JP2004139703A - レンズ駆動装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

レンズ駆動装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置 Download PDF

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安藤 俊一
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Abstract

【課題】低い消費電力で応答性良く対物レンズの位置及び姿勢を精度良く制御することができるレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】ハウジングにそれぞれ固定され、互いに対峙する第1、第2のユニット面をそれぞれ有する第1、第2の磁石ユニット(91a、91b)において、各ユニット面の対物レンズ60に近い部分に互いに逆極性の第1、第2の磁石領域(RA1、RA2、RB1、RB2)をトラックの接線に直交する方向に沿ってそれぞれ配置し、残りの部分に互いに逆極性の磁石領域を少なくとも一対それぞれ配置する。そして、フォーカシングコイル(84a、84b)及びタンジェンシャルチルトコイルを互いに逆極性の磁石領域のそれぞれに対して対向する位置に配置し、トラッキングコイル(82a、82b)及びラジアルチルトコイル88を、第1、第2の磁石領域のそれぞれに対向する位置に配置する。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ駆動装置、光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、光ピックアップ装置に搭載され、情報記録媒体の記録面に光を集光する対物レンズを駆動するためのレンズ駆動装置、該レンズ駆動装置を備えた光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置では、光ディスクなどの情報記録媒体が用いられ、その記録面にレーザ光を照射することにより情報の記録及び消去を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置は、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置を備えている。
【0003】
通常、光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を情報記録媒体の記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力される。
【0004】
近年、情報記録媒体の記録容量の増加要求に伴い記録密度の高密度化が図られてきた。記録密度を高くするには記録面に形成される光スポットのスポット径を小さくする必要があり、開口数の大きな対物レンズが用いられる傾向にある。しかしながら、対物レンズの開口数が大きくなると、対物レンズの光軸方向と記録面に垂直な方向とのずれ(以下、便宜上「メディアチルト」ともいう)に起因する波面収差のコマ収差成分(以下、「コマ収差」と略述する)も大きくなり、光スポットの形状の劣化、再生情報及びサーボ情報などを含む信号の劣化を引き起こすおそれがあるという不都合があった。
【0005】
そこで、メディアチルトの検出結果に基づいて、記録面に対する対物レンズの傾きを制御する装置が種々提案された(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−195078号公報
【特許文献2】
特開2000−207757号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の対物レンズ駆動装置では、いわゆるMM(Moving Magnet)方式を採用し、対物レンズを保持するレンズホルダに4個の永久磁石を固着して可動部としているために、可動部の重量が大きくなり、必要な駆動力を得るのが困難な場合があるという不都合があった。さらに、応答性が低下し、高速度でのアクセスに支障をきたす場合があるという不都合もあった。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の対物レンズ駆動装置では、トラッキング制御用のコイルとフォーカス制御用のコイルとを利用しているために、メディアチルトに含まれる情報記録媒体におけるトラックの接線方向に直交する方向(以下、「ラジアル方向」ともいう)のチルト成分(以下、「ラジアルチルト」ともいう)の制御は可能であるが、トラックの接線方向(以下、「タンジェンシャル方向」ともいう)に関するチルト成分(以下、「タンジェンシャルチルト」ともいう)の制御は困難であるという不都合があった。また、ラジアルチルトを制御する際に、対物レンズを保持するレンズホルダのほぼ中央部分が回転中心となるために、対物レンズの主点位置に比較的大きな一種のアッベ誤差が生じる場合があるという不都合があった。
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、低い消費電力で応答性良く対物レンズの位置及び姿勢を精度良く制御することができるレンズ駆動装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、情報記録媒体の所定位置に所定形状の光スポットを精度良く安定して形成することができる光ピックアップ装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の第3の目的は、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光ピックアップ装置を構成するハウジングに搭載され、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に光を集光する対物レンズを駆動するレンズ駆動装置であって、前記ハウジングに固定された固定部材と;前記対物レンズを保持する保持部材と;前記トラックの接線方向に延び、それぞれの一端と他端とが前記固定部材及び前記保持部材に接続された複数の弾性部材と;前記ハウジングにそれぞれ固定され、前記トラックの接線方向である第1軸方向に関して、前記保持部材を挟んで互いに対峙する第1、第2のユニット面をそれぞれ有し、前記第1、第2のユニット面における前記対物レンズに近い部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の第1、第2の磁石領域が前記トラックの接線に直交する方向である第2軸方向に沿ってそれぞれ配置されるとともに、前記第1、第2のユニット面における残りの部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の磁石領域が少なくとも一対それぞれ配置された第1、第2の磁石ユニットと;前記第1、第2のユニット面における互いに逆極性の磁石領域のそれぞれに対して、少なくとも一部がそれぞれ対向する状態で前記保持部材に取り付けられた少なくとも1つのフォーカシングコイルと;前記第1、第2のユニット面における互いに逆極性の磁石領域のそれぞれに対して、相互に対をなすコイルが対向する状態で前記保持部材に取り付けられた少なくとも一対のタンジェンシャルチルトコイルと;前記第1、第2のユニット面における前記第1、第2の磁石領域にそれぞれの一部が対向して前記保持部材に取り付けられた一対のトラッキングコイルと;前記第1、第2のユニット面における前記第1、第2の磁石領域にその一部が対向する状態で前記保持部材に取り付けられたラジアルチルトコイルと;を備えるレンズ駆動装置である。本明細書における磁石ユニットは、全体が磁石のみで構成される必要はなく、例えば各磁石領域の間に非磁石領域が存在しても良い。また、磁石ユニットにおける互いに逆極性の磁石領域は、2つの磁石を組み合わせて構成しても良いが、互いに反対方向に着磁された2つの部分を有する1つの磁石であっても良い。要するに、第1、第2のユニット面に上記所定の位置関係で複数の磁石領域が配置されていれば良い。
【0013】
これによれば、例えば、フォーカシングコイルに電流が供給されると、その電流値及び電流の向きに応じて、保持部材をハウジングに対してフォーカス方向に駆動する駆動力が発生し、トラッキングコイルに電流が供給されると、その電流値及び電流の向きに応じて、保持部材をハウジングに対して第2軸方向に駆動する駆動力が発生する。また、ラジアルチルトコイルに電流が供給されると、その電流値及び電流の向きに応じて、保持部材をハウジングに対して第1軸方向に垂直な面内で傾ける回転力が発生し、タンジェンシャルチルトコイルに電流が供給されると、その電流値及び電流の向きに応じて、保持部材をハウジングに対して第2軸方向に垂直な面内で傾ける回転力が発生する。そこで、例えば対物レンズによって情報記録媒体の記録面に形成される光スポットのフォーカスがずれている場合には、そのずれ量に対応する電流をフォーカシングコイルに供給することにより対物レンズを合焦位置に駆動することができ、光スポットの形成位置にトラックずれがある場合には、そのずれ量に対応する電流をトラッキングコイルに供給することによりトラックずれを補正することができる。また、情報記録媒体の記録面に垂直な軸に対して対物レンズの光軸がラジアル方向にずれている場合には、そのずれ量に対応する電流をラジアルチルトコイルに供給することによりラジアルチルトを補正することができ、情報記録媒体の記録面に垂直な軸に対して対物レンズの光軸がタンジェンシャル方向にずれている場合には、そのずれ量に対応する電流をタンジェンシャルチルトコイルに供給することによりタンジェンシャルチルトを補正することができる。また、各磁石ユニットはハウジングに固定されているために、可動部の重量が大きく増加することはなく、小さな駆動電流で、応答性良く保持部材を駆動することができる。さらに、ラジアルチルトコイルが保持部材の対物レンズに近い部分に配置されているために、ラジアルチルト制御の際の一種のアッベ誤差を小さくすることができる。従って、低い消費電力で応答性良く対物レンズの位置及び姿勢を精度良く制御することが可能となる。
【0014】
この場合において、請求項2に記載のレンズ駆動装置の如く、前記第1、第2のユニット面における残りの部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の第3、第4の磁石領域が前記記録面に対するフォーカス方向である第3軸方向に沿って配置されていることとすることができる。
【0015】
