JP2004141457A - 炊飯器 - Google Patents

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Toshiaki Suzuki
鈴木 利明
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Abstract

【課題】ご飯を美味しく炊き上げ、かつ美味しく保温する炊飯器を得る。
【解決手段】本体1と、本体1に着脱自在に収納する内釜3と、内釜3を加熱する加熱手段4と、加熱手段4の加熱を制御する加熱制御手段12と、内釜3の上部開口を覆う蓋体7とを有する炊飯器において、前記蓋体7には、内釜3内部の下方に向け赤外線温度センサ10bを備えた赤外線温度センサユニット10を設け、この赤外線温度センサ10bにより内釜3内部の水面、米面の表面温度を検出し、この表面温度の検出結果に応じて加熱制御手段12で加熱手段を制御するようにした炊飯器。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭用あるいは業務用に使用される炊飯器に関するものであり、ご飯を美味しく炊き上げ、かつ美味しく保温しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】「特開平07−39456号公報」
従来のこの種の炊飯器は、例えば特開平07−39456号公報のように、内釜の底部に当接する温度センサ、および蓋体の蒸気当接面又は蒸気通路に設けられた蓋温度センサを設け、これらの温度情報を元に加熱を制御するものが一般的である。
【0003】
【特許文献2】「特開平10−137114号公報」
また、赤外線センサを使用した参考例として、別の従来例である特開平10−137114号公報を示す。これには蓋体に赤外線センサを搭載する発明が見られるが、この目的は赤外線センサで水位線を検知して炊飯量を炊飯開始前に判断するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記第一の従来例では、内釜に当接する温度センサは、炊飯・保温のために加熱している内釜の底面温度を測定しており、内釜内部の米飯温度よりも、加熱量に大きく左右され、正確に米飯温度を検出することが出来ない場合があった。また、加熱を停止すれば、いずれ内部の米飯温度に近づくが、適切に炊飯・保温するために長時間加熱を停止するわけには行かず、正確な米飯温度の検出が困難であった。さらに、従来の内釜の底面温度の検出では炊飯量が多くても少なくても、加熱により内釜底の温度が上がるため、初期に精度よく炊飯量の判断をすることは困難であった。
【0005】
また、蓋体に設けた蓋温度センサは、蒸気の発生で急激に蓋体の温度が上昇することをとらえて、沸騰点を判断するのには適するが、沸騰したか否かのみの検出であり、沸騰時以外の米飯温度を検出することはできないものであった。
【0006】
さらに、参考例として提示した前記第二の従来例に示すものは、赤外線センサを蓋体に設けているが、その機能は水位線検知による合数判断とされているものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の炊飯器は、蓋体に内釜内部の下方に向け赤外線温度センサを備えた赤外線温度センサユニットを設け、この赤外線温度センサにより内釜内部の水面、米面の表面温度を検出し、この表面温度の検出結果に応じて加熱制御手段で加熱手段を制御するようにしたものである。
【0008】
本発明はこのような構成としたことにより、赤外線温度センサが内釜の下方に向けて配置してあるので、従来の釜底や蓋体の温度の検出と異なり、内釜内の水面の表面温度、またはご飯の表面温度を直接検出することができるものであり、この直接の温度情報で加熱制御手段を通じて加熱手段で炊飯・保温の制御を行うので、炊飯中の米、保温中のご飯に対し適切な温度に制御することができるものである。
【0009】
また、炊飯開始初期の水面の水温変化は、炊飯量が少ない時はすぐに上昇し、炊飯量が多い時は上昇しないので、まだ炊飯のための加熱をあまり加えていない状態で、炊飯量の多少を精度よく検出できるものであり、この結果に基づいて炊飯量に適した加熱制御を加熱制御手段が選択することができるものである。
【0010】
