JP2004143372A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び成形物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアリーレンスルフィド樹脂相に熱可塑性エラストマーが分散されてなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物において、該ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を射出成形したときに得られる充分に結晶化した成形物品のウエルド部分が、標準状態において15%以上の引張破断のびを有することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び成形物品に関する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐薬品性、難燃性、優れた機械的特性を有するポリアリーレンスルフィド(以下、PASという)樹脂のウエルド部分ののびを改善した樹脂組成物に関する。本発明のPAS樹脂組成物は、例えば、流体の配管部材等、円筒形状を有する射出成形物品に特に有用である。
【0002】
【従来の技術】
PAS樹脂は、それ自体優れた耐熱性、耐薬品性、難燃性、機械的特性を有しており、例えば、耐熱水性を活かして給湯器の配管部材等に用いられ、近年大きく需要を伸ばしている。
【0003】
しかしながら、従来のPAS樹脂では、特に射出成形法により形成される成形物品中に、金型キャビティー内で2つ以上の樹脂流動先端が合流して融着する部分、即ちウエルドが発生し、該ウエルド部の強度(以下ウエルド強度という)が小さいことに起因して、成形物品の耐久性等が不充分となる事例が生じている。
【0004】
そこで、PAS樹脂のウエルド強度を改善しようとする手法が種々検討されている。
【0005】
例えば、PAS樹脂に他成分を添加することによりウエルド強度が改良されたPAS系組成物(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照。)が提案されている。
【0006】
さらに加えて、PAS樹脂の分子量や非ニュートン係数の適正化によるウエルド強度の改良方法(例えば、特許文献5参照。)、PAS樹脂の射出成形法に特徴のあるウエルド強度の改良方法(例えば、特許文献6参照。)が提案されている。
【0007】
しかしながら、ウエルド強度が改善されても、樹脂の用途によっては、ウエルド部分ののびが必要とされる場合がある。例えば、ウエルド部位を有する筒状の成形物品内に水を充満させた状態で内部の水が凍結する場合等は、ウエルド強度が高くても、ウエルド部分の伸びが悪いと、水の膨張により、ウエルド部位を起点として、成形物品が破断しやすい現状にある。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−41427号公報(第1−2頁)
【特許文献2】
特開平10−237150号公報(第1−3頁)
【特許文献3】
特開2002−3716号公報(第1−3頁)
【特許文献4】
特開2002−12764号公報(第1−4頁)
【特許文献5】
特開平7−296881号公報(第1−2頁)
【特許文献6】
特開2001−300969号公報(第1−2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、成形物品のウエルド部分ののびが大きい、例えばウエルド部分を有する円筒形状の成形物品内に水を充満させた状態で内部の水が凍結した場合でも、ウエルド部分を起点とした破壊が生じにくいPAS樹脂組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、成形物品のウエルド部分ののびが特定数値範囲を越えることが上記課題を解決するために重要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂相に熱可塑性エラストマーが分散されてなるPAS樹脂組成物において、該PAS樹脂組成物を射出成形したときに得られる充分に結晶化した成形物のウエルド部分が、標準状態において15%以上の引張破断のびを有することを特徴とするPAS樹脂組成物を提供するものである。また本発明は、上記PAS樹脂組成物を射出成形してなる成形物品を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
まず本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂相に熱可塑性エラストマーが分散されてなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物である。
【0013】
本発明に使用するPAS樹脂としては、例えば置換基を有してもよい芳香族環と硫黄原子が結合した構造の繰り返し単位を含むランダム共重合体、ブロック共重合体、およびそれらの混合物あるいは単独重合体との混合物等が挙げられる。
これらのPAS樹脂の代表的なものとしては、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSという)、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトンスルホンなどが挙げられる。これらのPAS樹脂の中でも、上記繰り返し単位の芳香環への結合がパラ位である構造を有するものが耐熱性や結晶性の面で好ましい。
【0014】
特に、下記一般式で示される繰り返し構成単位(式中、芳香族環は置換基を含まない)を70モル%以上含むPPS樹脂が物性面及び経済性の面で好ましい。
【0015】
【化1】
【0016】
また、PPS樹脂中に含有される共重合成分としては、例えば下記の構造式で示されるメタ結合、
【0017】
【化2】
【0018】
下記構造式で示されるエーテル結合、
【化3】
【0019】
下記構造式で示されるスルホン結合、
【化4】
【0020】
