JP2004142616A - 作業車 - Google Patents

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JP2004142616A JP2002310048A JP2002310048A JP2004142616A JP 2004142616 A JP2004142616 A JP 2004142616A JP 2002310048 A JP2002310048 A JP 2002310048A JP 2002310048 A JP2002310048 A JP 2002310048A JP 2004142616 A JP2004142616 A JP 2004142616A
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大内 稔
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Abstract

【課題】クローラ式走行装置を備えた作業車において一般道路等では高速走行が行え、不整地等の作業現場においてはクローラ式走行装置を使用した走行及び作業現場での作業が行える作業車を提供する。
【解決手段】前後輪タイヤ4、5による作業車Aの高速走行運転を行う運転席1を後輪タイヤ4側の隅部に配置し、作業車Aに搭載した作業機3の操縦と作業車の走行を行う操縦席を車体中央部に前記運転席の前方方向とは逆向きに配置している。作業機3は前輪タイヤ5側に配置している。前後輪タイヤ4、5間のホィールベース間には、タイヤ4、5に対して昇降可能なクローラ式走行装置6が設けられ、走行条件や作業状況によりクローラ6aを接地させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クローラ式走行装置を備えた作業車に関するものであり、特に、路上を高速で走行でき不整地走行及び作業現場での作業が行える作業車に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から使用されているクローラ式走行装置を備えた作業車としては、駆動タイヤの両側面にクローラを設け、タイヤ走行とクローラを使用した走行とを行うことのできる走行装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、クローラ走行体に対して前後輪のタイヤを昇降可能とした作業機の走行装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
特許文献1記載の走行装置について図16、17を用いて説明する。
駆動タイヤ32の両側面の車軸36に、クローラ回転歯車39と、車両フレーム31の走行前後方向に向けてリンク38a、38bを回転できるように取付ける。リンク38a、38bの先端にスプロケット33a、33bを取付ける。複数のシューとチェーンチップを交互に連続的に結合し輪状としたクローラ34をクローラ回転歯車39、スプロケット33a、33bの間に掛け、図16に示すようにクローラ走行が必要な時には、クローラ34を地面に降ろし、クローラ回転歯車39を介して車輪36の回転力でクローラ34を回転させる。高速走行するときには、図17に示すようにリンク38a、38bの回動によりクローラ34を地面から上昇させる(図17参照。)。
【0004】
この特許文献1記載の走行装置を備えた車両では、常に駆動車軸の回転を駆動タイヤ32とクローラ34とに伝達しているため、タイヤ走行中にはクローラ34が、またクローラ走行中には駆動タイヤが回転してしまうことになる。
また、クローラ34の接地面積を大きくすることができないため、車両に作業機を搭載した場合などでは、軟弱地盤におけるクローラ走行は必ずしも満足の行くものではなかった。また、作業機の操縦席からでは車両を運転できないため、車両が停止した位置での作業しか行えなかった。
【0005】
