JP2004142344A - 画像記録物およびその作成方法 - Google Patents
画像記録物およびその作成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004142344A JP2004142344A JP2002311627A JP2002311627A JP2004142344A JP 2004142344 A JP2004142344 A JP 2004142344A JP 2002311627 A JP2002311627 A JP 2002311627A JP 2002311627 A JP2002311627 A JP 2002311627A JP 2004142344 A JP2004142344 A JP 2004142344A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- page
- image
- recording
- recording material
- image recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Record Information Processing For Printing (AREA)
Abstract
【課題】印刷機械と製本機械を用いず、印刷製本にともなう分版処理や版ズレの処理等の専門的な技能を使わずに、小ロットの製本物を簡便に製作できるシステムを提供する。
【解決手段】ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、且つページ物の背を固定してページ物の画像記録物とすることを特徴とする画像記録物の作成方法。
【選択図】 図1
【解決手段】ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、且つページ物の背を固定してページ物の画像記録物とすることを特徴とする画像記録物の作成方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の画像記録用材料からページ物の画像記録物を作成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印刷製本分野においては、印刷機械と製本機械を使用した大量生産方式がとられてきた。
【0003】
しかし従来の印刷製本システムは、多くの問題を抱えている。たとえば、印刷版を使用するために、画像の色分版処理や印刷時の版画像のズレを防止する画像処理が必要であり、このために専門的な印刷技能と製本技術を必要とする。また従来の印刷システムでは、印刷用紙、印刷インキ、印刷機および印刷版を使用するため、印刷システムで作られた印刷物の画像発色の色再現範囲が狭く、このため厳密なカラーマネジメントを必要とする。
【0004】
更に従来の印刷製本システムでは、大量生産を前提に構築された印刷方法と製本方式のために、例えば数冊から数十冊程度の小ロットの印刷製本物の制作には不向きである。更には印刷機械の立ち上がりでの紙ロスが多量に発生する。
【0005】
ところで、画像記録用材料としては、各種の記録材料が知られており、例えばインクジェット記録材料、感熱記録材料、昇華型熱転写記録材料、溶融型熱転写記録材料などがある。
【0006】
特にインクジェット記録用材料は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像・定着処理が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録方式として種々の用途において急速に普及している。さらに多色インクジェット記録方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷に比較して遜色のない記録画像を得ることが可能である。
【0007】
インクジェット記録用材料の1つの用途として、ミシン目の折り目線により、四つ折り、あるいは八つ折りしても、折り畳みが容易なダイレクトメールの用途が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−295454号公報
【0009】
一方、写真分野においては、デジタルカメラで撮影した画像をコンビニエンスストア等に設置されたプリンタを使用して、プリントをする方式(デジカメプリントサービス)がとられている。
【0010】
