JP2004140170A - 接着用熱伝導性フィルム及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高熱伝導性を有しながら、接着性及び耐リフロー性に優れる接着用フィルム及びそれを用いて半導体チップとフレームとを接着した半導体装置を提供する。
【解決手段】接着用フィルムに貫通孔を作製し、前記貫通孔に熱伝導性ペーストを充填した接着用熱伝導性フィルムを用いて、半導体チップとフレームとを接着して半導体装置とする。
【選択図】 なし
【解決手段】接着用フィルムに貫通孔を作製し、前記貫通孔に熱伝導性ペーストを充填した接着用熱伝導性フィルムを用いて、半導体チップとフレームとを接着して半導体装置とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高熱伝導性で接着性、耐リフロー性に優れる接着用フィルム及びそれを用いて半導体チップとフレームとを接着した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気機器、電子機器に用いられる半導体装置は、小型化及び高性能化に伴い、演算で消費する電力を速やかに放熱する必要がある。そこで、半導体チップを搭載するフレームを通して放熱する方式が提案され、鉛含有はんだを用いて実用化されている。また近年の環境問題の高まりによって、鉛含有はんだの代替が望まれており、高熱伝導性の充填材を含有するフィルムまたはペーストを用いた接着方式が提案されている。またフレームに半導体チップを接着した半導体装置は、封止材によって成型され、リフロー炉を用いてプリント配線板に実装される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
半導体チップからの熱を速やかにフレームへ伝熱するには、その間に高熱伝導性材料が必要である。高熱伝導性フィルムまたはペーストの熱伝導率を高くするには高熱伝導性の充填材量を増加する方法があるが、充填材量を増加すると半導体チップとフレームの接着力が低下し、吸湿した半導体装置をプリント配線板に実装する場合、リフロー時に半導体装置に膨れが生じる問題がある。
本発明は、高熱伝導性を有しながら、接着性及び耐リフロー性に優れる接着用フィルム及びそれを用いて半導体チップとフレームとを接着した半導体装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
半導体チップとフレームの間を結びつける熱伝導路を作製し、その周りに接着剤を用いることで、高熱伝導性と接着力の両立ができる。また熱伝導路の作製にペーストを用いることで、熱伝導路と半導体チップ界面及びフレーム界面の接着力も期待できる。
本発明者は、上記考察により、高熱伝導性の充填材量を増加した場合に半導体チップとフレームの接着力が低下する欠点を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】
本発明は次のものに関する。
(1) 接着用フィルムに貫通孔を作製し、前記貫通孔に熱伝導性ペーストを充填した接着用熱伝導性フィルム。
(2) 接着用フィルム及び熱伝導性ペーストが熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする(1)に記載の接着用熱伝導性フィルム。
(3) 熱伝導性ペーストが10W/mK以上の熱伝導率を有する充填材を含有することを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
(4) 請求項2記載の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
(5) 請求項3記載の充填材が銀であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルムを用いて、半導体チップとフレームとを接着して作製されることを特徴とする半導体装置。
【0006】
【本発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる接着用フィルムに貫通孔を作製する方法としては、レーザー、ドリル、パンチ金型、ドライエッチング、ウエットエッチングなどが挙げられる。上記貫通孔に熱伝導性ペーストを充填する方法は、スクリーン印刷、スキージ印刷、ディスペンサーなどが挙げられる。
本発明で用いる接着用フィルム及び熱伝導性ペーストとしては、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。該熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂などが挙げられる。硬化後の耐熱性及び接着力が良い点で、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂が特に好ましく用いられる。
【0007】
本発明で用いる熱伝導性ペーストの充填材としては、10W/mK以上の熱伝導率を有することが好ましい。該充填材としては、金、銀、銅、アルミ、ニッケル、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、酸化亜鉛、ダイヤモンド、グラファイトなどが挙げられる。種々の形状に加工し易く、熱伝導率が高い点で、銀が特に好ましく用いられる。
【0008】
本発明の半導体装置を作製する方法は、上記熱伝導性ペーストを貫通孔に充填した接着用フィルムを所定の大きさに切断後、該フィルムをフレームに載せ、次に半導体チップを載せ、該半導体装置を加熱状態で、加圧する。または接着用フィルムをフレームに接着後、該フィルムに貫通孔を作製し、熱伝導性ペーストを貫通孔に充填後、半導体チップを載せ、該半導体装置を加熱状態で、加圧する。上記方法のいずれかの後、封止材によって、半導体装置を成型する。