この場合において、請求項3に記載のレンズ駆動装置の如く、前記タンジェンシャルチルトコイルは、一対設けられ、その一対のタンジェンシャルチルトコイルは、前記第1、第2のユニット面における前記第3、第4の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることとすることができる。
【0016】
上記請求項2及び3に記載の各レンズ駆動装置において、請求項4に記載のレンズ駆動装置の如く、前記フォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における前記第3の磁石領域にその一部が対向する状態で前記保持部材の周囲に巻回されていることとすることができる。
【0017】
上記請求項2及び3に記載の各レンズ駆動装置において、請求項5に記載のレンズ駆動装置の如く、前記フォーカシングコイルは、一対設けられ、その一対のフォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における前記第3、第4の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることとすることができる。
【0018】
上記請求項1に記載のレンズ駆動装置において、請求項6に記載のレンズ駆動装置の如く、前記第1、第2のユニット面における残りの部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の第5、第6の磁石領域が前記第2軸方向に沿って配置されていることとすることができる。かかる場合には、磁石ユニットを小型化することができる。
【0019】
この場合において、請求項7に記載のレンズ駆動装置の如く、前記フォーカシングコイルは、二対設けられ、そのうちの一対のフォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第1、第5の磁石領域のそれぞれに対向して配置され、残りの一対のフォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第2、第6の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることとすることができる。
【0020】
上記請求項6及び7に記載の各レンズ駆動装置において、請求項8に記載のレンズ駆動装置の如く、前記タンジェンシャルチルトコイルは、二対設けられ、そのうちの一対のタンジェンシャルチルトコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第1、第5の磁石領域のそれぞれに対向して配置され、残りの一対のタンジェンシャルチルトコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第2、第6の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることとすることができる。
【0021】
上記請求項1〜8に記載の各レンズ駆動装置において、請求項9に記載のレンズ駆動装置の如く、前記フォーカシングコイル及び前記タンジェンシャルチルトコイルは、少なくともその一部が前記第1軸方向に関して互いに重なり、その重なる部分では前記タンジェンシャルチルトコイルが前記保持部材側に配置されていることとすることができる。かかる場合には、フォーカシングコイルに強い磁束がかかり、高い駆動力を得ることができる。
【0022】
上記請求項1〜8に記載の各レンズ駆動装置において、請求項10に記載のレンズ駆動装置の如く、前記フォーカシングコイル及び前記タンジェンシャルチルトコイルは、前記第1軸方向にほぼ直交する方向に互いに離れて配置されていることとすることができる。
【0023】
上記請求項1〜10に記載の各レンズ駆動装置において、請求項11に記載のレンズ駆動装置の如く、前記トラッキングコイル及び前記ラジアルチルトコイルは、少なくともその一部が前記第1軸方向に関して互いに重なり、その重なる領域では前記ラジアルチルトコイルが前記保持部材側に配置されていることとすることができる。かかる場合には、トラッキングコイルに強い磁束がかかり、高い駆動力を得ることができる。
【0024】
上記請求項1〜10に記載の各レンズ駆動装置において、請求項12に記載のレンズ駆動装置の如く、前記トラッキングコイル及び前記ラジアルチルトコイルは、前記第1軸方向にほぼ直交する方向に互いに離れて配置されていることとすることができる。
【0025】
上記請求項1〜12に記載の各レンズ駆動装置において、請求項13に記載のレンズ駆動装置の如く、前記複数の線状部材は、前記フォーカシングコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねと、前記トラッキングコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねと、前記ラジアルチルトコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねと、前記タンジェンシャルチルトコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねとを含むこととすることができる。
【0026】
請求項14に記載の発明は、情報記録媒体の記録面上に光束を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、前記光束を出射する光源と;請求項1〜13のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と;前記保持部材に保持され、前記光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置である。
【0027】
これによれば、光源から出射された光束は、請求項1〜13のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置を構成するレンズ保持部に保持された対物レンズを含む光学系を介して情報記録媒体の記録面に集光され、記録面で反射された戻り光束は光学系を介して光検出器で受光される。そこで、例えば記録面に形成された光スポットにフォーカスずれ及びトラックずれがある場合には、それらのずれ量に対応する電流をレンズ駆動装置に供給することにより、フォーカスずれ及びトラックずれを補正することができる。また、情報記録媒体の記録面に垂直な軸に対して対物レンズの光軸がラジアル方向及びタンジェンシャル方向にずれている場合には、それらのずれ量に対応する電流をレンズ駆動装置に供給することにより、光軸のずれを補正することができる。すなわち、低い消費電力で応答性良く、対物レンズのフォーカス制御、トラッキング制御、ラジアルチルト制御、及びタンジェンシャルチルト制御をそれぞれ個別に行うことが可能である。また、ラジアルチルト制御及びタンジェンシャルチルト制御に伴う一種のアッベ誤差が非常に小さいため、ラジアルチルト制御及びタンジェンシャルチルト制御を精度良く行うことができる。従って、情報記録媒体の所定位置に所定形状の光スポットを精度良く安定して形成することが可能となる。
【0028】
請求項15に記載の発明は、情報記録媒体の記録面上に光束を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、前記光束を出射する光源と;請求項1〜13のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と;前記保持部材に保持され、前記光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;前記受光位置に配置された光検出器と;前記情報記録媒体の傾きを検出するチルト検出手段と;前記チルト検出手段の出力信号に基づいて前記レンズ駆動装置を制御するチルト制御手段と;を備える光ピックアップ装置である。
【0029】
これによれば、光源から出射された光束は、請求項1〜13のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置を構成するレンズ保持部に保持された対物レンズを含む光学系を介して情報記録媒体の記録面に集光され、記録面で反射された戻り光束は光学系を介して光検出器で受光される。そこで、例えば情報記録媒体の記録面に垂直な軸に対して対物レンズの光軸がラジアル方向及びタンジェンシャル方向にずれている場合には、チルト検出手段により、ラジアルチルト量及びタンジェンシャルチルト量が検出され、その検出結果に基づいてラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトを個々に補正する駆動電流がレンズ駆動装置に供給され、光軸のずれが補正される。従って、光検出器の出力信号にはメディアチルトの影響が除去された信号が安定して出力されることとなる。その結果、対物レンズのフォーカス制御及びトラッキング制御を精度良く行うことが可能となる。従って、情報記録媒体の所定位置に所定形状の光スポットを精度良く安定して形成することが可能となる。
【0030】
請求項16に記載の発明は、情報記録媒体に対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項14に記載の光ピックアップ装置と;前記情報記録媒体の傾きを検出するチルト検出手段と;前記チルト検出手段及び前記光ピックアップ装置の出力信号に基づいて前記レンズ駆動装置を制御するとともに、前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0031】
これによれば、請求項14に記載の光ピックアップ装置及び情報記録媒体の傾きを検出するチルト検出手段を備え、処理装置により、光ピックアップ装置及びチルト検出手段の出力信号に基づいてレンズ駆動装置を制御するとともに、光ピックアップ装置の出力信号を用いて前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう。従って、情報記録媒体の記録面に対する対物レンズの位置及び姿勢を応答性良く高精度で制御することが可能となり、記録面の所定位置に所定形状の光スポットが精度良く安定して形成される。その結果、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。さらに、消費電力の低減も促進することができ、例えば携帯用として用いられる場合には、更に長時間の使用が可能となる。
【0032】