特許文献2記載の作業機の走行装置について図18、19を用いて説明する。タイヤホィールからなる前輪43及び後輪47の補助走行装置は、モータ44や油圧シリンダ48a、48b等の昇降装置によってクローラ式走行体41又は旋回体42に昇降可能に取り付けられている。クローラ式走行体41による走行後に、補助走行装置を用いて時速10km程度の走行を行わせる場合には、図19に示すように、作業用フロント45を作動させてバケット49等の作業具を地面に押し付けて旋回体42の前部を持ち上げておき、図18に示すモータ44を駆動させることにより、スプロケットチェーン20を介してアーム46を回転させて下向きにし、前輪43をクローラ式走行体41より下方に突出させ、その後、作業用フロント45を上げて前輪43を着地させ、前輪43側を走行可能状態にする。その後、後輪装置51の油圧シリンダ48a、48bを伸長させることにより昇降フレーム52をガイドフレーム53に沿って下降させ、図18に示すように、前輪43と後輪47とで車体を支持した状態で走行する。
【0006】
前後輪の補助走行装置からクローラ式走行体41での走行を行う場合には、作業用フロント45により車体の前部を持ち上げて前輪43を浮かせ、モータ44を前記回転とは逆に作動させて前輪43を持ち上げ、後輪47も油圧シリンダ48a、48bを収縮させることによって持ち上げてクローラ式走行体41を着地させることにより、クローラ式走行体での走行を行うことができる。
【0007】
この特許文献2に記載された走行装置では、タイヤホィールからなる前後輪43、47は、補助走行装置として使用され、補助走行装置を用いたときの走行速度は時速10km程度であり、一般道路等を走行するには遅すぎる速度となっている。また、補助走行装置とクローラ式走行体との切替えは、作業用フロント45を用いて前輪43を持ち上げた状態で行わなければならず、補助走行装置とクローラ式走行体との切替えに時間を要していた。
【0008】
このため、クローラ式走行装置を備えた作業車において一般道路等では高速走行が行え、不整地等の作業現場においてはクローラ式走行装置も使用した走行が行える作業車の開発が望まれていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−144304号公報(要約、段落0008、0009、図8、図9)
【特許文献2】
特開2002−12173号公報(要約、段落0019、0020、図1〜図4)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて開発されたものであり、その目的は、クローラ式走行装置を備えた作業車において一般道路等では高速走行が行え、不整地等の作業現場においてはクローラ式走行装置を使用した走行及び作業現場での作業が行える作業車を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の事項を備えた本願各請求項に係わる発明により効果的に達成される。
即ち、請求項1に係わる発明は、前後輪タイヤのホィールベース間にあって、前記タイヤに対して昇降可能な一対のクローラ式走行装置を備えてなることを特徴とする作業車にある。
【0012】
この発明では、一般道路等の路上では前後輪タイヤでの高速走行を行うことができ、不整地等の作業現場や路外での走行時には、一対のクローラ式走行装置を接地させて走行することができる。クローラ式走行装置のクローラを接地させた時には、クローラ式走行装置を駆動してタイヤとクローラとの両方による走行やクローラ式走行装置の駆動を行わずタイヤだけでの走行、クローラ式走行装置をアウトリガー機能として使用する等、作業状況や走行状況等に応じて種々の組合せによる走行や作業を行うことができる。
【0013】
また、クローラ式走行装置を前後輪のホィールベース間でタイヤに対して昇降可能に設置したため、タイヤだけでの走行とクローラ式走行装置を使用した走行との切替えをスムーズに行うことができるとともに、クローラの接地圧を調整することにより、タイヤの接地圧の均等化を図ることができる。
【0014】
更に、作業車としてのファミリー構成が容易となり、大型作業車としては作業機としてバケットローダタイプやショベルタイプ等の作業機を搭載することができる。架柱橋型作業車としては作業機として架柱橋を搭載することができ、中型作業車としては作業機としてバケットローダタイプの作業機等を搭載することができる。また、ショベル型作業車としては作業機としてショベルタイプの作業機を搭載することができ、高所型作業車としては作業機として高所作業機を搭載するなど、各種作業機を搭載した多目的車両として使用することができる。
