JP2004137658A - 炭素質繊維織布、炭素質繊維織布の捲回物、固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料、炭素質繊維織布の製造方法、および固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料の製造方法 - Google Patents

炭素質繊維織布、炭素質繊維織布の捲回物、固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料、炭素質繊維織布の製造方法、および固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

 【課題】 巻き戻し、巻き取り操作を繰り返すことにより発生する炭素質繊維織布の両端部の糸のほつれを抑制すること。
 【解決手段】 炭素質繊維糸から構成される炭素質繊維織布の両端部を、一単位の大きさが、織布の長手方向の長さ(l)に対する織布の短手方向の長さ(t)の割合(t/l)が0.2〜5であるように、鋸歯状又は波歯状にカットして、炭素質繊維糸のほつれ防止処理を行うこと。
 【選択図】 図2

Description

 本発明は、炭素質繊維織布等に関し、より詳しくは、例えば、固体高分子型燃料電池等に好適に使用される炭素質繊維織布、炭素質繊維織布の捲回物、固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料、炭素質繊維織布の製造方法、および固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料の製造方法に関する。
 近年、発電効率が高く環境性にも優れているエネルギー供給源として、燃料電池が注目されている。この燃料電池の中で、電解質に固体高分子を使った固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cells)が最も注目されている。この固体高分子型燃料電池は、電解質となるフィルム状のイオン交換膜の両側に触媒層を持ち、更にその両側にはガス拡散層の機能を兼ね備えた集電体が設けられ、膜・電極接合体(MEA)を形成している。そして、その外側に、燃料の通り道となる溝を付けたセパレータが設けられ、MEAとセパレータとの間を水素あるいは酸素が通り、これらを全て一つとしてセルを構成している。このセル1枚で約0.7Vの電位差が得られる場合に、例えばこのセルを300枚重ねて直列につなぎ、例えば210Vの電圧を得るスタックを構成することができる。
 このガス拡散層の機能を兼ね備えた集電体の材料としては、従来、カーボンペーパーが用いられているが、近年、炭素質繊維を製織してなる炭素質繊維織布(カーボンクロス)を用いることが検討されている(特許文献1参照)。すなわち、この炭素質繊維織布は、カーボンペーパーに比べて、通気性が高く、燃料が円滑、均等に膜電極接合体に供給し易く、体積固有抵抗を低くし易い、また、材料や製織方法によっては、厚み方向に弾性を持たせることで機械的脆さをなくすことができ、保水性や排水性もコントロールし易い等の、カーボンペーパーにない利点が多々あることから、大きく注目されてきている。
 このような炭素質繊維織布は、例えば、ポリアクリロニトリル系繊維等の紡績糸により製織された織布に炭素化処理及び黒鉛化処理が施されて製造される。そして、ガス拡散層の機能を兼ね備えた集電体とするには、このように製造した炭素質繊維織布に、例えばフッ素樹脂の分散液とカーボンブラックとのペーストを塗布する処理(目止め処理)が施される。
特開平10−261421号公報
 ところで、このような炭素質繊維織布は、例えば、通常、所定の幅を有する長尺状の織布を巻芯に捲回した巻物状の形態で取り扱われ、この巻物状の炭素質繊維織布等は、通常、炭素化処理、黒鉛化処理、プレス加工に際しては、巻物状の形態から巻き戻し、さらに、次の工程へ輸送しやすくするために再び巻き取る操作が繰り返して行われる。
 しかしながら、このように巻き戻し、巻き取り操作を繰り返すことにより、炭素質繊維織布等の両端部の経糸がほつれてくるため、取扱いが困難になる場合がある。さらに、これらの炭素質繊維織布等には、通常、スリッターと呼ばれる装置により、布幅を製品サイズに合わせるべく任意の幅にスリット(縦方向に連続して切断)しながら、同時に連続して巻き取る操作が行われるために、織布の両端部からほつれてくる経糸によってうまく巻き戻しが出来なくなる現象が頻繁に起こっていた。また、巻物状の炭素質繊維織布に目止め処理を施す際にも、同様に織布の両端部から経糸がほつれる現象が見られ、巻き戻しがうまく行えない場合が頻発した。