【0009】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのものに限定されるものではない。
(実施例1)
膜厚50μmのエポキシ樹脂含有ポリイミドフィルム(日立化成工業(株)製ダイボンディングフィルム DF−440)にレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が90重量%であるアクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを該接着フィルムの貫通孔に充填して、接着用熱伝導性フィルムを得た。該フィルムを8mm×8mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、厚さ400μmで8mm×8mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該半導体装置を温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、接着力試験用サンプルとした。また該接着用熱伝導性フィルムを8mm×10mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、厚さ400μmで8mm×10mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付け後、該半導体装置を温度180℃で1時間加熱して、該接着フィルムを硬化した。その後、該半導体装置を樹脂(日立化成工業(株)製封止材 CEL−9200N)で成型し、更に温度180℃で5時間硬化させ、耐リフロー性試験用サンプルとした。
【0010】
(実施例2)
膜厚50μmのエポキシ樹脂含有ポリイミドフィルム(日立化成工業(株)製ダイボンディングフィルム DF−440)を8mm×8mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、該接着用フィルムにレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が90重量%であるアクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを該接着用フィルムの貫通孔に充填した。該フィルム上に厚さ400μmで8mm×8mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該半導体装置を温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、接着力試験用サンプルとした。また該エポキシ樹脂含有ポリイミドフィルムを8mm×10mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、該接着用フィルムにレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、該アクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを該接着用フィルムの貫通孔に充填した。該フィルム上に厚さ400μmで8mm×10mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付け後、該半導体装置を温度180℃で1時間加熱して、該接着フィルムを硬化した。その後、該半導体装置を樹脂(日立化成工業(株)製封止材 CEL−9200N)で成型し、更に温度180℃で5時間硬化させ、耐リフロー性試験用サンプルとした。
【0011】
(比較例1)
エポキシ樹脂含有ポリイミドフィルム(日立化成工業(株)製ダイボンディングフィルム DF−440)用ワニスに、銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が塗工乾燥後に90重量%になるよう配合し、らいかい機を用いて混合した。該銀含有ワニスを離型剤付きPETフィルムに、乾燥後の膜厚が50μmになるように塗工し、温度150℃で30分間乾燥して、90重量%の銀含有フィルムを得た。該フィルムを実施例1と同様にして、接着力試験用サンプル及び耐リフロー性試験用サンプルを作製した。
【0012】
(比較例2)
銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が90重量%であるアクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを、ディスペンサーを用いて銀メッキ付き銅フレーム上に、半導体チップの貼り付け後のペースト厚が50μmになるように塗布後、厚さ400μmで8mm×8mmの半導体チップを載せ、該半導体装置を温度180℃で5時間加熱して、該ペーストを硬化し、接着力試験用サンプルとした。また該ペーストを、ディスペンサーを用いて銀メッキ付き銅フレーム上に、半導体チップの貼り付け後のペースト厚が50μmになるように塗布後、厚さ400μmで8mm×10mmの半導体チップを載せ、該半導体装置を温度180℃で1時間加熱して、該ペーストを硬化した。該半導体装置を樹脂(日立化成工業(株)製封止材 CEL−9200N)で成型し、更に温度180℃で5時間硬化させ、耐リフロー性試験用サンプルとした。
【0013】
評価方法
(接着力)
自動接着力試験装置(日立化成工業(株)製)を用いて、温度250℃で20秒間後における半導体チップの引き剥がし強さ(N/チップ)を測定した。
【0014】
(耐リフロー性)
