JP2004141356A - 食器洗浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図りつつ、低コストを可能にした食器洗浄機を提供する。
【解決手段】本体側案内面66で形成された空間内でガイドローラ78が転動することで、洗浄機本体側のガイドレール61に沿ってドアが昇降する。このガイドローラ78には、ローラ本体86から第3の案内面64aに向けて突出する山形状の突出部87が設けられ、この突出部の頂部87aは、ドアDの昇降時に第3の案内面64aに対し摺接可能なように第3の案内面64aとの間に所定量のクリアランスを有しているので、ドアDの昇降時において、山形状の突出部87の頂部87aが第3の案内面64aに擦れるので、ドアDをスムーズに昇降させることができる。
【選択図】 図10
【解決手段】本体側案内面66で形成された空間内でガイドローラ78が転動することで、洗浄機本体側のガイドレール61に沿ってドアが昇降する。このガイドローラ78には、ローラ本体86から第3の案内面64aに向けて突出する山形状の突出部87が設けられ、この突出部の頂部87aは、ドアDの昇降時に第3の案内面64aに対し摺接可能なように第3の案内面64aとの間に所定量のクリアランスを有しているので、ドアDの昇降時において、山形状の突出部87の頂部87aが第3の案内面64aに擦れるので、ドアDをスムーズに昇降させることができる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアを上下させることで、洗浄機本体側の洗浄室の開閉が行われるいわゆるドアタイプの食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、実開平2−134965号公報がある。この公報に開示された食器洗浄機は、ドアの前面に取り付けられたハンドルを手で握って上げ下げすることで、洗浄室を開閉できるタイプのものである。また、ドアのスムーズな開閉を可能にするため、ドア側と本体側とをガイド手段を介して連結し、ドア側に取り付けられた第1のガイドレールと本体側に取り付けられた第1のガイドローラとの協働で、ドアの奥行き方向のブレを防止し、本体側に取り付けられた第2のガイドレールとドア側に取り付けられた第2のガイドローラとの協働で、ドアの横幅方向のブレを防止している。なお、第1のガイドレールと第2のガイドレールは並設するように配置され、第1のガイドローラに対して第2のガイドローラは直交するように配置されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−134965号公報
【特許文献2】
特開2000−254086号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガイドレールとガイドローラとの協働によってドアの昇降をガイドするにあたって、第1及び第2のガイドローラと第1及び第2のガイドレールとを採用し、それぞれの部品のレイアウトを考慮すると、ガイド手段自体が大型化し、ガイド手段の占有スペースを大きくする必要が生じ、小型の食器洗浄機に適用し難いといった問題点がある。しかも、部品点数が多いので、コスト低減の要求を満たすことができないといった問題点がある。
【0005】
本発明は、特に、小型化を図りつつ、低コストを可能にした食器洗浄機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る食器洗浄機は、洗浄機本体側に設けられた本体側ガイドレールに沿って、ドアを昇降させることにより、洗浄機本体側に設けられた洗浄室の開閉を行う食器洗浄機において、本体側ガイドレールは、上下方向に延在すると共に、対面する一対の第1及び第2の案内面と、上下方向に延在すると共に、第1の案内面と第2の案内面とを連結して本体側ガイドレールに断面コ字状の本体側案内面を形成する第3の案内面とを有し、ドアの端部には、第1〜第3の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、本体側ガイドレールに沿って回転しながらドアの上下動を案内するドア側ガイドローラが取り付けられ、ドア側ガイドローラは、第1及び第2の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、ローラ本体から第3の案内面に向けて突出して、ドアの昇降時に第3の案内面に対し摺接可能な頂部と第3の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この食器洗浄機には、上下方向に延在する第1〜第3の案内面により断面コ字状の本体側案内面を有するガイドレールが採用され、この案内面で形成された空間内でガイドローラが転動することで、洗浄機本体側のガイドレールに沿ってドアが昇降する。このとき、ドア側ガイドローラのローラ本体の転動面が、第1及び第2の案内面に摺接しながら、ガイドレールの延在方向(上下方向)にドアが確実に昇降する。さらに、このガイドローラには、ローラ本体から第3の案内面に向けて突出する山形状の突出部が設けられ、この突出部の頂部は、ドアの昇降時に第3の案内面に対し摺接可能なように第3の案内面との間に所定量のクリアランスを有しているので、ドアの昇降時において、山形状の突出部の頂部が第3の案内面に擦れるので、ドアをスムーズに昇降させることができ、小型化を図りつつ、低コストを可能にしている。
【0008】
また、本体側ガイドレールに対向して配置されたドア側ガイドレールは、上下方向に延在すると共に、対面する一対の第4及び第5の案内面と、上下方向に延在すると共に、第4の案内面と第5の案内面とを連結してドア側ガイドレールに断面コ字状のドア側案内面を形成する第6の案内面とを有し、洗浄機本体の端部には、第4〜第6の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、ドア側ガイドレールに沿って回転しながらドアの上下動を案内する本体側ガイドローラが取り付けられ、本体側ガイドローラは、第4及び第5の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、ローラ本体から第6の案内面に向けて突出して、ドアの昇降時に第6の案内面に対し摺接可能な頂部と第6の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えると好適である。このように、ドア側にもガイドレールを設け、洗浄機本体側にもガイドローラを設けることで、2本のガイドレール(ドア側ガイドレール及び本体側ガイドレール)と2個のガイドローラ(ドア側ガイドローラ及び本体側ガイドローラ)との協働によって、ドアを安定して真っ直ぐに且つ確実に昇降させることができる。
【0009】
また、山形状の突出部は、ローラ本体の周縁から第3又は第6の案内面に向けて円錐台形状に突出すると好適である。このような形状の突出部は、第3又は第6の案内面に対して適切な摺接を可能にする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る食器洗浄機の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1〜図3に示すように、食器洗浄機1は、ステンレス製の筐体2を有する洗浄機本体Bと、この洗浄機本体Bに設けられた洗浄室Sの開閉を行うドアDとから主として構成されている。この食器洗浄機1は、いわゆるドアタイプと呼ばれるものであり、ドアDを鉛直方向に上下動させることで洗浄室Sの開閉を行うものである。
【0012】
この洗浄機本体Bにおいて、筐体2は上下に仕切られており、この筐体2の下部2aには機械室3が設けられ、上部2bには洗浄室Sが設けられている。そして、機械室3内には、洗浄用循環ポンプ4、すすぎ用循環ポンプ5及び電装部品等を収容した電装箱6などが収容されている。これに対し、洗浄室Sの上部には、フリー回転自在で3本のY字状アームからなる上側洗浄ノズル10と、フリー回転自在で一直線状に延びる上側すすぎノズル11とが配置されている。同様に、洗浄室Sの下部にも、フリー回転自在で3本のY字状アームからなる下側洗浄ノズル12と、フリー回転自在で一直線状に延びる下側すすぎノズル13とが配置されている。このような上下2段のノズル構成によって、洗浄効率やすすぎ効率を高めている。
【0013】
