JP2004139241A - 施工用図面の作成方法および作成支援用cadシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータから効率良く施工用の各種図面を作成することができ、しかも各図面間の整合性を自動的にとることができる施工用図面の作成方法および作成支援用CADシステムを提供する。
【解決手段】構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成し、この最終二次元建築モデルから施工用の各種図面をそれぞれ生成する。
【選択図】 図2
【解決手段】構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成し、この最終二次元建築モデルから施工用の各種図面をそれぞれ生成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、躯体図、平面詳細図および天井伏図等の施工用の図面を作成する施工用図面の作成方法および作成支援用CADシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、建築、回路図、航空機、車など多種多様な分野で、CAD(Computer Aided Design)システムが利用されている。例えば、一般的な建築系のCADシステムにおいては、建築物の各構成要素に対応するオブジェクトの形状データや属性情報を予め定義しておき、設計の際にそれらデータを呼び出して、表示画面上の作図領域内に各オブジェクトを配置することにより、建築物の設計モデルを作成し、これによって、設計作業の省力化を図るようにしている。
【0003】
この種のCADシステムに関連システムやデータベース等を組み合わせたシステムとしては、例えば特許文献1に開示される建築データベースCADシステムが知られている。この建築データベースCADシステムにおいては、設計者が建築系3D−CADを利用して設計業務を進めて行くことにより、建具や仕上げデータを独自のデータベースに蓄積し、その独自のデータベースから必要なデータを抽出して施工図作成等に利用するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−243267号公報(段落番号0033〜0040)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の建築データベースCADシステムにおいては、設計データを施工図(躯体図、施工平面詳細図、施工天井伏図など)の作成に利用することによって施工図の作成業務を軽減することが可能であるが、設計段階では施工上の詳細な検討・調整(例えば、設備や配管等の施工対象物と躯体との納まりに関する検討・調整など)がなされていないため、施工サイドで設計図書を実際の施工に適合するように書き改める作業が必ず発生し、その作業に大変な手間と時間を要するという問題点があった。また、施工図の何れかに変更が生じた場合には、各図面間の整合性をとるために、それぞれの図面を個別に修正しなければならないという煩わしさもあった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができ、しかも各図面間の整合性を自動的にとることができる施工用図面の作成方法および作成支援用CADシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、CADシステムを利用して、建築物の設計図書から施工用の図面を作成する施工用図面の作成方法であって、上記CADシステムの表示画面上に上記建築物の構造伏図を表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対してサイズおよび高さ情報を付加することにより、躯体ベース図を作成する躯体ベース図作成ステップと、上記躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が上記建築物の部材リスト中の数値と異なる部材を抽出し、当該部材の上記幾何学的な寸法を上記部材リスト中の数値に従って修正する躯体ベース図修正ステップと、上記躯体ベース図修正ステップで修正された躯体ベース図上に、上記建築物の平面図上に描画された特定の部材のオブジェクトを取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する基本二次元建築モデル作成ステップと、上記基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように上記表示画面上で修正することによって、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成する最終二次元建築モデル作成ステップと、上記最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、上記施工用の各種図面をそれぞれ生成する施工用図面生成ステップとを備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3に記載の本発明に係る施工用図面の作成支援用CADシステムは、表示画面上に建築物の各種図面を表示可能な表示装置と、上記建築物の設計データとして、少なくとも構造伏図、平面図および部材リストの設計データを記憶する記憶手段と、上記構造伏図の設計データを読み込んで上記構造伏図を上記表示画面上に表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対して、サイズおよび高さ情報を付記することにより、躯体ベース図を作成する躯体ベース図作成手段と、上記躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が上記部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材を他の部材と識別可能に表示する部材抽出手段と、上記部材抽出手段によって抽出された部材の上記幾何学的な寸法が上記部材リストの設計データに従って修正された後に、上記平面図の設計データに含まれる特定の部材のオブジェクトを上記躯体ベース図上に取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する基本二次元建築モデル作成手段と、上記基本二次元建築モデルが施工に適合するように修正されて最終二次元建築モデルが完成した後に、この最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面をそれぞれ生成する施工用図面生成手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、建築物の設計図書には、少なくとも構造伏図、部材リスト(構造断面リスト)、平面図が含まれる。
部材には、例えば、床、壁、天井、柱、梁など、建築物の躯体を構成する各種部材が含まれる。この部材の高さ情報には、例えば、部材の天端レベルまたは下端レベル、部材の寸法など、部材の各部位の高さを特定するのに必要な種々の高さ情報が含まれる。
平面図から取り込まれる特定の部材には、例えば、間仕切壁、室名、床高、天井高、建具などが含まれる。
【0010】
請求項1または3に記載の発明によれば、構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成するようにしたので、従来のように施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができる。したがって、施工用の各種図面の作成コストを大幅に縮減することができるとともに、工期の短縮化を図ることができる。
【0011】
また、基本二次元建築モデルには各部材の高さ情報が表記されるので、基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正する際に、他の図面等を参照しなくとも立体的な検討・調整を行うことができる。そのため、二次元の図面で立体的な検討を行う際に従来には必要であった断面図の作成作業等を省略することができる。
また、構造伏図および部材リストをベースにして基本二次元建築モデルを作成するようにしたので、躯体の納まりを常に意識しながら最終二次元建築モデルを作成することができる。したがって、手戻りや不具合等が減少し、それに伴う作業の手間や追加的費用の発生といった負担を大幅に低減化することができる。
また、最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面をそれぞれ生成するようにしたので、それら図面のデータが一元化され、各図面間の整合性を自動的にとることができ、各図面間の整合性をとるための煩わしい作業が不要となる。また、二次元建築モデルを修正することによって、複数種類の施工用図面を同時に修正することもできる。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明においては、躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材を他の部材と識別可能に表示するようにしたので、幾何学的な寸法を修正すべき部材を容易に把握することができ、修正漏れや修正間違い等の発生を極力防止することができる。
また、施工用の各種図面の元になる建築モデルを二次元で作成するようにしたので、例えば、建築モデルを三次元で作成する場合と比較して、システムを簡素化することができ、システムの開発やメンテナンスに要するコストを大幅に低減することができる。また、二次元建築モデルの特定レイヤを抽出したり、他のシステムから図面のデータを取り込んだりするのも容易となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の施工図作成方法において、上記最終二次元建築モデル作成ステップでは、上記基本二次元建築モデルに対して、少なくとも施工対象物の納まりに関する調整と、内外装材の割付に関する調整とが行われ、これら調整の結果として、実際の施工に適合する最終二次元建築モデルが作成されることを特徴とするものである。
