JP2004140433A - 動画撮影可能な電子カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】動画撮影時におけるGPS情報の新たな利用形態を提案し、臨場感のある動画の記録及び再生を実現し得る電子カメラを提供する。
【解決手段】カメラ10に装着されたGPS装置32により、動画撮影中にGPS衛星から情報電波を受信し、撮影者(すなわち、カメラ10)の位置情報を取得する。一定の時間間隔で取得された複数の位置情報を基にCPU12はカメラ10の移動速度及び移動方向を算出する。こうして得られた移動情報は、画像信号処理回路50において撮影画像データに合成される。移動情報が付加された画像データは画像表示装置24に表示されるとともに、記録メディア30に記録される。なお、画面上における移動情報の合成場所は十字キー等の操作手段22からユーザが設定できる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子カメラに係り、特に動画撮影機能付きのデジタルカメラやビデオカメラなど動画撮影可能な電子カメラにおけるGPS(Global Positioning System )の利用技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
GPSを利用するカメラシステムについては、従来から数多く提案されている。例えば、特許文献1には、GPSを利用して撮影場所の情報を取得し、この位置情報を住所データに変換して画像とともにプリントするシステムが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開20001−61089号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の提案は主に静止画の撮影システムを対象とするものであり、動画撮影時におけるGPS情報の利用方法について提案しているものは少ない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、動画撮影時におけるGPS情報の新たな利用形態を提案し、臨場感のある動画の記録及び再生を実現し得る電子カメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係る動画撮影可能な電子カメラは、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を用いて被写体を連続撮影して得られた画像を動画として記録媒体に記録する記録手段と、を備えた電子カメラであって、GPS衛星からの電波を受信するGPS受信装置を介して取得された情報から移動速度及び移動方向のうち少なくとも一方を求める信号処理手段と、前記信号処理手段により得られた移動速度及び移動方向のうち少なくとも一方の移動情報を撮影画像に合成する合成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、カメラに内蔵又は外付け式に設けられたGPS受信装置により、動画撮影中にGPS衛星から情報電波を受信し、撮影者(すなわち、電子カメラ)の位置情報を取得する。ある時間間隔で取得された複数の位置情報を基に信号処理手段において電子カメラの移動速度及び移動方向のうち少なくとも一方の移動情報を算出する。こうして得られた移動情報は合成手段によって撮影画像の中に合成されて記録媒体に記録され、或いは表示手段に表示出力される。もちろん、撮影画像の記録と表示とを同時に行ってもよい。
【0008】
この発明は、移動しながら動画を撮影する場合において特に効果的であり、撮影時又は再生時において、撮影画像とともに撮影時の移動速度や移動方向といった情報が同時に表示されるので、臨場感のある映像を鑑賞できる。
【0009】
信号処理手段における移動情報の算出手順として、例えば、GPSから一定の時間間隔ごとに情報をリードし、得られたデータから緯度と経度を算出し、前回求めた緯度・経度と今回求めた緯度・経度から移動方向と移動距離を算出し、移動距離とリード間隔から移動速度を算出する。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記撮像手段から取得された動画の画像データに前記移動情報が合成され、前記移動情報が合成されたフレームを含む動画データが前記記録媒体に記録されることを特徴とする。
【0011】
本発明の動画撮影可能な電子カメラにおいて、上記構成に加えて、前記移動情報が合成された動画映像を表示する表示手段を備える態様も好ましい。
【0012】
本発明の更に他の態様によれば、前記GPS受信装置は、カメラ本体から分離可能な外付けユニットとなっていることを特徴とする。
【0013】
