JP2004140312A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁基体の側面に外部電極用の凹部を形成することによって外部電極を多数形成すると、絶縁基体の外形寸法が大きくなってしまい、回路基板上への高密度実装の要求に十分に応えられない。
【解決手段】セラミックスから成る絶縁基体1の内部に複数の配線導体3を有するとともに、絶縁基体1の下面および側面に複数の配線導体3が電気的に接続された複数の外部電極2を備えた配線基板において、外部電極2は、絶縁基体1の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極2aと、絶縁基体1の下面の外周部に第1の外部電極2aと交互に配置して形成された第2の外部電極2bとで構成されている配線基板である。絶縁基体1の側面に多数の凹部を形成する必要がなくなり、電子部品の高集積化に対応する多数の外部電極2を絶縁基体1の外形寸法を大きくすることなく設けることができ、高密度の電極接続ができるものとなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁基体の下面等の外周部に外部電極が配置され、この外部電極が外部電気回路基板に接続される配線基板に関するものであり、詳細には、外部電極の外部電気回路基板に対する接続信頼性が良好な配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子・容量素子等の電子部品が搭載される配線基板は、一般に、酸化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁材料から成り、上面に電子部品が搭載される絶縁基体と、タングステン・モリブデン・銅・銀等の金属材料から成り絶縁基体の表面および内部に被着された配線導体と、配線導体が接続され、絶縁基体の側面から下面にかけて導体を被着させることにより形成された外部電極とにより形成されている。
【0003】
なお、外部電極のうち、絶縁基体の側面に形成される部分は、導体の被着が容易であることから、通常、絶縁基体の側面に溝状の凹部を設けておき、この凹部の内壁面に導体を被着させることにより形成された、いわゆるキャスタレーション導体タイプのものが一般的である。
【0004】
この配線基板は、絶縁基体の上面に電子部品を搭載し、その電極を配線導体に半田やボンディングワイヤ等を介して接続することにより電子装置として完成する。
【0005】
そして、絶縁基体に形成した外部電極を外部電気回路基板の端子に半田等を介して接続することにより、電子部品が配線導体を介して外部電気回路基板と電気的に接続される。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−37251号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近時、半導体素子等の電子部品の高集積化に伴い、外部電気回路と接続する外部電極の数が、例えば5mm×5mmの半導体素子で50端子以上と、著しく増大する傾向がある。
【0008】
しかしながら、絶縁基体の側面に外部電極用の凹部を形成する場合は、隣接する凹部に形成された外部電極の導体間での電気絶縁性を確保するとともに、絶縁基体の外周部の機械的強度の劣化を防ぐためには、凹部の隣接間隔を0.5mm以上確保する必要があることから、外部電極を多数形成する場合に、これに応じて一定の隣接間隔を確保しながら多数の凹部を形成する必要があるため、絶縁基体の外形寸法が大きくなってしまい、回路基板上への高密度実装の要求に十分に応えられないという問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、半導体素子等の電子部品が搭載される配線基板について、その外形寸法を大きくすることなく外部電極を多数個、高密度に配置して形成することが可能で、半導体素子等の電子部品の高集積化ならびに回路基板への高密度実装への対応が可能な、高機能かつ小型の配線基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板は、セラミックスから成る絶縁基体の内部に複数の配線導体を有するとともに、前記絶縁基体の下面および側面に複数の前記配線導体が電気的に接続された複数の外部電極を備えた配線基板において、前記外部電極は、前記絶縁基体の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極と、前記絶縁基体の下面の外周部に前記第1の外部電極と交互に配置して形成された第2の外部電極とで構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の配線基版は、上記構成において、前記第1の外部電極の前記絶縁基体の側面に位置する部位の幅は、前記側面の両端に位置するものの幅が他のものの幅よりも大きいことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の配線基版は、上記構成において、前記絶縁基体の側面の両端に位置するものの幅が他のものの幅に対して1.2倍乃至2.5倍となっていることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