ここで、施工対象物としては、例えば、建具、設備機器、配管、ダクトなどが挙げられ、内外装材としては、例えば壁の場合、タイル、石材、PC版、ALC版、金属板、また天井の場合、仕上材の割付け、上り天井や下がり天井の範囲、空調照明機器の配置などが挙げられる。
【0014】
この請求項2に記載の発明によれば、最終二次元建築モデルは、少なくとも施工対象物の納まりに関する調整と、内外装材の割付に関する調整が行われた状態となっているので、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面を生成する際に、それら調整が不要となり、当該生成処理の自動化が可能になる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記躯体ベース図作成手段は、上記部材リストの設計データと階高のデータとを用いて、上記構造伏図上に描画された各部材の高さ情報を演算により自動的に導き出すようになっていることを特徴とするものである。
【0016】
この請求項4に記載の発明によれば、部材リストの設計データと階高のデータとを用いて、構造伏図上に描画された各部材の高さ情報を演算により自動的に導き出すようにしたので、躯体ベース図を作成するのが容易になるとともに、高さ情報の計算ミスや入力ミスを防止することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記躯体ベース図作成手段は、所定のタグを用いて部材の高さ情報を予め定められた形式で表記するようになっていることを特徴とするものである。
【0018】
この請求項5に記載の発明によれば、所定のタグを用いて部材の高さ情報を予め定められた形式で表記するようにしたので、高さ情報が視覚的に把握し易くなり、施工上の詳細な検討・調整が容易となる。
なお、上記所定のタグは、その表示枠の形状や色彩等が部材の種類に応じて異なるように設定することが好ましく、そうすることによって、高さ情報の視認性をさらに向上させることが可能である。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記所定のタグに表記された高さ情報を引数として、これに関連する他の高さ情報の演算を行う関数演算機能を有することを特徴とするものである。
【0020】
この請求項6に記載の発明によれば、関数演算機能を有することにより検算等が不要になって高さ情報の設定が容易になることから、最終二次元建築モデルを作成するにあたって、高さ方向の検討が容易になる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記所定のタグには、部材を互いに識別するための識別番号が付記されていることを特徴とするものである。
【0022】
この請求項7に記載の発明によれば、部材を互いに識別するための識別番号を所定のタグに付記するようにしたので、各部材の管理が容易となり、例えば、図面が手元に無い場合においても部材の特定が可能になる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項3〜7の何れかに記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記最終二次元建築モデルには、部材の開口部の位置および形状を特定する情報が含まれるとともに、上記開口部を形成する前の部材の状態を示す情報が含まれていることを特徴とするものである。
【0024】
この請求項8に記載の発明によれば、最終二次元建築モデルを参照することによって部材の開口部の位置および形状を特定することができる。また、開口部を形成する前の部材の状態を示す情報が最終二次元建築モデルに含まれているので、上記情報に基づいて、各部材の平面形状を特定する閉じた領域を容易に抽出することができ、これによって、最終二次元建築モデルから躯体図、平面詳細図および天井伏図を自動的に生成することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る施工用図面の作成支援用CADシステムの一実施形態を示す概略構成図である。
この施工用図面の作成支援用CADシステム10は、CPU11、RAM12、表示装置13、入力装置14、印刷装置15、記憶装置(記憶手段)16等により構成され、各部はバス17により接続されている。
【0026】
CPU(Central Processing Unit )11は、記憶装置16の記憶領域に格納されている各種処理プログラム、入力装置14から入力される各種指示、あるいは指示に対応する各種データ等をRAM12に格納し、それら入力指示および各種データに応じてRAM12に格納した各種処理プログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM12に一時的に記憶するとともに、表示装置13等に出力する。
【0027】
CPU11は、本発明に係る躯体ベース図作成手段および部材抽出手段を構成しており、入力装置14からの指示入力に基づいて、記憶装置16に記憶された構造伏図の設計データを読み込んで構造伏図(図3)を表示装置13の表示画面上に表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対して、サイズおよび高さ情報を付記することにより、躯体ベース図(図4)を作成するとともに、この躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が、記憶装置16に記憶された部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材を他の部材と識別可能に表示する処理を実行する。
【0028】
また、CPU11は、本発明に係る基本二次元建築モデル作成手段を構成しており、入力装置14からの指示入力に基づいて、記憶装置16に記憶された平面図の設計データに含まれる特定の部材(例えば、間仕切壁など)のオブジェクトを上記躯体ベース図上に取り込むことによって、基本二次元建築モデル(図6)を作成する処理を実行する。さらに、CPU11は、本発明に係る施工用図面生成手段を構成しており、上記基本二次元建築モデルが施工に適合するように修正されて最終二次元建築モデル(図7)が完成した後に、この最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面をそれぞれ生成する処理を実行する。
【0029】
RAM(Random Access Memory)12は、CPU11により実行される各種処理プログラムや、その処理に係るデータを一時的に記憶する記憶領域などを備えている。
表示装置13は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。入力装置14は、キーボードやポインティングデバイス等により構成され、入力指示信号をCPU11に対して出力する。印刷装置15は、プリンタやプロッタ等により構成され、CPU11から入力される印刷データに基づいて図面や文書等を所定の用紙に印刷して出力する。
【0030】
記憶装置16は、プログラムやデータ等が記憶される記憶媒体16aを有し、この記憶媒体16aは磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体16aは記憶装置16に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、CPU11により実行される各種処理プログラム(CADの基本プログラムや、この基本プログラムと連携して後述する各処理ステップを実行するためのプログラムを含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域、建築物の設計図書(例えば、構造伏図、平面図および部材リストなど)や二次元建築モデルの設計データを記憶する記憶領域などを備えている。
【0031】
次に、上記構成からなる施工用図面の作成支援用CADシステム10を利用して、建築物の設計図書から施工用の各種図面を作成する方法について、図2のフローチャートに基づいて説明する。この方法は、躯体ベース図作成ステップ、躯体ベース図修正ステップ、基本二次元建築モデル作成ステップ、最終二次元建築モデル作成ステップおよび施工用図面生成ステップからなる。
【0032】
1.躯体ベース図作成ステップ
この躯体ベース図作成ステップでは、表示装置13の表示画面上に構造伏図を表示し、この構造伏図から躯体ベース図を作成する処理が行われる。
すなわち、入力装置14を操作して、これから作成する各種図面の縮尺や各階の階高等の設定入力を行った後、構造伏図の読込コマンドを実行する。すると、記憶装置16から構造伏図の設計データが読み込まれて、図3に示すような構造伏図が表示装置13の表示画面上に表示される。
その後、入力装置14を操作して、レイヤ環境の設定を行った後、躯体ベース図の作成コマンドを実行する。すると、図4に示すように、構造伏図上に描画された各部材に対して、水平面内における各部の寸法が表記されるとともに、構造伏図上の構造記号がインテリタグ(所定のタグ)に置換されて、構造伏図から躯体ベース図が自動的に作成される。
【0033】
ここで、上記水平面内における各部の寸法には、記憶装置16に記憶されている部材リストの設計データ(各方向の寸法)が用いられる。
