JP2004142858A - エレベータのかご位置検出装置 - Google Patents

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JP2004142858A JP2002307944A JP2002307944A JP2004142858A JP 2004142858 A JP2004142858 A JP 2004142858A JP 2002307944 A JP2002307944 A JP 2002307944A JP 2002307944 A JP2002307944 A JP 2002307944A JP 2004142858 A JP2004142858 A JP 2004142858A
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Abstract

【課題】かご5の実際の位置とずれを生ずることなく正確にかご位置を検出する共に、昇降路内の塵埃による汚れによってかご位置が誤検出されることのないエレベータのかご位置検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】かご5が昇降し得る行程よりも広い範囲に亙って昇降路1の頂部2と底部3間に一条の歯付ベルト11を張設し、この歯付ベルト11と噛合して可逆回転する歯付プーリ16と、この歯付プーリ16によって駆動されて可逆回転するロータリエンコーダ18とをかご5に取り付ける。かご5の昇降に伴ってロータリエンコーダ18から発せられる信号を、昇降路1の定位置を基準に読み取ってかご5の位置を演算するようにしたものである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータのかごに取り付けられた装置によってかごの位置を直接検出するようにした装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータのかご位置検出装置は、かごの移動に伴って可逆回転する調速機にパルス発生器を取り付けてかごの位置を検出していた。(例えば、特許文献1参照。)
また、かごの移動に同期して可逆回転するスプロケットに、このスプロケットと噛合するスプロケット孔が穿設されたスチールテープを巻き掛けてかごと釣合錘とを連結し、かつ、スチールテープにかごの位置情報を表示した符号板を取り付け、この位置情報を読取器で読み取ることによりかごの位置を検出するようにしていた。(例えば、特許文献2参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平3−177283号公報
【特許文献2】
特開2000−351544号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベータのかご位置検出装置は上記のとおり構成されていたので、例えば、特許文献1に開示された、調速機の可逆回転によってかごの位置を検出するかご位置検出装置では、調速機に巻き掛けられるガバナロープと調速機の滑車が滑った場合、又は、磨耗によってガバナロープと滑車との接点が変化した場合、検出位置と実際のかご位置とがずれてしまい、かご位置を正確に検出できない、という問題があった。
また、特許文献2に開示された、かごと釣合錘とを連結するスチールテープに取り付けられた符号板を読み取って、かごの位置を検出する装置では、昇降路内の塵埃やスチールテープと噛合するスプロケットに塗布された油が符号板に付着して汚れ、位置情報が誤って読み取られ易い、という問題があった。また、各符号板間にスプロケット孔が介在するため符号板の取付間隔の短小化にも限界があり、検出可能な最小距離が限られる、という問題もあった。
【0005】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、かごの実際の位置とずれを生ずることなく正確にかご位置を検出すると共に、昇降路内の塵埃による汚れによってかご位置が誤検出されることのないエレベータのかご位置検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータのかご位置検出装置は、かごが昇降し得る行程よりも広い範囲に亙って昇降路の頂部と底部間に一条の歯付ベルトを張設し、この歯付ベルトと噛合して可逆回転する歯付プーリと、この歯付プーリによって駆動されて可逆回転するロータリエンコーダとをかごに取り付ける。かごの昇降に伴ってロータリエンコーダから発せられる信号を、昇降路の定位置を基準に読み取ってかごの位置を演算するようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1から図6は、この発明の実施の形態1を示す。この発明の実施の形態1は、1台のかごを昇降路の最下部から最上部まで昇降させるエレベータに係り、また、ロータリエンコーダとして絶対値エンコーダを使用したものである。