また、上側すすぎノズル11と下側すすぎノズル13との間に出現する洗浄室S内において、下側すすぎノズル13の上方には、食器ラック(図示せず)を載置させるための金属製ラックレール(図示せず)が着脱自在に配置されている。この食器ラックは、飲食後の皿、茶碗、コップなどの食器を一括して自動洗浄するためのものである。この食器ラックを格子状に形成することで、食器を上下から同時に洗うことを可能にする。食器の一括搬送を可能にするこのような食器ラックを利用するタイプの食器洗浄機1は、喫茶店、レストラン、一般家庭などの厨房で幅広く利用されている。
【0014】
さらに、図2及び図4に示すように、洗浄室Sの底面14には、網目をもったフィルタ20が配置され、このフィルタ20の下方には、洗浄水やすすぎ水を貯めておくための洗浄水タンク21が配置されている。よって、洗浄時やすすぎ時に食器から落とされた残菜などの汚損物のうちの比較的大きなものは、フィルタ20の上面に残り、再利用可能な水が洗浄水タンク21内に溜められる。さらに、洗浄水タンク21内には、一定水位に保つために余剰な水を外部に排出するためのオーバーフローパイプ22が配置されている。
【0015】
次に、前述した食器洗浄機1の動作について簡単に説明する。なお、洗浄運転時においては、前回のすすぎの際に洗浄水タンク21内に溜められている60°C程度の洗浄水が利用される。そこで、洗浄ボタンをONすると、洗浄用の循環ポンプ4によって洗浄水が上側及び下側洗浄ノズル10,12から噴射を開始する。このとき、各洗浄ノズル10,12は、噴射力の反力によって常に回転し続け、このような回転によって洗浄水が満遍なく食器に当たり続けるので、食器から汚損物が効率良く洗い落とされる。そして、洗浄工程を所定時間行った後、すすぎ工程に移行する。
【0016】
すすぎ運転時においては、所定容量をもったすすぎ水タンク(図示せず)内に溜められている80°Cの新鮮な温水が利用される。そこで、すすぎ工程に移行した際、すすぎ用の循環ポンプ5の駆動により、新鮮なすすぎ水が上側及び下側すすぎノズル11,13から噴射すると、各すすぎノズル11,13は、噴射力の反力によって常に回転し続け、このような回転により、すすぎ水が満遍なく食器に当たり続け、食器を効率良くすすぎ続ける。なお、すすぎ時に洗浄水タンク21内に溜められる温水は、水の利用効率を上げるため洗浄水として利用される。
【0017】
図1〜図3に示すように、前述した食器洗浄機1は、コーナ設置タイプであり、断面L字状のドアDを鉛直方向に上下動させることで洗浄室Sの開閉を行うことができるタイプのものである。ステンレス製のこのドアDは、水平面において断面L字状のドア側洗浄室面50を有し、このドア側洗浄室面50は、ドアDにおける矩形の前面パネルP1の内面と矩形の側面パネルP2の内面とからなる。これに対し、洗浄機本体Bは、断面L字状の本体側洗浄室面52を有し、この本体側洗浄室面52は、本体B側における矩形の背面パネルP3の内面と矩形の側面パネルP4の内面とからなる。このようなパネルP1〜P4の四面によって、断面矩形の洗浄室面53を形成する。
【0018】
このようにして、いわゆる二方開放型ドアDが形成され、食器洗浄機1を厨房のコーナ部分に設置した場合(図5参照)でも、厨房のコーナ壁面W1に対してドアDが開放されることがないので、洗浄室Sから飛散する蒸気や洗浄水の影響によって壁W1が劣化することがない。しかも、ドアDの軽量化が適切に図られるので、利用者の負担が軽くなり、ドアDの上げ下げをスムーズに行うことができる。また、ドアDの軽量化によって、操作レバー25やガイドレールなどのドアの付属部品の耐久性が更に向上することになる。
【0019】
また、洗浄機本体Bの上部には、上側洗浄ノズル10及び上側すすぎノズル11を収容するためにキャップ状に形成されたステンレス製のトップパネル8が溶接等で接合されている。このように、トップパネル8を洗浄機本体B側に設けることで、ドアDの更なる軽量化が達成される。また、図9に示すように、トップパネル8の下端は、本体側洗浄室面52の一部をなす洗浄室背面パネルP3の上端と本体側洗浄室面52の一部をなす洗浄室側面パネルP4の上端とに接合される。そして、食器洗浄機1の背面側及び一側面側において、各接合部分54は、水平方向に延在すると共に、先端が下方に向けて形成された軒先形状を有し、接合部分54には下向きの傾斜面が形成されることになる。これにより、トップパネル8の内壁面に沿って流れ落ちる水滴や残菜などを素早く流下させることができ、衛生面に対する配慮の一助をなす。また、洗浄機本体Bにトップパネル8を接合させるにあたって、洗浄機1の外面がフラットになるよう接合させることで、食器洗浄機1を厨房の壁に近づけることができる。
【0020】
このようなドアDは、断面L字状に形成されているので、ドアDが強度不足になる場合がある。このとき、図2及び図5に示すように、ドアDのコーナ部分に三角板からなる補強部材55を設けることで、L型ドアDの補強が確実になされる。更に、上側洗浄ノズル10及び上側すすぎノズル11を収容するためにトップパネル8を大きくする必要性がある場合、ドアDのコーナ部分に補強部材55が設けられている結果として、ドアDの昇降時に補強部材55がトップパネル8に干渉する事態が発生する。そこで、三角形状の補強部材55に対応するために、キャップ状のトップパネル8には、水平断面矩形のコーナ部分の一つを鉛直方向に切り落としたような形状の切欠き部56が設けられる。この切欠き部56の形成によって、トップパネル8は多面化が図られ、この多面化によって、トップパネル8の強度アップが適切に図られる。
【0021】
このようなL型ドアDと洗浄機本体Bとは二カ所で連結され、各連結部分には、ドアDが軽量であるゆえに、次のような簡易型のガイド手段Gが採用される。図10〜図12に示すように、洗浄機本体B側の支柱60には、上下方向に延在する本体側ガイドレール61が溶接等で固定されている。この本体側ガイドレール61には、上下方向に延在する長尺状第1ガイドプレート62の内面に設けられた第1の案内面62aと、第1のガイドプレート62に対面して平行で且つ上下方向に延在する長尺状第2ガイドプレート63の内面に設けられた第2の案内面63aと、第1の案内面62aと第2の案内面63aとを連結するように上下方向に延在する長尺状第3ガイドプレート64の内面に設けられた第3の案内面64aとで断面コ字状の本体側案内面66が形成されている。なお、第2のガイドプレート63には、支柱60を溶接等で固定するためのプランジプレート67が設けられている。
【0022】
同様に、ステンレス製のドアDの端部には、上下方向に延在してドアDの昇降に追従して昇降するドア側ガイドレール71が溶接等で固定されている。このドア側ガイドレール71には、上下方向に延在する長尺状第4ガイドプレート72の内面に設けられた第4の案内面72aと、第4のガイドプレート72に対面して平行で且つ上下方向に延在する長尺状第5ガイドプレート73の内面に設けられた第5の案内面73aと、第4の案内面72aと第5の案内面73aとを連結するように上下方向に延在する長尺状第6ガイドプレート74の内面に設けられた第6の案内面74aとで断面コ字状のドア側案内面76が形成されている。そして、このガイド手段Gにおいては、第6の案内面74aは第3の案内面64aに対向して配置されている。なお、第5のガイドプレート73には、ドアDの端部を溶接等で固定するための保持プレート77が設けられている。
【0023】
さらに、ドアDの端部に位置するドア側ガイドレール71の下端には、第1〜第3の案内面62a〜64aで囲まれた空間内に挿入されるドア側ガイドローラ78が設けられている。このガイドローラ78は、第6の案内面74aの下端に立設した支軸79によって回転自在に支持されている。そして、このガイドローラ78は、ドア側ガイドレール71と一緒に昇降すると共に、本体側ガイドレール61に沿って転動しながら昇降する。これに対し、洗浄機本体B側の端部に位置する本体側ガイドレール61の上端には、第4〜第6の案内面72a〜74aで囲まれた空間内に挿入される本体側ガイドローラ80が設けられている。このガイドローラ80は、第3の案内面64aの上端に立設させる支軸81によって回転自在に支持されている。そして、このガイドローラ80は、下側に位置するガイドローラ78に対し、上下方向において直線上に整列させているので、ガイドローラ80は、ガイドレール71が昇降する際の案内の役目を果たし、結果的に、ドアDを安定して真っ直ぐに且つ確実に昇降させることを可能にする。
