JP2004140098A - 半導体レーザバーの固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体レーザバーの歪みや電流密度の不均一による半導体レーザバーの特性の変化や劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバーの固定方法を提供する。
【解決手段】半導体レーザバー11が、第2固定板13の半導体レーザバー11側への荷重付加により第1固定板112、第2固定板13に挟持されるため、これらが密着される。また、第2固定板13の貫通孔100を通して半導体レーザバー11上に半田塊135が載置されるため、この半田塊135が密着を妨げない。そして半田蒸着面17,20,26,27が溶融されて半田層を介して半導体レーザバー11が導通固定されるとともに、半田塊135が溶融されて半導体レーザバー11と第2固定板13の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、この半田層が空隙なく均一化される。
【選択図】 図6
【解決手段】半導体レーザバー11が、第2固定板13の半導体レーザバー11側への荷重付加により第1固定板112、第2固定板13に挟持されるため、これらが密着される。また、第2固定板13の貫通孔100を通して半導体レーザバー11上に半田塊135が載置されるため、この半田塊135が密着を妨げない。そして半田蒸着面17,20,26,27が溶融されて半田層を介して半導体レーザバー11が導通固定されるとともに、半田塊135が溶融されて半導体レーザバー11と第2固定板13の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、この半田層が空隙なく均一化される。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザバーの固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の1面に並列されてなる半導体レーザバーが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このような半導体レーザバーの固定方法としては、ワイヤボンディング型とサンドイッチ型とがある。ワイヤボンディング型では、1枚の固定板上に半導体レーザバーが固定され、半導体レーザバーの電極と固定板上のリード端子等の間が金線や金リボン等によりボンディングされる。一方、サンドイッチ型では、金属からなる2枚の固定板間の間隙の一方側に半導体レーザバーが、他方側に半導体レーザバーと同じ厚みを有する絶縁体からなるダミー板が各々半田層を介して接合されることにより固定され、これら固定板が各々電極とされる。
【特許文献1】
特開平2−281782号公報
【特許文献2】
特開平11−121859号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ワイヤボンデイング型で固定された半導体レーザバーは、金線等が細いために大電流を流すことができないという問題がある。また、サンドイッチ型で固定された半導体レーザバーは、大電流を流すことができるものの、固定板間に介装される半導体レーザバーとダミー板の厚みを正確に同一とすることが難しいため、半導体レーザバーと固定板との間に隙間ができ、密着性が悪くなって電流供給障害を引き起こしたり、半導体レーザバーに歪みが生じて特性が変化したりするという問題がある。さらに、半導体レーザバーと上部固定板の間の半田層に気泡等の空隙による接触不良箇所を生じる場合があり、このような接触不良個所が生じると、個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度が均一にならないため、半導体レーザ発光部毎の明るさが異なったり、寿命の短縮をきたしたりするなど半導体レーザバーの特性の劣化を起こすという問題がある。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、半導体レーザバーの歪みや個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバーの特性の変化や劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバーの固定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面側の貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面と接触するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上に、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部を通して半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板、および、第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0006】
これによれば、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。また、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部を通して半導体レーザバー上に半田塊が載置されるため、この半田塊が半導体レーザバーと第2固定板との密着を妨げる影響を与えない。そして半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間が密着されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、この半田層が空隙なく均一化される。
【0007】
また、本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面に凹部を有する第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板の凹部内部に半田塊を保持させる半田保持工程と、第2固定板を、第2固定板の半田塊を保持する凹部が半導体レーザバ−の他方の電極面と接触するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0008】
これによれば、第2固定板は半田塊を保持する凹部が半導体レーザバーに面するように載置されて、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることがなく、かつ、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0009】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し、当該半田蒸着面に凹部または当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、第2固定板の凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面上に載置された半田塊と面するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0010】
これによれば、第2固定板は凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバー上の半田塊に面するように載置され、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることがなく、かつ、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0011】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、半田塊が第2固定板の端部より外側に位置するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0012】
これによれば、半導体レーザバー上に載置された半田塊を避けるように第2固定板が載置されるので、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する力を半田塊より受けることがなく、かつ、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0013】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、第2固定板の端部が半導体レーザバーの他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上で、第2固定板の端部より外側に半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0014】
これによれば、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。また、第2固定板を避けるように半田塊が半導体レーザバー上に載置されるので、半田塊が第2固定板と半導体レーザバーとの密着を妨げる影響を与えない。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0015】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し端部に当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上で、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部に面する部分に貫通孔もしくは貫通凹部を通して半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0016】
これによれば、ダミー板の厚みが半導体レーザバーの厚みより厚いために、第2固定板のダミー板側に荷重が付加されることにより、ダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。また、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部を通して半導体レーザバー上に半田塊が載置されるため、この半田塊が半導体レーザバーと第2固定板との間隙を変化させる影響を与えない。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0017】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面の端部に凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板の凹部内部に半田塊を保持させる半田保持工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の半田塊を保持する凹部が半導体レーザバーの他方の電極面と対向するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板、第1固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0018】
これによれば、第2固定板は半田塊を保持する凹部が半導体レーザバーに面するように載置され、第2固定板のダミー板側に荷重が付加されるため、半導体レーザバーの厚みより厚いダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることなく、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0019】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面の端部に、凹部または当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面上に載置された半田塊と面するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0020】
これによれば、第2固定板は、凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバー上の半田塊に面するように載置され、この第2固定板のダミーバー側に荷重が付加されるため、半導体レーザバーの厚みよりも厚いダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることなく、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0021】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、半導体レーザバーの他方の電極面上に載置された半田塊が第2固定板の端部より外側に位置するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0022】
これによれば、半導体レーザバー上に載置された半田塊を避けるように第2固定板が載置され、第2固定板のダミー板側に荷重が付加されるので、半導体レーザバーの厚みよりも厚いダミー板と第1、第2固定板とが容易に密着されるとともに、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する力を半田塊より受けることなく、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0023】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の端部が半導体レーザバーの他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上で、第2固定板の端部より外側に半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0024】
これによれば、ダミー板の厚みが半導体レーザバーの厚みより厚いために、第2固定板のダミー板側に荷重を付加することにより、ダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。また、第2固定板を避けるように半田塊が半導体レーザバー上に載置されるので、半田塊が第2固定板と半導体レーザバーとの間隔を変化させる影響を与えない。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0025】
ここで、荷重付加工程において、さらに半導体レーザバーに荷重を付加して半導体レーザバーと第1固定板とを密着させてもよい。これにより、半導体レーザバーと第1固定板とが密着される。
【0026】
さらに、第2固定板は、端部に半田蒸着面とこの裏面を貫通する第2貫通孔もしくは第2貫通凹部を有し、荷重付加工程において、さらに第2貫通孔もしくは第2貫通凹部を貫通する治具により半導体レーザバーに荷重を付加して半導体レーザバーと第1固定板とを密着させてもよい。これにより、半導体レーザバーと第1固定板とが密着される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る半導体レーザバーの固定方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0028】
図1は、第1実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA1−A1矢視図、(c)は(a)のB1−B1矢視図である。この半導体レーザバーユニット1は、四角柱をなし半導体レーザ発光部15が並列された半導体レーザバー11と、これを挟持して固定するとともに電極となるサブマウントベース(第1固定板)112およびアッパープレート(第2固定板)13とを有している。
【0029】
図1(a)、(b)に示すように、半導体レーザバー11はその半導体レーザ発光部15が外側を向くように配置され、半導体レーザバー11とアッパープレート13、半導体レーザバー11とサブマウントベース112は、各々半田層48,49を介して電気的に導通された状態で密着固定され、また、アッパープレート13は半導体レーザバー11との対向面に貫通孔100を有し、この貫通孔100内部に半田層48と連結する半田充填部105が形成されている。
【0030】
つぎに、この半導体レーザバーユニット1の製造方法を説明する。まず、準備工程において、半導体レーザバー11、サブマウントベース112、および、アッパープレート13を用意する。
【0031】
半導体レーザバー11は、図2(a)に示すように、軸方向に長い四角柱で、端面を除く1面に複数の半導体レーザ発光部15が軸方向に並列され、この半導体レーザ発光部15が並列されている面と隣接する一対の周方向の対向面が各々半導体レーザバー電極面26,27として半田蒸着されている。
【0032】
サブマウントベース112は、図2(b)に示すように、金属からなる矩形平板であり、固定面側(上面側)の一方側に半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27に相当する領域のサブマウントベース蒸着面17が半田蒸着されている。
【0033】
アッパープレート13は、図2(c)に示すように、金属からなる矩形平板であり、固定面側(下面側)の一方側に半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に対応する領域がアッパープレート蒸着面20として半田蒸着されている。また、アッパープレート13は、アッパープレート蒸着面20とその裏面を貫通する複数の貫通孔100をアッパープレート蒸着面20の延在方向に並列して有している。
【0034】
このような部材の準備が完了したら、第1載置工程において、図3に示すように、サブマウントベース112を、サブマウントベース蒸着面17を上にし、サブマウントベース112の上面以外を取り囲むようにして、治具31により治具32に対して固定する。つぎに、図4に示すように、半導体レーザバー11を、半導体レーザ発光部15が外側を向きかつ半導体レーザバー電極面27がサブマウントベース112のサブマウントベース蒸着面17と接触するように、サブマウントベース112上に載置する。
【0035】
つぎに、第2載置工程において、アッパープレート13を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触するように載置する。つぎに、半田塊載置工程において、このアッパープレート13の各々の貫通孔100を通して、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する。
【0036】
つぎに、荷重付加工程において、図5(a)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26とほぼ同じ大きさの底面を有し、貫通孔100に対向する部分が切り欠かれている加圧治具133で、図5(b)に示すように、アッパープレート13上面の半導体レーザバー11側に下方向(図示C方向)の荷重を付加する。
【0037】
この時、図6(a)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース112のサブマウントベース蒸着面17が密着されるとともに、半田塊135が貫通孔100内に挿入されているのでアッパープレート13に付加される荷重に抗する応力を半田塊135がアッパープレート13に及ぼすことがなく、このアッパープレート13のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26も密着される。
【0038】
つぎに、熱処理工程において、窒素中で上述の荷重を付加した状態でこれらのサブマウントベース112等をオーブンに投入し、所定の温度(約185℃)まで加熱する。これにより、アッパープレート13のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26、および、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース112のサブマウントベース蒸着面17が溶融して、図1に示すように、各々半田層48,49が形成される。さらに、アッパープレート13の貫通孔100内の半田塊135が溶融して、半導体レーザバー11とアッパープレート13との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流れ込み、この半田層48が空隙なく均一化される。
【0039】
そして、冷却工程において、窒素中で荷重を付加した状態でこれらのサブマウントベース112等を冷却する。これにより、半田が固化し、半導体レーザバー11とアッパープレート13が、空隙なく均一化された半田層48を介して電気的に導通された状態で密着接合されるとともに、半導体レーザバー11とサブマウントベース112も電気的に導通された状態で半田層49を介して密着接合される。
【0040】