GPS受信装置については、同分野における技術進歩が目覚ましく、頻繁に新しい製品が市場投入されていることから、本発明においてGPS受信装置を外付けユニットとし、カメラ側にはGPS受信装置からの信号を受け取るインターフェース部を搭載しておくことにより、GPS受信装置のバージョンアップに容易に対応できるという利点がある。また、GPSを利用しないユーザにとっては、GPS受信装置を購入しないという選択も可能であり、カメラ本体の低価格化を実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る動画撮影可能な電子カメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図である。このカメラ10は、音声付き動画の記録及び再生機能を備えたデジタルカメラであり、カメラ10全体の動作は中央処理装置(CPU)12によって統括制御される。 CPU12は、所定のプログラムに従って本カメラシステムを制御する制御手段として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、移動速度や移動方向など各種演算を実施する演算手段として機能する。
【0016】
バス14を介してCPU12と接続されたROM16には、CPU12が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。また、メモリ(SDRAM)18は、プログラムの展開領域及びCPU12の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。なお、不揮発性記憶手段であるROM16は書き換え不能なものであってもよいし、EEPROMのように書き換え可能なものでもよい。
【0017】
カメラ10にはモード選択スイッチ20、撮影ボタン21、その他、メニュー/OKキー、十字キー、キャンセルキーなどの操作手段22が設けられている。これら各種の操作部(20〜22)からの信号はCPU12に入力され、CPU12は入力信号に基づいてカメラ10の各回路を制御し、例えば、レンズ駆動制御、撮影動作制御、画像処理制御、画像データの記録/再生制御、画像表示装置24の表示制御などを行う。
【0018】
モード選択スイッチ20は、撮影モードと再生モードとを切り換えるための操作手段である。モード選択スイッチ20を操作して可動接片20Aを接点aに接続させると、その信号がCPU12に入力され、カメラ10は画像の記録が可能な撮影モードに設定される。その一方、可動接片20Aを接点bに接続させると、カメラ10は記録済みの画像を再生する「再生モード」に設定される。
【0019】
撮影ボタン21は、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、動画撮影においては録画開始(スタート)/停止(ストップ)ボタンとして機能し、静止画撮影においてはレリーズボタンとして機能する。撮影ボタン21は、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
【0020】
メニュー/OKキーは、画像表示装置24の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作部であり、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示するボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの上/下キーは撮影時のズームスイッチ或いは再生時の再生ズームスイッチとして機能し、左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。キャンセルキーは、選択項目など所望の対象の消去や指示内容の取消し、或いは1つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
【0021】
画像表示装置24は、カラー表示可能な液晶ディスプレイで構成されている。画像表示装置24は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、記録済み画像を再生表示する手段として利用される。また、画像表示装置24は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。液晶ディスプレイに代えて、有機ELなど他の方式の表示装置(表示手段)を用いることも可能である。
【0022】
カメラ10は、2つのメディアソケット(メディア装着部)26,28を有し、それぞれのメディアソケット26,28に同種又は異種の記録メディア30を装着することができる。記録メディア30の形態は特に限定されず、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。