下記構造式で示されるスルフィドケトン結合、
【化5】
【0021】
下記構造式で示されるビフェニル結合、
【化6】
【0022】
下記構造式で示される置換フェニルスルフィド結合、
【化7】
(式中、Rはアルキル機、ニトロ基、フェニル基またはアルコキシ基を示す。)
【0023】
下記構造式で示される3官能フェニルスルフィド結合、
【化8】
【0024】
下記構造式で示されるナフチル結合
【化9】
等を含む成分が挙げられる。これらの成分の含有率は、特に制限されないが、30モル%未満であることが好ましい。3官能性以上の結合を含む成分を共重合させる場合は、これらの成分は通常5モル%以下であり、3モル%以下であることが好ましい。
【0025】
本発明に使用するPAS樹脂は、1−クロロナフタレンを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィーにより求められる分子量分布のピーク分子量が35,000以上であることが好ましく、更に、該ピーク分子量が38,000以上であることがより好ましく、該ピーク分子量が40,000〜45,000であることが最も好ましい。PAS樹脂のピーク分子量が該範囲にある場合に、本発明のPAS樹脂組成物を用いて得られる成形物品のウエルド部分ののびが向上する。
【0026】
本発明におけるピーク分子量は、後記実施例のゲル浸透クロマトグラフ測定において、標準物質としてポリスチレンを用いて、ポリスチレン換算量として求められる数値に基づくものである。数平均分子量や重量平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーの分子量分布曲線のベースラインの取り方次第で値が変化するのに対し、ピーク分子量は、値が分子量分布曲線のベースラインの取り方に左右されないものである。
【0027】
本発明に使用するPAS樹脂の溶融粘度は、キャビラリーレオメーターを用いて測定した、300℃、せん断速度500sec−1での粘度が100〜1000Pa・sであることが好ましく、特に200〜500Pa・sであることが好ましい。溶融粘度が該範囲にある場合に、本発明のPAS樹脂組成物を用いて得られる成形物品のウエルド部分ののびが向上し、射出成形に用いる場合に流動性とのバランスが好適となる。
【0028】
PAS樹脂の製造方法としては、特に限定されないが、例えば1)ジハロゲノ芳香族化合物と、更に必要ならばその他の共重合成分とを、硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、2)ジハロゲノ芳香族化合物と、更に必要ならばその他の共重合成分とを、極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下に、重合させる方法、3)p−クロルチオフェノールと、更に必要ならばその他の共重合成分とを自己縮合させる方法、4)有機極性溶媒中で、スルフィド化剤とジハロゲノ芳香族化合物と、更に必要ならばその他の共重合成分とを反応させる方法等が挙げられる。
これらの方法のなかでも、本発明のPAS樹脂を得るためには、4)の方法が好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加しても良い。
【0029】
本発明に使用するPAS樹脂は、上記4)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物を含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールすることによりPAS樹脂を製造する方法(特開平07−228699号公報参照。)で得られるものが特に好ましい。上記製造方法は、分子量が大きく、且つ、熱可塑性エラストマーとの相溶性が良好なPAS樹脂を安定的に製造することができる。
【0030】
本発明に使用するPAS樹脂は、金属含有量、特にNa含有量の低いPAS樹脂であることが好ましい。特にNa含有量は500ppm以下であることが好ましい。Na含有量が低い程、PAS樹脂と熱可塑性エラストマーとの相溶性が向上する傾向がある。
【0031】
Na含有量の低いPAS樹脂を得る方法としては、酸処理の後洗浄する手法(特開昭62−223232号公報、特開平10−45911号公報、特開平10−45912号公報、特公平10−60113号公報等)が挙げられる。この酸処理に使用される酸としては、PAS樹脂を分解する作用を有さないものであれば特に制限はないが、例えば酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸、プロピル酸等を挙げることができ、なかでも酢酸、塩酸が好ましい。酸処理の方法としては、酸または酸水溶液にPAS樹脂を浸漬する方法等があるが、この際必要に応じ攪拌または加熱することができる。
【0032】
また上記酸処理には、PAS樹脂の粉粒体、または重合後のスラリ−状態にあるPAS樹脂を使用することもできる。
【0033】
また、PAS樹脂は、末端チオール基の濃度が、5〜50μモル/gであることが好ましい。
【0034】
さらに本発明に使用するPAS樹脂として、カルボキシル基で変性された、即ちカルボキシル基含有ポリアリ−レンサルファイド系樹脂(以下、CPAS系樹脂という)を用いることができる。
CPAS系樹脂としては、例えば、下記一般式
【0035】
【化10】
下記一般式
【0036】
【化11】
(式中、YはO、SO2、CH2、C(CH3)2、CO又はC(CF3)2を示す。)
【0037】
または下記一般式
【化12】
で示される繰り返し構造単位を有するCPASと繰り返し単位が上述した下記一般式
【0038】
【化13】
で表される繰り返し単位を有するPASとの共重合体等が挙げられる。
【0039】
上記CPAS中の繰り返し構造単位の含有率は、使用する目的等々によって異なるため一概に規定できないが、CPAS系樹脂中の0.5〜30モル%、好ましくは、0.8〜20モル%である。このような共重合によるCPAS系樹脂は、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でも、グラフト共重合体でも構わない。最も代表的なものとして、PAS部分がPPSでCPAS部分が下記一般式