【0008】
図1は、エレベータのかご位置検出装置が装着されたエレベータの昇降路の斜視図である。
昇降路1の頂部2と底部3間には、一対のガイドレール4が立設されている。かご5はガイドレール4に案内されてかご上枠5aに係止された主索6によって昇降駆動される。昇降路1の頂部2には上部ブラケット7が、底部3には下部ブラケット8が、それぞれガイドレール4に取り付けられている。上部ブラケット7には一条の歯付ベルト11の上端が上部取付具12を介して係止され、下部ブラケット8には歯付ベルト11の下端が下部取付具13を介して係止されていて、歯付ベルト11はかご5が昇降し得る行程よりも広い範囲に亙って張設されている。この歯付ベルト11には、かご5に取り付けられた歯付プーリ16が噛合して可逆回転するロータリエンコーダである絶対値エンコーダ18を駆動し、かご5の昇降に伴って回転した角度に対応した絶対値信号を出力する。
また、下部ブラケット8にはかご5が定位置に達すると作動する基準位置検出スイッチ9が取り付けられている。
【0009】
図2は、エレベータのかご位置検出装置の詳細を一部切断して示す側面図、図3は、図2のIII−III線断面を矢視した要部正面図である。
図2及び図3において、ガイドレール4は、レールブラケット1aを介して昇降路壁1aに固定されて立設されており、上部ブラケット7及び下部ブラケット8は、レールクリップ4bによってガイドレール4に固定されて横設されている。上部取付具12は、上部ブラケット7に係止される結合具12aと、ボルト12cで緊締されて結合具12aとの間に歯付ベルト11を挟持する押え板12bとからなる。
【0010】
かご上枠5aにはブラケット15aを介して基板15が立設されている。この基板15には歯付プーリ16の上下に案内ローラ17が可逆回転自在に軸支されていて歯付ベルト11を歯付プーリ16へ導くようになっている。また、絶対値エンコーダ18はカバー19で密閉されて基板15に取り付けられており、内部には歯付プーリ16の回転軸に直結された回転板20と、この回転板20の放射方向へ向けて配置され投光器21と、この投光器21の光を整えるスリット22aが穿設されたスリット板22と、回転板20を介して受光する受光器23とが設けられている。
【0011】
ここで、回転板20には放射方向へ向けて複数段に亙ってスリット20aが穿設されており、受光器23は各段のスリット20aに対応させて段数分が配置されている。従って、受光器23はスリット20aの段数、即ち、受光器23の数をN個とすると、N桁の2進数の信号を出力する。歯付プーリ16の基準ピッチ円半径をRgセンチメートルとすると、受光器23からは、かご5が2πRg/(2)センチメートル昇降するごとにN桁の2進数の絶対値信号が出力されることになる。この絶対値信号からかご5の移動距離を読み取ることができ、また、絶対値信号の増減からかご5の運転方向が知得される。
【0012】
図4はエレベータのかご位置検出装置の電気回路を示すブロック図で、マイコンによって制御される。このマイコンは、CPU31と、プログラムが格納されたROM32と、ROMで構成された基準値メモリ33と、一時的なデータが格納されるRAM34と、演算結果が格納されるRAMからなる演算値メモリ35と、外部装置との信号の授受を行う入出力回路36とからなる。
入出力回路36には受光器23によって検出されたスリット20aのスリット値Snと、基準位置検出スイッチ9の作動による基準位置信号Poが入力され、これらの信号に基いてかご位置Pcが演算されるとかご位置制御回路37へ出力される。
【0013】
基準値メモリ33には、回転板20のスリット20aの最大スリット値Smaxと、最小スリット値Sminと、歯付プーリ16の基準ピッチ円半径Rgと、基準位置検出スイッチ9が作動して基準位置信号Poが入力されたときのかご5の定位置Pocとが記録されている。
