JP2004141972A - 自動工具交換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転に対応できる軸受剛性や主軸剛性が低い主軸に対しても、安定した自動工具交換が可能な自動工具交換装置を提供する。
【解決手段】この自動工具交換装置2は、工作機械の主軸に設けられたチャックに対して工具Tを着脱するものである。この装置2は、旋回自在なアーム14と、このアーム14の先端に別体に設けられて工具Tを把持する把持部16とを有する。把持部16は、弾性支持手段19により、アーム14に対して弾性的に変位可能に支持する。
【選択図】 図2
【解決手段】この自動工具交換装置2は、工作機械の主軸に設けられたチャックに対して工具Tを着脱するものである。この装置2は、旋回自在なアーム14と、このアーム14の先端に別体に設けられて工具Tを把持する把持部16とを有する。把持部16は、弾性支持手段19により、アーム14に対して弾性的に変位可能に支持する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の工作機械、主として主軸剛性の低い高速スピンドル装置を搭載し、精密加工を可能とするマシニングセンタに使用する自動工具交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マシニングセンタに使用されるスピンドル装置は、作業効率向上の要請から高速回転化している。また、作業効率向上だけでなく、加工ワークの品位向上という要請に応えるために、「浅切込み・高送り」といった工具一刃当たりの除去量を少なくした軽加工の方法を採用し、加工時のワーク温度を抑えて高精度加工やワークの変質を抑えることが一般化してきている。そこで、このような作業効率向上と加工ワークの品位向上との兼ね合いを図るために、マシニングセンタでは、高速回転が可能で、優れた回転精度を有するスピンドル装置が必要となってきている。
【0003】
スピンドル装置の主軸の高速回転を可能とするために、主軸の支持軸受として転がり軸受を用いた場合には、そのDN値の限界から、小径の転がり軸受を使用する必要がある。しかし、小径の転がり軸受の負荷容量は小さく、主軸への負荷容量も小さくなる。そのため、必然的に主軸径も細くなる。
【0004】
さらに、最近では、主軸の高速化および高精度化のために、非接触軸受を利用した例も多く見られるようになってきている。この非接触軸受は、基本的に機械接触による摩擦がなく、高速回転が可能である。特に、回転精度を強く要求する場合には、特許文献1や特許文献2で示されるような軸受支持媒体に空気や油を用いた静圧軸受や動圧軸受が使われる。また、劣悪な使用環境で使用され軸受隙間へのごみの影響が問題となる場合や、静的な剛性が必要な場合には、特許文献3で示されるような磁気軸受が使用される場合もある。さらに、優れた回転精度と静剛性の両方が必要な場合には、特許文献4に示されるように静圧軸受と磁気軸受とをハイブリットさせたものもある。
【0005】
しかし、これらいずれの非接触軸受の場合でも、非接触支持ではあるが、流体摩擦や磁気的摩擦が存在するため、高速回転させる場合には、これらの摩擦熱を少なくするために主軸径が細くなる。さらに、非接触軸受の剛性は一般的に転がり軸受より低い。
このように、高速回転を可能としたスピンドル装置では、総じて軸受剛性は低く、主軸径が細いことから、主軸自体の剛性も低くなる。
【0006】
一方、マシニングセンタ等の自動工具交換装置に使用されるアームの把持部は、一般に金属で製作され、アームにボルト固定されたり、またはアーム自体に構成される。自動工具交換装置による工具交換動作は、この把持部と押え部材と工具ホルダとの機械的な接触により行われるが、最近の工作機械における作業効率向上の要請から、このアームの動きを早めることで、工具交換時間の短縮が図られている。
【0007】
図7(A),(B)は、従来の自動工具交換装置における工具ホルダチャッキング部の概略構成を示す。工具Tは、工具ホルダ75に工具本体Taを保持させたものであり、ここでは工具ホルダ75を把持した状態を示している。同図において、旋回軸心O回りに旋回するアーム71には、別体の把持部72がボルト76によって固定されている。また、アーム71の把持部72近傍には、ばね74によってA方向に予圧が掛けられる押え部材73が設けられている。図8は、この自動工具交換装置の動作を示す。例えば、同図に示すように、工具ホルダ75を把持している主軸(図示せず)の位置にアーム71が旋回すると、押え部材73が工具ホルダ75に接触する(図8(B))。この状態で、さらにアーム71を旋回させると、工具ホルダ75は押え部材73と把持部72によって完全に把持された状態となる(図8(C))。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−110836号公報
【特許文献2】
特開平6−292689号公報
【特許文献3】
特開平3−136767号公報
【特許文献4】
特開平11−13759号公報
【特許文献5】
特開2001−1779566号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図8のように工具ホルダ75を把持する過程において、工具ホルダ75は押え部材73と把持部72とに衝突する。さらに、工具ホルダ75は、把持部72の内周面に完全接触するように、ばね74で押え部材73を介して押え付けられるため、工具ホルダ75の軸心と把持部72の軸心とが僅かでもずれていると、工具ホルダ75にラジアル方向の過大な力が作用する。
通常、主軸およびこれを支持する軸受の剛性は高いので、このチャッキング時の問題はなかったが、上述したように主軸および支持軸受の剛性もしくは負荷容量が低い場合には、工具ホルダ75への作用力が主軸に加わることで、主軸を塑性変形させたり、軸受支持部にダメージを与えたりする可能性がある。
例えば、主軸の軸受支持に一部でも静圧軸受を採用した場合には、過大な外力が主軸に加わったときに、通常数10μmのオーダで非接触に主軸が浮上している状態が崩れ、主軸とステータとが機械的に接触してしまう。場合によってはこの接触による軸受の損傷から、所定の主軸性能が得られなくなる場合もある。
【0010】
なお、このような工具交換時の把持部72と工具ホルダ75との衝突音の緩和を目的とした技術として、把持部を繊維強化剛性材料で構成することによって衝突音と把持部の損傷を防ぐものが知られている(特許文献5)。しかし、このような対策だけでは、上述したように高速回転可能な主軸への対応は難しい。
【0011】
この発明の目的は、上記の課題を解消し、高速回転に対応できる主軸に対しても、安定した工具交換が可能な自動工具交換装置を提供することである。詳しくは、高速回転用スピンドル装置の主軸に工具ホルダを取付ける場合に、その主軸に過大な力を作用させないような工具のチャッキングを可能とし、アームの把持部と主軸の心合わせ作業が簡略化できるものとすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の自動工具交換装置は、工作機械の主軸に設けられたチャックに対して工具を着脱する自動工具交換装置であって、可動のアームと、このアームの先端にこのアームと別体に設けられて工具を把持する把持部と、この把持部をアームに対して弾性的に変位可能に支持する弾性支持手段とを備えたものである。上記工具は、工具ホルダに工具本体を装着したもの、または工具ホルダを有しない単体のものとされる。上記アームは、例えば先端が主軸と工具マガジン等の所定の工具受渡し位置との間を移動するように動作するものであり、旋回動作など、所定の経路の動作を行うものとされる。上記旋回動作は、主軸と平行な旋回軸心回りの旋回等とされる。上記把持具は、例えば工具を主軸と平行な姿勢に把持するものとされる。弾性支持手段により支持する変位可能な方向は、アームまたは主軸に対する偏心方向であっても良く、また偏心方向と軸方向の両方であって良い。
