JP2004140016A - 光集積素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光集積素子100は、DFB半導体レーザ1とEA型変調器2とが単一の半導体基板10に集積されたものであり、前者の光導波路の幅Waが後者の光導波路の幅Wbよりも小さくされている。かかる光集積素子100は、III−V族化合物半導体多層膜を成長させる際に、EA型変調器2を構成する上部クラッド層16の厚さを、DFB半導体レーザ1を構成する上部クラッド層46よりも厚く成膜し、メサエッチングすることにより形成される。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信の超高速化及び高品質化に伴い、光集積素子、殊に半導体レーザ素子と光変調器が半導体基板上に一体に形成された光半導体集積素子の必要性及び高機能化への要望が高まっている。このような光集積素子として、波長安定性に優れる分布帰還型(DFB)半導体レーザと電界吸収(EA)型変調器が単一半導体基板上にモノシリックに集積されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
かかる光集積素子では、DFB半導体レーザ領域及びEA型変調器領域の両活性層が光学的に結合されたストライプ状の光導波路が形成されている。図9(A)〜(D)は、従来の方法によってかかる光集積素子を製造している状態の一例を示す工程図である。まず、n型InP半導体から成る基板210の主面全面上にn型InP下部クラッド層242、i型GaInAsP活性層244、及びp型InP第1上部クラッド層246を順次成長させる(図9(A)参照)。
【0004】
次いで、第1上部クラッド層246上に絶縁膜を形成する。基板210は、DFB半導体レーザのための領域RaとEA型変調器のための領域Rbとを有しており、次に、フォトリソグラフィによって領域Rb上の絶縁膜を除去して領域Ra上に残った絶縁膜から成るマスク261を形成する。その後、領域Rb上の下部クラッド層242、活性層244、及び第1上部クラッド層246をエッチングで取り除く(図9(B)参照)。このとき、下部クラッド層242を残す場合もある。
【0005】
次に、領域Rbの基板210上にn型InP下部クラッド層212、i型GaInAsP活性層214、及びp型InP第1上部クラッド層216を順次成長させる(図9(C)参照)。このとき、各層の厚さを、領域Raにおける下部クラッド層242、活性層244、及び上部クラッド層246の各厚さと同等にし、各層のレベルを合わせる。
【0006】
次に、マスク261を除去した後、領域Ra,Rb上に絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィによってその一部を取り除き、領域Ra,Rbにかけて一定幅を有するマスク293を形成する(図9(D)参照)。そして、マスク293を用い、基板210の主面が露出する程度までメサエッチングを行う。こうして、図9(D)中に一点鎖線で表されるストライプ状メサが形成される。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−270946号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる光集積素子に要求される個々の素子の光導波路は、各素子の機能や要求仕様によって異なる最適幅を有する。特に、素子の集積度が大きく、素子相互の電界の影響を低減したり、光通信システム全体の省電力化が望まれるような用途に対しては、これらを実現すべく光導波路を含めて素子設計の最適化が必要である。
【0009】
これに対し、上述の如く、従来の方法では、製造上の理由等から、メサ形成に用いるマスク293は領域Ra,Rbに渡って同一の幅を有しており、形成されるDFB半導体レーザの光導波路の幅WaとEA型変調器の光導波路の幅Wbは同一とされるのが通常である。しかし、これでは、素子に印加する電界をある程度大きくないと光変調を実現できず、変調効率を十分に向上させることが困難であった。
【0010】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、従来に比して変調効率を向上できる光集積素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による光集積素子は、第1の活性層を含む第1のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第1の光導波路が形成された第1の半導体光デバイスと、第2の活性層を含む第2のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第2の光導波路が形成された第2の半導体光デバイスとを備えるものであって、第1及び第2の半導体光デバイスが、下記式(1);
Wa<Wb …(1)、
で表される関係を満たすように、且つ、前記第1の活性層と前記第2の活性層が光学的に結合するように基板上に集積されて成ることを特徴とする。
【0012】
式中、Waは所定レベルにおける第1の光導波路の幅を示し、Wbはその所定レベルにおける第2の光導波路の幅を示す。なお、上記光導波路の幅Wa,Wbを規定する所定レベルを決定する高さ位置は、光導波路と認められる領域内であれば特に制限されず、例えば、第1の活性層の上面レベルを規定レベルとすることができる。
【0013】
このように構成された光集積素子では、第1の半導体光デバイスを構成するIII−V族化合物半導体多層膜に形成された第1の光導波路の幅Waが、第2の半導体光デバイスを構成するIII−V族化合物半導体多層膜に形成された第2の光導波路の幅Wbよりも大きいので、第2の半導体光デバイスの素子容量が第1の半導体光デバイスに比して小さくされる。
【0014】
具体的な構成としては、例えば、第1の半導体光デバイスがDFB半導体レーザであり、第2の半導体光デバイスがEA型変調器であって、それぞれ第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜にストライプ状メサが形成されており且つ埋め込み型の第1及び第2の光導波路が形成された光集積素子が挙げられる。この場合、EA型変調器の素子容量が従来に比して格段に低減される。
【0015】