このように、半導体レーザバー11と電極板であるアッパープレート13、サブマウントベース112とが密着されて導通固定されるとともに、アッパープレート13と半導体レーザバー11との間の半田層48に場合によっては生じる空隙に半田塊135の溶融分が流入し、空隙のない均一な半田層48を介してこれらが導通固定されるので、半導体レーザバー11の歪みや個々の半導体レーザ発光部15に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバー11の特性の変化・劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバー11の固定方法を提供できる。
【0041】
また、半導体レーザバー11、サブマウントベース112、および、アッパープレート13の互いの接合に全て半田を採用しているので、全ての接合が1回の高温処理工程と冷却工程で同時に達成され、省力化がなされている。また、半田の熱収縮率が低いので、冷却工程における半導体レーザバー11の歪みや位置ずれの発生が防止されている。
【0042】
つぎに、図7を参照して、第2実施形態の半導体レーザバーユニット2を説明する。この半導体レーザバーユニット2は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13に、さらに貫通孔100に連設される一対のスリット141を各々貫通孔100に対応して設けたアッパープレート43を採用している。
【0043】
この半導体レーザバーユニット2の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート43を用意する。そして、第1実施形態と同様の第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、一対のスリット141を有する全ての貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する(図8参照)。そして、第1実施形態と同様の荷重付加工程、高温処理工程、冷却工程を実施する。
【0044】
これにより、本実施形態においても第1実施形態と同様の作用効果が奏されるのに加えて、スリット141を備えているため、溶融した半田が、スリット141に連接される空隙にも流入するので、第1実施形態に比してより広い範囲にわたって半田層48を均一化することが可能となっている。
【0045】
つぎに、図9を参照して、第3実施形態の半導体レーザバーユニット3を説明する。この半導体レーザバーユニット3は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11に対向する部分に複数の貫通凹部51を有するアッパープレート53を採用している。この貫通凹部51は、図10(a)に示すように、アッパープレート蒸着面20と周方向に隣接する端面側が開放されて成る。
【0046】
この半導体レーザバーユニット3の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート53とを用意し、第1実施形態と同様な第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田載置工程において、図10に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に貫通凹部51を通して半田塊135を各々載置する。そして、第1実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0047】
つぎに、図11を参照して、第4実施形態の半導体レーザバーユニット4を説明する。この半導体レーザバーユニット4は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11と対向する面に複数の凹部170が半導体レーザバー11の軸方向に並列されたアッパープレート73を採用している。
【0048】
この半導体レーザバーユニット4の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート73を用意する。そして、半田保持工程において、アッパープレート73の凹部170内に溶融半田を流入して固化させ、図12(b)に示すような、半田保持部172を形成する。
【0049】
つぎに、第1実施形態と同様の第1載置工程を実施したのち、第2載置工程で、図12に示すように、アッパープレート73を、半田保持部172を有する凹部170が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と面するように載置する。
【0050】
つぎに、第1実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、アッパープレート73が当該アッパープレート73に付加される荷重に抗する応力を半田保持部172より受けることなく、アッパープレート73のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26が密着される。
【0051】
つぎに、第1実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田保持部172の半田が溶融されて重力落下し、凹部170と面する半導体レーザバー11上に溜まり、半導体レーザバー11とアッパープレート73との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流入して、アッパープレート73と半導体レーザバー11とが空隙のない均一な半田層48により密着される。そして、これに対して第1実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0052】
したがって、第4実施形態による半導体レーザバーユニット4の固定方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
つぎに、第5実施形態による半導体レーザバーユニット4の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット4の製造方法は、まず、第4実施形態と同様の準備工程において半導体レーザバー11とサブマウントベース112とアッパープレート73とを用意し、第4実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図13(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、複数の半田塊135を半導体レーザバー11の軸方向に並列するように載置する。そして、第2載置工程において、図13に示すように、アッパープレート73を、凹部170が半導体レーザバー電極面26上の半田塊135を各々覆うように載置する。
【0054】
つぎに、第4実施形態と同様の荷重付加工程を行う。この時、アッパープレート73は凹部170が半導体レーザバー電極面26上の半田塊135を覆うように載置されているため、アッパープレート73が当該アッパープレート73に付加される荷重に抗する応力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート73のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26とが密着される。
【0055】
つぎに、第4実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて半導体レーザバー11とアッパープレート73との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流入し、図11に示すように、半導体レーザバー11とアッパープレート73が空隙のない均一な半田層48により密着される。そして、これに対して第4実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0056】
したがって、第5実施形態による半導体レーザバーユニット4の固定方法によれば、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
つぎに、図14を参照して、第6実施形態による半導体レーザバーユニット5を説明する。この半導体レーザバーユニット5は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13の貫通孔100がなく、サブマウントベース112に対して合わせたときにその半導体レーザバー11側の端部(端面)191が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように小さくされたアッパープレート93を採用している。
【0058】
この半導体レーザバーユニット5の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート93を用意する。そして、第1実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図15(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する。そして、第2載置工程において、アッパープレート93を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触し、かつ、半田塊135がアッパープレート93の端部191の外側に位置するように載置する。
【0059】
つぎに、第1実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、半導体レーザバー11上に載置された半田塊135を避けるようにアッパープレート93が載置されているため、アッパープレート93が当該アッパープレート93に付加される荷重に抗する力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート93のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26が密着される。
【0060】
つぎに、第1実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて半導体レーザバー11とアッパープレート93との間の半田層48に場合によっては生じる密着不良な空隙に流入し、半導体レーザバー11とアッパープレート93が空隙のない均一な半田層48により密着される。これに対して、第1実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0061】
したがって、第6実施形態による半導体レーザバーユニット5の固定方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
つぎに、本発明の第7実施形態による半導体レーザバーユニット5の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット5の製造工程では、まず、第6実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース112とアッパープレート93を用意する。そして、第6実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、第2載置工程において、図15に示すように、アッパープレート93を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触し、かつ、アッパープレート93の端部(端面)191が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように載置する。そして、半田塊載置工程において、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上でアッパープレート93の端部191より外側に半田塊135を載置する。そして、第6実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。これによっても、第6実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0063】
つぎに、図16を参照して、第8実施形態の半導体レーザバーユニット6を説明する。この半導体レーザバーユニット6は、第1実施形態の半導体レーザバー11と、この半導体レーザバー11と所定に離間された絶縁体からなる矩形平板状のダミー板14と、これらを挟持して固定するとともに電極となるサブマウントベース12およびアッパープレート103とを有している。
【0064】
図16(a)、(b)に示すように、半導体レーザバー11はその半導体レーザ発光部15が外側を向くように配置され、半導体レーザバー11とアッパープレート103、半導体レーザバー11とサブマウントベース12は、各々半田層48,49を介して電気的に導通された状態で密着固定され、ダミー板14とサブマウントベース12は、半田層50を介して密着固定されている。また、図16に示すように、アッパープレート103は、半導体レーザバー11との対向面に複数の貫通孔100を有し、さらに、ダミー板14との対向面に複数の貫通孔30を有しているとともに、このアッパープレート103とダミー板14との間に半田充填部42が形成され、この半田充填部42を介してアッパープレート103とダミー板14とが固定されている。
【0065】
つぎに、この半導体レーザバーユニット6の製造方法を説明する。まず、準備工程において、ダミー板14、サブマウントベース12、アッパープレート103、および、第1実施形態の半導体レーザバー11を用意する。
【0066】
ダミー板14は、図17に示すように、絶縁体からなる矩形平板状のスペーサであり、一対の対向する面が半田蒸着されてダミー板蒸着面24,25を形成するとともに、そのダミー板蒸着面24,25間の厚みが、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26,27間の厚みよりも小さくされている。
【0067】
サブマウントベース12は、金属からなる矩形平板であり、固定面側(上面側)の一方側に半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27に相当する領域のサブマウントベース蒸着面17が、他方側にダミー板14のダミー板蒸着面25に相当する領域のサブマウントベース蒸着面18が、各々半田蒸着されている。
【0068】
アッパープレート103は、サブマウントベース12と同じ大きさの金属からなる矩形平板であり、サブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17,18に対応する領域がアッパープレート蒸着面20,21として半田蒸着されている。また、アッパープレート103には、アッパープレート蒸着面21とその裏面を貫通する複数の貫通孔30がアッパープレート蒸着面21の延在方向に並列されているとともに、アッパープレート蒸着面20とその裏面を貫通する複数の貫通孔100がアッパープレート蒸着面20の延在方向に並列され、さらに、アッパープレート蒸着面21の延在方向の両端に各々角部を取り除いた形状の切り欠き部(第2貫通凹部)22が形成されている。
【0069】
このような部材の準備が完了したら、第1載置工程において、サブマウントベース12を、サブマウントベース蒸着面17,18を上にし、サブマウントベース12の上面以外を取り囲むようにして、治具31により治具32に対して固定する。つぎに、半導体レーザバー11を、半導体レーザ発光部15が外側を向きかつ半導体レーザバー電極面27がサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17と接触するように、また、ダミー板14を、ダミー板14のダミー板蒸着面25がサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18に接触するように、各々サブマウントベース12上に載置する。
【0070】
つぎに、第2載置工程において、アッパープレート103を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触し、かつ、貫通孔30を有するアッパープレート蒸着面21がダミー板14のダミー板蒸着面24と対向するように載置する。そして、半田塊載置工程において、貫通孔30を通してダミー板14のダミー板蒸着面24上に、貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、半田塊135を各々載置する。
【0071】
つぎに、荷重付加工程において、図18に示すように、アッパープレート103の上面の半導体レーザバー11側に加圧治具133により下方向(図示C方向)の荷重を付加し、さらに、逆U字型で両端一対の底面34aが、アッパープレート103の切り欠き部22を通してダミー板14のダミー板蒸着面24に対応する加圧治具34により、アッパープレート103に荷重を加えることなくダミー板14に下方向の荷重を付加する。
【0072】
この時、図17(b)に示すように、ダミー板14のダミー板蒸着面24とダミー板蒸着面25間の厚みが半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と半導体レーザバー電極面27間の厚みよりも小さいので、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17が密着されるとともに、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面21とダミー板14のダミー板蒸着面24との間に間隙40が形成される。この時、半田塊35が貫通孔30内に挿入されていて、アッパープレート103に付加される荷重に抗する応力をアッパープレート103に及ぼすことがないので、この間隙40が維持される。また、加圧治具34により付加される荷重により、ダミー板14のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18とが密着される。
【0073】
つぎに、第1実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17、ダミー板14のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18が溶融して、図16に示すように、各々半田層48,49,50が形成される。さらに、アッパープレート103の貫通孔100内の半田塊135が溶融して、半導体レーザバー11とアッパープレート103との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流れ込み、この半田層48が空隙なく均一化されるとともに、アッパープレート103の貫通孔30内の半田塊35が溶融して、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面21とダミー板14のダミー板蒸着面24との間の間隙40に流れ込み、この間隙40が維持されたまま半田充填部42が形成される。
【0074】
そして、これに対して第1実施形態と同様の冷却工程を実施する。これにより、半導体レーザバー11とアッパープレート103が空隙なく均一化された半田層48を介して電気的に導通された状態で密着接合され、半導体レーザバー11とサブマウントベース12が半田層49を介して電気的に導通された状態で密着接合されるとともに、ダミー板14とサブマウントベース12が半田層50を介して密着接合される。また、ダミー板14とアッパープレート103との間の間隔が維持されたまま半田充填部42の半田が固化し、これらが固定される。
【0075】
したがって、第8実施形態による半導体レーザバーユニット6の固定方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得るとともに、アッパープレート103とサブマウントベース12との間にダミー板14が介装されることにより、半導体レーザバーを高強度に固定することが可能となっている。
【0076】
つぎに、図19を参照して、第9実施形態の半導体レーザバーユニット301を説明する。この半導体レーザバーユニット301は、ダミー板として、第8実施形態のダミー板14の厚みを半導体レーザバー11の厚みよりも厚くしたダミー板114を採用し、アッパープレートとして、サブマウントベース12と同じ大きさの金属平板からなり、半導体レーザバー11に対向する面とその裏面を貫通する複数の貫通孔100が半導体レーザバー11の軸方向に並列されているとともに、半導体レーザバー11と対向する部分の両端に各々角部を取り除いた形状の切り欠き部(第2貫通凹部)122を有するアッパープレート203を採用している。そして、この半導体レーザバーユニット301は、電極となるアッパープレート203および第8実施形態のサブマウントベース12が、第1実施形態の半導体レーザバー11と、この半導体レーザバー11と所定に離間されたダミー板114とを挟持して固定するとともに、半導体レーザバー11とアッパープレート203との間には半田充填部148が形成され、この貫通孔100内部に半田充填部148と連結する半田充填部105が形成されている。
【0077】
この半導体レーザバーユニット301の製造工程は、まず、第8実施形態と同様の準備工程において、図20に示すように、半導体レーザバー11、サブマウントベース12、上記ダミー板114および上記アッパープレート203を用意する。このアッパープレート203は、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と、ダミー板114のダミー板蒸着面24に対向する領域が各々アッパープレート蒸着面20,21として半田蒸着されている。つぎに、このように準備された部材により、図20に示すように、第8実施形態と同様の第1載置工程を行う。