この構成によると、工具交換動作時に、把持部と主軸との心ずれがあっても、その心ずれが減少するように、把持部が弾性支持手段の弾性変形でアームに対して変位する。そのため、上記心ずれにより、把持部から工具を介して主軸に過大な力が作用することが防止される。したがって、高速回転に対応できる軸受剛性や主軸剛性が低いスピンドル装置の主軸に対しても、安定した自動工具交換が可能となる。
【0013】
この発明において、上記把持部とアームの間にダンピング要素、すなわち減衰要素を設けても良い。ダンピング要素を付加すると、チャッキング時の把持部の振動を抑えることができ、把持部と工具との接触時、またはその後の把持部の振動が抑えられるために、アームの工具のへの作用力を軽減できる。
【0014】
上記弾性支持手段は、弾性材料からなるもの、例えばゴム状の弾性材料からなるものであっても良く、またコイルばねまたは板ばね等の金属製のばね体からなるものであっても良い。ゴム状の弾性材料を用いると構成が簡素にでき、金属製のばね体を用いると耐久性に優れたものとできる。
把持部とアームの間にダンピング要素を介在させる場合に、上記弾性支持手段を制振ゴムからなるものとし、ダンピング要素を兼ねさせても良い。弾性とダンピング性の付与を同じ部材で兼用できるため、構成が簡素なものとなる。
【0015】
この発明において、上記把持部の上記アームに対する変位可能範囲は、数mm以下とすることが好ましい。変位可能範囲をこのように制限することで、アームが急旋回した場合でも、把持部の揺動が少なく、把持部が周辺の機器等と干渉することを防止できる。
また、上記弾性支持手段の剛性は、上記主軸を支持する軸受の剛性に比較して小さくされているものであっても良い。弾性支持手段の剛性を軸受よりも小さくすることで、心ずれにより偏心荷重が作用した場合に、主軸よりも把持部が大きく変位して、主軸の変位が抑制される。このため、特に、主軸を支持する軸受が非接触軸受である場合は、工具交換動作で主軸が軸受面に接することが回避される。
【0016】
上記工作機械は、主軸を転がり軸受等の接触型の軸受で支持するものであっても、非接触軸受によって支持するものであっも良い。非接触軸受の場合、主軸の高速回転が可能である反面、軸受の負荷容量が小さくなる。このような負荷容量の小さい非接触軸受を用いた場合でも、この発明の自動工具交換装置によると、多少の心ずれにかかわらず、安定した自動工具交換が行える。
上記非接触軸受は、静圧軸受、または動圧軸受、または磁気軸受であっても良い。また、上記非接触軸受として静圧軸受と磁気軸受を併用しても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図1および図2と共に説明する。図1(A),(B)は第1の実施形態の自動工具交換装置を備えた工作機械の概略構成を示す。この工作機械はマシニングセンタであり、工作機械本体1と、工具マガジン3と、これら工作機械本体1の主軸4と工具マガジン3の所定の工具受渡し位置Pとの間で工具Tの交換を行う自動工具交換装置2とを備える。
工作機械本体1は、ベッド6上にレール6aに沿って前後方向(Y方向)に進退自在に設けられたコラム8と、このコラム8に昇降自在に設置されたスピンドル装置7とを備える。コラム8の前後駆動、およびスピンドル装置7の昇降駆動は、モータおよびボールねじ等からなる進退駆動装置(図示せず)により行われる。
スピンドル装置7は、上記主軸4を内蔵の軸受で回転自在に支持し、かつ主軸4を駆動する駆動源を設けたものである。上記軸受には高速回転対応の転がり軸受または非接触軸受が用いられる。スピンドル装置7の具体的構造については、後に図4〜図6と共に各種の例を説明する。主軸4の先端には、工具Tを着脱自在に把持するチャック5が設けられている。チャック5は、例えばコレットチャックであり、主軸先端面に形成された工具嵌合孔に軸方向に工具Tを差し込むことで、工具Tを装着する形式のものとされる。工具Tは、工具ホルダ9に工具本体Taを装着したものであり、チャック5は工具ホルダ9のテーパシャンク部を挿脱自在に嵌合させて把持するものとされている。なお、工具Tは、工具ホルダ9を有しない単独型のものであっても良い。また、チャック5はコレットチャック以外でもよく、2面拘束ツーリングであるHSKツーリングであってもよい。工具マガジン3は、多種類の工具Tをストックするものであり、任意の工具Tを所定の工具受渡し位置Pに割出可能である。工具マガジン3は、例えば工作機械本体1の側方に配置される。この工具マガジン3は、例えば一対のスプロケット10,10に掛装された無端チェーン11に複数の工具ポケット12を等間隔に取付けて構成される。各工具ポケット12に工具Tが軸方向に挿脱自在に保持される。
【0018】
自動工具交換装置2は、可動のアーム14の先端に、工具Tを把持する把持部16を設けたものである。アーム14は、主軸4の軸心と平行な旋回中心回りに旋回するものであり、2本設けられている。両アーム14は直線状の一体部材として構成され、その中央部に旋回軸15が結合されており、旋回軸15の駆動によって旋回する。旋回軸15は移動基台13に回転自在に支持されている。移動基台13は、工作機械本体1と工具マガジン3との間に配置されて前後方向(Y方向)に移動自在とされている。移動基台13の前後方向の移動によりアーム14が前後移動し、主軸4のチャック5および工具ポケット12に対する工具Tの挿脱が行われる。
【0019】
図2(A)に正面図で示すように、アーム14の先端に、上記把持部16がアーム14とは別体に設けられ、かつ工具Tの押え部材17が設けられている。把持部16は、工具Tの外周面の周方向の一部を嵌合させる嵌合凹部16aを形成した部材である。工具Tが工具ホルダ9を有するものである場合は、工具ホルダ9の外周面が嵌合凹部16aに嵌合する。押え部材17は、把持部16の嵌合凹部16aに嵌合した工具Tの外周面を押し付けることにより、工具Tが嵌合凹部16aの底面と反対側の開口側へ抜け出ることを阻止する部材である。押え部材17は、弾性的に突没自在に設置されており、その押し付け力は、工具Tが自重では落下しないが、アーム14の旋回駆動等による強制的で工具Tを嵌合凹部16aから出し入れできる程度の力に設定されている。この実施形態の自動工具交換装置2は、このような構成のものにおいて、把持部16をアーム14に対して弾性的に変位可能に支持する弾性支持手段19を設けたものである。
【0020】
把持部16は、アーム14に対してラジアル方向にもアキシアル方向にも直接に接触しないように配置されている。すなわち、把持部16は、アーム14の先端に形成された把持部配置凹部18にラジアル方向およびアキシアル方向の隙間を介して嵌まっていて、その隙間内で上記変位が可能なように弾性支持手段19で支持されている。把持部16は、環状の板または円筒部材を直径方向に沿う面で2つ割りにした半割り状環体に形成されており、その内径側の半円状断面の空間が上記嵌合凹部16aとなる。
アーム14の把持部配置凹部18は、アーム14の旋回方向を向く一側面に形成され、断面円弧状とされている。把持部16は、自然状態では、その円弧状の嵌合凹部16aの中心が把持部配置用凹部18の中心Oと一致するように、弾性支持手段19により同心状に弾性支持される。したがって、把持部16は把持部配置凹部18の中心Oから弾性的に偏心可能とされている。
【0021】
図2(A)におけるA−O−B矢視断面図およびその拡大断面図を示す図2(B)および図2(C)のように、把持部配置凹部18は、その周縁に沿う鍔状部18aによって軸方向の片面が底付きとされており、この鍔状部18aに把持部16が、上記弾性支持手段19の一部を介して支持されている。
