JP2004138388A - 半径測定具 - Google Patents
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Abstract
【目的】半径の大きさに関わらず半径を測定できるようにする。
【構成】横軸100 に固定された第1の外側爪部110,横軸100 に沿ってスライド可能な第2の外側爪部120 、第1,第2の外側爪部110,120 間に位置し、横軸100 に直交する縦軸200 に沿ってスライド可能な内側爪部210 、縦軸200 と第1,第2の外側爪部110,120 間を連結し、内側爪部210 を常に第1,第2の外側爪部110,120 の中央に位置させるパンタグラフ機構300 がある。半径Rの円弧Kに第1,第2の外側爪部110,120 を当接させ、内側爪部210 を円弧Kに当接させた場合、第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120 が円弧Kに接した点Bの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2a、内側爪部210 が接した点Cを通過する半径Rと第1の線分L1の交点Mと内側爪部210 が円弧Kに接した点Cの間を結ぶ第2の線分L2の長さb,半径R間で成立する関係からR=(a2+b2)/2bを求める。
【選択図】 図4
【構成】横軸100 に固定された第1の外側爪部110,横軸100 に沿ってスライド可能な第2の外側爪部120 、第1,第2の外側爪部110,120 間に位置し、横軸100 に直交する縦軸200 に沿ってスライド可能な内側爪部210 、縦軸200 と第1,第2の外側爪部110,120 間を連結し、内側爪部210 を常に第1,第2の外側爪部110,120 の中央に位置させるパンタグラフ機構300 がある。半径Rの円弧Kに第1,第2の外側爪部110,120 を当接させ、内側爪部210 を円弧Kに当接させた場合、第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120 が円弧Kに接した点Bの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2a、内側爪部210 が接した点Cを通過する半径Rと第1の線分L1の交点Mと内側爪部210 が円弧Kに接した点Cの間を結ぶ第2の線分L2の長さb,半径R間で成立する関係からR=(a2+b2)/2bを求める。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半径測定具に関する。
【0002】
【従来の技術】
半径測定具としては、例えば、特開平6−294601号公報(特許文献1)や特開平10−26502号公報(特許文献2)がある。特開平6−294601号公報に記載されたものは、部材の曲線部の半径を測定するためのものであって、本体と、所定の距離をおいて互いに離隔した前記本体に設けられた一対の固定ピンと、前記両固定ピンの各先端同士を結ぶ線の2等分線上を変位し得るように前記本体に指示された可動ピンとを備えている。
【0003】
また、特開平10−26502号公報に記載されたものは、T字形の本体の両端に先端を鋭角にした等長の突起を設けて、本体の中心軸に沿ってスライド用の溝を設け、先端を鋭角にした滑尺を挿入し、更に滑尺に目盛を刻んだものである。
【0004】
さらに、物品の半径ではないが、特開2001−317907号公報(特許文献3)には、電力ケーブル等の可撓性を有するものの曲率半径を測定する装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−294601号公報(第2〜3頁、図3)
【特許文献2】
特開平10−26502号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開2001−317907号公報(第3〜4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されたものは、両端の固定ピンや突起が固定的であるため、ある程度の大きさの半径しか測定することができないという問題点があった。また、特許文献3に記載されたものでは、電力ケーブル等の可撓性を有するものを対象としているので、パイプの外径等を測定することができないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて創案されたものであって、半径の大きさに左右されることなく半径を測定することができる半径測定具を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半径測定具は、横軸に固定された第1の外側爪部と、前記横軸に沿ってスライド可能な第2の外側爪部と、前記第1の外側爪部と第2の外側爪部との間に位置し、前記横軸に対して直交する縦軸に沿ってスライド可能な内側爪部と、前記縦軸と第1の外側爪部及び第2の外側爪部との間を連結し、内側爪部を常に第1の外側爪部と第2の外側爪部との中央に位置させるパンタグラフ機構とを備えており、半径を測定すべき円弧に前記第1の外側爪部及び第2の外側爪部を当接させた状態で、内側爪部を前記円弧に当接させた場合、前記第1の外側爪部が円弧に接した点と第2の外側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第1の線分の長さ2aと、内側爪部が接した点を通過する半径と前記第1の線分との交点と内側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第2の線分の長さbと、前記円弧の半径Rとの間では、R=(a2 +b2 )/2bの関係が成立することから、円弧の半径Rを求める。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的背面図、図3は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具による円弧の半径の計測原理の説明図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の使用状態を示す概略的正面図、図5は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図、図6は本発明の実施の第2の形態に係る半径測定具の電気的構成を示す概略的ブロック図、図7は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図、図8は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具に他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図、図9は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図、図10は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた場合の使用方法を示す概略的斜視図である。