また、上記インテリタグには、部材の高さ情報が含まれ、この高さ情報は、部材リストの設計データ(高さ方向の寸法)と階高の設定データとに基づいて演算により求められる。インテリタグには、例えば、梁タグT1、スラブタグT2、室情報タグT3があり、それぞれのタグには、次に示すように、部材の各部位の高さ情報や、部材を互いに識別するためのID(識別番号)が予め定められた形式で表記されるようになっている。また、インテリタグの高さ情報の各々には、当該高さ情報を導き出すための関数式が予め定義され、この関数式に変数として含まれる他の高さ情報が変更された場合に、その関数式に従って当該高さ情報が自動的に修正されるようになっている。
【0034】
梁タグT1は、図11(a)および図11(b)に示すように、横長な六角形の表示枠を有し、この表示枠内の上段に「梁の天端レベル(上階基準FLに対して)」、中段に「階数」・「構造記号」・「梁ID(識別番号)」、下段に「梁幅」×「梁成」、表示枠の上方に「階高」、表示枠の下方に「梁の下端レベル(当階基準FLに対して)」がそれぞれ表記されるようになっている。このうち「梁の下端レベル」は、図11(d)に示すように、「階高」、「梁の天端レベル」および「梁成」を用いて演算により自動的に求められるようになっている。
【0035】
スラブタグT2は、図11(a)および図11(b)に示すように、正六角形の表示枠を有し、この表示枠内の上段に「スラブの天端レベル(上階基準FLに対して)」、中段に「構造記号」、下段に「スラブ厚」、表示枠の上方に「階高」、表示枠の下方に「スラブの下端レベル(当階基準FLに対して)」、表示枠の右側方に「スラブID(識別番号)」、表示枠の左側方に「階数」がそれぞれ表記されるようになっている。このうち「スラブの下端レベル」は、図11(d)に示すように、「階高」、「スラブの天端レベル」および「スラブ厚」を用いて演算により自動的に求められるようになっている。
【0036】
室情報タグT3は、図11(a)および図11(b)に示すように、矩形の表示枠を有し、この表示枠内の上段に「天井高さ」、中段に「床仕上げレベル」、下段に「スラブレベル」、表示枠内の上方に「基準FLから天井仕上面までの高さ」、「室ID(識別番号)」および「室名」がそれぞれ表記されるようになっている。このうち「基準FLから天井仕上面までの高さ」は、図11(d)に示すように、「天井高さ」および「床仕上げレベル」を用いて演算により自動的に求められるようになっている。なお、これらインテリタグの表示枠の形状や各項目の表示位置は、上述した形状や表示位置に限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。
【0037】
なお、最終二次元建築モデル作成ステップにおける検討に際して必要となる「天井懐内の梁下有効サイズ」は、図11(c)および図11(d)に示すように、梁タグT1の「梁の下端レベル」から室情報タグT3の「基準FLから天井仕上面までの高さ」を減算することにより、また「天井懐内のスラブ下有効サイズ」は、スラブタグT2の「スラブの下端レベル」から室情報タグT3の「基準FLから天井仕上面までの高さ」を減算することにより、そして「スラブ下の梁有効サイズ」は、スラブタグT2の「スラブの下端レベル」から梁タグT1の「梁の下端レベル」を減算することにより、それぞれ容易に求めることができる。
【0038】
上記インテリタグに含まれる情報は、例えば図12に示すようなダイアログ画面において簡単に編集できるようになっている。図12は、スラブタグT2を編集するためのダイアログ画面を示しており、このダイアログ画面では、各スラブ毎に、構造記号、階高、サイズ(スラブ厚)、最終・構造体天端レベル、下端レベル、下端ふかし等の設定入力が可能となっている。また、スラブに段差が存在する場合には、上記ダイアログ画面において、高さの異なる各部位(Story)毎に、最終・構造体天端レベル、下端レベル、下端ふかし等の項目の設定入力が可能となっており、その設定内容に従って、各部位に対応する補助的なタグが図面上に表記されるようになっている。なお、上記設定項目の中で、構造体天端レベルや下端レベル、構造体最終厚に関しては、予め設けられた自動計算機能を利用することにより、設定入力の省略が可能となっている。
【0039】
2.躯体ベース図修正ステップ
この躯体ベース図修正ステップでは、上記躯体ベース図作成ステップで作成された躯体ベース図(図4)上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が部材リスト中の数値と異なる部材を抽出し、当該部材の幾何学的な寸法を部材リスト中の数値に従って修正する処理が行われる。
【0040】
この処理は、入力装置14を操作して、部材寸法の照合コマンドを実行することにより開始される。この処理が開始されると、先ず、躯体ベース図上に描画された各部材に対して、図面上の幾何学的な距離と縮尺との関係に基づいて、水平面内における各部の寸法が測定され、次いで、その測定結果と部材リスト中の数値との比較により両者が一致するか否かの判定が行われる。この判定の結果、両者が一致せず、図面上の幾何学的な寸法が部材リスト中の数値と異なる部材に対しては、図5に示すように、寸法不一致の警告を示すマークMが表示される。このマークMは、CADシステムの図面編集機能を利用して、当該マークMが表示された部材の図面上の寸法を部材リスト中の数値に従って修正することによって、消滅するようになっている。
【0041】
3.基本二次元建築モデル作成ステップ
この基本二次元建築モデル作成ステップでは、上記躯体ベース図修正ステップで修正された躯体ベース図上に、建築物の平面図上に描画された特定の部材(例えば、間仕切壁、室名、床高、天井高、建具など)のオブジェクトを取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する処理が行われる。
すなわち、入力装置14を操作して、平面図の読込コマンドを実行する。すると、記憶装置16から平面図の設計データが読み込まれ、この平面図と躯体ベース図とが互いに重なり合う状態で表示装置13の表示画面上に表示される。この状態で、上記特定の部材のオブジェクトを選択した後、オブジェクト取込のコマンドを実行すると、図6に示すように、選択したオブジェクトが躯体ベース図上に取り込まれて、当該躯体ベース図から基本二次元建築モデルが作成される。
【0042】
4.最終二次元建築モデル作成ステップ
この最終二次元建築モデル作成ステップでは、上記基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することによって、施工用の各種図面(躯体図、平面詳細図および天井伏図)の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成する処理が行われる。
このステップでは、当該CADシステムの図面編集機能を利用して、基本二次元建築モデルに対して加筆修正を加えながら、施工対象物(例えば、装置、設備機器、配管、ダクトなど)の納まりに関する調整や内外装材(例えば、タイル、石材、PC版、ALC版、金属板など)の割付に関する調整などが行われ、その過程で、部材の開口部および建具に関する設定も行われる。
【0043】
施工対象物の納まりに関する調整としては、例えば、エレベータやエスカレータ等の装置や、空調設備や衛生設備等の設備機器などが躯体に納まるようにするため調整、配管やダクトなどが予め設定された空間(パイプシャフトや天井懐など)内に納まるようにするため調整、配管やダクトの梁貫通位置を構造上適切な位置に設定するため調整などが挙げられる。これら調整は、躯体を構成する各部材の特定方向の寸法等を変更することによって解決することができ、例えば、天井懐内に設備機器や配管が納まらない場合には、その部分に対応する梁成や天井高さなどを変更して「天井懐内のスラブ下有効サイズ」や「天井懐内の梁下有効サイズ」(図11(c)および図11(d)参照)などを調整することにより解決することができる。本実施形態の施工用図面の作成支援用CADシステム10においては、その図面編集機能を利用して、例えば部材の高さ方向の寸法を変更した場合に、それに対応してインテリタグ内の高さ情報が変更されるようになっているので、インテリタグ内の高さ情報を参照することによって、施工対象物が予め設定された位置に納まるか否かを容易に判断することができる。同様にして、例えば、梁が天井面から突出していないか等、意匠に関わる確認も容易に行うことができる。
【0044】
一方、部材の開口部および建具に関する設定は、次に示すような手順で行われる。例えば、二次元建築モデル上に描画された壁に開口部を形成する場合には、入力装置14の操作により、開口部を形成する壁を指定して、開口部の作成コマンドを実行する。すると、表示装置13の表示画面に、図13に示すように、開口部を作成するのに必要な詳細情報を設定するためのダイアログ画面が表示される。このダイアログ画面では、開口部に関する種々の情報(開口部の位置、幅、腰高、有効高さなど)に加えて、開口部に取り付ける建具の情報(建具の種類、仕様、細部寸法など)等が設定可能となっている。このダイアログ画面の「OK」ボタンを押圧操作すると、図14に示すように、上記設定内容に従って所望の開口部が所望位置に形成されるとともに、この開口部の位置および形状を特定する断面情報が図面上に表記される。それと同時に、開口部を形成する前の壁面の状態を示す情報が、上記開口部の断面情報とともに壁の属性情報としてRAM12の記憶領域に格納される。このため、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面を作成する際に、壁の平面形状を特定する閉じた領域を容易に抽出することができ、壁の属性情報に基づいて、図15に示すように、平面詳細図、天井伏図、躯体見上図、姿図、断面図、躯体断面図等の図面を適切に作成することができる。