【0024】
このガイドローラ80の支軸81は、ガイド手段Gの組み立てを考慮して着脱自在に構成されている。例えば、取付け金具85が利用され、この金具85は、保持板82の表面に支軸81を立設させ、保持板82の裏面にボルト83を立設させている。また、ガイド手段の組立て時の最終工程において、ガイドレール61に設けられた切欠き部61aにボルト83を挿入し、ナット84の締め込みによって保持板82を第3の案内面64aに圧着させ、これによって、支軸81をガイドレール61に固定させる(図11参照)。
【0025】
さらに、図12に示すように、下側に位置するドア側ガイドローラ78は、第1及び第2の案内面62a,63aに対し摺接する転動面86aをもった円板状のローラ本体86を有し、このローラ本体86には、この周縁から第3の案内面64aに向けて突出する山形状(例えば円錐台形状)の突出部87が一体に形成されている。また、突出部87の頂部87aは、ドアDの昇降時に第3の案内面64aに対して摺接するが、この頂部87aと第3の案内面64aとの間には、所定量(2mm程度)のクリアランスR1が形成されている。そして、円形の頂部87aは、第3の案内面64aに対して適切な摺接を可能にするため、ローラ本体86の径より小さな径で形成されている。また、頂部87aを第3の案内面64aに適切に摺動させるためには、支軸79の先端を頂部87aから突出させない。
【0026】
同様に、図11に示すように、上側に位置する本体側ガイドローラ80は、第4及び第5の案内面72a,73aに対し摺接する転動面88aをもった円板状のローラ本体88を有し、このローラ本体88には、この周縁から第6の案内面74aに向けて突出する山形状(例えば円錐台形状)の突出部89が一体に形成されている。また、突出部89の頂部89aは、ドアDの昇降時に第6の案内面74aに対して摺接するが、この頂部89aと第6の案内面74aとの間には、所定量(2mm程度)のクリアランスR2が形成されている。そして、円形の頂部89aは、第6の案内面74aに対して適切な摺接を可能にするため、ローラ本体88の径より小さな径で形成されている。また、頂部89aを第6の案内面74aに適切に摺動させるためには、支軸81の先端を頂部89aから突出させない。
【0027】
このようなガイド手段Gによって、ドアDの昇降時において、ローラ本体86の頂部が直接的に第3の案内面64aに擦れることがなく、山形状の突出部87の頂部87aが擦れることになるので、ドアDをスムーズに昇降させることができ、小型化を図りつつ、低コストを可能にする。なお、突出部87の頂部87aは、ガイドローラ78の回転軸線方向におけるクリアランスR1によるガタつきを最小限に押さえつつ、摩擦抵抗を小さくするような様々な設計変更が可能である。また、前述した本体側ガイドローラ80も同様の作用効果を有するので、詳細な説明は省略する。
【0028】
さらに、このドアDは、片持ち支持状態で所定角度内を回動する操作レバー25によって昇降する。この操作レバー25は、洗浄機本体Bの上部に設けられたトップパネル8の天板26に対し片持ち支持状態で軸支されたアーム部27を有している。このアーム部27は、ドアDの側面23に沿って直線的に延在する(図5参照)。図1及び図6に示すように、このアーム部27の基端には、水平方向に延在する回動軸部28の一端が固定され、この回動軸部28は、洗浄機本体Bの天板26に固定した左右一対の軸受部29により回転自在に保持される。
【0029】
さらに、操作レバー25には、片手での操作を可能にするL字状のハンドル部30が設けられている。このハンドル部30の基端は、ドアDの側面23における前側で、連結ピン31を介して片持ち支持状態で軸支されている。そして、ハンドル部30は、前方に向けて延在すると共に、作業者の片手操作を容易にするための取っ手(把手)30aを有し、この取っ手30aは、ドアDの前面24に対峙する(図5参照)。なお、この取っ手30aは、ドアDの上げ下げを考慮して略水平に延在する。
【0030】
図1〜図3に示すように、アーム部27の先端(遊端)とハンドル部30の基端とを直線的な2本のリンク部32,32を介して連結する。互いのリンク部32は略平行に配置され、各リンク部32の両端は、アーム部27の先端(遊端)とハンドル部30の基端に対し回動自在に軸支されている。このように操作レバー25は、アーム部27とハンドル部30と2本のリンク部32との三構成要素からなるので、操作レバー25のハンドル部30を手で持って上げ下げする際に、ハンドル部30の取っ手30aの移動軌跡は略直線的になり、ハンドル操作し易い。しかも、前述した構成は、ハンドル部30の取っ手30aの移動距離を小さくしつつ、操作力の低減を可能にするので、利用者の作業負担を軽減する。
【0031】
このような構成の操作レバー25は、洗浄室Sの開口高さを大きくしたい場合に特に有効である。また、操作レバー25は、一本のアーム部27と、一本のハンドル部30と、2本のリンク部32とにより構成されるので、食器洗浄機1の側面1aを、厨房のコーナ壁面W1に可能な限り近づけることができ(図5参照)、この操作レバー25は、コーナ設置型に極めて適した構成と言える。なお、2本のリンク部32は、互いに平行である必要はなく、所定角度をもって対向させるように配置してもよい。
【0032】
更に、前述した操作レバー25には、図6〜図8に示すように、アーム部27の回動範囲を規制するストッパ手段33と、ドアDの持ち上げ力を補助して、ドアDを持ち上げるときの操作力を軽減させるためのバネ手段34とが更に設けられている。
【0033】
このストッパ手段33は、洗浄室Sの開口の高さに対応して取っ手30aの上下動範囲を規制するものである。ストッパ手段33は、操作レバー25の一部をなして天板26の上方で水平に延在する回転軸部28の両端において、回動軸部28に対し垂直方向に立設させた左右一対の揺動レバー35と、揺動レバー35,35の遊端間に架け渡されるように固定されると共に回動軸部28に対して平行に延在するストッパピン36と、ストッパピン36の移動範囲に沿って円弧状に形成された規制溝37を有すると共に天板26に立設させた左右一対のストッパ板38,38とで構成されている。よって、取っ手30aを上下動させると、アーム部27の回動に追従するストッパピン36が規制溝37の端に当たることで、ドアDの上下動範囲が規制されることになる。そして、規制溝37の長さを変更するだけの簡単な設計変更によって、ドアDの昇降範囲を自由に設定することができる。なお、ストッパ板38には、回転軸部28の貫通を可能にする開口部38bが形成されている。
【0034】
このようなストッパ手段33においては、ストッパ板38に設けられた規制溝37の両端によってストッパピン36の移動範囲が規制され、その結果として、アーム部27の回動範囲、すなわちドアDの昇降範囲が規制されることになる。すなわち、規制溝37の長さが長い場合には、ドアDの昇降量が大きくなり、規制溝37の長さが短い場合には、ドアDの昇降量が小さくなる。このように、規制溝37の長さは、洗浄室Sの高さに合わせて適宜選択される。よって、このようなストッパ手段33の採用は、ストッパ機能の簡素化を図りつつ、様々な食器洗浄機への対応を容易にし、機種変更への対応を容易にする。しかも、ストッパ板38が洗浄機本体Dの天板26に取り付けられているので、何らかの原因でストッパ手段33が破損した場合でも、ストッパ手段33の構成部品(揺動レバー35、ストッパピン36及びストッパ板38など)が洗浄室S内に入り込むことがないといった利点を併せもっている。
【0035】
更に、ドアDの持ち上げ力を補助するために採用されたバネ手段34は、洗浄機本体Bの背面39に沿って略鉛直方向に延在する引っ張り螺旋バネからなる。この螺旋バネ34の下端にはL型ブラケット40の上端が引っ掛けられ、このブラケット40の下端は、雄ねじ41のヘッド部に引っ掛けられている。そして、バネ力調整を可能にするため、雄ねじ41のネジ部41aは、洗浄機本体Bの背面39にネジ固定されて水平に延在するブラケット39の開口内に差し込まれ、雄ねじ41のネジ部41aに対しては、下方から調整ネジ42を螺合させる。これにより、調整ネジ42を所定の方向に回すだけで、螺旋バネ34の初期設定長さの調整が図られ、螺旋バネ34のバネ力を簡単に調整できる。
【0036】