より具体的には、第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜が、それぞれ基板上に順次積層された第1及び第2の下部クラッド層、第1及び第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、第1及び第2の活性層、第1及び第2の上部分離閉じ込めヘテロ構造層、並びに、第1及び第2の上部クラッド層を有しており、基板、第1及び第2の下部クラッド層、並びに第1及び第2の上部クラッド層がInPから成り、第1及び第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、第1及び第2の活性層、並びに第1及び第2の上部分離閉じ込めヘテロ構造層がInGaAsPから成るものである。
【0016】
また、第1の光導波路の幅Waが0.8〜1.4μmであり、第2の光導波路の幅Wbが1.5〜2.0μmであると好ましい。このようにすれば、例えば、第1の半導体光デバイスがDFB半導体レーザであり且つ第2の半導体光デバイスがEA型変調器の場合に要求される横シングルモード条件といった一定の発振条件が確実に発現されると共に、第2の半導体光デバイスひいては光集積素子の光導波路における光閉じ込め性が十分に高められる。
【0017】
また、本発明による光集積素子の製造方法は、本発明の光集積素子を有効に製造するための方法であり、第1の活性層を含む第1のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第1の光導波路が形成された第1の半導体光デバイスと、第2の活性層を含む第2のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第2の光導波路が形成された第2の半導体光デバイスとを備える光集積素子を製造する方法であって、第1及び第2の半導体光デバイスが、上記式(1)で表される関係を満たすように、且つ、第1の活性層と第2の活性層が光学的に結合するように第1及び第2の半導体光デバイスを基板上に形成することを特徴とする。
【0018】
より具体的には、例えば、第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜をメサエッチングしてストライプ状の第1及び第2の光導波路を形成する際に、メサエッチングのために用いるマスク層の幅を、第1及び第2の半導体光デバイスの形成領域において互いに異なる幅とし、第1の半導体光デバイス領域のマスク幅を第2の半導体光デバイス領域のマスク幅よりも狭くする方法が挙げられる。
【0019】
或いは、更に好ましくは、(a)導体基板上に、第1の半導体光デバイスを構成するための第1の下部クラッド層、第1の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、第1の活性層、第1の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、及び第1の上部クラッド層をこの順に積層して第1のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程と、(b)第1のIII−V族化合物半導体多層膜の第1の領域上に第1の絶縁体マスクを形成する工程と、(c)第1の絶縁体マスクを用いて第1の領域と異なる第2の領域における第1のIII−V族化合物半導体多層膜をエッチングする工程と、(d)第1の絶縁体マスクを残した状態で、第2の領域に第2の半導体光デバイスを構成するための第2の下部クラッド層、第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、第2の活性層、第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、及び、第1の上部クラッド層よりも厚い第2の上部クラッド層をこの順に積層して第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程と、(e)第1の絶縁体マスクを除いた後に、第1及び第2の上部クラッド層上にキャップ層を形成し、更に該キャップ層上に一定の幅を有する第2の絶縁体マスクを形成する工程と、(f)キャップ層及び第2の絶縁体マスクを用いて第1及び第2の光導波路を構成するためのメサを形成する工程と、(g)メサの側方を埋め込む埋め込み部を形成する工程と、(h)第2の絶縁体マスクを除いた後に第1及び第2上部クラッド層の上方にコンタクト層及び上部電極を形成する工程とを備えることが望ましい。
【0020】
先述した第1の半導体光デバイス領域のマスク層幅を第2の半導体光デバイス領域のマスク層幅よりも狭くする方法では、第1及び第2の半導体光デバイスの接合部でマスク層の幅が急激に(ステップ状に)変化せざるを得ず、第1及び第2の光導波路の接合部において散乱による光結合の損失が生じ易くなる。こうなると迷光が生じてEA変調器等の第2の半導体光デバイスにおける消光比の低下を招くおそれがある。さらに、素子のサイズによっては、幅の異なるマスク層を0.1μmオーダーで両デバイスの接合部に的確に位置合わせする必要があり、製造工程が複雑且つ手間の掛かるものとなるおそれがある。
【0021】
これに対し、第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程において、第1の上部クラッド層よりも薄い第2の上部クラッド層を形成する上記方法を用いれば、メサエッチングが開始されるレベル(起点となるレベル)すなわち第1の上部クラッド層の上面が第2の上部クラッド層の上面よりも低くなる。よって、第1及び第2の光導波路を構成するためのメサを形成する工程において、第1及び第2の半導体光デバイスの領域上に形成する第2の絶縁体マスクを両デバイス領域に渡って同一の一定幅としても、第1の活性層を含む第1の光導波路の幅が、第2の活性層を含む第2の光導波路の幅よりも小さくされる。つまり、式(1)で表される関係を満足する。なお、ここでの‘レベル’とは、基板に垂直な方向に沿った高さ位置をいう。
【0022】
具体的には、基板、第1及び第2の下部クラッド層、並びに第1及び第2の上部クラッド層としてInPを用い、第1及び第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、第1及び第2の活性層、並びに第1及び第2の上部分離閉じ込めヘテロ構造層としてInGaAsPを用いることができる。
【0023】
またさらに、メサを形成する工程においては、リン酸系溶液を用いてキャップ層の露出部分をエッチングした後、臭素及びアルコールの混合溶液を用いてメサエッチングを行うと、所望のメサエッチングを有効に実施できる点でより好ましい。
【0024】