【0078】
つぎに、第2載置工程において、アッパープレート203を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、かつ、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触するように載置する。そして、半田塊載置工程において、貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に各々半田塊135を載置する。
【0079】
つぎに、荷重付加工程において、図21に示すように、ダミー板114のダミー板蒸着面24とほぼ同じ大きさの矩形底面を有する加圧治具234により、アッパープレート203上面のダミー板114側に下方向(図示C方向)の荷重を付加する。さらに、逆U字型で両端一対の底面が、アッパープレート203の切り欠き部122を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に対応する加圧治具233により、アッパープレート203に荷重を加えることなく半導体レーザバー11に下方向の荷重を付加する。
【0080】
この時、図20(b)に示すように、ダミー板114のダミー板蒸着面24とダミー板蒸着面25間の厚みが半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と半導体レーザバー電極面27間の厚みよりも大きいため、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面21とダミー板114のダミー板蒸着面24、ダミー板114のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18が密着される。
【0081】
また、この時、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間に間隙40が形成されるとともに、半田塊135が貫通孔100内に挿入されていて、アッパープレート203に付加される下方向の荷重に抗する応力をアッパープレート203に及ぼすことがないので、この間隙40が維持される。また、加圧治具233により付加される荷重により、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17とが密着される。
【0082】
つぎに、第8実施形態と同様に、高温処理工程を実施する。これにより、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17、ダミー板114のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面21とダミー板114のダミー板蒸着面24が溶融して、図19に示すように、各々半田層49,50,142が形成される。また、アッパープレート203の貫通孔100内の半田塊135が溶融して、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間の間隙40に流れ込み、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。
【0083】
そして、これに対して第8実施形態と同様の冷却工程を実施する。これにより、半導体レーザバー11とサブマウントベース12が半田層49を介して電気的に導通された状態で密着接合され、ダミー板114とサブマウントベース12、ダミー板114とアッパープレート203とが、半田層50,142を介して密着接合されるとともに、半導体レーザバー11とアッパープレート203との間の間隙40が維持されたまま、空隙なく均一化された半田充填部148の半田が固化し、電気的に導通された状態でこれらが固定される。したがって、第9実施形態によれば、第8実施形態と同様の効果を奏する。
【0084】
つぎに、図22を参照して、第10実施形態の半導体レーザバーユニット302を説明する。この半導体レーザバーユニット302では、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203にさらに、貫通孔100に連設される一対のスリット41を各々貫通孔100に対応して設けたアッパープレート213を採用している。
【0085】
この半導体レーザバーユニット302の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート213を用意する。そして、第9実施形態と同様の第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、一対のスリット41を有する全ての貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する(図23参照)。そして、第9実施形態と同様の荷重付加工程、高温処理工程、冷却工程を実施する。
【0086】
これにより、本実施形態においても第9実施形態と同様の作用効果が得られるのに加えて、スリット41を備えているために、半田塊135の半田の量が貫通孔100に多すぎた場合でも余分な半田がスリット41内に進入して間隙40から外に溢れにくくされ、また、溶融した半田がスリット41に導かれて間隙40の貫通孔100と貫通孔100との間に流れやすくなるので、アッパープレート213と半導体レーザバー11との間にまんべんなく半田が流入・充填されるとともに、気泡の抱き込みを防ぐことが可能とされ、第9実施形態に比して密着性をより高くすることが可能となっている。
【0087】
つぎに、図24を参照して、第11実施形態の半導体レーザバーユニット303を説明する。この半導体レーザバーユニット303では、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11に対向する部分に複数の貫通凹部51を有するアッパープレート223を採用している。この貫通凹部51は、図25(a)に示すように、アッパープレート蒸着面20と周方向に隣接する端面側が開放されて成る。
【0088】
この半導体レーザバーユニット303の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート223を用意し、第9実施形態と同様な第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田載置工程において、図25に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に全ての貫通凹部51を通して半田塊135を載置する。そして、第9実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。このような第11実施形態においても、第9実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0089】
つぎに、図26を参照して、第12実施形態の半導体レーザバーユニット304を説明する。この半導体レーザバーユニット304は、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11と対向する面に、半導体レーザバー11の軸方向に並列する複数の凹部170を備えたアッパープレート233を採用している。
【0090】
この半導体レーザバーユニット304の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート233を用意する。そして、半田保持工程において、アッパープレート233の凹部170内に溶融半田を流入して固化させ、図27(b)に示すような、半田保持部172を形成する。
【0091】
つぎに、第9実施形態と同様の第1載置工程を実施したのち、第2載置工程で、図27に示すように、アッパープレート233を、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、半田保持部172を有する凹部170が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向するように載置する。
【0092】
つぎに、第9実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、アッパープレート233は半田保持部172を有する凹部170が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように載置され、このアッパープレート233のダミー板114側に荷重が付加されるため、半導体レーザバー11より厚いダミー板114とサブマウントベース12、アッパープレート233が容易に密着されるとともに、アッパープレート233が当該アッパープレート233に付加される荷重に抗する応力を半田保持部172より受けることなく、アッパープレート233のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間に間隙40が形成される。
【0093】
つぎに、第9実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田保持部172の半田が溶融されて重力落下し、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26とアッパープレート233のアッパープレート蒸着面20との間の間隙40に流入し、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。そして、これに対して第9実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0094】
したがって、第12実施形態による半導体レーザバーユニット304の固定方法によれば、第9実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
つぎに、第13実施形態による半導体レーザバーユニット304の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット304の製造方法は、まず、第12実施形態と同様の準備工程において半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114とアッパープレート233とを用意し、第12実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図28(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、半導体レーザバー11の軸方向に並列して複数の半田塊135を載置する。そして、第2載置工程において、図28に示すように、アッパープレート233を、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、凹部170が半導体レーザバー11上の半田塊135を各々覆うように載置する。
【0096】
つぎに、第12実施形態と同様の荷重付加工程を行う。この時、アッパープレート233は凹部170が半導体レーザバー11上の半田塊135を覆うように載置され、このアッパープレート233のダミー板114側に荷重が付加されるため、半導体レーザバー11の厚みよりも厚いダミー板114とサブマウントベース12、アッパープレート233が容易に密着されるとともに、アッパープレート233が当該アッパープレート233に付加される荷重に抗する応力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート233のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間に間隙40が形成される。
【0097】
つぎに、第12実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて間隙40に流入し、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。そして、これに対して第12実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0098】
したがって、第13実施形態による半導体レーザバーユニット304の固定方法によれば、第12実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0099】
つぎに、図29を参照して、第14実施形態による半導体レーザバーユニット305を説明する。この半導体レーザバーユニット305は、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203の貫通孔100が無く、サブマウントベース12に対して合わせたときにその半導体レーザバー11側の端部(端面)191が半導体レーザバー11のダミー板蒸着面24に面するように小さくされたアッパープレート243を採用している。
【0100】
この半導体レーザバーユニット305の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート243を用意する。そして、第9実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図30(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する。そして、第2載置工程において、アッパープレート243を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、半田塊135がアッパープレート243の端部191の外側に位置するように載置する。
【0101】
つぎに、第9実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、半導体レーザバー11上に載置された半田塊135を避けるようにアッパープレート243が載置され、アッパープレート243のダミー板114側に荷重が付加されるので、半導体レーザバー11の厚みよりも厚いダミー板114とサブマウントベース12、アッパープレート243とが容易に密着されるとともに、アッパープレート243が当該アッパープレート243に付加される荷重に抗する力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート243と半導体レーザバー11との間に間隙40が形成される。
【0102】
つぎに、第9実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて間隙40に流入し、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。これに対して、第9実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0103】
したがって、第14実施形態による半導体レーザバーユニット305の固定方法によれば、第9実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0104】
つぎに、本発明の第15実施形態による半導体レーザバーユニット305の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット305の製造工程では、まず、第14実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114とアッパープレート243を用意する。そして、第14実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、第2載置工程において、図30に示すように、アッパープレート243を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、アッパープレート243の端部191が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように載置する。そして、半田塊載置工程において、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上でアッパープレート243の端部191より外側に半田塊135を載置する。そして、第14実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。これによっても、第14実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0105】
つぎに、図31を参照して、第16実施形態の半導体レーザバーユニット306を説明する。この半導体レーザバーユニット306は、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203にさらに、ダミー板114に対向する面とこの裏面を貫通し、ダミー板114の軸方向に並列する複数の貫通孔30を設けたアッパープレート253を採用している。そして、図31(b)、(c)に示すように、アッパープレート253の貫通孔30内には、前述した半田層142と連結する半田充填部105が形成されている。
【0106】
この半導体レーザバーユニット306の製造工程は、まず、第9実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート253を用意する。そして、第9実施形態と同様の第1載置工程を行ったのち、第2載置工程において、図32に示すように、アッパープレート253を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、かつ、貫通孔30を有するアッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触するように載置する。そして、半田塊載置工程において、貫通孔30を通してダミー板114のダミー板蒸着面24上に、貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、各々半田塊135を載置する。
【0107】
つぎに、第9実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程を実施する。この時、貫通孔30内のダミー板蒸着面24上に載置された半田塊135が溶融されて、図31(b)に示すように、アッパープレート253とダミー板114との間の半田層142に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流れ込むので、これらの密着がさらに良好とされる。そして、これに対して第9実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0108】
したがって、第16実施形態による半導体レーザバーユニット306の固定方法によれば、アッパープレート253とダミー板114との間の半田層142に場合によって生じる密着不十分な空隙に半田が充填されているため、第9実施形態に比してアッパープレート253とダミー板114の密着性がさらに向上され、半導体レーザバーユニット306の機械的強度を高くすることが可能となっている。
【0109】
つぎに、図33を参照して、1次元半導体レーザダイオードアレイ装置120を説明する。この装置は、第1実施形態の半導体レーザバーユニット1をヒートシンク110上に設置することにより構成されている。このように、サブマウントベース12をヒートシンク110と接触させることにより、半導体レーザ発光部15の発光に伴う熱が除去され、半導体レーザバーユニット1の性能が十分に発揮されるようになっている。
【0110】
つぎに、図34を参照して、スタック型半導体レーザダイオードアレイ装置130を説明する。この装置は、上述の1次元半導体レーザダイオードアレイ装置120を上下方向に重ねて直列に結合することにより構成されている。これにより、高出力のレーザ光源として、半導体レーザバーユニット1の性能が十分に発揮されるようになっている。
【0111】
なお、本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の条件等に応じて種々の変形態様をとることが可能である。例えば、第1〜3実施形態、および、第9〜第11実施形態では、半田載置工程の後に荷重付加工程を行っているが、荷重付加工程の後に半田載置工程を行っても構わない。
【0112】
また、第4、第12実施形態では、第1載置工程の前に半田保持工程を行っているが、第2載置工程の前に半田保持工程を行っても構わない。
【0113】
また、第5、第13実施形態では、凹部170を備えるアッパープレート73、アッパープレート223を採用しているが、この凹部に限らず、アッパープレート蒸着面20とこの裏面を貫通する貫通孔や、アッパープレート蒸着面20とこの裏面を貫通しさらにアッパープレート蒸着面20の周方向の隣接面が開放された貫通凹部を有するアッパープレートでも構わない。
【0114】
また、第7、第15実施形態では、半田塊載置工程の後に荷重付加工程を行っているが、荷重付加工程の後に半田塊載置工程を行ってもよい。
【0115】