【0023】
本例では、第1のメディアソケット26に記録メディア30を装着し、第2のメディアソケット28にGPS装置32が装着されるものとする。本発明の実施に際しては、メディアソケットの個数は特に限定されない。また、画像データを記録する手段はリムーバブルメディアに限らず、カメラ10に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0024】
メディアコントローラ33は、メディアソケット26、28に装着される記録メディア30又はGPS装置32に適した入出力信号の受渡しを行うために所要の信号変換を行う。
【0025】
GPS装置32は、GPS受信機を内蔵した可搬型のGPS受信ユニットであり、カメラ10本体のメディアソケット28に対して着脱自在の構造を有している。メディアソケット28にGPS装置32が装着されると、CPU12はこれを検知してGPS制御回路34にコマンドを送る。GPS制御回路34はCPU12の指令に従ってGPS装置32を制御し、GPS衛星から電波を受信する処理を行う。
【0026】
GPS装置32から得られた信号はGPS位置変換回路36に送られ、ここで位置情報(緯度及び経度の情報)に変換される。GPS位置変換回路36で生成された位置情報はCPU12に送られ、CPU12において移動速度と移動方向が計算される。
【0027】
また、カメラ10はパソコンその他の外部機器と接続するための通信手段としてUSBインターフェース部37を備えている。図示せぬUSBケーブルを用いてカメラ10と外部機器を接続することにより、外部機器との間でデータの受渡しが可能となる。図1に示したメディアソケット28に装着されるGPS装置32に代えて、USBインターフェース部37に接続されるGPS装置を用いる態様も可能である。もちろん、通信方式はUSBに限らず、IEEE1394やBluetooth その他の通信方式を適用してもよい。
【0028】
次に、カメラ10の撮影機能について説明する。
【0029】
モード選択スイッチ20によって撮影モードが選択されると、CCD固体撮像素子(以下、CCDという。)38を含む撮像部に電源が供給され、撮影可能な状態になる。
【0030】
レンズユニット40は、撮影レンズと絞り兼用メカシャッターとを含む光学ユニットである。レンズユニット40は、CPU12によって制御されるモータドライバ42、43によって電動駆動され、ズーム制御、フォーカス制御及びアイリス制御が行われる。
【0031】
レンズユニット40を通過した光は、CCD38の受光面に結像される。CCD38の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造(ベイヤー、Gストライプなど)で配置されている。また、CCD38は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU12は、タイミングジェネレータ44を介してCCD38での電荷蓄積時間を制御する。なお、CCD38に代えてMOS型など他の方式の撮像素子を用いてもよい。
【0032】
CCD38の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU12の指令に従いタイミングジェネレータ44から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
【0033】
CCD38から出力された信号はアナログ処理部46に送られ、ここで各画素ごとのR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器47に加えられる。A/D変換器47は、順次入力するR、G、B信号をデジタル信号に変換して画像入力コントローラ48に出力する。
【0034】
画像信号処理回路50は、画像入力コントローラ48を介して入力するデジタルの画像信号をCPU12の指令に従って処理する。すなわち、画像信号処理回路50は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、輝度・色差信号生成回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、ホワイトバランス補正回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU12からのコマンドに従ってメモリ18を活用しながら所定の信号処理を行う。
【0035】
画像信号処理回路50に入力されたRGBの画像データは、画像信号処理回路50において輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr,Cb 信号)に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。画像信号処理回路50で処理された画像データはメモリ18に格納される。