さらにまた、第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程に先立って、予め求めておいた第1及び第2の上部クラッド層と同種材料から成る上部クラッド層の膜厚と、メサを形成する工程を実施した場合に形成される第1及び第2の活性層と同種材料から成る活性層の幅との相関関係に基づいて、メサを形成する工程によって形成される第1及び第2の光導波路が上記式(1)で表される関係を満たす所望の幅を有するように、それぞれ第1及び第2上部クラッド層の膜厚を予め決定し、第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程においては、それぞれ予め決定した膜厚となるように第1及び第2の上部クラッド層を形成すると一層好適である。
【0025】
本発明者の知見によれば、上部クラッド層と、メサエッチングで形成される活性層の幅とが高度の相関関係を有することが確認された。すなわち、実際の製造条件において予め取得した両者の関係から、所望の光導波路の幅が達成される第1及び第2の上部クラッド層の厚さを決定し、各々の厚さを有する第1及び第2クラッド層を積層すれば、その後のメサエッチングによって第1及び第2の光導波路に対する所望の幅Wa,Wbを実現できる。
【0026】
加えて、第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程においては、第1の光導波路の幅Waが0.8〜1.4μmとなるように、且つ、第2の光導波路の幅Wbが1.5〜2.0μmとなるように、第1及び第2上部クラッドを成膜すると有用である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は図示の値に限定されず、また説明のものと必ずしも一致しない。さらに、上下左右等の位置関係については、特に明示しない限り、図面における位置関係に基づくものとする。
【0028】
図1は、本発明による光集積素子の好適な一実施形態の構造を示す斜視図である。また、図2は、図1におけるII−II線断面を示す模式図であり、図3及び図4は、図1及び図2におけるそれぞれIII−III線断面びIV−IV線断面を示す模式図である。光集積素子100は、半導体から成る基板10の主面上の領域Ra(第1の領域)及び領域Rb(第2の領域)にそれぞれDFB半導体レーザ1(第1の半導体光デバイス)及びEA型変調器2(第2の半導体光デバイス)が形成された光半導体集積素子であり、縦方向(図1のz方向)に延在するストライプ構造を有している。
【0029】
領域Raに形成されたDFB半導体レーザ1は、基板10の上面に順次に被着された下部クラッド層42(第1の下部クラッド層)、多重量子井戸−分離閉じ込め構造(MQW−SCH)層44、及び上部クラッド層46(第1の上部クラッド層)を備えている。これらは、いずれもメサ型の半導体層である。基板10及び下部クラッド層42は、いずれもn−InPから成る一方、上部クラッド層46はp−InPから成る。このように、下部クラッド層42、MQW−SCH層44、及び上部クラッド層46から第1のIII−V族化合物半導体多層膜が構成されている。これらの下部クラッド層42、上部クラッド層46、及び後述する上部クラッド層22は、MQW−SCH層44で発生した光をMQW−SCH層44内に閉じ込めるためのものである。したがって、これらのクラッド層は、MQW−SCH層44よりも低い屈折率を有している。
【0030】
また、MQW−SCH層44は、下部クラッド層42から上部クラッド層46へ向かって、例えば、第1SCH層、第2SCH層(第1の下部分離閉じ込めヘテロ構造層)、活性層(第1の活性層)、第3SCH層及び第4SCH層(第1の上部分離閉じ込めヘテロ構造層)が順次積層された多層半導体であり、各層は、何れも4元化合物半導体のInGaAsPで構成されている。
【0031】
詳細構造の図示を省略するが、第1SCH層と第4SCH層は、対になって分離閉じ込めヘテロ構造を形成しており、両層は、同一のバンドギャップを有している。また、第2SCH層と第3SCH層も、対になって分離閉じ込めヘテロ構造を形成しており、両層は、第1SCH層及び第4SCH層と異なる同一のバンドギャップを有している。さらに、第2SCH層及び第3SCH層に挟まれた活性層は、複数のバリア層及び複数の井戸層が交互に積層された多重量子井戸(MQW)構造を成している。
【0032】
このように構成されたMQW−SCH層44は、バンドギャップ波長分布と同様の屈折率分布を有している。なお、各層のバンドギャップ波長分布と屈折率分布は、InGaAsPの組成を適宜調整することにより実現される。また、MQW−SCH層44における活性層は、好ましくはアンドープ半導体であり、こうすることにより相対的にキャリア濃度が低い半導体層(例えばi層)となる傾向にある。ただし、この活性層は、隣接する半導体層に比してキャリア濃度が絶対的に低いn型又はp型半導体層であっても構わない。
【0033】
またさらに、MQW−SCH層44と上部クラッド層46との界面、より具体的には、上述したMQW−SCH層44の最上層たる第4SCH層と上部クラッド層46との界面には、例えば断面が正弦波形状を成す回折格子が設けられている(図2参照)。かかる回折格子は、例えば第4SCH層の上面に形成されており、レーザ共振器を構成する。なお、回折格子は上述した第1SCH層と下部クラッド層42との界面に設けられていてもよい。このような回折格子としては、例えば、水平方向(図1のy方向)に沿って一様に設けられ、且つ、活性層の全長に沿って形成された均一回折格子が挙げられる。
【0034】
一方、領域Rbに形成されたEA型変調器2は、基板10の上面に順次に被着された下部クラッド層12(第2の下部クラッド層)、MQW−SCH層14、及び上部クラッド層16(第2の上部クラッド層)を備えている。これらは、いずれもメサ型の半導体層である。下部クラッド層12は、n−InPから成る一方、上部クラッド層16は、p−InPから成る。このように、下部クラッド層12、MQW−SCH層14、及び上部クラッド層16から第2のIII−V族化合物半導体多層膜が構成されている。
【0035】
また、MQW−SCH層14は、下部クラッド層12から上部クラッド層16へ向かって、例えば、第1SCH層、第2SCH層(第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層)、活性層(第2の活性層)、第3SCH層及び第4SCH層(第2の上部分離閉じ込めヘテロ構造層)が順次積層された多層半導体であり、各層は、何れも4元化合物半導体のInGaAsPで構成されている。これらの下部クラッド層12、上部クラッド層16、及び後述する上部クラッド層22は、MQW−SCH層44で発生してMQW−SCH層14内に入射した光をMQW−SCH層14内に閉じ込めるためのものである。したがって、これらのクラッド層は、MQW−SCH層14よりも低い屈折率を有している。