【0045】
こうして、部材の開口部および建具に関する設定や、施工に際して必要な種々の検討・調整が完了して、図7に示すように、最終二次元建築モデルが完成したら、当該最終二次元建築モデルのデータを記憶装置16の所定記憶領域に格納する処理が行われる。
【0046】
5.施工用図面生成ステップ
この施工用図面生成ステップでは、上記最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、施工用の各種図面(躯体図、平面詳細図および天井伏図)をそれぞれ生成する処理が行われる。
この処理は、入力装置14を操作して、施工用図面の生成コマンドを実行することにより開始される。この処理が開始されると、最終二次元建築モデルから躯体図(躯体見上図)、平面詳細図および天井伏図の各々の生成に必要な図面データが抽出される。次いで、それら図面データに基づいて、平面詳細図(図8)、躯体図(図9)および天井伏図(図10)が生成され、入力装置14からの指示入力に基づいて、それら図面が表示装置13の表示画面上に表示されるとともに、建築物の施工用図面として印刷装置15より出力される。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後(躯体ベース図作成ステップ)、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し(躯体ベース図修正ステップ)、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し(基本二次元建築モデル作成ステップ)、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面(躯体図、平面詳細図および天井伏図)の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成する(最終二次元建築モデル作成ステップ)ようにしたので、従来のように施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができる。したがって、施工用の各種図面の作成コストを大幅に縮減することができるとともに、工期の短縮化を図ることができる。
【0048】
また、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面をそれぞれ生成する(施工用図面生成ステップ)ようにしたので、それら図面のデータが一元化され、各図面間の整合性を自動的にとることができ、各図面間の整合性をとるための煩わしい作業が不要となる。また、二次元建築モデルを修正することによって、施工用の各種図面を同時に修正することもできる。
また、構造伏図および部材リストをベースにして基本二次元建築モデルを作成するようにしたので、躯体の納まりを常に意識しながら最終二次元建築モデルを作成することができる。したがって、手戻りや不具合等が減少し、それに伴う作業の手間や追加的費用の発生といった負担を大幅に低減化することができる。
【0049】
また、施工用の各種図面の元になる建築モデルを二次元で作成するようにしたので、例えば、建築モデルを三次元で作成する場合と比較して、システムを簡素化することができ、システムの開発やメンテナンスに要するコストを大幅に低減することができる。また、二次元建築モデルの特定レイヤを抽出したり、他のシステムから図面のデータを取り込んだりするのも容易となる。
【0050】
また、二次元建築モデルには各部材の高さ情報が表記されているので、二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正する際に、他の図面(例えば断面図等)を参照しなくとも立体的な検討・調整を行うことができる。しかも、各部材の高さ情報や、各部材を互いに識別するためのID(識別番号)をインテリタグ(梁タグT1、スラブタグT2、室情報タグT3)により予め定められた形式で表記するようにしたので、高さ情報が視覚的に把握し易くなり、施工上の詳細な検討・調整も容易に行うことができる。さらに、インテリタグの高さ情報の各々には、当該高さ情報を導き出すための関数式が予め定義されているので、最終二次元建築モデルを作成するにあたって、部材の高さ方向の設定や修正を容易に行うことができる。
【0051】
さらに、最終二次元建築モデルには、部材の開口部の位置および形状を特定する断面情報に加えて、開口部を形成する前の部材の状態を示す情報が含まれているので、当該情報に基づいて、各部材の平面形状を特定する閉じた領域を容易に抽出することができ、これにより、最終二次元建築モデルから躯体図、平面詳細図および天井伏図を自動的に生成することが可能になる。
【0052】
また、躯体ベース図作成ステップにおいては、部材リストの設計データと階高のデータとを用いて、構造伏図上に描画された各部材の高さ情報を演算により自動的に導き出すようにしたので、躯体ベース図を作成するのが容易になるとともに、高さ情報の計算ミスや入力ミスを防止することができる。
そして、躯体ベース図修正ステップにおいては、躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材に対して、寸法不一致の警告マークMを表示するようにしたので、幾何学的な寸法を修正すべき部材を容易に把握することができ、修正漏れや修正間違い等の発生を極力防止することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成するようにしたので、従来のように施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができる。また、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面をそれぞれ生成するようにしたので、それら図面のデータが一元化され、各図面間の整合性を自動的にとることができる。したがって、施工業務の大幅な合理化および省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る施工用図面の作成支援用CADシステムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る施工用図面の作成方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図3】建築物の構造伏図の一例を示す図である。
【図4】図3の構造伏図から作成した躯体ベース図の一例を示す図である。
【図5】図4の躯体ベース図上に寸法不一致の警告マークが表示されている状態を示す図である。
【図6】図5の躯体ベース図から作成した基本二次元建築モデルの一例を示す図である。
【図7】図6の基本二次元建築モデルから作成した最終二次元建築モデルの一例を示す図である。
【図8】図6の最終二次元建築モデルから生成した平面詳細図の一例を示す図である。
【図9】図6の最終二次元建築モデルから生成した躯体図の一例を示す図である。
【図10】図6の最終二次元建築モデルから生成した天井伏図の一例を示す図である。
【図11】インテリタグを説明する図である。
【図12】インテリタグの編集画面の一例を示す図である。
【図13】開口部の設定画面の一例を示す図である。
【図14】開口部の表示例を示す図である。
【図15】平面詳細図、天井伏図、躯体見上図、姿図、断面図および躯体断面図の各々における開口部の表示例を示す図である。
【符号の説明】
10 施工用図面の作成支援用CADシステム
11 CPU(躯体ベース図作成手段、部材抽出手段、基本二次元建築モデル作成手段、施工用図面生成手段)
13 表示装置
16 記憶装置(記憶手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、躯体図、平面詳細図および天井伏図等の施工用の図面を作成する施工用図面の作成方法および作成支援用CADシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、建築、回路図、航空機、車など多種多様な分野で、CAD(Computer Aided Design)システムが利用されている。例えば、一般的な建築系のCADシステムにおいては、建築物の各構成要素に対応するオブジェクトの形状データや属性情報を予め定義しておき、設計の際にそれらデータを呼び出して、表示画面上の作図領域内に各オブジェクトを配置することにより、建築物の設計モデルを作成し、これによって、設計作業の省力化を図るようにしている。
【0003】