【0036】
撮影画像を画像表示装置24にモニタ出力する場合、メモリ18から画像データが読み出され、バス14を介してビデオエンコーダ52に送られる。ビデオエンコーダ52は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して画像表示装置24に出力する。
【0037】
CCD74から出力される画像信号によってメモリ18内の画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号が画像表示装置24に供給されることにより、撮像中の映像がリアルタイムに画像表示装置24に表示される。撮影者は、画像表示装置に表示される映像(スルームービー画)によって撮影画角を確認できる。
【0038】
撮影ボタン21が押され、S1 スイッチがONすると、カメラ10はAE及びAF処理を開始する。すなわち、CCD38から出力された画像信号はA/D変換後に画像入力コントローラ48を介してAF検出回路54並びにAE/AWB検出回路55に入力される。
【0039】
AE/AWB検出回路55は、1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、分割エリアごとにRGB信号を積算する回路を含み、その積算値をCPU12に提供する。CPU12は、AE/AWB検出回路55から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。求めた露出値と所定のプログラム線図に従い、絞り値とシャッタースピードが決定され、これに従いCPU12はCCD38の電子シャッター及びアイリスを制御して適正な露光量を得る。
【0040】
また、AE/AWB検出回路55は、分割エリアごとにRGB信号の色別の平均積算値を算出し、その算出結果をCPU12に提供する。CPU12は、Rの積算値、Bの積算値、Gの積算値を得て、R/G及びB/Gの比を求め、これらR/G、B/Gの値と、AE演算による撮影EV値の情報に基づいてシーン判別(光源種の判別)を行い、シーンに適した所定のホワイトバランス調整値に従って、各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のアンプゲインを制御し、各色チャンネルの信号に補正をかける。なお、シーン判別においては、R/G、B/Gの値を利用するのに代えて、R−Y、B−Yなど色温度情報を用いてもよい。
【0041】
本カメラ10におけるAF制御は、例えば映像信号のG信号の高周波成分が極大になるようにフォーカシングレンズ(撮影レンズを構成するレンズ光学系のうちフォーカス調整に寄与する移動レンズ)を移動させるコントラストAFが適用される。すなわち、AF検出回路54は、G信号の高周波成分のみを通過させるハイパスフィルタ、絶対値化処理部、画面内(例えば、画面中央部)に予め設定されているフォーカス対象エリア内の信号を切り出すAFエリア抽出部、及びAFエリア内の絶対値データを積算する積算部から構成される。
【0042】
AF検出回路54で求めた積算値のデータはCPU12に通知される。CPU12は、AFモータ駆動用のモータドライバ43を制御してフォーカシングレンズを移動させながら、複数のAF検出ポイントで焦点評価値(AF評価値)を演算し、評価値が極大となるレンズ位置を合焦位置として決定する。そして、求めた合焦位置にフォーカシングレンズを移動させるようにモータドライバ43を制御する。なお、AF評価値の演算はG信号を利用する態様に限らず、輝度信号(Y信号)を利用してもよい。
【0043】
撮影ボタン21が押されると、S1 =ONによってAE/AF処理が行われ、S2 =ONによって記録用の撮影動作がスタートする。S2 =ONに応動して取得された画像データは画像信号処理回路50において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換され、ガンマ補正等の所定の処理が施された後、メモリ18に格納される。
【0044】
メモリ18に格納されたY/C信号は、圧縮伸張回路56によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、メディアコントローラ33を介して記録メディア30に記録される。例えば、静止画についてはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式、動画についてはモーションJPEG形式で記録される。
【0045】