しかし従来のデジカメプリントサービスでは、画像のみの出力であるため、文字と組み合わせた写真画像の出力はできず、さらに製本物として完成させることはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決することにあり、各種のペンプロッター画像記録、レーザー画像記録、静電画像記録やサーマル画像記録等により画像記録用材料に画像を形成し、この画像記録用材料から小ロットのページ物の画像記録物(以下、製本物という)を低コストで簡便に作成する方法(以下、製本方法という)を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、ページ単位に画像を記録した長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線が該画像記録用材料のページ単位に設けられ、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳まれ、且つページ物の背が固定されていることを特徴とするページ物の画像記録物である。
【0013】
本発明の請求項2は、ページ単位に画像を記録した長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線が該画像記録用材料のページ単位に設けられ、該折り目線によってページ物に折り畳んだとき、ページ物の前小口が揃うように、且つページ物の背が固定できるように、ページの小口天地幅が異なっていることを特徴とするページ物の画像記録物である。
【0014】
本発明の請求項3は、ページ単位の少なくとも一対の小口下端部を固定して収容袋としたことを特徴とする請求項1または2記載のページ物の画像記録物である。
【0015】
本発明の請求項4、ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、且つページ物の背を固定してページ物の画像記録物とすることを特徴とする画像記録物の作成方法である。
【0016】
本発明の請求項5は、ページ数が多いページ物の画像記録物の作成方法において、ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料に画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、折り畳んだ複数のページ物のくるみにより複数ページ物の背を固定することを特徴とするページ物画像記録物の作成方法である。
【0017】
本発明の請求項6は、ページ単位のサイズ、画像の大きさと位置、貼り合わせ位置等のレイアウトデータから該画像記録用材料に画像を記録する請求項4記載の画像記録物の作成方法である。
【0018】
【発明の実施の態様】
本発明のページ物画像記録物作成方法(製本方法)において、画像記録用材料の種類は、前記したような各種の記録用材料を使用することができるが、画像記録用材料の支持体は、アート紙、コート紙、合成紙、ポリエチレン樹脂被覆紙、白色顔料を含有するフイルム等の不透明支持体であることが好ましい。代表的なインクジェット記録用紙におけるインク受理層は、ポリマー層のコートタイプであっても、顔料からなる空隙層タイプであってもよい。以下、インクジェット記録用紙に基く本発明の代表的な実施態様を図面を用いながら説明する。
【0019】
【実施例】
図1は、本発明の製本方法により得られた仕上がり製本物である。図2及び図3は、複数の平行な折り目線をページ単位に設けた(または設ける)インクジェット記録用紙であり、図2はロール用紙、図3はシート用紙の例を示している。図4は、インクジェット記録用紙に画像を印字記録するための、ページ単位のサイズ、デジタル画像の大きさと位置、製本糊づけ位置、ページ番号等を記述したコンピュータ上のデジタルレイアウトデータ(台紙)を示している。
【0020】
図5は、後述する各ページの小口天地の長さ(幅)の関係を模式的に示した上面図である。図6は、本発明の製本物の上面図であり、図5の上面図から折り畳み、ページ物の背を固定した状態を示している。図7は、本発明の請求項5にかかる、ページ数が多い場合の製本状態を示す上面図である。図8は、折り目線によってページ物に折り畳み、「くるみ」により背を固定する前の状態を示すイメージ図である。
【0021】
本発明において、画像記録用材料に画像を記録するためには、図4に示すように、ページ単位のサイズ、画像の大きさと位置、製本糊づけ(貼り合わせ)位置、ページ番号、更に折り目線や画像の位置マーク(いわゆるトンボ)等をデジタル記述したレイアウトデータ(台紙)をコンピュータで市販の画像処理ソフトを用いて作成することが好ましい。また当該デジタルレイアウトデータをインターネットホームページ上から画像出力し、当該画像記録用材料に記録して製本物とする製本システムとすることもできる。
【0022】
図4に示すような、デジタル画像の大きさと位置、製本糊づけ位置、ページ番号を書き込んだ台紙データを、あらかじめネットワーク上のサーバーに保管しておき、保管された前記の台紙データを、本発明に使用するインクジェット出力製本システムのパソコンにダウンロードする。
【0023】
台紙データに張りこむ画像と文字は1対にできるように照合可能な番号を画像と文字に付記し、あらかじめネットワーク上のサーバーに保管しておき、保管された前記の画像と文字を、本発明に使用するインクジェット出力製本システムのパソコンにダウンロードする。
【0024】