【0040】
【化14】
で示されるカルボキシル基含有ポリフェニレンサルファイド系樹脂(CPPS)である共重合体が挙げられる。
【0041】
共重合によるCPAS系樹脂の製造法としては、次のような方法が挙げられる。すなわち、例えばランダム共重合体の場合には、特開昭63−305131号公報に記載のように、ジハロゲノ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とジハロゲノ芳香族カルボン酸及び(または)そのアルカリ金属塩とを用いる方法や該製造法において用いたアルカリ硫化物に代えて水硫化アルカリ金属化合物と水酸化アルカリ金属を用いる方法などが挙げられる。またブロック共重合体の場合には(1)PASプレポリマーの存在する極性溶媒中で、ジハロゲノ芳香族カルボン酸及び/またはそのアルカリ金属塩とスルフィド化剤(アルカリ硫化物;水硫化アルカリ金属化合物と水酸化アルカリ金属との併用)を反応させる方法、(2)CPASプレポリマーの存在する極性溶媒中で、ジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤を反応させる方法、(3)極性溶媒中で、PASプレポリマーとCPASプレポリマーを反応させる方法などがある。
【0042】
さらに本発明のPAS樹脂として、アミノ基で変性された、即ちアミノ基含有ポリアリ−レンスルフィド系樹脂(以下、APAS系樹脂という)を用いることができる。
APAS系樹脂中のアミノ基含有量は、0.1〜30モル%が好ましい。
このAPAS系樹脂は、例えばN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロゲノベンゼンとを反応させる際に、アミノ基含有芳香族ハロゲン化物を共存させて重合することにより得ることができる。
【0043】
このAPAS系樹脂の共重合に際して用いることができるアミノ基含有芳香族ハロゲン化物としては、下記一般式
【0044】
【化15】
(式中、Xはハロゲン原子を表し、Zは水素原子、−NH2又はハロゲン原子を表し、R1は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、mは0〜4の整数である。)で表される化合物を挙げることができる。
【0045】
その具体的化合物としては、例えばm−フルオロアニリン、m−クロルアニリン、3,5−ジクロルアニリン、2−アミノ−4−クロルトルエン、2−アミノ−6−クロルトルエン、4−アミノ−2−クロルトルエン、3−クロル−m−フェニレンジアミン、m−ブロムアニリン、3,5−ジブロムアニリン、m−ヨ−ドアニリン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
【0046】
次に、本発明に使用する熱可塑性エラストマーについて説明する。
【0047】
本発明に使用する熱可塑性エラストマーとは、PAS樹脂の溶融温度で融解し、固体時にゴム弾性を有する熱可塑性樹脂をいう。かかる熱可塑性樹脂としては、例えばオレフィン系ゴム、共役ジエンの水添重合体、アクリル系ゴム、チオコールゴム、ポリスルフィドゴム、ポリウレタンゴム、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。
【0048】
本発明に使用する熱可塑性エラストマーの具体例としては、例えばα−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体からなる熱可塑性エラストマー(A)、水添ニトリル系熱可塑性エラストマー(B)が挙げられる。
【0049】
また、熱可塑性エラストマーは、反応性の官能基を分子内に有することがPAS樹脂と熱可塑性エラストマーとの相溶性向上の点で好ましい。特に、PAS樹脂相中の熱可塑性エラストマーの分散粒子径を小さくする点で好ましい。反応性の官能基としては、ビニル基、水酸基、カルボキシル基、ジカルボン酸の酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、イソシアヌレート基、マレイミド基等が挙げられ、好ましくはカルボキシル基、ジカルボン酸の酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、オキサゾリン基である。これらの官能基のうち、特に好ましくはカルボキシル基、ジカルボン酸の酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、オキサゾリン基である。
【0050】
上記熱可塑性エラストマー(A)としては、例えばα−オレフィン、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、及びα,β−不飽和酸のグリシジルエステルよりなる、グリシジル基含有オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−1)、α−オレフィン、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、不飽和カルボン酸またはその酸無水物よりなる、酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−2)等が挙げられ、熱可塑性エラストマー(B)としては、酸変性水添ニトリル系熱可塑性エラストマー(B−1)等が挙げられる。
【0051】
ここで前記熱可塑性エラストマー(A−1)及び(A−2)の単量体成分であるα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1等から選ばれる1種以上が使用される。これらのうち、エチレンが好ましい。
【0052】