請求項17に記載の発明は、情報記録媒体に対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項15に記載の光ピックアップ装置と;前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0033】
これによれば、請求項15に記載の光ピックアップ装置を備えているために、記録面の所定位置に所定形状の光スポットを精度良く安定して形成することができ、その結果、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。さらに、消費電力の低減も促進することができ、例えば携帯用として用いられる場合には、更に長時間の使用が可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成が示されている。
【0035】
この図1に示される光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、ドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40、RAM41及びチルトセンサ42などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてDVD系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられるものとする。
【0036】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面の所定位置にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0037】
前記再生信号処理回路28は、図2に示されるように、第1のI/Vアンプ28a、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、デコーダ28e、第2のI/Vアンプ28f、及びチルト検出回路28gなどから構成されている。第1のI/Vアンプ28aは、光ピックアップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。サーボ信号検出回路28bは、第1のI/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてサーボ信号(フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号など)を検出する。ここで検出されたサーボ信号はサーボコントローラ33に出力される。ウォブル信号検出回路28cは、第1のI/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてウォブル信号を検出する。RF信号検出回路28dは、第1のI/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてRF信号を検出する。デコーダ28eは、ウォブル信号検出回路28cで検出されたウォブル信号からADIP(Address In Pregroove)情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたADIP情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。また、デコーダ28eは、RF信号検出回路28dで検出されたRF信号に対して復調処理及び誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。なお、再生データが音楽データの場合には外部のオーディオ機器などに出力される。第2のI/Vアンプ28fは、チルトセンサ42の出力信号である電流信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。チルト検出回路28gは、第2のI/Vアンプ28gからの電圧信号に基づいて光ディスク15のタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトを検出する。ここで検出されたタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトは、チルト情報信号としてサーボコントローラ33に出力される。
【0038】
図1に戻り、前記サーボコントローラ33は、サーボ信号に基づいて光ピックアップ装置23を制御するための各種制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。また、サーボコントローラ33は、チルト情報信号に基づいてタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトを補正するためのチルト補正信号をそれぞれ生成し、モータドライバ27に出力する。
【0039】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号及びチルト補正信号に基づいて光ピックアップ装置23に駆動信号を出力する。また、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいてスピンドルモータ22に駆動信号を出力する。
【0040】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定量になるとCPU40に通知する。
【0041】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加等を行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成するとともに、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0042】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて光ディスク15に照射するレーザ光の出力を制御する。
【0043】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)などの標準インターフェースに準拠している。
【0044】
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。そして、CPU40は、ROM39に格納されているプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどを一時的に前記RAM41に保存する。
【0045】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について図3〜図8を用いて説明する。光ピックアップ装置23は、図3に示されるように、スピンドルモータ22によって回転している光ディスク15の記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するピックアップ本体101と、このピックアップ本体101を保持するとともに、ピックアップ本体101のX軸方向(紙面左右方向)への移動をガイドする2本のシークレール102と、ピックアップ本体101をX軸方向に駆動するためのシークモータ(図示省略)などを含んで構成されている。
【0046】
前記ピックアップ本体101は、ハウジング71と、このハウジング71の内部に格納され、波長が660nmの光束を光ディスク15の記録面にほぼ垂直な方向に出射する光束出射系12と、この光束出射系12からの光束を光ディスク15の記録面の所定位置に集光する集光系11とから構成されている。
【0047】
前記光束出射系12は、図4に示されるように、光源ユニット51、カップリングレンズ52、ビームスプリッタ54、立ち上げミラー56、検出レンズ58、シリンドリカルレンズ57及び光検出器としての受光器59などを備えている。
【0048】
前記光源ユニット51は、波長が660nmの光束を発光する光源としての半導体レーザ(図示省略)を備えている。この光源ユニット51は、光源ユニット51から出射される光束(以下「出射光束」ともいう)の最大強度出射方向が+X方向となるようにハウジング71に固定されている。
【0049】
前記カップリングレンズ52は、光源ユニット51の+X側に配置され、出射光束を略平行光とする。前記ビームスプリッタ54は、カップリングレンズ52の+X側に配置され、光ディスク15の記録面からの反射光(戻り光束)を−Y方向に分岐する。前記立ち上げミラー56は、ビームスプリッタ54の+X側に配置され、ビームスプリッタ54を透過した出射光束の最大強度出射方向を+Z側に変更する。立ち上げミラー56で最大強度出射方向が+Z側に変更された出射光束は、ハウジング71に設けられた開口部を介して前記集光系11に入射する。
【0050】
前記検出レンズ58は、ビームスプリッタ54の−Y側に配置され、ビームスプリッタ54で−Y側に分岐された戻り光束を集光する。前記シリンドリカルレンズ57は、検出レンズ58の−Y側に配置され、検出レンズ58で集光された戻り光束を整形する。前記受光器59は、シリンドリカルレンズ57の−Y側に配置され、シリンドリカルレンズ57で整形された戻り光束をその受光面で受光する。この受光器59には、通常の光ディスク装置と同様に4分割受光素子が用いられており、各受光素子からは、それぞれ受光量に応じた信号が再生信号処理回路28に出力される。すなわち、ハウジング71の内部には、半導体レーザから出射された光束を集光系11に導くとともに、戻り光束を受光器59に導くための光路が形成されている。
【0051】
前記集光系11は、図5(A)及びこの図5(A)におけるA−A線断面図である図5(B)に示されるように、対物レンズ60、保持部材としてのレンズホルダ81、第1のトラッキング用コイル82a、第2のトラッキング用コイル82b、第1のフォーカス用コイル84a、第2のフォーカス用コイル84b、ベース板85、第1のヨーク86a、第2のヨーク86b、固定部材としての第1のステム87a及び第2のステム87b、ラジアルチルト用コイル88、第1のタンジェンシャルチルト用コイル89a、第2のタンジェンシャルチルト用コイル89b、第1の磁石ユニットとしての第1の永久磁石91a、第2の磁石ユニットとしての第2の永久磁石91b、導電性を有する8本の線ばね(92a、92a、92b、92b、92c、92c、92d、92dとする)、第1のプリント基板93a及び第2のプリント基板93bなどから構成されている。
【0052】