市販のソフトを使用して、台紙に張り込まれて製本される該当の画像データと文字を、台紙データの画像の大きさと位置、製本糊づけ位置、ページ番号、トンボマーク(図4の折り目線トンボ3及び画像トンボ4)に従って、台紙データに張り込んだ。折り目線トンボ3は、画像記録後にミシン目を設ける場合に必要である。また画像トンボ4は、画像を張り込んだ後に消去することが好ましい。
【0025】
張り込まれたデータ画像を、インクジェット記録用紙の左右中心で出力されるように、エプソン社製インクジェットプリンターPM9000のドライバ設定をし出力した結果、図4の画像の大きさと位置通りに印字記録された。プリンターの印字可能領域は、各プリンター機種ごとに異なっている。このため、図4の画像は固定であるが、各プリンターの用紙設定の補正を必要とした。
【0026】
本実施例においては、ポリエチレン樹脂被覆紙上にインク受容層を設けた市販のロール状インクジェット記録用紙を用いて6ページの製本物の例を示す。図3中のh−i間の横幅(図5中のp)を154mm、i−j(図5中のq)及びj−k(図5中のr)を149mm、k−l(図5中のs)及びl−m(図5中のt)の横幅を150.5mm、mからの最終ページの横幅(図5中のu)を152mmとしたが、この横幅の関係については後述する。各ページの縦寸法は257mmとなるようにプリンター内で断裁した。はく離紙付き糊(1)の横幅(図3の符号1の斜線部)は、図3のh−h’より左端側の部分8mmを含めて15mmとした。
【0027】
図3に示すように、画像が印字記録された長尺状のインクジェット記録用紙に、ページ単位に複数の平行な折り目線(ミシン目:図2のa−a’、b−b’、c1−c1’、・・・。図3のh−h’、i−i’、j−j’、・・・)が設けられる。ミシン目加工は、ページ単位に画像を記録する前であっても、記録した後であっても良いが、プリンター内の搬送性を考慮すると、記録した後にミシン目加工することが望ましい。
【0028】
ミシン目は、記録用紙が切り離れない限り、インクジェット記録用紙を貫通していても貫通していなくても良く、また記録層側から施しても裏面側から施しても良い。ミシン目の長さとミシン目の間隔の比は、一般的には2:1〜1:20であるが、特に図2のa−a’、図3のh−h’は、「くるみ」の部分に相当し、ページ物の背が破断され易いため、前記の比は、1:1〜1:15が好ましい。折り目線は、ミシン目が好ましいが、記録用紙が切り離れない限り、浅い連続した切り込み線等であっても良い。
【0029】
1ページ単位の形状は、図2及び図3に示すように、一般的には縦長形状であるが、所望により横長形状や正方形であってもよい。1ページ単位のサイズは、一般的には100mm〜500mm程度の範囲で、形状に応じて任意に決定することができる。一般的にはA3サイズ以上の大判インクジェット記録用紙とそのプリンターを用いて印字するのが望ましい。
【0030】
折り目線の数は、所望とするページ数に依存する。またページ数は、ページ単位のサイズにより異なるが、現在の一般的な大判インクジェット記録用紙の印字に用いられるインクジェットプリンターでは、1ページ単位の横幅(製本技術用語の「小口の天地」に相当する、例えば図3のh−i間の長さ)が110〜250mmとした場合には4〜8ページ程度が標準的である。
【0031】
本発明の製本方法は、上述したように、画像が記録され折り目線が設けられた記録材料を、折り目線によってページ物の先端(製本技術用語の「前小口」に相当する)が揃うようにページ物に折り畳み、且つページ物の背を固定してページ物の画像記録物とするものであり、また画像記録された製本前のページ物は天地左右の断裁を必要とせず、そのまま製本できるという利点がある。
【0032】
本発明の代表的な製本方法は、簡便性、低コスト等の面から、既述した図3に示すように、図4のような画像が記録されページ単位に折り目線が設けられたインクジェット用紙の符号1(図3の斜線部分)に相当する部分(本明細書において、「くるみ」と称する)の裏面(画像が記録されていない面)に、はく離紙付き糊(1)が施される。
【0033】
図3において、各ページ単位の横幅(小口の天地の長さ)を全く同じにした場合、各ページの先端(製本技術用語の「前小口」に相当する)は不揃いになり、商品価値が著しく低下する。本発明においては、図3及び図5で既述したように、「くるみ」部分を有する第1ページ(図5の符号pで示す)、最終ページ(図5の符号uで示す)及びそれらの間のページ(図5の符号q〜tで示す)は、僅かに小口の天地の長さが異なるように設定することで、前小口が揃い、しかも2ページ以降の背部分が僅かにずれる(図6を参照)ので、製本物として、非常にしっかりとページ物の背を貼り合わせて固定することが出来る。
【0034】
本発明の製本方法は、簡便性、低コスト等の面から、はく離紙付き糊でページ物の背を固定することが好ましいが、はく離紙付き糊ではなく、通常の糊、接着剤等を筆などで付与しても良い。またステープル止め等の他の方法でページ物の背を固定することもできる。
【0035】