これに対し、螺旋バネ34の上端は、直状の連接バー44を介してストッパピン36に連結されている。この連接バー44は、洗浄機本体Bの背面39に沿って略鉛直方向に延在し(図4参照)、連接バー44の上端は、ストッパピン36に対して回動自在に連結され、連接バー44の下端には、螺旋バネ34のフック部分34aを引っ掛けるためのフック穴44aが設けられている。よって、図7に示すように、操作レバー25の取っ手30aを手で握ってドアDを持ち上げる場合(ドアDを開く場合)には、螺旋バネ34のバネ力により、ドアDが軽く持ち上がり、ドアDを降ろす場合(ドアDを閉じる場合)には、ドアDの自重により、ドアDを素早く閉めることができる。なお、この螺旋バネ34は、ドアDが下がるにつれて伸び続ける。
【0037】
更に、図7に示すように、連接バー44の上部44bは、ストッパピン36側に向け所定角度をもって屈曲する。同様に、連接バー44の上部44cも、洗浄機本体Bの背面39側に向け所定角度をもって屈曲する。よって、螺旋バネ34を、鉛直方向に可能な限り近づけるよう延在させることができる。従って、螺旋バネ34が、製氷機本体Bの背面39に沿うように配置されるので、食器洗浄機Bの背面39を厨房のコーナ壁面W2(図5参照)に可能な限り近づけることができ、このことは、食器洗浄機1の占有スペースの縮小化に寄与する。
【0038】
ここで、前述したストッパ手段33は、洗浄機本体Bの天板26上において左右のいずれかに選択的に取り付けることを予定している。例えば、食器洗浄機1が右コーナ設置タイプ(図1及び図5参照)であって、食器洗浄機1の左側にのみアーム部27が存在する場合、前述したストッパ手段33は、洗浄機本体1の天板26において左側に配置されることになる。これに対し、食器洗浄機1が左コーナ設置タイプ(図示せず)であって、食器洗浄機1の右側にのみアーム部27が存在する場合、前述したストッパ手段33は、洗浄機本体の天板26において右側に配置されることになる。
【0039】
このように、アーム部27の位置に応じ、ストッパ手段33の位置が選択的に決定されるが、このような選択的な配置を可能にしているのは、ストッパ手段33が洗浄機本体Bの天板26に配置されることを基本にし、揺動レバー35、ストッパピン36及びストッパ板38が共有化を容易にする部品だからである。部品の共有化を更に容易にするため、例えば、ストッパ板38には、トップパネル8の後部側コーナ部分8aへの固定を可能にするための取付け座部38a(図5及び図6参照)が前後に設けられている。各取付け座部38aは、折り曲げによって側方へ張り出すように形成され、ネジ46による固定を可能にしている。同様に、軸受部29にも、トップパネル8の後部側コーナ部分8aへの固定を可能にするための取付け座部29a(図5及び図6参照)が設けられ、各取付け座部29aは、ネジ47による固定を可能にしている。
【0040】
更に、前述したストッパ手段33及び軸受部29を、左右いずれかに選択的に配置させるための寸法的な制約について説明する。例えば、図8に示すように、背面39に中央において、上側洗浄ノズル10用の洗浄水配管48と上側すすぎノズル11用のすすぎ水配管49が立ち上がっている場合、螺旋バネ34が各配管48,49に触れないようにするためには、左右の軸受部29,29の間隔を必要最小限の大きさにすることと、背面39の横幅に関して、配管スペースの左右に螺旋バネスペースを確保しておくことが好ましい。これによって、右コーナ設置タイプの食器洗浄機か左コーナ設置タイプの食器洗浄機のいずれかを製造する場合であっても、配管48,49のレイアウトを変更する必要がなく、コーナ設置タイプの食器洗浄機の生産性を著しく阻害することがない。
【0041】
【発明の効果】
本発明による食器洗浄機は、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、洗浄機本体側に設けられた本体側ガイドレールに沿って、ドアを昇降させることにより、洗浄機本体側に設けられた洗浄室の開閉を行う食器洗浄機において、本体側ガイドレールは、上下方向に延在すると共に、対面する一対の第1及び第2の案内面と、上下方向に延在すると共に、第1の案内面と第2の案内面とを連結して本体側ガイドレールに断面コ字状の本体側案内面を形成する第3の案内面とを有し、ドアの端部には、第1〜第3の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、本体側ガイドレールに沿って回転しながらドアの上下動を案内するドア側ガイドローラが取り付けられ、ドア側ガイドローラは、第1及び第2の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、ローラ本体から第3の案内面に向けて突出して、ドアの昇降時に第3の案内面に対し摺接可能な頂部と第3の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えたことにより、小型化を図りつつ、低コストを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食器洗浄機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した食器洗浄機のドアを開いた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示した食器洗浄機の側面図である。
【図4】図1に示した食器洗浄機の部分断面図である。
【図5】図1に示した食器洗浄機の平面図である。
【図6】本発明に係る食器洗浄機に適用するストッパ手段の要部拡大斜視図である。
【図7】図6に示したストッパ手段の側面図である。
【図8】図1に示した食器洗浄機の背面図である。
【図9】図1に示した食器洗浄機の要部拡大断面である。
【図10】本発明に係る食器洗浄機に適用するガイド手段を示す分解斜視図である。
【図11】ガイド手段の組付け完了後における図10のA矢視図である。
【図12】ガイド手段の組付け完了後における図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…食器洗浄機、61…本体側ガイドレール、62a…第1の案内面、63a…第2の案内面、64a…第3の案内面、66…本体側案内面、71…ドア側ガイドレール、72a…第4の案内面、73a…第5の案内面、74a…第6の案内面、76…ドア側案内面、78…ドア側ガイドローラ、80…本体側ガイドローラ、86,88…ローラ本体、86a,88a…転動面、87,89…突出部、87a,89a…突出部の頂部、B…洗浄機本体、D…ドア、S…洗浄室。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアを上下させることで、洗浄機本体側の洗浄室の開閉が行われるいわゆるドアタイプの食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、実開平2−134965号公報がある。この公報に開示された食器洗浄機は、ドアの前面に取り付けられたハンドルを手で握って上げ下げすることで、洗浄室を開閉できるタイプのものである。また、ドアのスムーズな開閉を可能にするため、ドア側と本体側とをガイド手段を介して連結し、ドア側に取り付けられた第1のガイドレールと本体側に取り付けられた第1のガイドローラとの協働で、ドアの奥行き方向のブレを防止し、本体側に取り付けられた第2のガイドレールとドア側に取り付けられた第2のガイドローラとの協働で、ドアの横幅方向のブレを防止している。なお、第1のガイドレールと第2のガイドレールは並設するように配置され、第1のガイドローラに対して第2のガイドローラは直交するように配置されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−134965号公報
【特許文献2】
特開2000−254086号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガイドレールとガイドローラとの協働によってドアの昇降をガイドするにあたって、第1及び第2のガイドローラと第1及び第2のガイドレールとを採用し、それぞれの部品のレイアウトを考慮すると、ガイド手段自体が大型化し、ガイド手段の占有スペースを大きくする必要が生じ、小型の食器洗浄機に適用し難いといった問題点がある。しかも、部品点数が多いので、コスト低減の要求を満たすことができないといった問題点がある。