また、第8実施形態では、半導体レーザバー11とアッパープレート103との固定方法として、第1実施形態と同様の固定方法を採用しているが、これに限らず、第2実施形態と同様の固定方法を始めとして、第3〜第7実施形態と同様の固定方法のいずれかを採用してもよい。さらに、ダミー板14とアッパープレート103との固定方法として、第9実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレート203との固定方法と同様の方法を採用しているが、これに限らず、第10実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレート213との固定方法と同様の方法を始めとして、第11〜第15実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレートとの固定方法と同様の方法のいずれかを採用してもよい。
【0116】
また、第8実施形態では、切り欠き部22を有するアッパープレート103を採用し、この切り欠き部22を通して加圧治具34によりダミー板14に荷重を付加しているが、これに限らず、アッパープレート蒸着面21とこの裏面を貫通する第2貫通孔を有するアッパープレートを用い、この第2貫通孔を貫通する加圧治具によりダミー板14に荷重をかけても構わない。
【0117】
また、第8実施形態では、好ましいとして、加圧治具34によりダミー板14に荷重を付加しているが、これを付加しなくても構わない。
【0118】
また、第16実施形態では、半導体レーザバー11とアッパープレート253との固定方法として、第9実施形態と同様の固定方法を採用しているが、これに限らず、第10実施形態と同様の固定方法を始めとして、第11〜第15実施形態と同様の固定方法のいずれかを採用してもよい。さらに、ダミー板114とアッパープレート253との固定方法として、第1実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレート13との固定方法と同様の方法を採用しているが、これに限らず、第2実施形態における固定方法と同様の方法を始めとして、第3〜第7実施形態における固定方法と同様の方法のいずれかを採用してもよい。
【0119】
また、第9〜第16実施形態では、切り欠き部122を有するアッパープレート203,213,223,233,243,253を採用し、この切り欠き部122を通して加圧治具233により半導体レーザバー11に荷重を付加しているが、これに限らず、アッパープレート蒸着面20とこの裏面を貫通する第2貫通孔を有するアッパープレートを用い、この第2貫通孔を貫通する加圧治具により半導体レーザバー11に荷重をかけても構わない。
【0120】
また、第9〜第16実施形態では、好ましいとして、加圧治具233により半導体レーザバー11に荷重を付加しているが、これを付加しなくても構わない。
【0121】
また、第1〜第16実施形態では、半田塊135を採用しているが、半田線等でも構わない。
【0122】
また、第1〜第16実施形態では、好ましいとして、窒素フロー中で高温処理工程と冷却工程を行っているが、これに限られず、他の不活性ガス等でも構わない。
【0123】
また、上記実施形態では、切り欠き部22,122や貫通凹部51等を切り欠くことによって形成しているが、鋳造等によって最初から成形しても構わない。
【0124】
また、1次元半導体レーザダイオードアレイ装置120、スタック型半導体レーザダイオードアレイ装置130は、半導体レーザーバーユニットとして、第1実施形態の半導体レーザバーユニット1を採用しているが、これに限らず、第2実施形態の半導体レーザバーユニット2を始めとして、第3〜第16実施形態における半導体レーザーバーユニットのいずれかを採用することができる。
【0125】
なお、特開昭60−18985号公報には、半田が保持された貫通孔を備えるヒートブロック上に、半導体チップを有するマウント部を載置してこれを加熱し固定する方法について記載されているが、この貫通孔はヒートブロックとマウント部との間から余分な半田がはみ出さないように溜めるためものであり、本願発明のように、アッパープレート側に設けた貫通孔から、半田層に場合によっては生じる密着不十分な空隙に半田を流し込んで半田層を空隙なく均一化したり、アッパープレートと半導体レーザバーとの間にあえて形成した間隙を維持しつつ半田を流し込むという思想はない。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、半導体レーザバーと電極板である第1、第2固定板とが密着されて導通固定されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間の半田層に場合によっては生じる空隙に半田塊の溶融分が流入し、空隙のない均一な半田層を介してこれらが導通固定されるので、半導体レーザバーの歪みや個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバーの特性の変化・劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバーの固定方法を提供できる。
【0127】
また、ダミー板を用いた本発明によれば、半導体レーザバーと第1固定板が半田層を介して導通固定されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間の間隙に半田塊の溶融分が流入し、空隙のない均一な半田充填部によりこれらが導通固定されるので、半導体レーザバーの歪みや個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバーの特性の変化・劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバーの固定方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA1−A1矢視図、(c)は(a)のB1−B1矢視図である。
【図2】第1実施形態で用いる部材の斜視図であり、(a)は半導体レーザバー、(b)はサブマウントベース、(c)はアッパープレートである。
【図3】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA2−A2矢視図である。
【図4】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1、第2載置工程および半田塊載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA3−A3矢視図である。
【図5】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は荷重付加直前の状態を示す斜視図、(b)は荷重付加を行っている状態の斜視図である。
【図6】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は図5(b)のA4−A4矢視図、(b)は図5(b)のB4−B4矢視図である。
【図7】第2実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図8】第2実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図9】第3実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図10】第3実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図11】第4、第5実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA5−A5矢視図、(c)は(a)のB5−B5矢視図である。
【図12】第4実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA6−A6矢視図である。
【図13】第5実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA7−A7矢視図である。
【図14】第6、第7実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA8−A8矢視図、(c)は(a)のB8−B8矢視図である。
【図15】第6、第7実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA9−A9矢視図である。
【図16】第8実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA10−A10矢視図、(c)は(a)のB10−B10矢視図である。
【図17】第8実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1、第2載置工程および半田塊載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA11−A11矢視図である。
【図18】第8実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は荷重付加直前の状態を示す斜視図、(b)は荷重付加を行っている状態の斜視図である。
【図19】第9実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA12−A12矢視図、(c)は(a)のB12−B12矢視図である。
【図20】第9実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1、第2載置工程および半田塊載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA13−A13矢視図である。
【図21】第9実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は荷重付加直前の状態を示す斜視図、(b)は荷重付加を行っている状態の斜視図である。
【図22】第10実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図23】第10実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図24】第11実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図25】第11実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図26】第12、第13実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA14−A14矢視図、(c)は(a)のB14−B14矢視図である。
【図27】第12実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA15−A15矢視図である。
【図28】第13実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA16−A16矢視図である。
【図29】第14、第15実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA17−A17矢視図、(c)は(a)のB17−B17矢視図である。
【図30】第14、第15実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA18−A18矢視図である。
【図31】第16実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA19−A19矢視図、(c)は(a)のB19−B19矢視図である。
【図32】第16実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA20−A20矢視図である。
【図33】第1実施形態の半導体レーザバーユニットを用いた1次元半導体レーザダイオードアレイ装置の斜視図である。
【図34】第1実施形態の半導体レーザバーユニットを用いたスタック型半導体レーザダイオードアレイ装置の斜視図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6,301,302,303,304,305,306…半導体レーザバーユニット、11…半導体レーザバー、12,112…サブマウントベース(第1固定板)、13,43,53,73,93,103,203,213,223,233,243,253…アッパープレート(第2固定板)、14,114…ダミー板、15…半導体レーザ発光部、17,18…サブマウントベース蒸着面(第1固定板の半田蒸着面)、20,21…アッパープレート蒸着面(第2固定板の半田蒸着面)、22,122…切り欠き部(第2貫通凹部)、24,25…ダミー板蒸着面、26,27…半導体レーザバー電極面、40…間隙、51…貫通凹部、100…貫通孔、135…半田塊、170…凹部、191…端部、233…加圧治具(治具)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザバーの固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の1面に並列されてなる半導体レーザバーが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このような半導体レーザバーの固定方法としては、ワイヤボンディング型とサンドイッチ型とがある。ワイヤボンディング型では、1枚の固定板上に半導体レーザバーが固定され、半導体レーザバーの電極と固定板上のリード端子等の間が金線や金リボン等によりボンディングされる。一方、サンドイッチ型では、金属からなる2枚の固定板間の間隙の一方側に半導体レーザバーが、他方側に半導体レーザバーと同じ厚みを有する絶縁体からなるダミー板が各々半田層を介して接合されることにより固定され、これら固定板が各々電極とされる。
【特許文献1】
特開平2−281782号公報
【特許文献2】
特開平11−121859号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ワイヤボンデイング型で固定された半導体レーザバーは、金線等が細いために大電流を流すことができないという問題がある。また、サンドイッチ型で固定された半導体レーザバーは、大電流を流すことができるものの、固定板間に介装される半導体レーザバーとダミー板の厚みを正確に同一とすることが難しいため、半導体レーザバーと固定板との間に隙間ができ、密着性が悪くなって電流供給障害を引き起こしたり、半導体レーザバーに歪みが生じて特性が変化したりするという問題がある。さらに、半導体レーザバーと上部固定板の間の半田層に気泡等の空隙による接触不良箇所を生じる場合があり、このような接触不良個所が生じると、個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度が均一にならないため、半導体レーザ発光部毎の明るさが異なったり、寿命の短縮をきたしたりするなど半導体レーザバーの特性の劣化を起こすという問題がある。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、半導体レーザバーの歪みや個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバーの特性の変化や劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバーの固定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面側の貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面と接触するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上に、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部を通して半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板、および、第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0006】
これによれば、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。また、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部を通して半導体レーザバー上に半田塊が載置されるため、この半田塊が半導体レーザバーと第2固定板との密着を妨げる影響を与えない。そして半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間が密着されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、この半田層が空隙なく均一化される。
【0007】
また、本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面に凹部を有する第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板の凹部内部に半田塊を保持させる半田保持工程と、第2固定板を、第2固定板の半田塊を保持する凹部が半導体レーザバ−の他方の電極面と接触するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0008】
これによれば、第2固定板は半田塊を保持する凹部が半導体レーザバーに面するように載置されて、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることがなく、かつ、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0009】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し、当該半田蒸着面に凹部または当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、第2固定板の凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面上に載置された半田塊と面するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0010】
これによれば、第2固定板は凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバー上の半田塊に面するように載置され、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることがなく、かつ、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0011】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、半田塊が第2固定板の端部より外側に位置するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0012】
これによれば、半導体レーザバー上に載置された半田塊を避けるように第2固定板が載置されるので、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する力を半田塊より受けることがなく、かつ、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0013】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上に半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、第2固定板の端部が半導体レーザバーの他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上で、第2固定板の端部より外側に半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、半導体レーザバーと第2固定板、半導体レーザバーと第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田と半田塊とを溶融させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1固定板および第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0014】
これによれば、半導体レーザバーが、第2固定板の半導体レーザ側に対する荷重付加により第1、第2固定板に挟持されるため、半導体レーザバーと第1、第2固定板が容易に密着される。また、第2固定板を避けるように半田塊が半導体レーザバー上に載置されるので、半田塊が第2固定板と半導体レーザバーとの密着を妨げる影響を与えない。そして、半田蒸着面が溶融されて、半導体レーザバーと第1、第2固定板との間の密着が維持されたまま半田層を介して電気的に導通された状態でこれらが固定されるとともに、半田塊が溶融されて半導体レーザバーと第2固定板の間の半田層に場合によっては生じる空隙に流入し、半田層が空隙なく均一化される。