前記ベース板85は、外形が長方形の板状部材であり、そのほぼ中央部には、ハウジング71に設けられた前記開口部とほぼ同形状の開口部が設けられている。このベース板85は、長辺の方向がY軸方向とほぼ一致するとともに、その開口部がハウジング71に設けられた開口部と重なるように、その一側の面がハウジング71の+Z側の面と貼り合わされている。なお、ベース板85は磁気回路を形成するためのヨークとしての役割を有している。ベース板85の他側の面には、前記第1のステム87a、前記第2のステム87b、前記第1のヨーク86a及び前記第2のヨーク86bが、それぞれ所定の位置関係で配置されている。
【0053】
第1のステム87a及び第2のステム87bは、それぞれほぼ同形状のブロック状部材であり、第1のステム87aはベース板85の−Y側の端部近傍に配置され、第2のステム87bはベース板85の+Y側の端部近傍に配置されている。第1のステム87a及び第2のステム87bにはY軸方向に延びる貫通孔が四隅にそれぞれ形成されている。
【0054】
第1のヨーク86a及び第2のヨーク86bは、それぞれほぼ同形状の板状部材であり、それぞれの板厚方向がY軸方向と一致するように配置されている。第1のヨーク86aは第1のステム87aの+Y側に配置され、第2のヨーク86bは第2のステム87bの−Y側に配置されている。
【0055】
前記第1の永久磁石91a及び第2の永久磁石91bは、それぞれほぼ同形状のブロック状の永久磁石である。第1の永久磁石91aは第1のヨーク86aの+Y側の面に貼り付けられ、第2の永久磁石91bは第2のヨーク86bの−Y側の面に貼り付けられている。すなわち、第1の永久磁石91aの+Y側の面(第1のユニット面)と第2の永久磁石91bの−Y側の面(第2のユニット面)とは互いに対峙している。
【0056】
第1の永久磁石91aの+Y側の面は、図6(A)に示されるようにXY面に平行な2つの着磁境界AP1、AP2によって3つの領域に分けられ、さらに最も+Z側の領域はYZ面に平行な着磁境界AP3によって2つの領域に分けられている。ここでは、最も+Z側の領域で着磁境界AP3の+X側の領域を領域RA1(第1の磁石領域)、着磁境界AP3の−X側の領域を領域RA2(第2の磁石領域)、着磁境界AP1とAP2との間の領域を領域RA3(第3の磁石領域)、着磁境界AP1の−Z側の領域を領域RA4(第4の磁石領域)とする。そして、領域RA1と領域RA2とは互いに逆向きとなるY軸方向(第1軸方向)の磁束を発生する互いに逆極性の領域であり、領域RA3と領域RA4とは互いに逆向きとなるY軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の領域である。なお、領域RA1と領域RA3とは互いに逆極性の領域であり、領域RA2と領域RA4とは互いに逆極性の領域である。
【0057】
第2の永久磁石91bは、図6(B)に示されるようにXY面に平行な2つの着磁境界BP1、BP2によって3つの領域に分けられ、さらに最も+Z側の領域はYZ面に平行な着磁境界BP3によって2つの領域に分けられている。ここでは、最も+Z側の領域で着磁境界BP3の+X側の領域を領域RB1(第1の磁石領域)、着磁境界BP3の−X側の領域を領域RB2(第2の磁石領域)、着磁境界BP1とBP2との間の領域を領域RB3(第3の磁石領域)、着磁境界BP1の−Z側の領域を領域RB4(第4の磁石領域)とする。そして、領域RB1と領域RB2とは互いに逆向きとなるY軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の領域であり、領域RB3と領域RB4とは互いに逆向きとなるY軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の領域である。なお、領域RB1と領域RB3とは互いに逆極性の領域であり、領域RB2と領域RB4とは互いに逆極性の領域である。
【0058】
また、領域RA1と領域RB1とは互いに逆極性の領域であり、領域RA2と領域RB2とは互いに逆極性の領域である。
【0059】
図5(A)及び図5(B)に戻り、前記第1のプリント基板93aは、第1のステム87aの−Y側の面に固定されており、複数の入力端子及び出力端子を備えている。前記第2のプリント基板93bは、第2のステム87bの+Y側の面に固定されており、複数の入力端子及び出力端子を備えている。各入力端子には、モータドライバ27からの複数の信号線がそれぞれ接続される。
【0060】
前記レンズホルダ81は、外形形状が立方体に類似した部材であり、ベース板85から+Z側に所定の距離だけ離れた状態で、第1の永久磁石91aと第2の永久磁石91bとの間に配置されている。また、図5(B)に示されるようにレンズホルダ81の中央部にはハウジング71からの出射光束の光路となるZ軸方向に延びる貫通孔が形成されている。この貫通孔の+Z側の端部には、前記対物レンズ60がその光軸と貫通孔の中心軸とがほぼ一致するように配置されている。さらに、レンズホルダ81には、図7(A)〜図7(D)に示されるように、ラジアルチルト用コイル88、第1のトラッキング用コイル82a、第2のトラッキング用コイル82b、第1のフォーカス用コイル84a、第2のフォーカス用コイル84b、第1のタンジェンシャルチルト用コイル89a、及び第2のタンジェンシャルチルト用コイル89bがそれぞれ所定の位置関係で固定されている。
【0061】
ラジアルチルト用コイル88は、図7(A)に示されるように、XY平面においてレンズホルダ81の周囲に巻回された1つのコイルであり、図8(A)に示されるように、レンズホルダ81の−Y側では、第1の永久磁石91aの領域RA1及び領域RA2に対向する位置に配置され、図8(B)に示されるように、レンズホルダ81の+Y側では第2の永久磁石91bの領域RB1及び領域RB2に対向する位置に配置されている。これにより、ラジアルチルト用コイル88に駆動電流が供給されると、ラジアルチルト用コイル88を流れる電流と第1の永久磁石91aの領域RA1及び第2の永久磁石91bの領域RB1からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)に力(第1のラジアルチルト力)が発生するとともに、ラジアルチルト用コイル88を流れる電流と第1の永久磁石91aの領域RA2及び第2の永久磁石91bの領域RB2からの磁束とに基づいて、−Z方向(又は+Z方向)、すなわち、第1のラジアルチルト力と反対の方向に力(第2のラジアルチルト力)が発生する。ここでは、第1のラジアルチルト力及び第2のラジアルチルト力は互いに同じ大きさとなるように設定されているため、結果として、レンズホルダ81は駆動電流の電流値に応じてXZ面内で回転することとなる。なお、回転方向はラジアルチルト用コイル88を流れる電流の向きによって制御することができる。
【0062】
第1のトラッキング用コイル82a及び第2のトラッキング用コイル82bは、互いにほぼ同一形状のコイルである。第1のトラッキング用コイル82aは、図8(A)に示されるように第1の永久磁石91aの領域RA1及び領域RA2と対向する位置に配置され、その一部がラジアルチルト用コイル88と重なり合っている。第2のトラッキング用コイル82aは、図8(B)に示されるように第2の永久磁石91bの領域RB1及び領域RB2と対向する位置に配置され、その一部がラジアルチルト用コイル88と重なり合っている。なお、トラッキング用コイルはラジアルチルト用コイルよりも大きな推力を必要とするため、トラッキング用コイルに強い磁束がかかるように、ラジアルチルト用コイルをレンズホルダ81側に配置している。また、第1のトラッキング用コイル82aと第2のトラッキング用コイル82bとは互いに同一の駆動電流が供給されるように結線されている。これにより、第1のトラッキング用コイル82aに駆動電流が供給されると、第1のトラッキング用コイル82aを流れる電流と第1の永久磁石91aの領域RA1及び領域RA2からの磁束とに基づいて+X方向(又は−X方向)に力(第1のトラッキング力)が発生する。一方、第2のトラッキング用コイル82bに駆動電流が供給されると、第2のトラッキング用コイル82bを流れる電流と第2の永久磁石91bの領域RB1及び領域RB2からの磁束とに基づいて+X方向(又は−X方向)、すなわち、第1のトラッキング力と同じ方向に力(第2のトラッキング力)が発生する。ここでは、第1のトラッキング力及び第2のトラッキング力は互いに同じ大きさとなるように設定されているため、結果として、レンズホルダ81は駆動電流の電流値に応じて+X方向(又は−X方向)に駆動することとなる。なお、駆動方向は各トラッキング用コイルを流れる電流の向きによって制御することができる。
【0063】
第1のタンジェンシャルチルト用コイル89a、第2のタンジェンシャルチルト用コイル89b、第1のフォーカス用コイル84a及び第2のフォーカス用コイル84bは、いずれもほぼ同一形状のコイルである。第1のタンジェンシャルチルト用コイル89aと第1のフォーカス用コイル84aとは、図7(B)に示されるようにY軸方向に互いに積層され、第1の積層コイルSC1を形成している。また、第2のタンジェンシャルチルト用コイル89bと第2のフォーカス用コイル84bとは、図7(B)に示されるようにY軸方向に互いに積層され、第2の積層コイルSC2を形成している。
【0064】
上記第1の積層コイルSC1は、レンズホルダ81の−Y側であって、図8(A)に示されるように第1の永久磁石91aの領域RA3及び領域RA4と対向する位置に配置されている。上記第2の積層コイルSC2は、レンズホルダ81の+Y側であって、図8(B)に示されるように第2の永久磁石91bの領域RB3及び領域RB4と対向する位置に配置されている。なお、フォーカス用コイルはタンジェンシャルチルト用コイルよりも大きな駆動力を必要とするため、フォーカス用コイルに強い磁束がかかるように、タンジェンシャルチルト用コイルをレンズホルダ81側に配置している。また、第1のフォーカス用コイル84aと第2のフォーカス用コイル84bとは互いに同一の駆動電流が供給されるように結線されている。さらに、第1のタンジェンシャルチルト用コイル89aと第2のタンジェンシャルチルト用コイル89bとは互いに同一の駆動電流が供給されるように結線されている。
【0065】
これにより、第1のフォーカス用コイル84aに駆動電流が供給されると、第1のフォーカス用コイル84aを流れる電流と第1の永久磁石91aの領域RA3及び領域RA4からの磁束に基づいて+Z方向(又は−Z方向)に力(第1のフォーカス力)が発生する。一方、第2のフォーカス用コイル84bに駆動電流が供給されると、第2のフォーカス用コイル84bを流れる電流と第2の永久磁石91bの領域RB3及び領域RB4からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)、すなわち、第1のフォーカス力と同じ方向に力(第2のフォーカス力)が発生する。ここでは、第1のフォーカス力及び第2のフォーカス力は互いに同じ大きさとなるように設定されているため、結果として、レンズホルダ81は駆動電流の電流値に応じて+Z方向(又は−Z方向)に駆動することとなる。なお、駆動方向は各フォーカス用コイルを流れる電流の向きによって制御することができる。