弾性支持手段19として、ここでは複数の弾性体20A,20B,20Cが採用されている。このうち弾性体20Aは、把持部16の外周面と上記把持部配置凹部18の内周面18aaとの間に介装されて、把持部16をラジアル方向に弾性的に支持する。別の弾性体20Bは、把持部16の裏面と上記鍔状部18aの内面18abとの間に介装されて、把持部16を把持部配置凹部18のアキシアル方向に弾性的に支持する。また、把持部16は、円周方向の複数箇所に支持具挿通孔22が形成されていて各孔22に挿通した支持具21により、把持部配置凹部18の鍔状部18aの内面18abに取付けられている。支持具21はボルトからなり、上記内面18abに形成されたねじ孔に先端がねじ込まれている。支持具21は、ボルトの代わりにピン状の部材としても良く、またアーム14から一体に突出した突起であってもよい。支持具21による把持部16の取付は、把持部16が若干の軸方向の移動を許すように行われ、上記弾性体20Bにより、把持部16が軸方向に最も突出する位置に付勢される。支持具挿通孔22は座繰り付き孔に形成されていて、その座繰部底面22aと支持具21の頭部との間に、上記のさらに他の弾性体20Cが介在させてある。この弾性体20Cは、支持具21の軸部外周に嵌合するリング状の部材であり、把持部16を把持部配置凹部18のラジアル方向およびアキシアル方向の両方に弾性的に支持する。アーム14の把持部配置凹部18に対する把持部16の可動範囲は、ラジアル方向およびアキシアル方向共に、数mm以下とされている。
【0022】
上記弾性体20A,20B,20Cなど、上記弾性支持手段19を弾性材料とする場合、その材料としては、通常に使用されるシール材料、すなわちゴムまたは合成樹脂等のゴム状の弾性材料を使用してよい。例えば、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フルオロシリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、ポリテトラフルオロエチレン等が使える。
また、上記弾性体20A,20B,20Cなど、上記弾性支持手段19を弾性材料とする場合に、制振ゴムで構成しても良い。制振ゴムを用いると、ダンピング要素が付加されることになる。制振ゴムは一般に、損失正接(tanδ)を大きくすることにより、振動エネルギを熱エネルギに変換し、反発弾性を低くすると同時に、振動や衝撃を吸収するものである。この制振ゴムには、上記損失正接(tanδ)を高めるように、成分中にレジン(樹脂)などを配合しているものが多い。この制振ゴムとして、そのほかゲル状の制振材料も使用でき、いずれの材料もその種類は問わない。
【0023】
図2(A)において、上記押え部材17は、アーム14の把持部配置凹部18の近傍に形成されたガイド孔23内にばね部材24を介して挿入されて、アーム14の長手方向に向け進退自在とされ、上記ばね部材24によりガイド孔23から進出する方向に予圧が与えられている。この押え部材17は、上記ガイド孔23に挿入される軸部17aの先端に、工具ホルダ9に押し当てられる球形状のパッド17bを設けて構成される。ばね部材24のばね定数は、従来の図7の例のような把持部72をアーム71に固定した自動工具交換装置における押え部材73の付勢用のばね74に比べて、例えば半分以下の大きさとされる。
【0024】
次に、上記構成の自動工具交換装置2による工具交換動作を説明する。まず、図1のように主軸4のチャック5に把持された工具Tを、把持部16が空のアーム14が受け取る動作を説明する。アーム14が旋回軸15回りに旋回して主軸4の前方へ上方から下降すると、図2(A)のように把持部16の嵌合凹部16aに工具Tが嵌まる。この嵌まり過程では、主軸4に把持状態の工具Tに押さえ部材17が当たると、アーム14の旋回力のため、押さえ部材17が工具表面に沿ってばね部材24の付勢力に抗して後退させられ、工具Tが通過した後に、押さえ部材17がばね部材24の復元力で進出する。そのため、押さえ部材17が工具Tを通過することが可能になり、嵌合凹部16aに嵌まった工具Tが押さえ部材17で抜け止めされた状態に、把持部16で把持される。
次に、主軸4のチャック5による工具Tの把持が解除され、その後、アーム14が移動基台13と共に軸方向に所定量前進することにより、工具Tが主軸4側からアーム14側に完全に持ち替えられる。アーム14から主軸4に工具Tを渡す動作は、上記動作を逆に辿ることにより行われる。なお、工具マガジン3の工具ポケット12と、自動工具交換装置2のアーム14との間でも、同様の動作により工具Tの出し入れが行われる。
【0025】
このようなアーム14と主軸4との間での工具Tの交換動作において、アーム14の把持部16は、弾性支持手段19である弾性体20A,20B,20Cを介してアーム14に支持されているので、工具Tと把持部16の軸心が合っていない状態のときは、弾性体20A,20B,20Cの撓みによって把持部16が偏心する。そのため、工具Tに過大な力を及ぼすことなくチャッキングが可能となる。把持部16はアーム14に対してアキシアル方向にも弾性的に変位可能であるため、工具Tに過大な力を及ぼすことを、より柔軟に回避できる。また、チャッキング過程において、工具Tが把持部16や押え部材17と衝突した場合にも、アーム14に対する把持部16および押え部材17の支持が柔軟であるため、衝突に起因した工具Tへの作用力を小さくすることができ、主軸4の損傷を無くすことができる。これにより、高速回転に対応できる軸受剛性や主軸剛性の低い主軸4に対しても、安定した自動工具交換が可能となる。さらに、把持部16と主軸4との軸心合わせ等の作業も簡略化できる。
【0026】
把持部16は可動であるため、アーム14の高速旋回時の挙動を考慮する必要があるが、把持部配置凹部18に対する把持部16の可動範囲は数mm以下とされているので、アーム14が急旋回した場合でも、把持部16の揺動が少なく、把持部16が周辺の機器等と干渉することを確実に防止できる。
【0027】
弾性支持手段19である弾性体20A〜20Cを制振ゴムで構成してダンピング要素を付与した場合には、チャッキング時の把持部16の振動を抑えることができる。また、このダンピング要素により、把持部16と工具Tの接触時や、その後における把持部16の振動も抑えることができ、把持部16の振動に伴う工具Tへの作用力を軽減できて、より安定した自動工具交換が可能となる。
【0028】
なお、この実施形態では、アーム1への把持部6の弾性支持形態を、弾性体20Aと弾性体20Cによってラジアル方向に支持し、弾性体20Bと弾性体20Cとによってアキシアル方向に支持する構成としたが、弾性支持手段19による支持形態は問わない。例えば、弾性体20Cは、アーム14から延びる支持具21と把持部16の間でアキシアル方向およびラジアル方向の両方を支持することができるため、ラジアル方向の弾性支持専用に設けた弾性体20Aは省略しても良い。また弾性体20Cを省略して弾性体20A,20Bのみを設けても良い。
【0029】
図3はこの発明の他の実施形態を示す。この自動工具交換装置2は、第1の実施形態において弾性支持手段19をゴム状の弾性体20A〜20Cで構成したのに代えて、金属材料であるコイルばね30A,30B,30Cで構成している。この場合も、上記実施形態と同様に、把持部16を弾性的に支持することができる。また、コイルばね30A,30B,30Cに代えて、金属材料である板ばねで弾性支持手段19を構成しても良い。この場合には、板ばねの撓み方向の長さを短くできるため、把持部16をコンパクトに構成できる。このほか、第1の実施形態で用いた高分子材料の弾性体と、この実施形態で用いた金属材料のばねとを組み合わせて、弾性支持手段19を構成しても良い。