更に、前記熱可塑性エラストマー(A−1)及び(A−2)の単量体成分であるα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、炭素数が3〜8個の不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸などのアルキルエステルであり、具体例としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどが挙げられる。これらのうち特にアクリル酸メチル、アクリル酸エチル 、アクリル酸n−ブチルが好ましく用いられる。また、これらα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルは、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0053】
又、前記熱可塑性エラストマー(A−1)の単量体成分であるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとしては、下記一般式で示される化合物が挙げられる。下記一般式で示される化合物としては、例えば、アクリル酸グルシジル、メタクリル酸グリシジル、特にメタクリル酸グリシジルが挙げられる。
【0054】
【化16】
(ここで、R1は水素原子または低級アルキル基を示す)
【0055】
これらオレフィン系熱可塑性エラストマー(A−1)は、α−オレフィン(1)とα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル(2)との重量割合が(1):(2)=50〜90:10〜50であって、かつこれらの合計((1)+(2))とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル(3)とを70〜99.5:0.5〜30の重量割合で共重合してなることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−1)の構成がかかる範囲にあると、PAS樹脂をゲル状にすることがなく相溶性に優れ、PAS樹脂の耐熱性も損なうことがない。
【0056】
前記酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−2)の酸成分として用いられる不飽和カルボン酸またはその酸無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸メチル、無水メチルマレイン酸、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水シトラコン酸等が挙げられ、これらは単独又は二種以上を混合して使用される。またこれらの誘導体も使用することができ、中でも無水マレイン酸がより好ましく用いられる。
【0057】
酸変性オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−2)は、α−オレフィン(I)とα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル(II)との重量割合が(I):(II)=50〜90:10〜50であって、かつこれらの合計((I)+(II))と不飽和カルボン酸またはその酸無水物(III)とを90〜99.5:0.5〜10の重量割合で共重合してなることが好ましい。オレフィン系エラストマー(A−2)の構成がかかる範囲にあると、PAS樹脂をゲル状にすることがなく相溶性に優れ、PAS樹脂の耐熱性も損なうことがない。
【0058】
また、上記水添ニトリル系熱可塑性エラストマー(B)とは、不飽和ニトリルと共役ジエン系化合物の共重合体中の二重結合に水素を付加させたものをいい、分子内に含まれる>C=C<の二重結合がヨウ素価率(g/100g)で表現したとき、40(g/100g)以下、好ましくは30(g/100g)まで水素添加されたニトリル系熱可塑性エラストマ−であることが好ましい。
【0059】
水添ニトリル系熱可塑性エラストマ−なる語における「水添」の意味は、実質上>C=C<の二重結合のみが水素添加されることであって、即ち−C≡Nの三重結合を維持しながら共役ジエン化合物の二重結合を水素添加することを意味している。
本発明で用いられる水素添加率としては、JIS K−0070記載のヨウ素価率により表現する。本発明に使用する水添ニトリル系熱可塑性エラストマ−としては、PAS樹脂と熱可塑性エラストマーとの相溶性向上の点、特に、PAS樹脂相中の熱可塑性エラストマーの分散粒子径を小さくする点で分子内に反応性の官能基を有することが好ましい。
【0060】
反応性の官能基としては、例えばビニル基、水酸基、カルボキシル基、ジカルボン酸の酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、イソシアヌレート基、マレイミド基等が挙げられる。これらのうち、PAS樹脂と熱可塑性エラストマーとの相溶性向上の点、特に、PAS樹脂相中の熱可塑性エラストマーの分散粒子径を小さくする点で、カルボキシル基を有する酸変性水添ニトリル系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0061】
ニトリル系熱可塑性エラストマ−としては、少なくとも1種の不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルと、少なくとも1種の共役ジエン類、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3ブタジエン、1,3−ペンタジエン等からなる共重合体が挙げられる。特に好ましい共重合体類としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体類が挙げられる。
【0062】
また水添ニトリル系熱可塑性エラストマー中の不飽和ニトリル単位の比率としては、10〜60重量%であり、20〜50重量%であることが好ましい。また、カルボキシル基含有単位の比率としては、水添ニトリル系熱可塑性エラストマー中1〜10重量%が好ましい。
酸変性水添ニトリル系熱可塑性エラストマー(B−1)の構成がかかる範囲にあると、PAS樹脂をゲル状にすることがなく相溶性に優れ、PAS樹脂の耐熱性も損なうことがない。
