JP2004144035A - スクリュー圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに歯3bと歯4bが噛合する雌ロータ3と雄ロータ4とにより、吸入ポート5より吸入した空気を吐出ポート7より吐出するスクリュー圧縮機であって、雌ロータ3に設けられた複数の歯3bの歯厚を、吸入ポート5側に対し吐出ポート7側が厚肉となるよう形成したもので、吸入ポート5側の溝容積が大きくなるため理論吸い込み容積が増大して、圧縮中の溝2cから吸入ポート5側への圧縮空気の相対漏れが減少し、これによってスクリュー圧縮機の高性能化が図れると共に、雌ロータ3の歯3bが溝間の圧力差により撓むことが少なくなるため、歯3b、4b同士が接触することにより発生するかじりや焼き付きを未然に防止できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として車載用燃料電池へ空気を圧送する空気供給源に使用するスクリュー圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載された車載用燃料電池は、化学反応により電気エネルギーを発生させる際に多量の空気を使用することから、空気供給源として車載用の空気圧縮機が搭載されているが、この種の空気圧縮機としては、小型かつ軽量で、かつ流量制御が容易なスクリュー圧縮機が一般に使用されている。
【0003】
スクリュー圧縮機は、互いに噛合して回転する雄ロータと雌ロータがケーシング内に収容されていて、いずれか一方、もしくは両方を回転駆動源により回転駆動することにより、吸入側より吸入した空気を圧縮して吐出側へ吐出するように構成されており、またこの種のスクリュー圧縮機としては、例えば特許文献1に記載されたものが公知である。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−31755号公報(請求項1、段落0027、0028、0029)
【0005】
前記特許文献1に記載のスクリュー圧縮機は、空気を圧送する際、空気の断熱圧縮により発生する熱により雌雄ロータが熱膨張してかじり等の事故が発生するのを防止するため、吐出側のロータの歯先径、歯底径、歯厚が吸入側より徐々に小さくなるよう軸方向へ縮厚化させて形成したことを特徴としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記特許文献1に記載のスクリュー圧縮機では、吸入側より吐出側へ向けて徐々にロータの歯厚を縮厚化するだけで、吸入側と吐出側におけるロータの断面形状は相似形である。
このためロータの溝容積は、吸入側と吐出側でほとんど変わることがないことから、理論吸い込み容積が増加することがなく、これによって圧縮中の空気がロータ溝内から吸入側へ漏れる相対洩れ、(吸い込み空気量に対する漏洩空気量の比)が増加して、高性能化が図れない等の問題がある。
【0007】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、雌ロータの歯厚を吸入ポート側より吐出ポート側を厚くしたスクリュー圧縮機を提供して、高性能化を図ると共に、雌ロータの歯が溝間の圧力差により撓むのを防止することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明のスクリュー圧縮機は、互いに歯と歯が噛合する雌ロータと雄ロータを、吸入ポート及び吐出ポートを有するケーシング内に回転自在に収容し、かつ雌雄ロータを適宜回転駆動手段により回転駆動することにより、吸入ポートより吸入した空気を、雌雄ロータの歯間とケーシングの内壁とで形成された圧縮室で圧縮して、吐出ポートより吐出するスクリュー圧縮機であって、雌ロータに設けられた複数の歯の歯厚を、吸入ポート側に対し吐出ポート側が厚肉となるよう形成したものである。
【0009】
前記構成により、雌ロータの吸入ポート側の歯厚は、吐出ポート側の歯厚に対し薄いことから、吸入ポート側の溝容積が大きくなり、これによって理論吸い込み容積が増大して、圧縮中の溝から吸入ポート側への圧縮空気の相対漏れが減少するため、スクリュー圧縮機の高性能化が図れると共に、雌ロータの吐出ポート側の歯の肉厚を厚くすることによって、雌ロータの歯が溝間の圧力差により撓むことが少なくなるため、雌雄ロータの歯同士が接触することにより発生するかじりや焼き付きを未然に防止することができる。
