JPS6014952Y2 - ウオ−ム型圧縮機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内周面にウオーム歯面を形成した筐体たるウ
オームにピニオン歯車を内噛み合いで噛合するように威
したウオーム型圧縮機に関するもので、例えば自動車空
調用の冷媒圧縮機として用いると有効である。

考案者等は、先にウオーム型圧縮機を小型化する目的で
、円筒体の内周面に複数条の歯溝を有するウオーム歯面
を形成したウオーム内に、これと同軸的かつ相対摺動可
能にロータを設置し、上記ロータ内にはその軸線と直角
に交叉するとともに該軸線に対してオフセットされた軸
線まわりに回転可能なピニオン歯車を設けてウオーム歯
面とピニオン歯車の歯とロータ外周面とにより、気体密
封室を形成せしめ、ウオームとロータの相対回転時にピ
ニオン歯車によって区画された上記気体密封室の容積を
変化するようになしたウオーム型圧縮機を特願昭５３−
３９９４０として提案した。

そして、この種のウオーム型圧縮機の機械効率及び体積
効率の向上を得んとするため、吸入気体に潤滑油を混入
させ、軸受等の潤滑並びにウオーム歯面とピニオン歯車
の歯との噛合隙間の潤滑、シールを向上させている。

しかしながら、前記ウオーム歯面と噛車するピニオン歯
車の歯の前面は高圧で、後面は低圧であり、更に噛合摩
擦力もこの圧力方向と同方向に作用するため、前記ピニ
オン歯車を軸承しているロータとピニオン歯車の前面と
の接触部に間隙が生じ、それによって体積効率を低下さ
せ、また前記ピニオン歯車の偏摩耗、軸受の破損等をき
たす原因となることがその後の本考案者等の研究により
解明された。

そこで、本考案は、ロータに設けられたピニオン歯車の
前後面とも接触する様に構成するとともに、前記ロータ
に設けられた吐出口とピニオン歯車の歯の前面の間であ
ってかつ、ウオーム歯溝の終端に対応する位置から前記
ピニオン歯車の前後面とロータの接触部に小孔を連通さ
せ、圧縮の最終行程における潤滑油の成分が濃い気体を
導びき、潤滑するとともにシール効果を増し、高効率で
あって耐久性のすぐれたウオーム型圧縮機を提供せんと
するものである。

以下本考案の一実施例を図に基いて説明する。

筐体を兼ねた固定の円筒状ウオーム１の内周面には、３
条の歯溝Ｐ□ｔ Ｐ２ｔ Ｐ３が形成されている。

このウオーム１は２つの分割部材１ａ、ｌｂより威り、
ボルト等で一体固着されている。

上述の歯溝Ｐ１． Ｐ２． Ｐ３は、第３図に示す如く
、互いに１２００の位相差をもって平行に設けられてお
り、その深さは長手方向の中央において最も深く、両側
方向へ漸減する。

即ち、最深部はウオームの軸方向中央の円周位置にある
。

上記ウオーム１内には、円柱状のロータ２がウオーム１
と同軸的に、かつウオーム１に対して摺接回転可能に嵌
合挿入され、ロータ２の回転軸３１．３２はウオーム１
の両側に固着した側壁６゜７にベアリング８１．８２を
介して支持されるとともに、軸封装置９により外部との
気密を保持している。

そしてロータ２は回転軸３１．３２により軸線ａまわり
に回転するようになっている。

該ロータ２は、結合された半割り部材２ａｔ２ｂより威
り、内部に軸方向に円形の空隙２１を形成し、この空隙
２１の一端がロータ壁の軸方向の長孔２２を形成してい
る。

上記空隙２１内には、上記軸線ａと直角に交叉し、かつ
これに対してオフセットされた軸１７を設け、両端がそ
れぞれ前記ロータ２の半割り部材２ａ、２ｂに嵌合にて
位置ぎめされており、前記軸１７まわり、即ち軸線すま
わりにベアリング１８を介して回転自在に軸承されたピ
ニオン歯車５が配設されており、前記空隙２１と適当な
りリアランス（具体的には０．０２〜０．０８１ｒｒ！
！Ｌ程度）を有する厚さとなっている。