モーションJPEG方式では、CCD38から取得した画像データを一旦、内部のメモリ18に記憶した後、画像信号処理回路50において輝度/色差信号(Y/C信号)に変換し、1画像内でJPEG圧縮しながら、外部の記録メディア30に一定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で静止画を連続的に保存していく。
【0046】
動画のファイル形式はモーションJPEGに限定されず、MPEGなど他のファイル形式を適用してもよい。MPEG方式の場合は、フレーム内圧縮及びフレーム間圧縮を行いながら外部の記録メディア30に連続的に記録する。
【0047】
動画撮影中には、いわゆる「山登り方式」の連続的なAF処理(コンティニアスAF)を行う。すなわち、フォーカシングレンズを光軸に沿って前後に微小移動させて、焦点評価値の増減方向をチェックしながら、AF評価値の極大点まで、徐々にフォーカシングレンズを移動させる。
【0048】
動画撮影時の音声はマイク60によって検出され、その検出信号(音声信号)は、A/D変換器62によってデジタル信号に変換され、音声信号処理回路64に送られる。音声信号処理回路64はバス14に接続されており、メモリ18を利用しながらCPU12の指令に従い音声データを所定の信号形式に変換する。こうして生成された音声データは、メモリ18に記憶され、画像データとともに圧縮伸張回路56で圧縮された後、記録メディア30に記録される。
【0049】
録画開始後に、もう一度撮影ボタン21を押下(S1 =ON)すると録画動作が停止する。なお、撮影ボタン21を押下継続している期間、録画動作を行い、押下解除により録画を停止させる態様や、録画開始後の一定時間で録画を自動停止させる態様などもある。
【0050】
モード選択スイッチ20により再生モードが選択されると、記録メディア30に記録されている最終の画像ファイル(最後に記録されたファイル)の圧縮データが読み出される。最後の記録に係るファイルが静止画ファイルの場合、この読み出された画像圧縮データは、圧縮伸張回路56を介して非圧縮のYC信号に伸張され、画像信号処理回路50及びビデオエンコーダ52を介して表示用の信号に変換された後、画像表示装置24に出力される。これにより、当該ファイルの画像内容が画像表示装置24の画面上に表示される。
【0051】
再生対象ファイルが動画ファイルの場合には、動画の先頭フレームが代表画像として表示され、動画再生開始の指示を受け付ける画面になる。動画の先頭フレームが表示されている状態で操作部から所定の操作(例えば、十字キーの下キー押下)を行うと、動画ファイルの再生処理がスタートし、画像表示装置24に動画映像が表示されるとともに、音声信号処理回路64において再生処理された音声データがD/A変換器66を介してスピーカ68に出力され、動画とともに記録した音声も再生される。
【0052】
静止画の一コマ再生中(動画の先頭フレーム再生中も含む。)に、十字キーの右キー又は左キーを操作することによって、再生対象のファイルを切り換えること(順コマ送り/逆コマ送り)ができる。コマ送りされた位置の画像ファイルが記録メディア30から読み出され、上記と同様にして静止画像や動画が画像表示装置24に再生表示される。
【0053】
次に、本例のカメラ10におけるGPS情報の利用方法について説明する。
【0054】
カメラ10は、動画撮影中に一定の時間間隔でGPS装置32から情報を取得し、カメラ10とともに移動している撮影者又はカメラ10を搭載した乗り物などの移動体の移動速度及び移動方向の情報(以下、移動情報と総称する。)を動画データとともに記録する手段を備えている。
【0055】
既述のとおり、GPS装置32から得られた信号はGPS位置変換回路36において位置情報に変換され、この位置情報を基にCPU12において移動速度と移動方向が計算される。図2に示すように、画像信号処理回路50には撮影画像の画面内に移動情報を表示させるための文字信号及び図形信号のうち少なくとも一方の信号(以下、移動情報信号という。)を生成する移動情報信号生成回路72と、この移動情報信号生成回路72で生成した移動情報信号を撮影画像信号74と合成する合成処理回路76が含まれている。
【0056】
CPU12で計算された移動速度及び移動方向のデータは画像信号処理回路50に送られ、当該データを基に移動情報信号生成回路72において移動情報信号が生成される。生成された移動情報信号は合成処理回路76に送られ、撮影画像信号74と合成される。このとき、移動情報信号は画面内の指定された位置に合成される。CPU12は、合成処理回路76における合成処理動作のON/OFFを指令する制御信号や、移動情報信号の合成位置を指定する制御信号を合成処理回路76に送り、合成処理回路76の動作を制御する。
【0057】