【0010】
前記目的を達成するため本発明のスクリュー圧縮機は、雌ロータの歯の歯厚を、吸入ポート側より吐出ポート側へ順次厚肉となるテーパ状に変化させたものである。
【0011】
前記構成により、雌ロータの吸入ポート側の歯厚を薄く、かつ吐出ポート側の歯厚が順次厚くなった雌ロータが容易に製作できるため、高性能のスクリュー圧縮機が安価に得られるようになる。
【0012】
前記目的を達成するため本発明のスクリュー圧縮機は、雌ロータと雄ロータの軸間距離を、吸入ポート側と吐出ポート側で同一とすると共に、雌ロータの吐出ポート側の歯の歯厚を、吸入ポート側の歯の歯厚の約1.2倍以上としたものである。
【0013】
前記構成により、軸間距離を吸入ポート側と吐出ポート側とで同一にしたことにより、各ロータの加工性及び加工精度が向上すると共に、雌ロータの吐出ポート側の歯厚を吸入ポート側の歯の歯厚の約1.2倍以上としたことにより、歯の撓みをさらに効果的に抑制することができる。
【0014】
前記目的を達成するため本発明のスクリュー圧縮機は、雌ロータの歯の歯厚を、前記吸入ポート側より前記吐出ポート側付近までほぼ同じに形成し、かつ吐出ポート付近より吐出ポートまで順次厚肉となるテーパ状に変化させたものである。
【0015】
前記構成により、雌ロータの吸入ポート側の歯厚を薄く、かつ吐出ポート側の歯厚が厚い雌ロータが容易に製作できるため、高性能のスクリュー圧縮機が安価に得られるようになる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明のスクリュー圧縮機は、雌雄ロータの歯の歯厚を、吸入ポーよりほぼ中央付近までを薄肉に、そして中央付近より吐出ポートまでを厚肉に形成すると共に、薄肉な歯と厚肉な歯の間は、吸入ポート側より吐出ポート側へ順次厚肉となるテーパ状に変化させたものである。
【0017】
前記構成により、雌ロータの歯の撓みをさらに効果的に抑制することができると共に、雌ロータが容易に製作できるため、高性能のスクリュー圧縮機が安価に得られるようになる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明のスクリュー圧縮機は、雌雄ロータの歯の歯厚を変化させる位置を、雌雄ロータにより圧縮される空気の圧力が、吐出圧のほぼ50%となる位置に設定したものである。
【0019】
前記構成により、雌ロータの歯の撓みをさらに効果的に抑制することができる。
【0020】
前記目的を達成するため本発明のスクリュー圧縮機は、雌雄ロータの歯の歯厚を、雌雄ロータにより圧縮される空気の圧力の上昇に対応させて撓みがほぼ一定となるように変化させたものである。
【0021】
前記構成により、雌ロータの歯の撓みをほぼ均一とすることができるため、圧縮中の溝から吸入側への圧縮空気の相対漏れをさらに減少させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1はスクリュー圧縮機の断面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1のB−B線に沿う断面図、図4は作用説明図である。
図1に示すスクリュー圧縮機は、例えば自動車等の車両に搭載された車載用燃料電池に空気を供給する空気供給源として使用され、かつ無給油で運転が可能な燃料電池用オイルフリースクリュー圧縮機であって、圧縮機本体1はケーシング2と、このケーシング2内の圧縮室2aに収容された雌ロータ3及び雄ロータ4よりなり、これら雌雄ロータ3,4は車載用として軽量化を図るため、例えば剛性の低いアルミニウムや、マグネシューム、樹脂等により製作されている。
【0023】
ケーシング2内の一端側には、空気を吸い込む吸入ポート5が開口された端板2bが設けられていて、この端板2bに、雌雄ロータ3,4の中心を貫通するように設けられたロータ軸3a,4aの一端側を回転自在に支承する軸受け6が設けられており、各ロータ軸3a,4aの他端側は、ケーシング2の他端側に設けられた端壁2cに設けられた軸受け6に回転自在に支承されていると共に、各ロータ軸3a,4aの軸間距離CC1,CC2は、図2及び図3に示すように吸入ポート5側と吐出ポート7側が同一となっている。