 このようなほつれが生じた場合は、ほつれてきた糸をハサミ等で切ることにより除去する必要があり、非常に手間がかかるとともに、生産性が低下する原因となるために改善策が必要とされた。本発明は、このような炭素質繊維織布を加工する際に浮き彫りになった技術的課題を解決すべくなされたものであり、織布の両端部から糸のほつれが抑制された炭素質繊維織布を提供することを目的とする。
 かかる目的のもと、本発明は、炭素質繊維織布の端部に、炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされている。すなわち、本発明が適用される炭素質繊維織布は、炭素質繊維糸から構成される織布であって、この織布の端部に、炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされていることを特徴とする。具体的には、この炭素質繊維糸のほつれ防止処理は、炭素質繊維織布の端部が鋸歯状又は波歯状にカットされていることを特徴としている。
 ここで、このような鋸歯状又は波歯状にカットされた織布の端部の鋸歯又は波歯の一単位の大きさは、この織布の長手方向の長さ(l)に対する織布の短手方向の長さ(t)の割合(t/l)が、0.2〜5であることを特徴とすることができる。また、別の観点からは、このような鋸歯状又は波歯状にカットされた織布の端部の鋸歯又は波歯の一単位は、織布の長手方向の長さの範囲に存在する緯糸の本数が3本〜50本であり、織布の短手方向の長さの範囲に存在する経糸の本数が3本〜50本であることを特徴とすることができる。
 一方、本発明が適用される炭素質繊維織布の捲回物は、所定の長さの巻芯と、この巻芯に捲回されるとともに、織布の端部に炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされている炭素質繊維織布とから構成されることを特徴とすることができる。具体的には、この巻芯に捲回される炭素質繊維織布は、捲回物の端面を構成する炭素質繊維織布の端部に、炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされていることを特徴としている。
 さらに、本発明が適用される固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料は、炭素質繊維糸から構成される織布の端部に炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされている炭素質繊維織布に、目止め処理が施されてなることを特徴としている。かかる固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料は、ガス透過性が200cm/cm・sec以下であることを特徴とすることができる。
 さらに、本発明は、炭素質前駆体繊維織布を炭素化処理してなる炭素質繊維織布の端部を、スリッターにより鋸歯状又は波歯状にカットすることを特徴とする炭素質繊維織布の製造方法として捉えることができる。また、このような炭素質繊維織布の製造方法において、炭素質前駆体織布の端部を、予めスリッターにより鋸歯状又は波歯状にカットし、その後、炭素化処理を行うことを特徴とすることができる。
 また、固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料の製造方法として捉えると、炭素質前駆体繊維織布を炭素化処理してなる炭素質繊維織布の端部を、スリッターにより鋸歯状又は波歯状にカットし、さらに、この炭素質繊維織布に、目止め処理を施してなることを特徴とするものである。
 かくして本発明によれば、炭素質繊維織布の端部の糸のほつれを抑制することができる。
 以下に、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態と言う。)が適用される炭素質繊維織布について説明する。
 図1は、本実施の形態における炭素質繊維織布の捲回物を説明するための図である。ここでは、巻芯11に、所定の幅を有し、この巻芯11に捲回されるとともに、織布の端部13に炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされている長尺状の炭素質繊維織布12とから構成される炭素質繊維織布12の捲回物が示されている。この巻芯11に捲回されて捲回物の端面を構成している炭素質繊維織布12の端部13は、後述するように、鋸歯状又は波歯状にカットされている。固体高分子型燃料電池においては、触媒層を連続的にガス拡散層材料に形成することが工業的な量産化に望ましいことから、ガス拡散層材料である炭素質繊維織布12は、例えば塗付法によってカーボンが塗付され、長尺状に形成されている。また、炭素質繊維織布12は、燃料電池用ガス拡散材料として用いられることから、厚みムラが少なく、平滑性が高くなるように製造されており、燃料電池に固定される際には、ひずみがかかったり、緩みを生じさせないことが要求される。