【0063】
本発明に使用する熱可塑性エラストマーの含有量としては、PAS樹脂組成物中に1〜20重量%であることが好ましい。特に好ましい含有量は2〜10重量%である。熱可塑性エラストマーの含有量が該範囲にある場合に、特に、PAS樹脂組成物中での熱可塑性エラストマーの分散が微細でかつ均一性が高くなり、特に、成形物品のウエルド部分ののびが良好となる。
【0064】
本発明のPAS樹脂組成物は、PAS樹脂相に熱可塑性エラストマーが分散してなるものである。かかる熱可塑性エラストマーの重量平均粒子径は0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることが特に好ましい。熱可塑性エラストマーの重量平均粒子径がこの範囲であると、特にウエルド部分ののびが良好となる。
【0065】
熱可塑性エラストマーの重量平均粒子径の測定方法としては、例えば本発明のPAS樹脂組成物を用いて形成された成形物品に切削ノッチを付け、破断し、その破断面を電子顕微鏡で観察し、該電子顕微鏡写真を用いて粒子径を測定する方法が挙げられる。上記破断面は、必要に応じ、熱可塑性エラストマー成分を溶解あるいは膨潤させる溶媒を用いてエッチングしてから観察しても良い。この場合、エッチング前の状態で測定される成形物の破断面に熱可塑性エラストマーと見間違えるボイドが無いか、あるいは極めて少ないことを確認し、且つ、エッチング後のエッチング液の溶媒を除去した場合に残る固体の主成分が、エッチングされた熱可塑性エラストマーであることを確認することが好ましい。
【0066】
次ぎに、本発明のPAS樹脂組成物は、射出成形したときに得られる充分に結晶化した成形物のウエルド部分が、標準状態において15%以上の引張破断のびを有するものである。このうち、ウエルド部分の引張破断のびは25%以上であることが好ましい。
【0067】
上記条件を満たす場合PAS樹脂組成物を用いると、ウエルド部分を有する成形物品ののびが優れたものになり、例えば、ウエルド部分を有する筒状の成形物品の場合、内部に水を充満させた状態で水が凍結しても、破損しない成形物品を形成せしめることができる。
【0068】
本発明における引張破断のびは、ISO 527−1及び527−2や、ASTM D638、JIS K7161及びK7162等に記載の方法に準じて引張速度が5〜50mm/分で測定された値を意味する。またのびは歪みと称される場合もある。
【0069】
本発明におけるウエルド部分の引張破断のびは、引張特性の測定に用いられるダンベル形状の、幅の狭い平行部分にウエルド部がある試験片を用い、該平行部分に標線間距離を設けて、ISO 5893等によるのび計を用いて測定されるものである。
本発明に記載のウエルド部分とは、前記平行部分の平行方向に沿った対向する2つの樹脂流動の先端界面が合流して融着してできるウエルド部を含む部分をいう。このウエルド部は該平行部分の中央部付近に形成されることが好ましい。
標準状態とは、23±2℃、50±5%RHの状態をいう。この場合、1〜4mmの厚みの試験片が好適に使用される。
【0070】
また「充分に結晶化した」とは、例えば、JIS K7122に準じた示差走査熱量測定(以下、DSCと略す)による測定で、示差走査熱量曲線において非晶部の結晶化に伴う転移熱、即ち冷結晶化熱が観測されない状態をいう。
このような充分に結晶化した成形物は、PAS樹脂のガラス転移点より充分に高い温度で充分な時間成形物品を保持した場合に得ることができる。例えば、PAS樹脂の代表として挙げられるポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略す)の場合、ガラス転移点は約90℃であるが、140℃で1時間保持した成形物は充分に結晶化していると言える。
【0071】
本発明のPAS樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、機械的特性の向上や成形加工性の向上を図る等の目的で、各種の強化材及び/又は充填剤を添加しても良い。
【0072】
本発明に使用することができる強化材及び充填材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、窒化珪素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、ウオラストナイト、PMF、フェライト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、ドロマイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、ミルドガラス、ガラスビーズ、ガラスバルーン等がある。
【0073】
本発明のPAS樹脂組成物に用いる強化材及び/又は充填剤の量は、組成物中5重量%以下であることが好ましく、特に好ましい範囲は、1重量%以下であり、添加しないのが最も好ましい。強化材及び/又は充填剤の量が少ない方が、樹脂組成物ののびが大きくなる傾向にあり、ウエルド部ののびも大きい傾向にある。
【0074】
本発明のPAS樹脂組成物に、PAS樹脂と熱可塑性エラストマーの相互作用を向上させる目的で、官能基を有する有機化合物(C)を添加することが好ましい。
【0075】
本発明おいて用いる有機化合物(C)は、具体的にはビニル基、水酸基、カルボキシル基、ジカルボン酸の酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、イソシアヌレート基、マレイミド基から選ばれる少なくとも1種の官能基を1個以上、好ましくは2個以上を含有する有機化合物である。有機化合物(C)としては、これら官能基の少なくとも1種を1個以上、好ましくは2個以上含有する熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0076】