この種のCADシステムに関連システムやデータベース等を組み合わせたシステムとしては、例えば特許文献1に開示される建築データベースCADシステムが知られている。この建築データベースCADシステムにおいては、設計者が建築系3D−CADを利用して設計業務を進めて行くことにより、建具や仕上げデータを独自のデータベースに蓄積し、その独自のデータベースから必要なデータを抽出して施工図作成等に利用するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−243267号公報(段落番号0033〜0040)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の建築データベースCADシステムにおいては、設計データを施工図(躯体図、施工平面詳細図、施工天井伏図など)の作成に利用することによって施工図の作成業務を軽減することが可能であるが、設計段階では施工上の詳細な検討・調整(例えば、設備や配管等の施工対象物と躯体との納まりに関する検討・調整など)がなされていないため、施工サイドで設計図書を実際の施工に適合するように書き改める作業が必ず発生し、その作業に大変な手間と時間を要するという問題点があった。また、施工図の何れかに変更が生じた場合には、各図面間の整合性をとるために、それぞれの図面を個別に修正しなければならないという煩わしさもあった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができ、しかも各図面間の整合性を自動的にとることができる施工用図面の作成方法および作成支援用CADシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、CADシステムを利用して、建築物の設計図書から施工用の図面を作成する施工用図面の作成方法であって、上記CADシステムの表示画面上に上記建築物の構造伏図を表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対してサイズおよび高さ情報を付加することにより、躯体ベース図を作成する躯体ベース図作成ステップと、上記躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が上記建築物の部材リスト中の数値と異なる部材を抽出し、当該部材の上記幾何学的な寸法を上記部材リスト中の数値に従って修正する躯体ベース図修正ステップと、上記躯体ベース図修正ステップで修正された躯体ベース図上に、上記建築物の平面図上に描画された特定の部材のオブジェクトを取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する基本二次元建築モデル作成ステップと、上記基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように上記表示画面上で修正することによって、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成する最終二次元建築モデル作成ステップと、上記最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、上記施工用の各種図面をそれぞれ生成する施工用図面生成ステップとを備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3に記載の本発明に係る施工用図面の作成支援用CADシステムは、表示画面上に建築物の各種図面を表示可能な表示装置と、上記建築物の設計データとして、少なくとも構造伏図、平面図および部材リストの設計データを記憶する記憶手段と、上記構造伏図の設計データを読み込んで上記構造伏図を上記表示画面上に表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対して、サイズおよび高さ情報を付記することにより、躯体ベース図を作成する躯体ベース図作成手段と、上記躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が上記部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材を他の部材と識別可能に表示する部材抽出手段と、上記部材抽出手段によって抽出された部材の上記幾何学的な寸法が上記部材リストの設計データに従って修正された後に、上記平面図の設計データに含まれる特定の部材のオブジェクトを上記躯体ベース図上に取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する基本二次元建築モデル作成手段と、上記基本二次元建築モデルが施工に適合するように修正されて最終二次元建築モデルが完成した後に、この最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面をそれぞれ生成する施工用図面生成手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、建築物の設計図書には、少なくとも構造伏図、部材リスト(構造断面リスト)、平面図が含まれる。
部材には、例えば、床、壁、天井、柱、梁など、建築物の躯体を構成する各種部材が含まれる。この部材の高さ情報には、例えば、部材の天端レベルまたは下端レベル、部材の寸法など、部材の各部位の高さを特定するのに必要な種々の高さ情報が含まれる。
平面図から取り込まれる特定の部材には、例えば、間仕切壁、室名、床高、天井高、建具などが含まれる。
【0010】
請求項1または3に記載の発明によれば、構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成するようにしたので、従来のように施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができる。したがって、施工用の各種図面の作成コストを大幅に縮減することができるとともに、工期の短縮化を図ることができる。
【0011】
また、基本二次元建築モデルには各部材の高さ情報が表記されるので、基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正する際に、他の図面等を参照しなくとも立体的な検討・調整を行うことができる。そのため、二次元の図面で立体的な検討を行う際に従来には必要であった断面図の作成作業等を省略することができる。
また、構造伏図および部材リストをベースにして基本二次元建築モデルを作成するようにしたので、躯体の納まりを常に意識しながら最終二次元建築モデルを作成することができる。したがって、手戻りや不具合等が減少し、それに伴う作業の手間や追加的費用の発生といった負担を大幅に低減化することができる。
また、最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面をそれぞれ生成するようにしたので、それら図面のデータが一元化され、各図面間の整合性を自動的にとることができ、各図面間の整合性をとるための煩わしい作業が不要となる。また、二次元建築モデルを修正することによって、複数種類の施工用図面を同時に修正することもできる。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明においては、躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材を他の部材と識別可能に表示するようにしたので、幾何学的な寸法を修正すべき部材を容易に把握することができ、修正漏れや修正間違い等の発生を極力防止することができる。
また、施工用の各種図面の元になる建築モデルを二次元で作成するようにしたので、例えば、建築モデルを三次元で作成する場合と比較して、システムを簡素化することができ、システムの開発やメンテナンスに要するコストを大幅に低減することができる。また、二次元建築モデルの特定レイヤを抽出したり、他のシステムから図面のデータを取り込んだりするのも容易となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の施工図作成方法において、上記最終二次元建築モデル作成ステップでは、上記基本二次元建築モデルに対して、少なくとも施工対象物の納まりに関する調整と、内外装材の割付に関する調整とが行われ、これら調整の結果として、実際の施工に適合する最終二次元建築モデルが作成されることを特徴とするものである。
ここで、施工対象物としては、例えば、建具、設備機器、配管、ダクトなどが挙げられ、内外装材としては、例えば壁の場合、タイル、石材、PC版、ALC版、金属板、また天井の場合、仕上材の割付け、上り天井や下がり天井の範囲、空調照明機器の配置などが挙げられる。
【0014】
この請求項2に記載の発明によれば、最終二次元建築モデルは、少なくとも施工対象物の納まりに関する調整と、内外装材の割付に関する調整が行われた状態となっているので、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面を生成する際に、それら調整が不要となり、当該生成処理の自動化が可能になる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記躯体ベース図作成手段は、上記部材リストの設計データと階高のデータとを用いて、上記構造伏図上に描画された各部材の高さ情報を演算により自動的に導き出すようになっていることを特徴とするものである。
【0016】
この請求項4に記載の発明によれば、部材リストの設計データと階高のデータとを用いて、構造伏図上に描画された各部材の高さ情報を演算により自動的に導き出すようにしたので、躯体ベース図を作成するのが容易になるとともに、高さ情報の計算ミスや入力ミスを防止することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記躯体ベース図作成手段は、所定のタグを用いて部材の高さ情報を予め定められた形式で表記するようになっていることを特徴とするものである。
【0018】
この請求項5に記載の発明によれば、所定のタグを用いて部材の高さ情報を予め定められた形式で表記するようにしたので、高さ情報が視覚的に把握し易くなり、施工上の詳細な検討・調整が容易となる。
なお、上記所定のタグは、その表示枠の形状や色彩等が部材の種類に応じて異なるように設定することが好ましく、そうすることによって、高さ情報の視認性をさらに向上させることが可能である。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記所定のタグに表記された高さ情報を引数として、これに関連する他の高さ情報の演算を行う関数演算機能を有することを特徴とするものである。
【0020】
この請求項6に記載の発明によれば、関数演算機能を有することにより検算等が不要になって高さ情報の設定が容易になることから、最終二次元建築モデルを作成するにあたって、高さ方向の検討が容易になる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記所定のタグには、部材を互いに識別するための識別番号が付記されていることを特徴とするものである。