恒温恒湿槽を用いて、所定の条件で吸湿させたサンプルをIRリフロー炉(タムラ製)によりリフロー(温度240℃、10秒間、3回)処理した。
(熱伝導率)
実施例1及び比較例1で作製した厚さ50μmで10mm×10mmの接着用熱伝導性フィルムを厚さ2mmで30mm×30mmのアルミニウム板の中心に合わせて貼り付け後、厚さ35μmで10mm×10mmの圧延銅箔を載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該サンプルを温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、熱伝導率測定用サンプルとした。
【0015】
実施例2では、厚さ50μmで10mm×10mmの接着用フィルムを上記アルミニウム板の中心に合わせて貼り付け後、該接着用フィルムにレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、実施例2に記載の高熱伝導性ペーストを該接着用フィルムの貫通孔に充填した。該フィルム上に上記圧延銅箔を載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該サンプルを温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、熱伝導率測定用サンプルとした。また比較例2記載の高熱伝導性ペーストを、ディスペンサーを用いて上記アルミニウム板上に、上記圧延銅箔の貼り付け後のペースト厚が50μmになるように塗布後、上記圧延銅箔を載せ、該サンプルを温度180℃で5時間加熱して、該ペーストを硬化し、熱伝導率測定用サンプルとした。
【0016】
これらの熱伝導率測定用サンプルの圧延銅箔上にトランジスタ(2SC2233)をはんだで固着し、アルミニウム板側が放熱ブロックと接するようにして放熱ブロック上に置き、トランジスタに電流を通じ、次式によって熱伝導率を算出した。
熱伝導率(W/mK)=(A/B)×(C/D)
A:印加電力(W)
B:トランジスタ温度と放熱ブロック温度の差(K)
C:熱伝導性フィルム又はペーストの厚さ(m)
D:熱伝導性フィルム又はペーストの面積(m2)
実施例1、2及び比較例1、2のサンプルを上記方法で評価した結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1及び実施例2は、比較例1及び比較例2と比較して、半導体チップの引き剥がし強さが高く、吸湿後のリフロー処理において半導体装置成型品の膨れが観察されない。また熱伝導率も高いことから、接着用熱伝導性フィルムとして有効である。
【0017】
【表1】
*耐リフロー性:OK=成型品に膨れなし。NG=成型品に膨れあり。
【0018】
【発明の効果】
本発明による接着用熱伝導性フィルム及びそれを用いた半導体装置は、高い信頼性を有し、工業的に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高熱伝導性で接着性、耐リフロー性に優れる接着用フィルム及びそれを用いて半導体チップとフレームとを接着した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気機器、電子機器に用いられる半導体装置は、小型化及び高性能化に伴い、演算で消費する電力を速やかに放熱する必要がある。そこで、半導体チップを搭載するフレームを通して放熱する方式が提案され、鉛含有はんだを用いて実用化されている。また近年の環境問題の高まりによって、鉛含有はんだの代替が望まれており、高熱伝導性の充填材を含有するフィルムまたはペーストを用いた接着方式が提案されている。またフレームに半導体チップを接着した半導体装置は、封止材によって成型され、リフロー炉を用いてプリント配線板に実装される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
半導体チップからの熱を速やかにフレームへ伝熱するには、その間に高熱伝導性材料が必要である。高熱伝導性フィルムまたはペーストの熱伝導率を高くするには高熱伝導性の充填材量を増加する方法があるが、充填材量を増加すると半導体チップとフレームの接着力が低下し、吸湿した半導体装置をプリント配線板に実装する場合、リフロー時に半導体装置に膨れが生じる問題がある。
本発明は、高熱伝導性を有しながら、接着性及び耐リフロー性に優れる接着用フィルム及びそれを用いて半導体チップとフレームとを接着した半導体装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
半導体チップとフレームの間を結びつける熱伝導路を作製し、その周りに接着剤を用いることで、高熱伝導性と接着力の両立ができる。また熱伝導路の作製にペーストを用いることで、熱伝導路と半導体チップ界面及びフレーム界面の接着力も期待できる。
本発明者は、上記考察により、高熱伝導性の充填材量を増加した場合に半導体チップとフレームの接着力が低下する欠点を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】
本発明は次のものに関する。
(1) 接着用フィルムに貫通孔を作製し、前記貫通孔に熱伝導性ペーストを充填した接着用熱伝導性フィルム。
(2) 接着用フィルム及び熱伝導性ペーストが熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする(1)に記載の接着用熱伝導性フィルム。
(3) 熱伝導性ペーストが10W/mK以上の熱伝導率を有する充填材を含有することを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