【0010】
本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具は、横軸100に固定された第1の外側爪部110と、前記横軸100に沿ってスライド可能な第2の外側爪部120と、前記第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との間に位置し、前記横軸100に対して直交する縦軸200に沿ってスライド可能な内側爪部210と、前記縦軸200と第1の外側爪部110及び第2の外側爪部120との間を連結し、内側爪部210を常に第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との中央に位置させるパンタグラフ機構300とを備えており、半径Rの測定すべき円弧Kに前記第1の外側爪部110及び第2の外側爪部120を当接させた状態で、内側爪部210を前記円弧Kに当接させた場合、前記第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120が円弧Kに接した点Bとの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2aと、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1の交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点Cとの間を結ぶ第2の線分L2の長さbと、前記円弧Kの半径Rとの間では、R=(a2 +b2 )/2bの関係が成立することから、円弧の半径Rを求めるようになっている。
【0011】
前記横軸100は、一端に第1の爪部110が形成されている。この第1の爪部110は、後述する横軸200に略直交するように横軸100から突出形成されたもので、その先端は先鋭化されている。
【0012】
前記縦軸200は、横軸100に直交したものであって、横軸100に固定的に取り付けられている。かかる縦軸200には、縦軸200に沿って、すなわち横軸100に対して直交方向にスライド可能な内側爪部210が設けられている。また、この縦軸200には、縦軸200に沿ったスリット220が設けられている。
【0013】
また、前記内側爪部210には、図1に示すように、縦軸200に嵌まり込む溝202が設けられており、この溝202にって縦軸200に沿ってスライドするようになっている。なお、図面中201は、内側爪部210を縦軸200に対して固定するための固定ネジである。
【0014】
一方、前記横軸100には、第2の外側爪部120が取り付けられている。すなわち、この第2の外側爪部120は、前記縦軸200を対称線として第1の外側爪部110の線対称の箇所に位置するようになっている。この第2の外側爪部120が第1の外側爪部110の線対称の箇所に位置させるのは、後述するパンタグラフ機構300である。
【0015】
この第2の外側爪部120は、図1に示すように、横軸100に嵌まり込む溝122が設けられており、この溝122によって横軸100に沿ってスライドするようになっている。なお、図面中121は、第2の外側爪120を横軸100に対して固定するための固定ネジである。
【0016】
前記パンタグラフ機構300は、前記第1の外側爪部110の基端部と前記スリット220との間に設けられた第1の長アーム310と、前記第2の外側爪部120の基端部と前記スリット220との間に設けられた第2の長アーム320と、前記第1の長アーム310の中心点O310 と縦軸200の下端部との間に設けられた第1の短アーム330と、前記第2の長アーム320の中心点O320 と縦軸200の下端部との間に設けられた第2の短アーム340とを有している。
【0017】
第1の長アーム310の一端は、連結された第1の外側爪部110の基端部において回動可能に取り付けられている。また、第2の長アーム320の一端は、連結された第2の外側爪部120の基端部において回動可能に取り付けられている。また、第1の長アーム310の他端と第2の長アーム320の他端とは、回動可能に連結されており、前記スリット220に沿って、すなわち縦軸200に沿って移動可能になっている。
【0018】
さらに、前記第1の短アーム330の一端は、第1の長アーム310の中心点O310 に回動可能に連結されている。また、前記第2の短アーム340の一端は、第2の長アーム320の中心点O320 に回動可能に連結されている。しかも、第1の短アーム330の他端と、第2の短アーム340の他端とは、縦軸200の下端の同じ位置において回動可能に縦軸200に連結されている。
【0019】
従って、第1の外側爪部110と第2の外側爪部120とは、第2の外側爪部210を横軸100に沿ってスライドさせても、常に縦軸200を対称線とした線対称の箇所に位置する。このため、縦軸200にスライド可能に取り付けられた内側爪部210は、常に、第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との中央に位置することになる。
【0020】
また、前記横軸100には、図示しない目盛りが形成されており、第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離、第2の外側爪部120と縦軸002との間の距離が計測できるようになっている。ここで、常に、縦軸200が第1の外側爪部110と第2の外側爪部210との中央に位置するので、第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離と、第2の外側爪部120と縦軸200との間の距離とは等しくなる。
【0021】
さらに、縦軸002には、図示しない目盛りが形成されており、内側爪部210が縦軸200からどの程度突出したかを計測することができるようになっている。
【0022】
次に、かかる半径測定具を用いた円弧Kの半径Rの測定について説明する。
まず、内側爪部210の先端を引いた状態にして、第1の外側爪部110の先端と第2の外側爪部120の先端とを円弧Kに接触させる。さらに、内側爪部210を縦軸200に対してスライドさせて、内側爪部210の先端を円弧Kに接触させる。すると、円弧Kには、図4に示すように、第1の外側爪部110の先端と、第2の外側爪部120の先端と、内側爪部210の先端との3点が、それぞれ点A、点B及び点Cに接触していることになる。