【0036】
詳細構造の図示を省略するが、MQW−SCH層14は、第4SCH層と上部クラッド層16との界面に回折格子が設けられていないこと以外は、MQW−SCH層44と同様に、対になったSCH層で形成された分離閉じ込めヘテロ構造に活性層が挟まれた構造を有している。なお、各層のバンドギャップ波長分布と屈折率分布は、InGaAsPの組成を適宜調整することにより実現される。
【0037】
また、下部クラッド層12,42、MQW−SCH層14,44、及び上部クラッド層16,46の両側面は、p−InPから成る埋め込み層18によって覆われている。さらに、その上には、n−InPから成る電流ブロック層20が設けられている。さらに、上部クラッド層16,46、埋め込み層18、及び電流ブロック層20の上には、p−InPから成る上部クラッド層22が被着されている。このように、n型の電流ブロック層20が、p型の上部クラッド層22とp型の埋め込み層18との間に介在している。
【0038】
上部クラッド層22の上面における領域Ra,Rbには、それぞれDEB半導体レーザ1及びEA型変調器2のためのp+−InGaAsから成る各コンタクト層24が被着されている。両コンタクト層は電気的に分離されており、それらの各上面には、開口部を有する絶縁膜(図示せず)を介して、それぞれDEB半導体レーザ1及びEA型変調器2のための各上部電極層28が被着されている。また、基板10の下面には、下部共通電極層30が被着されている。なお、コンタクト層24に隣接する上部クラッド層22は、上部クラッド層16,46よりも高いp型導電性を有していてもよい。さらに、下部共通電極層30に隣接する基板10は、下部クラッド層12,42よりも高いn型導電性を有していてもよい。
【0039】
このようにして領域Raから領域Rbへ向かう軸(図示z軸)に沿って、領域Ra,RbにそれぞれDFB半導体レーザ1の光導波路(第1の光導波路)、及びEA型変調器2の光導波路(第2の光導波路)が形成されている。ここで、光集積素子100における積層構造の具体的な寸法の一例を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
また、光集積素子100は、下記式(1);
Wa<Wb …(1)、
で表される関係を満たすように、DFB半導体レーザ1及びEA型変調器2が形成されたものである。式中、Waは、DFB半導体レーザ1のMQW−SCH層44の上面レベルにおける図示y方向に沿う幅(所定レベルにおける第1の光導波路の幅)を示し(図4参照)、Wbは、EA型変調器2のMQW−SCH層14の上面レベルにおける図示y方向に沿う幅(所定レベルにおける第2の光導波路の幅)を示す(図3参照)。
【0042】
また、好ましくは、Waが0.8〜1.4μmであり、Wbが1.5〜2.0μmであって、特に好ましくは、Waが略1.3μm、及びWbが略1.7μmを例示できる。
【0043】
また、EA型変調器が形成された領域Rbにおける前端面32には、DFB半導体レーザ1のMQW−SCH層44の活性層で発生してEA型変調器2を通過した光に対する反射率が結晶へき開面より小さくなるようにAR(Anti−Reflection:無反射)コートが施されている。一方、DFB半導体レーザ1が形成された領域Raの後端面34には、MQW−SCH層44の活性層で発生した光に対する反射率が結晶へき開面より大きくなるように、HR(High Reflection:高反射)コートが施されている。こうして、DFB半導体レーザ1で生成されたレーザ光は、前端面32から図2中に示す矢印60の方向に出射する。
【0044】
次に、光集積素子100を有効に製造する方法の一例について説明する。図5(A)〜(D)は、本発明の光集積素子の製造方法によって光集積素子100を製造している状態の一例を示す工程図である。
【0045】
〈DFB半導体レーザ1のための半導体多層膜の成長〉
まず、基板10の主面の全面(領域Ra,Rb)上に下部クラッド層42、MQW−SCH層44を構成する各層、及び上部クラッド層46を、例えば有機金属気相成長法等により順次エピタキシャル成長させる(図5(A)参照)。これにより、最終的にDFB半導体レーザ1を構成するIII−V族化合物半導体多層膜が形成される。このとき、MQW−SCH層44の最上層である第4SCH層と上部クラッド層46との界面、具体的には第4SCH層の上面に均一回折格子を形成する。なお、かかる回折格子を、MQW−SCH層44の最下層である第1SCH層と下部クラッド層42との界面に形成するようにしてもよい。
【0046】
〈領域Raでの絶縁体マスク形成〉
次に、上部クラッド層46上の全面に絶縁膜を形成する。この絶縁膜としては、シリコン窒化膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO2膜)、シリコン窒化酸化膜(SiON膜)等の絶縁性シリコン化合物膜を用いることができる。さらに、フォトリソグラフィにより領域Raの絶縁膜上にレジスト膜を形成する。このレジスト膜をマスクとし、例えばドライエッチング法により領域Rbの絶縁膜を除去して絶縁体マスク61(第1の絶縁体マスク)を形成する。
【0047】
〈領域Rbの半導体多層膜のエッチング〉
次いで、領域Rb上の下部クラッド層42、MQW−SCH層44、及び上部クラッド層46をエッチングによって取り除く(図5(B)参照)。このとき、下部クラッド層242を残してもよい。エッチング方法としては、反応性イオンエチング(RIE)を用いると好適である。これにより、DFB半導体レーザ1を構成するIII−V族化合物半導体多層膜が形成される。
【0048】
〈EA型変調器2のための半導体多層膜の成長〉
次に、領域Rbに露出した基板10の面上に下部クラッド層12、MQW−SCH層14を構成する各層、及び上部クラッド層16を、例えば有機金属気相成長法等により順次エピタキシャル成長させる(図5(C)参照)。このとき、領域Ra上には絶縁体マスク61が被着されているため、領域Ra上では半導体結晶は成長しない。これにより、EA型変調器2を構成するIII−V族化合物半導体多層膜が形成される。その後、絶縁体マスク61を除去する。
【0049】
ここで、本工程においては、後掲する表2に示す如く、下部クラッド層12,42を同等の厚さとし、MQW−SCH層14,44を略同等の厚さとする一方、上部クラッド層16の厚さが上部クラッド層46に比して薄くなるように成膜を実施する。その結果、図5(C)に示すように、領域Ra,Rbのそれぞれに形成された半導体多層膜は、MQW−SCH層14,44で光学的に結合するように、且つ、上部クラッド層16,46の境界において僅かな段差を有するように接合される。