また本発明の好ましい態様として、例えば図3の第4ページの裏面下端部(「小口の天地」の地の近傍部に相当する)に、はく離紙付き糊(2)が施され、第3ページの裏面と貼り合わせ固定して、前記のデジタルレイアウトデータ等を記録した光ディスク媒体等の収容袋とする。光ディスク媒体等を収容した製本物は、特別な包装をする必要が無く、この状態で顧客に渡すことが出来る。顧客は、この光ディスクを用いて記録画像を鑑賞したり、製本物を再注文することもでき、しかも光ディスク媒体等を包装する新たな別の収納袋を必要としないという利点もある。前記の収容袋は、所望とするページに設けることが出来る。
【0036】
前述したように、本発明の製本方法は、ページ数にある程度の制限があり、例えば10ページ以上の要望がある場合には、次のようにすることができる。すなわち、図7に示すように、前述した方法で図5の状態までの複数のページ物を作り、それらを貼り合わせ固定するのであるが、その際、2つ目のページ物の第1ページの「くるみ」部分を、(1つ目のページ物の「くるみ」の折り曲げとは反対方向に)折り曲げて1つ目のページ物に固定し、次に1つ目のページ物の「くるみ」部分を2つ目のページ物の背と一緒にくるんで固定する。固定は同じく、はく離紙付き糊(1)で行うことできる。3つ目のページ物についても同様な方法を繰り返すことで可能である。
【0037】
図6および図7の方法で得られた製本物は、本としての開き具合や強度、ページの向きなど、製本物として具備すべき項目につき目視検査した結果は、いずれもその実用品質を満足するものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷機械と製本機械の投資を必要とせず、印刷製本にともなう分版処理や版ズレの処理等の専門的な技能が必要なく、小ロットの製本物を簡便、低コストで製作できる方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製本物の完成イメージ図
【図2】ロール状の記録用紙
【図3】シート状の記録用紙
【図4】デジタルレイアウトデータ台紙図
【図5】小口天地の長さの関係を示す上面図
【図6】本発明の製本物の上面図
【図7】多いページ数の製本状態を示す上面図
【図8】背を固定する前の状態を示すイメージ図
【符号の説明】
1 はく離紙付き糊
2 はく離紙付き糊
3 ミシン目のトンボ
4 画像のトンボ
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の画像記録用材料からページ物の画像記録物を作成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印刷製本分野においては、印刷機械と製本機械を使用した大量生産方式がとられてきた。
【0003】
しかし従来の印刷製本システムは、多くの問題を抱えている。たとえば、印刷版を使用するために、画像の色分版処理や印刷時の版画像のズレを防止する画像処理が必要であり、このために専門的な印刷技能と製本技術を必要とする。また従来の印刷システムでは、印刷用紙、印刷インキ、印刷機および印刷版を使用するため、印刷システムで作られた印刷物の画像発色の色再現範囲が狭く、このため厳密なカラーマネジメントを必要とする。
【0004】
更に従来の印刷製本システムでは、大量生産を前提に構築された印刷方法と製本方式のために、例えば数冊から数十冊程度の小ロットの印刷製本物の制作には不向きである。更には印刷機械の立ち上がりでの紙ロスが多量に発生する。
【0005】
ところで、画像記録用材料としては、各種の記録材料が知られており、例えばインクジェット記録材料、感熱記録材料、昇華型熱転写記録材料、溶融型熱転写記録材料などがある。
【0006】
特にインクジェット記録用材料は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像・定着処理が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像などの記録方式として種々の用途において急速に普及している。さらに多色インクジェット記録方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷に比較して遜色のない記録画像を得ることが可能である。
【0007】
インクジェット記録用材料の1つの用途として、ミシン目の折り目線により、四つ折り、あるいは八つ折りしても、折り畳みが容易なダイレクトメールの用途が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−295454号公報
【0009】
一方、写真分野においては、デジタルカメラで撮影した画像をコンビニエンスストア等に設置されたプリンタを使用して、プリントをする方式(デジカメプリントサービス)がとられている。
【0010】