【0030】
なお、上記各実施形態では、弾性支持手段19を構成する弾性体20A〜20Cやコイルばね30A,30B,30Cのばね定数を指定していないが、把持部16のアーム14への支持剛性は、主軸4自体の剛性や主軸4を支持する軸受の支持剛性に対して十分小さくなるように、上記ばね定数を選択することが望ましい。
また、上記各実施形態は、アーム14が旋回する形式のものである場合につき説明したが、アーム14は平行移動う行うものなど、所定の経路で動作する各種の動作形式のものであっも良い。
【0031】
つぎに、図1のスピンドル装置7の各種具体例を図4〜図6と共にそれぞれ説明する。いずれも非接触軸受を用いた例である。
図4は、主軸4を支持する軸受とし、非接触軸受である静圧軸受を用いた例である。このスピンドル装置7では、主軸4が、スピンドル装置7のハウジング32内に設置された複数のラジアル型の静圧軸受33,33´と、1つのアキシアル型の静圧軸受34とで回転自在に支持されている。これら静圧軸受33,34により、静圧軸受装置31が構成される。ハウジング32に主軸4を駆動するモータ35が内蔵され、そのロータ部35aが主軸4の軸方向の一部に取付けられている。モータ35のステータ部35bは、ハウジング32内に設けられている。
【0032】
図5は、主軸4を支持する軸受として、非接触軸受である動圧軸受を用いた例である。このスピンドル装置7では、ハウジング42内の軸受スリーブ50に、主軸4が軸受隙間を介して挿通されており、主軸4の外径面または軸受スリーブ50の内径面に、回転に伴い流体圧を発生させるためのヘリングボーン溝44が形成されている。上記軸受隙間にはオイルが封入されている。上記軸受隙間を構成する軸受スリーブ50の内径面、主軸4の外径面、およびヘリングボーン溝46により、動圧軸受41が構成される。主軸4の後端とハウジング42の後ろ蓋45との間には、点接触式のスラスト軸受47が形成されている。なお、この実施形態では、主軸4を回転させる駆動源として、エアタービン43が設けられている。
【0033】
図6は、主軸4を支持する軸受として、非接触軸受である静圧磁気複合軸受を用いた例である。このスピンドル装置7では、ハウジング52内に、モータ53の前後に配置された一対の静圧磁気複合軸受54,54と、後端のスラスト磁気軸受55とを介して主軸4を回転自在に支持している。モータ53は、主軸4に一体に設けられたモータ部ロータ56と、ハウジング52に直接設置されたステータ57とで構成される。スラスト磁気軸受55は、主軸4に一体に設けた軸受ロータ58と、ハウジング52に設置され上記軸受ロータ58を軸方向に前後から挟む一対の軸受ステータ59A,59Bとからなる。軸受ステータ59A,59Bのコイル電流は、主軸4の軸方向変位を検出するスラスト変位センサ60の測定値で制御される。スラスト変位センサ60は、ハウジング52の後部壁61に設けられている。
【0034】
前後の静圧磁気複合軸受54,54は、ラジアル磁気軸受62とラジアル静圧気体軸受63とを、構成部品に兼用部分が生じるように一体化させたものである。静圧気体軸受63には静圧空気軸受が用いられている。ラジアル磁気軸受62は、主軸4の外周に設けられた磁性体の軸受ロータ64と、ハウジング52に設置された軸受ステータ65とで構成される。軸受ステータ65は、コア66とコイル67とコイル覆い材68とでリング状に形成されている。軸受ステータコア66のリング状部の内部には、全周にわたる給気通路が形成され、この給気通路から各々分岐して、軸受隙間に給気する絞り15が各ヨーク部13aの電磁力発生面である先端内径面に開口して設けられている。給気通路は、周方向の1箇所または複数箇所に設けた給気口から、圧力流体である圧縮空気の供給源に配管等で接続されており、供給された圧縮空気は、軸受ステータ65の内径面と主軸4の間に形成される軸受隙間に噴出される。これらの絞りと、軸受隙間形成部材を兼用する軸受ステータコア66およびコア覆い材68とで、ラジアル静圧気体軸受63が構成される。
【0035】
なお、ここでは図示しないが、このほか、主軸4を支持する非接触軸受として磁気軸受を用いても良い。
【0036】
【発明の効果】
この発明の自動工具交換装置は、工具を把持する把持部をアームに対して変位可能に支持したため、主軸に過大な力を作用させないような工具のチャッキングが実現でき、主軸やその軸受へのチャッキングの影響を軽減することができる。そのため、高速回転に対応できる軸受剛性や主軸剛性が低いスピンドル装置の主軸に対しても、安定した自動工具交換が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる自動工具交換装置を備えた工作機械の概略構成を示す正面図、(B)はその部分平面図である。
【図2】(A)は同自動工具交換装置の要部を示す一部破断正面図、(B)は(A)におけるA−O−B矢視断面図、(C)は(B)の拡大断面図である。
【図3】(A)はこの発明の他の実施形態にかかる自動工具交換装置の要部を示す一部破断正面図、(B)は(A)におけるC−O−D矢視断面図、(C)は(B)の拡大断面図である。
【図4】図1の工作機械における非接触軸受を用いたスピンドル装置の一例を示す断面図である。
【図5】図1の工作機械における非接触軸受を用いたスピンドル装置の他の例を示す断面図である。
【図6】図1の工作機械における非接触軸受を用いたスピンドル装置のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】(A)は従来例の要部を示す一部破断正面図、(B)は同平面図である。
【図8】同従来例の工具交換動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1…工作機械本体
2…自動工具交換装置
4…主軸
5…チャック
9…工具ホルダ
14…アーム
16…把持部
16a…嵌合凹部
19…弾性支持手段
20A〜20C…弾性体
30A〜30C…コイルばね
33,34…静圧軸受
41…動圧軸受
54…静圧磁気複合軸受
T…工具
Ta…工具本体
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の工作機械、主として主軸剛性の低い高速スピンドル装置を搭載し、精密加工を可能とするマシニングセンタに使用する自動工具交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マシニングセンタに使用されるスピンドル装置は、作業効率向上の要請から高速回転化している。また、作業効率向上だけでなく、加工ワークの品位向上という要請に応えるために、「浅切込み・高送り」といった工具一刃当たりの除去量を少なくした軽加工の方法を採用し、加工時のワーク温度を抑えて高精度加工やワークの変質を抑えることが一般化してきている。そこで、このような作業効率向上と加工ワークの品位向上との兼ね合いを図るために、マシニングセンタでは、高速回転が可能で、優れた回転精度を有するスピンドル装置が必要となってきている。
【0003】
スピンドル装置の主軸の高速回転を可能とするために、主軸の支持軸受として転がり軸受を用いた場合には、そのDN値の限界から、小径の転がり軸受を使用する必要がある。しかし、小径の転がり軸受の負荷容量は小さく、主軸への負荷容量も小さくなる。そのため、必然的に主軸径も細くなる。
【0004】
さらに、最近では、主軸の高速化および高精度化のために、非接触軸受を利用した例も多く見られるようになってきている。この非接触軸受は、基本的に機械接触による摩擦がなく、高速回転が可能である。特に、回転精度を強く要求する場合には、特許文献1や特許文献2で示されるような軸受支持媒体に空気や油を用いた静圧軸受や動圧軸受が使われる。また、劣悪な使用環境で使用され軸受隙間へのごみの影響が問題となる場合や、静的な剛性が必要な場合には、特許文献3で示されるような磁気軸受が使用される場合もある。さらに、優れた回転精度と静剛性の両方が必要な場合には、特許文献4に示されるように静圧軸受と磁気軸受とをハイブリットさせたものもある。