ここで、例えば、スリット20aが5段で構成されている場合は、最大値は「11111」であり、最小値は「00000」であるが、最大スリット値Smaxは必ずしも最大値「11111」でなくてもよく、また、最小スリット値Sminは必ずしも最小値「00000」でなくてもよい。最大値「11111」と最小値「00000」の間にあって、現実に回転板20に穿設されたスリット20aの最大値及び最小値が最大スリット値Smax及び最小スリット値Sminとして記録される。
演算値メモリ35には、定位置Pocからの回転板20の回転数Rnと、受光器23からの2進数の絶対値からなるスリット値Snmと、基準位置信号Poが入力されたときのスリット値Snであるオフセット値Soと、演算されたかご位置Pcとが記録される。
【0014】
図5は、基準位置信号Poが入力されたときの動作を示す。即ち、基準位置信号Poが入力されると、割込み処理がなされ、手順S11で、演算値メモリ35の回転数Rnが0にリセットされる。手順S12で、基準位置信号Poが入力されたときのスリット値Snをオフセット値Soとする。即ち、回転数Rnの起算点をオフセット値Soとする。手順S13でスリット値Snをスリット値Snmとして演算値メモリ35に記録して処理を終る。
【0015】
図6は、かご位置Pcの演算処理を示す。この処理は、所定の時間間隔でなされるものとする。
手順S21で、スリット値Snが読み取られる。手順S22で、読み取られたスリット値Snと、演算値メモリ35に記録されているスリット値Snmとが比較される。両者が等しい場合はスリット値Snに変化はないので、そのまま処理を終了する。両者が等しくない場合は手順S23へ移る。
【0016】
手順S23で、スリット値Snが最小スリット値Sminに等しいか調べる。等しい場合は手順S24へ移り、演算値メモリ35に記録されているスリット値Snmが最大スリット値Smaxに等しいか調べる。等しい場合は、回転板20は最大スリット値Smaxから最小スリット値Sminの方向へ回転したことになる。即ち、かご5はUP方向へ移動したことになり、手順S25で演算値メモリ35の回転数Rnに1を加算する。手順S24で、スリット値Snmが最大スリット値Smaxに等しくはない場合は、単なるスリット値Snの変化に過ぎず、まだ1回転には達していないので、手順S29へ移る。
【0017】
手順S23で、スリット値Snが最小スリット値Sminに等しくない場合は手順S26へ移り、スリット値Snが最大スリット値Smaxに等しいか調べる。等しい場合は手順S27へ移り、演算値メモリ35に記録されているスリット値Snmが最小スリット値Sminに等しいか調べる。等しい場合は、回転板20は最小スリット値Sminから最大スリット値Smaxの方向へ回転したことになる。即ち、かご5はDOWN方向へ移動したことになり、手順S28で演算値メモリ35の回転数Rnから1を減算する。手順S27で、スリット値Snmが最大スリット値Smaxに等しくない場合は、単なるスリット値Snの変化に過ぎず、まだ1回転には達していないので、手順S29へ移る。手順S29で、読み取られたスリット値Snを演算値メモリ35にスリット値Snmとして記録する。
【0018】
手順S30で、かご位置Pcを演算する。
かご位置Pcは、基準位置検出スイッチ9が作動してからの距離と基準位置検出スイッチ9が作動する定位置Pocとの和として求めることができる。即ち、
Pc=2πRg{Rn+(Sn−So)/Smax}+Poc
手順S31で、かご位置Pcを演算値メモリ35にかご位置Pcとして記録すると共に、手順S32で、かご位置制御回路37へも入出力回路36を介して出力して処理を終る。
なお、かご位置制御回路37では、かご位置Pcはかご5の速度制御等に供されるが、その詳細はここでは省略する。
【0019】
上記実施の形態1によれば、歯付プーリ16と、この歯付プーリ16の回転軸に直結された絶対値エンコーダ18とをかご5に取り付け、昇降路1に張設された歯付ベルト11と歯付プーリ16とを噛合させるようにしたので、両者間には滑りは生じず正確なかご位置Pcを検出することができる。
また、絶対値エンコーダ18はカバー19で密閉されているので、昇降路1内の塵埃によって回転板20及び受光器23等が汚損されることはない。また、スリット20a、22aが目詰まりを生じることもなく、正確にかご位置を検出することができる。
更に、絶対値エンコーダ18を用いたので、回転板20の回転角を直読することができる。
なお、歯付ベルト11に替えて、歯付プーリ16の歯が貫通する貫通孔が長手方向へ向けて穿設されたスチールテープであってもよい。
【0020】
実施の形態2.