保温時も内釜底の温度より、直接ご飯の温度を検出したほうが、ご飯を適温に制御できることは明らかである。特にご飯をよそう際に蓋体を開け、ご飯表面の温度が下がれば、すぐに適した加熱を加えることができるものである(内釜底部の温度を検出するのでは、ご飯表面の温度低下を正確に素早く検出することは出来ない)。
【0011】
以上の優れた作用を持つ赤外線温度センサの検出精度の悪化を防止し、赤外線温度センサの汚れの防止、汚れた時の清掃性を高めるため、赤外線温度センサユニットの開口部には赤外線を通す部材によるカバーを設け、開口部を塞ぐか、あるいは可動式のシャッターを設けたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、本体と、本体に着脱自在に収納する内釜と、内釜を加熱する加熱手段と、加熱手段の加熱を制御する加熱制御手段と、内釜の上部開口を覆う蓋体とを有する炊飯器において、前記蓋体には、内釜内部の下方に向け赤外線温度センサを備えた赤外線温度センサユニットを設け、この赤外線温度センサにより内釜内部の水面、米面の表面温度を検出し、この表面温度の検出結果に応じて加熱制御手段で加熱手段を制御する炊飯器としたものである。
【0013】
また、前記赤外線温度センサユニットの開口部には、赤外線を通す部材からなるカバーを設けて開口を塞ぐようにしたものである。
【0014】
あるいはまた、前記赤外線温度センサユニットの開口部には、開口を塞ぐシャッターを設け、このシャッターは赤外線温度センサで内釜内温度の検出をする時にのみ開く可動式としたものである。
【0015】
また、炊飯開始時の加熱開始前に赤外線温度センサユニットで内釜内の初期水面温度を検出し、加熱手段で所定の短時間加熱後の初期水面温度からの水面温度の変化量を検出して炊飯量を炊飯初期に判断し、以降、炊飯量に合わせた加熱制御を加熱制御手段で行うようにしたものである。
【0016】
さらに、赤外線温度センサユニットにより検出したご飯の表面温度を元に、加熱手段を加熱制御することにより、ご飯を適温に保つ保温機能を加熱制御手段に設けた炊飯器としたものである。
【0017】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示す炊飯器の断面図である。図2は同じく要部拡大断面図であり、図3は別の実施例を示す要部拡大断面図である。
【0018】
図において、1は本体、2は保護枠、3は内釜、4は加熱手段、5は釜底温度センサ、6はヒンジ軸、7は蓋体、7aは蓋枠、7bは蓋カバー、7cは放熱板、7dは蓋加熱手段、7eは蓋温度センサ、7fは蒸気排出口、8はシールパッキン、9は内蓋、10は赤外線温度センサユニット、10aはセンサケース、10bは赤外線温度センサ、10cはカバー、11は制御部、12は加熱制御手段である。
【0019】
その構成は、本体1にはその内壁をなす保護枠2が取り付けられ、内釜3が着脱自在に挿入されている。保護枠2の底部、側面部には内釜3を加熱する加熱手段4が設けられている。加熱手段4は抵抗ヒーターでも良いが、本実施例では電磁誘導加熱により、内釜3に高周波磁界を加えて発熱させる誘導加熱コイルを加熱手段4としている。保護枠2の底部には釜底温度センサ5が設けられ、内釜3底面に密着して熱的に結合し、内釜3底面の温度を検出するように構成されている。
【0020】
本体1にはヒンジ軸6にて回転自在に支持され、内釜3の上部開口を塞ぐ蓋体7が設けられている。蓋体7の構成は蓋枠7aの上方に外郭を成す蓋カバー7bが設けられ、蓋枠7aの下方には金属製の放熱板7cと、放熱板7cに設けられた蓋加熱手段7d、放熱板7cの温度を検出する蓋温度センサ7eが設けられている。また、蓋体7を貫通するように蒸気排出口7fが設けられている。蓋枠7aには内釜3上端に当接し、蒸気をシールするシールパッキン8を有する内蓋9が着脱自在に取り付けられ、放熱板7cと対向し、放熱板7cからの輻射熱で内蓋9が加熱されるように設けられている。
【0021】
蓋枠7aには赤外線温度センサユニット10が固定され、放熱板7cの穴部を通じて下方に突出して設けられ、内蓋9の穴部から内釜3内に露出して設けられている。
【0022】
本実施例では赤外線温度センサユニット10は筒状のセンサケース10aと、この中に収められた赤外線温度センサ10bと、筒状のセンサケース10aの下方開口を塞ぎ、赤外線を通す部材からなるカバー10cを設けている。センサケース10aは蓋加熱手段7dからの熱に対して赤外線温度センサ10bを守り、検出精度を高めるために断熱性の高い部材で構成されている。