【0066】
また、第1のタンジェンシャルチルト用コイル89aに駆動電流が供給されると、第1のタンジェンシャルチルト用コイル89aを流れる電流と第1の永久磁石91aの領域RA3及び領域RA4からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)に力(第1のタンジェンシャルチルト力)が発生する。第2のタンジェンシャルチルト用コイル89bに駆動電流が供給されると、第2のタンジェンシャルチルト用コイル89bを流れる電流と第2の永久磁石91bの領域RB3及び領域RB4からの磁束とに基づいて−Z方向(又は+Z方向)、すなわち、第1のタンジェンシャルチルト力と反対の方向に力(第2のタンジェンシャルチルト力)が発生する。ここでは、第1のタンジェンシャルチルト力及び第2のタンジェンシャルチルト力は互いに同じ大きさとなるように設定されているため、結果として、レンズホルダ81は駆動電流の電流値に応じてYZ面内で回転することとなる。なお、回転方向は各タンジェンシャルチルト用コイルを流れる電流の向きによって制御することができる。
【0067】
レンズホルダ81には、ラジアルチルト用コイル88に駆動電流を供給するための端子Ta、Ta、各トラッキング用コイルに駆動電流を供給するための端子Tb、Tb、各フォーカス用コイルに駆動電流を供給するための端子Tc、Tc、各タンジェンシャルチルト用コイルに駆動電流を供給するための端子Td、Tdが設けられている。ここでは、レンズホルダ81の+X側の面の四隅に端子Ta、Ta、Tc及びTcが、レンズホルダ81の−X側の面の四隅に端子Tb、Tb、Td及びTdが設けられている。そして、端子Taには線ばね92aの一端が接続され、端子Taには線ばね92aの一端が接続され、端子Tbには線ばね92bの一端が接続され、端子Tbには線ばね92bの一端が接続されている。また、端子Tcには線ばね92cの一端が接続され、端子Tcには線ばね92cの一端が接続され、端子Tdには線ばね92dの一端が接続され、端子Tdには線ばね92dの一端が接続されている。
【0068】
線ばね92a、92a、92b及び92bはY軸方向に延び、それらの他端は第1のステム87aに設けられた前記貫通孔を介して第1のプリント基板93aの出力端子に、はんだ付け等によってそれぞれ接続されている。また、線ばね92c、92c、92d及び92dはY軸方向に延び、それらの他端は第2のステム87bに設けられた前記貫通孔を介して第2のプリント基板93bの出力端子に、はんだ付け等によってそれぞれ接続されている。なお、各ステムの貫通孔には線ばねをステムに固定するためにシール材が充填されている。従って、レンズホルダ81は、4本の線ばね(92a、92a、92b、92b)を介して第1のステム87aに弾性的に支持され、4本の線ばね(92c、92c、92d、92d)を介して第2のステム87bに弾性的に支持されている。
【0069】
ここで、前述のようにして構成された光ピックアップ装置23の作用について説明する。なお、光ピックアップ装置23は、光ディスク15の記録面に垂直な方向がZ軸方向、トラックの接線方向がY軸方向と一致するように光ディスク装置20に搭載されているものとする。すなわち、X軸方向がトラッキング方向、Z軸方向がフォーカス方向となる。
【0070】
光源ユニット51から+X方向に出射された光束は、カップリングレンズ52で略平行光となった後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54を透過した光束は、立ち上げミラー57で+Z方向に反射され、ハウジング71の開口部及びベース板85の開口部を介して集光系11に入射する。集光系11に入射した光束は、レンズホルダ81の貫通孔を介して対物レンズ60に入射し、対物レンズ60によって光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。
【0071】
光ディスク15の記録面にて反射した反射光は、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、ベース板85の開口部及びハウジング71の開口部を介して立ち上げミラー57に入射する。立ち上げミラー57に入射した戻り光束は−X方向に反射され、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54で−Y方向に分岐した戻り光束は、検出レンズ58及びシリンドリカルレンズ57を介して受光器59で受光される。受光器59を構成する各受光素子は、受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0072】
ここで、光ディスク装置20における対物レンズ60の位置及び姿勢の制御について説明する。
【0073】
《フォーカス制御》
1.再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号を第1のI/Vアンプ28aで電圧信号に変換した後、サーボ信号検出回路28bでフォーカスエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。
2.サーボコントローラ33は、フォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するためのフォーカス制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
3.モータドライバ27は、フォーカス制御信号に対応したフォーカス制御用の駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
4.モータドライバ27からのフォーカス制御用の駆動電流は、第2のプリント基板93bの所定の入力端子に入力され、線ばね92c及び線ばね92cを介して各フォーカス用コイルに供給される。
5.各フォーカス用コイルに駆動電流が流れると、その電流の大きさ及び電流の向きに応じた駆動力が発生し、それによって、レンズホルダ81がフォーカス方向に駆動される。その結果対物レンズ60がフォーカス方向にシフトし、フォーカスずれが補正される。
【0074】
《トラッキング制御》
1.再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号を第1のI/Vアンプ28aで電圧信号に変換した後、サーボ信号検出回路28bでトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。
2.サーボコントローラ33は、トラックエラー信号に基づいてトラックずれを補正するためのトラッキング制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
3.モータドライバ27は、トラッキング制御信号に対応したトラッキング制御用の駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
4.モータドライバ27からのトラッキング制御用の駆動電流は、第1のプリント基板93aの所定の入力端子に入力され、線ばね92b及び線ばね92bを介して各トラッキング用コイルに供給される。
5.各トラッキング用コイルに駆動電流が流れると、その電流の大きさ及び電流の向きに応じた駆動力が発生し、それによって、レンズホルダ81がトラッキング方向に駆動される。その結果対物レンズ60がトラッキング方向にシフトし、トラックずれが補正される。
【0075】
《チルト制御》
1.再生信号処理回路28は、チルトセンサ42の出力信号を第2のI/Vアンプ28fで電圧信号に変換した後、チルト検出回路28gでタンジェンシャルチルト及びラジアルチルトを検出し、チルト情報信号としてサーボコントローラ33に出力する。
2.サーボコントローラ33は、チルト情報信号に基づいて、タンジェンシャルチルトを補正するためのタンジェンシャルチルト補正信号及びラジアルチルトを補正するためのラジアルチルト補正信号をそれぞれ生成し、モータドライバ27に出力する。
3.モータドライバ27は、タンジェンシャルチルト補正信号に対応したタンジェンシャルチルト制御用の駆動電流及びラジアルチルト補正信号に対応したラジアルチルト制御用の駆動電流をそれぞれ光ピックアップ装置23に出力する。
4.モータドライバ27からのタンジェンシャルチルト制御用の駆動電流は、第2のプリント基板93bの所定の入力端子に入力され、線ばね92d及び線ばね92dを介して各タンジェンシャルチルト用コイルに供給される。また、モータドライバ27からのラジアルチルト制御用の駆動電流は、第1のプリント基板93aの所定の入力端子に入力され、線ばね92a及び線ばね92aを介してラジアルチルト用コイルに供給される。
5.各タンジェンシャルチルト用コイルに駆動電流が流れると、その電流の大きさ及び電流の向きに応じた駆動力が発生し、それによって、レンズホルダ81がXZ面内で傾斜する。その結果対物レンズ60がXZ面内で回転し、タンジェンシャルチルトが補正される。また、ラジアルチルト用コイルに駆動電流が流れると、その電流の大きさ及び電流の向きに応じた駆動力が発生し、それによって、レンズホルダ81がYZ面内で傾斜する。その結果対物レンズ60がYZ面内で回転し、ラジアルチルトが補正される。
【0076】
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15にデータを記録する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0077】
《記録処理》
CPU40はホストから記録要求のコマンドを受信すると、指定された記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40はホストから受信したユーザデータのバッファRAM34への蓄積をバッファマネージャ37に指示する。
【0078】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前述の如くしてフォーカス制御、トラッキング制御及びチルト制御(以下、これらを総称して「位置姿勢制御」ともいう)が行われる。なお、位置姿勢制御は記録処理が終了するまで随時行われる。そして、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてADIP情報を取得し、CPU40に通知する。なお、再生信号処理回路28は、記録処理が終了するまで所定のタイミング毎にADIP情報を取得し、CPU40に通知する。
