JP2004141571A - 気密コンパクト - Google Patents

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Abstract

【課題】気密性の高いコンパクトを提案する。
【解決手段】化粧料を充填したドラムを備える容器本体と、この容器本体に揺動可能に保持される蓋体と容器本体又は蓋体の少なくとも何れか一方に配置され該ドラム内を気密状態に保持するシール部材とを備えたコンパクトにおいて、前記蓋体の裏面に、ドラムに対し上下方向又は径方向に合わさってシール部材と協働してその内部を気密状態に保持する中蓋と、この中蓋を蓋体の裏面でその面に沿ってスライド可能に弾性保持し該中蓋のドラムに対する相対位置を常に一定に維持する位置決め部材を配置する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファンデーションやアイシャドー等の化粧料を収納するコンパクトに関し、該コンパクトの気密性の改善を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
揮発成分を含んだファンデーションやアイシャドー等の化粧料はその揮散が避けられないので、それを収納するコンパクトは気密性の高いものが使用されている。
【0003】
従来、この種のコンパクトは、コンパクトの蓋体に弾力性のあるパッキンを配置し、蓋体を閉じた時に該パッキンが該蓋体とコンパクトの本体部分の間で挟み込ませることでコンパクトの気密性を高めるようにしていた。
【0004】
ところで、かかるコンパクトは、蓋体は普通その本体部分に枢支ピンを介して揺動可能に保持されているため蓋体と本体部分との間にガタつきがあり蓋体を閉じた時にパッキンが本体部分との間でずれて挟持されることもあって、コンパクト内を気密状態に維持できない場合があった。
【0005】
このような不具合を解決するものとしては、コンパクトの蓋体の内面にパッキンを摺動自在に組み込み、蓋体を閉じる際にパッキンを摺動させコンパクトの凹所内に嵌合させて気密性を保持するコンパクト容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
実公平7−10657号公報。
【0007】
しかしながら、上記公報に開示のコンパクトは、パッキンがコンパクトの前後方向にしか摺動しないため凹所とパッキンとの間で左右方向に位置ずれがあるとそれに対応できず、その場合、パッキンの不定変形等によりシールが不完全となってしまうことも懸念され、未だ改善の余地が残されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、コンパクトに収納された化粧料の揮散を長期にわたって確実に防止できる気密性の高いコンパクトを提案するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、化粧料を充填したドラムを備える容器本体と、この容器本体に揺動可能に保持される蓋体と、容器本体又は蓋体の少なくとも何れか一方に配置され該ドラム内を気密状態に保持するシール部材とを備えたコンパクトであって、
前記蓋体の裏面に、ドラムに対し上下方向又は径方向に合わさってシール部材と協働してその内部を気密状態に保持する中蓋と、この中蓋を蓋体の裏面に沿ってスライド可能に弾性保持し該中蓋のドラムに対する相対位置を常に一定に維持する位置決め部材を配置してなる、ことを特徴とする気密コンパクトである。
【0010】
上記の構成になるコンパクトにおいて、位置決め部材は片持ち支持になるアーム状の弾性体または両端支持になるアーチ状の弾性体が有利に適合する。
【0011】
シール部材はゴムあるいはエラストマーが適用できる。
【0012】
蓋体と中蓋との相互間には、該中蓋を蓋体より離反する向きに押し出し、蓋体の裏面に向けた外力及び蓋体の裏面に沿った外力に対して該中蓋にクッション性を付与する弾性部材を配置するのが望ましい。
【0013】
弾性部材については、ゴムあるいはエラストマーを用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
【0015】
図1〜5は本発明の実施の形態を化粧料とパフ入れ凹部とを横並びで配置した並列タイプのコンパクトとして示したものであり、図1はその正面を断面で示した図あり、図2、図3はその平面を示した図であり、図4、図5はその側面を断面で示した図である。
【0016】
図1〜5において1は容器本体、2は化粧料を充填したドラム、3は容器本体1内に配置される中枠であって、この中枠3はドラム2を容器本体1内に着脱自在に保持する開口3aとパフ等の塗布具を収納する凹部3bを形成する。
【0017】
また、4は容器本体1に枢支ピンpを介して揺動可能に保持される蓋体、5は容器本体1に設けられ蓋体4を容器本体1に係止するスライドフック、6は蓋体4の裏面に固定された鏡、7は蓋体4の裏面に配置された中蓋、8は蓋体4に一体に設けられ、中蓋7の蓋体4からの脱落を防止する係止片である。
【0018】
中蓋7はその下面にドラム2の縁部2aに接触するシール部材7aを有しており、ドラム2は中蓋7に合わさることで内部を気密状態に保持するようになっている。
【0019】
さらに、9は中蓋7を蓋体4の裏面で全周方向スライド可能に弾性保持し該中蓋7のドラム2に対する相対位置を常に一定に維持する位置決め部材、10はスライドフック5を解除したときに蓋体4を極僅かに持ち上げるための弾性体である。
【0020】
位置決め部材9は中蓋7の背面に設けることができるもので、ここでは一端9aが中蓋7と一体的に連結した片持ち支持になる3本のアーム状の弾性体(スプリング)を設けたものを例として示してある。
【0021】
図6(a)(b)に中蓋7の背面と断面を示す。
【0022】
位置決め部材9の他端9bは蓋体4の環状壁4aに接触するようになっており、該中蓋7にはその中心O(図3参照)に向かう弾性力が作用し蓋体4の傾き度合いの変化にかかわりなく一定の場所に位置決めされる。
【0023】
これにより、中蓋7のドラム2に対する相対位置は常に一定に維持され、蓋体4を閉じた時、ドラム2の縁部2aの全域にシール部材7aが均一に接触してその内部は気密状態に維持される。
【0024】
図7(a)(b)は位置決め部材9として中蓋7と一体になるアーチ状の弾性体を設けた他の例を示したものであり、このような位置決め部材9を図8(a)(b)に示すように蓋体4に設置しても、上掲図1〜6に示したものと同様の効果が期待できる。なお、上述の2つの実施の形態では、何れも位置決め部材9を中蓋7に対して一体に設けた場合を例として示したが、これを蓋体4の裏面に垂下する環状壁4aに一体連結して中蓋7の内壁に当接させるようにしてもよい。
【0025】
図9は本発明のさらに他の実施の形態をその要部について示したものである。図における11は中蓋7の下面に配置したシール部材7aに代えてドラム2にインサート成形や接着によって設けられたシール部材、12は中蓋7と蓋体4の相互間に設けられた弾性部材である。なお、この例では、シール部材11の配置箇所を中蓋7からドラム2へ変更したことに伴い、中蓋7のシール部材11当接箇所には2条の突条を周設してある。
【0026】
弾性部材12は縦方向中央部がくびれた略8の字状になっており、中蓋7の背面で全周にわたって、あるいはその周りに等間隔で複数個設けられており、中蓋7を蓋体4より離反する向きに押し出し、蓋体4の裏側に向けた外力に対して該中蓋7にクッション性を付与するものであり、これにより、中蓋7をシール部材11に強く接触させることが可能となり、気密状態をより一層高めることが可能となる。
【0027】
また、弾性部材12の端部12a、12bをそれぞれ中蓋7及び蓋体4に接着、融着または係合等により固定することで該弾性部材12はその弾性力により中蓋7を常に一定の箇所に保持するように作用させることができ、位置決め部材9と合わせて中蓋7の位置決めがより強化される。
【0028】
シール部材7a、11や弾性部材12はゴムやエラストマーを適用するが本発明はこれにのみ限定されるものでなく、その材質は適宜に変更される。さらには、シール部材の配置箇所についても、前述の中蓋7の下面あるいはドラム2の一方に配置する場合に限られるわけではなく、その両方に配置することも可能である。
【0029】
また、本発明の実施の形態として上掲図1〜5では、並列タイプのコンパクトを例として示したが、本発明では、図10〜12に示すような直列タイプのコンパクトにも適用できるのはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、蓋体を閉じたとき気密保持用の中蓋が常にその中心に動くことになり、ドラムの周りにシール部材が均一に合わさるのでその内部は常に気密に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示した図である。
【図2】図1の平面を示した図である。
【図3】図1の平面を示した図である。
【図4】図1の側面を示した図である。
【図5】図1の側面を示した図である。
【図6】(a)(b)は中蓋の背面と断面を示した図である。
【図7】(a)(b)は中蓋の他の例を示した図である。
【図8】(a)(b)は本発明の他の実施の形態を示した図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態を要部について示した図である。
【図10】本発明の他の実施の形態を示した図である。
【図11】図10の平面を示した図である。
【図12】図10の平面を示した図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 ドラム
3 中枠
3a 開口
3b 凹部
4 蓋体
5 スライドフック
6 鏡
7 中蓋
7a シール部材
8 係止片
9 位置決め部材
10 弾性体
11 シール部材
12 弾性部材
p 枢支ピン