の配線基版は、上記構成において、前記第1の外部電極の前記絶縁基体の前記側面に位置する部位は、前記絶縁基体の前記側面に前記下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成されており、かつ前記凹部のうち前記絶縁基体の一つの角部に位置するものの形状が、他の角部に位置するものの形状と異なることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の配線基版は、上記構成において、前記第1の外部電極の前記絶縁基体の前記側面に位置する部位は、前記絶縁基体の前記側面に前記下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成されており、かつ前記凹部のうち前記絶縁基体の前記側面の両端に位置するものの深さが他のものの深さよりも深いことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の配線基板によれば、外部電極は、前記絶縁基体の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極と、前記絶縁基体の下面の外周部に前記第1の外部電極と交互に配置して形成された第2の外部電極とで構成されていることから、形成しようとする外部電極の総数に対し、その約1/2のみを絶縁基体の下面から側面にかけて形成するようにすればよく、絶縁基体の側面に多数の凹部を形成する必要がなくなり、電子部品の高集積化に対応する多数の外部電極を、絶縁基体の外形寸法を大きくすることなく設けることができる。
【0016】
これにより第1および第2の外部電極を合わせて外部電極を高密度に形成することができ、高密度の電極接続ができるものとなる。
【0017】
また本発明の配線基板によれば、第1および第2の外部電極を回路基板に半田を介して接続する場合に、第1の外部電極と接合する半田が、第1の外部電極のうち絶縁基体の側面に形成された部位に沿ってメニスカスを形成するため、この第1の外部電極において回路基板との良好な半田接合状態が得られ、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度を確保することができる。
【0018】
また本発明の配線基板によれば、第1の外部電極の絶縁基体の側面に位置する部位の幅について、側面の両端に位置するものの幅を他のものの幅よりも大きくしておくと、この絶縁基体の側面の両端に位置する第1の外部電極と半田との接合を非常に大きなものとすることができ、第1および第2の外部電極を回路基板に半田を介して接続する場合に、配線基板の絶縁基体と回路基板との熱膨張係数の差により生じる熱応力が最も大きく作用する両端の第1の外部電極と回路基板との半田を介しての接合を維持することができ、第1の外部電極において回路基板とのより一層良好な半田接合状態が得られ、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度をより一層確実に確保することができる。
【0019】
また本発明の配線基板によれば、側面の両端に位置する第1の外部電極の幅を他のものの幅に対して1.2倍乃至2.5倍となるようにして大きくしておくと、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度をさらに確実に確保することができる。
【0020】
また、本発明の配線基板によれば、第1の外部電極の絶縁基体の側面に位置する部位を、絶縁基体の前記側面に下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成するとともに、この凹部のうち絶縁基体の一つの角部に位置するものの形状を、他の角部に位置するものの形状と異なるようにしておくことにより、この異なる形状の外部電極を、配線基板に半田を印刷する際の位置決めマークとして利用することが可能となり、半田を外部電極に被着させるとき等の位置合わせを容易に行なうことができる。
【0021】
さらに、本発明の配線基板によれば、第1の外部電極の絶縁基体の側面に位置する部位を、絶縁基体の側面に下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成するとともに、この凹部のうち絶縁基体の側面の両端に位置するものの深さを他のものの深さよりも深いものとしておくことにより、この絶縁基体の側面の両端に位置する第1の外部電極と半田との接合部の大きさおよび接合の強度を非常に大きなものとすることができ、第1および第2の外部電極を回路基板に半田を介して接続する場合に、配線基板の絶縁基体と回路基板との熱膨張係数の差により生じる熱応力が最も大きく作用する両端の第1の外部電極と回路基板との半田を介しての接合を維持することができ、第1の外部電極において回路基板とのより一層良好な半田接合状態が得られるので、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度をより一層確実に確保することができる。
【0022】