更に、ピニオン歯車５の両側面のうち、ロータ；２の半
割部材２ａｙ２ｂの接触面２０１ａ、２０１ｂに対向す
る位置には、リング状の溝５０２゜５０３が設けてあり
、またピニオン歯車５内にはこのリング状の溝５０２，
５０３を連通ずる小孔５０４を有している。

筐体たるウオーム１の軸方向の一方の端部にはウオーム
１の内周面とロータ２の外周面との間ニ形成した吸入室
１４と連通ずる吸入管１０が設けられており、該吸入室
１４は各歯溝Ｐｘ−Ｐ２９ Ｐ３の始端と連通している
。

ロータ２の他端部には長孔２２の端部側方の近接位置に
例えば台形状をした吐出口１１が開口し、ロータ２内に
設けた導出口１２を介してウオーム１の内周面とロータ
２の外周面との間に形成した吐出室１５と連通し、該室
１５は更にウオーム１に設けた吐出管１６と連通してい
る。

そして、上記吐出口１１は、ウオーム歯面の歯Ｎｐ １
ｔＰ２．Ｐ３の終端ＷＰ１ｏ、Ｐ２ｏ、Ｐ３ｏと対応
する位置にあり（第３図な破線で示す）ロータ２の回転
に伴い順次各終端部と連通ずるようになっている。

また、特に、ロータ２に設置された吐出口１１とピニオ
ン歯車５の前面との間であって、かつ第３図に破線で示
す如くウオーム歯面の歯溝終端部に対応する位置に小孔
１９（本実施例ではφ０．５〜φ２としている）を前記
ピニオン歯車５のリング状溝５０２に連通させている。

次に上記構成よりなる圧縮機の作動を説明する。

前記軸線ａのまわりに矢印ｆで示される方向に回転軸３
１．３２が回転されると、これと一体にロータ２が同方
向に回転される。

そしてロータ２の内部でその軸と交叉するとともに該軸
にオフセットされ、かつ、該ロータ２に固着された軸１
７、即ち軸線すまわりに軸受１８にて回転自在に軸承さ
れたピニオン歯車５は、ウオーム歯ｆＲＰｎＰ２．Ｐ３
と内噛み合いで噛合し、ロータ２と一体的に回動すると
同時に前記ウオーム歯溝との噛合いを保ちながら、軸線
すのまわりを時計方向（第１図に示す矢印ｎ方向）に回
転し、ビニオン歯車５の歯５０１は歯溝Ｐｘｔ Ｐ２？
Ｐ３に案内されてこれ等の始端側（第１図の右側）か
ら、終端側（第１図の左側）へと移行する。

そして、ビニオン歯車５の歯５０１と歯＠ｐ１゜Ｐ２．
Ｐ３とロータ２の外周面とにより形成される気体密封室
は、歯溝深さの変化により、先ず容積が増加して吸入室
１４より気体を吸入し、次いで容積を減少させて気体の
圧縮を行ない、歯溝ｐｔ。

Ｐ２．Ｐ３の終端部近傍に開口する吐出口１１より吐出
を行なう。

なお、ロータ２に設けられた吐出口１１は、ウオーム歯
溝と常時開口しているのではなく、第３図に示すように
、該気体密封室が適当な容積に減少したときから前詰容
積がＯになるまで（ウオーム１に対するロータ２の相対
回転角において）の間のみ開口するようにしである。

しかして、この場合、吐出口１１が開口し吐出が開始し
、更に、ビニオン歯車５の歯５０１が移動すると、本考
案になる小孔１９が開口し、高圧であって潤滑油成分の
多い気体が前記小孔１９を介してビニオン歯車５のリン
グ状溝５０２に導かれ、さらに小孔５０４を経て前記ビ
ニオン歯車５の他のリング状溝５０３に導かれる。