【0050】
〈メサエッチングのための絶縁体マスク形成〉
次に、領域Ra,Rbの上部クラッド層16,46上の全面にGaInAsから成るキャップ層(図5(D)において図示せず)を形成した後、その上の全面に絶縁膜を形成する。この絶縁膜としては、SiN膜、SiO2膜、SiON膜等の絶縁性シリコン化合物膜を用いることができる。さらに、フォトリソグラフィにより領域Ra,Rbの図示z軸に沿う中央部上に一定幅のレジスト膜を形成する。このレジスト膜をマスクとし、例えばドライエッチング法により領域Ra,Rbの絶縁膜を除去して絶縁体マスク63(第2の絶縁体マスク)を形成する。
【0051】
図5(D)に示す如く、絶縁体マスク63は、領域Ra,Rbに渡って一定の同一幅を有するストライプ状を成しており、上部クラッド層16,46の境界における段差の側壁面上にも形成される。また、絶縁体マスク63の延在する方向(領域RaからRbへ向かう図示z軸方向)は、半導体多層膜のオリエンテーションフラットに垂直な方向:〈011(バー)〉とされている。
【0052】
〈メサエッチング〉
次に、絶縁体マスク63を用い、図5(D)に示す一点鎖線の外側をエッチングしてストライプ状のメサを形成する。図6(A)〜(C)は、図5(D)に示す状態の半導体多層膜の集積体をメサエッチングしている状態を示す工程図であり、それぞれ図5(D)におけるIV−IV線断面を表したものである。また、図5(D)に示す半導体多層膜の集積体における積層構造の具体的な寸法の一例を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
メサ形成においては、まず、絶縁体マスク63が形成されていない露出したキャップ層65(図6(A)参照)を除去する。このときのエッチングは、ドライエッチ又はウェットエッチのいずれでもよく、メサ形成においてダミー層として機能するキャップ層65や半導体多層膜の組成等に応じたエッチング剤(エッチャント)を適宜選択できるが、GaInAs系又はInP系のキャップ層65の場合には、リン酸系エッチング液によるウェットエッチが好適である。これにより、絶縁体マスク63が形成されていないキャップ層65の露出部がエッチングされ、ストライプが形成される(図6(B)参照)。
【0055】
次に、リン酸系エッチング液を洗浄した後、臭素及びエタノールの混合液から成るエッチング液を用い、基板10の一部が露出する程度まで、ウェットエッチを施す。これにより、キャップ層65及び半導体多層膜の一定の結晶面が露呈するような異方性成分を含むメサエッチングが行われ、絶縁体マスク63直下近傍のキャップ層65及び半導体多層膜の一部が内側にオーバーエッチされると共に裾広がりの断面形状を有するメサが形成される(図6(C)参照)。
【0056】
こうして形成されたメサ形状を有するストライプ状の光導波路においては、領域Raでの上部クラッド層46の上面レベルが上部クラッド層16に比して低いので、前者のメサエッチングがその低い位置から開始される。よって、同一レベルにおけるメサ幅は、領域Raの方が領域Rbよりも小さくなる。すなわち、DFB半導体レーザ1の光導波路の幅WaがEA型変調器2の光導波路の幅Wbよりも小さくなり、式(1)で表される関係が満たされる(図6(C)参照)。
【0057】
また、メサの形成に先立って予め求めておいた上部クラッド層16,46の厚さと、メサエッチングによって形成される光導波路の幅(メサ幅)との関係に基づいて、エピタキシャル成長させる上部クラッド層16,46の厚さを調整することにより、最終的に形成されるDFB半導体レーザ1及びEA型変調器2の光導波路の幅(本実施形態では、MQW−SCH層14,44の上面の幅Wa,Wb)を所望の値に制御する。
【0058】
図7は、p−InPから成る上部クラッド層(上部クラッド層16,46と同一組成を有するもの)の厚さと、その層厚を有する上部クラッド層を用いたメサエッチングによって形成されたMQW−SCH層(MQW−SCH層14,44に相当)の幅との関係の一例を示すグラフである。これは、ストライプ状の絶縁体マスク(絶縁体マスク63に相当)の幅を4μmとしたときの結果である。図中、黒丸は測定点を示し、実線で示す曲線は各測定点を結ぶ目安線である。これより、上部クラッド層の厚さとMQW−SCH層のが高い相関関係を示すことが確認された。よって、所望の幅を有するMQW−SCH層14,44を得るには、図7に例示する関係から上部クラッド層16,46に必要な厚さを決定することができる。
【0059】
〈埋め込み層の形成〉
次いで、絶縁体マスク63を残した状態で、埋め込み層18及び電流ブロック層20を堆積させる。このとき、絶縁体マスク63上には半導体結晶は成長しない。これにより、メサの側方が埋め込まれて平坦化される。その後、絶縁体マスク63及びその下のエッチングされなかったキャップ層65を順次選択除去する。
【0060】
〈コンタクト層、電極層の形成〉
さらに、平坦化されたメサ上の領域Ra,Rbの全面に上部クラッド層22を被着させた後、その上にコンタクト膜を形成する。そして、領域Ra,Rbの境界中央部、すなわち、DFB半導体レーザ1及びEA型変調器2をそれぞれ構成する半導体多層膜の接合部において光導波路の延在方向と交差する図示y方向に沿って延びる部位のコンタクト膜を除去する。これにより、DFB半導体レーザ1及びEA型変調器2のための互いに分離された各コンタクト層24が形成される。さらに、それらの上に図示しない絶縁膜を介して互いに分離された上部電極層28(アノード電極として機能する)を形成する。また、基板10の裏面側には下部共通電極層30(カソード電極として機能する)を形成する。
【0061】
このような構成を有する光集積素子100及びその製造方法によれば、DFB半導体レーザの光導波路の幅Waが、それと同一レベルにおけるEA型変調器2の光導波路の幅Wbよりも小さいので、EA型変調器2の光導波路内の光閉じ込め性が高められ、ひいては光集積素子100全体の光閉じ込め性が向上される。したがって、変調効率が高められ、換言すれば、素子に印加する電界をより小さくしても従来と同等又はそれ以上の効率で光変調が可能となり、光通信性能を従来と同等又はそれ以上に維持しつつ省電力化が可能となる。
【0062】
また、DFB半導体レーザ1の光導波路の幅Waを0.8〜1.4μmとし、EA型変調器2の光導波路の幅Wbを1.5〜2.0μmとした場合には、両光デバイスに要求される横シングルモード条件といった一定の発振条件を実現できる。さらに、EA型変調器2の光導波路における光閉じ込め性を一層高めて更に変調効率を増大できる。詳しくは、DFB半導体レーザ1に係る幅Waが0.8μm未満又は1.4μmを超えると、場合によっては横シングルモードでの発振を確実に行い難くなることがある。特に、その上限を超えた場合には、高次のモード(多モード)の存在確率が高まる傾向にある。