(4) 請求項2記載の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
(5) 請求項3記載の充填材が銀であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルムを用いて、半導体チップとフレームとを接着して作製されることを特徴とする半導体装置。
【0006】
【本発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる接着用フィルムに貫通孔を作製する方法としては、レーザー、ドリル、パンチ金型、ドライエッチング、ウエットエッチングなどが挙げられる。上記貫通孔に熱伝導性ペーストを充填する方法は、スクリーン印刷、スキージ印刷、ディスペンサーなどが挙げられる。
本発明で用いる接着用フィルム及び熱伝導性ペーストとしては、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。該熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂などが挙げられる。硬化後の耐熱性及び接着力が良い点で、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂が特に好ましく用いられる。
【0007】
本発明で用いる熱伝導性ペーストの充填材としては、10W/mK以上の熱伝導率を有することが好ましい。該充填材としては、金、銀、銅、アルミ、ニッケル、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、酸化亜鉛、ダイヤモンド、グラファイトなどが挙げられる。種々の形状に加工し易く、熱伝導率が高い点で、銀が特に好ましく用いられる。
【0008】
本発明の半導体装置を作製する方法は、上記熱伝導性ペーストを貫通孔に充填した接着用フィルムを所定の大きさに切断後、該フィルムをフレームに載せ、次に半導体チップを載せ、該半導体装置を加熱状態で、加圧する。または接着用フィルムをフレームに接着後、該フィルムに貫通孔を作製し、熱伝導性ペーストを貫通孔に充填後、半導体チップを載せ、該半導体装置を加熱状態で、加圧する。上記方法のいずれかの後、封止材によって、半導体装置を成型する。
【0009】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのものに限定されるものではない。
(実施例1)
膜厚50μmのエポキシ樹脂含有ポリイミドフィルム(日立化成工業(株)製ダイボンディングフィルム DF−440)にレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が90重量%であるアクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを該接着フィルムの貫通孔に充填して、接着用熱伝導性フィルムを得た。該フィルムを8mm×8mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、厚さ400μmで8mm×8mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該半導体装置を温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、接着力試験用サンプルとした。また該接着用熱伝導性フィルムを8mm×10mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、厚さ400μmで8mm×10mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付け後、該半導体装置を温度180℃で1時間加熱して、該接着フィルムを硬化した。その後、該半導体装置を樹脂(日立化成工業(株)製封止材 CEL−9200N)で成型し、更に温度180℃で5時間硬化させ、耐リフロー性試験用サンプルとした。
【0010】
(実施例2)
膜厚50μmのエポキシ樹脂含有ポリイミドフィルム(日立化成工業(株)製ダイボンディングフィルム DF−440)を8mm×8mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、該接着用フィルムにレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が90重量%であるアクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを該接着用フィルムの貫通孔に充填した。該フィルム上に厚さ400μmで8mm×8mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該半導体装置を温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、接着力試験用サンプルとした。また該エポキシ樹脂含有ポリイミドフィルムを8mm×10mmに切断し、銀メッキ付き銅フレーム上に貼り付け後、該接着用フィルムにレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、該アクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを該接着用フィルムの貫通孔に充填した。該フィルム上に厚さ400μmで8mm×10mmの半導体チップを載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付け後、該半導体装置を温度180℃で1時間加熱して、該接着フィルムを硬化した。その後、該半導体装置を樹脂(日立化成工業(株)製封止材 CEL−9200N)で成型し、更に温度180℃で5時間硬化させ、耐リフロー性試験用サンプルとした。