【0023】
第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離は、横軸100に付された目盛りから読み取ることができる。また、縦軸200からの内側爪部210の突出量は、縦軸200に付された目盛りから読み取ることができる。
【0024】
ここで、第1の外側爪部110の先端と横軸100との間の距離X1(図4参照)は、第1の外側爪部110が横軸100に対して固定的に設けられているため、常にX1で一定である。従って、内側爪210の突出量がX2(図4参照)であると、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点との間を結ぶ第2の線分L2の長さbは、X1−X2となる。ここで、X1は既知であり、X2は縦軸200の目盛りから求められるから、前記第2の線分L2の長さbを求めることができる。
【0025】
また、前記第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120が円弧Kに接した点Bとの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2aは、第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離の2倍に等しくなる。
【0026】
従って、R=(a2 +b2 )/2bの演算を行うことによって、円弧Kの半径Rを求めることができるようになっている。ここで、予めa及びbの値を縦軸及び横軸とし、半径Rを求めることができる換算表を設けておけば、前記演算を行う必要がない。
【0027】
上述した半径測定具では、計測結果に基づいて使用者が演算して円弧の半径Rを求めるか、換算表を使用して求めるようになっていたが、図5に示す次の第2の実施の形態に係る半径測定具のようにすることも可能である。
この第2の実施の形態に係る半径測定具は、前記第1の線分L1の長さ2aを求める第1のセンサ410と、第2の線分L2の長さbとを求める第2のセンサ420と、前記第1のセンサ410及び第2のセンサ420の出力結果から、前記R=(a2 +b2 )/2bの関係に従って半径Rを演算する演算部500と、この演算部500の演算結果を表示する表示部600とを有している。
【0028】
すなわち、この第2の実施の形態に係る半径測定具の基本的な機械的構成は、第1の実施の形態に係るものと同一であるが、前記第1の線分L1の長さ2aと、第2の線分L2の長さbとは、第1の実施の形態に係るもののように形成されている目盛りによって読み取るのではなく、前記センサ410、420によって計測するようになっているのである。
【0029】
すなわち、前記第1のセンサ410は、前記第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120が円弧Kに接した点Bとの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2aの長さを検出する。この第1のセンサ410は、横軸100に沿ってスライド可能になった第2の外側爪部120の基端部に設けられており、第2の外側爪部120の初期位置である第2の外側爪部120が最も第1の外側爪部110に接近した位置から、第2の外側爪部120がどれだけスライドしたかを検出するものである。かかる第1のセンサ410には、例えばロータリエンコーダーが使用される。
【0030】
かかる第1のセンサ410は、初期位置にある第2の外側爪部120と、第1の外側爪部110との間の直線距離に、第2の外側爪部120が横軸100に沿ってスライドしたスライド量を加算して出力する。
【0031】
一方、前記第2のセンサ420は、内側爪部210が接した点を通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点Cとの間を結ぶ第2の線分L2長さbを検出する。この第2のセンサ420は、内側爪部210がスライド可能になった縦軸200に設けられており、内側爪部210が縦軸200からどれだけ突出したかを検出するものである。かかる第2のセンサ420には、例えばロータリエンコーダーが使用される。
【0032】
第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210を同一平面上に接触させた状態で、第2のセンサ420をリセットしておき、この状態から測定すべき円弧Kに第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210を接触させると、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点との間を結ぶ第2の線分L2の長さbが求められる。また、前記第1のセンサ410からは、第1の線分L1の長さ2aが出力されている。
【0033】
従って、演算部500は、前記第1の線分L1の長さ2aと、前記第2の線分L2の長さbとから、前記式R=(a2 +b2 )/2bを演算し、円弧Kの半径Rを算出する。
【0034】
この演算部500の演算結果、すなわちR=(a2 +b2 )/2bは、例えば液晶表示パネルである表示部600に表示される。なお、演算部500は、表示部600に内蔵されている。
【0035】
また、この演算部500は、円弧Kの半径Rだけではなく、直径2Rをも演算することができるようになっている。この半径Rと直径2Rとの演算は、表示部600に設けられた切り換えスイッチ群610によって切り換えることができるようになっている。
【0036】
さらに、この演算部500は、複数の単位、例えばcm、mm、m、インチに対応しており、表示部600に設けられた切り換えスイッチ群610によって切り換えることができるようになっている。
【0037】
なお、前記リセットを行わなくても、前記第2のセンサ420、第1の外側爪部110及び第2の外側爪部120と横軸100との間の距離X1と、内側爪部210の縦軸200からの突出量X2との差分を出力するようにしてもよい。この場合、第1の外側爪部110の先端と横軸100との間の距離X1は、半径測定具の寸法であり、第1の外側爪部110が横軸100に対して固定的に設けられているため、常にX1で一定であり、既知である。従って、内側爪210の突出量がX2(図4参照)であると、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点との間を結ぶ第2の線分L2の長さbは、X1−X2となる。ここで、X1は既知であり、X2は縦軸200の目盛りから求められるから、前記第2の線分L2の長さbを求めることができる。