図3に移動情報の合成例を示す。図3においては、撮影画像80の画面左下隅部に移動方向を示す情報81が付加され、画面右下隅部に移動速度を示す情報82が付加されている。移動方向の情報81は、撮影画面の中心点84が向かっている方向を視覚的に提示するものであり、コンパス(羅針儀)を模した図形によって表示される。移動速度の情報82は、文字による数値表示が行われる。
【0058】
動画撮影中にGPS情報が定期的に取得されることにより、移動方向の情報81及び移動速度の情報82は随時更新される。もちろん、情報の表示形態は図3の例に限定されず、移動方向を文字で表示する態様や、速度メータを模した図形によって移動速度を表示する態様、更には、文字と図形を組み合わせた表示態様など適宜の変更が可能である。
【0059】
また、画面内における移動方向の情報81及び移動速度の情報82の表示位置は、ユーザが適宜指定することができる。表示位置の指定方法としては、予め用意された表示位置の候補の中から所望の位置を選択する構成でもよいし、画面内で任意の位置を指定する構成でもよい。更に、移動情報の表示パターン(形態)を複数設け、ユーザの選択に応じて表示方式を変更できるように構成する態様も好ましい。
【0060】
例えば、「移動方向のみを表示」/「移動速度のみを表示」/「両方を表示」というように表示内容の選択を受け付ける構成も可能であるし、移動方向についてのコンパス表示の図柄選択、移動速度表示についての文字色やフォントの選択、「時速」/「分速」/「秒速」或いは「キロメートル」/「マイル」などの単位選択を受け付ける構成もある。
【0061】
カメラ10は、撮影した動画データに移動情報を付加して記録するモード(「GPS情報モード」)と、移動情報を付加せずに動画データを記録するモード(「通常の動画モード」)と、を有しており、ユーザは、メニュー画面など所定のユーザインターフェースを利用して所望のモードを選択できる。ユーザは必要に応じて「GPS情報モード」と「通常の動画モード」とを使い分けて動画撮影を行うことができる。
【0062】
次に、上記の如く構成されたカメラ10の動作について説明する。
【0063】
図4は、カメラ10における動画撮影時の動作シーケンスを示すフローチャートである。動画撮影モードがスタートすると、カメラ10のCPU12は、まず、GPS情報モードがONに設定されているか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110においてGPS情報モードがOFFの場合には、ステップS112に進み、GPS情報を利用しない通常の動画モードに移行する。
【0064】
その一方、ステップS110においてGPS情報モードがONの場合には、ステップS114に進む。ステップS114では、撮影画面内において移動情報を合成する位置の指定を受け付ける。
【0065】
ユーザは十字キーその他の操作部を操作して移動情報の合成場所及び文字色などを指定する入力を行う(ステップS116)。CPU12は合成位置等の指定が確定したか否かを判定し(ステップS118))、NO(未確定)ならばステップS116に戻る。一方、ステップS118において合成位置等の指定が確定した場合には、ステップS120に進み、GPS装置32の接続判定を行う。
【0066】
CPU12は、メディアソケット28にGPS装置32が装着されているか否かを検出し(ステップS120)、未装着の場合には画像表示装置24にエラーメッセージを表示させ(ステップS122)、ユーザに対してGPS装置32の装着を促す。
【0067】
ステップS120においてGPS装置32が正しく接続されていることが検出されると、ステップS124に進み、撮影開始の指示の入力を待機する。ステップS124では撮影ボタン21のS1 スイッチの状態を判断し、S1 スイッチがOFFであればステップS124の処理を繰り返す。
【0068】
ステップS124においてS1 =ONが検出されると、AE/AF処理を実行するとともに、GPS装置32から情報をリードする処理を行い、位置データを正しく取得できたか否かの判定を行う(ステップS126)。位置データの取得に失敗した場合には、画像表示装置24にエラーメッセージを表示させる(ステップS128)。
【0069】
その一方、ステップS126において、位置データの取得に成功した場合には、得られた位置データをメモリ18に記憶するとともに、撮影ボタン21のS2 スイッチの状態を判定する(ステップS130)。S2 スイッチがOFFであればステップS130の処理を繰り返し、S2 =ONの入力を待つ。
【0070】
ステップ130においてS2 =ON検出されると、撮影を実行する(ステップ132)。撮影によって取得された画像データ(撮影データ)は、画像信号処理回路50において輝度/色差信号に変換される(ステップS134)。また、このとき、GPS装置32から情報をリードする処理を行い、位置データを正しく取得できたか否かの判定を行う(ステップS136)。位置データの取得に失敗した場合には、画像表示装置24にエラーメッセージを表示させる(ステップS138)。