【0079】
CPU40は、ADIP情報に基づいて書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。
【0080】
CPU40は、バッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたユーザデータ量が所定の値を超えたとの通知を受け取ると、エンコーダ25に書き込み信号の生成を指示する。
【0081】
CPU40は、ADIP情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であると判断すると、エンコーダ25に通知する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に記録される。
【0082】
また、前述した光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0083】
《再生処理》
CPU40は、ホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0084】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前述の如くして位置姿勢制御が行われる。なお、位置姿勢制御は再生処理が終了するまで随時行われる。そして、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてADIP情報を取得し、CPU40に通知する。なお、再生信号処理回路28は、再生処理が終了するまで所定のタイミング毎にADIP情報を取得し、CPU40に通知する。
【0085】
CPU40は、ADIP情報に基づいて読み出し開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。そして、CPU40は、ADIP情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が読み出し開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。
【0086】
そして、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてRF信号を検出し、復調処理、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0087】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置では、チルトセンサ42とチルト検出回路28gとによってチルト検出手段が構成されている。また、再生信号処理回路28とCPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0088】
以上説明したように、本実施形態に係るレンズ駆動装置によると、光ディスク15の記録面に形成される光スポットのフォーカスがずれている場合には、そのずれ量に対応する電流をフォーカス用コイルに供給することにより対物レンズ60を合焦位置に駆動することができ、光スポットの形成位置にトラックずれがある場合には、そのずれ量に対応する電流をトラッキング用コイルに供給することによりトラックずれを補正することができる。また、光ディスク15の記録面に垂直な軸に対して対物レンズ60の光軸がラジアル方向にずれている場合には、そのずれ量に対応する電流をラジアルチルト用コイルに供給することによりラジアルチルトを補正することができ、対物レンズ60の光軸がタンジェンシャル方向にずれている場合には、そのずれ量に対応する電流をタンジェンシャルチルト用コイルに供給することによりタンジェンシャルチルトを補正することができる。また、各永久磁石はハウジング71に固定されているために、可動部分の重量が大きく増加することはなく、小さな駆動電流で、応答性良くレンズホルダ81を駆動することができる。さらに、ラジアルチルト用コイルがレンズホルダ81の対物レンズ60に近い部分に配置されているために、ラジアルチルト制御の際の一種のアッベ誤差を小さくすることができる。従って、低い消費電力で応答性良く対物レンズの位置及び姿勢を精度良く制御することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態によると、フォーカス制御、トラッキング制御、ラジアルチルト制御、及びタンジェンシャルチルト制御では、それぞれ独立した各専用の駆動用コイルを用いているために、例えば専用のコイルを持たないでラジアルチルト制御を行う場合に比べて、駆動力配分のための電気回路等が不要となりコストの削減が図れる。
【0090】
また、本実施形態によると、フォーカス用コイルを、タンジェンシャルチルト用コイルよりも永久磁石に近い位置に配置しているために、フォーカス用コイルによって発生する推力を高めることができる。
【0091】
また、本実施形態によると、トラッキング用コイルを、ラジアルチルト用コイルよりも永久磁石に近い位置に配置しているために、トラッキング用コイルによって発生する推力を高めることができる。
【0092】
また、本実施形態によると、合計8本の線ばねを介して各コイルへの駆動電流の供給を行なっているために、2つの並進方向及び2つの回転方向にレンズホルダを独立して駆動することができる。
【0093】
また、本実施形態に係る光ピックアップ装置によると、低い消費電力で応答性良く、対物レンズのフォーカス制御、トラッキング制御、ラジアルチルト制御、及びタンジェンシャルチルト制御をそれぞれ個別に行うことができる。従って、その結果光ディスクの所定位置に所定形状の光スポットを精度良く安定して形成することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態に係る光ディスク装置によると、光ディスクの所定位置に所定形状の光スポットを精度良く安定して形成することができるため、光ディスクへの高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。さらに、消費電力の低減も促進することができ、例えば携帯用として用いられる場合には、さらに長時間の使用が可能となる。
【0095】
なお、上記実施形態では、フォーカス用コイルがタンジェンシャルチルト用コイルとほぼ同一形状の一対のコイルで構成される場合について説明したが、これに限らず、例えば図9(A)〜図9(D)に示されるようにラジアルチルト用コイル88と同様にXY平面においてレンズホルダ81の周囲に巻回された1つのフォーカス用コイル84を用いても良い。この場合には、図10(A)に示されるように、フォーカス用コイル84は、レンズホルダ81の−Y側では第1の永久磁石91aの領域RA3に対向する位置に配置され、図10(B)に示されるように、レンズホルダ81の+Y側では第2の永久磁石91bの領域RB3に対向する位置に配置される。これにより、フォーカス用コイル84に駆動電流が供給されると、フォーカス用コイル84を流れる電流と第1の永久磁石91aの領域RA3からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)に力(第3のフォーカス力)が発生するとともに、フォーカス用コイル84を流れる電流と第2の永久磁石91bの領域RB3からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)、すなわち、第3のフォーカス力と同じ方向に力(第4のフォーカス力)が発生する。そこで、第3のフォーカス力と第4のフォーカス力とが互いに同じ大きさとなるように設定することにより、レンズホルダ81は駆動電流の大きさに応じて+Z方向(又は−Z方向)に駆動されることとなる。なお、駆動方向はフォーカス用コイル84を流れる電流の向きによって制御することができる。ここでは、フォーカス用コイル84の一部がY軸方向に関して、各タンジェンシャルチルト用コイルと重なり、その重なり部分ではフォーカス用コイルが永久磁石側となっている。これにより、フォーカス用コイルにて発生する推力を高めることができる。また、このときに、図11(A)〜図11(D)に示されるように各タンジェンシャルチルト用コイルと重ならないように配置したフォーカス用コイル84’を用いても良い。要するに、レンズホルダ81の−Y側では第1の永久磁石91aの領域RA3に対向する位置に配置され、レンズホルダ81の+Y側では第2の永久磁石91bの領域RB3に対向する位置に配置されていれば、フォーカス用コイルに駆動電流が供給されたときに、その電流の大きさ及び電流の方向に応じてレンズホルダ81をZ軸方向に駆動する推力を発生させることができる。これにより、各永久磁石とレンズホルダ81との間の距離を小さくすることが可能となり、フォーカス用コイルによって発生する駆動力及びタンジェンシャルチルト用コイルによって発生する推力をいずれも高めることができる。
【0096】
また、上記実施形態では、各永久磁石をそれぞれ3つの着磁境界によって4つの領域に分ける場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば図12(A)及び図12(B)に示されるように、XY面に平行な着磁境界(CP1、DP1)とYZ面に平行な着磁境界(CP2、DP2)とによって4つの領域に分けても良い。すなわち、第1の永久磁石91aの代わりに第3の磁石91a’が用いられ、第2の永久磁石91bの代わりに第4の磁石91b’が用いられても良い。これにより、レンズ駆動装置を小型化することが可能となる。
【0097】
ここでは、第3の磁石91a’は、図12(A)に示されるように着磁境界CP1の+Z側でかつ着磁境界CP2の+X側の領域を領域RC1(第1の磁石領域)、着磁境界CP1の+Z側でかつ着磁境界CP2の−X側の領域を領域RC2(第2の磁石領域)、着磁境界CP1の−Z側でかつ着磁境界CP2の+X側の領域を領域RC3(第5の磁石領域)、着磁境界CP1の−Z側でかつ着磁境界CP2の−X側の領域を領域RC4(第6の磁石領域)とする。なお、隣り合う領域は互いに逆極性を有している。
【0098】
また、第4の磁石91b’は、図12(B)に示されるように着磁境界DP1の+Z側でかつ着磁境界DP2の+X側の領域を領域RD2(第2の磁石領域)、着磁境界DP1の+Z側でかつ着磁境界DP2の−X側の領域を領域RD1(第1の磁石領域)、着磁境界DP1の−Z側でかつ着磁境界DP2の+X側の領域を領域RD4(第6の磁石領域)、着磁境界DP1の−Z側でかつ着磁境界DP2の−X側の領域を領域RD3(第5の磁石領域)とする。なお、隣り合う領域は互いに逆極性を有している。