【0038】
この場合も、前記演算部500には、前記第1のセンサ410からの第1の線分L1の長さ2aと、前記第2のセンサ420からの第2の線分L2の長さbとが入力されている。従って、この演算部500においては、前記式R=(a2 +b2 )/2bの演算を行うことにより、円弧Kの半径Rを演算することができる。
【0039】
上述した実施の形態では、パイプ等の外径の円弧Kの半径R等を測定するものであったが、パイプ等の内径の円弧Kの半径R等を測定する場合には、半径測定具がパイプ等の内側に入り込まないので、そのままでは測定することができない。
【0040】
この場合には、図7に示すように第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210にアタッチメント110A、120A、210Aを取り付けて、各アタッチメント110A、120A、210Aの先鋭化された先端がパイプ等の内径に接触するようにして計測する。この場合には、各アタッチメント110A、210A、210Aは、第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210と同じ形状でそれぞれの先端は、平面視上、同じ位置にある。
【0041】
なお、このアタッチメント110A、120A、210Aは、第2の実施の形態に係る半径測定具に特有のものではなく、第1の実施の形態に係る半径測定具でも同様に用いることができる。
【0042】
また、このアタッチメント110A、120A、210Aは、第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210と同じ形状でそれぞれの先端は、平面視上、同じ位置になくても、演算部500はリセットすることができるので、以下の条件を満たせばよい。
【0043】
第1条件)第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210の各先端を結ぶ直線と、各アタッチメント110A、120A、210Aの各先端を結ぶ直線とが平行であること。
第2条件)第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との各先端を結ぶ直線と、アタッチメント110A、120Aの各先端を結ぶ直線とが平行であること。
第3条件)パンタグラフ機構300の可動範囲を妨げない範囲で、アタッチメント110A、120Aの各先端を結ぶ直線を底辺とし、アタッチメント210Aの先端を頂点とする三角形が二等辺三角形であること。
【0044】
従って、この第1条件、第2条件及び第3条件のすべてを満たせば、図8に示すように、各アタッチメント110B、120B、210Bの各先端が、第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210の各先端より突出していてもよい。
【0045】
また、図9に示すように、各先端が先鋭化されておらず、ある程度の幅のあり、かつ各先端が第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210の各先端より突出しているアタッチメント110C、120C、210Cを使用すると、電力ケーブルa等の可撓性を有するものの曲率半径を測定することが可能になる(図10参照)。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る半径測定具は、横軸に固定された第1の外側爪部と、前記横軸に沿ってスライド可能な第2の外側爪部と、前記第1の外側爪部と第2の外側爪部との間に位置し、前記横軸に対して直交する縦軸に沿ってスライド可能な内側爪部と、前記縦軸と第1の外側爪部及び第2の外側爪部との間を連結し、内側爪部を常に第1の外側爪部と第2の外側爪部との中央に位置させるパンタグラフ機構とを備えており、半径を測定すべき円弧に前記第1の外側爪部及び第2の外側爪部を当接させた状態で、内側爪部を前記円弧に当接させた場合、前記第1の外側爪部が円弧に接した点と第2の外側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第1の線分の長さ2aと、内側爪部が接した点を通過する半径と前記第1の線分との交点と内側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第2の線分の長さbと、前記円弧の半径Rとの間では、R=(a2 +b2 )/2bの関係が成立することから、円弧の半径Rを求める。
【0047】
この半径測定具であると、第1の外側爪部と第2の外側爪部とは、パンタグラフ機構で連結されているので、両外側爪部の間の距離を自在に変更することができる。このため、大きな半径等にも小さな半径等にも対応することができるというメリットがある。
【0048】
前記前記第1の外側爪部、前記第2の外側爪部及び前記内側爪部の先端はそれぞれ先鋭化されていると、円弧に点接触することになるので、半径等の正確な測定が可能になる。
【0049】
また、本発明に係る他の半径測定具は、前記第1の線分の長さ2aを求める第1のセンサと、第2の線分の長さbとを求める第2のセンサと、前記第1のセンサ及び第2のセンサの出力結果から、前記R=(a2 +b2 )/2bの関係に従って半径Rを演算する演算部と、この演算部の演算結果を表示する表示部とを備えている。
【0050】
この半径測定具であると、半径等をデジタル表示することができるので測定が容易になるというメリットがある。
【0051】
前記演算部が、2R=(a2 +b2 )/bの演算をも行うことができるようになっていると、半径のみならず直径をも測定することができるので大変便利である。
【0052】
前記第1の外側爪部、第2の外側爪部及び内側爪部には、パイプ等の内径を測定する際のアタッチメントが着脱可能になっているので、パイプ等の外径のみならず内径の半径等をも測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的背面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具による円弧の半径の計測原理の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の使用状態を示す概略的正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態に係る半径測定具の電気的構成を示す概略的ブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具に他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた場合の使用方法を示す概略的斜視図である。