各軸受け6のハウジング6aには、図示しない給油孔と排給油孔が形成されていて、外部から給油孔へ潤滑油を給油することにより、軸受け6を潤滑できるようになっていると共に、各ハウジング6aの雌雄ロータ3,4側端部内には、軸受け6へ給油した潤滑油がケーシング2内の圧縮室2a内へ混入するのを阻止する軸封手段8が設けられている。
【0024】
ケーシング2内で回転する雌雄ロータ3,4は、図1に示すように吸入ポート5側が大径で、かつケーシング2の他端側に開口された吐出ポート7側が小径となるテーパ状に形成されており、雌ロータ3及び雄ロータ4には、図2及び図3に示すように互いに噛合する歯3b、4bが形成されていると共に、雌ロータ3の歯3bの歯厚は、吸入ポート5側より吐出ポート側7へ順次厚肉となるテーパ状に変化されている。
雌ロータ3の歯3bは複数枚、例えば5枚より形成されていて、吸入ポート5側の歯形は図2に示すように、雌雄ロータ3,4の吸入ポート5側の軸間距離CC1に対して、歯3bと歯4bの噛み合いが成立する条件において歯厚Tf1が回転上支障のない強度と剛性が得られる範囲で最小となるように、歯先径がφDOF1に、そして歯厚はTf1となっており、この歯厚Tf1は、吐出空気圧が分布荷重として雌ロータ3の歯面に加わった際、歯3bの撓みが雌雄ロータ3,4間のギャップより小さくなるような適度の剛性が得られる値に設定されている。
また雄ロータ4は、雌ロータ3の各歯3b間に形成された溝3c内に噛合する例えば3枚の歯4bを有していて、吸入ポート5側の各歯4bの歯先径はφDOM1に設定されており、雌雄ロータ3、4の歯底径φDiF1及びφDiM1は、雌雄ロータ3,4の歯先径φDOF1及びφDOM1が決まると必然的に決まる。
【0025】
一方雌ロータ3の吐出ポート7側の歯形は、図3に示すように歯先径がφDOF2に、そして歯厚は、吸入ポート5側の歯厚Tf1より肉厚が厚いTf2となっており、この歯厚Tf2は、吐出空気が分布荷重として雌ロータ3の歯面に加わった際、歯3bの撓みが雌雄ロータ3、4間のギャップより小さくなるような適度の剛性が得られる値に設定されている。
また雄ロータ4の吐出ポート7側の歯4bの歯先径はφDOM2に、そして歯形は雌ロータ3の歯3bの歯厚Tf2に対して噛み合いが成立する条件を満たす形状となっていると共に、雌雄ロータ3,4の歯底径φDiF2及びφDiM2は、吸入ポート5側と同様に、雌雄ロータ3,4の歯先径φDOF2及びφDOM2が決まると必然的に決まる。
【0026】
前記雌雄ロータ3,4のロータ軸3a,4aの吐出ポート7側端部は、ケーシング2の端面に取り付けられたカバー9内に突出され、雄ロータ4のロータ軸4aは、さらにカバー9を貫通してカバー9の外側へ突出されている。
カバー9内に突出されたロータ軸3a,4a内には、雌雄ロータ3,4の各歯3b,4bの歯面間に所定のクリアランスを維持しつつ、雌雄ロータ3,4を同期回転させるタイミングギヤ10が固着されている。
雌ロータ3側のロータ軸3aに固着されたタイミングギヤ10aは大径で、かつ雄ロータ4のロータ軸4aに固着されたタイミングギヤ10bは小径となっていて、カバー9内で互いに噛合された状態で逆方向へ回転するようになっていると共に、カバー9の外側へ突出された雄ロータ4のロータ軸4aには、カップリングやプーリ等の動力伝達手段を介して回転駆動源(ともに図示せず)に接続されていて、回転駆動源により雌雄ロータ3,4が回転駆動されるようになっている。
【0027】
次に前記構成されたスクリュー圧縮機の作用を説明する。
車両に搭載された燃料電池(ともに図示せず)へ空気を供給すべく回転駆動源により雄ロータ4のロータ軸4aを回転駆動すると、タイミングギヤ10により互いに連動された雌雄ロータ3,4がケーシング2の圧縮室2a内で同期回転される。
これによって吸入ポート5より吸入された空気は、雌ロータ3の各歯3b間に形成された溝3c内と、雄ロータ4の各歯4b間に形成された溝4c内に充填されると共に、その後雌雄ロータ3、4の回転に伴い雌ロータ3の溝3c内と雄ロータ4の溝4c内に順次噛合する雄ロータ4の歯4bと雌ロータ3の歯3bにより形成された圧縮室2d内で圧縮されながら吐出ポート7側へと圧送され、吐出ポート7より吐出されて燃料電池へと供給される。