この実施の形態2は、一の昇降路にそれぞれ独立して昇降する上かごと下かごが収納されたエレベータのかご位置検出装置に係るもので、ロータリエンコーダを増分形エンコーダとしたものである。
図7から図9は、この発明の実施の形態2を示す。図の符号中、上かご5Uに係るものは末尾に「U」を付し、下かご5Dに係るものは末尾に「D」を付して区別した。U、Dを除く部分は図1の符号と対応しているので、重複説明は省略する。また、総称する場合は符号からU及びDを削除する。
【0021】
図7において、上かご5Uは、かご上枠5aUに主索6Uが係止されて昇降駆動されるが、下かご5Dは、床下にそらせ車5bDが取り付けられ、このそらせ車5bDに主索6Dが巻き掛けられてかご5Dを迫り上げるようになっている。従って、主索6Dは下かご5D及び上かご5Uの側部を立ち上がって巻上機(図示しない。)に達するようになっている。
歯付ベルト11は、上かご5Uが昇降し得る最上位よりも上の頂部2と、下かご5Dが昇降し得る最下位よりも下の底部3との間に張設される。この歯付ベルト11に、上かご用歯付プーリ16Uと下かご用歯付プーリ16Dがそれぞれ噛合して、上かご用増分形エンコーダ38U及び下かご用増分形エンコーダ38Dを駆動する。
【0022】
また、上かご用基準位置検出スイッチ9Uは、昇降路1の最上部の上かご5Uのみが到達し得る上かご専用領域に取り付けられていて、この位置を定位置として基準位置信号PoUを発する。従って、図8の基準値メモリ53に記録される上かご5U用の定位置PocUは、基準位置検出スイッチ9Uが基準位置信号PoUを発したときの上かご5Uの位置が記録される。
同様に、下かご用基準位置検出スイッチ9Dは、昇降路1の最下部の下かご5Dのみが到達し得る下かご専用領域に取り付けられていて、この位置を定位置として基準位置信号PoDを発する。従って、図8の基準値メモリ53に記録される下かご5D用の定位置PocDは、基準位置検出スイッチ9Dが基準位置信号PoDを発したときの下かご5Dの位置が記録される。
【0023】
図8はエレベータのかご位置検出装置の電気回路を示すブロック図である。増分形エンコーダ39の回転板40には、円周に沿って均等にスリット40aが穿設されている。投光器41aの光はスリット板42のスリット42aを透過して回転板40を照射し、受光器43aは透過光を受光してスリットa信号Saを出力する。同様に、投光器41bの光はスリット板42のスリット42bを透過して回転板40を照射し、受光器43bは透過光を受光してスリットb信号Sbを出力する。
ここで、投光器41a及び41b並びに受光器43a及び43bは、スリットa信号Saとスリットb信号Sbの位相が(1/4)周期だけずれるように取り付けられている。スリットa信号Saがスリットb信号Sbよりも(1/4)周期だけ進む方向に回転板40が回転するときは、かご5は上昇するものとする。逆に、スリットb信号Sbがスリットa信号Saよりも(1/4)周期だけ進む方向に回転板40が回転するときは、かご5は下降するものとする。
【0024】
ここでも同様にマイコンによって制御され、上かご5Uと下かご5Dは同じ電気回路である。従って、上かご用と下かご用の区別をしないで図示した。
即ち、CPU51と、プログラムが格納されたROM52と、ROMで構成された基準値メモリ53と、一時的なデータが格納されるRAM54と、演算結果が格納されるRAMからなる演算値メモリ55と、外部装置との信号の授受を行う入出力回路56とからなる。
基準値メモリ53には、回転板40のスリット40aの総数Stnと、歯付プーリの基準ピッチ円半径Rgと、定位置Pocが記録される。ここで、定位置Pocは上かご5Uの場合は、上かご用基準位置検出スイッチ9Uが基準位置信号PoUを発したときの上かご5Uの位置が上かご用定位置PocUとして書き込まれる。下かご5Dの場合は、下かご用基準位置検出スイッチ9Dが基準位置信号PoDを発したときの下かご5Dの位置が下かご用定位置PocDとして書き込まれる。
【0025】
入出力回路56には受光器43a及び43bによって検出されたスリットa信号Sa及びスリットb信号Sbと、基準位置検出スイッチ9の作動による基準位置信号Poが入力され、これらの信号に基いてかご位置Pcが演算されるとかご位置制御回路37へ出力される。
演算値メモリ55には、スリットa信号Saの値(1又は0)が、スリットa信号Samとして書き込まれる。スリットa信号Saのハイレベル信号「1」の積算値がスリット積算値Scnとして書き込まれる。かご位置Pcもスリットa信号Saが「1」になるごとに計算されて書き込まれる。
【0026】