【0099】
この場合には、図13(A)〜図13(D)に示されるように、第1のタンジェンシャルチルト用コイル89aの代わりにタンジェンシャルチルト用コイル89aとタンジェンシャルチルト用コイル89aとが用いられ、第2のタンジェンシャルチルト用コイル89bの代わりにタンジェンシャルチルト用コイル89bとタンジェンシャルチルト用コイル89bとが用いられる。また、第1のフォーカス用コイル84aの代わりにフォーカス用コイル84aとフォーカス用コイル84aとが用いられ、第2のフォーカス用コイル84bの代わりにフォカス用コイル84bとフォーカス用コイル84bとが用いられる。そして、タンジェンシャルチルト用コイル89aとフォーカス用コイル84aとはY軸方向に互いに積層され、第3の積層コイルSC3を形成している。タンジェンシャルチルト用コイル89aとフォーカス用コイル84aとはY軸方向に互いに積層され、第4の積層コイルSC4を形成している。タンジェンシャルチルト用コイル89bとフォーカス用コイル84bとはY軸方向に互いに積層され、第5の積層コイルSC5を形成している。タンジェンシャルチルト用コイル89bとフォーカス用コイル84bとはY軸方向に互いに積層され、第6の積層コイルSC6を形成している。なお、ここでは、レンズホルダ81の代わりにY側の各面が各積層コイルを安定して配置するための所定の段付き形状を有するレンズホルダ81’を用いている。
【0100】
第3の積層コイルSC3は、図14(A)に示されるように第3の磁石91a’の領域RC2及び領域RC4と対向する位置に配置され、第4の積層コイルSC4は、図14(A)に示されるように第3の磁石91a’の領域RC1及び領域RC3と対向する位置に配置されている。第5の積層コイルSC5は、図14(B)に示されるように第4の磁石91b’の領域RD2及び領域RD4と対向する位置に配置され、第6の積層コイルSC6は、図14(B)に示されるように第4の磁石91b’の領域RD1及び領域RD3と対向する位置に配置されている。なお、フォーカス用コイルはタンジェンシャルチルト用コイルよりも大きな推力を必要とするため、強い磁束がかかるようにフォーカス用コイルを永久磁石側に配置している。また、各フォーカス用コイルは、それぞれ同一の駆動電流が供給されるように結線されている。さらに、各タンジェンシャルチルト用コイルは、それぞれ同一の駆動電流が供給されるように結線されている。
【0101】
これにより、フォーカス用コイル84aに駆動電流が供給されると、フォーカス用コイル84aを流れる電流と第3の磁石91a’の領域RC2及び領域RC4からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)に力(第5のフォーカス力)が発生する。フォーカス用コイル84aに駆動電流が供給されると、フォーカス用コイル84aを流れる電流と第3の磁石91a’の領域RC1及び領域RC3からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)、すなわち、第5のフォーカス力と同じ方向に力(第6のフォーカス力)が発生する。フォーカス用コイル84bに駆動電流が供給されると、フォーカス用コイル84bを流れる電流と第4の磁石91b’の領域RD2及び領域RD4からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)、すなわち、第5のフォーカス力と同じ方向に力(第7のフォーカス力)が発生する。フォーカス用コイル84bに駆動電流が供給されると、フォーカス用コイル84bを流れる電流と第4の磁石91b’の領域RD1及び領域RD3からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)、すなわち、第5のフォーカス力と同じ方向に力(第8のフォーカス力)が発生する。ここで、各フォーカス力が互いに同じ大きさとなるように設定することにより、結果として、レンズホルダ81’は駆動電流の大きさに応じて+Z方向(又は−Z方向)に駆動されることとなる。なお、駆動方向は各フォーカス用コイルを流れる電流の向きによって制御することができる。
【0102】
タンジェンシャルチルト用コイル89aに駆動電流が供給されると、タンジェンシャルチルト用コイル84aを流れる電流と第3の磁石91a’の領域RC2及び領域RC4からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)に力(第3のタンジェンシャルチルト力)が発生する。タンジェンシャルチルト用コイル89aに駆動電流が供給されると、タンジェンシャルチルト用コイル89aを流れる電流と第3の磁石91a’の領域RC1及び領域RC3からの磁束とに基づいて+Z方向(又は−Z方向)、すなわち、第3のタンジェンシャルチルト力と同じ方向に力(第4のタンジェンシャルチルト力)が発生する。タンジェンシャルチルト用コイル89bに駆動電流が供給されると、タンジェンシャルチルト用コイル89bを流れる電流と第4の磁石91b’の領域RD2及び領域RD4からの磁束とに基づいて−Z方向(又は+Z方向)、すなわち、第3のタンジェンシャルチルト力とは反対方向に力(第5のタンジェンシャルチルト力)が発生する。タンジェンシャルチルト用コイル89bに駆動電流が供給されると、タンジェンシャルチルト用コイル89bを流れる電流と第4の磁石91b’の領域RD1及び領域RD3からの磁束とに基づいて−Z方向(又は+Z方向)、すなわち、第3のタンジェンシャルチルト力とは反対方向に力(第6のタンジェンシャルチルト力)が発生する。ここで、各タンジェンシャルチルト力が互いに同じ大きさとなるように設定することにより、レンズホルダ81’は駆動電流の大きさに応じてYZ面内で回転することとなる。なお、回転方向は各タンジェンシャルチルト用コイルを流れる電流の向きによって制御することができる。
【0103】
また、この場合に、図15(A)〜図15(D)に示されるように、各積層コイルとラジアルチルト用コイル88とが重ならないように配置しても良い。これにより、ラジアルチルト用コイル88によって発生する回転力を高めることができる。なお、ここでは、レンズホルダ81の代わりにY側の各面が各積層コイルを安定して配置するための所定の段付き形状を有するレンズホルダ81’’が用いられている。要するに、第3の積層コイルSC3が第3の磁石91a’の領域RC2及び領域RC4と対向する位置に配置され、第4の積層コイルSC4が第3の磁石91a’の領域RC1及び領域RC3と対向する位置に配置され、第5の積層コイルSC5が第4の磁石91b’の領域RD2及び領域RD4と対向する位置に配置され、第6の積層コイルSC6が第4の磁石91b’の領域RD1及び領域RD3と対向する位置に配置されていれば良い。
【0104】
また、上記実施形態では、チルトセンサが光ピックアップ装置とは別に配置される場合について説明したが、これに限らず、チルトセンサが光ピックアップ装置内に実装されても良い。そして、チルト検出回路28gと同様な処理を行う回路を光ピックアップ装置に付加しても良い。これにより、光ピックアップ装置からはメディアチルトの影響が除去された信号が安定して出力されることとなる。その結果、対物レンズのフォーカス制御及びトラッキング制御を精度良く行うことが可能となる。
【0105】
また、上記実施形態では、DVD系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられる場合について説明したが、これに限らず、例えばCD系の規格に準拠した情報記録媒体やレーザディスクであっても良い。
【0106】
また、上記実施形態では、光源が1つの場合について説明したが、これに限らず、複数の光源を備えていても良い。この場合に、例えば波長が405nmの光束を出射する光源、波長が660nmの光束を出射する光源及び波長が780nmの光束を出射する光源の少なくともいずれかを含む複数の光源を備えていても良い。
【0107】
また、上記実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るレンズ駆動装置によると、低い消費電力で応答性良く対物レンズの位置及び姿勢を精度良く制御することができるという効果がある。
【0109】
また、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、情報記録媒体の所定位置に所定形状の光スポットを精度良く安定して形成することができるという効果がある。
【0110】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における再生信号処理回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1における光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。
【図4】図3における光束出射系の詳細構成を説明するための図である。
【図5】図5(A)は、図3における集光系の詳細構成を説明するための図であり、図5(B)は、図5(A)のA−A線断面図である。
【図6】図6(A)は、第1の永久磁石における領域を説明するための図であり、図6(B)は、第2の永久磁石における領域を説明するための図である。
【図7】図7(A)〜図7(D)は、それぞれレンズホルダを駆動するための各コイルを説明するための図である。
【図8】図8(A)及び図8(B)は、それぞれレンズホルダを駆動するための各コイルと永久磁石の各領域との位置関係を説明するための図である。
【図9】図9(A)〜図9(D)は、それぞれ図7(A)〜図7(D)におけるフォーカス用コイルの第1の変形例を説明するための図である。
【図10】図10(A)及び図10(B)は、それぞれ図9(A)〜図9(D)における各コイルと永久磁石の各領域との位置関係を説明するための図である。
【図11】図11(A)〜図11(D)は、それぞれ図7(A)〜図7(D)におけるフォーカス用コイルの第2の変形例を説明するための図である。
【図12】図12(A)及び図12(B)は、それぞれ図6(A)及び図6(B)とは異なる領域配置の例を説明するための図である。
【図13】図13(A)〜図13(D)は、それぞれ図12(A)及び図12(B)のように領域配置された永久磁石が用いられる場合にレンズホルダを駆動するための各コイルを説明するための図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)は、それぞれ図13(A)〜図13(D)における各コイルと永久磁石の各領域との位置関係を説明するための図である。