【0005】
本発明は、特に、小型化を図りつつ、低コストを可能にした食器洗浄機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る食器洗浄機は、洗浄機本体側に設けられた本体側ガイドレールに沿って、ドアを昇降させることにより、洗浄機本体側に設けられた洗浄室の開閉を行う食器洗浄機において、本体側ガイドレールは、上下方向に延在すると共に、対面する一対の第1及び第2の案内面と、上下方向に延在すると共に、第1の案内面と第2の案内面とを連結して本体側ガイドレールに断面コ字状の本体側案内面を形成する第3の案内面とを有し、ドアの端部には、第1〜第3の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、本体側ガイドレールに沿って回転しながらドアの上下動を案内するドア側ガイドローラが取り付けられ、ドア側ガイドローラは、第1及び第2の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、ローラ本体から第3の案内面に向けて突出して、ドアの昇降時に第3の案内面に対し摺接可能な頂部と第3の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この食器洗浄機には、上下方向に延在する第1〜第3の案内面により断面コ字状の本体側案内面を有するガイドレールが採用され、この案内面で形成された空間内でガイドローラが転動することで、洗浄機本体側のガイドレールに沿ってドアが昇降する。このとき、ドア側ガイドローラのローラ本体の転動面が、第1及び第2の案内面に摺接しながら、ガイドレールの延在方向(上下方向)にドアが確実に昇降する。さらに、このガイドローラには、ローラ本体から第3の案内面に向けて突出する山形状の突出部が設けられ、この突出部の頂部は、ドアの昇降時に第3の案内面に対し摺接可能なように第3の案内面との間に所定量のクリアランスを有しているので、ドアの昇降時において、山形状の突出部の頂部が第3の案内面に擦れるので、ドアをスムーズに昇降させることができ、小型化を図りつつ、低コストを可能にしている。
【0008】
また、本体側ガイドレールに対向して配置されたドア側ガイドレールは、上下方向に延在すると共に、対面する一対の第4及び第5の案内面と、上下方向に延在すると共に、第4の案内面と第5の案内面とを連結してドア側ガイドレールに断面コ字状のドア側案内面を形成する第6の案内面とを有し、洗浄機本体の端部には、第4〜第6の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、ドア側ガイドレールに沿って回転しながらドアの上下動を案内する本体側ガイドローラが取り付けられ、本体側ガイドローラは、第4及び第5の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、ローラ本体から第6の案内面に向けて突出して、ドアの昇降時に第6の案内面に対し摺接可能な頂部と第6の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えると好適である。このように、ドア側にもガイドレールを設け、洗浄機本体側にもガイドローラを設けることで、2本のガイドレール(ドア側ガイドレール及び本体側ガイドレール)と2個のガイドローラ(ドア側ガイドローラ及び本体側ガイドローラ)との協働によって、ドアを安定して真っ直ぐに且つ確実に昇降させることができる。
【0009】
また、山形状の突出部は、ローラ本体の周縁から第3又は第6の案内面に向けて円錐台形状に突出すると好適である。このような形状の突出部は、第3又は第6の案内面に対して適切な摺接を可能にする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る食器洗浄機の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1〜図3に示すように、食器洗浄機1は、ステンレス製の筐体2を有する洗浄機本体Bと、この洗浄機本体Bに設けられた洗浄室Sの開閉を行うドアDとから主として構成されている。この食器洗浄機1は、いわゆるドアタイプと呼ばれるものであり、ドアDを鉛直方向に上下動させることで洗浄室Sの開閉を行うものである。
【0012】
この洗浄機本体Bにおいて、筐体2は上下に仕切られており、この筐体2の下部2aには機械室3が設けられ、上部2bには洗浄室Sが設けられている。そして、機械室3内には、洗浄用循環ポンプ4、すすぎ用循環ポンプ5及び電装部品等を収容した電装箱6などが収容されている。これに対し、洗浄室Sの上部には、フリー回転自在で3本のY字状アームからなる上側洗浄ノズル10と、フリー回転自在で一直線状に延びる上側すすぎノズル11とが配置されている。同様に、洗浄室Sの下部にも、フリー回転自在で3本のY字状アームからなる下側洗浄ノズル12と、フリー回転自在で一直線状に延びる下側すすぎノズル13とが配置されている。このような上下2段のノズル構成によって、洗浄効率やすすぎ効率を高めている。
【0013】
また、上側すすぎノズル11と下側すすぎノズル13との間に出現する洗浄室S内において、下側すすぎノズル13の上方には、食器ラック(図示せず)を載置させるための金属製ラックレール(図示せず)が着脱自在に配置されている。この食器ラックは、飲食後の皿、茶碗、コップなどの食器を一括して自動洗浄するためのものである。この食器ラックを格子状に形成することで、食器を上下から同時に洗うことを可能にする。食器の一括搬送を可能にするこのような食器ラックを利用するタイプの食器洗浄機1は、喫茶店、レストラン、一般家庭などの厨房で幅広く利用されている。
【0014】
さらに、図2及び図4に示すように、洗浄室Sの底面14には、網目をもったフィルタ20が配置され、このフィルタ20の下方には、洗浄水やすすぎ水を貯めておくための洗浄水タンク21が配置されている。よって、洗浄時やすすぎ時に食器から落とされた残菜などの汚損物のうちの比較的大きなものは、フィルタ20の上面に残り、再利用可能な水が洗浄水タンク21内に溜められる。さらに、洗浄水タンク21内には、一定水位に保つために余剰な水を外部に排出するためのオーバーフローパイプ22が配置されている。
【0015】
次に、前述した食器洗浄機1の動作について簡単に説明する。なお、洗浄運転時においては、前回のすすぎの際に洗浄水タンク21内に溜められている60°C程度の洗浄水が利用される。そこで、洗浄ボタンをONすると、洗浄用の循環ポンプ4によって洗浄水が上側及び下側洗浄ノズル10,12から噴射を開始する。このとき、各洗浄ノズル10,12は、噴射力の反力によって常に回転し続け、このような回転によって洗浄水が満遍なく食器に当たり続けるので、食器から汚損物が効率良く洗い落とされる。そして、洗浄工程を所定時間行った後、すすぎ工程に移行する。
【0016】
すすぎ運転時においては、所定容量をもったすすぎ水タンク(図示せず)内に溜められている80°Cの新鮮な温水が利用される。そこで、すすぎ工程に移行した際、すすぎ用の循環ポンプ5の駆動により、新鮮なすすぎ水が上側及び下側すすぎノズル11,13から噴射すると、各すすぎノズル11,13は、噴射力の反力によって常に回転し続け、このような回転により、すすぎ水が満遍なく食器に当たり続け、食器を効率良くすすぎ続ける。なお、すすぎ時に洗浄水タンク21内に溜められる温水は、水の利用効率を上げるため洗浄水として利用される。
【0017】
図1〜図3に示すように、前述した食器洗浄機1は、コーナ設置タイプであり、断面L字状のドアDを鉛直方向に上下動させることで洗浄室Sの開閉を行うことができるタイプのものである。ステンレス製のこのドアDは、水平面において断面L字状のドア側洗浄室面50を有し、このドア側洗浄室面50は、ドアDにおける矩形の前面パネルP1の内面と矩形の側面パネルP2の内面とからなる。これに対し、洗浄機本体Bは、断面L字状の本体側洗浄室面52を有し、この本体側洗浄室面52は、本体B側における矩形の背面パネルP3の内面と矩形の側面パネルP4の内面とからなる。このようなパネルP1〜P4の四面によって、断面矩形の洗浄室面53を形成する。
【0018】