官能基を有する有機化合物(C)の具体例として、エチレングリコール、プロパンジオール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、カテコール、レゾシノール、ヒドロキノン、ビスフェロールA、ベンゼントリオール、ベンゼンテトラオール等の多価アルコール類;2ーアミノエタノール、3ーアミノプロパノール等のアミノアルコール類;エタンジチオール、プロパンジチール、1,2ーベンゼンチオール、1,3ーベンゼンチオール、1,4ーベンゼンチオール等のメルカプト化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、レゾシノールジグリシジルエーテル、ベンゼントリオールトリグリシジルエーテル、ベンゼンテトラオールテトラグリシジルエーテル、等の多価グリシジルエーテル類;1,3−フェニレンビスー(2ーオキサゾリン)、1,4−フェニレンビスー(2ーオキサゾリン)、エチレンビスー(2ーオキサゾリン)などのビスー(2ーオキサゾリン)化合物;1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4ージフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’ーテトラカルボキシベンゾフェノンニ無水物、4.4’ーメチレンビス(ベンゼンー1,2ージカルボン酸)ニ無水物のようなポリカルボン酸無水物;1,2ーフェニレンジアミン、1,3ーフェニレンジアミン、1,4ーフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン等のジアミン化合物等が挙げられる。
【0077】
また、官能基を有する熱可塑性樹脂としては、グリシジル基含有ポリオレフィン系樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂、オキサゾリン基含有ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂等が挙げられる。また熱硬化性樹脂としてはエポキシ系樹脂、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、トリアジン系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。
これらのうち好ましい有機化合物(C)としては、グリシジル基含有ポリオレフィン系樹脂、オキサゾリン基含有ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
【0078】
またビニル基、グリシジル基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基から選ばれる少なくとも1種以上を含有するシランカップリング剤またはチタンカップリング剤なども有機化合物(C)として使用ことができる。
【0079】
またさらに本発明のPAS樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で上記熱硬化性樹脂以外の熱硬化性樹脂、及び本発明に使用するPAS樹脂及び熱可塑性エラストマー以外のその他の熱可塑性樹脂を添加することができる。
これらの熱硬化性樹脂及びその他の熱可塑性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどを挙げることができる。
【0080】
さらに本発明のPAS樹脂組成物には、黒鉛、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン等の潤滑剤及びその安定化剤を含むことができる。又、さらに本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、防錆剤、滑剤、結晶核剤、着色剤、等を添加することができる。
【0081】
本発明のPAS樹脂組成物は、種々の公知の方法で調製することができる。
調製方法としては、例えばPAS樹脂、熱可塑性エラストマー、必要により、充填材等をあらかじめヘンシェルミキサー又はタンブラー等で混合した後、1軸又は2軸押出混練機などに供給して200℃〜360℃で混練し、造粒しペレット化することにより得る方法が挙げられる。特に、混練用のニーディングディスクを備えた同方向回転の2軸押出混練機を用いることが好ましい。
【0082】
また、上記の混合に際し必要に応じて他の強化材、充填剤や各種添加剤を添加してもよい。
【0083】
また、ペレット化後に、アニーリング処理や、UV照射、プラズマ照射等の加工処理を施すこともできる。
【0084】
本発明のPAS樹脂組成物は、成形することにより、成形物品を得ることができる。
成形方法としては、射出成形、プレス成形、押出成形、ブロー成形等が挙げられる。特に、射出成形により成る成形物品であって、ウエルド部分を有する成形物品に、本発明のPAS組成物が好適に用いられる。
【0085】
ウエルド部分を有する成形物品としては、例えば、多点ゲートを用いて成形される成形物品、1点ゲートでも金型キャビティー内で樹脂流路が1度分かれて再度合流して融着する成形物品、及び、これらの複合形状(多点ゲートを用いて成形される成形物品であって、金型キャビティー内で樹脂流路が1度分かれて再度合流して融着する成形物品等)が挙げられる。円筒形状を有する射出成形物品は、一般にウエルド部分を有する成形物品となりやすいので、本発明のPAS樹脂組成物を適用するのに好適な成形物品として挙げられる。
【0086】
成形物品の肉厚が10mm以下である場合には、特にウエルド部分ののびが大きい方が成形物品が破断しにくいため、本発明のPAS樹脂組成物が好適に使用される。
【0087】
なお、本発明のPAS樹脂組成物の用途としては、例えばセンサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、モーターインシュレーター、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品;顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器精密機械関連部品;ポンプ部品、水量調節弁、逃がし弁湯温センサー、水量センサー、水道メーターハウジング、水道蛇口コマ、混合水栓、などの水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナー等の自動車・車両関連部品、その他各種用途が例示できる。