しかし従来のデジカメプリントサービスでは、画像のみの出力であるため、文字と組み合わせた写真画像の出力はできず、さらに製本物として完成させることはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決することにあり、各種のペンプロッター画像記録、レーザー画像記録、静電画像記録やサーマル画像記録等により画像記録用材料に画像を形成し、この画像記録用材料から小ロットのページ物の画像記録物(以下、製本物という)を低コストで簡便に作成する方法(以下、製本方法という)を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、ページ単位に画像を記録した長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線が該画像記録用材料のページ単位に設けられ、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳まれ、且つページ物の背が固定されていることを特徴とするページ物の画像記録物である。
【0013】
本発明の請求項2は、ページ単位に画像を記録した長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線が該画像記録用材料のページ単位に設けられ、該折り目線によってページ物に折り畳んだとき、ページ物の前小口が揃うように、且つページ物の背が固定できるように、ページの小口天地幅が異なっていることを特徴とするページ物の画像記録物である。
【0014】
本発明の請求項3は、ページ単位の少なくとも一対の小口下端部を固定して収容袋としたことを特徴とする請求項1または2記載のページ物の画像記録物である。
【0015】
本発明の請求項4、ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、且つページ物の背を固定してページ物の画像記録物とすることを特徴とする画像記録物の作成方法である。
【0016】
本発明の請求項5は、ページ数が多いページ物の画像記録物の作成方法において、ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料に画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、折り畳んだ複数のページ物のくるみにより複数ページ物の背を固定することを特徴とするページ物画像記録物の作成方法である。
【0017】
本発明の請求項6は、ページ単位のサイズ、画像の大きさと位置、貼り合わせ位置等のレイアウトデータから該画像記録用材料に画像を記録する請求項4記載の画像記録物の作成方法である。
【0018】
【発明の実施の態様】
本発明のページ物画像記録物作成方法(製本方法)において、画像記録用材料の種類は、前記したような各種の記録用材料を使用することができるが、画像記録用材料の支持体は、アート紙、コート紙、合成紙、ポリエチレン樹脂被覆紙、白色顔料を含有するフイルム等の不透明支持体であることが好ましい。代表的なインクジェット記録用紙におけるインク受理層は、ポリマー層のコートタイプであっても、顔料からなる空隙層タイプであってもよい。以下、インクジェット記録用紙に基く本発明の代表的な実施態様を図面を用いながら説明する。
【0019】
【実施例】
図1は、本発明の製本方法により得られた仕上がり製本物である。図2及び図3は、複数の平行な折り目線をページ単位に設けた(または設ける)インクジェット記録用紙であり、図2はロール用紙、図3はシート用紙の例を示している。図4は、インクジェット記録用紙に画像を印字記録するための、ページ単位のサイズ、デジタル画像の大きさと位置、製本糊づけ位置、ページ番号等を記述したコンピュータ上のデジタルレイアウトデータ(台紙)を示している。
【0020】
図5は、後述する各ページの小口天地の長さ(幅)の関係を模式的に示した上面図である。図6は、本発明の製本物の上面図であり、図5の上面図から折り畳み、ページ物の背を固定した状態を示している。図7は、本発明の請求項5にかかる、ページ数が多い場合の製本状態を示す上面図である。図8は、折り目線によってページ物に折り畳み、「くるみ」により背を固定する前の状態を示すイメージ図である。
【0021】
本発明において、画像記録用材料に画像を記録するためには、図4に示すように、ページ単位のサイズ、画像の大きさと位置、製本糊づけ(貼り合わせ)位置、ページ番号、更に折り目線や画像の位置マーク(いわゆるトンボ)等をデジタル記述したレイアウトデータ(台紙)をコンピュータで市販の画像処理ソフトを用いて作成することが好ましい。また当該デジタルレイアウトデータをインターネットホームページ上から画像出力し、当該画像記録用材料に記録して製本物とする製本システムとすることもできる。
【0022】
図4に示すような、デジタル画像の大きさと位置、製本糊づけ位置、ページ番号を書き込んだ台紙データを、あらかじめネットワーク上のサーバーに保管しておき、保管された前記の台紙データを、本発明に使用するインクジェット出力製本システムのパソコンにダウンロードする。
【0023】