作業車に作業機を搭載せずに広い荷台を備えた多目的作業車として使用することもできる。
【0015】
尚、作業車の車輪タイヤの軸数としては、2軸に限定されるものではなく、3軸や4軸等必要な軸数とすることができる。その際でも、クローラ式走行装置が前輪側と後輪側との間のホィールベース間に配設することが必要である。
【0016】
また、作業車の前後輪タイヤの操舵としては、後輪の操舵を行わず前輪の操舵のみを行う2輪操舵や前後輪の4輪を操舵する4輪操舵、あるいは2輪操舵と4輪操舵の切替え等を行わせるように構成することができる。
【0017】
請求項2に係わる発明は、請求項1の事項に加えて、各クローラ式走行装置が、それぞれのクローラを駆動するクローラ駆動装置を備えてなる事項を限定した作業車にある。
この発明では、一対のクローラ式走行装置がそれぞれのクローラを駆動するクローラ駆動装置を備えているので、各クローラの駆動とタイヤの駆動とを独立して制御することや、連動させて制御すること、あるいは各クローラを独立して制御するなど、作業車の走行を制御する自由度を高めることができる。
【0018】
また、一対のクローラ式走行装置のそれぞれにクローラ駆動装置を備えているため、タイヤの駆動装置からタイヤへの回転伝達機構との干渉が避けられ、一対のクローラ式走行装置をタイヤの回転伝達機構とは独立して構成することができる。これにより、不整地や軟弱地においても確実に安定した状態で走行や登坂等を行うことができる。
【0019】
請求項3に係わる発明は、請求項1又は2の事項に加えて、作業車が、作業機と、同作業車の運転席と、同運転席とは別個の操縦席とを備え、前記操縦席が、前記作業機の操縦装置及び前記作業車の運転装置とを備えてなる事項を限定した作業車にある。
この発明では、作業車の運転席と作業機の操縦と作業車の運転とを行う操縦席とを別個に構成配置したことを特徴としている。しかも、操縦席から作業機の操縦とともに作業車の走行運転も行うことができるので、操縦席に座ったままで作業車を必要な作業場所に移動させて、その場において作業機による作業を行うことや、走行しながらの作業を行うことなど幅広い用途で効率的な作業を行うことができる。
【0020】
操縦席からによる作業車に運転方向が、運転席からの運転方向と反対方向となるように操縦席及び運転席を配置するとともに、作業機及び操縦席の配置位置を運転席からの運転視界を遮らないように配設することにより、運転席での作業車の運転時には、運転席からの視界を操縦席及び作業機によって阻害されるのを防止し、操縦席からの作業車の運転時には、操縦席からの視界を運転席によって阻害されるのを防止することができる。
しかも、作業機を運転席の視界を阻害しないように操縦席側の作業し易い場所に搭載することにより、例えば、バケットローダ、ショベルカー等の作業機専用である作業用車両の如く作業車を操縦席から運転操作することができ、路上等の走行時には運転席からの高速走行を行うことができる。
また、作業機が旋回作業を行う必要のある作業機であるときには、操縦席も作業機と一緒に旋回できるよう車体に対して旋回自在に配設することが必要である。
【0021】
請求項4に係わる発明は、請求項3の事項に加えて、一対のクローラの走行速度差が、同各クローラの接地時における前後輪タイヤの4輪操舵時に、運転装置の操舵角に応じて制御される事項を限定した作業車にある。
【0022】
この発明では、クローラ式走行装置が降下してクローラが接地しているときであって前後輪タイヤが4輪操舵されているときには、左右のクローラの走行速度差が前後輪タイヤの操舵角度に応じて制御されるので、左右のクローラの速度差によって操舵される作業車の操舵角度と前後輪タイヤの操舵角による作業車の操舵角度とを同調させることができる。これによって、作業車の運転をスムーズにしかもギクシャクせずに一つの操舵操作によって前後輪タイヤの操舵と左右のクローラにおける走行速度差の制御を行うことができる。
【0023】
請求項5に係わる発明は、請求項1〜4のいずれかの事項に加えて、前記各クローラの接地時における前記クローラ式走行装置に対する押圧力が、それぞれの前後輪タイヤ及びクローラ自身のスリップ率により制御される事項を限定した作業車にある。