【0015】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し端部に当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上で、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部に面する部分に貫通孔もしくは貫通凹部を通して半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0016】
これによれば、ダミー板の厚みが半導体レーザバーの厚みより厚いために、第2固定板のダミー板側に荷重が付加されることにより、ダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。また、第2固定板の貫通孔もしくは貫通凹部を通して半導体レーザバー上に半田塊が載置されるため、この半田塊が半導体レーザバーと第2固定板との間隙を変化させる影響を与えない。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0017】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面の端部に凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板の凹部内部に半田塊を保持させる半田保持工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の半田塊を保持する凹部が半導体レーザバーの他方の電極面と対向するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板、第1固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0018】
これによれば、第2固定板は半田塊を保持する凹部が半導体レーザバーに面するように載置され、第2固定板のダミー板側に荷重が付加されるため、半導体レーザバーの厚みより厚いダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることなく、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0019】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面の端部に、凹部または当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバーの他方の電極面上に載置された半田塊と面するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0020】
これによれば、第2固定板は、凹部または貫通孔もしくは貫通凹部が半導体レーザバー上の半田塊に面するように載置され、この第2固定板のダミーバー側に荷重が付加されるため、半導体レーザバーの厚みよりも厚いダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する応力を半田塊より受けることなく、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0021】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、半田塊を半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、半導体レーザバーの他方の電極面上に載置された半田塊が第2固定板の端部より外側に位置するように載置する第2載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0022】
これによれば、半導体レーザバー上に載置された半田塊を避けるように第2固定板が載置され、第2固定板のダミー板側に荷重が付加されるので、半導体レーザバーの厚みよりも厚いダミー板と第1、第2固定板とが容易に密着されるとともに、第2固定板が当該第2固定板に付加される荷重に抗する力を半田塊より受けることなく、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0023】
本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、半導体レーザバーを、第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、ダミー板を、第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、第2固定板を、第2固定板の半田蒸着面が半導体レーザバーの他方の電極面およびダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、第2固定板の端部が半導体レーザバーの他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、半導体レーザバーの他方の電極面上で、第2固定板の端部より外側に半田塊を載置する半田塊載置工程と、第2固定板の半田蒸着面の裏面で、ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、ダミーバーと第2固定板、ダミーバーと第1固定板とを密着させ、かつ、半導体レーザバーの他方の電極面と第2固定板の半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、荷重を付加した状態で、半導体レーザバー、第1、第2固定板、ダミー板および半田塊を加熱し、全ての半田蒸着面の半田を溶融するとともに、半田塊を溶融させて間隙に流入させる高温処理工程と、荷重を付加した状態で、加熱された半導体レーザバー、第1、第2固定板およびダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程とを有することを特徴とする。
【0024】
これによれば、ダミー板の厚みが半導体レーザバーの厚みより厚いために、第2固定板のダミー板側に荷重を付加することにより、ダミー板と第1、第2固定板が容易に密着されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間に間隙が形成される。また、第2固定板を避けるように半田塊が半導体レーザバー上に載置されるので、半田塊が第2固定板と半導体レーザバーとの間隔を変化させる影響を与えない。そして、半田蒸着面が溶融されて、ダミー板と第1、第2固定板との間の密着が維持されたままこれらが固定されるとともに、半導体レーザバーと第1固定板とが電気的に導通された状態で固定され、さらに、半田塊が溶融して間隙に流入するので、当該間隙が維持されたまま第2固定板と半導体レーザバーとが空隙なく均一化された半田充填部を介して電気的に導通された状態で固定される。
【0025】
ここで、荷重付加工程において、さらに半導体レーザバーに荷重を付加して半導体レーザバーと第1固定板とを密着させてもよい。これにより、半導体レーザバーと第1固定板とが密着される。
【0026】
さらに、第2固定板は、端部に半田蒸着面とこの裏面を貫通する第2貫通孔もしくは第2貫通凹部を有し、荷重付加工程において、さらに第2貫通孔もしくは第2貫通凹部を貫通する治具により半導体レーザバーに荷重を付加して半導体レーザバーと第1固定板とを密着させてもよい。これにより、半導体レーザバーと第1固定板とが密着される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る半導体レーザバーの固定方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0028】
図1は、第1実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA1−A1矢視図、(c)は(a)のB1−B1矢視図である。この半導体レーザバーユニット1は、四角柱をなし半導体レーザ発光部15が並列された半導体レーザバー11と、これを挟持して固定するとともに電極となるサブマウントベース(第1固定板)112およびアッパープレート(第2固定板)13とを有している。
【0029】
図1(a)、(b)に示すように、半導体レーザバー11はその半導体レーザ発光部15が外側を向くように配置され、半導体レーザバー11とアッパープレート13、半導体レーザバー11とサブマウントベース112は、各々半田層48,49を介して電気的に導通された状態で密着固定され、また、アッパープレート13は半導体レーザバー11との対向面に貫通孔100を有し、この貫通孔100内部に半田層48と連結する半田充填部105が形成されている。
【0030】
つぎに、この半導体レーザバーユニット1の製造方法を説明する。まず、準備工程において、半導体レーザバー11、サブマウントベース112、および、アッパープレート13を用意する。
【0031】
半導体レーザバー11は、図2(a)に示すように、軸方向に長い四角柱で、端面を除く1面に複数の半導体レーザ発光部15が軸方向に並列され、この半導体レーザ発光部15が並列されている面と隣接する一対の周方向の対向面が各々半導体レーザバー電極面26,27として半田蒸着されている。
【0032】
サブマウントベース112は、図2(b)に示すように、金属からなる矩形平板であり、固定面側(上面側)の一方側に半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27に相当する領域のサブマウントベース蒸着面17が半田蒸着されている。
【0033】
アッパープレート13は、図2(c)に示すように、金属からなる矩形平板であり、固定面側(下面側)の一方側に半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に対応する領域がアッパープレート蒸着面20として半田蒸着されている。また、アッパープレート13は、アッパープレート蒸着面20とその裏面を貫通する複数の貫通孔100をアッパープレート蒸着面20の延在方向に並列して有している。
【0034】
このような部材の準備が完了したら、第1載置工程において、図3に示すように、サブマウントベース112を、サブマウントベース蒸着面17を上にし、サブマウントベース112の上面以外を取り囲むようにして、治具31により治具32に対して固定する。つぎに、図4に示すように、半導体レーザバー11を、半導体レーザ発光部15が外側を向きかつ半導体レーザバー電極面27がサブマウントベース112のサブマウントベース蒸着面17と接触するように、サブマウントベース112上に載置する。
【0035】
つぎに、第2載置工程において、アッパープレート13を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触するように載置する。つぎに、半田塊載置工程において、このアッパープレート13の各々の貫通孔100を通して、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する。
【0036】
つぎに、荷重付加工程において、図5(a)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26とほぼ同じ大きさの底面を有し、貫通孔100に対向する部分が切り欠かれている加圧治具133で、図5(b)に示すように、アッパープレート13上面の半導体レーザバー11側に下方向(図示C方向)の荷重を付加する。
【0037】
この時、図6(a)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース112のサブマウントベース蒸着面17が密着されるとともに、半田塊135が貫通孔100内に挿入されているのでアッパープレート13に付加される荷重に抗する応力を半田塊135がアッパープレート13に及ぼすことがなく、このアッパープレート13のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26も密着される。
【0038】
つぎに、熱処理工程において、窒素中で上述の荷重を付加した状態でこれらのサブマウントベース112等をオーブンに投入し、所定の温度(約185℃)まで加熱する。これにより、アッパープレート13のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26、および、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース112のサブマウントベース蒸着面17が溶融して、図1に示すように、各々半田層48,49が形成される。さらに、アッパープレート13の貫通孔100内の半田塊135が溶融して、半導体レーザバー11とアッパープレート13との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流れ込み、この半田層48が空隙なく均一化される。
【0039】
そして、冷却工程において、窒素中で荷重を付加した状態でこれらのサブマウントベース112等を冷却する。これにより、半田が固化し、半導体レーザバー11とアッパープレート13が、空隙なく均一化された半田層48を介して電気的に導通された状態で密着接合されるとともに、半導体レーザバー11とサブマウントベース112も電気的に導通された状態で半田層49を介して密着接合される。
【0040】
このように、半導体レーザバー11と電極板であるアッパープレート13、サブマウントベース112とが密着されて導通固定されるとともに、アッパープレート13と半導体レーザバー11との間の半田層48に場合によっては生じる空隙に半田塊135の溶融分が流入し、空隙のない均一な半田層48を介してこれらが導通固定されるので、半導体レーザバー11の歪みや個々の半導体レーザ発光部15に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバー11の特性の変化・劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバー11の固定方法を提供できる。
【0041】
また、半導体レーザバー11、サブマウントベース112、および、アッパープレート13の互いの接合に全て半田を採用しているので、全ての接合が1回の高温処理工程と冷却工程で同時に達成され、省力化がなされている。また、半田の熱収縮率が低いので、冷却工程における半導体レーザバー11の歪みや位置ずれの発生が防止されている。
【0042】
つぎに、図7を参照して、第2実施形態の半導体レーザバーユニット2を説明する。この半導体レーザバーユニット2は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13に、さらに貫通孔100に連設される一対のスリット141を各々貫通孔100に対応して設けたアッパープレート43を採用している。
【0043】
この半導体レーザバーユニット2の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート43を用意する。そして、第1実施形態と同様の第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、一対のスリット141を有する全ての貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する(図8参照)。そして、第1実施形態と同様の荷重付加工程、高温処理工程、冷却工程を実施する。
【0044】
これにより、本実施形態においても第1実施形態と同様の作用効果が奏されるのに加えて、スリット141を備えているため、溶融した半田が、スリット141に連接される空隙にも流入するので、第1実施形態に比してより広い範囲にわたって半田層48を均一化することが可能となっている。
【0045】
つぎに、図9を参照して、第3実施形態の半導体レーザバーユニット3を説明する。この半導体レーザバーユニット3は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11に対向する部分に複数の貫通凹部51を有するアッパープレート53を採用している。この貫通凹部51は、図10(a)に示すように、アッパープレート蒸着面20と周方向に隣接する端面側が開放されて成る。
【0046】
この半導体レーザバーユニット3の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート53とを用意し、第1実施形態と同様な第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田載置工程において、図10に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に貫通凹部51を通して半田塊135を各々載置する。そして、第1実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0047】
つぎに、図11を参照して、第4実施形態の半導体レーザバーユニット4を説明する。この半導体レーザバーユニット4は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11と対向する面に複数の凹部170が半導体レーザバー11の軸方向に並列されたアッパープレート73を採用している。
【0048】
この半導体レーザバーユニット4の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート73を用意する。そして、半田保持工程において、アッパープレート73の凹部170内に溶融半田を流入して固化させ、図12(b)に示すような、半田保持部172を形成する。
【0049】
つぎに、第1実施形態と同様の第1載置工程を実施したのち、第2載置工程で、図12に示すように、アッパープレート73を、半田保持部172を有する凹部170が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と面するように載置する。
【0050】
つぎに、第1実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、アッパープレート73が当該アッパープレート73に付加される荷重に抗する応力を半田保持部172より受けることなく、アッパープレート73のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26が密着される。
【0051】
つぎに、第1実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田保持部172の半田が溶融されて重力落下し、凹部170と面する半導体レーザバー11上に溜まり、半導体レーザバー11とアッパープレート73との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流入して、アッパープレート73と半導体レーザバー11とが空隙のない均一な半田層48により密着される。そして、これに対して第1実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0052】
したがって、第4実施形態による半導体レーザバーユニット4の固定方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
つぎに、第5実施形態による半導体レーザバーユニット4の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット4の製造方法は、まず、第4実施形態と同様の準備工程において半導体レーザバー11とサブマウントベース112とアッパープレート73とを用意し、第4実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図13(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、複数の半田塊135を半導体レーザバー11の軸方向に並列するように載置する。そして、第2載置工程において、図13に示すように、アッパープレート73を、凹部170が半導体レーザバー電極面26上の半田塊135を各々覆うように載置する。
【0054】
つぎに、第4実施形態と同様の荷重付加工程を行う。この時、アッパープレート73は凹部170が半導体レーザバー電極面26上の半田塊135を覆うように載置されているため、アッパープレート73が当該アッパープレート73に付加される荷重に抗する応力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート73のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26とが密着される。
【0055】
つぎに、第4実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて半導体レーザバー11とアッパープレート73との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流入し、図11に示すように、半導体レーザバー11とアッパープレート73が空隙のない均一な半田層48により密着される。そして、これに対して第4実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0056】