台紙データに張りこむ画像と文字は1対にできるように照合可能な番号を画像と文字に付記し、あらかじめネットワーク上のサーバーに保管しておき、保管された前記の画像と文字を、本発明に使用するインクジェット出力製本システムのパソコンにダウンロードする。
【0024】
市販のソフトを使用して、台紙に張り込まれて製本される該当の画像データと文字を、台紙データの画像の大きさと位置、製本糊づけ位置、ページ番号、トンボマーク(図4の折り目線トンボ3及び画像トンボ4)に従って、台紙データに張り込んだ。折り目線トンボ3は、画像記録後にミシン目を設ける場合に必要である。また画像トンボ4は、画像を張り込んだ後に消去することが好ましい。
【0025】
張り込まれたデータ画像を、インクジェット記録用紙の左右中心で出力されるように、エプソン社製インクジェットプリンターPM9000のドライバ設定をし出力した結果、図4の画像の大きさと位置通りに印字記録された。プリンターの印字可能領域は、各プリンター機種ごとに異なっている。このため、図4の画像は固定であるが、各プリンターの用紙設定の補正を必要とした。
【0026】
本実施例においては、ポリエチレン樹脂被覆紙上にインク受容層を設けた市販のロール状インクジェット記録用紙を用いて6ページの製本物の例を示す。図3中のh−i間の横幅(図5中のp)を154mm、i−j(図5中のq)及びj−k(図5中のr)を149mm、k−l(図5中のs)及びl−m(図5中のt)の横幅を150.5mm、mからの最終ページの横幅(図5中のu)を152mmとしたが、この横幅の関係については後述する。各ページの縦寸法は257mmとなるようにプリンター内で断裁した。はく離紙付き糊(1)の横幅(図3の符号1の斜線部)は、図3のh−h’より左端側の部分8mmを含めて15mmとした。
【0027】
図3に示すように、画像が印字記録された長尺状のインクジェット記録用紙に、ページ単位に複数の平行な折り目線(ミシン目:図2のa−a’、b−b’、c1−c1’、・・・。図3のh−h’、i−i’、j−j’、・・・)が設けられる。ミシン目加工は、ページ単位に画像を記録する前であっても、記録した後であっても良いが、プリンター内の搬送性を考慮すると、記録した後にミシン目加工することが望ましい。
【0028】
ミシン目は、記録用紙が切り離れない限り、インクジェット記録用紙を貫通していても貫通していなくても良く、また記録層側から施しても裏面側から施しても良い。ミシン目の長さとミシン目の間隔の比は、一般的には2:1〜1:20であるが、特に図2のa−a’、図3のh−h’は、「くるみ」の部分に相当し、ページ物の背が破断され易いため、前記の比は、1:1〜1:15が好ましい。折り目線は、ミシン目が好ましいが、記録用紙が切り離れない限り、浅い連続した切り込み線等であっても良い。
【0029】
1ページ単位の形状は、図2及び図3に示すように、一般的には縦長形状であるが、所望により横長形状や正方形であってもよい。1ページ単位のサイズは、一般的には100mm〜500mm程度の範囲で、形状に応じて任意に決定することができる。一般的にはA3サイズ以上の大判インクジェット記録用紙とそのプリンターを用いて印字するのが望ましい。
【0030】
折り目線の数は、所望とするページ数に依存する。またページ数は、ページ単位のサイズにより異なるが、現在の一般的な大判インクジェット記録用紙の印字に用いられるインクジェットプリンターでは、1ページ単位の横幅(製本技術用語の「小口の天地」に相当する、例えば図3のh−i間の長さ)が110〜250mmとした場合には4〜8ページ程度が標準的である。
【0031】
本発明の製本方法は、上述したように、画像が記録され折り目線が設けられた記録材料を、折り目線によってページ物の先端(製本技術用語の「前小口」に相当する)が揃うようにページ物に折り畳み、且つページ物の背を固定してページ物の画像記録物とするものであり、また画像記録された製本前のページ物は天地左右の断裁を必要とせず、そのまま製本できるという利点がある。
【0032】
本発明の代表的な製本方法は、簡便性、低コスト等の面から、既述した図3に示すように、図4のような画像が記録されページ単位に折り目線が設けられたインクジェット用紙の符号1(図3の斜線部分)に相当する部分(本明細書において、「くるみ」と称する)の裏面(画像が記録されていない面)に、はく離紙付き糊(1)が施される。
【0033】
図3において、各ページ単位の横幅(小口の天地の長さ)を全く同じにした場合、各ページの先端(製本技術用語の「前小口」に相当する)は不揃いになり、商品価値が著しく低下する。本発明においては、図3及び図5で既述したように、「くるみ」部分を有する第1ページ(図5の符号pで示す)、最終ページ(図5の符号uで示す)及びそれらの間のページ(図5の符号q〜tで示す)は、僅かに小口の天地の長さが異なるように設定することで、前小口が揃い、しかも2ページ以降の背部分が僅かにずれる(図6を参照)ので、製本物として、非常にしっかりとページ物の背を貼り合わせて固定することが出来る。