 この炭素質繊維織布12の織布の種類としては、公知の炭素質前駆体繊維から得られる炭素質繊維の紡績糸、または長繊維を、平織り、綾織り、繻子織り等の組織で織られた織布、またはこの織布に樹脂、または樹脂の炭化物、導電性カーボンブラック等の導電性物質等を付加して、機械的強度、電気的特性等を改良したものが用いられる。
 炭素質繊維織布は、通常、厚さが、通常0.05mm以上、好ましくは0.10mm以上、より好ましくは0.20mm以上であり、また、通常5mm以下、好ましくは3mm以下である。目付量は、50g/m以上、好ましくは60g/m以上であり、また、200g/m以下、好ましくは180g/m以下である。体積抵抗率は、0.2Ωcm以下、好ましくは0.15Ωcm以下、より好ましくは0.10Ωcm以下である。嵩密度は、例えば、0.2g/cc以上、好ましくは、0.25g/cc以上であり、また、0.6g/cc以下、好ましくは、0.55g/cc以下である。
 更に、炭素質繊維の紡績糸を平織りにした織布の場合、経緯密度(単位長さ当たりの経糸及び緯糸の本数)は、織布を構成する糸(耐炎化糸)が炭素化、黒鉛化する工程で繊度が約10%程度減少するため、一般的には1インチ当り30本〜70本であるが、具体的には単糸、双糸の別や糸の太さに応じて適宜選択する。例えば、2/40Nmの紡績糸の双糸を経糸及び緯糸に用いた場合の経緯密度は、織布の長さ10cm当たり、通常は経糸及び緯糸とも100本/10cm〜300本/10cmであり、好ましくは180本/10cm〜250本/10cmである。
 また、長さは、1ロールあたり、例えば、50cm以上、好ましくは100cm以上であり、また、300m以下、好ましくは200m以下であり、巻芯21に一定の張力によって緩く巻かれている。さらに、幅は、例えば、5cm以上、好ましくは10cm以上であり、また、250cm以下、好ましくは200cm以下、さらに好ましくは100cm以下である。
 尚、巻芯11は、例えば紙材によって形成される管である紙管であり、内径は、特に限定されないが、通常、1インチ(2.54cm)〜10インチ(25.4cm)、好ましくは2インチ(5.08cm)〜5インチ(12.7cm)である。肉厚は、1mm〜10mm、好ましくは3mm〜5mmである。内径が1インチよりも小さい場合には、炭素質繊維織布12を巻きにくく、中心に近い炭素質繊維織布12に対して巻き癖がつく可能性がある。巻芯11の長さ(長手方向長さ)は、炭素質繊維織布12の幅と同じかそれ以上である。
 尚、炭素質繊維織布12を巻芯11に巻く巻き方としては、厚さ等を含む製品性状の長さ方向の均一性を確保する等の理由により、緩まない程度の一定張力が好ましい。このようにして巻き上げた結果、内径3インチ、肉厚5mm、長さ30cm、重量290g〜300g程度の紙管を用い、炭素質繊維織布12として幅30cmとすると、例えば、炭素質繊維織布12の長さが50mで1.4kg〜1.6kg程度、その直径が20cm程度であり、例えば、炭素質繊維織布12の長さが200mで4.7kg〜5.6kg程度、その直径が35cm程度となる。
 本発明の特徴は、炭素質繊維織布の端部に、ほつれ防止処理がなされていることである。ほつれ防止処理とは、実質的に長い炭素質繊維糸が、炭素質繊維織布の両端部からほつれないように処理することであり、より具体的には、20mm以上の炭素質繊維糸が織布の両端部からほつれないように処理することである。ほつれ防止処理の態様としては、炭素質繊維織布の両端部、もしくは全面に糊を添着して炭素質繊維糸同士を接着させる方法や、炭素質繊維織布の両端部をストレートではない形状にカットすること等が挙げられるが、容易に製造することが出来る点で、炭素質繊維織布の両端部をストレートではない形状にカットすることが好ましく、中でも、鋸歯状や波歯状にカットすることが好ましい。以下、鋸歯状及び波歯状にカットされた炭素質繊維織布について、詳細に説明する。
 図2(a)、(b)は、本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12の端部の拡大図である。図2(a)は、鋸歯状にカットされた端部の形状が示されている。また、図2(b)は、波歯状にカットされた端部の形状が示されている。尚、図2(a)及び図2(b)において、横方向は、織布の長手(経糸)方向であり、縦方向は、織布の短手(緯糸)方向である。図2(a)に示すように、本実施の形態における炭素質繊維織布12は、例えば、公知の任意の炭素質前駆体繊維を用いた糸により製織された織布(炭素質前駆体繊維織布)を不活性ガス中で炭素化処理及び黒鉛化処理が施された地121の部分と、この地121の部分を鋸歯状にカットして形成された鋸歯状の端部131とを有する。尚、この炭素質前駆体繊維及び炭素質前駆体繊維織布については後述する。