このようにして、いわゆる二方開放型ドアDが形成され、食器洗浄機1を厨房のコーナ部分に設置した場合(図5参照)でも、厨房のコーナ壁面W1に対してドアDが開放されることがないので、洗浄室Sから飛散する蒸気や洗浄水の影響によって壁W1が劣化することがない。しかも、ドアDの軽量化が適切に図られるので、利用者の負担が軽くなり、ドアDの上げ下げをスムーズに行うことができる。また、ドアDの軽量化によって、操作レバー25やガイドレールなどのドアの付属部品の耐久性が更に向上することになる。
【0019】
また、洗浄機本体Bの上部には、上側洗浄ノズル10及び上側すすぎノズル11を収容するためにキャップ状に形成されたステンレス製のトップパネル8が溶接等で接合されている。このように、トップパネル8を洗浄機本体B側に設けることで、ドアDの更なる軽量化が達成される。また、図9に示すように、トップパネル8の下端は、本体側洗浄室面52の一部をなす洗浄室背面パネルP3の上端と本体側洗浄室面52の一部をなす洗浄室側面パネルP4の上端とに接合される。そして、食器洗浄機1の背面側及び一側面側において、各接合部分54は、水平方向に延在すると共に、先端が下方に向けて形成された軒先形状を有し、接合部分54には下向きの傾斜面が形成されることになる。これにより、トップパネル8の内壁面に沿って流れ落ちる水滴や残菜などを素早く流下させることができ、衛生面に対する配慮の一助をなす。また、洗浄機本体Bにトップパネル8を接合させるにあたって、洗浄機1の外面がフラットになるよう接合させることで、食器洗浄機1を厨房の壁に近づけることができる。
【0020】
このようなドアDは、断面L字状に形成されているので、ドアDが強度不足になる場合がある。このとき、図2及び図5に示すように、ドアDのコーナ部分に三角板からなる補強部材55を設けることで、L型ドアDの補強が確実になされる。更に、上側洗浄ノズル10及び上側すすぎノズル11を収容するためにトップパネル8を大きくする必要性がある場合、ドアDのコーナ部分に補強部材55が設けられている結果として、ドアDの昇降時に補強部材55がトップパネル8に干渉する事態が発生する。そこで、三角形状の補強部材55に対応するために、キャップ状のトップパネル8には、水平断面矩形のコーナ部分の一つを鉛直方向に切り落としたような形状の切欠き部56が設けられる。この切欠き部56の形成によって、トップパネル8は多面化が図られ、この多面化によって、トップパネル8の強度アップが適切に図られる。
【0021】
このようなL型ドアDと洗浄機本体Bとは二カ所で連結され、各連結部分には、ドアDが軽量であるゆえに、次のような簡易型のガイド手段Gが採用される。図10〜図12に示すように、洗浄機本体B側の支柱60には、上下方向に延在する本体側ガイドレール61が溶接等で固定されている。この本体側ガイドレール61には、上下方向に延在する長尺状第1ガイドプレート62の内面に設けられた第1の案内面62aと、第1のガイドプレート62に対面して平行で且つ上下方向に延在する長尺状第2ガイドプレート63の内面に設けられた第2の案内面63aと、第1の案内面62aと第2の案内面63aとを連結するように上下方向に延在する長尺状第3ガイドプレート64の内面に設けられた第3の案内面64aとで断面コ字状の本体側案内面66が形成されている。なお、第2のガイドプレート63には、支柱60を溶接等で固定するためのプランジプレート67が設けられている。
【0022】
同様に、ステンレス製のドアDの端部には、上下方向に延在してドアDの昇降に追従して昇降するドア側ガイドレール71が溶接等で固定されている。このドア側ガイドレール71には、上下方向に延在する長尺状第4ガイドプレート72の内面に設けられた第4の案内面72aと、第4のガイドプレート72に対面して平行で且つ上下方向に延在する長尺状第5ガイドプレート73の内面に設けられた第5の案内面73aと、第4の案内面72aと第5の案内面73aとを連結するように上下方向に延在する長尺状第6ガイドプレート74の内面に設けられた第6の案内面74aとで断面コ字状のドア側案内面76が形成されている。そして、このガイド手段Gにおいては、第6の案内面74aは第3の案内面64aに対向して配置されている。なお、第5のガイドプレート73には、ドアDの端部を溶接等で固定するための保持プレート77が設けられている。
【0023】
さらに、ドアDの端部に位置するドア側ガイドレール71の下端には、第1〜第3の案内面62a〜64aで囲まれた空間内に挿入されるドア側ガイドローラ78が設けられている。このガイドローラ78は、第6の案内面74aの下端に立設した支軸79によって回転自在に支持されている。そして、このガイドローラ78は、ドア側ガイドレール71と一緒に昇降すると共に、本体側ガイドレール61に沿って転動しながら昇降する。これに対し、洗浄機本体B側の端部に位置する本体側ガイドレール61の上端には、第4〜第6の案内面72a〜74aで囲まれた空間内に挿入される本体側ガイドローラ80が設けられている。このガイドローラ80は、第3の案内面64aの上端に立設させる支軸81によって回転自在に支持されている。そして、このガイドローラ80は、下側に位置するガイドローラ78に対し、上下方向において直線上に整列させているので、ガイドローラ80は、ガイドレール71が昇降する際の案内の役目を果たし、結果的に、ドアDを安定して真っ直ぐに且つ確実に昇降させることを可能にする。
【0024】
このガイドローラ80の支軸81は、ガイド手段Gの組み立てを考慮して着脱自在に構成されている。例えば、取付け金具85が利用され、この金具85は、保持板82の表面に支軸81を立設させ、保持板82の裏面にボルト83を立設させている。また、ガイド手段の組立て時の最終工程において、ガイドレール61に設けられた切欠き部61aにボルト83を挿入し、ナット84の締め込みによって保持板82を第3の案内面64aに圧着させ、これによって、支軸81をガイドレール61に固定させる(図11参照)。
【0025】
さらに、図12に示すように、下側に位置するドア側ガイドローラ78は、第1及び第2の案内面62a,63aに対し摺接する転動面86aをもった円板状のローラ本体86を有し、このローラ本体86には、この周縁から第3の案内面64aに向けて突出する山形状(例えば円錐台形状)の突出部87が一体に形成されている。また、突出部87の頂部87aは、ドアDの昇降時に第3の案内面64aに対して摺接するが、この頂部87aと第3の案内面64aとの間には、所定量(2mm程度)のクリアランスR1が形成されている。そして、円形の頂部87aは、第3の案内面64aに対して適切な摺接を可能にするため、ローラ本体86の径より小さな径で形成されている。また、頂部87aを第3の案内面64aに適切に摺動させるためには、支軸79の先端を頂部87aから突出させない。
【0026】
同様に、図11に示すように、上側に位置する本体側ガイドローラ80は、第4及び第5の案内面72a,73aに対し摺接する転動面88aをもった円板状のローラ本体88を有し、このローラ本体88には、この周縁から第6の案内面74aに向けて突出する山形状(例えば円錐台形状)の突出部89が一体に形成されている。また、突出部89の頂部89aは、ドアDの昇降時に第6の案内面74aに対して摺接するが、この頂部89aと第6の案内面74aとの間には、所定量(2mm程度)のクリアランスR2が形成されている。そして、円形の頂部89aは、第6の案内面74aに対して適切な摺接を可能にするため、ローラ本体88の径より小さな径で形成されている。また、頂部89aを第6の案内面74aに適切に摺動させるためには、支軸81の先端を頂部89aから突出させない。
【0027】
このようなガイド手段Gによって、ドアDの昇降時において、ローラ本体86の頂部が直接的に第3の案内面64aに擦れることがなく、山形状の突出部87の頂部87aが擦れることになるので、ドアDをスムーズに昇降させることができ、小型化を図りつつ、低コストを可能にする。なお、突出部87の頂部87aは、ガイドローラ78の回転軸線方向におけるクリアランスR1によるガタつきを最小限に押さえつつ、摩擦抵抗を小さくするような様々な設計変更が可能である。また、前述した本体側ガイドローラ80も同様の作用効果を有するので、詳細な説明は省略する。
【0028】
さらに、このドアDは、片持ち支持状態で所定角度内を回動する操作レバー25によって昇降する。この操作レバー25は、洗浄機本体Bの上部に設けられたトップパネル8の天板26に対し片持ち支持状態で軸支されたアーム部27を有している。このアーム部27は、ドアDの側面23に沿って直線的に延在する(図5参照)。図1及び図6に示すように、このアーム部27の基端には、水平方向に延在する回動軸部28の一端が固定され、この回動軸部28は、洗浄機本体Bの天板26に固定した左右一対の軸受部29により回転自在に保持される。