この発明では、作業車のタイヤ及びクローラが接地している地盤の状態が軟弱であると、前後輪タイヤが空回り回転したりクローラが空回り回転したりするので、前後輪タイヤのスリップ率とクローラのスリップ率とを検出することにより、地盤の状態を判断し、クローラの接地時におけるクローラ式走行装置に対する押圧力を制御するものである。
【0024】
スリップ率(%)をSとし、車速(m/sec)をv、タイヤ半径(m)をR、タイヤの回転角速度(rad/sec)をωとすると、制動時にはS=100×(v−Rω)/vで表わすことができ、駆動時には、S=100×(Rω―v)/Rωで表わすことができる。
また、クローラのスリップ率Sを求めるには、スプロケット19の中心軸からスプロケット19に噛合っているクローラの外周面までの距離をタイヤ半径Rの代わりに用い、スプロケット19の回転角速度をタイヤの回転角速度ωの代わりに用いることにより求めることができる。
【0025】
スリップ率Sが100%ということは、制動時には制動が利かずに滑っている状態を示し、駆動時にはタイヤが空回り回転を行って車が進んでいない状態を示している。
予めタイヤ半径を測定しておき、車速v及びタイヤの回転数からタイヤの回転角速度ωを測定することにより、スリップ率を計算することができる。
【0026】
スリップ率Sが小さい時には、クローラに対して車体重量の約1/6程度の押圧力を与え、スリップ率Sが大きいときには、クローラに対する押圧力を高めてスリップ率Sを小さくするように制御する。
これにより、地盤の状態に応じて接地圧の均等化が図れ、けん引力性能や軟弱地盤走行の走行性能を向上させることができる。また、クローラ式走行装置に対する押圧力を制御することにより、2軸車の作業車のタイヤ接地圧を3軸車相当、3軸車相当等のタイヤ接地圧に調整することができる。
【0027】
【発明の実施形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
本実施形態では、バケットローダタイプの作業機を搭載した作業車及びショベルタイプの作業機を搭載した作業機を例に挙げて説明するが、本発明の重車両としては、上記作業機を搭載した作業車に限定されず、例えば、大型のバケットローダ作業機を搭載した大型作業車、架柱橋作業機を搭載した架柱橋型作業車、ショベル型作業車、高所作業機を搭載した高所型作業車、作業機を搭載しない荷台型の作業車等にも適用できるものであり、戦闘用の重車両や産業用車両や土木建設車両として使用される特殊車両としても使用することができるものである。
【0028】
図1〜図4は、本発明の実施例における構成についての説明図であり、図5〜図8には、クローラ式走行装置の構成についての説明図を示している。図1には、作業機としてバケットローダを搭載した作業車の斜視図を示している。図2〜図4には作業機を搭載していない状態での作業車の正面図、車体カバーを省略した平面図及びクローラ式走行装置を降下させた状態での説明図を示ている。
【0029】
図1、図11に示すように、前輪タイヤ5及び後輪タイヤ4を備えた作業車Aの後部には作業車Aの運転席1が配設されている。図11に示すように同運転席1から作業車Aを、作業車Aの後方側を前進方向として図11の左方向へ、前後輪タイヤ4、5でのタイヤ走行による運転を行うことができる。
前輪タイヤ5と後輪タイヤ4間のホィールベース間には、クローラ昇降シリンダ15(図4参照)により昇降するクローラ式走行装置6が配置されている。
前後輪タイヤ4、5は、公知の構成により4輪操舵することができる構成となっている。
尚、前後輪タイヤ4、5は、4輪駆動できる形式であることが望ましいが、前輪タイヤ5による前輪駆動形式又は後輪タイヤ4による後輪駆動形式とすることや、2輪駆動と4輪駆動との切替え等を行うこともできる。
また、4輪駆動、前輪駆動及び後輪駆動の駆動形式及び2輪駆動と4輪駆動との切替えは、公知の駆動形式や切替え形式を採用することができる。
【0030】
作業車Aの車体部には作業機3としてバケットローダ型作業機が搭載され、同作業機3の操縦席2が前記車体部に配されている。操縦席2としては、作業機の種類に応じて作業車Aの車体部に固定した固定式の構成や車体部に対して旋回可能な旋回式の構成を採用することができる。図1に示す操縦席2は、作業車Aの車体部に固定した固定式の操縦席2を示している。