 この鋸歯状の端部131の鋸歯の一つの単位の大きさは、長手方向の長さ(l)に対する短手方向の長さ(t)の割合により規定され、例えば、t/lは、0.2〜5、好ましくは、0.3〜2である。t/lの値が過度に大きいと、例えば、製品の歩留まりが低下し、また、後述する目止め処理等の次工程における加工が困難になるおそれがある。t/lの値が過度に小さいと、経糸のほつれが生じるおそれがある。
 次に、図2(b)に示すように、本実施の形態における炭素質繊維織布12は、炭素質前駆体繊維織布を炭素化処理及び黒鉛化処理が施された地122の部分と、この地122の部分を波歯状にカットした形状を有する波歯状の端部132を有する。この波歯状の端部132の波歯の一つの単位の大きさは、図2(a)において詳述したように、長手方向の長さ(l)に対する短手方向の長さ(t)の割合により規定され、例えば、t/lは、0.2〜5、好ましくは、0.3〜2.5である。
 図2(a)及び図2(b)において、この鋸歯状又は波歯状にカットされた一単位の鋸歯又は波歯の長手方向の長さ(l)および短手方向の長さ(t)は特に限定されないが、通常、長手方向の長さ(l)は、3mm〜15mm、好ましくは、4mm〜12mmであり、短手方向の長さ(t)は、2mm〜15mm、好ましくは、3mm〜12mmである。また、この長手方向の長さ(l)の範囲に存在する緯糸の本数は、例えば、3本〜50本、好ましくは、5本〜40本であり、短手方向の長さ(t)の範囲に存在する経糸の本数は、例えば、3本〜50本、好ましくは、5本〜40本である。
 ここで、この炭素質繊維織布12を構成する糸の繊度は、例えば、メートル番手で16番手以上、好ましくは18番手以上、より好ましくは20番手以上であり、また、60番手以下、好ましくは55番手以下である。単糸の場合、例えば、メートル番手で、1/16Nm以上、好ましくは1/18Nm以上、より好ましくは1/20Nm以上であり、また、1/60Nm以下、好ましくは1/55Nm以下である。双糸の場合、例えば、メートル番手で2/32Nm以上、好ましくは2/36Nm以上、より好ましくは2/40Nm以上であり、また、2/120Nm以下、好ましくは2/110Nm以下である。糸のメートル番手が1/16Nm又は2/32Nmより太番手の場合、単位長さあたりの毛羽数が多くなる傾向がある。また、1/60Nm又は2/120Nmより細番手の場合、糸の引張強度が低くなる傾向がある。
 尚、炭素質繊維織布12は、炭素質前駆体繊維織を紡糸−耐炎化−炭素化−(黒鉛化)という工程を経て得られるが、耐炎化糸を炭素化、さらには黒鉛化する工程で、繊度は約10%〜20%程度減少する。本実施の形態において織布を構成する糸の繊度は、最終的に得られた織布の糸についてのものであり、織布から糸を抜き出して計測することにより測定できる。
 また、経糸と緯糸の糸間の空隙が、走査型電子顕微鏡で観察した場合、その糸間の空隙に該当する孔径が10μm〜150μmであることが、燃料電池のガス拡散層に用いたときの保水性・排水性を確保するために好ましい。なかでも、好ましい織布の1例は、直径が7μm〜10μmの単繊維から成る40〜60番手糸の双糸を、1インチ当り経糸、緯糸とも30本〜70本の密度で平織して得られるものである。
 尚、炭素質繊維織布12中の金属不純物中の金属不純物は、燃料電池の作動時に生成水の電気分解反応により電池特性の低下要因となるため、極力少なくするのが好ましい。例えば、鉄は50μg/g以下、ニッケルは50μg/g以下、ナトリウムは100μg/g以下であるのが好ましい。織布中の金属不純物は、織布ないしはその原料の炭素質繊維、更にはその原料糸等を、塩酸、酢酸等の酸で洗浄することにより、その含有量を低減させることができる。
 さらに、これらの炭素質繊維織布12に、バインダー、好ましくは樹脂やピッチ等の有機質バインダーを付着させて、織布を構成する炭素質繊維を互に結着させてもよい。有機質バインダーの付着は、有機質バインダーの溶液中に織布を浸漬するか又は織布にこの溶液を塗布すればよい。有機質バインダーを付着させる方法としては、例えば有機質バインダーを、水、メタノール、アセトン、トルエン、キシレン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド等適宜の溶媒に溶解した溶液に織布を浸漬して織布に有機質バインダーを付着させ、次いで乾燥したのちホットプレス、カレンダーロール、オーブン等で加熱して有機質バインダーを硬化させる手法によることができる。織布の浸漬に用いる有機質バインダー溶液としては通常は0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%程度のものを用いればよい。また、有機質バインダーを単に硬化させるだけでなく、有機質バインダーを付着させた織布を更に窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中で加熱して、有機質バインダーを炭素化、更には黒鉛化してもよい。