【0063】
これに対し、EA型変調器2に係る幅Wbが1.5μm未満となると、光導波路における光の閉じ込め性を有意に高め難くなる。一方、この幅Wbが2.0μmを超えると、横シングルモードでの発振が困難となるおそれがあると共に、変調速度が不都合な程に低下するおそれがある。
【0064】
そして、かかる幅寸法の条件を満たすように光集積素子100を形成すれば、例えばWbが2.0μmのときにEA型変調器2の光導波路における光閉じ込めを最大30%程度増大することが可能となる。本発明者の知見によれば、光集積素子100における最適値は、幅Waが1.3μm程度であり、幅Wbが1.7μm程度である。
【0065】
さらに、光集積素子100の製造において、異なる層厚の上部クラッド層16,46を成長させ、特に式(1)で表される関係を満たすべく、領域Rbの上部クラッド層16を領域Raの上部クラッド層46に比して厚く設けるので、メサ形成に際して単一の一定幅を有する絶縁体マスク63、つまり単一のマスクパターンを用いれば足りる。このように、従来と異なる構成を有する光集積素子100を製造するのに、新たな成膜工程やエッチング工程が付加された新規なプロセスを採用する必要がないので、製造プロセスの複雑化、生産歩留まりの低下、及び経済性の悪化を防止できる。
【0066】
またさらに、単一幅の絶縁体マスク63を用いるので、領域Ra,Rbの境界部、つまりDFB半導体レーザ1及びEA型変調器2を構成するそれぞれの半導体多層膜の境界において、メサ形成後の各光導波路の接合部で散乱による光結合の損失が生じることを抑止できる。よって、迷光の発生を防止でき、ひいてはEA型変調器2での消光比の低下を防止できる。
【0067】
さらにまた、上部クラッド層16,46の境界部に生じる段差は、数百nm(表1及び2に示す素子構造では200nm(0.2μm))に過ぎず、その上方に形成される上部クラッド層22(表1より1500nm(1.5μm))、及びコンタクト層24(表1より500nm(0.5μm))に比して微小である。よって、上部クラッド層22及びコンタクト層24を形成した後、その上面は実質的に平坦化されており、その後の上部電極層28の形成や実装工程に対して当該段差が悪影響を与えるおそれはない。
【0068】
また、図7に示す如く高度な相関関係を示す上部クラッド層の層厚とメサ形成後のMQW−SCH層の幅との関係に基づいて上部クラッド層16,46の厚さを決定し、その厚さとなるように上部クラッド層16及び/又は上部クラッド層46の成長を制御すれば、式(1)で表される関係を満たす所望の幅Wa,Wbを有する光導波路を備える光集積素子100を確実に製造し易くなる。よって、製品の安定性及び信頼性を向上できる。
【0069】
さらに、光集積素子100を有効に製造する方法の他の例について説明する。図8(A)〜(D)は、本発明の光集積素子の製造方法によって光集積素子100を製造している状態の他の例を示す工程図である。
【0070】
〈DFB半導体レーザ1のための半導体多層膜の成長〉
まず、上述した図5(A)に示すのと同様にして、基板10と同組成を有する基板110の主面全面(領域Ra,Rb)上に下部クラッド層142(第1の下部クラッド層)、MQW−SCH層144を構成する各層、及び上部クラッド層146(第1の上部クラッド層)を順次エピタキシャル成長させる(図8(A)参照)。このとき、MQW−SCH層144の最上層のSCH層と上部クラッド層146との界面、或いは、MQW−SCH層44の最下層のSCH層と下部クラッド層142との界面に均一回折格子を形成する。
【0071】
〈領域Raでの絶縁体マスク形成〉及び〈領域Rbの半導体多層膜のエッチング〉
次に、上述した図5(B)に示すのと同様にして、上部クラッド層146上の全面にSiN膜等の絶縁膜を形成し、レジスト膜をマスクとしてドライエッチング法等により領域Rbの絶縁膜を除去して絶縁体マスク161(第1の絶縁体マスク)を形成する。次いで、領域Rb上のクラッド層142、MQW−SCH層144、及び上部クラッド層146をRIE等のエッチングで除去する(図8(B)参照)。
【0072】
〈EA型変調器2のための半導体多層膜の成長〉
次に、領域Rbに露出した基板110の面上に下部クラッド層112(第2の下部クラッド層)、MQW−SCH層114を構成する各層、及び上部クラッド層116(第2の上部クラッド層)を順次エピタキシャル成長させる(図8(C)参照)。このとき、領域Ra上には絶縁体マスク61が被着されているため、領域Ra上では半導体結晶は成長しない。その後、絶縁体マスク61を除去する。
【0073】
ここで、本例においては、前掲した表2に示すのと異なり、下部クラッド層12,42を同等の厚さとし、MQW−SCH層114,144を略同等の厚さとするだけでなく、上部クラッド層116,146の厚さも同等となるように成膜を実施する。その結果、図8(C)に示すように、領域Ra,Rbのそれぞれに形成された半導体多層膜は、MQW−SCH層114,144で光学的に結合するように、且つ、上部クラッド層116,146の境界において段差を有しないように接合される。
【0074】
〈メサエッチングのための絶縁体マスク形成〉
次に、領域Ra,Rbの上部クラッド層116,146上の全面にGaInAsから成るキャップ層(図5(D)において図示せず)を形成した後、その上の全面にSiN膜等の絶縁膜を形成する。さらに、フォトリソグラフィにより領域Ra,Rbの図示z軸に沿う中央部上に、それぞれ異なる一定幅のレジスト膜を形成する。このとき、領域Raにおけるレジスト膜の幅が、領域Rbにおけるレジスト膜の幅よりも小さくなるようなパターンを用いる。
【0075】
次に、これらのレジスト膜をマスクとし、例えばドライエッチング法により領域Ra,Rbの絶縁膜を除去し、それぞれ絶縁体マスク93a,93b(第2の絶縁体マスク)を形成する。図8(D)に示す如く、絶縁体マスク93a,93bは、領域Ra,Rbにおいて渡って異なる一定幅を有するストライプ状を成しており、具体的には、絶縁体マスク93aの方が、絶縁体マスク93bよりも幅狭とされている。なお、絶縁体マスク93a,93bの延在する方向は、上述した例と同様に半導体多層膜のオリエンテーションフラットに垂直な方向:〈011(バー)〉とされている。
【0076】
〈メサエッチング〉