【符号の説明】
100 横軸
110 第1の外側爪部
120 第2の外側爪部
200 縦軸
210 内側爪部
300 パンタグラフ機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、半径測定具に関する。
【0002】
【従来の技術】
半径測定具としては、例えば、特開平6−294601号公報(特許文献1)や特開平10−26502号公報(特許文献2)がある。特開平6−294601号公報に記載されたものは、部材の曲線部の半径を測定するためのものであって、本体と、所定の距離をおいて互いに離隔した前記本体に設けられた一対の固定ピンと、前記両固定ピンの各先端同士を結ぶ線の2等分線上を変位し得るように前記本体に指示された可動ピンとを備えている。
【0003】
また、特開平10−26502号公報に記載されたものは、T字形の本体の両端に先端を鋭角にした等長の突起を設けて、本体の中心軸に沿ってスライド用の溝を設け、先端を鋭角にした滑尺を挿入し、更に滑尺に目盛を刻んだものである。
【0004】
さらに、物品の半径ではないが、特開2001−317907号公報(特許文献3)には、電力ケーブル等の可撓性を有するものの曲率半径を測定する装置が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−294601号公報(第2〜3頁、図3)
【特許文献2】
特開平10−26502号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開2001−317907号公報(第3〜4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されたものは、両端の固定ピンや突起が固定的であるため、ある程度の大きさの半径しか測定することができないという問題点があった。また、特許文献3に記載されたものでは、電力ケーブル等の可撓性を有するものを対象としているので、パイプの外径等を測定することができないという問題点があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて創案されたものであって、半径の大きさに左右されることなく半径を測定することができる半径測定具を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半径測定具は、横軸に固定された第1の外側爪部と、前記横軸に沿ってスライド可能な第2の外側爪部と、前記第1の外側爪部と第2の外側爪部との間に位置し、前記横軸に対して直交する縦軸に沿ってスライド可能な内側爪部と、前記縦軸と第1の外側爪部及び第2の外側爪部との間を連結し、内側爪部を常に第1の外側爪部と第2の外側爪部との中央に位置させるパンタグラフ機構とを備えており、半径を測定すべき円弧に前記第1の外側爪部及び第2の外側爪部を当接させた状態で、内側爪部を前記円弧に当接させた場合、前記第1の外側爪部が円弧に接した点と第2の外側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第1の線分の長さ2aと、内側爪部が接した点を通過する半径と前記第1の線分との交点と内側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第2の線分の長さbと、前記円弧の半径Rとの間では、R=(a2 +b2 )/2bの関係が成立することから、円弧の半径Rを求める。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的背面図、図3は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具による円弧の半径の計測原理の説明図、図4は本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の使用状態を示す概略的正面図、図5は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図、図6は本発明の実施の第2の形態に係る半径測定具の電気的構成を示す概略的ブロック図、図7は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図、図8は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具に他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図、図9は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図、図10は本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた場合の使用方法を示す概略的斜視図である。
【0010】
本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具は、横軸100に固定された第1の外側爪部110と、前記横軸100に沿ってスライド可能な第2の外側爪部120と、前記第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との間に位置し、前記横軸100に対して直交する縦軸200に沿ってスライド可能な内側爪部210と、前記縦軸200と第1の外側爪部110及び第2の外側爪部120との間を連結し、内側爪部210を常に第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との中央に位置させるパンタグラフ機構300とを備えており、半径Rの測定すべき円弧Kに前記第1の外側爪部110及び第2の外側爪部120を当接させた状態で、内側爪部210を前記円弧Kに当接させた場合、前記第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120が円弧Kに接した点Bとの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2aと、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1の交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点Cとの間を結ぶ第2の線分L2の長さbと、前記円弧Kの半径Rとの間では、R=(a2 +b2 )/2bの関係が成立することから、円弧の半径Rを求めるようになっている。
【0011】