【0005】
しかし、これらいずれの非接触軸受の場合でも、非接触支持ではあるが、流体摩擦や磁気的摩擦が存在するため、高速回転させる場合には、これらの摩擦熱を少なくするために主軸径が細くなる。さらに、非接触軸受の剛性は一般的に転がり軸受より低い。
このように、高速回転を可能としたスピンドル装置では、総じて軸受剛性は低く、主軸径が細いことから、主軸自体の剛性も低くなる。
【0006】
一方、マシニングセンタ等の自動工具交換装置に使用されるアームの把持部は、一般に金属で製作され、アームにボルト固定されたり、またはアーム自体に構成される。自動工具交換装置による工具交換動作は、この把持部と押え部材と工具ホルダとの機械的な接触により行われるが、最近の工作機械における作業効率向上の要請から、このアームの動きを早めることで、工具交換時間の短縮が図られている。
【0007】
図7(A),(B)は、従来の自動工具交換装置における工具ホルダチャッキング部の概略構成を示す。工具Tは、工具ホルダ75に工具本体Taを保持させたものであり、ここでは工具ホルダ75を把持した状態を示している。同図において、旋回軸心O回りに旋回するアーム71には、別体の把持部72がボルト76によって固定されている。また、アーム71の把持部72近傍には、ばね74によってA方向に予圧が掛けられる押え部材73が設けられている。図8は、この自動工具交換装置の動作を示す。例えば、同図に示すように、工具ホルダ75を把持している主軸(図示せず)の位置にアーム71が旋回すると、押え部材73が工具ホルダ75に接触する(図8(B))。この状態で、さらにアーム71を旋回させると、工具ホルダ75は押え部材73と把持部72によって完全に把持された状態となる(図8(C))。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−110836号公報
【特許文献2】
特開平6−292689号公報
【特許文献3】
特開平3−136767号公報
【特許文献4】
特開平11−13759号公報
【特許文献5】
特開2001−1779566号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図8のように工具ホルダ75を把持する過程において、工具ホルダ75は押え部材73と把持部72とに衝突する。さらに、工具ホルダ75は、把持部72の内周面に完全接触するように、ばね74で押え部材73を介して押え付けられるため、工具ホルダ75の軸心と把持部72の軸心とが僅かでもずれていると、工具ホルダ75にラジアル方向の過大な力が作用する。
通常、主軸およびこれを支持する軸受の剛性は高いので、このチャッキング時の問題はなかったが、上述したように主軸および支持軸受の剛性もしくは負荷容量が低い場合には、工具ホルダ75への作用力が主軸に加わることで、主軸を塑性変形させたり、軸受支持部にダメージを与えたりする可能性がある。
例えば、主軸の軸受支持に一部でも静圧軸受を採用した場合には、過大な外力が主軸に加わったときに、通常数10μmのオーダで非接触に主軸が浮上している状態が崩れ、主軸とステータとが機械的に接触してしまう。場合によってはこの接触による軸受の損傷から、所定の主軸性能が得られなくなる場合もある。
【0010】
なお、このような工具交換時の把持部72と工具ホルダ75との衝突音の緩和を目的とした技術として、把持部を繊維強化剛性材料で構成することによって衝突音と把持部の損傷を防ぐものが知られている(特許文献5)。しかし、このような対策だけでは、上述したように高速回転可能な主軸への対応は難しい。
【0011】
この発明の目的は、上記の課題を解消し、高速回転に対応できる主軸に対しても、安定した工具交換が可能な自動工具交換装置を提供することである。詳しくは、高速回転用スピンドル装置の主軸に工具ホルダを取付ける場合に、その主軸に過大な力を作用させないような工具のチャッキングを可能とし、アームの把持部と主軸の心合わせ作業が簡略化できるものとすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の自動工具交換装置は、工作機械の主軸に設けられたチャックに対して工具を着脱する自動工具交換装置であって、可動のアームと、このアームの先端にこのアームと別体に設けられて工具を把持する把持部と、この把持部をアームに対して弾性的に変位可能に支持する弾性支持手段とを備えたものである。上記工具は、工具ホルダに工具本体を装着したもの、または工具ホルダを有しない単体のものとされる。上記アームは、例えば先端が主軸と工具マガジン等の所定の工具受渡し位置との間を移動するように動作するものであり、旋回動作など、所定の経路の動作を行うものとされる。上記旋回動作は、主軸と平行な旋回軸心回りの旋回等とされる。上記把持具は、例えば工具を主軸と平行な姿勢に把持するものとされる。弾性支持手段により支持する変位可能な方向は、アームまたは主軸に対する偏心方向であっても良く、また偏心方向と軸方向の両方であって良い。
この構成によると、工具交換動作時に、把持部と主軸との心ずれがあっても、その心ずれが減少するように、把持部が弾性支持手段の弾性変形でアームに対して変位する。そのため、上記心ずれにより、把持部から工具を介して主軸に過大な力が作用することが防止される。したがって、高速回転に対応できる軸受剛性や主軸剛性が低いスピンドル装置の主軸に対しても、安定した自動工具交換が可能となる。
【0013】
この発明において、上記把持部とアームの間にダンピング要素、すなわち減衰要素を設けても良い。ダンピング要素を付加すると、チャッキング時の把持部の振動を抑えることができ、把持部と工具との接触時、またはその後の把持部の振動が抑えられるために、アームの工具のへの作用力を軽減できる。
【0014】
上記弾性支持手段は、弾性材料からなるもの、例えばゴム状の弾性材料からなるものであっても良く、またコイルばねまたは板ばね等の金属製のばね体からなるものであっても良い。ゴム状の弾性材料を用いると構成が簡素にでき、金属製のばね体を用いると耐久性に優れたものとできる。
把持部とアームの間にダンピング要素を介在させる場合に、上記弾性支持手段を制振ゴムからなるものとし、ダンピング要素を兼ねさせても良い。弾性とダンピング性の付与を同じ部材で兼用できるため、構成が簡素なものとなる。
【0015】
この発明において、上記把持部の上記アームに対する変位可能範囲は、数mm以下とすることが好ましい。変位可能範囲をこのように制限することで、アームが急旋回した場合でも、把持部の揺動が少なく、把持部が周辺の機器等と干渉することを防止できる。
また、上記弾性支持手段の剛性は、上記主軸を支持する軸受の剛性に比較して小さくされているものであっても良い。弾性支持手段の剛性を軸受よりも小さくすることで、心ずれにより偏心荷重が作用した場合に、主軸よりも把持部が大きく変位して、主軸の変位が抑制される。このため、特に、主軸を支持する軸受が非接触軸受である場合は、工具交換動作で主軸が軸受面に接することが回避される。
【0016】
上記工作機械は、主軸を転がり軸受等の接触型の軸受で支持するものであっても、非接触軸受によって支持するものであっも良い。非接触軸受の場合、主軸の高速回転が可能である反面、軸受の負荷容量が小さくなる。このような負荷容量の小さい非接触軸受を用いた場合でも、この発明の自動工具交換装置によると、多少の心ずれにかかわらず、安定した自動工具交換が行える。