次に、絶縁体マスク63を用い、図8(D)に示す一点鎖線の外側をエッチングしてストライプ状のメサを形成する。このメサ形成は、上述したのと略同様の条件で実施できる。概説すると、絶縁体マスク63が形成されていない露出したキャップ層を、例えばリン酸系エッチング液によるウェットエッチで除去した後、臭素及びエタノールの混合液から成るエッチング液を用い、基板110の一部が露出する程度まで、ウェットエッチを施す。これにより、キャップ層及び半導体多層膜の一定の結晶面が露呈するような異方性成分を含むメサエッチングが行われ、メサが形成される。
【0077】
こうして形成されたメサ形状を有するストライプ状の光導波路においては、領域Ra,Rbにおいてメサエッチングが開始される起点レベルが同等であるが、絶縁体マスク93aが絶縁体マスク93bより幅が狭い。よって、同一レベルにおけるメサ幅は、領域Raの方が領域Rbよりも小さくなる。すなわち、DFB半導体レーザ1の光導波路の幅WaがEA型変調器2の光導波路の幅Wbよりも小さくなり、式(1)で表される関係が満たされる(図8(D)参照)。
【0078】
〈埋め込み層の形成〉及び〈コンタクト層、電極層の形成〉
次いで、上述したのと同様にして、埋め込み層18及び電流ブロック層20を堆積させてメサの側方を埋め込んで平坦化する。その後、絶縁体マスク63及びその下のエッチングされなかったキャップ層を順次選択除去する。さらに、平坦化されたメサ上の領域Ra,Rbの全面に上部クラッド層22を被着させた後、その上に両領域Ra,Rbに各コンタクト層24、及び各上部電極層28を形成する。また、基板10の裏面側には下部共通電極層30を形成する。
【0079】
このような製造方法によっても、式(1)で表される関係を満たす光導波路を有する光集積素子100を確実に得ることができる。ただし、絶縁体マスク93a,93bの幅が、領域Ra,Rbの境界部(DFB半導体レーザ1及びEA型変調器2の各半導体多層膜の接合部)で急激に(ステップ状に)変化するため、メサ形成後の各光導波路の接合部において散乱による光結合の損失が生じるおそれがある。こうなると迷光が生じてEA型変調器2における消光比の低下を招くことがあるので注意が必要である。
【0080】
さらに、光集積素子100の寸法形状(表1及び2参照)で、幅の異なる絶縁体マスク93a,93bを0.1μmオーダーで接合部に的確に位置合わせするには、製造工程が複雑となる場合がある。よって、かかる不都合が想定されるときには、前述した図5(A)〜(D)、図6及び図7を参照して説明した上部クラッド層16,46の接合部に段差を設ける方法・手順によるのが好ましい。
【0081】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0082】
例えば、光集積素子として、他の半導体レーザ、光増幅器、受光素子、マッハツェンダ型変調器、光導波器、合波器、分波器といった他のデバイスを単数又は複数備えてもよい。また、本発明の目的に鑑みれば、光通信の効率化及び省電力化を達成できる光集積素子の提供を主目的とするものの、その本質は、第2の半導体光デバイスにおける光閉じ込め性を向上させることにある。よって、かかる手段が有効であれば、第1及び第2の半導体光デバイスとして、DFB半導体レーザ1及びEA型変調器2以外の上記他のデバイスを単独で又は複数組み合わせて適用することができる。
【0083】
また、メサエッチングとしてRIEを用いてもよい。さらに、基板10,110として、GaAs半導体基板を用いる場合にも、本発明は有効である。さらに、DFB半導体レーザ1に設ける回折格子は、均一でなくてもよく、また、位相シフトするようにしても構わない。またさらに、埋め込み層18として、Fe等の不純物がドープされたInPを用いてもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光集積素子及びその製造方法によれば、変調効率を向上することができ、これにより、素子に印加する電界をより小さくしても従来と同等又はそれ以上の効率で光変調が可能となる。また、このように変調効率が高められた光集積素子を実現できるので、光集積素子の多種・多様化に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光集積素子の好適な一実施形態の構造を示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面を示す模式図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面を示す模式図である。
【図4】図1におけるIV−IV線断面を示す模式図である。
【図5】図5(A)〜(D)は、本発明の光集積素子の製造方法によって光集積素子100を製造している状態の一例を示す工程図である。
【図6】
図6(A)〜(C)は、図5(D)に示す状態の半導体多層膜の集積体をメサエッチングしている状態を示す工程図である。
【図7】
上部クラッド層の厚さとMQW−SCH層の幅との関係の一例を示すグラフである。
【図8】
図8(A)〜(D)は、本発明の光集積素子の製造方法によって光集積素子100を製造している状態の他の例を示す工程図である。
【図9】
図9(A)〜(D)は、従来の方法によってかかる光集積素子を製造している状態の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1…DFB半導体レーザ(第1の半導体光デバイス)、2…EA型変調器(第2の半導体光デバイス)、10,110…基板、12,112…下部クラッド層(第2の下部クラッド層)、14,114…MQW−SCH層、16,116…上部クラッド層(第2の上部クラッド層)、18…埋め込み層、20…電流ブロック層、22…上部クラッド層、24…コンタクト層、28…上部電極層、30…下部共通電極層、42,142…下部クラッド層(第1の下部クラッド層)、44,144…MQW−SCH層、46,146…上部クラッド層(第1の上部クラッド層)、61,161…絶縁体マスク(第1の絶縁体マスク)、63,93a,93b…絶縁体マスク(第2の絶縁体マスク)、65…キャップ層、100…光集積素子、Ra…領域(第1の領域)、Rb…領域(第2の領域)、Wa,Wb…光導波路の幅。
Claims (9)
- 第1の活性層を含む第1のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第1の光導波路が形成された第1の半導体光デバイスと、第2の活性層を含む第2のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第2の光導波路が形成された第2の半導体光デバイスとを備える光集積素子であって、
前記第1及び第2の半導体光デバイスが、下記式(1);
Wa<Wb …(1)、
Wa:所定レベルにおける前記第1の光導波路の幅、