前記横軸100は、一端に第1の爪部110が形成されている。この第1の爪部110は、後述する横軸200に略直交するように横軸100から突出形成されたもので、その先端は先鋭化されている。
【0012】
前記縦軸200は、横軸100に直交したものであって、横軸100に固定的に取り付けられている。かかる縦軸200には、縦軸200に沿って、すなわち横軸100に対して直交方向にスライド可能な内側爪部210が設けられている。また、この縦軸200には、縦軸200に沿ったスリット220が設けられている。
【0013】
また、前記内側爪部210には、図1に示すように、縦軸200に嵌まり込む溝202が設けられており、この溝202にって縦軸200に沿ってスライドするようになっている。なお、図面中201は、内側爪部210を縦軸200に対して固定するための固定ネジである。
【0014】
一方、前記横軸100には、第2の外側爪部120が取り付けられている。すなわち、この第2の外側爪部120は、前記縦軸200を対称線として第1の外側爪部110の線対称の箇所に位置するようになっている。この第2の外側爪部120が第1の外側爪部110の線対称の箇所に位置させるのは、後述するパンタグラフ機構300である。
【0015】
この第2の外側爪部120は、図1に示すように、横軸100に嵌まり込む溝122が設けられており、この溝122によって横軸100に沿ってスライドするようになっている。なお、図面中121は、第2の外側爪120を横軸100に対して固定するための固定ネジである。
【0016】
前記パンタグラフ機構300は、前記第1の外側爪部110の基端部と前記スリット220との間に設けられた第1の長アーム310と、前記第2の外側爪部120の基端部と前記スリット220との間に設けられた第2の長アーム320と、前記第1の長アーム310の中心点O310 と縦軸200の下端部との間に設けられた第1の短アーム330と、前記第2の長アーム320の中心点O320 と縦軸200の下端部との間に設けられた第2の短アーム340とを有している。
【0017】
第1の長アーム310の一端は、連結された第1の外側爪部110の基端部において回動可能に取り付けられている。また、第2の長アーム320の一端は、連結された第2の外側爪部120の基端部において回動可能に取り付けられている。また、第1の長アーム310の他端と第2の長アーム320の他端とは、回動可能に連結されており、前記スリット220に沿って、すなわち縦軸200に沿って移動可能になっている。
【0018】
さらに、前記第1の短アーム330の一端は、第1の長アーム310の中心点O310 に回動可能に連結されている。また、前記第2の短アーム340の一端は、第2の長アーム320の中心点O320 に回動可能に連結されている。しかも、第1の短アーム330の他端と、第2の短アーム340の他端とは、縦軸200の下端の同じ位置において回動可能に縦軸200に連結されている。
【0019】
従って、第1の外側爪部110と第2の外側爪部120とは、第2の外側爪部210を横軸100に沿ってスライドさせても、常に縦軸200を対称線とした線対称の箇所に位置する。このため、縦軸200にスライド可能に取り付けられた内側爪部210は、常に、第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との中央に位置することになる。
【0020】
また、前記横軸100には、図示しない目盛りが形成されており、第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離、第2の外側爪部120と縦軸002との間の距離が計測できるようになっている。ここで、常に、縦軸200が第1の外側爪部110と第2の外側爪部210との中央に位置するので、第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離と、第2の外側爪部120と縦軸200との間の距離とは等しくなる。
【0021】
さらに、縦軸002には、図示しない目盛りが形成されており、内側爪部210が縦軸200からどの程度突出したかを計測することができるようになっている。
【0022】
次に、かかる半径測定具を用いた円弧Kの半径Rの測定について説明する。
まず、内側爪部210の先端を引いた状態にして、第1の外側爪部110の先端と第2の外側爪部120の先端とを円弧Kに接触させる。さらに、内側爪部210を縦軸200に対してスライドさせて、内側爪部210の先端を円弧Kに接触させる。すると、円弧Kには、図4に示すように、第1の外側爪部110の先端と、第2の外側爪部120の先端と、内側爪部210の先端との3点が、それぞれ点A、点B及び点Cに接触していることになる。
【0023】
第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離は、横軸100に付された目盛りから読み取ることができる。また、縦軸200からの内側爪部210の突出量は、縦軸200に付された目盛りから読み取ることができる。
【0024】
ここで、第1の外側爪部110の先端と横軸100との間の距離X1(図4参照)は、第1の外側爪部110が横軸100に対して固定的に設けられているため、常にX1で一定である。従って、内側爪210の突出量がX2(図4参照)であると、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点との間を結ぶ第2の線分L2の長さbは、X1−X2となる。ここで、X1は既知であり、X2は縦軸200の目盛りから求められるから、前記第2の線分L2の長さbを求めることができる。
【0025】
また、前記第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120が円弧Kに接した点Bとの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2aは、第1の外側爪部110と縦軸200との間の距離の2倍に等しくなる。
【0026】
従って、R=(a2 +b2 )/2bの演算を行うことによって、円弧Kの半径Rを求めることができるようになっている。ここで、予めa及びbの値を縦軸及び横軸とし、半径Rを求めることができる換算表を設けておけば、前記演算を行う必要がない。
【0027】
上述した半径測定具では、計測結果に基づいて使用者が演算して円弧の半径Rを求めるか、換算表を使用して求めるようになっていたが、図5に示す次の第2の実施の形態に係る半径測定具のようにすることも可能である。
この第2の実施の形態に係る半径測定具は、前記第1の線分L1の長さ2aを求める第1のセンサ410と、第2の線分L2の長さbとを求める第2のセンサ420と、前記第1のセンサ410及び第2のセンサ420の出力結果から、前記R=(a2 +b2 )/2bの関係に従って半径Rを演算する演算部500と、この演算部500の演算結果を表示する表示部600とを有している。