【0031】
操縦席2及び作業機3は、運転席1の運転視界を妨げない設置位置に配置する。図1においては、運転席1は右隅に設け、操縦席2は車体中央部に配設し、作業機3は、前輪タイヤ5側の前方に配設している。これにより、運転席から後方(前輪タイヤ5側)の視界を阻害しない配置構成となっている。作業機3の配置位置としては、運転席からの後方視界を遮らない図1の車体左側に配設する事もできる。
【0032】
操縦席2には、作業機3の操縦操作を行う図示せぬ操縦装置と作業車Aの運転装置が備えられている。同運転装置では作業車Aを図11に示すように、作業車Aの前方側を前進方向として図11の左方向へ、前後輪タイヤ4、5でのタイヤ走行による高速運転、クローラ式走行装置6によるクローラ走行と前後輪タイヤ4、5のタイヤ走行とによる低速走行、クローラ式走行装置6のクローラ6aを接地させた状態でタイヤだけによる中速走行を選択して行うことができる。また、操縦席2では、クローラ式走行装置6を昇降動させるクローラ昇降シリンダ15(図4参照)の伸縮操作を行うことができる。
クローラ昇降シリンダ15の伸縮操作を運転席1にても行えるように操作手段を運転席1に設けることもできる。
【0033】
図2は、クローラ式走行装置6を上昇位置にセットした状態を示しており、クローラ昇降シリンダ15を縮小させてクローラ式走行装置6を上昇させた状態では、運転席1での運転で作業車Aをタイヤ走行させることができ、路上での高速走行が可能となる。図4では、クローラ昇降シリンダ15の伸長によりクローラ式走行装置6を下降させクローラ6aが接地した状態を示している。
【0034】
図3には、作業車A内の動力伝達機構が示されており、運転席1側に配置したエンジン7からの回転がトランスミッション8を介して後輪へのプロペラシャフト9及び前輪へのプロペラシャフト10に伝達され、プロペラシャフト9の回転は後輪のディファレンシャルギア11によって後輪タイヤ4に伝達され、プロペラシャフト10の回転は前輪のディファレンシャルギア12によって前輪タイヤ5に伝達される。
【0035】
図3に示すように車体の左右に設けた一対のクローラ式走行装置6、6には、それぞれのクローラ6a、6aを駆動するクローラ駆動装置18、18が設けられている。クローラ駆動装置18としては、減速機付き油圧モータ等の駆動装置を用いることができる。
【0036】
クローラ式走行装置6にそれぞれクローラ駆動装置を設けたことにより、前後輪タイヤ4、5を駆動する動力伝達機構と干渉せずにタイヤ駆動系とクローラ駆動系とを車体内に配置することができる。クローラの駆動制御とタイヤの駆動及び操舵制御は、電気的な制御手段或いは流体圧的な制御手段を用いることにより、同期制御や同調制御を行うことができる。
【0037】
図2から図4に示すように、作業車Aに作業機を搭載せずに荷台等として作業車Aを使用する場合には、運転席Aにはタイヤ走行の運転手段のほかに、クローラ式走行装置6の昇降操作手段及びクローラ6aの走行運転手段を設けておく必要がある。
【0038】
図5〜図8に示すように、クローラ昇降シリンダ15、15の一端がクローラ式走行装置6のトラックフレーム22に回動自在に枢支され、クローラ昇降シリンダ15、15の他端に設けたクローラ昇降シリンダ車体取付部23を介して作業車の車体本体に回動自在に取り付けられている。トレーリングアーム16の一端はトラックフレーム22に回動自在に枢支され、他端はトレーリングアーム車体取付部24を介して車体に対して回動自在に取付けられている。
【0039】
クローラ昇降シリンダ15及びトレーリングアーム16のトラックフレーム22への枢支は、リンク部材25を介して回動自在に取付けることもできる。
減速機付き油圧モータにより構成されたクローラ駆動装置18をスプロケット19の回転軸と同軸に、クローラ6aの幅内にクローラ駆動装置18を配設することにより、クローラ式走行装置6の昇降時にクローラ昇降シリンダ15とクローラ駆動装置18との干渉を防止することができる。