上記非接触軸受は、静圧軸受、または動圧軸受、または磁気軸受であっても良い。また、上記非接触軸受として静圧軸受と磁気軸受を併用しても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図1および図2と共に説明する。図1(A),(B)は第1の実施形態の自動工具交換装置を備えた工作機械の概略構成を示す。この工作機械はマシニングセンタであり、工作機械本体1と、工具マガジン3と、これら工作機械本体1の主軸4と工具マガジン3の所定の工具受渡し位置Pとの間で工具Tの交換を行う自動工具交換装置2とを備える。
工作機械本体1は、ベッド6上にレール6aに沿って前後方向(Y方向)に進退自在に設けられたコラム8と、このコラム8に昇降自在に設置されたスピンドル装置7とを備える。コラム8の前後駆動、およびスピンドル装置7の昇降駆動は、モータおよびボールねじ等からなる進退駆動装置(図示せず)により行われる。
スピンドル装置7は、上記主軸4を内蔵の軸受で回転自在に支持し、かつ主軸4を駆動する駆動源を設けたものである。上記軸受には高速回転対応の転がり軸受または非接触軸受が用いられる。スピンドル装置7の具体的構造については、後に図4〜図6と共に各種の例を説明する。主軸4の先端には、工具Tを着脱自在に把持するチャック5が設けられている。チャック5は、例えばコレットチャックであり、主軸先端面に形成された工具嵌合孔に軸方向に工具Tを差し込むことで、工具Tを装着する形式のものとされる。工具Tは、工具ホルダ9に工具本体Taを装着したものであり、チャック5は工具ホルダ9のテーパシャンク部を挿脱自在に嵌合させて把持するものとされている。なお、工具Tは、工具ホルダ9を有しない単独型のものであっても良い。また、チャック5はコレットチャック以外でもよく、2面拘束ツーリングであるHSKツーリングであってもよい。工具マガジン3は、多種類の工具Tをストックするものであり、任意の工具Tを所定の工具受渡し位置Pに割出可能である。工具マガジン3は、例えば工作機械本体1の側方に配置される。この工具マガジン3は、例えば一対のスプロケット10,10に掛装された無端チェーン11に複数の工具ポケット12を等間隔に取付けて構成される。各工具ポケット12に工具Tが軸方向に挿脱自在に保持される。
【0018】
自動工具交換装置2は、可動のアーム14の先端に、工具Tを把持する把持部16を設けたものである。アーム14は、主軸4の軸心と平行な旋回中心回りに旋回するものであり、2本設けられている。両アーム14は直線状の一体部材として構成され、その中央部に旋回軸15が結合されており、旋回軸15の駆動によって旋回する。旋回軸15は移動基台13に回転自在に支持されている。移動基台13は、工作機械本体1と工具マガジン3との間に配置されて前後方向(Y方向)に移動自在とされている。移動基台13の前後方向の移動によりアーム14が前後移動し、主軸4のチャック5および工具ポケット12に対する工具Tの挿脱が行われる。
【0019】
図2(A)に正面図で示すように、アーム14の先端に、上記把持部16がアーム14とは別体に設けられ、かつ工具Tの押え部材17が設けられている。把持部16は、工具Tの外周面の周方向の一部を嵌合させる嵌合凹部16aを形成した部材である。工具Tが工具ホルダ9を有するものである場合は、工具ホルダ9の外周面が嵌合凹部16aに嵌合する。押え部材17は、把持部16の嵌合凹部16aに嵌合した工具Tの外周面を押し付けることにより、工具Tが嵌合凹部16aの底面と反対側の開口側へ抜け出ることを阻止する部材である。押え部材17は、弾性的に突没自在に設置されており、その押し付け力は、工具Tが自重では落下しないが、アーム14の旋回駆動等による強制的で工具Tを嵌合凹部16aから出し入れできる程度の力に設定されている。この実施形態の自動工具交換装置2は、このような構成のものにおいて、把持部16をアーム14に対して弾性的に変位可能に支持する弾性支持手段19を設けたものである。
【0020】
把持部16は、アーム14に対してラジアル方向にもアキシアル方向にも直接に接触しないように配置されている。すなわち、把持部16は、アーム14の先端に形成された把持部配置凹部18にラジアル方向およびアキシアル方向の隙間を介して嵌まっていて、その隙間内で上記変位が可能なように弾性支持手段19で支持されている。把持部16は、環状の板または円筒部材を直径方向に沿う面で2つ割りにした半割り状環体に形成されており、その内径側の半円状断面の空間が上記嵌合凹部16aとなる。
アーム14の把持部配置凹部18は、アーム14の旋回方向を向く一側面に形成され、断面円弧状とされている。把持部16は、自然状態では、その円弧状の嵌合凹部16aの中心が把持部配置用凹部18の中心Oと一致するように、弾性支持手段19により同心状に弾性支持される。したがって、把持部16は把持部配置凹部18の中心Oから弾性的に偏心可能とされている。
【0021】
図2(A)におけるA−O−B矢視断面図およびその拡大断面図を示す図2(B)および図2(C)のように、把持部配置凹部18は、その周縁に沿う鍔状部18aによって軸方向の片面が底付きとされており、この鍔状部18aに把持部16が、上記弾性支持手段19の一部を介して支持されている。
弾性支持手段19として、ここでは複数の弾性体20A,20B,20Cが採用されている。このうち弾性体20Aは、把持部16の外周面と上記把持部配置凹部18の内周面18aaとの間に介装されて、把持部16をラジアル方向に弾性的に支持する。別の弾性体20Bは、把持部16の裏面と上記鍔状部18aの内面18abとの間に介装されて、把持部16を把持部配置凹部18のアキシアル方向に弾性的に支持する。また、把持部16は、円周方向の複数箇所に支持具挿通孔22が形成されていて各孔22に挿通した支持具21により、把持部配置凹部18の鍔状部18aの内面18abに取付けられている。支持具21はボルトからなり、上記内面18abに形成されたねじ孔に先端がねじ込まれている。支持具21は、ボルトの代わりにピン状の部材としても良く、またアーム14から一体に突出した突起であってもよい。支持具21による把持部16の取付は、把持部16が若干の軸方向の移動を許すように行われ、上記弾性体20Bにより、把持部16が軸方向に最も突出する位置に付勢される。支持具挿通孔22は座繰り付き孔に形成されていて、その座繰部底面22aと支持具21の頭部との間に、上記のさらに他の弾性体20Cが介在させてある。この弾性体20Cは、支持具21の軸部外周に嵌合するリング状の部材であり、把持部16を把持部配置凹部18のラジアル方向およびアキシアル方向の両方に弾性的に支持する。アーム14の把持部配置凹部18に対する把持部16の可動範囲は、ラジアル方向およびアキシアル方向共に、数mm以下とされている。
【0022】
上記弾性体20A,20B,20Cなど、上記弾性支持手段19を弾性材料とする場合、その材料としては、通常に使用されるシール材料、すなわちゴムまたは合成樹脂等のゴム状の弾性材料を使用してよい。例えば、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フルオロシリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、ポリテトラフルオロエチレン等が使える。
また、上記弾性体20A,20B,20Cなど、上記弾性支持手段19を弾性材料とする場合に、制振ゴムで構成しても良い。制振ゴムを用いると、ダンピング要素が付加されることになる。制振ゴムは一般に、損失正接(tanδ)を大きくすることにより、振動エネルギを熱エネルギに変換し、反発弾性を低くすると同時に、振動や衝撃を吸収するものである。この制振ゴムには、上記損失正接(tanδ)を高めるように、成分中にレジン(樹脂)などを配合しているものが多い。この制振ゴムとして、そのほかゲル状の制振材料も使用でき、いずれの材料もその種類は問わない。