【0028】
すなわち、この第2の実施の形態に係る半径測定具の基本的な機械的構成は、第1の実施の形態に係るものと同一であるが、前記第1の線分L1の長さ2aと、第2の線分L2の長さbとは、第1の実施の形態に係るもののように形成されている目盛りによって読み取るのではなく、前記センサ410、420によって計測するようになっているのである。
【0029】
すなわち、前記第1のセンサ410は、前記第1の外側爪部110が円弧Kに接した点Aと第2の外側爪部120が円弧Kに接した点Bとの間を結ぶ第1の線分L1の長さ2aの長さを検出する。この第1のセンサ410は、横軸100に沿ってスライド可能になった第2の外側爪部120の基端部に設けられており、第2の外側爪部120の初期位置である第2の外側爪部120が最も第1の外側爪部110に接近した位置から、第2の外側爪部120がどれだけスライドしたかを検出するものである。かかる第1のセンサ410には、例えばロータリエンコーダーが使用される。
【0030】
かかる第1のセンサ410は、初期位置にある第2の外側爪部120と、第1の外側爪部110との間の直線距離に、第2の外側爪部120が横軸100に沿ってスライドしたスライド量を加算して出力する。
【0031】
一方、前記第2のセンサ420は、内側爪部210が接した点を通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点Cとの間を結ぶ第2の線分L2長さbを検出する。この第2のセンサ420は、内側爪部210がスライド可能になった縦軸200に設けられており、内側爪部210が縦軸200からどれだけ突出したかを検出するものである。かかる第2のセンサ420には、例えばロータリエンコーダーが使用される。
【0032】
第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210を同一平面上に接触させた状態で、第2のセンサ420をリセットしておき、この状態から測定すべき円弧Kに第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210を接触させると、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点との間を結ぶ第2の線分L2の長さbが求められる。また、前記第1のセンサ410からは、第1の線分L1の長さ2aが出力されている。
【0033】
従って、演算部500は、前記第1の線分L1の長さ2aと、前記第2の線分L2の長さbとから、前記式R=(a2 +b2 )/2bを演算し、円弧Kの半径Rを算出する。
【0034】
この演算部500の演算結果、すなわちR=(a2 +b2 )/2bは、例えば液晶表示パネルである表示部600に表示される。なお、演算部500は、表示部600に内蔵されている。
【0035】
また、この演算部500は、円弧Kの半径Rだけではなく、直径2Rをも演算することができるようになっている。この半径Rと直径2Rとの演算は、表示部600に設けられた切り換えスイッチ群610によって切り換えることができるようになっている。
【0036】
さらに、この演算部500は、複数の単位、例えばcm、mm、m、インチに対応しており、表示部600に設けられた切り換えスイッチ群610によって切り換えることができるようになっている。
【0037】
なお、前記リセットを行わなくても、前記第2のセンサ420、第1の外側爪部110及び第2の外側爪部120と横軸100との間の距離X1と、内側爪部210の縦軸200からの突出量X2との差分を出力するようにしてもよい。この場合、第1の外側爪部110の先端と横軸100との間の距離X1は、半径測定具の寸法であり、第1の外側爪部110が横軸100に対して固定的に設けられているため、常にX1で一定であり、既知である。従って、内側爪210の突出量がX2(図4参照)であると、内側爪部210が接した点Cを通過する半径Rと前記第1の線分L1との交点Mと内側爪部210が円弧Kに接した点との間を結ぶ第2の線分L2の長さbは、X1−X2となる。ここで、X1は既知であり、X2は縦軸200の目盛りから求められるから、前記第2の線分L2の長さbを求めることができる。
【0038】
この場合も、前記演算部500には、前記第1のセンサ410からの第1の線分L1の長さ2aと、前記第2のセンサ420からの第2の線分L2の長さbとが入力されている。従って、この演算部500においては、前記式R=(a2 +b2 )/2bの演算を行うことにより、円弧Kの半径Rを演算することができる。
【0039】
上述した実施の形態では、パイプ等の外径の円弧Kの半径R等を測定するものであったが、パイプ等の内径の円弧Kの半径R等を測定する場合には、半径測定具がパイプ等の内側に入り込まないので、そのままでは測定することができない。
【0040】
この場合には、図7に示すように第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210にアタッチメント110A、120A、210Aを取り付けて、各アタッチメント110A、120A、210Aの先鋭化された先端がパイプ等の内径に接触するようにして計測する。この場合には、各アタッチメント110A、210A、210Aは、第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210と同じ形状でそれぞれの先端は、平面視上、同じ位置にある。
【0041】
なお、このアタッチメント110A、120A、210Aは、第2の実施の形態に係る半径測定具に特有のものではなく、第1の実施の形態に係る半径測定具でも同様に用いることができる。
【0042】
また、このアタッチメント110A、120A、210Aは、第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210と同じ形状でそれぞれの先端は、平面視上、同じ位置になくても、演算部500はリセットすることができるので、以下の条件を満たせばよい。
【0043】
第1条件)第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210の各先端を結ぶ直線と、各アタッチメント110A、120A、210Aの各先端を結ぶ直線とが平行であること。
第2条件)第1の外側爪部110と第2の外側爪部120との各先端を結ぶ直線と、アタッチメント110A、120Aの各先端を結ぶ直線とが平行であること。