従って、本発明によれば、絶縁基体の外形寸法を大きくすることなく多数の外部電極を形成することができるとともに、この外部電極と外部の回路基板との間で十分な半田接合強度を確保することができ、また好適な構成とした場合には半田の位置合わせを容易に行なうことも可能となり、半導体素子の高集積化ならびに回路基板への高密度実装への対応が可能な、高機能かつ小型の配線基板を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の配線基板を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1および図2は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す下面図および断面図である。
【0025】
図1および図2において、1は絶縁基体、2は外部電極、3は配線導体であり、これら絶縁基体1・外部電極2および配線導体3により配線基板4が構成されている。
【0026】
絶縁基体1は半導体素子や容量素子等の電子部品を搭載支持するための支持体として機能し、図1および図2に示した例では上面に電子部品の搭載部を有している。
【0027】
絶縁基体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体やムライト質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体・炭化珪素質焼結体等のセラミック絶縁材料やガラスセラミックス焼結体、または絶縁性樹脂、あるいは絶縁性樹脂とセラミックス等の無機絶縁体粉末との混合物等から成る。絶縁基体1が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合は、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダや可塑剤・溶剤等を添加混合して泥漿物を作り、その泥漿物からドクターブレード法やカレンダーロール法によってグリーンシート(生シート)と成し、しかる後、絶縁基体1となるグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれらを積層し、約1600℃の温度で焼成することによって作製される。
【0028】
この絶縁基体1の下面および側面には複数の外部電極2が形成されており、この外部電極2を外部の回路基板に半田を介して接合することにより配線基板4が回路基板に接続される。なお、絶縁基体1の側面には溝状の凹部が形成されており、この溝状の凹部には、後述するように、外部電極2となる導体の一部が被着されている。このような凹部は、例えば、1枚のグリーンシートに複数の配線基板4の絶縁基体1となる領域を設定し、それらの境界にそって貫通孔を形成しておき、積層した後にその境界に沿って個々の絶縁基体1に分割することにより、貫通孔も分割されて絶縁基体1の側面に凹部が形成されることとなる。
【0029】
絶縁基体1には、電子部品が搭載される上面から下面にかけて、配線導体3が形成されている。
【0030】
この配線導体3は、絶縁基体1がセラミックスから成る場合には通常メタライズ配線が、また樹脂や樹脂と無機絶縁材料粉末とから成る場合は金属ペーストの焼結体が用いられ、電子部品が搭載される搭載部の周辺から絶縁基体1の側面にかけて複数個の配線導体3が被着形成され、あるいはビア導体等の貫通導体として形成されて導出される。このような配線導体3の材料としては金・銅・モリブデン・タングステン・マンガン・白金・パラジウム・ロジウムやこれらの合金等を用いることができ、例えば、これらの粉末に適当な有機バインダや可塑剤・溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを絶縁基体1となるグリーンシートの表面または側面等に従来周知のスクリーン印刷法等により所定パターンに印刷塗布しておくことにより、焼成後に絶縁基体1の所定位置に所定パターンに形成される。
【0031】
そして、絶縁基体1の上面に電子部品を搭載し、電子部品の電極をボンディングワイヤや半田等を介して配線導体3の露出部位に接続し、外部電極2を外部の回路基板に半田を介して接続することにより、電子部品が外部の電気回路と接続される。
【0032】
なお、この外部電極2も、上述の配線導体3と同様の材料、および形成方法により形成することができ、例えば、金・銅・モリブデン・タングステン・マンガン・白金・パラジウム・ロジウムやこれらの合金等の粉末に適当な有機バインダや可塑剤・溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、絶縁基体1となるグリーンシートのうち絶縁基体1の下面の外周部となる部位および凹部の内壁面等に、従来周知のスクリーン印刷法等により所定パターンに印刷塗布しておくことにより形成される。
【0033】
この場合、図1および図2に示すように、本発明の配線基板4において、外部電極2を絶縁基体1の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極2aと、絶縁基体1の下面の外周部に第1の外部電極2aと交互に配置して形成された第2の外部電極2bとで構成することが重要である。
【0034】