また、クローラ昇降シリンダ15、15は、作業車Aに対するサスペンション機能を兼用させることができる。トレーリングアーム16は、図5、6に示すように各クローラ式走行装置6に1ヵ所配設することも、図7、8に示すように2ヵ所配設することもできる。
【0040】
次に操縦席2において行う作業車の運転について、作業車の走行モードと旋回モードとに分けて説明する。
本願発明の作業機Aの走行モードとしては、クローラ式走行装置6を上昇させた状態で前後輪タイヤ4、5だけによる高速走行モード、クローラ6aを駆動せずに接地させた状態で前後輪タイヤ4、5だけによる中速走行モード、クローラ6aを接地させるとともにクローラ6a及び前後輪タイヤ4、5を駆動することにより走行する低速走行モードがあり、これらの各モードを操縦席2場合によっては運転席での選択により行わせることができる。
【0041】
高速走行モードは、特に、路上走行や砂利道等の不整地での走行に適しており、小さな凹凸がある不整地での走行やタイヤ走行が行える作業時での走行においても選択することができる走行モードである。
中速走行モードは、特に、小さな凹凸がある不整地での走行やクローラを接地させた状態でのタイヤ走行が行える作業時での走行に適しており、砂利道等の不整地や大きな凹凸のある不整地での走行においても選択することができる走行モードである。
低速走行モードは、大きな凹凸のある不整地での走行、急坂登坂路での上り下り、堤や壕を超える走行、軟弱地での走行、渡渉、土木作業やその他の作業時における走行に特に適している。
【0042】
旋回モードについては、図13に示すように4つの旋回モード、即ち、2軸操向、カニ操向、4軸操向及び超信地操向を代表した旋回モードとして説明することにする。本願発明における作業車の旋回モードとしてはこれら4つの旋回モードに限定されるものではなく、他の旋回モードとして、例えば、図13に示すカニ操向の旋回モードにおいて、作業車の左側に示す前輪タイヤを前進させ、右側に示す後輪を後退させることにより時計方向の旋回動を行わせる旋回モード等を適宜行うことができるものである。
【0043】
図13において、矢印⇒で示した方向が作業車Aの旋回方向である。2軸操向においては、前輪タイヤ5のみが操舵されている。このときには、クローラ6aは接地させていても接地させていなくても2軸操向を行うことができる。旋回半径としては、大きな旋回半径となる。
カニ操向においては、前後輪タイヤ4、5の4輪操舵により前輪タイヤ5の操舵角方向と後輪タイヤ4の操舵角方向とが平行となり、作業車Aを斜め横方向に平行移動させることができる。このときには、クローラ6aは接地させていても接地させていなくてもカニ操向を行うことができる。
【0044】
4輪操向においては、前後輪タイヤ4、5の4輪操舵により前輪タイヤ5の操舵角方向と後輪タイヤ4の操舵角方向とを逆方向とし、作業車Aを時計回りに旋回させることができ、このときに旋回半径は、2軸操向における旋回半径より小さな旋回半径とすることができる。
尚、この4輪操向においては、クローラ6aは接地した状態となっており、タイヤの走行速度と同調した走行速度にて走行している。左右のクローラ6aの走行速度差をタイヤ4、5の操舵角に応じて制御することにより旋回半径を更に小さくすることもできる。
【0045】
タイヤ4、5の操舵角に応じて左右のクローラ6aの走行速度差を制御する制御方法としては、例えば、タイヤの操舵角を検出し、そのときにおけるタイヤの走行速度から旋回半径を求め、タイヤの駆動をニュートラル状態とした時に左右のクローラ6aの走行速度差だけで同じ旋回半径とすることができる走行速度に左右のクローラ6aの走行速度を制御すること等適宜の制御方法により行うことができる。
【0046】
超信地操向においては、前後輪タイヤ4、5の走行及び操舵を行わず左右のクローラ6a、6aの走行方向を逆にすることにより信地での超旋回を行うことができる。作業車Aが旋回するための空間が少なかったり作業機での作業において信地旋回が必要なとき等に行うことができる。
【0047】
図14、15を用いてクローラ6aの接地時におけるクローラ式走行装置6に対するクローラ昇降シリンダ15による押圧力の制御について説明する。
【0048】