【0034】
本発明の製本方法は、簡便性、低コスト等の面から、はく離紙付き糊でページ物の背を固定することが好ましいが、はく離紙付き糊ではなく、通常の糊、接着剤等を筆などで付与しても良い。またステープル止め等の他の方法でページ物の背を固定することもできる。
【0035】
また本発明の好ましい態様として、例えば図3の第4ページの裏面下端部(「小口の天地」の地の近傍部に相当する)に、はく離紙付き糊(2)が施され、第3ページの裏面と貼り合わせ固定して、前記のデジタルレイアウトデータ等を記録した光ディスク媒体等の収容袋とする。光ディスク媒体等を収容した製本物は、特別な包装をする必要が無く、この状態で顧客に渡すことが出来る。顧客は、この光ディスクを用いて記録画像を鑑賞したり、製本物を再注文することもでき、しかも光ディスク媒体等を包装する新たな別の収納袋を必要としないという利点もある。前記の収容袋は、所望とするページに設けることが出来る。
【0036】
前述したように、本発明の製本方法は、ページ数にある程度の制限があり、例えば10ページ以上の要望がある場合には、次のようにすることができる。すなわち、図7に示すように、前述した方法で図5の状態までの複数のページ物を作り、それらを貼り合わせ固定するのであるが、その際、2つ目のページ物の第1ページの「くるみ」部分を、(1つ目のページ物の「くるみ」の折り曲げとは反対方向に)折り曲げて1つ目のページ物に固定し、次に1つ目のページ物の「くるみ」部分を2つ目のページ物の背と一緒にくるんで固定する。固定は同じく、はく離紙付き糊(1)で行うことできる。3つ目のページ物についても同様な方法を繰り返すことで可能である。
【0037】
図6および図7の方法で得られた製本物は、本としての開き具合や強度、ページの向きなど、製本物として具備すべき項目につき目視検査した結果は、いずれもその実用品質を満足するものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷機械と製本機械の投資を必要とせず、印刷製本にともなう分版処理や版ズレの処理等の専門的な技能が必要なく、小ロットの製本物を簡便、低コストで製作できる方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製本物の完成イメージ図
【図2】ロール状の記録用紙
【図3】シート状の記録用紙
【図4】デジタルレイアウトデータ台紙図
【図5】小口天地の長さの関係を示す上面図
【図6】本発明の製本物の上面図
【図7】多いページ数の製本状態を示す上面図
【図8】背を固定する前の状態を示すイメージ図
【符号の説明】
1 はく離紙付き糊
2 はく離紙付き糊
3 ミシン目のトンボ
4 画像のトンボ
Claims (6)
- ページ単位に画像を記録した長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線が該画像記録用材料のページ単位に設けられ、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳まれ、且つページ物の背が固定されていることを特徴とするページ物の画像記録物。
- ページ単位に画像を記録した長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線が該画像記録用材料のページ単位に設けられ、該折り目線によってページ物に折り畳んだとき、ページ物の前小口が揃うように、且つページ物の背が固定できるように、ページの小口天地幅が異なっていることを特徴とするページ物の画像記録物。
- ページ単位の少なくとも一対の小口下端部を固定して収容袋としたことを特徴とする請求項1または2記載のページ物の画像記録物。
- ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料であって、画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、且つページ物の背を固定してページ物の画像記録物とすることを特徴とする画像記録物の作成方法。
- ページ数が多いページ物の画像記録物の作成方法において、ページ単位に画像を記録する長尺状の画像記録用材料に画像を記録する前または後に複数の平行な折り目線を該画像記録用材料のページ単位に設け、該折り目線によってページ物の前小口が揃うようにページ物に折り畳み、折り畳んだ複数のページ物のくるみにより複数ページ物の背を固定することを特徴とするページ物画像記録物の作成方法。