【0022】
この請求項7に記載の発明によれば、部材を互いに識別するための識別番号を所定のタグに付記するようにしたので、各部材の管理が容易となり、例えば、図面が手元に無い場合においても部材の特定が可能になる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項3〜7の何れかに記載の施工用図面の作成支援用CADシステムにおいて、上記最終二次元建築モデルには、部材の開口部の位置および形状を特定する情報が含まれるとともに、上記開口部を形成する前の部材の状態を示す情報が含まれていることを特徴とするものである。
【0024】
この請求項8に記載の発明によれば、最終二次元建築モデルを参照することによって部材の開口部の位置および形状を特定することができる。また、開口部を形成する前の部材の状態を示す情報が最終二次元建築モデルに含まれているので、上記情報に基づいて、各部材の平面形状を特定する閉じた領域を容易に抽出することができ、これによって、最終二次元建築モデルから躯体図、平面詳細図および天井伏図を自動的に生成することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る施工用図面の作成支援用CADシステムの一実施形態を示す概略構成図である。
この施工用図面の作成支援用CADシステム10は、CPU11、RAM12、表示装置13、入力装置14、印刷装置15、記憶装置(記憶手段)16等により構成され、各部はバス17により接続されている。
【0026】
CPU(Central Processing Unit )11は、記憶装置16の記憶領域に格納されている各種処理プログラム、入力装置14から入力される各種指示、あるいは指示に対応する各種データ等をRAM12に格納し、それら入力指示および各種データに応じてRAM12に格納した各種処理プログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM12に一時的に記憶するとともに、表示装置13等に出力する。
【0027】
CPU11は、本発明に係る躯体ベース図作成手段および部材抽出手段を構成しており、入力装置14からの指示入力に基づいて、記憶装置16に記憶された構造伏図の設計データを読み込んで構造伏図(図3)を表示装置13の表示画面上に表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対して、サイズおよび高さ情報を付記することにより、躯体ベース図(図4)を作成するとともに、この躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が、記憶装置16に記憶された部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材を他の部材と識別可能に表示する処理を実行する。
【0028】
また、CPU11は、本発明に係る基本二次元建築モデル作成手段を構成しており、入力装置14からの指示入力に基づいて、記憶装置16に記憶された平面図の設計データに含まれる特定の部材(例えば、間仕切壁など)のオブジェクトを上記躯体ベース図上に取り込むことによって、基本二次元建築モデル(図6)を作成する処理を実行する。さらに、CPU11は、本発明に係る施工用図面生成手段を構成しており、上記基本二次元建築モデルが施工に適合するように修正されて最終二次元建築モデル(図7)が完成した後に、この最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面をそれぞれ生成する処理を実行する。
【0029】
RAM(Random Access Memory)12は、CPU11により実行される各種処理プログラムや、その処理に係るデータを一時的に記憶する記憶領域などを備えている。
表示装置13は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。入力装置14は、キーボードやポインティングデバイス等により構成され、入力指示信号をCPU11に対して出力する。印刷装置15は、プリンタやプロッタ等により構成され、CPU11から入力される印刷データに基づいて図面や文書等を所定の用紙に印刷して出力する。
【0030】
記憶装置16は、プログラムやデータ等が記憶される記憶媒体16aを有し、この記憶媒体16aは磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体16aは記憶装置16に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、CPU11により実行される各種処理プログラム(CADの基本プログラムや、この基本プログラムと連携して後述する各処理ステップを実行するためのプログラムを含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域、建築物の設計図書(例えば、構造伏図、平面図および部材リストなど)や二次元建築モデルの設計データを記憶する記憶領域などを備えている。
【0031】
次に、上記構成からなる施工用図面の作成支援用CADシステム10を利用して、建築物の設計図書から施工用の各種図面を作成する方法について、図2のフローチャートに基づいて説明する。この方法は、躯体ベース図作成ステップ、躯体ベース図修正ステップ、基本二次元建築モデル作成ステップ、最終二次元建築モデル作成ステップおよび施工用図面生成ステップからなる。
【0032】
1.躯体ベース図作成ステップ
この躯体ベース図作成ステップでは、表示装置13の表示画面上に構造伏図を表示し、この構造伏図から躯体ベース図を作成する処理が行われる。
すなわち、入力装置14を操作して、これから作成する各種図面の縮尺や各階の階高等の設定入力を行った後、構造伏図の読込コマンドを実行する。すると、記憶装置16から構造伏図の設計データが読み込まれて、図3に示すような構造伏図が表示装置13の表示画面上に表示される。
その後、入力装置14を操作して、レイヤ環境の設定を行った後、躯体ベース図の作成コマンドを実行する。すると、図4に示すように、構造伏図上に描画された各部材に対して、水平面内における各部の寸法が表記されるとともに、構造伏図上の構造記号がインテリタグ(所定のタグ)に置換されて、構造伏図から躯体ベース図が自動的に作成される。
【0033】
ここで、上記水平面内における各部の寸法には、記憶装置16に記憶されている部材リストの設計データ(各方向の寸法)が用いられる。
また、上記インテリタグには、部材の高さ情報が含まれ、この高さ情報は、部材リストの設計データ(高さ方向の寸法)と階高の設定データとに基づいて演算により求められる。インテリタグには、例えば、梁タグT1、スラブタグT2、室情報タグT3があり、それぞれのタグには、次に示すように、部材の各部位の高さ情報や、部材を互いに識別するためのID(識別番号)が予め定められた形式で表記されるようになっている。また、インテリタグの高さ情報の各々には、当該高さ情報を導き出すための関数式が予め定義され、この関数式に変数として含まれる他の高さ情報が変更された場合に、その関数式に従って当該高さ情報が自動的に修正されるようになっている。
【0034】
梁タグT1は、図11(a)および図11(b)に示すように、横長な六角形の表示枠を有し、この表示枠内の上段に「梁の天端レベル(上階基準FLに対して)」、中段に「階数」・「構造記号」・「梁ID(識別番号)」、下段に「梁幅」×「梁成」、表示枠の上方に「階高」、表示枠の下方に「梁の下端レベル(当階基準FLに対して)」がそれぞれ表記されるようになっている。このうち「梁の下端レベル」は、図11(d)に示すように、「階高」、「梁の天端レベル」および「梁成」を用いて演算により自動的に求められるようになっている。
【0035】
スラブタグT2は、図11(a)および図11(b)に示すように、正六角形の表示枠を有し、この表示枠内の上段に「スラブの天端レベル(上階基準FLに対して)」、中段に「構造記号」、下段に「スラブ厚」、表示枠の上方に「階高」、表示枠の下方に「スラブの下端レベル(当階基準FLに対して)」、表示枠の右側方に「スラブID(識別番号)」、表示枠の左側方に「階数」がそれぞれ表記されるようになっている。このうち「スラブの下端レベル」は、図11(d)に示すように、「階高」、「スラブの天端レベル」および「スラブ厚」を用いて演算により自動的に求められるようになっている。
【0036】
室情報タグT3は、図11(a)および図11(b)に示すように、矩形の表示枠を有し、この表示枠内の上段に「天井高さ」、中段に「床仕上げレベル」、下段に「スラブレベル」、表示枠内の上方に「基準FLから天井仕上面までの高さ」、「室ID(識別番号)」および「室名」がそれぞれ表記されるようになっている。このうち「基準FLから天井仕上面までの高さ」は、図11(d)に示すように、「天井高さ」および「床仕上げレベル」を用いて演算により自動的に求められるようになっている。なお、これらインテリタグの表示枠の形状や各項目の表示位置は、上述した形状や表示位置に限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。
【0037】
なお、最終二次元建築モデル作成ステップにおける検討に際して必要となる「天井懐内の梁下有効サイズ」は、図11(c)および図11(d)に示すように、梁タグT1の「梁の下端レベル」から室情報タグT3の「基準FLから天井仕上面までの高さ」を減算することにより、また「天井懐内のスラブ下有効サイズ」は、スラブタグT2の「スラブの下端レベル」から室情報タグT3の「基準FLから天井仕上面までの高さ」を減算することにより、そして「スラブ下の梁有効サイズ」は、スラブタグT2の「スラブの下端レベル」から梁タグT1の「梁の下端レベル」を減算することにより、それぞれ容易に求めることができる。