したがって、第5実施形態による半導体レーザバーユニット4の固定方法によれば、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
つぎに、図14を参照して、第6実施形態による半導体レーザバーユニット5を説明する。この半導体レーザバーユニット5は、アッパープレートとして、第1実施形態のアッパープレート13の貫通孔100がなく、サブマウントベース112に対して合わせたときにその半導体レーザバー11側の端部(端面)191が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように小さくされたアッパープレート93を採用している。
【0058】
この半導体レーザバーユニット5の製造方法は、まず、第1実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース112と上記アッパープレート93を用意する。そして、第1実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図15(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する。そして、第2載置工程において、アッパープレート93を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触し、かつ、半田塊135がアッパープレート93の端部191の外側に位置するように載置する。
【0059】
つぎに、第1実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、半導体レーザバー11上に載置された半田塊135を避けるようにアッパープレート93が載置されているため、アッパープレート93が当該アッパープレート93に付加される荷重に抗する力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート93のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26が密着される。
【0060】
つぎに、第1実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて半導体レーザバー11とアッパープレート93との間の半田層48に場合によっては生じる密着不良な空隙に流入し、半導体レーザバー11とアッパープレート93が空隙のない均一な半田層48により密着される。これに対して、第1実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0061】
したがって、第6実施形態による半導体レーザバーユニット5の固定方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
つぎに、本発明の第7実施形態による半導体レーザバーユニット5の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット5の製造工程では、まず、第6実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース112とアッパープレート93を用意する。そして、第6実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、第2載置工程において、図15に示すように、アッパープレート93を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触し、かつ、アッパープレート93の端部(端面)191が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように載置する。そして、半田塊載置工程において、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上でアッパープレート93の端部191より外側に半田塊135を載置する。そして、第6実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。これによっても、第6実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0063】
つぎに、図16を参照して、第8実施形態の半導体レーザバーユニット6を説明する。この半導体レーザバーユニット6は、第1実施形態の半導体レーザバー11と、この半導体レーザバー11と所定に離間された絶縁体からなる矩形平板状のダミー板14と、これらを挟持して固定するとともに電極となるサブマウントベース12およびアッパープレート103とを有している。
【0064】
図16(a)、(b)に示すように、半導体レーザバー11はその半導体レーザ発光部15が外側を向くように配置され、半導体レーザバー11とアッパープレート103、半導体レーザバー11とサブマウントベース12は、各々半田層48,49を介して電気的に導通された状態で密着固定され、ダミー板14とサブマウントベース12は、半田層50を介して密着固定されている。また、図16に示すように、アッパープレート103は、半導体レーザバー11との対向面に複数の貫通孔100を有し、さらに、ダミー板14との対向面に複数の貫通孔30を有しているとともに、このアッパープレート103とダミー板14との間に半田充填部42が形成され、この半田充填部42を介してアッパープレート103とダミー板14とが固定されている。
【0065】
つぎに、この半導体レーザバーユニット6の製造方法を説明する。まず、準備工程において、ダミー板14、サブマウントベース12、アッパープレート103、および、第1実施形態の半導体レーザバー11を用意する。
【0066】
ダミー板14は、図17に示すように、絶縁体からなる矩形平板状のスペーサであり、一対の対向する面が半田蒸着されてダミー板蒸着面24,25を形成するとともに、そのダミー板蒸着面24,25間の厚みが、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26,27間の厚みよりも小さくされている。
【0067】
サブマウントベース12は、金属からなる矩形平板であり、固定面側(上面側)の一方側に半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27に相当する領域のサブマウントベース蒸着面17が、他方側にダミー板14のダミー板蒸着面25に相当する領域のサブマウントベース蒸着面18が、各々半田蒸着されている。
【0068】
アッパープレート103は、サブマウントベース12と同じ大きさの金属からなる矩形平板であり、サブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17,18に対応する領域がアッパープレート蒸着面20,21として半田蒸着されている。また、アッパープレート103には、アッパープレート蒸着面21とその裏面を貫通する複数の貫通孔30がアッパープレート蒸着面21の延在方向に並列されているとともに、アッパープレート蒸着面20とその裏面を貫通する複数の貫通孔100がアッパープレート蒸着面20の延在方向に並列され、さらに、アッパープレート蒸着面21の延在方向の両端に各々角部を取り除いた形状の切り欠き部(第2貫通凹部)22が形成されている。
【0069】
このような部材の準備が完了したら、第1載置工程において、サブマウントベース12を、サブマウントベース蒸着面17,18を上にし、サブマウントベース12の上面以外を取り囲むようにして、治具31により治具32に対して固定する。つぎに、半導体レーザバー11を、半導体レーザ発光部15が外側を向きかつ半導体レーザバー電極面27がサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17と接触するように、また、ダミー板14を、ダミー板14のダミー板蒸着面25がサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18に接触するように、各々サブマウントベース12上に載置する。
【0070】
つぎに、第2載置工程において、アッパープレート103を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と接触し、かつ、貫通孔30を有するアッパープレート蒸着面21がダミー板14のダミー板蒸着面24と対向するように載置する。そして、半田塊載置工程において、貫通孔30を通してダミー板14のダミー板蒸着面24上に、貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、半田塊135を各々載置する。
【0071】
つぎに、荷重付加工程において、図18に示すように、アッパープレート103の上面の半導体レーザバー11側に加圧治具133により下方向(図示C方向)の荷重を付加し、さらに、逆U字型で両端一対の底面34aが、アッパープレート103の切り欠き部22を通してダミー板14のダミー板蒸着面24に対応する加圧治具34により、アッパープレート103に荷重を加えることなくダミー板14に下方向の荷重を付加する。
【0072】
この時、図17(b)に示すように、ダミー板14のダミー板蒸着面24とダミー板蒸着面25間の厚みが半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と半導体レーザバー電極面27間の厚みよりも小さいので、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17が密着されるとともに、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面21とダミー板14のダミー板蒸着面24との間に間隙40が形成される。この時、半田塊35が貫通孔30内に挿入されていて、アッパープレート103に付加される荷重に抗する応力をアッパープレート103に及ぼすことがないので、この間隙40が維持される。また、加圧治具34により付加される荷重により、ダミー板14のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18とが密着される。
【0073】
つぎに、第1実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17、ダミー板14のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18が溶融して、図16に示すように、各々半田層48,49,50が形成される。さらに、アッパープレート103の貫通孔100内の半田塊135が溶融して、半導体レーザバー11とアッパープレート103との間の半田層48に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流れ込み、この半田層48が空隙なく均一化されるとともに、アッパープレート103の貫通孔30内の半田塊35が溶融して、アッパープレート103のアッパープレート蒸着面21とダミー板14のダミー板蒸着面24との間の間隙40に流れ込み、この間隙40が維持されたまま半田充填部42が形成される。
【0074】
そして、これに対して第1実施形態と同様の冷却工程を実施する。これにより、半導体レーザバー11とアッパープレート103が空隙なく均一化された半田層48を介して電気的に導通された状態で密着接合され、半導体レーザバー11とサブマウントベース12が半田層49を介して電気的に導通された状態で密着接合されるとともに、ダミー板14とサブマウントベース12が半田層50を介して密着接合される。また、ダミー板14とアッパープレート103との間の間隔が維持されたまま半田充填部42の半田が固化し、これらが固定される。
【0075】
したがって、第8実施形態による半導体レーザバーユニット6の固定方法によれば、第1実施形態と同様の効果を得るとともに、アッパープレート103とサブマウントベース12との間にダミー板14が介装されることにより、半導体レーザバーを高強度に固定することが可能となっている。
【0076】
つぎに、図19を参照して、第9実施形態の半導体レーザバーユニット301を説明する。この半導体レーザバーユニット301は、ダミー板として、第8実施形態のダミー板14の厚みを半導体レーザバー11の厚みよりも厚くしたダミー板114を採用し、アッパープレートとして、サブマウントベース12と同じ大きさの金属平板からなり、半導体レーザバー11に対向する面とその裏面を貫通する複数の貫通孔100が半導体レーザバー11の軸方向に並列されているとともに、半導体レーザバー11と対向する部分の両端に各々角部を取り除いた形状の切り欠き部(第2貫通凹部)122を有するアッパープレート203を採用している。そして、この半導体レーザバーユニット301は、電極となるアッパープレート203および第8実施形態のサブマウントベース12が、第1実施形態の半導体レーザバー11と、この半導体レーザバー11と所定に離間されたダミー板114とを挟持して固定するとともに、半導体レーザバー11とアッパープレート203との間には半田充填部148が形成され、この貫通孔100内部に半田充填部148と連結する半田充填部105が形成されている。
【0077】
この半導体レーザバーユニット301の製造工程は、まず、第8実施形態と同様の準備工程において、図20に示すように、半導体レーザバー11、サブマウントベース12、上記ダミー板114および上記アッパープレート203を用意する。このアッパープレート203は、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と、ダミー板114のダミー板蒸着面24に対向する領域が各々アッパープレート蒸着面20,21として半田蒸着されている。つぎに、このように準備された部材により、図20に示すように、第8実施形態と同様の第1載置工程を行う。
【0078】
つぎに、第2載置工程において、アッパープレート203を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、かつ、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触するように載置する。そして、半田塊載置工程において、貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に各々半田塊135を載置する。
【0079】
つぎに、荷重付加工程において、図21に示すように、ダミー板114のダミー板蒸着面24とほぼ同じ大きさの矩形底面を有する加圧治具234により、アッパープレート203上面のダミー板114側に下方向(図示C方向)の荷重を付加する。さらに、逆U字型で両端一対の底面が、アッパープレート203の切り欠き部122を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に対応する加圧治具233により、アッパープレート203に荷重を加えることなく半導体レーザバー11に下方向の荷重を付加する。
【0080】
この時、図20(b)に示すように、ダミー板114のダミー板蒸着面24とダミー板蒸着面25間の厚みが半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と半導体レーザバー電極面27間の厚みよりも大きいため、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面21とダミー板114のダミー板蒸着面24、ダミー板114のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18が密着される。
【0081】
また、この時、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間に間隙40が形成されるとともに、半田塊135が貫通孔100内に挿入されていて、アッパープレート203に付加される下方向の荷重に抗する応力をアッパープレート203に及ぼすことがないので、この間隙40が維持される。また、加圧治具233により付加される荷重により、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17とが密着される。
【0082】
つぎに、第8実施形態と同様に、高温処理工程を実施する。これにより、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面27とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面17、ダミー板114のダミー板蒸着面25とサブマウントベース12のサブマウントベース蒸着面18、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面21とダミー板114のダミー板蒸着面24が溶融して、図19に示すように、各々半田層49,50,142が形成される。また、アッパープレート203の貫通孔100内の半田塊135が溶融して、アッパープレート203のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間の間隙40に流れ込み、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。
【0083】
そして、これに対して第8実施形態と同様の冷却工程を実施する。これにより、半導体レーザバー11とサブマウントベース12が半田層49を介して電気的に導通された状態で密着接合され、ダミー板114とサブマウントベース12、ダミー板114とアッパープレート203とが、半田層50,142を介して密着接合されるとともに、半導体レーザバー11とアッパープレート203との間の間隙40が維持されたまま、空隙なく均一化された半田充填部148の半田が固化し、電気的に導通された状態でこれらが固定される。したがって、第9実施形態によれば、第8実施形態と同様の効果を奏する。
【0084】
つぎに、図22を参照して、第10実施形態の半導体レーザバーユニット302を説明する。この半導体レーザバーユニット302では、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203にさらに、貫通孔100に連設される一対のスリット41を各々貫通孔100に対応して設けたアッパープレート213を採用している。
【0085】
この半導体レーザバーユニット302の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート213を用意する。そして、第9実施形態と同様の第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、一対のスリット41を有する全ての貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する(図23参照)。そして、第9実施形態と同様の荷重付加工程、高温処理工程、冷却工程を実施する。
【0086】
これにより、本実施形態においても第9実施形態と同様の作用効果が得られるのに加えて、スリット41を備えているために、半田塊135の半田の量が貫通孔100に多すぎた場合でも余分な半田がスリット41内に進入して間隙40から外に溢れにくくされ、また、溶融した半田がスリット41に導かれて間隙40の貫通孔100と貫通孔100との間に流れやすくなるので、アッパープレート213と半導体レーザバー11との間にまんべんなく半田が流入・充填されるとともに、気泡の抱き込みを防ぐことが可能とされ、第9実施形態に比して密着性をより高くすることが可能となっている。
【0087】
つぎに、図24を参照して、第11実施形態の半導体レーザバーユニット303を説明する。この半導体レーザバーユニット303では、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11に対向する部分に複数の貫通凹部51を有するアッパープレート223を採用している。この貫通凹部51は、図25(a)に示すように、アッパープレート蒸着面20と周方向に隣接する端面側が開放されて成る。
【0088】
この半導体レーザバーユニット303の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート223を用意し、第9実施形態と同様な第1載置工程、第2載置工程を経たのち、半田載置工程において、図25に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に全ての貫通凹部51を通して半田塊135を載置する。そして、第9実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。このような第11実施形態においても、第9実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0089】
つぎに、図26を参照して、第12実施形態の半導体レーザバーユニット304を説明する。この半導体レーザバーユニット304は、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203の貫通孔100が無く、半導体レーザバー11と対向する面に、半導体レーザバー11の軸方向に並列する複数の凹部170を備えたアッパープレート233を採用している。
【0090】