このように外部電極2を絶縁基体1の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極2aと、絶縁基体1の下面の外周部に第1の外部電極2aと交互に配置して形成された第2の外部電極2bとで構成することから、配線基板4の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極2aを絶縁基体1の側面に形成された凹部に設ける場合においては、凹部の個数に対して2倍の個数の外部電極2を設けることができ、高密度の電極接続ができるものとなる。
【0035】
また、第1の外部電極2aは絶縁基体1の下面の外周部から側面にかけて形成されていることから、この第1の外部電極2aを外部の回路基板に半田接続した場合に、絶縁基体1の側面に形成されている部位で半田に良好な形状のメニスカスを形成させることができ、半田と第1の外部電極2aとの接合強度を十分に確保することができる。
【0036】
また、第2の外部電極2bは、絶縁基体1の下面の外周部にのみ形成され、側面には形成されていないことから、絶縁基体1の側面に、例えば多数の溝状の凹部を形成する必要なく外部電極2の総個数を大きなものとすることができ、絶縁基体1が大型化することを効果的に防止することができる。
【0037】
本発明の配線基板4では、このような第1の外部電極2aと第2の外部電極2bとを交互に配置させ、その個数をほぼ同数ずつとすることにより、絶縁基体1の外形寸法を大きくすることなく外部電極2を多数個、高密度で形成することを可能とするとともに、配線基板の回路基板に対する接続信頼性を確保することを可能としている。
【0038】
この場合、第1の外部電極2aと第2の外部電極2bとは、交互に配置することが重要である。このように配置することにより、第1の外部電極2aの十分な接合強度によって、配線基板4の全域でほぼ均一に回路基板に対する半田接続の強度を確保することができる。
【0039】
このような第1および第2の外部電極2a・2bとしては、例えば、第1の電極2aは、絶縁基体1の側面に断面形状が直径が0.3mm乃至0.7mmの半円状の凹部を設け、この凹部の内壁面の全面に導体を被着させるとともに、この凹部内壁面の導体と接続するようにして、絶縁基体1の下面の外周部に、四角形状、例えば、辺の長さが0.3mm乃至1mm程度の長方形や正方形状に導体を被着させることにより形成されたものが、配線基板4の小型化および外部の回路基板に対する接続強度を確保する上で、好適に用いることができる。
【0040】
第2の外部電極2bは、その面積を、第1の外部電極2aのうち絶縁基体1の下面の外周部に位置する部位の面積に対して1倍乃至2倍程度としておくことが好ましい。このような面積とすることにより、第2の外部電極2bと半田との接合強度を十分に確保するとともに、第1の外部電極2aと第2の外部電極2bとの間で極端な半田との接合強度の差を生じることがなく、配線基板4の回路基板に対する接続の信頼性をより一層確実に確保することができる。
【0041】
第2の外部電極2bは、通常であれば、設計や生産性が容易であるため、第1の外部電極2aのうち絶縁基体1の下面の外周部に位置する部位と同形または相似形として形成することが好ましい。
【0042】
また、上記のような大きさで第1および第2の外部電極2a・2bを形成するとともに、第1の外部電極2a同士の間隔が0.5mm以上となるようにしておくと、絶縁基体1の外縁部で機械的強度の低下を生じることがなく、同時に、絶縁基体1の外形寸法を大きくすることなく外部電極2を多数個、高密度で形成することが可能となるとともに、配線基板4の回路基板に対する良好な接続信頼性を確保することができる。
【0043】
第1および第2の外部電極2a・2bは、絶縁基体1の下面での厚みを、例えば、ともに10μm乃至30μmの厚みとなるように、同じ厚みで形成することが好ましい。第1および第2の外部電極2a・2bを同じ厚みとしておくと、各外部電極2と回路基板との距離(間隔)を同じとすることができ、半田の接続強度に偏りが生じたりすることを効果的に防止することができ、配線基板4としての回路基板に対する実装の信頼性をより一層高くすることができる。
【0044】
また、第1および第2の外部電極2a・2bは、四角形状の外周の各角部を円弧状に丸めておくと、角部において絶縁基体1との間で剥がれ等が生じることを効果的に防止することができ、配線基板4としての信頼性をより一層優れたものとすることができる。従って、第1および第2の外部電極2a・2bは、四角形状の外周の各角部を円弧状に丸めておくことが好ましい。
【0045】
また、本発明の配線基板においては、図3に本発明の配線基板の実施の形態の他の例を図1と同様の下面図で示すように、第1の外部電極2aの絶縁基体1の側面に位置する部位の幅は、側面の両端に位置するものの幅を他のものの幅よりも大きくすることが好ましい。なお、図3において図1および図2と同一の部位には同一の符号を付している。
【0046】
これにより、第1および第2の外部電極2a・2bを回路基板に半田を介して接続する場合に、絶縁基体1の側面の両端の第1の外部電極2aの回路基板に対する半田接続の強度を、他の外部電極以上に非常に大きなものとすることができる。従って、第1の外部電極2aにおいて回路基板とのより一層良好な半田接合状態が得られ、配線基板4と回路基板との半田を介しての十分な接合強度を確保することができる。
【0047】
なお、この場合の側面の両端に位置する第1の外部電極2aの幅は、他のものの幅に対して1.2倍乃至2.5倍とすることがなお一層好ましい。