図14に概略図を示すように、作業車Aの全重量は、前後輪タイヤ4、5とクローラ6aとによって支えられており、前後輪タイヤ4、5にはそれぞれPtの接地圧が加わり、クローラ6aにはPrの接地圧が加わってバランスしている。このとき、クローラ昇降シリンダ15によるクローラ式走行装置6への押圧力を制御することにより、図15に示すように前後輪タイヤ4、5に加わる接地圧を変更することができる。クローラ式走行装置6への押圧力を増大させることにより、タイヤ接地圧Ptを減少させることができ、無段階でのタイヤ接地圧Ptの調整を行うことができる。
【0049】
また、前後輪タイヤ4、5のスリップ率とクローラ6aのスリップ率を検出し、スリップ率に応じてクローラ昇降シリンダ15によるクローラ式走行装置6への押圧力を制御することにより、軟弱地盤等の地盤状況に応じた接地圧とすることができる。
【0050】
スリップ率(%)をSとし、車速(m/sec)をv、タイヤ半径(m)をR、タイヤの回転角速度(rad/sec)をωとすると、制動時にはS=100×(v−Rω)/vで表わすことができ、駆動時には、S=100×(Rω―v)/Rωで表わすことができる。
また、クローラのスリップ率Sは、クローラ駆動装置18により駆動されるスプロケット19の中心軸からスプロケット19に噛合っているクローラの外周面までの距離をタイヤ半径Rの代わりに用い、スプロケット19の回転角速度をタイヤの回転角速度ωの代わりに用いることにより求めることができる。
【0051】
スリップ率Sが100%ということは、制動時には制動が利かずに滑っている状態を示し、駆動時にはタイヤやクローラが空回り回転を行って車が進んでいない状態を表わしており、スリップ率Sがゼロということは、スリップなしで車の走行が停止した状態あるいはタイヤやクローラが空回りすることなしに走行している状態を表わしている。
【0052】
予めタイヤ半径やスプロケット19の中心からスプロケット19に噛合っているクローラの外周面までの距離を測定しておき、車速v及びタイヤ又はスプロケットの回転数からタイヤ又はクローラの回転角速度ωを測定することにより、タイヤ及びクローラのスリップ率Sを計算することができる。
【0053】
スリップ率が小さいとき、即ち、ある程度固い地盤上での走行が行われスリップが少ないときには、クローラ式走行装置への押圧力を車体重量の約1/6程度の押圧力とし、スリップ率が大きいとき、即ち、作業車が軟弱地盤や砂地等のスリップし易い地盤上を走行しているときには、スリップ率が大きくならないように押圧力を高め、図15におけるクローラの接地圧とタイヤ接地圧との交点付近まで押圧力を高めるよう制御する。
【0054】
これにより、地盤の状態に応じて接地圧の均等化が図れ、けん引力性能や軟弱地盤走行の走行性能を向上させることができる。また、クローラ式走行装置に対する押圧力を制御することにより、2軸車の作業車のタイヤ接地圧を3軸車相当、3軸車相当等のタイヤ接地圧に調整することができる。
【0055】
図9〜図12には、作業車Aの主な作業状態や走行状態を示している。
図9では、クローラ6aをアウトリガーとしての機能を用いた例を示しており、クローラ6aを設置させることにより、作業機として装着したショベル21を用いた掘削作業を安定的に行うことができる。
【0056】
図10では、前輪タイヤ5又は後輪タイヤ4がパンクした場合であっても、クローラ6aとパンクしていないタイヤとにより作業車Aを走行あるいは作業を継続させることができ、作業終了後にタイヤ交換場所まで移動してパンクしたタイヤの交換を行うことができる。
【0057】
図11に示すように、運転席1での作業車Aの前進方向と操縦席2での作業車Aの前進方向とがそれぞれ逆方向となっているので、運転席1での作業車Aの運転と操縦席2での作業車Aの運転とにおいて、それぞれ前進方向に対して運転席や操縦席からの視界を遮ることなく運転することができる。しかも、作業車の前進方向が逆になっているため、高速運転時と低速あるいは中速運転とを取り間違えることなく運転を行うことができ、事故等の防止にも役立つ。
【0058】
図12には、クローラ6aを接地した状態での作業車の主な走行状態を示している。クローラ6アが接地していることにより、堤等を乗越えることも、壕等の窪みを渡ることができる。また、タイヤ走行では走行できない軟弱地での走行や急な坂の登坂、凹凸路面での走行と幅広い各種条件の異なる路面や不整地での走行が可能となる。また、これらの地面で作業機を用いた作業を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における作業車の斜視図である。