この半導体レーザバーユニット304の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程により半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート233を用意する。そして、半田保持工程において、アッパープレート233の凹部170内に溶融半田を流入して固化させ、図27(b)に示すような、半田保持部172を形成する。
【0091】
つぎに、第9実施形態と同様の第1載置工程を実施したのち、第2載置工程で、図27に示すように、アッパープレート233を、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、半田保持部172を有する凹部170が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向するように載置する。
【0092】
つぎに、第9実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、アッパープレート233は半田保持部172を有する凹部170が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように載置され、このアッパープレート233のダミー板114側に荷重が付加されるため、半導体レーザバー11より厚いダミー板114とサブマウントベース12、アッパープレート233が容易に密着されるとともに、アッパープレート233が当該アッパープレート233に付加される荷重に抗する応力を半田保持部172より受けることなく、アッパープレート233のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間に間隙40が形成される。
【0093】
つぎに、第9実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田保持部172の半田が溶融されて重力落下し、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26とアッパープレート233のアッパープレート蒸着面20との間の間隙40に流入し、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。そして、これに対して第9実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0094】
したがって、第12実施形態による半導体レーザバーユニット304の固定方法によれば、第9実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
つぎに、第13実施形態による半導体レーザバーユニット304の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット304の製造方法は、まず、第12実施形態と同様の準備工程において半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114とアッパープレート233とを用意し、第12実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図28(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、半導体レーザバー11の軸方向に並列して複数の半田塊135を載置する。そして、第2載置工程において、図28に示すように、アッパープレート233を、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、凹部170が半導体レーザバー11上の半田塊135を各々覆うように載置する。
【0096】
つぎに、第12実施形態と同様の荷重付加工程を行う。この時、アッパープレート233は凹部170が半導体レーザバー11上の半田塊135を覆うように載置され、このアッパープレート233のダミー板114側に荷重が付加されるため、半導体レーザバー11の厚みよりも厚いダミー板114とサブマウントベース12、アッパープレート233が容易に密着されるとともに、アッパープレート233が当該アッパープレート233に付加される荷重に抗する応力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート233のアッパープレート蒸着面20と半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26との間に間隙40が形成される。
【0097】
つぎに、第12実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて間隙40に流入し、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。そして、これに対して第12実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0098】
したがって、第13実施形態による半導体レーザバーユニット304の固定方法によれば、第12実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0099】
つぎに、図29を参照して、第14実施形態による半導体レーザバーユニット305を説明する。この半導体レーザバーユニット305は、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203の貫通孔100が無く、サブマウントベース12に対して合わせたときにその半導体レーザバー11側の端部(端面)191が半導体レーザバー11のダミー板蒸着面24に面するように小さくされたアッパープレート243を採用している。
【0100】
この半導体レーザバーユニット305の製造方法は、まず、第9実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート243を用意する。そして、第9実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、半田塊載置工程において、図30(b)に示すように、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に半田塊135を載置する。そして、第2載置工程において、アッパープレート243を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、半田塊135がアッパープレート243の端部191の外側に位置するように載置する。
【0101】
つぎに、第9実施形態と同様の荷重付加工程を実施する。この時、半導体レーザバー11上に載置された半田塊135を避けるようにアッパープレート243が載置され、アッパープレート243のダミー板114側に荷重が付加されるので、半導体レーザバー11の厚みよりも厚いダミー板114とサブマウントベース12、アッパープレート243とが容易に密着されるとともに、アッパープレート243が当該アッパープレート243に付加される荷重に抗する力を半田塊135より受けることなく、アッパープレート243と半導体レーザバー11との間に間隙40が形成される。
【0102】
つぎに、第9実施形態と同様の高温処理工程を実施する。これにより、半田塊135が溶融されて間隙40に流入し、この間隙40が維持されたまま空隙なく均一化された半田充填部148が形成される。これに対して、第9実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0103】
したがって、第14実施形態による半導体レーザバーユニット305の固定方法によれば、第9実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0104】
つぎに、本発明の第15実施形態による半導体レーザバーユニット305の製造方法を説明する。本実施形態の半導体レーザバーユニット305の製造工程では、まず、第14実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114とアッパープレート243を用意する。そして、第14実施形態と同様の第1載置工程を経たのち、第2載置工程において、図30に示すように、アッパープレート243を、アッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、アッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触し、かつ、アッパープレート243の端部191が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26に面するように載置する。そして、半田塊載置工程において、半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上でアッパープレート243の端部191より外側に半田塊135を載置する。そして、第14実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程、および、冷却工程を実施する。これによっても、第14実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0105】
つぎに、図31を参照して、第16実施形態の半導体レーザバーユニット306を説明する。この半導体レーザバーユニット306は、アッパープレートとして、第9実施形態のアッパープレート203にさらに、ダミー板114に対向する面とこの裏面を貫通し、ダミー板114の軸方向に並列する複数の貫通孔30を設けたアッパープレート253を採用している。そして、図31(b)、(c)に示すように、アッパープレート253の貫通孔30内には、前述した半田層142と連結する半田充填部105が形成されている。
【0106】
この半導体レーザバーユニット306の製造工程は、まず、第9実施形態と同様の準備工程において、半導体レーザバー11とサブマウントベース12とダミー板114と上記アッパープレート253を用意する。そして、第9実施形態と同様の第1載置工程を行ったのち、第2載置工程において、図32に示すように、アッパープレート253を、貫通孔100を有するアッパープレート蒸着面20が半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26と対向し、かつ、貫通孔30を有するアッパープレート蒸着面21がダミー板114のダミー板蒸着面24と接触するように載置する。そして、半田塊載置工程において、貫通孔30を通してダミー板114のダミー板蒸着面24上に、貫通孔100を通して半導体レーザバー11の半導体レーザバー電極面26上に、各々半田塊135を載置する。
【0107】
つぎに、第9実施形態と同様に、荷重付加工程、高温処理工程を実施する。この時、貫通孔30内のダミー板蒸着面24上に載置された半田塊135が溶融されて、図31(b)に示すように、アッパープレート253とダミー板114との間の半田層142に場合によっては生じる密着不十分な空隙に流れ込むので、これらの密着がさらに良好とされる。そして、これに対して第9実施形態と同様の冷却工程を実施する。
【0108】
したがって、第16実施形態による半導体レーザバーユニット306の固定方法によれば、アッパープレート253とダミー板114との間の半田層142に場合によって生じる密着不十分な空隙に半田が充填されているため、第9実施形態に比してアッパープレート253とダミー板114の密着性がさらに向上され、半導体レーザバーユニット306の機械的強度を高くすることが可能となっている。
【0109】
つぎに、図33を参照して、1次元半導体レーザダイオードアレイ装置120を説明する。この装置は、第1実施形態の半導体レーザバーユニット1をヒートシンク110上に設置することにより構成されている。このように、サブマウントベース12をヒートシンク110と接触させることにより、半導体レーザ発光部15の発光に伴う熱が除去され、半導体レーザバーユニット1の性能が十分に発揮されるようになっている。
【0110】
つぎに、図34を参照して、スタック型半導体レーザダイオードアレイ装置130を説明する。この装置は、上述の1次元半導体レーザダイオードアレイ装置120を上下方向に重ねて直列に結合することにより構成されている。これにより、高出力のレーザ光源として、半導体レーザバーユニット1の性能が十分に発揮されるようになっている。
【0111】
なお、本発明に係る半導体レーザバーの固定方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の条件等に応じて種々の変形態様をとることが可能である。例えば、第1〜3実施形態、および、第9〜第11実施形態では、半田載置工程の後に荷重付加工程を行っているが、荷重付加工程の後に半田載置工程を行っても構わない。
【0112】
また、第4、第12実施形態では、第1載置工程の前に半田保持工程を行っているが、第2載置工程の前に半田保持工程を行っても構わない。
【0113】
また、第5、第13実施形態では、凹部170を備えるアッパープレート73、アッパープレート223を採用しているが、この凹部に限らず、アッパープレート蒸着面20とこの裏面を貫通する貫通孔や、アッパープレート蒸着面20とこの裏面を貫通しさらにアッパープレート蒸着面20の周方向の隣接面が開放された貫通凹部を有するアッパープレートでも構わない。
【0114】
また、第7、第15実施形態では、半田塊載置工程の後に荷重付加工程を行っているが、荷重付加工程の後に半田塊載置工程を行ってもよい。
【0115】
また、第8実施形態では、半導体レーザバー11とアッパープレート103との固定方法として、第1実施形態と同様の固定方法を採用しているが、これに限らず、第2実施形態と同様の固定方法を始めとして、第3〜第7実施形態と同様の固定方法のいずれかを採用してもよい。さらに、ダミー板14とアッパープレート103との固定方法として、第9実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレート203との固定方法と同様の方法を採用しているが、これに限らず、第10実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレート213との固定方法と同様の方法を始めとして、第11〜第15実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレートとの固定方法と同様の方法のいずれかを採用してもよい。
【0116】
また、第8実施形態では、切り欠き部22を有するアッパープレート103を採用し、この切り欠き部22を通して加圧治具34によりダミー板14に荷重を付加しているが、これに限らず、アッパープレート蒸着面21とこの裏面を貫通する第2貫通孔を有するアッパープレートを用い、この第2貫通孔を貫通する加圧治具によりダミー板14に荷重をかけても構わない。
【0117】
また、第8実施形態では、好ましいとして、加圧治具34によりダミー板14に荷重を付加しているが、これを付加しなくても構わない。
【0118】
また、第16実施形態では、半導体レーザバー11とアッパープレート253との固定方法として、第9実施形態と同様の固定方法を採用しているが、これに限らず、第10実施形態と同様の固定方法を始めとして、第11〜第15実施形態と同様の固定方法のいずれかを採用してもよい。さらに、ダミー板114とアッパープレート253との固定方法として、第1実施形態における半導体レーザバー11とアッパープレート13との固定方法と同様の方法を採用しているが、これに限らず、第2実施形態における固定方法と同様の方法を始めとして、第3〜第7実施形態における固定方法と同様の方法のいずれかを採用してもよい。
【0119】
また、第9〜第16実施形態では、切り欠き部122を有するアッパープレート203,213,223,233,243,253を採用し、この切り欠き部122を通して加圧治具233により半導体レーザバー11に荷重を付加しているが、これに限らず、アッパープレート蒸着面20とこの裏面を貫通する第2貫通孔を有するアッパープレートを用い、この第2貫通孔を貫通する加圧治具により半導体レーザバー11に荷重をかけても構わない。
【0120】
また、第9〜第16実施形態では、好ましいとして、加圧治具233により半導体レーザバー11に荷重を付加しているが、これを付加しなくても構わない。
【0121】
また、第1〜第16実施形態では、半田塊135を採用しているが、半田線等でも構わない。
【0122】
また、第1〜第16実施形態では、好ましいとして、窒素フロー中で高温処理工程と冷却工程を行っているが、これに限られず、他の不活性ガス等でも構わない。
【0123】
また、上記実施形態では、切り欠き部22,122や貫通凹部51等を切り欠くことによって形成しているが、鋳造等によって最初から成形しても構わない。
【0124】
また、1次元半導体レーザダイオードアレイ装置120、スタック型半導体レーザダイオードアレイ装置130は、半導体レーザーバーユニットとして、第1実施形態の半導体レーザバーユニット1を採用しているが、これに限らず、第2実施形態の半導体レーザバーユニット2を始めとして、第3〜第16実施形態における半導体レーザーバーユニットのいずれかを採用することができる。
【0125】
なお、特開昭60−18985号公報には、半田が保持された貫通孔を備えるヒートブロック上に、半導体チップを有するマウント部を載置してこれを加熱し固定する方法について記載されているが、この貫通孔はヒートブロックとマウント部との間から余分な半田がはみ出さないように溜めるためものであり、本願発明のように、アッパープレート側に設けた貫通孔から、半田層に場合によっては生じる密着不十分な空隙に半田を流し込んで半田層を空隙なく均一化したり、アッパープレートと半導体レーザバーとの間にあえて形成した間隙を維持しつつ半田を流し込むという思想はない。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、半導体レーザバーと電極板である第1、第2固定板とが密着されて導通固定されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間の半田層に場合によっては生じる空隙に半田塊の溶融分が流入し、空隙のない均一な半田層を介してこれらが導通固定されるので、半導体レーザバーの歪みや個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバーの特性の変化・劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバーの固定方法を提供できる。
【0127】
また、ダミー板を用いた本発明によれば、半導体レーザバーと第1固定板が半田層を介して導通固定されるとともに、第2固定板と半導体レーザバーとの間の間隙に半田塊の溶融分が流入し、空隙のない均一な半田充填部によりこれらが導通固定されるので、半導体レーザバーの歪みや個々の半導体レーザ発光部に流れる電流密度の不均一による半導体レーザバーの特性の変化・劣化を生じることがなく、かつ、密着不良による電流供給障害を起こすことがなく、大電流を流すことができる半導体レーザバーの固定方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA1−A1矢視図、(c)は(a)のB1−B1矢視図である。
【図2】第1実施形態で用いる部材の斜視図であり、(a)は半導体レーザバー、(b)はサブマウントベース、(c)はアッパープレートである。
【図3】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA2−A2矢視図である。
【図4】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1、第2載置工程および半田塊載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA3−A3矢視図である。
【図5】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は荷重付加直前の状態を示す斜視図、(b)は荷重付加を行っている状態の斜視図である。
【図6】第1実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は図5(b)のA4−A4矢視図、(b)は図5(b)のB4−B4矢視図である。
【図7】第2実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図8】第2実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図9】第3実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図10】第3実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図11】第4、第5実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA5−A5矢視図、(c)は(a)のB5−B5矢視図である。
【図12】第4実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA6−A6矢視図である。