【0028】
一方吸入ポート5より吸入した空気を、圧縮室2d内で圧縮しながら吐出ポート7より吐出する際、吐出ポート7付近の雌雄ロータ3,4の歯3b,4bには、歯面に吐出空気圧が分布荷重として作用するが、特に歯厚が薄い雌ロータ3の歯面がこの分布荷重を受けると歯3bが撓みにより変形し、変形が雌雄ロータ3,4の歯面間に予め設定されたギャップ以上になると、雌雄ロータ3,4の歯面が互いに接触して、騒音を発したり、歯面が焼き付く等の不具合が発生する。
【0029】
いま図4に示すように雌ロータ3の歯3bを片持ち梁と仮定して、この片持ち梁に作用する分布荷重の軸方向の単位長さ(単位歯幅)当たりの撓みを簡易的に表わすと、歯3bの撓みδは次式となる。
δ=ω・L4/(8E・I)
なお、ωは分布荷重、Lは梁の長さ(歯丈)、Eは雌ロータ3を形成する材料の縦弾性係数、Iは歯3bの断面2次モーメントである。
また断面2次モーメントIは次式により表わされる。
I=b・h3/12
なお、bは歯幅(単位幅)、hは歯厚である。
以上の式から明らかなように、片持ち梁(歯)の撓みは歯厚の3乗に逆比例するため、前記実施の形態のように雌ロータ3の歯3bの歯厚を、吸入ポート5側より吐出ポート7側が予め厚くなるように形成することにより、吐出空気圧の分布荷重による歯3bの撓みを大幅に抑制することができるようになる。
【0030】
ちなみに雌ロータ3の歯3bの歯厚を吸入ポート5側を約3.5mm、吐出ポート7側を6mmとした場合、吸入ポート5側の歯3bの撓みに対して吐出ポート7側の歯3bの撓みを約5分の1に低減することができた。
また雌ロータ3の歯3bの歯厚を、吸入ポート5側に対して吐出ポート7側を厚くすることにより、吸入ポート5側の溝容積が大きくなって理論吸い込み容積が増大すると同時に、吸い込み空気量に対する漏洩空気量の割合を小さくすることができるため、スクリュー圧縮機の高性能化が図かれるようになる。
【0031】
一方図5及び図6は、スクリュー圧縮機の変形例を示すもので、次にこれら変形例について説明する。
なお前記実施の形態と同一部分は、同一符号を付してその説明は省略する。
図5に示す変形例は、雌雄ロータ3,4をほぼ筒状に形成し、吐出ポート7付近のみを、吸入ポート5側が大径で、吐出ポート7側へ順次小径となるテーパ状としたことにより、雌ロータ3の歯3bの歯厚を、吸入ポート5側に対して吐出ポート7側を厚くしたもので、その他の点については前記実施の形態と同一構成となっている。
図6に示す変形例は、雌雄ロータ3、4の吸入ポート5側を大径な筒状に、そして吐出ポート7側を小径な筒状に形成し、かつ大径部と小径部の段差部分をテーパ部により連接したもので、その他の点については前記実施の形態と同一構成となっている。
この変形例の場合、雌雄ロータ3,4の歯の歯厚を変化させる位置を、雌雄ロータ3,4により圧縮される空気の圧力が吐出圧のほぼ50%となる位置に設定することが望ましい。
【0032】
いずれの変形例の場合も、雌ロータ3の歯3bの歯厚を、吸入ポート5側より吐出ポート7側を厚肉としたことにより、吐出ポート7側の歯3bが吐出空気圧の分布荷重によりたわむのを抑制できると同時に、理論吸い込み容積の増大により吸い込み容積に対する漏洩の割合を低減することができるため、スクリュー圧縮機の高性能化が図れるようになる。
【0033】
(実施例)
雌雄ロータ3,4の軸間距離CCI及びCC2を、吸入ポート5側及び吐出ポート7側とも55mmとし、雌ロータ3の吸入ポート5側の歯先径φDOF1をφ72mm、歯厚Tf1を3.5mm、吐出ポート7側の歯先径φDOF2を約6mm、また雄ロータ4の吸入ポート5側の歯先径φDOM185mm、吐出ポート7側の歯先径をφDOM2をφ80mmとしたスクリュー圧縮機を製作した場合、理論吸い込み容積は345cc/回転となるが、従来の雌ロータの歯厚を吸入ポート側と吐出ポート側で同じにした場合、理論吸い込み容積は300cc/回転となり、前記実施例によれば雌ロータ3の溝容積を約15%増大できるため、吸い込み容積に対する漏洩の割合を低減することができ、特に雌雄ロータ3,4の回転数が低い領域でその効果は顕著となる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、雄