【0048】
側面の両端に位置する第1の外部電極2aの幅が、他のものの幅の1.2倍未満では、半田実装時の応力を十分緩和することが困難となり、また、2.5倍を超えると、外部電極2が大きくなるに伴い配線基板4の大きさも大きくする必要があるため、配線基板4の小型化が困難となる。
【0049】
さらに、図4に本発明の配線基板の実施の形態の他の例を図1および図3と同様の下面図で示すように、第1の外部電極2aの絶縁基体1の側面に位置する部位は、絶縁基体1の側面に下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成されており、かつ凹部のうち絶縁基体1の一つの角部に位置するものの形状が、他の角部に位置するものの形状と異なるものとすることが好ましい。なお、図4において図1および図2と同一部位には同一符号を付している。
【0050】
このことにより、この異なる形状の第1の外部電極2aを、配線基板4に半田を印刷する際の位置決めマークとして利用することができるので、半田印刷の位置合わせを容易にすることができる。
【0051】
このように、第1の外部電極2aが形成される凹部のうち絶縁基体1の一つの角部に位置するものの形状を他の角部に位置するものの形状と異なるものとした例としては、例えば、一つの角部に位置するものを、平面視で楕円円弧状または略三角形状とするとともに他の角部に位置するものを円弧状としたものや、各角部に位置するものを略円弧状とするとともに、一つの角部に位置するものについて、その半径を異なるようにしたもの等が挙げられる。
【0052】
なお、このように第1の外部電極2aが形成される凹部の形状を異ならせて形成するには、凹部となる貫通孔を絶縁基体1となるグリーンシートに形成する際に、異なる横断面形状の打ち抜きピンを用いて打ち抜くことによって貫通孔の横断面形状を異ならせる等の方法を用いることができる。
【0053】
また、図5に本発明の配線基板の実施の形態の他の例を図1・図3および図4と同様の下面図で示すように、第1の外部電極2aの絶縁基体1の側面に位置する部位は、絶縁基体1の側面に下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成されており、かつ凹部のうち絶縁基体1の側面の両端に位置するものの深さが他のものの深さよりも深いものとすることが好ましい。なお、図5において図1乃至図4と同一部位には同一符号を付している。
【0054】
このことにより、第1および第2の外部電極2a・2bを回路基板に半田を介して接続する場合に、絶縁基体1の側面の両端の第1の外部電極2aの回路基板に対する半田接続の強度を、他の外部電極以上に非常に大きなものとすることができる。従って、絶縁基体1の側面の両端に位置する第1の外部電極2aにおいて回路基板とのより一層良好な半田接合状態が得られ、配線基板4と回路基板との半田を介しての十分な接合強度をより一層確実に確保することができる。
【0055】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を施すことは何ら差し支えない。
【0056】
例えば、絶縁基体の積層数を増やして、第1の外部電極2aに接続される側面に導出する配線導体を上・中・下の3段やそれ以上に分ける構成とすると、多数の第1の外部電極2aを配置することができ、より高密度の表面実装にも対応できるものとなる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の配線基板によれば、外部電極は、前記絶縁基体の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極と、前記絶縁基体の下面の外周部に前記第1の外部電極と交互に配置して形成された第2の外部電極とで構成されていることから、形成しようとする外部電極の総数に対し、その約1/2のみを絶縁基体の下面から側面にかけて形成するようにすればよく、絶縁基体の側面に多数の凹部を形成する必要がなくなり、電子部品の高集積化に対応する多数の外部電極を、絶縁基体の外形寸法を大きくすることなく設けることができる。
【0058】
これにより第1および第2の外部電極を合わせて外部電極を高密度に形成することができ、高密度の電極接続ができるものとなる。
【0059】
また本発明の配線基板によれば、第1および第2の外部電極を回路基板に半田を介して接続する場合に、第1の外部電極と接合する半田が、第1の外部電極のうち絶縁基体の側面に形成された部位に沿ってメニスカスを形成するため、この第1の外部電極において回路基板との良好な半田接合状態が得られ、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度を確保することができる。
【0060】
また本発明の配線基板によれば、第1の外部電極の絶縁基体の側面に位置する部位の幅について、側面の両端に位置するものの幅を他のものの幅よりも大きくしておくと、この絶縁基体の側面の両端に位置する第1の外部電極と半田との接合を非常に大きなものとすることができ、第1および第2の外部電極を回路基板に半田を介して接続する場合に、配線基板の絶縁基体と回路基板との熱膨張係数の差により生じる熱応力が最も大きく作用する両端の第1の外部電極と回路基板との半田を介しての接合を維持することができ、第1の外部電極において回路基板とのより一層良好な半田接合状態が得られ、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度をより一層確実に確保することができる。