【0029】
さらに、操作レバー25には、片手での操作を可能にするL字状のハンドル部30が設けられている。このハンドル部30の基端は、ドアDの側面23における前側で、連結ピン31を介して片持ち支持状態で軸支されている。そして、ハンドル部30は、前方に向けて延在すると共に、作業者の片手操作を容易にするための取っ手(把手)30aを有し、この取っ手30aは、ドアDの前面24に対峙する(図5参照)。なお、この取っ手30aは、ドアDの上げ下げを考慮して略水平に延在する。
【0030】
図1〜図3に示すように、アーム部27の先端(遊端)とハンドル部30の基端とを直線的な2本のリンク部32,32を介して連結する。互いのリンク部32は略平行に配置され、各リンク部32の両端は、アーム部27の先端(遊端)とハンドル部30の基端に対し回動自在に軸支されている。このように操作レバー25は、アーム部27とハンドル部30と2本のリンク部32との三構成要素からなるので、操作レバー25のハンドル部30を手で持って上げ下げする際に、ハンドル部30の取っ手30aの移動軌跡は略直線的になり、ハンドル操作し易い。しかも、前述した構成は、ハンドル部30の取っ手30aの移動距離を小さくしつつ、操作力の低減を可能にするので、利用者の作業負担を軽減する。
【0031】
このような構成の操作レバー25は、洗浄室Sの開口高さを大きくしたい場合に特に有効である。また、操作レバー25は、一本のアーム部27と、一本のハンドル部30と、2本のリンク部32とにより構成されるので、食器洗浄機1の側面1aを、厨房のコーナ壁面W1に可能な限り近づけることができ(図5参照)、この操作レバー25は、コーナ設置型に極めて適した構成と言える。なお、2本のリンク部32は、互いに平行である必要はなく、所定角度をもって対向させるように配置してもよい。
【0032】
更に、前述した操作レバー25には、図6〜図8に示すように、アーム部27の回動範囲を規制するストッパ手段33と、ドアDの持ち上げ力を補助して、ドアDを持ち上げるときの操作力を軽減させるためのバネ手段34とが更に設けられている。
【0033】
このストッパ手段33は、洗浄室Sの開口の高さに対応して取っ手30aの上下動範囲を規制するものである。ストッパ手段33は、操作レバー25の一部をなして天板26の上方で水平に延在する回転軸部28の両端において、回動軸部28に対し垂直方向に立設させた左右一対の揺動レバー35と、揺動レバー35,35の遊端間に架け渡されるように固定されると共に回動軸部28に対して平行に延在するストッパピン36と、ストッパピン36の移動範囲に沿って円弧状に形成された規制溝37を有すると共に天板26に立設させた左右一対のストッパ板38,38とで構成されている。よって、取っ手30aを上下動させると、アーム部27の回動に追従するストッパピン36が規制溝37の端に当たることで、ドアDの上下動範囲が規制されることになる。そして、規制溝37の長さを変更するだけの簡単な設計変更によって、ドアDの昇降範囲を自由に設定することができる。なお、ストッパ板38には、回転軸部28の貫通を可能にする開口部38bが形成されている。
【0034】
このようなストッパ手段33においては、ストッパ板38に設けられた規制溝37の両端によってストッパピン36の移動範囲が規制され、その結果として、アーム部27の回動範囲、すなわちドアDの昇降範囲が規制されることになる。すなわち、規制溝37の長さが長い場合には、ドアDの昇降量が大きくなり、規制溝37の長さが短い場合には、ドアDの昇降量が小さくなる。このように、規制溝37の長さは、洗浄室Sの高さに合わせて適宜選択される。よって、このようなストッパ手段33の採用は、ストッパ機能の簡素化を図りつつ、様々な食器洗浄機への対応を容易にし、機種変更への対応を容易にする。しかも、ストッパ板38が洗浄機本体Dの天板26に取り付けられているので、何らかの原因でストッパ手段33が破損した場合でも、ストッパ手段33の構成部品(揺動レバー35、ストッパピン36及びストッパ板38など)が洗浄室S内に入り込むことがないといった利点を併せもっている。
【0035】
更に、ドアDの持ち上げ力を補助するために採用されたバネ手段34は、洗浄機本体Bの背面39に沿って略鉛直方向に延在する引っ張り螺旋バネからなる。この螺旋バネ34の下端にはL型ブラケット40の上端が引っ掛けられ、このブラケット40の下端は、雄ねじ41のヘッド部に引っ掛けられている。そして、バネ力調整を可能にするため、雄ねじ41のネジ部41aは、洗浄機本体Bの背面39にネジ固定されて水平に延在するブラケット39の開口内に差し込まれ、雄ねじ41のネジ部41aに対しては、下方から調整ネジ42を螺合させる。これにより、調整ネジ42を所定の方向に回すだけで、螺旋バネ34の初期設定長さの調整が図られ、螺旋バネ34のバネ力を簡単に調整できる。
【0036】
これに対し、螺旋バネ34の上端は、直状の連接バー44を介してストッパピン36に連結されている。この連接バー44は、洗浄機本体Bの背面39に沿って略鉛直方向に延在し(図4参照)、連接バー44の上端は、ストッパピン36に対して回動自在に連結され、連接バー44の下端には、螺旋バネ34のフック部分34aを引っ掛けるためのフック穴44aが設けられている。よって、図7に示すように、操作レバー25の取っ手30aを手で握ってドアDを持ち上げる場合(ドアDを開く場合)には、螺旋バネ34のバネ力により、ドアDが軽く持ち上がり、ドアDを降ろす場合(ドアDを閉じる場合)には、ドアDの自重により、ドアDを素早く閉めることができる。なお、この螺旋バネ34は、ドアDが下がるにつれて伸び続ける。
【0037】
更に、図7に示すように、連接バー44の上部44bは、ストッパピン36側に向け所定角度をもって屈曲する。同様に、連接バー44の上部44cも、洗浄機本体Bの背面39側に向け所定角度をもって屈曲する。よって、螺旋バネ34を、鉛直方向に可能な限り近づけるよう延在させることができる。従って、螺旋バネ34が、製氷機本体Bの背面39に沿うように配置されるので、食器洗浄機Bの背面39を厨房のコーナ壁面W2(図5参照)に可能な限り近づけることができ、このことは、食器洗浄機1の占有スペースの縮小化に寄与する。
【0038】
ここで、前述したストッパ手段33は、洗浄機本体Bの天板26上において左右のいずれかに選択的に取り付けることを予定している。例えば、食器洗浄機1が右コーナ設置タイプ(図1及び図5参照)であって、食器洗浄機1の左側にのみアーム部27が存在する場合、前述したストッパ手段33は、洗浄機本体1の天板26において左側に配置されることになる。これに対し、食器洗浄機1が左コーナ設置タイプ(図示せず)であって、食器洗浄機1の右側にのみアーム部27が存在する場合、前述したストッパ手段33は、洗浄機本体の天板26において右側に配置されることになる。
【0039】
このように、アーム部27の位置に応じ、ストッパ手段33の位置が選択的に決定されるが、このような選択的な配置を可能にしているのは、ストッパ手段33が洗浄機本体Bの天板26に配置されることを基本にし、揺動レバー35、ストッパピン36及びストッパ板38が共有化を容易にする部品だからである。部品の共有化を更に容易にするため、例えば、ストッパ板38には、トップパネル8の後部側コーナ部分8aへの固定を可能にするための取付け座部38a(図5及び図6参照)が前後に設けられている。各取付け座部38aは、折り曲げによって側方へ張り出すように形成され、ネジ46による固定を可能にしている。同様に、軸受部29にも、トップパネル8の後部側コーナ部分8aへの固定を可能にするための取付け座部29a(図5及び図6参照)が設けられ、各取付け座部29aは、ネジ47による固定を可能にしている。
【0040】
更に、前述したストッパ手段33及び軸受部29を、左右いずれかに選択的に配置させるための寸法的な制約について説明する。例えば、図8に示すように、背面39に中央において、上側洗浄ノズル10用の洗浄水配管48と上側すすぎノズル11用のすすぎ水配管49が立ち上がっている場合、螺旋バネ34が各配管48,49に触れないようにするためには、左右の軸受部29,29の間隔を必要最小限の大きさにすることと、背面39の横幅に関して、配管スペースの左右に螺旋バネスペースを確保しておくことが好ましい。これによって、右コーナ設置タイプの食器洗浄機か左コーナ設置タイプの食器洗浄機のいずれかを製造する場合であっても、配管48,49のレイアウトを変更する必要がなく、コーナ設置タイプの食器洗浄機の生産性を著しく阻害することがない。