【0023】
本体1の内部には制御部11を設け、制御部11には釜底温度センサ5、蓋温度センサ7e、赤外線温度センサ10bが接続され、温度情報を制御部11に入力する。制御部11には加熱制御手段12が設けられ、加熱手段4、蓋加熱手段7dが接続され、加熱を制御するようになっている。
【0024】
次に、炊飯、保温、清掃の一連の動作にそって、本実施例の作用について説明する。
【0025】
使用者が炊飯のため内釜3に所望量の米と適量の水を入れ、内釜3を本体1に挿入する。蓋体7を閉め炊飯スイッチ(図示せず)を操作すると、制御部11の指令で炊飯動作が開始する。本実施例では、加熱を開始する前に、赤外線温度センサ10bにより水面の初期水温を検出する。図1に三角形状に示した範囲から入射する赤外線を赤外線温度センサ10bで検出することにより非接触で温度を検出するものであり、図1の状態では米の面でなく、赤外線温度センサ10bに近い水面の温度を検出している。
【0026】
次に、加熱制御手段12により加熱手段4に通電し、内釜3を加熱する。加熱により米が急速に水を吸う糊化温度60℃に至らぬよう、短時間(本実施例では1分間)の加熱が終了した時点で、再び赤外線温度センサ10bで水面の温度を検出する。制御部11は初期水温との差を演算し、温度差が大きいほど炊飯量が少ないと判断し、温度差によって炊飯量を数段階に判断する。これは炊飯量が少ない時ほど、短時間の加熱でも水面温度が上昇し、多量の場合は底部のみ温度が上がって、水面部は温度が変わらない特性を利用したものである。
【0027】
従来の釜底温度センサ5による炊飯量の判断では、加熱手段4で加熱している内釜3の底部の温度を検出するため、内釜3内部が糊化温度60℃を超えるほど加熱を継続しないと判断が出来ない。本発明によれば炊飯の初期に少量の加熱で判断できるので、早期から炊飯量に適した加熱制御を行うことが出来るものである。
【0028】
以降の炊飯量に適した加熱制御の進行過程においても、赤外線温度センサ10bは水温の正確な検出の手段として用いられるが、釜底温度センサ5および蓋温度センサ7eからの温度情報も用いられ、加熱制御手段12による火加減制御で美味しく炊飯が仕上げられるものである。
【0029】
炊飯が完了すると、保温に移行する。内釜3内部には既に水はなく、赤外線温度センサ10bの検出対象は保温ご飯の表面温度になる。保温は温度を高く保持するほど、ご飯の乾燥が早く、黄色く変色する。逆に低いと菌の繁殖を許すこととなり、ご飯が腐ってしまうことになる。従って菌が繁殖しない範囲でなるべく低い温度にご飯を保つことが重要である。
【0030】
従来の釜底温度センサ5による温度検出では、直接ご飯の温度を検出していないので、ご飯の温度と釜底温度センサ5の温度の温度差相関を考慮する必要があるが、外気温の変化や加熱手段4での加熱により、この相関が変化する問題があった。このため菌の繁殖しないギリギリの温度に保つことは困難で、高めの温度に維持する制御を行っていた。
【0031】
本発明によれば、赤外線温度センサ10bで保温ご飯の表面温度を直接検出するので、外気温や加熱の影響を受けずにご飯の温度を検出し、加熱量を制御して一定の低い温度に保つことができる。しかも、ご飯をよそうため蓋体7を開いた時、一番影響を受けて温度が下がるご飯の表面の温度を検出しているため、素早く加熱量を調整して元の温度に戻す事ができるものである。
【0032】
次に、保温ご飯がなくなり、清掃する場合について説明する。内釜3は本体1から外して洗い、内蓋9も蓋枠7aから外してシールパッキン8とともに洗うことができる。この時内蓋9を外すと、赤外線温度センサユニット10のセンサケース10aが放熱板7cから突出した形で蓋枠7a側に残り、センサケース10a先端のカバー10cの汚れを容易に拭ける状態になり、清掃性の良いものとなる。カバー10cが有ることによって、炊飯中に発生した蒸気や、ご飯の澱粉を含む熱水がセンサケース10a内に入ることがないので、筒状の奥を清掃する手間はなく、平面状のカバー10cの清掃のみでよい。なお極端に汚れない限りは毎回清掃する必要はない。
【0033】
なお、本実施例ではセンサケース10aにカバー10cを設けたが、センサケース10aの下方は開口のままとし、カバー10cを内蓋9に設け、内蓋9と一緒に着脱して、カバー10cも一緒に清掃できるように構成しても良い。