【図15】図15(A)及び図15(B)は、それぞれ図14(A)〜図14(D)における各積層コイルと他のコイルとの位置関係の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、28g…チルト検出回路(チルト検出手段の一部)、40…CPU(処理装置)、42…チルトセンサ(チルト検出手段の一部)、59…受光器(光検出器)、60…対物レンズ、71…ハウジング、81…レンズホルダ(保持部材)、82a…第1のトラッキング用コイル(トラッキングコイル)、82b…第2のトラッキング用コイル(トラッキングコイル)、84a…第1のフォーカス用コイル(フォーカシングコイル)、84b…第2のフォーカス用コイル(フォーカシングコイル)、87a…第1のステム(固定部材)、87b…第2のステム(固定部材)、88…ラジアルチルト用コイル(ラジアルチルトコイル)、89a…第1のタンジェンシャルチルト用コイル(タンジェンシャルチルトコイル)、89b…第2のタンジェンシャルチルト用コイル(タンジェンシャルチルトコイル)、91a…第1の永久磁石(第1の磁石ユニット)、91b…第2の永久磁石(第2の磁石ユニット)、92a,92a,92b,92b,92c,92c,92d,92d…線ばね(線状部材)。

Claims (17)

  1. 光ピックアップ装置を構成するハウジングに搭載され、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に光を集光する対物レンズを駆動するレンズ駆動装置であって、
    前記ハウジングに固定された固定部材と;
    前記対物レンズを保持する保持部材と;
    前記トラックの接線方向に延び、それぞれの一端と他端とが前記固定部材及び前記保持部材に接続された複数の弾性部材と;
    前記ハウジングにそれぞれ固定され、前記トラックの接線方向である第1軸方向に関して、前記保持部材を挟んで互いに対峙する第1、第2のユニット面をそれぞれ有し、前記第1、第2のユニット面における前記対物レンズに近い部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の第1、第2の磁石領域が前記トラックの接線に直交する方向である第2軸方向に沿ってそれぞれ配置されるとともに、前記第1、第2のユニット面における残りの部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の磁石領域が少なくとも一対それぞれ配置された第1、第2の磁石ユニットと;
    前記第1、第2のユニット面における互いに逆極性の磁石領域のそれぞれに対して、少なくとも一部がそれぞれ対向する状態で前記保持部材に取り付けられた少なくとも1つのフォーカシングコイルと;
    前記第1、第2のユニット面における互いに逆極性の磁石領域のそれぞれに対して、相互に対をなすコイルが対向する状態で前記保持部材に取り付けられた少なくとも一対のタンジェンシャルチルトコイルと;
    前記第1、第2のユニット面における前記第1、第2の磁石領域にそれぞれの一部が対向して前記保持部材に取り付けられた一対のトラッキングコイルと;
    前記第1、第2のユニット面における前記第1、第2の磁石領域にその一部が対向する状態で前記保持部材に取り付けられたラジアルチルトコイルと;を備えるレンズ駆動装置。
  2. 前記第1、第2のユニット面における残りの部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の第3、第4の磁石領域が前記記録面に対するフォーカス方向である第3軸方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記タンジェンシャルチルトコイルは、一対設けられ、その一対のタンジェンシャルチルトコイルは、前記第1、第2のユニット面における前記第3、第4の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記フォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における前記第3の磁石領域にその一部が対向する状態で前記保持部材の周囲に巻回されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記フォーカシングコイルは、一対設けられ、その一対のフォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における前記第3、第4の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記第1、第2のユニット面における残りの部分には、互いに逆向きとなる第1軸方向の磁束を発生する互いに逆極性の第5、第6の磁石領域が前記第2軸方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  7. 前記フォーカシングコイルは、二対設けられ、そのうちの一対のフォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第1、第5の磁石領域のそれぞれに対向して配置され、残りの一対のフォーカシングコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第2、第6の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることを特徴とする請求項6に記載のレンズ駆動装置。
  8. 前記タンジェンシャルチルトコイルは、二対設けられ、そのうちの一対のタンジェンシャルチルトコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第1、第5の磁石領域のそれぞれに対向して配置され、残りの一対のタンジェンシャルチルトコイルは、前記第1、第2のユニット面における互いに前記第3軸方向に沿って配置されている前記第2、第6の磁石領域のそれぞれに対向して配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のレンズ駆動装置。
  9. 前記フォーカシングコイル及び前記タンジェンシャルチルトコイルは、少なくともその一部が前記第1軸方向に関して互いに重なり、その重なる部分では前記タンジェンシャルチルトコイルが前記保持部材側に配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  10. 前記フォーカシングコイル及び前記タンジェンシャルチルトコイルは、前記第1軸方向にほぼ直交する方向に互いに離れて配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  11. 前記トラッキングコイル及び前記ラジアルチルトコイルは、少なくともその一部が前記第1軸方向に関して互いに重なり、その重なる領域では前記ラジアルチルトコイルが前記保持部材側に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  12. 前記トラッキングコイル及び前記ラジアルチルトコイルは、前記第1軸方向にほぼ直交する方向に互いに離れて配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  13. 前記複数の線状部材は、前記フォーカシングコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねと、前記トラッキングコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねと、前記ラジアルチルトコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねと、前記タンジェンシャルチルトコイルに駆動電流を供給するための導電性を有する2本の線ばねとを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
  14. 情報記録媒体の記録面上に光束を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    前記光束を出射する光源と;
    請求項1〜13のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と;
    前記保持部材に保持され、前記光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;
    前記受光位置に配置された光検出器と;を備える光ピックアップ装置。
  15. 情報記録媒体の記録面上に光束を照射し、前記記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置であって、
    前記光束を出射する光源と;
    請求項1〜13のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置と;
    前記保持部材に保持され、前記光源から出射される光束を前記記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;
    前記受光位置に配置された光検出器と;
    前記情報記録媒体の傾きを検出するチルト検出手段と;
    前記チルト検出手段の出力信号に基づいて前記レンズ駆動装置を制御するチルト制御手段と;を備える光ピックアップ装置。
  16. 情報記録媒体に対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項14に記載の光ピックアップ装置と;
    前記情報記録媒体の傾きを検出するチルト検出手段と;
    前記チルト検出手段及び前記光ピックアップ装置の出力信号に基づいて前記レンズ駆動装置を制御するとともに、前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
  17. 情報記録媒体に対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
    請求項15に記載の光ピックアップ装置と;
    前記光ピックアップ装置の出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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