【0041】
【発明の効果】
本発明による食器洗浄機は、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、洗浄機本体側に設けられた本体側ガイドレールに沿って、ドアを昇降させることにより、洗浄機本体側に設けられた洗浄室の開閉を行う食器洗浄機において、本体側ガイドレールは、上下方向に延在すると共に、対面する一対の第1及び第2の案内面と、上下方向に延在すると共に、第1の案内面と第2の案内面とを連結して本体側ガイドレールに断面コ字状の本体側案内面を形成する第3の案内面とを有し、ドアの端部には、第1〜第3の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、本体側ガイドレールに沿って回転しながらドアの上下動を案内するドア側ガイドローラが取り付けられ、ドア側ガイドローラは、第1及び第2の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、ローラ本体から第3の案内面に向けて突出して、ドアの昇降時に第3の案内面に対し摺接可能な頂部と第3の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えたことにより、小型化を図りつつ、低コストを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食器洗浄機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した食器洗浄機のドアを開いた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示した食器洗浄機の側面図である。
【図4】図1に示した食器洗浄機の部分断面図である。
【図5】図1に示した食器洗浄機の平面図である。
【図6】本発明に係る食器洗浄機に適用するストッパ手段の要部拡大斜視図である。
【図7】図6に示したストッパ手段の側面図である。
【図8】図1に示した食器洗浄機の背面図である。
【図9】図1に示した食器洗浄機の要部拡大断面である。
【図10】本発明に係る食器洗浄機に適用するガイド手段を示す分解斜視図である。
【図11】ガイド手段の組付け完了後における図10のA矢視図である。
【図12】ガイド手段の組付け完了後における図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…食器洗浄機、61…本体側ガイドレール、62a…第1の案内面、63a…第2の案内面、64a…第3の案内面、66…本体側案内面、71…ドア側ガイドレール、72a…第4の案内面、73a…第5の案内面、74a…第6の案内面、76…ドア側案内面、78…ドア側ガイドローラ、80…本体側ガイドローラ、86,88…ローラ本体、86a,88a…転動面、87,89…突出部、87a,89a…突出部の頂部、B…洗浄機本体、D…ドア、S…洗浄室。
Claims (3)
- 前記洗浄機本体側に設けられた本体側ガイドレールに沿って、ドアを昇降させることにより、前記洗浄機本体側に設けられた洗浄室の開閉を行う食器洗浄機において、
前記本体側ガイドレールは、
上下方向に延在すると共に、対面する一対の第1及び第2の案内面と、
上下方向に延在すると共に、前記第1の案内面と前記第2の案内面とを連結して前記本体側ガイドレールに断面コ字状の本体側案内面を形成する第3の案内面とを有し、
前記ドアの端部には、第1〜第3の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、前記本体側ガイドレールに沿って回転しながら前記ドアの上下動を案内するドア側ガイドローラが取り付けられ、
前記ドア側ガイドローラは、
前記第1及び第2の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、
前記ローラ本体から前記第3の案内面に向けて突出して、前記ドアの昇降時に前記第3の案内面に対し摺接可能な頂部と前記第3の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えたことを特徴とする食器洗浄機。 - 前記本体側ガイドレールに対向して配置されたドア側ガイドレールは、
上下方向に延在すると共に、対面する一対の第4及び第5の案内面と、
上下方向に延在すると共に、前記第4の案内面と前記第5の案内面とを連結して前記ドア側ガイドレールに断面コ字状のドア側案内面を形成する第6の案内面とを有し、
前記洗浄機本体の端部には、第4〜第6の案内面で囲まれた空間内に挿入されて、前記ドア側ガイドレールに沿って回転しながら前記ドアの上下動を案内する本体側ガイドローラが取り付けられ、
前記本体側ガイドローラは、
前記第4及び第5の案内面に摺接する転動面をもったローラ本体と、
前記ローラ本体から前記第6の案内面に向けて突出して、前記ドアの昇降時に前記第6の案内面に対し摺接可能な頂部と前記第6の案内面との間に所定量のクリアランスを形成してなる山形状の突出部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。 - 山形状の前記突出部は、前記ローラ本体の周縁から前記第3又は第6の案内面に向けて円錐台形状に突出することを特徴とする請求項1又は2記載の食器洗浄機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002308913A JP2004141356A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 食器洗浄機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002308913A JP2004141356A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 食器洗浄機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004141356A true JP2004141356A (ja) | 2004-05-20 |
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ID=32454930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002308913A Pending JP2004141356A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 食器洗浄機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004141356A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101304969B1 (ko) | 2012-04-30 | 2013-09-06 | 린나이코리아 주식회사 | 식기세척기의 도어 개폐장치 |
JP2018091571A (ja) * | 2016-12-06 | 2018-06-14 | 株式会社ハーマン | 防熱板 |
US20210259507A1 (en) * | 2020-02-20 | 2021-08-26 | Illinois Tool Works Inc. | Dishwasher |
-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002308913A patent/JP2004141356A/ja active Pending
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JP2018091571A (ja) * | 2016-12-06 | 2018-06-14 | 株式会社ハーマン | 防熱板 |
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