【0023】
図2(A)において、上記押え部材17は、アーム14の把持部配置凹部18の近傍に形成されたガイド孔23内にばね部材24を介して挿入されて、アーム14の長手方向に向け進退自在とされ、上記ばね部材24によりガイド孔23から進出する方向に予圧が与えられている。この押え部材17は、上記ガイド孔23に挿入される軸部17aの先端に、工具ホルダ9に押し当てられる球形状のパッド17bを設けて構成される。ばね部材24のばね定数は、従来の図7の例のような把持部72をアーム71に固定した自動工具交換装置における押え部材73の付勢用のばね74に比べて、例えば半分以下の大きさとされる。
【0024】
次に、上記構成の自動工具交換装置2による工具交換動作を説明する。まず、図1のように主軸4のチャック5に把持された工具Tを、把持部16が空のアーム14が受け取る動作を説明する。アーム14が旋回軸15回りに旋回して主軸4の前方へ上方から下降すると、図2(A)のように把持部16の嵌合凹部16aに工具Tが嵌まる。この嵌まり過程では、主軸4に把持状態の工具Tに押さえ部材17が当たると、アーム14の旋回力のため、押さえ部材17が工具表面に沿ってばね部材24の付勢力に抗して後退させられ、工具Tが通過した後に、押さえ部材17がばね部材24の復元力で進出する。そのため、押さえ部材17が工具Tを通過することが可能になり、嵌合凹部16aに嵌まった工具Tが押さえ部材17で抜け止めされた状態に、把持部16で把持される。
次に、主軸4のチャック5による工具Tの把持が解除され、その後、アーム14が移動基台13と共に軸方向に所定量前進することにより、工具Tが主軸4側からアーム14側に完全に持ち替えられる。アーム14から主軸4に工具Tを渡す動作は、上記動作を逆に辿ることにより行われる。なお、工具マガジン3の工具ポケット12と、自動工具交換装置2のアーム14との間でも、同様の動作により工具Tの出し入れが行われる。
【0025】
このようなアーム14と主軸4との間での工具Tの交換動作において、アーム14の把持部16は、弾性支持手段19である弾性体20A,20B,20Cを介してアーム14に支持されているので、工具Tと把持部16の軸心が合っていない状態のときは、弾性体20A,20B,20Cの撓みによって把持部16が偏心する。そのため、工具Tに過大な力を及ぼすことなくチャッキングが可能となる。把持部16はアーム14に対してアキシアル方向にも弾性的に変位可能であるため、工具Tに過大な力を及ぼすことを、より柔軟に回避できる。また、チャッキング過程において、工具Tが把持部16や押え部材17と衝突した場合にも、アーム14に対する把持部16および押え部材17の支持が柔軟であるため、衝突に起因した工具Tへの作用力を小さくすることができ、主軸4の損傷を無くすことができる。これにより、高速回転に対応できる軸受剛性や主軸剛性の低い主軸4に対しても、安定した自動工具交換が可能となる。さらに、把持部16と主軸4との軸心合わせ等の作業も簡略化できる。
【0026】
把持部16は可動であるため、アーム14の高速旋回時の挙動を考慮する必要があるが、把持部配置凹部18に対する把持部16の可動範囲は数mm以下とされているので、アーム14が急旋回した場合でも、把持部16の揺動が少なく、把持部16が周辺の機器等と干渉することを確実に防止できる。
【0027】
弾性支持手段19である弾性体20A〜20Cを制振ゴムで構成してダンピング要素を付与した場合には、チャッキング時の把持部16の振動を抑えることができる。また、このダンピング要素により、把持部16と工具Tの接触時や、その後における把持部16の振動も抑えることができ、把持部16の振動に伴う工具Tへの作用力を軽減できて、より安定した自動工具交換が可能となる。
【0028】
なお、この実施形態では、アーム1への把持部6の弾性支持形態を、弾性体20Aと弾性体20Cによってラジアル方向に支持し、弾性体20Bと弾性体20Cとによってアキシアル方向に支持する構成としたが、弾性支持手段19による支持形態は問わない。例えば、弾性体20Cは、アーム14から延びる支持具21と把持部16の間でアキシアル方向およびラジアル方向の両方を支持することができるため、ラジアル方向の弾性支持専用に設けた弾性体20Aは省略しても良い。また弾性体20Cを省略して弾性体20A,20Bのみを設けても良い。
【0029】
図3はこの発明の他の実施形態を示す。この自動工具交換装置2は、第1の実施形態において弾性支持手段19をゴム状の弾性体20A〜20Cで構成したのに代えて、金属材料であるコイルばね30A,30B,30Cで構成している。この場合も、上記実施形態と同様に、把持部16を弾性的に支持することができる。また、コイルばね30A,30B,30Cに代えて、金属材料である板ばねで弾性支持手段19を構成しても良い。この場合には、板ばねの撓み方向の長さを短くできるため、把持部16をコンパクトに構成できる。このほか、第1の実施形態で用いた高分子材料の弾性体と、この実施形態で用いた金属材料のばねとを組み合わせて、弾性支持手段19を構成しても良い。
【0030】
なお、上記各実施形態では、弾性支持手段19を構成する弾性体20A〜20Cやコイルばね30A,30B,30Cのばね定数を指定していないが、把持部16のアーム14への支持剛性は、主軸4自体の剛性や主軸4を支持する軸受の支持剛性に対して十分小さくなるように、上記ばね定数を選択することが望ましい。
また、上記各実施形態は、アーム14が旋回する形式のものである場合につき説明したが、アーム14は平行移動う行うものなど、所定の経路で動作する各種の動作形式のものであっも良い。
【0031】
つぎに、図1のスピンドル装置7の各種具体例を図4〜図6と共にそれぞれ説明する。いずれも非接触軸受を用いた例である。
図4は、主軸4を支持する軸受とし、非接触軸受である静圧軸受を用いた例である。このスピンドル装置7では、主軸4が、スピンドル装置7のハウジング32内に設置された複数のラジアル型の静圧軸受33,33´と、1つのアキシアル型の静圧軸受34とで回転自在に支持されている。これら静圧軸受33,34により、静圧軸受装置31が構成される。ハウジング32に主軸4を駆動するモータ35が内蔵され、そのロータ部35aが主軸4の軸方向の一部に取付けられている。モータ35のステータ部35bは、ハウジング32内に設けられている。
【0032】
図5は、主軸4を支持する軸受として、非接触軸受である動圧軸受を用いた例である。このスピンドル装置7では、ハウジング42内の軸受スリーブ50に、主軸4が軸受隙間を介して挿通されており、主軸4の外径面または軸受スリーブ50の内径面に、回転に伴い流体圧を発生させるためのヘリングボーン溝44が形成されている。上記軸受隙間にはオイルが封入されている。上記軸受隙間を構成する軸受スリーブ50の内径面、主軸4の外径面、およびヘリングボーン溝46により、動圧軸受41が構成される。主軸4の後端とハウジング42の後ろ蓋45との間には、点接触式のスラスト軸受47が形成されている。なお、この実施形態では、主軸4を回転させる駆動源として、エアタービン43が設けられている。
【0033】
図6は、主軸4を支持する軸受として、非接触軸受である静圧磁気複合軸受を用いた例である。このスピンドル装置7では、ハウジング52内に、モータ53の前後に配置された一対の静圧磁気複合軸受54,54と、後端のスラスト磁気軸受55とを介して主軸4を回転自在に支持している。モータ53は、主軸4に一体に設けられたモータ部ロータ56と、ハウジング52に直接設置されたステータ57とで構成される。スラスト磁気軸受55は、主軸4に一体に設けた軸受ロータ58と、ハウジング52に設置され上記軸受ロータ58を軸方向に前後から挟む一対の軸受ステータ59A,59Bとからなる。軸受ステータ59A,59Bのコイル電流は、主軸4の軸方向変位を検出するスラスト変位センサ60の測定値で制御される。スラスト変位センサ60は、ハウジング52の後部壁61に設けられている。