図9は、かご位置Pcの演算処理の流れ図である。この処理は、所定の時間間隔でなされるものとする。なお、基準位置信号Poが発生する毎に割込み処理がなされてスリット積算値Scnは「0」にリセットされる。
手順S41で、スリットa信号Sa及びスリットb信号Sbを読み取る。手順S42で、演算値メモリ55からスリットa信号Samを読み取り、手順S43でスリットa信号Sa=1かつスリットa信号Sam=0であるか否か調べる。すなわち、スリットa信号Saの立上りを調べる。立上りではない場合は手順S49へ移り、読み取ったスリットa信号Saをスリットa信号Samとして演算値メモリ55へ書き込んで処理を終る。
【0027】
スリットa信号Saが立ち上がった場合は、手順S44でスリットb信号Sbを調べ、スリットb信号Sb=0の場合はスリットa信号Saの位相が進んでいるから、かご5は上昇しており、手順S45でスリット積算値Scnに1を加算して演算値メモリ55へ記録する。手順S46で、加算された積算値Scnに基いてかご位置Pcを演算する。即ち、
Pc=2πRg(Scn/Stn)+Poc
手順S47で、演算されたかご位置Pcは演算値メモリ55へ記録されると共に、かご位置制御回路37へ送られ、手順S49を介して処理を終る。
【0028】
手順S44で、スリットb信号Sb=0でない場合、即ち、Sb=1の場合は、スリットa信号Saは、スリットb信号Sbよりも位相が遅れているから、かご5は下降しており、手順S48でスリット積算値Scnから1を減算して演算値メモリ55へ記録する。手順S46で減算されたスリット積算値Scnに基いてかご位置Pcが演算される。以下、上記と同様の手順を経て処理を終る。
【0029】
上記実施の形態2によっても、歯付プーリ16と、この歯付プーリ16の回転軸に直結された増分形エンコーダ38とをかご5に取り付け、昇降路1に張設された歯付ベルト11と歯付プーリ16とを噛合させるようにしたので、両者間には滑りは生じず正確なかご位置Pcを検出することができる。
また、増分形エンコーダ38はカバーで密閉されているので、昇降路1内の塵埃によって回転板40及び受光器43a及び43bが汚損されることはないので、スリット40a、42aが目詰まりを生じることもなく、正確にかご位置Pcを検出することができる。
更に、増分形エンコーダ38を用いたので、少ない数の投光器41a及び41b並びに受光器43a及び43bで回転板40の回転を検出することができる。更にまた、一条の歯付ベルト11に上かご用歯付プーリ16Uと下かご用歯付プーリ16Dを噛合させたので、各かご位置検出装置が昇降路1の横断面に占める占有面積は1台のかごの占有面積と同じになる。このため、昇降路1を有効利用することができる。
【0030】
実施の形態3.
この実施の形態3も、一の昇降路にそれぞれ独立して昇降する上かごと下かごが収納されたエレベータのかご位置検出装置に係るものである。上記実施の形態2では、上かご用及び下かご用基準位置信号Poを、それぞれかご5U、5Dのいずれか一方のみが昇降できる専用領域で発生させるようにしたが、この実施の形態3では、上かご用及び下かご用基準位置信号Poを、各かごが共に昇降する昇降路の共用領域で発生させるようにしたものである。
図10は、この発明の実施の形態3を示す。上かご用基準位置検出スイッチ9Uは上かご5Uに、下かご用基準位置検出スイッチ9Dは下かご5Dにそれぞれ取り付け、これらを作動させるカムを各かご5U、5Dが共に昇降する昇降路1の共用領域に取り付ける。
なお、基準位置信号Poは定点で発生させる必要がある。そこで、かご5の運転方向と基準位置検出スイッチ9の作動とを関連付けることにより、定点を特定することができる。
【0031】
上記実施の形態3によっても、同様に正確にかご5の位置を検出でき、昇降路内の塵埃による汚損で、かご5の位置が誤検出されることはない。特に上かご用及び下かご用基準位置信号Poを、各かご5U、5Dが共に昇降する昇降路1の共用領域で発生させるようにしたので、カム10を共用することができ、取付け作業が容易になる。
【0032】
【発明の効果】
この発明に係るエレベータのかご位置検出装置は、上記のとおり、かごが昇降し得る行程よりも広い範囲に亙って昇降路の頂部と底部間に一条の歯付ベルトを張設し、この歯付ベルトと噛合して可逆回転する歯付プーリと、この歯付プーリによって駆動されて可逆回転するロータリエンコーダとをかごに取り付け、かごの昇降に伴ってロータリエンコーダから発せられる信号を、昇降路の定位置を基準に読み取ってかごの位置を演算するようにしたものである。
このため、歯付ベルトと歯付プーリとの間には滑りは生じないので、正確なかご位置を検出することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご位置検出装置が装着されたエレベータの昇降路の斜視図。