Wb:前記所定レベルにおける前記第2の光導波路の幅、
で表される関係を満たすように、且つ、前記第1の活性層と前記第2の活性層が光学的に結合するように基板上に集積されて成る光集積素子。 - 前記第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜が、それぞれ前記基板上に順次積層された第1及び第2の下部クラッド層、第1及び第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、第1及び第2の活性層、第1及び第2の上部分離閉じ込めヘテロ構造層、並びに、第1及び第2の上部クラッド層を有しており、
前記基板、前記第1及び第2の下部クラッド層、並びに前記第1及び第2の上部クラッド層がInPから成り、
前記第1及び第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、前記第1及び第2の活性層、並びに前記第1及び第2の上部分離閉じ込めヘテロ構造層がInGaAsPから成る、
請求項1記載の光集積素子。 - 前記第1の光導波路の幅Waが0.8〜1.4μmであり、前記第2の光導波路の幅Wbが1.5〜2.0μmである、
請求項1又は2に記載の光集積素子。 - 第1の活性層を含む第1のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第1の光導波路が形成された第1の半導体光デバイスと、第2の活性層を含む第2のIII−V族化合物半導体多層膜を有し第2の光導波路が形成された第2の半導体光デバイスとを備える光集積素子の製造方法であって、
前記第1及び第2の半導体光デバイスが、下記式(1);
Wa<Wb …(1)、
Wa:所定レベルにおける前記第1の光導波路の幅、
Wb:前記所定レベルにおける前記第2の光導波路の幅、
で表される関係を満たすように、且つ、前記第1の活性層と前記第2の活性層が光学的に結合するように、該第1及び第2の半導体光デバイスを基板上に形成する光集積素子の製造方法。 - 前記基板上に、前記第1の半導体光デバイスを構成するための第1の下部クラッド層、第1の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、前記第1の活性層、第1の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、及び第1の上部クラッド層をこの順に積層して第1のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程と、
前記第1のIII−V族化合物半導体多層膜の第1の領域上に第1の絶縁体マスクを形成する工程と、
前記第1の絶縁体マスクを用いて前記第1の領域と異なる第2の領域における前記第1のIII−V族化合物半導体多層膜をエッチングする工程と、
前記第1の絶縁体マスクを残した状態で、前記第2の領域に前記第2の半導体光デバイスを構成するための第2の下部クラッド層、第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、前記第2の活性層、第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、及び、前記第1の上部クラッド層よりも厚い第2の上部クラッド層をこの順に積層して第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁体マスクを除いた後に、前記第1及び第2の上部クラッド層上にキャップ層を形成し、更に該キャップ層上に一定の幅を有する第2の絶縁体マスクを形成する工程と、
前記キャップ層及び前記第2の絶縁体マスクを用いて前記第1及び第2の光導波路を構成するためのメサを形成する工程と、
前記メサの側方を埋め込む埋め込み部を形成する工程と、
前記第2の絶縁体マスクを除いた後に前記第1及び第2上部クラッド層の上方にコンタクト層及び上部電極を形成する工程と、
を備える請求項4記載の光集積素子の製造方法。 - 前記基板、前記第1及び第2の下部クラッド層、並びに前記第1及び第2の上部クラッド層としてInPを用い、
前記第1及び第2の下部分離閉じ込めヘテロ構造層、前記第1及び第2の活性層、並びに前記第1及び第2の上部分離閉じ込めヘテロ構造層としてInGaAsPを用いる、
請求項5記載の光半導体素子の製造方法。 - 前記メサを形成する工程においては、リン酸系溶液を用いて前記キャップ層の露出部分をエッチングした後、臭素及びアルコールの混合溶液を用いてメサエッチングを行う、
請求項5又は6に記載の光集積素子の製造方法。 - 前記第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程に先立って、予め求めておいた前記第1及び第2の上部クラッド層と同種材料から成る上部クラッド層の膜厚と、前記メサを形成する工程を実施した場合に形成される前記第1及び第2の活性層と同種材料から成る活性層の幅との相関関係に基づいて、前記メサを形成する工程によって形成される前記第1及び第2の光導波路が前記式(1)で表される関係を満たす所望の幅を有するように、それぞれ前記第1及び第2上部クラッド層の膜厚を予め決定し、
前記第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程においては、それぞれ予め決定した膜厚となるように前記第1及び第2の上部クラッド層を形成する、
請求項5〜7のいずれか一項に記載の光集積素子の製造方法。 - 前記第1及び第2のIII−V族化合物半導体多層膜を形成する工程においては、前記第1の光導波路の幅Waが0.8〜1.4μmとなるように、且つ、前記第2の光導波路の幅Wbが1.5〜2.0μmとなるように、前記第1及び第2上部クラッド層を成膜する、
請求項4〜8のいずれか一項に記載の光集積素子の製造方法。
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JP2002300659A JP4161671B2 (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | 光集積素子の製造方法 |
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JP2002300659A JP4161671B2 (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | 光集積素子の製造方法 |
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