【0071】
ステップS136において、位置データの取得に成功した場合には、得られた位置データと、メモリ18に記憶された直前の取得に係る位置データとから速度及び移動方向(進行方位)を計算する処理を行う(ステップS140)。そして、ステップS140の計算結果に基づいて移動情報信号を生成し、これを撮影画像データに合成する処理を行う(ステップS142)。
【0072】
ステップ142で生成された合成画像は、画像表示装置24に表示出力されるとともに、圧縮伸張回路56により圧縮され、記録メディア30に書き込まれる(ステップS144)。次いで、CPU12は撮影を終了するか否かの判定を行い、撮影を継続する場合にはステップS132に戻り、フレームレートを反映した一定の時間サイクルで上記の処理ステップS132〜ステップS146を繰り返す。
【0073】
撮影者が撮影ボタン21から撮影停止の操作を行うと、ステップS146において撮影終了の指令を検出したら、動画記録を終了する。
【0074】
こうして、本実施形態に係るカメラ10によって記録された動画データにはフレーム画像中に移動情報が合成されているため、当該動画データを再生すると、図3で説明したように、動画映像とともに移動情報が表示される。したがって、自動車や電車、飛行機など、特に高速で移動する乗り物に乗って撮影をした場合などにおいて、臨場感のある映像を鑑賞できる。
【0075】
〔実施形態の変形例1〕
図4のフローチャートでは、動画データの全フレームについて移動情報を合成したが、本発明の実施に際しては、全てのフレーム画像について移動情報を合成する必要はなく、動画記録中に一定の割合で移動情報の合成フレームを挿入する態様も可能である。
【0076】
例えば、奇数フレーム(フレーム番号が奇数のもの)には移動情報を付加し、偶数フレーム(フレーム番号が偶数のもの)には移動情報を付加しないものとする。再生時において移動情報を表示させるときには、動画データを全フレーム読み出し、移動情報が付加されていない偶数フレームの再生時においては、移動情報の表示エリア部分については直前又は直後のフレーム(奇数フレーム)の情報を再表示する処理を行う。つまり、移動情報の表示エリア部分については、2フレームに1回の割合で更新する。なお、このような表示制御を行う場合、移動情報の表示エリアは画面の隅部分に設定されていると処理が容易である。
【0077】
その一方、移動情報を表示させない選択を行った場合には、動画データのうち偶数フレームのみを読み出して再生する。または、動画データを全フレーム読み出し、移動情報が付加されている奇数フレームの再生時においては、移動情報の表示エリア部分については直前又は直後のフレーム(偶数フレーム)の情報を再表示する処理を行う。つまり、移動情報の表示エリア部分については、2フレームに1回の割合で更新する。これにより、再生時における移動情報の表示/非表示の切り換えを実現できる。
【0078】
再生時に移動情報を表示させるモードと表示させないモードとを切り換えるための操作手段(選択手段)をカメラ10に付加することにより、ユーザは必要に応じてこれらモードを使い分けることが可能になる。上記の議論は、2フィールドで1フレームを構成する場合においてフィールドごとに画像を記録する場合にも同様に適用可能であり、「奇数フレーム」、「偶数フレーム」という用語を「奇数フィールド」、「偶数フィールド」と置き換えることが可能である。
【0079】
また、移動情報を生成する処理シーケンスとして、最初の垂直ブランキング期間でGPS装置32から位置情報を取得し、次の垂直ブランキング期間で移動速度と移動方向を計算する処理を行い、更に次の垂直ブランキング期間で撮影画像への合成処理を行うという具合に、3Vに1回の割合(1Vは、CCD38の垂直駆動信号の周期を意味する。)で合成画像を生成する態様もある。
【0080】
移動情報の更新サイクルについては、適宜設計が可能である。毎フレーム更新を行うと、移動速度の数値表示が著しく変動し、観察し難くなることも予想されるので、ある程度更新のサイクルを長くして応答を鈍くすることが好ましい。実用上は1秒間に1回程度の更新サイクルで十分であると考えられる。この場合、30フレームに1回の割合で移動情報の合成画像が生成される。移動情報の更新サイクルが長くなるほど、CPU12の処理負担は軽減される。
【0081】
〔実施形態の変形例2〕
移動情報を動画の全フレームに書き込んだ上で、更に再生時において移動情報の表示/非表示を切り換え可能にする態様としては、以下のような方法がある。すなわち、動画の各フレームをハイビジョンサイズ(アスペクト比=9(縦):16(横))で記録し、通常のNTSC方式による表示(アスペクト比=3(縦):4(横))変換の際に切り落とされる左右の画面領域に移動情報を合成するものとする。これにより、ハイビジョン画角による再生表示のときには移動情報が表示され、NTSC方式による表示に切り換えたときには移動情報が非表示となる。