Claims (5)

  1. 化粧料を充填したドラムを備える容器本体と、この容器本体に揺動可能に保持される蓋体と、容器本体又は蓋体の少なくとも何れか一方に配置され該ドラム内を気密状態に保持するシール部材とを備えたコンパクトであって、前記蓋体の裏面に、ドラムに対し上下方向または径方向に合わさりシール部材と協働してその内部を気密状態に保持する中蓋と、この中蓋を蓋体の裏面でその面に沿ってスライド可能に弾性保持し該中蓋のドラムに対する相対位置を常に一定に維持する位置決め部材を配置してなる、ことを特徴とする気密コンパクト。
  2. 位置決め部材が片持ち支持になるアーム状の弾性体または両端支持になるアーチ状の弾性体である請求項1記載の気密コンパクト。
  3. シール部材がゴムあるいはエラストマーである請求項1または2記載の気密コンパクト。
  4. 蓋体と中蓋との相互間に、該中蓋を蓋体より離反する向きに押し出し、蓋体の裏面に向けた外力及び蓋体の裏面に沿った外力に対して該中蓋にクッション性を付与する弾性部材を配置する請求項1〜3の何れかに記載の気密コンパクト。
  5. 弾性部材が、ゴムあるいはエラストマーである請求項4記載の気密コンパクト。
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JP2008237591A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Shiseido Co Ltd 気密化粧料容器
JP2009006076A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Yoshino Kogyosho Co Ltd パウダーケース
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