ロータと噛合して、吸入ポートより吸入した空気を吐出ポートより吐出する雌ロータの歯の歯厚を、吸入ポート側に対し吐出ポート側が厚肉となるよう形成したことから、雌ロータの吸入ポート側の歯厚は、吐出ポート側の歯厚に対し薄くなるため、吸入ポート側の溝容積が大きくなり、これによって理論吸い込み容積が増大すると同時に、圧縮中の溝から吸入ポート側への圧縮空気の相対漏れが減少することから、スクリュー圧縮機の高性能化が図れると共に、雌ロータの吐出ポート側の歯の肉厚を厚くすることによって、雌ロータの歯が溝間の圧力差により撓むことが少なくなるため、雌雄ロータの歯同士が接触することにより発生するかじりや焼き付きを未然に防止することができる。
【0035】
また雌ロータの歯の歯厚を、吸入ポート側より吐出ポート側へ順次厚肉となるテーパ状に変化させたことにより、雌ロータの吸入ポート側の歯厚を薄く、かつ吐出ポート側の歯厚が順次厚くなった雌ロータが容易に製作できるため、高性能のスクリュー圧縮機が安価に得られる。
さらに雌ロータと雄ロータの軸間距離を、吸入ポート側と吐出ポート側で同一とすると共に、雌ロータの吐出ポート側の歯の歯厚を、吸入ポート側の歯の歯厚の約1.2倍以上としたことにより、各ロータの加工性及び加工精度が向上する上、雌ロータの歯の撓みをさらに効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるスクリュー圧縮機の断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】本発明の実施の形態になるスクリュー圧縮機の作用説明図である。
【図5】本発明の実施の形態になるスクリュー圧縮機の変形例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態になるスクリュー圧縮機の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機本体
2 ケーシング
2d 圧縮室
3 雌ロータ
3b 歯
4 雄ロータ
4b 歯
5 吸入ポート
7 吐出ポート
Tf1 雌ロータの吸入ポート側の歯厚
Tf2 雌ロータの吐出ポート側の歯厚
Claims (7)
- 互いに歯と歯が噛合する雌ロータと雄ロータを、吸入ポート及び吐出ポートを有するケーシング内に回転自在に収容し、かつ前記雌雄ロータを適宜回転駆動手段により回転駆動することにより、前記吸入ポートより吸入した空気を、前記雌雄ロータの歯間と前記ケーシングの内壁とで形成された圧縮室で圧縮して、前記吐出ポートより吐出するスクリュー圧縮機であって、前記雌ロータに設けられた複数の歯の歯厚を、前記吸入ポート側に対し前記吐出ポート側が厚肉となるよう形成したことを特徴とするスクリュー圧縮機。
- 前記雌ロータの歯の歯厚を、前記吸入ポート側より前記吐出ポート側へ順次厚肉となるテーパ状に変化させてなる請求項1に記載のスクリュー圧縮機。
- 前記雌ロータと前記雄ロータの軸間距離を、前記吸入ポート側と前記吐出ポート側で同一とすると共に、前記雌ロータの前記吐出ポート側の歯の歯厚を、前記吸入ポート側の歯の歯厚の約1.2倍以上としてなる請求項1または2に記載のスクリュー圧縮機。
- 前記雌ロータの歯の歯厚を、前記吸入ポート側より前記吐出ポート側付近までほぼ同じに形成し、かつ前記吐出ポート付近より前記吐出ポートまで順次厚肉となるテーパ状に変化させてなる請求項1に記載のスクリュー圧縮機。
- 前記雌雄ロータの歯の歯厚を、前記吸入ポーよりほぼ中央付近までを薄肉に、そして中央付近より前記吐出ポートまでを厚肉に形成すると共に、薄肉な歯と厚肉な歯の間は、前記吸入ポート側より前記吐出ポート側へ順次厚肉となるテーパ状に変化させてなる請求項1に記載のスクリュー圧縮機。
- 前記雌雄ロータの歯の歯厚を変化させる位置を、前記雌雄ロータにより圧縮される空気の圧力が、吐出圧のほぼ50%となる位置に設定してなる請求項3または4に記載のスクリュー圧縮機。
- 前記雌雄ロータの歯の歯厚を、前記雌雄ロータにより圧縮される空気の圧力の上昇に対応させて撓みがほぼ一定となるように変化させてなる請求項1ないし6のいずれかに記載のスクリュー圧縮機。
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