第3条件)パンタグラフ機構300の可動範囲を妨げない範囲で、アタッチメント110A、120Aの各先端を結ぶ直線を底辺とし、アタッチメント210Aの先端を頂点とする三角形が二等辺三角形であること。
【0044】
従って、この第1条件、第2条件及び第3条件のすべてを満たせば、図8に示すように、各アタッチメント110B、120B、210Bの各先端が、第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210の各先端より突出していてもよい。
【0045】
また、図9に示すように、各先端が先鋭化されておらず、ある程度の幅のあり、かつ各先端が第1の外側爪部110、第2の外側爪部120及び内側爪部210の各先端より突出しているアタッチメント110C、120C、210Cを使用すると、電力ケーブルa等の可撓性を有するものの曲率半径を測定することが可能になる(図10参照)。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る半径測定具は、横軸に固定された第1の外側爪部と、前記横軸に沿ってスライド可能な第2の外側爪部と、前記第1の外側爪部と第2の外側爪部との間に位置し、前記横軸に対して直交する縦軸に沿ってスライド可能な内側爪部と、前記縦軸と第1の外側爪部及び第2の外側爪部との間を連結し、内側爪部を常に第1の外側爪部と第2の外側爪部との中央に位置させるパンタグラフ機構とを備えており、半径を測定すべき円弧に前記第1の外側爪部及び第2の外側爪部を当接させた状態で、内側爪部を前記円弧に当接させた場合、前記第1の外側爪部が円弧に接した点と第2の外側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第1の線分の長さ2aと、内側爪部が接した点を通過する半径と前記第1の線分との交点と内側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第2の線分の長さbと、前記円弧の半径Rとの間では、R=(a2 +b2 )/2bの関係が成立することから、円弧の半径Rを求める。
【0047】
この半径測定具であると、第1の外側爪部と第2の外側爪部とは、パンタグラフ機構で連結されているので、両外側爪部の間の距離を自在に変更することができる。このため、大きな半径等にも小さな半径等にも対応することができるというメリットがある。
【0048】
前記前記第1の外側爪部、前記第2の外側爪部及び前記内側爪部の先端はそれぞれ先鋭化されていると、円弧に点接触することになるので、半径等の正確な測定が可能になる。
【0049】
また、本発明に係る他の半径測定具は、前記第1の線分の長さ2aを求める第1のセンサと、第2の線分の長さbとを求める第2のセンサと、前記第1のセンサ及び第2のセンサの出力結果から、前記R=(a2 +b2 )/2bの関係に従って半径Rを演算する演算部と、この演算部の演算結果を表示する表示部とを備えている。
【0050】
この半径測定具であると、半径等をデジタル表示することができるので測定が容易になるというメリットがある。
【0051】
前記演算部が、2R=(a2 +b2 )/bの演算をも行うことができるようになっていると、半径のみならず直径をも測定することができるので大変便利である。
【0052】
前記第1の外側爪部、第2の外側爪部及び内側爪部には、パイプ等の内径を測定する際のアタッチメントが着脱可能になっているので、パイプ等の外径のみならず内径の半径等をも測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の概略的背面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具による円弧の半径の計測原理の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る半径測定具の使用状態を示す概略的正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具の概略的正面図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態に係る半径測定具の電気的構成を示す概略的ブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具に他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る半径測定具にさらに他のアタッチメントを取り付けた場合の使用方法を示す概略的斜視図である。
【符号の説明】
100 横軸
110 第1の外側爪部
120 第2の外側爪部
200 縦軸
210 内側爪部
300 パンタグラフ機構
Claims (5)
- 横軸に固定された第1の外側爪部と、前記横軸に沿ってスライド可能な第2の外側爪部と、前記第1の外側爪部と第2の外側爪部との間に位置し、前記横軸に対して直交する縦軸に沿ってスライド可能な内側爪部と、前記縦軸と第1の外側爪部及び第2の外側爪部との間を連結し、内側爪部を常に第1の外側爪部と第2の外側爪部との中央に位置させるパンタグラフ機構とを具備しており、半径を測定すべき円弧に前記第1の外側爪部及び第2の外側爪部を当接させた状態で、内側爪部を前記円弧に当接させた場合、前記第1の外側爪部が円弧に接した点と第2の外側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第1の線分の長さ2aと、内側爪部が接した点を通過する半径と前記第1の線分との交点と内側爪部が円弧に接した点との間を結ぶ第2の線分の長さbと、前記円弧の半径Rとの間では、R=(a2 +b2 )/2bの関係が成立することから、円弧の半径Rを求めることを特徴とする半径測定具。
- 前記第1の外側爪部、前記第2の外側爪部及び前記内側爪部の先端はそれぞれ先鋭化されていることを特徴とする請求項1記載の半径測定具。
- 前記第1の線分の長さ2aを求める第1のセンサと、第2の線分の長さbとを求める第2のセンサと、前記第1のセンサ及び第2のセンサの出力結果から、前記R=(a2 +b2 )/2bの関係に従って半径Rを演算する演算部と、この演算部の演算結果を表示する表示部とを具備したことを特徴とする請求項1又は2記載の半径測定具。
- 前記演算部は、2R=(a2 +b2 )/bの演算をも行うことができることを特徴とする請求項3記載の半径測定具。
- 前記第1の外側爪部、第2の外側爪部及び内側爪部には、パイプ等の内径を測定する際のアタッチメントが着脱可能になっていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の半径測定具。
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