これによって、ビニオン歯車５の前後両面とロータ２の
接触面２０１ａ、２０１ｂとの潤滑を良好にするととも
にビニオン歯車５の歯５０１の前面と前記ロータの接触
面２０１ａ部のシール効果を向上させ機械効率、体積効
率の向上が得られ、しいては耐久性のすぐれたウオーム
型圧縮機を得ることができる。

従って本考案のウオーム型圧縮機は円筒形のウオームに
ビニオン歯車を内噛み合いで噛合せしめるようにしたた
め、装置の外形形状が簡単な円柱形状となるとともに、
その容積も大幅に少さくなっている。

更に本考案圧縮機では、ビニオン歯車のロータと接触す
る前後面に溝を設け、かつ、ロータに設けられた吐出口
と前記ピニオン歯車前面との間よりこの溝に小孔を連通
させるようにしたため、ビニオン歯車の摺接面に多くの
潤滑油を含有した気体を供給することができ、そのため
ビニオン歯車とロータとの間の潤滑が極めて良好となり
、ビニオン歯車がその歯に受ける荷重に十分耐えうると
ともに、偏摩耗を起すこともなくなる。

併せて本考案圧縮機ではピニオン歯車前後面の溝間を小
孔にて連通させるようにしたため、ピニオン歯車前後面
の圧力の均一化が図れて、ビニオン歯車の歯の前面とロ
ータの接触部のシールが良好になって、体積効率も大幅
に向上する。

即ち、本考案圧縮機は耐久性が大幅に向上できるととも
に、効率も著しく高めることができるといった優れた効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる圧縮機の一実施例の縦断面図、第
２図は第１図のＩ−Ｉ線に沿う断面図、第３図はウオー
ムを円周方向に展開した概略図を示す。 １・・・・・・ウオーム、Ｐｌ、Ｐ２．Ｐ３・・・・・
・ウオームの歯溝、２・・・・・・ロータ、５・・・・
・・ビニオン歯車、５０２．５０３・・・・・・溝、ａ
・・・・・・ロータの回転軸線、ｂ・・・・・ビニオン
歯車の回転軸線、１１・・・・・・吐出口、１４・・・
・・・吸入室、１９・・・・・田−夕に設けられた小孔
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状の内周面に螺旋状の歯溝を形成するとともに該歯
   溝の深さを円筒体の軸方向中央部において最も深く両端
   部へ漸次浅くしたウオームと、前記ウオーム内に同軸的
   かつ回転可能に摺接し内部に軸線とは平行な円形の空隙
   が形成されたロータと、この空隙に配設された前記ロー
   タの軸線と直交するとともに前記軸線に対してオフセッ
   トされた軸線まわりに回転可能なピニオン歯車とを備え
   、前記ピニオン歯車の先端部を前記空隙の一端により前
   記ロータ軸線方向のロータ外周面に形成された長孔より
   突出せしめて前記ウオームの歯溝に内噛み合いで噛合す
   るようになし、前記ウオームの歯面、ピニオン歯車の歯
   、及びロータ外周面により気体密封室を形成せしめ、ロ
   ータの回転に伴い前記気体密封室の容積を変化させるこ
   とにより、潤滑油を混入した気体を吸入・圧縮し、圧縮
   された気体を前記長孔後部のロータ回転方向に近接した
   部位に開口した吐出口より吐出せしめるウオーム型圧縮
   機であって、前記ロータと常時対抗するピニオン歯車の
   両端面にリング状の溝及び両溝間を連通ずる小孔を設け
   、かつ前記吐出口と前記長孔との間のロータ外周面に開
   口し前記ピニオン歯車のリング状の溝に連通ずる小孔を
   設けたことを特徴とするウオーム型圧縮機。