【0038】
上記インテリタグに含まれる情報は、例えば図12に示すようなダイアログ画面において簡単に編集できるようになっている。図12は、スラブタグT2を編集するためのダイアログ画面を示しており、このダイアログ画面では、各スラブ毎に、構造記号、階高、サイズ(スラブ厚)、最終・構造体天端レベル、下端レベル、下端ふかし等の設定入力が可能となっている。また、スラブに段差が存在する場合には、上記ダイアログ画面において、高さの異なる各部位(Story)毎に、最終・構造体天端レベル、下端レベル、下端ふかし等の項目の設定入力が可能となっており、その設定内容に従って、各部位に対応する補助的なタグが図面上に表記されるようになっている。なお、上記設定項目の中で、構造体天端レベルや下端レベル、構造体最終厚に関しては、予め設けられた自動計算機能を利用することにより、設定入力の省略が可能となっている。
【0039】
2.躯体ベース図修正ステップ
この躯体ベース図修正ステップでは、上記躯体ベース図作成ステップで作成された躯体ベース図(図4)上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が部材リスト中の数値と異なる部材を抽出し、当該部材の幾何学的な寸法を部材リスト中の数値に従って修正する処理が行われる。
【0040】
この処理は、入力装置14を操作して、部材寸法の照合コマンドを実行することにより開始される。この処理が開始されると、先ず、躯体ベース図上に描画された各部材に対して、図面上の幾何学的な距離と縮尺との関係に基づいて、水平面内における各部の寸法が測定され、次いで、その測定結果と部材リスト中の数値との比較により両者が一致するか否かの判定が行われる。この判定の結果、両者が一致せず、図面上の幾何学的な寸法が部材リスト中の数値と異なる部材に対しては、図5に示すように、寸法不一致の警告を示すマークMが表示される。このマークMは、CADシステムの図面編集機能を利用して、当該マークMが表示された部材の図面上の寸法を部材リスト中の数値に従って修正することによって、消滅するようになっている。
【0041】
3.基本二次元建築モデル作成ステップ
この基本二次元建築モデル作成ステップでは、上記躯体ベース図修正ステップで修正された躯体ベース図上に、建築物の平面図上に描画された特定の部材(例えば、間仕切壁、室名、床高、天井高、建具など)のオブジェクトを取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する処理が行われる。
すなわち、入力装置14を操作して、平面図の読込コマンドを実行する。すると、記憶装置16から平面図の設計データが読み込まれ、この平面図と躯体ベース図とが互いに重なり合う状態で表示装置13の表示画面上に表示される。この状態で、上記特定の部材のオブジェクトを選択した後、オブジェクト取込のコマンドを実行すると、図6に示すように、選択したオブジェクトが躯体ベース図上に取り込まれて、当該躯体ベース図から基本二次元建築モデルが作成される。
【0042】
4.最終二次元建築モデル作成ステップ
この最終二次元建築モデル作成ステップでは、上記基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することによって、施工用の各種図面(躯体図、平面詳細図および天井伏図)の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成する処理が行われる。
このステップでは、当該CADシステムの図面編集機能を利用して、基本二次元建築モデルに対して加筆修正を加えながら、施工対象物(例えば、装置、設備機器、配管、ダクトなど)の納まりに関する調整や内外装材(例えば、タイル、石材、PC版、ALC版、金属板など)の割付に関する調整などが行われ、その過程で、部材の開口部および建具に関する設定も行われる。
【0043】
施工対象物の納まりに関する調整としては、例えば、エレベータやエスカレータ等の装置や、空調設備や衛生設備等の設備機器などが躯体に納まるようにするため調整、配管やダクトなどが予め設定された空間(パイプシャフトや天井懐など)内に納まるようにするため調整、配管やダクトの梁貫通位置を構造上適切な位置に設定するため調整などが挙げられる。これら調整は、躯体を構成する各部材の特定方向の寸法等を変更することによって解決することができ、例えば、天井懐内に設備機器や配管が納まらない場合には、その部分に対応する梁成や天井高さなどを変更して「天井懐内のスラブ下有効サイズ」や「天井懐内の梁下有効サイズ」(図11(c)および図11(d)参照)などを調整することにより解決することができる。本実施形態の施工用図面の作成支援用CADシステム10においては、その図面編集機能を利用して、例えば部材の高さ方向の寸法を変更した場合に、それに対応してインテリタグ内の高さ情報が変更されるようになっているので、インテリタグ内の高さ情報を参照することによって、施工対象物が予め設定された位置に納まるか否かを容易に判断することができる。同様にして、例えば、梁が天井面から突出していないか等、意匠に関わる確認も容易に行うことができる。
【0044】
一方、部材の開口部および建具に関する設定は、次に示すような手順で行われる。例えば、二次元建築モデル上に描画された壁に開口部を形成する場合には、入力装置14の操作により、開口部を形成する壁を指定して、開口部の作成コマンドを実行する。すると、表示装置13の表示画面に、図13に示すように、開口部を作成するのに必要な詳細情報を設定するためのダイアログ画面が表示される。このダイアログ画面では、開口部に関する種々の情報(開口部の位置、幅、腰高、有効高さなど)に加えて、開口部に取り付ける建具の情報(建具の種類、仕様、細部寸法など)等が設定可能となっている。このダイアログ画面の「OK」ボタンを押圧操作すると、図14に示すように、上記設定内容に従って所望の開口部が所望位置に形成されるとともに、この開口部の位置および形状を特定する断面情報が図面上に表記される。それと同時に、開口部を形成する前の壁面の状態を示す情報が、上記開口部の断面情報とともに壁の属性情報としてRAM12の記憶領域に格納される。このため、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面を作成する際に、壁の平面形状を特定する閉じた領域を容易に抽出することができ、壁の属性情報に基づいて、図15に示すように、平面詳細図、天井伏図、躯体見上図、姿図、断面図、躯体断面図等の図面を適切に作成することができる。
【0045】
こうして、部材の開口部および建具に関する設定や、施工に際して必要な種々の検討・調整が完了して、図7に示すように、最終二次元建築モデルが完成したら、当該最終二次元建築モデルのデータを記憶装置16の所定記憶領域に格納する処理が行われる。
【0046】
5.施工用図面生成ステップ
この施工用図面生成ステップでは、上記最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、施工用の各種図面(躯体図、平面詳細図および天井伏図)をそれぞれ生成する処理が行われる。
この処理は、入力装置14を操作して、施工用図面の生成コマンドを実行することにより開始される。この処理が開始されると、最終二次元建築モデルから躯体図(躯体見上図)、平面詳細図および天井伏図の各々の生成に必要な図面データが抽出される。次いで、それら図面データに基づいて、平面詳細図(図8)、躯体図(図9)および天井伏図(図10)が生成され、入力装置14からの指示入力に基づいて、それら図面が表示装置13の表示画面上に表示されるとともに、建築物の施工用図面として印刷装置15より出力される。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後(躯体ベース図作成ステップ)、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し(躯体ベース図修正ステップ)、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し(基本二次元建築モデル作成ステップ)、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面(躯体図、平面詳細図および天井伏図)の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成する(最終二次元建築モデル作成ステップ)ようにしたので、従来のように施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができる。したがって、施工用の各種図面の作成コストを大幅に縮減することができるとともに、工期の短縮化を図ることができる。
【0048】
また、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面をそれぞれ生成する(施工用図面生成ステップ)ようにしたので、それら図面のデータが一元化され、各図面間の整合性を自動的にとることができ、各図面間の整合性をとるための煩わしい作業が不要となる。また、二次元建築モデルを修正することによって、施工用の各種図面を同時に修正することもできる。
また、構造伏図および部材リストをベースにして基本二次元建築モデルを作成するようにしたので、躯体の納まりを常に意識しながら最終二次元建築モデルを作成することができる。したがって、手戻りや不具合等が減少し、それに伴う作業の手間や追加的費用の発生といった負担を大幅に低減化することができる。