【図2】この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご位置検出装置を一部切断面で示す側面図。
【図3】図2に示すIII−III線断面を矢視した発明の実施の形態1におけるエレベータのかご位置検出装置の要部正面図。
【図4】この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご位置検出装置の電気回路を示すブロック図。
【図5】この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご位置検出装置の基準位置信号に基く動作を示す流れ図。
【図6】この発明の実施の形態1におけるエレベータのかご位置検出装置のかご位置検出動作を示す流れ図。
【図7】この発明の実施の形態2におけるエレベータのかご位置検出装置が装着されたエレベータの昇降路の斜視図。
【図8】この発明の実施の形態2におけるエレベータのかご位置検出装置の電気回路を示すブロック図。
【図9】この発明の実施の形態2におけるエレベータのかご位置検出装置のかご位置検出動作を示す流れ図。
【図10】この発明の実施の形態3におけるエレベータのかご位置検出装置が装着されたエレベータの昇降路の斜視図。
【符号の説明】
1 昇降路、  2 頂部、  3 底部、  4 ガイドレール、  5 かご、  6 主索、  7 上部ブラケット、  8 下部ブラケット、  9 基準位置検出スイッチ、  10 カム、  11 歯付ベルト、  12上部取付具、  13 下部取付具、  16 歯付プーリ、  17 案内ローラ、  18 絶対値エンコーダ、  20 回転板、  20a スリット、  21 投光器、  22 スリット板、  22a スリット、  23 受光器、  38 増分形エンコーダ、  40 回転板、  41a 投光器、  41b 投光器、  42 スリット板、  43a 受光器、  43b 受光器。

Claims (7)

  1. かごが昇降し得る行程よりも広い範囲に亙って昇降路の頂部と底部間に張設された一条の歯付ベルトと、上記かごに取り付けられて上記歯付ベルトと噛合して可逆回転する歯付プーリと、この歯付プーリによって駆動されて可逆回転するロータリエンコーダと、上記かごが定位置に達すると基準位置信号を発する基準位置検出手段と、上記基準位置信号を基準に上記ロータリエンコーダの信号を読み取って上記かごの位置を演算する演算手段とを備えたエレベータのかご位置検出装置。
  2. 上下に配設されてそれぞれ独立して昇降する上かごと下かごとが収納された昇降路の、上記上かごが昇降し得る最上位よりも上の頂部と、上記下かごが昇降し得る最下位よりも下の底部との間に張設された一条の歯付ベルトと、上記上かご及び上記下かごにそれぞれ取り付けられて上記歯付ベルトと噛合して可逆回転する上かご用及び下かご用歯付プーリと、各歯付プーリによってそれぞれ駆動されて可逆回転する上かご用及び下かご用ロータリエンコーダと、上記上かご及び上記下かごが定位置に達すると個別に基準位置信号を発する上かご用及び下かご用基準位置検出手段と、それぞれの上記基準位置信号を基準に上記各ロータリエンコーダの信号を個別に読み取って上記上かご及び上記下かごの位置を演算する演算手段とを備えたエレベータのかご位置検出装置。
  3. 歯付ベルトに替えて、歯付プーリの歯が貫通する貫通孔が長手方向へ向けて穿設されたスチールテープとした請求項1又は2に記載のエレベータのかご位置検出装置。
  4. ロータリエンコーダを、回転板の放射方向へ向けて複数段に亙って穿設されたスリットと、このスリットに対応させて配置され受光器とを備え、上記スリットの透過光を上記受光器で検知して上記回転板の回転角度を2進数の信号に変換する絶対値エンコーダとした請求項1又は2に記載のエレベータのかご位置検出装置。
  5. ロータリエンコーダを、回転板の円周方向へ向けて穿設されたスリットと、このスリットの透過光を検知する受光器とを備え、上記回転板の可逆回転に伴って上記受光器からパルス信号を発生する増分形エンコーダとした請求項1又は2に記載のエレベータのかご位置検出装置。
  6. 上かご用及び下かご用基準位置検出手段を、各かごそれぞれの専用領域に設定された昇降路の定位置で各基準位置信号を発するものとした請求項2に記載のエレベータのかご位置検出装置。
  7. 上かご用及び下かご用基準位置検出手段を、各かごが共に昇降する昇降路の共用領域に設定された共通の定位置でそれぞれの基準位置信号を発するものとした請求項2に記載のエレベータのかご位置検出装置。
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