【0082】
〔実施形態の変形例3〕
上記実施の形態では動画のフレーム画像に移動情報を合成する例を述べたが、動画のフレームに移動情報を付加する態様としては、上記の例に限定されない。例えば、動画の各フレームについて付加情報をタグデータとして記録することができるファイルフォーマットを用いる場合には、動画記録時において移動情報をタグに記録する。かかる場合、再生時においてタグデータを読み込み、キャラクタジェネレータ等によって文字や図形の信号を生成し、これを画像と合成して表示する。
【0083】
また、モーションJPEGのように動画の各フレームについて付加情報を書くことはできないファイル形式を採用する場合においては、動画のフレーム番号と付加情報(移動情報)をリンクさせて別ファイルで保有する態様がある。この場合、再生時にリンクファイルを読んでキャラクタジェネレータ等によって文字情報を生成し、これを画像と合成して表示する。
【0084】
このように、画像とは別に移動情報をデータとして同一ファイル内に又は別ファイルに記録する態様によれば、再生時における移動情報の表示/非表示の切り換え処理が容易である。
【0085】
〔実施形態の変形例4〕
図1に示した例では、外付けタイプのGPS装置32を用いたが、本発明の実施に際しては、GPS装置をカメラに内蔵する態様も可能である。
【0086】
〔実施形態の変形例5〕
図1に示した例では、撮影した動画データを電子ファイルに変換して記録メディアに記録するデジタルカメラを説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、動画データを磁気テープの記録するビデオカメラについても本発明を適用できる。また、「カメラ」という製品名称に限定されず、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA、カメラ付きモバイルパソコンなどの携帯情報機器についても本発明を適用できる。この場合、カメラ部は携帯電話機等の本体から分離可能な着脱式(外付けタイプ)のものであってもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、動画撮影中にGPSから情報を取得し、移動速度及び移動方向のうち少なくとも一方の移動情報を画像データに合成するようにしたので、臨場感のある動画撮影が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子カメラの構成を示すブロック図
【図2】図1中の画像信号処理回路の要部構成を示すブロック図
【図3】移動情報が合成された画面の例を示す図
【図4】本例のカメラにおける動画撮影時の動作シーケンスを示すフローチャート
【符号の説明】
10…カメラ、12…CPU、18…メモリ、20…モード選択スイッチ、24…画像表示装置、26,28…メディアソケット、30…記録メディア、32…GPS装置、33…メディアコントローラ、34…GPS制御回路、36…GPS位置変換回路、50…画像信号処理回路、72…移動情報信号生成回路、76…合成処理回路、81…移動方向の情報、82…移動速度の情報

Claims (4)

  1. 被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記撮像手段を用いて被写体を連続撮影して得られた画像を動画として記録媒体に記録する記録手段と、を備えた電子カメラであって、
    GPS衛星からの電波を受信するGPS受信装置を介して取得された情報から移動速度及び移動方向のうち少なくとも一方を求める信号処理手段と、
    前記信号処理手段により得られた移動速度及び移動方向のうち少なくとも一方の移動情報を撮影画像に合成する合成手段と、
    を備えたことを特徴とする動画撮影可能な電子カメラ。
  2. 前記撮像手段から取得された動画の画像データに前記移動情報が合成され、前記移動情報が合成されたフレームを含む動画データが前記記録媒体に記録されることを特徴とする請求項1記載の動画撮影可能な電子カメラ。
  3. 前記移動情報が合成された動画映像を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の動画撮影可能な電子カメラ。
  4. 前記GPS受信装置は、カメラ本体から分離可能な外付けユニットとなっていることを特徴とする1、2又は3記載の動画撮影可能な電子カメラ。
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