【0088】
特に、流体の配管部材の用途に本発明の成形物品は好ましく適用される。
流体とは、気体、液体、超臨界流体等であり、例えば、都市ガス、プロパンガス、窒素、酸素、水素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、ハロゲンガス、水蒸気、冷水、温水、沸騰水、温泉、各種有機溶剤、冷媒、熱媒、硫酸等の酸類、水酸化ナトリウム水溶液のようなアルカリ液、溶融ポリマーやポリマー溶液等が挙げられる。
配管部材としては、例えば、パイプ、ライニング管、管継ぎ手類(エルボー、チーズ、レデューサー、その他ジョイントやカップラー)、各種バルブ、流量計、ガスケット(シール材、パッキン類)などが例示できる。
【0089】
上記の用途には、本発明のPAS樹脂組成物よりなる成形物品を単独で用いても良いし、金属等の補強や、塗装、メッキ等の表面加工、内部ライニング処理、アニーリング処理や、UV照射、プラズマ照射等の加工処理等を施した複合成形物品として用いても良い。
【0090】
本発明のPAS樹脂組成物によりなる成形物品は、内部に流体等が流入された状態で、内部の流体による圧力がかかってもウエルド部位を起点とした破壊が生じにくい。例えば、内部に水を充満させた状態で内部の水が凍結する用途に用いても、ウエルド部位を起点とした破壊が生じにくい。従って、寒冷地で使用される流体用、特に水系用の配管部材等の成形物品に本発明のPAS樹脂組成物は好適である。
【0091】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する。例中の部は、重量部を示す。尚、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
本発明のPAS樹脂組成物及び成形物品の測定方法及び評価基準は以下のとおりである。
【0092】
<測定方法及び評価基準>
〔ピーク分子量〕
後記実施例で得られた、PPS樹脂を試験片とし、ゲル浸透クロマトグラフ測定にて求めた。測定条件は、装置:SSC−7000(センシュウ科学社製)、カラム:UT−805L(昭和電工社製)、溶媒:1−クロロナフタレン、カラム温度:210℃、検出器:UV検出器(360nm)を用い、6種類の単分散ポリスチレンを校正に用いて分子量分布を測定し、縦軸がd(重量)/dLog(分子量)、横軸がLog(分子量)の微分重量分子量分布を得、そのピーク分子量を横軸から読み取った。
【0093】
〔引張特性〕
後記実施例または比較例で得られた試験片を用い、ASTM D638に準じて測定した。
この際、ウエルド部を含まない試験片の引張強さ及び引張破断のびは、ASTM 4号(1.6mm厚)のダンベル形状で、ダンベル片端部の1点ゲートから樹脂を射出して作製した。またウエルド部を含む引張強さ及び引張破断のびは、ダンベル両端部の対向2点ゲートから樹脂を射出し、幅のせまい平行部分のほぼ中央部にウエルドができるようにして作製した。
【0094】
〔熱可塑性エラストマーの重量平均粒子径〕
後記実施例または比較例で得られた、引張特性用試験片の幅のせまい平行部分に切削ノッチを付け、ドライアイス/メタノールに漬けて冷却してから、ハンマーで衝撃を与えて破壊して破断片を形成せしめた。該破断片をテトラヒドロフラン中に漬け、3時間還流せしめた後に、取り出して乾燥させて、破断面を走査型電子顕微鏡を用いて10,000倍で観察し、写真を撮影した。次に、該10,000倍の観察写真を用いて、任意の150個の粒子径(粒子の抜け穴径)を測定し、重量平均粒子径を算出した。
【0095】
〔耐充満水凍結試験〕
後記実施例で得られたフランジ部分を有する、内径22mm、外径28mm(厚み3mm)の円筒形状を含むL字型の管継ぎ手を試験片として用い、この試験片を水中に入れ、試験片内部に水が充満し、気泡の無い状態で、そのまま水中で密栓した。水中で密栓をした後、−20℃の冷凍庫内に充満水を内包した成形物品を入れて2時間放置した。耐充満水凍結性については、試験片が割れているか否かを判断基準とし、試験片が割れていないものを「良」とし、割れているものを「不良」とした。
【0096】
参考例1(PPSの合成)
<使用原料>
1.含水スルフィド化剤
含水フレーク状硫化ナトリウム(以下、Na2S・xH2Oという。)[ナガオ(株)製、純度−Na2S:58.9重量%、NaSH:1.3重量%]。
含水フレーク状水硫化ナトリウム(以下、NaSH・yH2Oという。)[ナガオ(株)製、純度−NaSH:71.2重量%、Na2S:2.7重量%]。
【0097】
2.有機極性溶媒
N−メチルピロリドン(以下、NMPという)[BASFジャパン(株)製]。
3.ジハロゲノ芳香族化合物
p−ジクロロベンゼン(以下、p−DCBという)[保土谷化学(株)製]。
4.水
水道水を蒸留した後イオン交換を施したもの。
5.水酸化ナトリウム(以下、NaOHという)[和光純薬工業(株)製]。
6.1,3,5−トリクロロベンゼン(以下、TCBという)[東京化成(株)製]。
【0098】
<合成法>
温度センサー、冷却塔、滴下槽、滴下ポンプ、留出物分離槽を連結した攪拌翼付チタン製反応釜にp−DCB 1838kg(12.5キロモル)、NMP 4958kg(50キロモル)、水 90kg(5.0キロモル)を室温で仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下で100℃まで20分かけて昇温し、系を閉じ、更に220℃まで40分かけて昇温し、その温度で内圧を0.22MPaにコントロールして、Na2S・xH2O 1500kg、NaSH・yH2O 225kg、水425kgの混合液(Na2S:11.4キロモル、NaSH:3.2キロモル、水分50.3重量%)を3時間かけて滴下した。滴下中は同時に脱水操作を行い、水は系外に除去し、水と共に留出するp−DCBは連続的にオートクレーブに戻した。なお、脱水操作とp−DCBを戻す操作は240℃昇温完了まで行い、昇温完了時に系を密閉した。