【図2】本発明の実施例における作業機を除いた作業車の側面図である。
【図3】図2の作業車における車体内部を概略した平面図である。
【図4】図2の作業車におけるクローラ式走行装置を接地した状態を示す側面図である。
【図5】本発明の実施例におけるクローラの構成例を示す平面図である。
【図6】図5のクローラの構成例を示す側面図である。
【図7】他の実施例におけるクローラの構成例を示す平面図である。
【図8】図7のクローラの構成例を示す側面図である。
【図9】本発明の実施例における作業状態を示す説明図である。
【図10】本明の実施例における走行状態を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例における走行方向を示す説明図である。
【図12】本発明の実施例における路外走行状態を示す説明図である。
【図13】本発明の旋回モードを示す説明図である。
【図14】本発明の接地圧を示す説明図である。
【図15】本発明のタイヤ軸数とクローラの接地圧の関係を示す図である。
【図16】従来例におけるクローラの接地状態を示す図である。
【図17】図16におけるクローラが上昇した状態を示す図である。
【図18】他の従来例における走行装置の側面図である。
【図19】図18の作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1    運転席
2    操縦席
3    作業機
4    後輪タイヤ
5    前輪タイヤ
6    クローラ式走行装置
6a   クローラ
7    エンジン
8    トランスミッション
9    前輪プロペラシャフト
10    後輪プロペラシャフト
11    ディファレンシャルギヤー(後)
12    ディファレンシャルギヤー(前)
13    リアサスペンション
14    フロントサスペンション
15    クローラ昇降シリンダ
16    トレーリングアーム
17    バケット
18    クローラ駆動装置
19    スプロケット
21    ショベル
22    トラックフレーム
23    サスペンションシリンダ車体取付部
24    トレーリングアーム車体取付部
25    リンク部材
31    車両フレーム
32    駆動タイヤ
33a、b スプロケット
34    クローラ
36    車両
38a、b リンク
39    クローラ回転歯車
41    クローラ式走行体
42    旋回体
43    前輪
44    モータ
45    作業用フロント
46    アーム
47    後輪
48a、b 油圧シリンダ
49    バケット
50    スプロケットチェーン
51    後輪装置
52    昇降フレーム
53    ガイドフレーム
A    作業車

Claims (5)

  1. 前後輪タイヤのホィールベース間にあって、前記タイヤに対して昇降可能な一対のクローラ式走行装置を備えてなることを特徴とする作業車。
  2. 前記各クローラ式走行装置が、それぞれのクローラを駆動するクローラ駆動装置を備えてなることを特徴とする請求項1記載の作業車。
  3. 前記作業車が、作業機と、
    同作業車の運転席と、同運転席とは別個の操縦席とを備え、
    前記操縦席が、前記作業機の操縦装置及び前記作業車の運転装置とを備えてなることを特徴とする請求項1又は2記載の作業車。
  4. 前記一対のクローラの走行速度差が、同各クローラの接地時において前記前後輪タイヤの4輪操舵時に、前記運転装置の操舵角に応じて制御されることを特徴とする請求項3記載の作業車。
  5. 前記各クローラの接地時における前記クローラ式走行装置に対する押圧力が、それぞれの前記前後輪タイヤ及びクローラ自身のスリップ率により制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の作業車。
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