【0061】
また本発明の配線基板によれば、側面の両端に位置する第1の外部電極の幅が他のものの幅に対して1.2倍乃至2.5倍となるようにして大きくしておくと、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度をさらに確実に確保することができる。
【0062】
また本発明の配線基板によれば、第1の外部電極の絶縁基体の側面に位置する部位を、絶縁基体の前記側面に下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内により形成するとともに、この凹部のうち絶縁基体の一つの角部に位置するものの形状を、他の角部に位置するものの形状と異なるようにしておくことにより、この異なる形状の外部電極を、配線基板に半田を印刷する際の位置決めマークとして利用することが可能となり、半田を外部電極に被着させるとき等の位置合わせを容易に行なうことができる。
【0063】
さらに、本発明の配線基板によれば、第1の外部電極の絶縁基体の側面に位置する部位を、絶縁基体の側面に下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成するとともに、この凹部のうち絶縁基体の側面の両端に位置するものの深さを他のものの深さよりも深いものとしておくことにより、この絶縁基体の側面の両端に位置する第1の外部電極と半田との接合部の大きさおよび接合の強度を非常に大きなものとすることができ、第1および第2の外部電極を回路基板に半田を介して接続する場合に、配線基板の絶縁基体と回路基板との熱膨張係数の差により生じる熱応力が最も大きく作用する両端の第1の外部電極と回路基板との半田を介しての接合を維持することができ、第1の外部電極において回路基板とのより一層良好な半田接合状態が得られるので、配線基板と回路基板との半田を介しての十分な接合強度をより一層確実に確保することができる。
【0064】
従って、本発明によれば、絶縁基体の外形寸法を大きくすることなく多数の外部電極を形成することができるとともに、この外部電極と外部の回路基板との間で十分な半田接合強度を確保することができ、また好適な構成とした場合には半田の位置合わせを容易に行なうことも可能となり、半導体素子の高集積化ならびに回路基板への高密度実装への対応が可能な、高機能かつ小型の配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す下面図である。
【図2】本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す下面図である。
【図4】本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す下面図である。
【図5】本発明の配線基板の実施の形態の他の例を示す下面図である。
【符号の説明】
1・・・・・絶縁基体
2・・・・・外部電極
2a・・・第1の外部電極
2b・・・第2の外部電極
3・・・・・配線導体
4・・・・・配線基板

Claims (5)

  1. セラミックスから成る絶縁基体の内部に複数の配線導体を有するとともに、前記絶縁基体の下面および側面に複数の前記配線導体が電気的に接続された複数の外部電極を備えた配線基板において、前記外部電極は、前記絶縁基体の下面の外周部から側面にかけて形成された第1の外部電極と、前記絶縁基体の下面の外周部に前記第1の外部電極と交互に配置して形成された第2の外部電極とで構成されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記第1の外部電極の前記絶縁基体の側面に位置する部位の幅は、前記側面の両端に位置するものの幅が他のものの幅よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記側面の両端に位置するものの幅が他のものの幅に対して1.2倍乃至2.5倍となっていることを特徴とする請求項2記載の配線基板。
  4. 前記第1の外部電極の前記絶縁基体の前記側面に位置する部位は、前記絶縁基体の前記側面に前記下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成されており、かつ前記凹部のうち前記絶縁基体の一つの角部に位置するものの形状が、他の角部に位置するものの形状と異なることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  5. 前記第1の外部電極の前記絶縁基体の前記側面に位置する部位は、前記絶縁基体の前記側面に前記下面から上面に向けて形成された溝状の凹部内に形成されており、かつ前記凹部のうち前記絶縁基体の前記側面の両端に位置するものの深さが他のものの深さよりも深いことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
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