【0011】
(比較例1)
エポキシ樹脂含有ポリイミドフィルム(日立化成工業(株)製ダイボンディングフィルム DF−440)用ワニスに、銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が塗工乾燥後に90重量%になるよう配合し、らいかい機を用いて混合した。該銀含有ワニスを離型剤付きPETフィルムに、乾燥後の膜厚が50μmになるように塗工し、温度150℃で30分間乾燥して、90重量%の銀含有フィルムを得た。該フィルムを実施例1と同様にして、接着力試験用サンプル及び耐リフロー性試験用サンプルを作製した。
【0012】
(比較例2)
銀(福田金属箔粉工業(株)製 AgC−A)が90重量%であるアクリル樹脂含有高熱伝導性ペーストを、ディスペンサーを用いて銀メッキ付き銅フレーム上に、半導体チップの貼り付け後のペースト厚が50μmになるように塗布後、厚さ400μmで8mm×8mmの半導体チップを載せ、該半導体装置を温度180℃で5時間加熱して、該ペーストを硬化し、接着力試験用サンプルとした。また該ペーストを、ディスペンサーを用いて銀メッキ付き銅フレーム上に、半導体チップの貼り付け後のペースト厚が50μmになるように塗布後、厚さ400μmで8mm×10mmの半導体チップを載せ、該半導体装置を温度180℃で1時間加熱して、該ペーストを硬化した。該半導体装置を樹脂(日立化成工業(株)製封止材 CEL−9200N)で成型し、更に温度180℃で5時間硬化させ、耐リフロー性試験用サンプルとした。
【0013】
評価方法
(接着力)
自動接着力試験装置(日立化成工業(株)製)を用いて、温度250℃で20秒間後における半導体チップの引き剥がし強さ(N/チップ)を測定した。
【0014】
(耐リフロー性)
恒温恒湿槽を用いて、所定の条件で吸湿させたサンプルをIRリフロー炉(タムラ製)によりリフロー(温度240℃、10秒間、3回)処理した。
(熱伝導率)
実施例1及び比較例1で作製した厚さ50μmで10mm×10mmの接着用熱伝導性フィルムを厚さ2mmで30mm×30mmのアルミニウム板の中心に合わせて貼り付け後、厚さ35μmで10mm×10mmの圧延銅箔を載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該サンプルを温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、熱伝導率測定用サンプルとした。
【0015】
実施例2では、厚さ50μmで10mm×10mmの接着用フィルムを上記アルミニウム板の中心に合わせて貼り付け後、該接着用フィルムにレーザー加工法などで、穴径100μmの貫通孔を50μm間隔で作製した。次に、ディスペンサーを用いて、実施例2に記載の高熱伝導性ペーストを該接着用フィルムの貫通孔に充填した。該フィルム上に上記圧延銅箔を載せ、温度250℃、圧力0.12MPa、時間5秒で貼り付けた。その後、該サンプルを温度180℃で5時間加熱して、該接着フィルムを硬化し、熱伝導率測定用サンプルとした。また比較例2記載の高熱伝導性ペーストを、ディスペンサーを用いて上記アルミニウム板上に、上記圧延銅箔の貼り付け後のペースト厚が50μmになるように塗布後、上記圧延銅箔を載せ、該サンプルを温度180℃で5時間加熱して、該ペーストを硬化し、熱伝導率測定用サンプルとした。
【0016】
これらの熱伝導率測定用サンプルの圧延銅箔上にトランジスタ(2SC2233)をはんだで固着し、アルミニウム板側が放熱ブロックと接するようにして放熱ブロック上に置き、トランジスタに電流を通じ、次式によって熱伝導率を算出した。
熱伝導率(W/mK)=(A/B)×(C/D)
A:印加電力(W)
B:トランジスタ温度と放熱ブロック温度の差(K)
C:熱伝導性フィルム又はペーストの厚さ(m)
D:熱伝導性フィルム又はペーストの面積(m2)
実施例1、2及び比較例1、2のサンプルを上記方法で評価した結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1及び実施例2は、比較例1及び比較例2と比較して、半導体チップの引き剥がし強さが高く、吸湿後のリフロー処理において半導体装置成型品の膨れが観察されない。また熱伝導率も高いことから、接着用熱伝導性フィルムとして有効である。
【0017】
【表1】
*耐リフロー性:OK=成型品に膨れなし。NG=成型品に膨れあり。
【0018】
【発明の効果】
本発明による接着用熱伝導性フィルム及びそれを用いた半導体装置は、高い信頼性を有し、工業的に有用である。
Claims (6)
- 接着用フィルムに貫通孔を作製し、前記貫通孔に熱伝導性ペーストを充填した接着用熱伝導性フィルム。
- 接着用フィルム及び熱伝導性ペーストが熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の接着用熱伝導性フィルム。
- 熱伝導性ペーストが10W/mK以上の熱伝導率を有する充填材を含有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
- 請求項2記載の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
- 請求項3記載の充填材が銀であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の接着用熱伝導性フィルムを用いて、半導体チップとフレームとを接着して作製されることを特徴とする半導体装置。
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