【0099】
その後、そのままの温度圧力で1時間保持した後、1時間かけて、内圧を0.17MPaに下げながら、内温を240℃まで昇温し、その温度で1時間保持して反応を終了し、室温まで冷却した。
留出液の分析結果によると、反応終了時の反応系内の水分量は全使用スルフィド化剤に対して0.17(モル/モル)であった。
得られた反応スラリーを減圧下(−0.08MPa)、120℃に加熱することにより反応溶媒を留去し、残査に水を注いで80℃で1時間攪拌した後、濾過した。このケーキを再び湯で1時間攪拌、洗浄した後、濾過した。この操作を3回繰り返し、更に水を加え、200℃で1時間攪拌後、濾過し、熱風乾燥機で120℃−10時間乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。このポリマーを以後PPS−1という。このPPS−1のピーク分子量は、40,700、溶融粘度は220Pa・sであった。
【0100】
実施例1〜3および比較例1〜2
各種原料及びその他の原料を、表−1に示す割合で均一に混合した後、35mmφの2軸押出機にて290〜330℃で混練してペレットを得た。このペレットを用い、インラインスクリュー式射出成形機によりシリンダー温度290〜320℃、金型温度130℃、射出圧力80〜100MPa、射出スピード中速にて、引張特性用の試験片及び耐充満水凍結試験用の試験片をそれぞれ成形した。
【0101】
上記表中の試験片について、PAS樹脂中の熱可塑性エラストマーの重量平均粒子径、引張強さ、引張破断のびの測定、耐充満水凍結試験を実施した。この結果を表−1に示す。
【0102】
【表1】
表−1
表−1中、「引張強さ」はウエルド部を含まない試験片の引張強さを表し、「のび」はウエルド部を含まない試験片の引張破断のびを表す。「ウエルド引張強さ」はウエルド部分の試験片の引張強さを表し、「ウエルドのび」はウエルド部分の試験片の引張破断のびを表す。
【0103】
また表−1中の記号は以下のとおりである。
PPS−2:大日本インキ化学工業製PPS「LR−2G」
ピーク分子量34,200、溶融粘度82Pa・s。
ELA−1:グリシジルメタアクリル酸 3重量%、
アクリル酸メチル 30重量%、
エチレン 67重量%、
からなるグリシジル基含有オレフィン系共重合体
ELA−2:無水マレイン酸 2.0重量%、
アクリル酸エチル 31重量%、
エチレン 67重量%、
からなる酸基含有オレフィン系共重合体
ELA−3:ヨウ素化率 4g/100g、
アクリルニトリル含有量 36重量%、
カルボキシル基含有モノマー 5重量%、
からなる水素添加アクリロニトリルーブタジエン共重合体
ADD−1:エポキシ基含有シランカップリング剤
(日本ユニカー製「A−187」)
ADD−2:クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂
(大日本インキ化学工業製「エピクロン N−695」)
【0104】
【発明の効果】
本発明のPAS樹脂組成物は、ウエルド部分ののびが良好であり、円筒形状等、ウエルド部分を有する射出成形物品の耐用性を向上させることができる。例えば、ウエルド部分を有する筒状の成形物品内に水を充満させた状態で内部の水が凍結しても、破損しない成形物品を形成せしめることができる。
Claims (10)
- ポリアリーレンスルフィド樹脂相に熱可塑性エラストマーが分散されてなるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物において、該ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を射出成形したときに得られる充分に結晶化した成形物品のウエルド部分が、標準状態において15%以上の引張破断のびを有することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマーの重量平均粒子径が0.5μm以下である請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂が、1−クロロナフタレンを溶媒とするゲル浸透クロマトグラフィーにより求められる分子量分布のピーク分子量が35,000以上である請求項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂が、加熱した有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を、水が反応混合物から除去され得る速度で供給し、該有機極性溶媒中で該ジハロゲノ芳香族化合物と該スルフィド化剤とを反応させること、並びに反応中及び反応後の反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲に制御することにより得られる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 前記熱可塑性エラストマーが、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中1〜20重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 強化剤及び/又は充填剤が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物中5重量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を射出成形してなる成形物品。
- 前記成形物品が円筒形状を有する成形物品である請求項7に記載の成形物品。
- 前記円筒形状を有する成形物品が流体の配管部材である請求項8記載の成形物品。
- 標準状態の水を充満させた前記成形物品において、該水を凍結させたときウエルド部分が破断しない、請求項8又は9に記載の成形物品。
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