【0034】
また、本実施例ではセンサケース10aの開口をカバー10cで塞いだが、図3に示す別の実施例の如く、開口部に可動式のシャッター10dを設け、制御部11の指示により赤外線温度センサ10bで内釜3内部の水面温度またはご飯の表面温度を検出したい時だけ、シャッター10dを開き、温度検出の必要のない時はシャッター10dを閉じておく構成でも良い。この場合も、シャッター10dが閉じた状態で拭けば容易に清掃を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明では、蓋体に内釜下方に向け赤外線温度センサを設けたので、内釜内の水の表面温度、またはご飯の表面温度を直接検出して、炊飯・保温の加熱制御を行うので、ご飯に対し適切な温度に制御することができる。
【0036】
特に水面の温度を検出する事により、炊飯の加熱初期に炊飯量の多少が正確に判断でき、炊飯量に適した加熱でご飯を美味に仕上げることが出来、保温時も直接ご飯の温度を検出して適温に制御できる。
【0037】
さらに、カバー又はシャッターを設けたことにより良好な清掃性が得られ、赤外線温度センサの精度がいつまでも良好に保てる炊飯器を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の断面図である。
【図2】同じく要部拡大断面図である。
【図3】別の実施例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1:本体、3:内釜、4:加熱手段、5:釜底温度センサ、7:蓋体、10:赤外線温度センサユニット、10a:センサケース、10b:赤外線温度センサ、10c:カバー、10d:シャッター、12:加熱制御手段。

Claims (5)

  1. 本体(1)と、本体(1)に着脱自在に収納する内釜(3)と、内釜(3)を加熱する加熱手段(4)と、加熱手段(4)の加熱を制御する加熱制御手段(12)と、内釜(3)の上部開口を覆う蓋体(7)とを有する炊飯器において、前記蓋体(7)には、内釜(3)内部の下方に向け赤外線温度センサ(10b)を備えた赤外線温度センサユニット(10)を設け、この赤外線温度センサ(10b)により内釜(3)内部の水面、米面の表面温度を検出し、この表面温度の検出結果に応じて加熱制御手段(12)で加熱手段(4)を制御することを特徴とする炊飯器。
  2. 前記赤外線温度センサユニット(10)の開口部には、赤外線を通す部材からなるカバー(10c)を設けて開口を塞いだことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 前記赤外線温度センサユニット(10)の開口部には、開口を塞ぐシャッター(10d)を設け、このシャッター(10d)は赤外線温度センサ(10b)で内釜(3)内温度の検出をする時にのみ開く可動式としたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  4. 炊飯開始時の加熱開始前に赤外線温度センサユニット(10)で内釜(3)内の初期水面温度を検出し、加熱手段(4)で所定の短時間加熱後の初期水面温度からの水面温度の変化量を検出して炊飯量を炊飯初期に判断し、以降、炊飯量に合わせた加熱制御を加熱制御手段(12)で行うことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  5. 赤外線温度センサユニット(10)により検出したご飯の表面温度に基づいて、加熱手段(4)を加熱制御することにより、ご飯を適温に保つ保温機能を加熱制御手段(12)に設けたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
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JP2011224107A (ja) * 2010-04-19 2011-11-10 Mitsubishi Electric Corp 炊飯器
WO2024098621A1 (zh) * 2022-11-11 2024-05-16 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 锅具盖体组件和烹饪器具

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