【図13】第5実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA7−A7矢視図である。
【図14】第6、第7実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA8−A8矢視図、(c)は(a)のB8−B8矢視図である。
【図15】第6、第7実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA9−A9矢視図である。
【図16】第8実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA10−A10矢視図、(c)は(a)のB10−B10矢視図である。
【図17】第8実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1、第2載置工程および半田塊載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA11−A11矢視図である。
【図18】第8実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は荷重付加直前の状態を示す斜視図、(b)は荷重付加を行っている状態の斜視図である。
【図19】第9実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA12−A12矢視図、(c)は(a)のB12−B12矢視図である。
【図20】第9実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの第1、第2載置工程および半田塊載置工程を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA13−A13矢視図である。
【図21】第9実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの荷重付加工程を示す図であり、(a)は荷重付加直前の状態を示す斜視図、(b)は荷重付加を行っている状態の斜視図である。
【図22】第10実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図23】第10実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図24】第11実施形態による半導体レーザバーユニットを示す斜視図である。
【図25】第11実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図26】第12、第13実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA14−A14矢視図、(c)は(a)のB14−B14矢視図である。
【図27】第12実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA15−A15矢視図である。
【図28】第13実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA16−A16矢視図である。
【図29】第14、第15実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA17−A17矢視図、(c)は(a)のB17−B17矢視図である。
【図30】第14、第15実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA18−A18矢視図である。
【図31】第16実施形態による半導体レーザバーユニットを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA19−A19矢視図、(c)は(a)のB19−B19矢視図である。
【図32】第16実施形態における半導体レーザバーユニットの製造工程のうちの高温処理工程の前の状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA20−A20矢視図である。
【図33】第1実施形態の半導体レーザバーユニットを用いた1次元半導体レーザダイオードアレイ装置の斜視図である。
【図34】第1実施形態の半導体レーザバーユニットを用いたスタック型半導体レーザダイオードアレイ装置の斜視図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6,301,302,303,304,305,306…半導体レーザバーユニット、11…半導体レーザバー、12,112…サブマウントベース(第1固定板)、13,43,53,73,93,103,203,213,223,233,243,253…アッパープレート(第2固定板)、14,114…ダミー板、15…半導体レーザ発光部、17,18…サブマウントベース蒸着面(第1固定板の半田蒸着面)、20,21…アッパープレート蒸着面(第2固定板の半田蒸着面)、22,122…切り欠き部(第2貫通凹部)、24,25…ダミー板蒸着面、26,27…半導体レーザバー電極面、40…間隙、51…貫通凹部、100…貫通孔、135…半田塊、170…凹部、191…端部、233…加圧治具(治具)。
Claims (12)
- 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板とを用意し、前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上に前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の半田蒸着面側の前記貫通孔もしくは前記貫通凹部が前記半導体レーザバーの他方の電極面と接触するように載置する第2載置工程と、
前記半導体レーザバーの前記他方の電極面上に、前記第2固定板の前記貫通孔もしくは前記貫通凹部を通して半田塊を載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、前記半導体レーザバーと前記第2固定板、前記半導体レーザバーと前記第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田と前記半田塊とを溶融させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1固定板、および、前記第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面に凹部を有する第2固定板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上に前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、
前記第2固定板の前記凹部内部に半田塊を保持させる半田保持工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田塊を保持する前記凹部が前記半導体レーザバ−の他方の電極面と接触するように載置する第2載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、前記半導体レーザバーと前記第2固定板、前記半導体レーザバーと前記第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田と前記半田塊とを溶融させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1固定板および前記第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し、当該半田蒸着面に凹部または当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上に前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、
半田塊を前記半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面と接触し、さらに、前記第2固定板の前記凹部または前記貫通孔もしくは前記貫通凹部が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面上に載置された前記半田塊と面するように載置する第2載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、前記半導体レーザバーと前記第2固定板、前記半導体レーザバーと前記第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田と前記半田塊とを溶融させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1固定板および前記第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上に前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、
半田塊を前記半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、前記半田塊が前記第2固定板の端部より外側に位置するように載置する第2載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、前記半導体レーザバーと前記第2固定板、前記半導体レーザバーと前記第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田と前記半田塊とを溶融させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1固定板および前記第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上に前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置する第1載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの他方の電極面と接触し、さらに、前記第2固定板の端部が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、
前記半導体レーザバーの前記他方の電極面上で、前記第2固定板の前記端部より外側に半田塊を載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記半導体レーザバーと対向する部分に荷重を付加し、前記半導体レーザバーと前記第2固定板、前記半導体レーザバーと前記第1固定板とを密着させる荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田と前記半田塊とを溶融させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1固定板および前記第2固定板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し端部に当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが前記半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、前記ダミー板を、前記第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、前記ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの他方の電極面および前記ダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、前記第2固定板の前記貫通孔もしくは前記貫通凹部が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、
前記半導体レーザバーの前記他方の電極面上で、前記第2固定板の前記貫通孔もしくは前記貫通凹部に面する部分に前記貫通孔もしくは前記貫通凹部を通して半田塊を載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、前記ダミーバーと前記第2固定板、前記ダミーバーと前記第1固定板とを密着させ、かつ、前記半導体レーザバーの前記他方の電極面と前記第2固定板の前記半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板、前記ダミー板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田を溶融するとともに、前記半田塊を溶融させて前記間隙に流入させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記ダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面の端部に凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが前記半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、前記ダミー板を、前記第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、前記ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、
前記第2固定板の前記凹部内部に半田塊を保持させる半田保持工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの他方の電極面および前記ダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、前記第2固定板の前記半田塊を保持する前記凹部が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面と対向するように載置する第2載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、前記ダミーバーと前記第2固定板、前記ダミーバーと前記第1固定板とを密着させ、かつ、前記半導体レーザバーの前記他方の電極面と前記第2固定板の前記半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板、前記ダミー板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田を溶融するとともに、前記半田塊を溶融させて前記間隙に流入させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板、前記第1固定板および前記ダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板と、半田蒸着面を有し当該半田蒸着面の端部に、凹部または当該半田蒸着面とこの裏面を貫通する貫通孔もしくは貫通凹部を有する第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが前記半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、前記ダミー板を、前記第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、前記ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、
半田塊を前記半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの他方の電極面および前記ダミー板の前記他方の半田蒸着面と対向し、さらに、前記第2固定板の前記凹部または前記貫通孔もしくは前記貫通凹部が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面上に載置された前記半田塊と面するように載置する第2載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、前記ダミーバーと前記第2固定板、前記ダミーバーと前記第1固定板とを密着させ、かつ、前記半導体レーザバーの前記他方の電極面と前記第2固定板の前記半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板、前記ダミー板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田を溶融するとともに、前記半田塊を溶融させて前記間隙に流入させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記ダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが前記半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、前記ダミー板を、前記第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、前記ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、
半田塊を前記半導体レーザバーの他方の電極面上に載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面および前記ダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、前記半導体レーザバーの前記他方の電極面上に載置された前記半田塊が前記第2固定板の端部より外側に位置するように載置する第2載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、前記ダミーバーと前記第2固定板、前記ダミーバーと前記第1固定板とを密着させ、かつ、前記半導体レーザバーの前記他方の電極面と前記第2固定板の前記半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板、前記ダミー板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田を溶融するとともに、前記半田塊を溶融させて前記間隙に流入させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記ダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 四角柱をなし、複数の半導体レーザ発光部が当該四角柱の端面を除く面に並列されるとともに、前記半導体レーザ発光部が並列される面に隣接する一対の周方向の対向面が各々電極面として半田蒸着されている半導体レーザバーと、半田蒸着面を有する第1固定板および第2固定板と、一対の対向面が半田蒸着されその対向面間の厚みが前記半導体レーザバーの電極面間厚みよりも大きい絶縁体からなるダミー板とを用意し、
前記半導体レーザバーを、前記第1固定板の半田蒸着面上の一方側に、前記半導体レーザバーの一方の電極面が接触するように載置し、前記ダミー板を、前記第1固定板の半田蒸着面上の他方側に、前記ダミー板の一方の半田蒸着面が接触するように載置する第1載置工程と、
前記第2固定板を、前記第2固定板の前記半田蒸着面が前記半導体レーザバーの他方の電極面および前記ダミー板の他方の半田蒸着面と対向し、さらに、前記第2固定板の端部が前記半導体レーザバーの前記他方の電極面に面するように載置する第2載置工程と、
前記半導体レーザバーの前記他方の電極面上で、前記第2固定板の前記端部より外側に半田塊を載置する半田塊載置工程と、
前記第2固定板の前記半田蒸着面の裏面で、前記ダミーバーと対向する部分に荷重を付加し、前記ダミーバーと前記第2固定板、前記ダミーバーと前記第1固定板とを密着させ、かつ、前記半導体レーザバーの前記他方の電極面と前記第2固定板の前記半田蒸着面との間に間隙を形成する荷重付加工程と、
前記荷重を付加した状態で、前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板、前記ダミー板および前記半田塊を加熱し、全ての前記半田蒸着面の半田を溶融するとともに、前記半田塊を溶融させて前記間隙に流入させる高温処理工程と、
前記荷重を付加した状態で、加熱された前記半導体レーザバー、前記第1、第2固定板および前記ダミー板を冷却して半田を固化させる冷却工程と、
を有することを特徴とする、半導体レーザバーの固定方法。 - 前記荷重付加工程において、さらに前記半導体レーザバーに荷重を付加して前記半導体レーザバーと前記第1固定板とを密着させることを特徴とする、請求項6〜10の何れか1項に記載の半導体レーザバーの固定方法。
- 前記第2固定板は、さらに前記端部に前記半田蒸着面とこの裏面を貫通する第2貫通孔もしくは第2貫通凹部を有し、前記荷重付加工程において、さらに前記第2貫通孔もしくは前記第2貫通凹部を貫通する治具により前記半導体レーザバーに荷重を付加して前記半導体レーザバーと前記第1固定板とを密着させることを特徴とする、請求項6〜8の何れか1項に記載の半導体レーザバーの固定方法。
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