【0034】
前後の静圧磁気複合軸受54,54は、ラジアル磁気軸受62とラジアル静圧気体軸受63とを、構成部品に兼用部分が生じるように一体化させたものである。静圧気体軸受63には静圧空気軸受が用いられている。ラジアル磁気軸受62は、主軸4の外周に設けられた磁性体の軸受ロータ64と、ハウジング52に設置された軸受ステータ65とで構成される。軸受ステータ65は、コア66とコイル67とコイル覆い材68とでリング状に形成されている。軸受ステータコア66のリング状部の内部には、全周にわたる給気通路が形成され、この給気通路から各々分岐して、軸受隙間に給気する絞り15が各ヨーク部13aの電磁力発生面である先端内径面に開口して設けられている。給気通路は、周方向の1箇所または複数箇所に設けた給気口から、圧力流体である圧縮空気の供給源に配管等で接続されており、供給された圧縮空気は、軸受ステータ65の内径面と主軸4の間に形成される軸受隙間に噴出される。これらの絞りと、軸受隙間形成部材を兼用する軸受ステータコア66およびコア覆い材68とで、ラジアル静圧気体軸受63が構成される。
【0035】
なお、ここでは図示しないが、このほか、主軸4を支持する非接触軸受として磁気軸受を用いても良い。
【0036】
【発明の効果】
この発明の自動工具交換装置は、工具を把持する把持部をアームに対して変位可能に支持したため、主軸に過大な力を作用させないような工具のチャッキングが実現でき、主軸やその軸受へのチャッキングの影響を軽減することができる。そのため、高速回転に対応できる軸受剛性や主軸剛性が低いスピンドル装置の主軸に対しても、安定した自動工具交換が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる自動工具交換装置を備えた工作機械の概略構成を示す正面図、(B)はその部分平面図である。
【図2】(A)は同自動工具交換装置の要部を示す一部破断正面図、(B)は(A)におけるA−O−B矢視断面図、(C)は(B)の拡大断面図である。
【図3】(A)はこの発明の他の実施形態にかかる自動工具交換装置の要部を示す一部破断正面図、(B)は(A)におけるC−O−D矢視断面図、(C)は(B)の拡大断面図である。
【図4】図1の工作機械における非接触軸受を用いたスピンドル装置の一例を示す断面図である。
【図5】図1の工作機械における非接触軸受を用いたスピンドル装置の他の例を示す断面図である。
【図6】図1の工作機械における非接触軸受を用いたスピンドル装置のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】(A)は従来例の要部を示す一部破断正面図、(B)は同平面図である。
【図8】同従来例の工具交換動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1…工作機械本体
2…自動工具交換装置
4…主軸
5…チャック
9…工具ホルダ
14…アーム
16…把持部
16a…嵌合凹部
19…弾性支持手段
20A〜20C…弾性体
30A〜30C…コイルばね
33,34…静圧軸受
41…動圧軸受
54…静圧磁気複合軸受
T…工具
Ta…工具本体
Claims (10)
- 工作機械の主軸に設けられたチャックに対して工具を着脱する自動工具交換装置であって、可動のアームと、このアームの先端にこのアームと別体に設けられて工具を把持する把持部と、この把持部を上記アームに対して弾性的に変位可能に支持する弾性支持手段とを備えた自動工具交換装置。
- 請求項1において、上記把持部とアームの間にダンピング要素を設けた自動工具交換装置。
- 請求項1または請求項2において、上記弾性支持手段がゴム状の弾性材料からなる自動工具交換装置。
- 請求項1または請求項2において、上記弾性支持手段がコイルばねまたは板ばね等の金属製のばね体からなる自動工具交換装置。
- 請求項2において、上記弾性支持手段が制振ゴムからなり、上記ダンピング要素を兼ねるものである自動工具交換装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、上記把持部の上記アームに対する変位可能範囲を数mm以下とした自動工具交換装置。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、上記弾性支持手段の剛性は、上記主軸を支持する軸受の剛性に比較して小さくされている自動工具交換装置。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかにおいて、上記主軸は非接触軸受によって支持されたものである自動工具交換装置。
- 請求項8において、上記非接触軸受が、静圧軸受、または動圧軸受、または磁気軸受である自動工具交換装置。
- 請求項8において、上記非接触軸受が、静圧軸受と磁気軸受を併用したものである自動工具交換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306260A JP2004141972A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 自動工具交換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002306260A JP2004141972A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 自動工具交換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004141972A true JP2004141972A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32453095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002306260A Withdrawn JP2004141972A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 自動工具交換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004141972A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007270931A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Kubota Corp | すべり軸受装置およびポンプ装置 |
-
2002
- 2002-10-21 JP JP2002306260A patent/JP2004141972A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007270931A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Kubota Corp | すべり軸受装置およびポンプ装置 |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050928 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20061013 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |