共に、エンジンの運転状態に応答して油圧ポートを圧油供給手段とオイルパンに切換接続する制御弁が設けられ、
前記ロッカブリッジのアームの両先端部下面には、前記バルブのステムの上端面が連結されていることを特徴とするバルブメカニズム。 - 前記ピストンおよび前記ロッカアーム当接部には、前記ロッカアーム当接部上面から前記ピストンの下面にかけて貫通孔が形成され、前記貫通孔は前記油室と接続しており、前記ロッカアーム当接部にロッカアームの一端部下面が当接し、ロッカアーム当接部を押圧する際には、前記貫通孔は前記ロッカアームの一端部下面によりシールされることを特徴とする請求項1に記載のバルブメカニズム。
- 前記ロッカアーム当接部には、前記ロッカアームの一端部下面により前記ロッカアーム当接部が押圧されている際に、前記貫通孔からの油漏れを防止するO−リングが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のバルブメカニズム。
- 前記貫通孔のピストン下面側には、貫通孔油室が形成されており、前記貫通孔油室の内部には、前記ロッカアームの一端部下面により前記ロッカアーム当接部が押圧されている際に、前記貫通孔をふさぐボールが配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のバルブメカニズム。
- 前記油室と、前記制御ポートとは、制御ポート側油路により接続されており、前記制御ポート側油路には逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のバルブメカニズム。
- 前記ロッカブリッジを昇降移動させ、バルブの開閉を行う際、左右のバルブの高さのばらつきを調整する高さ方向調整手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のバルブメカニズム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009522487A (ja) * | 2005-12-28 | 2009-06-11 | ジェイコブス ビークル システムズ、インコーポレイテッド | 部分サイクルブリーダ型制動の方法とシステム |
CN102588027A (zh) * | 2011-01-05 | 2012-07-18 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 四气门柴油机的气门组件 |
-
2002
- 2002-11-22 JP JP2002339977A patent/JP2004144062A/ja active Pending
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