【0049】
また、施工用の各種図面の元になる建築モデルを二次元で作成するようにしたので、例えば、建築モデルを三次元で作成する場合と比較して、システムを簡素化することができ、システムの開発やメンテナンスに要するコストを大幅に低減することができる。また、二次元建築モデルの特定レイヤを抽出したり、他のシステムから図面のデータを取り込んだりするのも容易となる。
【0050】
また、二次元建築モデルには各部材の高さ情報が表記されているので、二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正する際に、他の図面(例えば断面図等)を参照しなくとも立体的な検討・調整を行うことができる。しかも、各部材の高さ情報や、各部材を互いに識別するためのID(識別番号)をインテリタグ(梁タグT1、スラブタグT2、室情報タグT3)により予め定められた形式で表記するようにしたので、高さ情報が視覚的に把握し易くなり、施工上の詳細な検討・調整も容易に行うことができる。さらに、インテリタグの高さ情報の各々には、当該高さ情報を導き出すための関数式が予め定義されているので、最終二次元建築モデルを作成するにあたって、部材の高さ方向の設定や修正を容易に行うことができる。
【0051】
さらに、最終二次元建築モデルには、部材の開口部の位置および形状を特定する断面情報に加えて、開口部を形成する前の部材の状態を示す情報が含まれているので、当該情報に基づいて、各部材の平面形状を特定する閉じた領域を容易に抽出することができ、これにより、最終二次元建築モデルから躯体図、平面詳細図および天井伏図を自動的に生成することが可能になる。
【0052】
また、躯体ベース図作成ステップにおいては、部材リストの設計データと階高のデータとを用いて、構造伏図上に描画された各部材の高さ情報を演算により自動的に導き出すようにしたので、躯体ベース図を作成するのが容易になるとともに、高さ情報の計算ミスや入力ミスを防止することができる。
そして、躯体ベース図修正ステップにおいては、躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材に対して、寸法不一致の警告マークMを表示するようにしたので、幾何学的な寸法を修正すべき部材を容易に把握することができ、修正漏れや修正間違い等の発生を極力防止することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、構造伏図上に各部材のサイズおよび高さ情報を付記することにより躯体ベース図を作成した後、上記各部材の図面上の幾何学的な寸法を部材リストの数値と対応させるべく上記躯体ベース図を修正し、その後、建築物の平面図上に描画された特定の部材を上記躯体ベース図上に取り込むことによって基本二次元建築モデルを作成し、この基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように修正することにより、施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成するようにしたので、従来のように施工用の図面を一から書き直す必要が無く、設計図書のデータを引き継いで効率良く施工用の各種図面を作成することができる。また、最終二次元建築モデルから施工用の各種図面をそれぞれ生成するようにしたので、それら図面のデータが一元化され、各図面間の整合性を自動的にとることができる。したがって、施工業務の大幅な合理化および省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る施工用図面の作成支援用CADシステムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る施工用図面の作成方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図3】建築物の構造伏図の一例を示す図である。
【図4】図3の構造伏図から作成した躯体ベース図の一例を示す図である。
【図5】図4の躯体ベース図上に寸法不一致の警告マークが表示されている状態を示す図である。
【図6】図5の躯体ベース図から作成した基本二次元建築モデルの一例を示す図である。
【図7】図6の基本二次元建築モデルから作成した最終二次元建築モデルの一例を示す図である。
【図8】図6の最終二次元建築モデルから生成した平面詳細図の一例を示す図である。
【図9】図6の最終二次元建築モデルから生成した躯体図の一例を示す図である。
【図10】図6の最終二次元建築モデルから生成した天井伏図の一例を示す図である。
【図11】インテリタグを説明する図である。
【図12】インテリタグの編集画面の一例を示す図である。
【図13】開口部の設定画面の一例を示す図である。
【図14】開口部の表示例を示す図である。
【図15】平面詳細図、天井伏図、躯体見上図、姿図、断面図および躯体断面図の各々における開口部の表示例を示す図である。
【符号の説明】
10 施工用図面の作成支援用CADシステム
11 CPU(躯体ベース図作成手段、部材抽出手段、基本二次元建築モデル作成手段、施工用図面生成手段)
13 表示装置
16 記憶装置(記憶手段)
Claims (8)
- CADシステムを利用して、建築物の設計図書から施工用の図面を作成する施工用図面の作成方法であって、
上記CADシステムの表示画面上に上記建築物の構造伏図を表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対してサイズおよび高さ情報を付加することにより、躯体ベース図を作成する躯体ベース図作成ステップと、
上記躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が上記建築物の部材リスト中の数値と異なる部材を抽出し、当該部材の上記幾何学的な寸法を上記部材リスト中の数値に従って修正する躯体ベース図修正ステップと、
上記躯体ベース図修正ステップで修正された躯体ベース図上に、上記建築物の平面図上に描画された特定の部材のオブジェクトを取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する基本二次元建築モデル作成ステップと、
上記基本二次元建築モデルを実際の施工に適合するように上記表示画面上で修正することによって、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面の図面データを集約した最終二次元建築モデルを作成する最終二次元建築モデル作成ステップと、
上記最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、上記施工用の各種図面をそれぞれ生成する施工用図面生成ステップとを備えることを特徴とする施工用図面の作成方法。 - 上記最終二次元建築モデル作成ステップでは、上記基本二次元建築モデルに対して、少なくとも施工対象物の納まりに関する調整と、内外装材の割付に関する調整とが行われ、これら調整の結果として、実際の施工に適合する最終二次元建築モデルが作成されることを特徴とする請求項1に記載の施工用図面の作成方法。
- 表示画面上に建築物の各種図面を表示可能な表示装置と、
上記建築物の設計データとして、少なくとも構造伏図、平面図および部材リストの設計データを記憶する記憶手段と、
上記構造伏図の設計データを読み込んで上記構造伏図を上記表示画面上に表示し、この構造伏図上に描画された各部材に対して、サイズおよび高さ情報を付記することにより、躯体ベース図を作成する躯体ベース図作成手段と、
上記躯体ベース図上に描画された複数の部材の中から、図面上の幾何学的な寸法が上記部材リストの設計データと異なる部材を抽出し、この部材を他の部材と識別可能に表示する部材抽出手段と、
上記部材抽出手段によって抽出された部材の上記幾何学的な寸法が上記部材リストの設計データに従って修正された後に、上記平面図の設計データに含まれる特定の部材のオブジェクトを上記躯体ベース図上に取り込むことによって、基本二次元建築モデルを作成する基本二次元建築モデル作成手段と、
上記基本二次元建築モデルが施工に適合するように修正されて最終二次元建築モデルが完成した後に、この最終二次元建築モデルから所要の図面データを抽出して、少なくとも躯体図、平面詳細図および天井伏図を含む施工用の各種図面をそれぞれ生成する施工用図面生成手段とを備えることを特徴とする施工用図面の作成支援用CADシステム。 - 上記躯体ベース図作成手段は、上記部材リストの設計データと階高のデータとを用いて、上記構造伏図上に描画された各部材の高さ情報を演算により自動的に導き出すようになっていることを特徴とする請求項3に記載の施工用図面の作成支援用CADシステム。
- 上記躯体ベース図作成手段は、所定のタグを用いて部材の高さ情報を予め定められた形式で表記するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の施工用図面の作成支援用CADシステム。
- 上記所定のタグに表記された高さ情報を引数として、これに関連する他の高さ情報の演算を行う関数演算機能を有することを特徴とする請求項5に記載の施工用図面の作成支援用CADシステム。
- 上記所定のタグには、部材を互いに識別するための識別番号が付記されていることを特徴とする請求項5または6に記載の施工用図面の作成支援用CADシステム。
- 上記最終二次元建築モデルには、部材の開口部の位置および形状を特定する情報が含まれるとともに、上記開口部を形成する前の部材の状態を示す情報が含まれていることを特徴とする請求項3〜7の何れかに記載の施工用図面の作成支援用CADシステム。
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