- ページ単位のサイズ、画像の大きさと位置、貼り合わせ位置等のレイアウトデータから該画像記録用材料に画像を記録する請求項4記載の画像記録物の作成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002311627A JP2004142344A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 画像記録物およびその作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002311627A JP2004142344A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 画像記録物およびその作成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004142344A true JP2004142344A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32456793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002311627A Pending JP2004142344A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 画像記録物およびその作成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004142344A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006187971A (ja) * | 2005-01-07 | 2006-07-20 | Taiyo Seiki Kk | 冊子用用紙 |
JP2011240529A (ja) * | 2010-05-14 | 2011-12-01 | Dainippon Printing Co Ltd | フォトブック、フォトブック製造方法、およびフォトブック製造システム |
-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002311627A patent/JP2004142344A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006187971A (ja) * | 2005-01-07 | 2006-07-20 | Taiyo Seiki Kk | 冊子用用紙 |
JP4626974B2 (ja) * | 2005-01-07 | 2011-02-09 | 太陽精機株式会社 | 冊子用用紙 |
JP2011240529A (ja) * | 2010-05-14 | 2011-12-01 | Dainippon Printing Co Ltd | フォトブック、フォトブック製造方法、およびフォトブック製造システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU703899B2 (en) | A label and a lever arch file or ring binder | |
JP2002509263A (ja) | ラベルシステム | |
JP2006142799A (ja) | 製本物 | |
JP2004142344A (ja) | 画像記録物およびその作成方法 | |
JP2003300389A (ja) | 厚頁本および厚頁本用の製本装置 | |
JP4353630B2 (ja) | オリジナル本作製用の製本キット | |
JP2002160480A (ja) | アルバムリーフ製作用の装置と方法 | |
JP2009190388A (ja) | シート状の製本キット | |
JP2018062097A (ja) | メモ帳用印刷物及びメモ帳の製造方法 | |
US20090294013A1 (en) | Method and apparatus for producing composite works | |
JP7439406B2 (ja) | ラベル連続体の製造方法 | |
US20150166296A1 (en) | Folded booklet and method | |
JP2022063404A (ja) | アルバムの製造方法 | |
JP3827787B2 (ja) | 複写帳票 | |
JP3123218U (ja) | アルバム付き写真集 | |
JPH11277937A (ja) | 帳票及びその製造方法 | |
JP2003182184A (ja) | 画像製本システム | |
JPH0986072A (ja) | 折丁及びそれを用いた本 | |
JP3579089B2 (ja) | 配送伝票 | |
JP5760488B2 (ja) | 熱転写受像シート、フォトブック及び印画物の作製方法 | |
KR20000060751A (ko) | 앨범형 책 | |
JPH11216966A (ja) | ミニブックの製造方法 | |
JP2003195762A (ja) | 冊子状チラシ | |
US20070054099A1 (en) | DVD case interior panel insert, and related method | |
JPH0820180A (ja) | 収納媒体及びその製造システム |