 このように得られた炭素質繊維織布12は炭素質繊維100重量%よりなるものであるが、更に、これに、粉末活性炭、導電性カーボンブラック、各種ピッチの炭素化物等の導電性物質を含有させることもできる。例えば、ピッチを有機溶媒に溶解させてピッチ溶液とし、これに粉末活性炭や導電性カーボンブラックを懸濁させたものを上記で得られた織布に塗布し、次いで不活性ガス中で加熱してピッチを炭素化させたものが挙げられる。その場合でも、織布に占める炭素質繊維の割合は60重量%以上であり、好ましくは80重量%以上である。
 また、このように得られた炭素質繊維織布12は、そのままでも燃料電池のガス拡散層の材料として用いることができるが、これを更に加工してガス拡散層の材料として用いることもできる。例えば電池を構成する膜電極体に適度の水分を保持させたり、電池に供給される燃料や酸化剤に含まれる不純物を吸着除去して電池特性の低下を防止するために、上記で得られた炭素質繊維織布に、800℃〜1200℃程度の水蒸気や二酸化炭素、または300℃〜500℃程度の空気を接触させ、炭素質の一部をガス化して炭素質繊維に微細な孔を生成させ、多孔性の炭素質繊維からなる織布とすることができる。
 尚、本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12を得るために使用する公知の炭素質前駆体繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、ポリノジック系、フェノール樹脂系、またはこれらの混合物等を用いることができる。通常はピッチ系又はポリアクリロニトリル系が用いられる。なかでもポリアクリロニトリル系の炭素質前駆体繊維が好ましい。この、ポリアクリロニトリル系の炭素質前駆体繊維には、アクリロニトリル単位の含有比率により、アクリロニトリルほぼ100%のポリアクリロニトリルを原料とするもの、アクリロニトリルが50%以上のアクリロニトリルを主体とするアクリロニトリル系共重合体を原料とするもの、更にはアクリロニトリルが20%〜50%のアクリロニトリルを含むアクリロニトリル系共重合体を原料とするもの等各種のものがあるが、これらのいずれを原料とする炭素質前駆体繊維を用いることができる。
 このような炭素質前駆体繊維の単繊維の直径は、通常、6μm〜50μm、好ましくは6μm〜30μmの範囲である。特に、直径7μm〜15μmの単繊維からなる紡績糸から得られた織布は、後述する炭素化処理、黒鉛化処理により厚さムラが発生しにくいため好ましい。
 このような炭素質前駆体繊維は、製織して織布とするのに先だって、耐炎化処理をしておくことができる。耐炎化処理(不融化処理)はピッチやポリアクリロニトリルの分子構造中に酸素原子を導入する化学反応であり、通常、200℃〜300℃、高くても400℃未満の温度で、酸素と数十分間接触させることにより行われる。そして、一般に分子構造中への酸素の導入量が多いほど後続する炭素化処理に際しての融着防止効果が大きいとされている。その融着防止効果の指標としては、一般に、繊維を燃焼させるのに必要な限界酸素濃度(LOI値)が用いられている。通常の炭素質繊維の製造の場合のように、繊維同士の融着を起させないためには、LOI値が35〜60となるように耐炎化処理すべきものとされている。本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12の製造においても、炭素質前駆体のLOI値が35〜60となるように耐炎化処理するのが好ましい。
 即ち、織布を構成する炭素質繊維を融着させないようにする場合には、LOI値が35〜60となるように耐炎化処理すればよい。逆に繊維を融着させて剛性を有する織布とすることにより、燃料電池の特性を改善したい場合等には、LOI値が35未満、特に33以下となるように耐炎化処理してもよい。尚、LOI値が過度に小さいと、後続する炭素化処理に際して融着が激しくなりすぎて、得られる炭素質繊維織布が脆くなるので、LOI値が20以上、特に25以上となるように耐炎化処理を行うのが好ましい。LOI値は、耐炎化処理時の酸素との接触温度や接触時間を変化させることにより調節できる。
 このような耐炎化処理の好ましい事例としては、例えば、ポリアクリロニトリル系繊維を空気中で200℃〜300℃で耐炎化処理して得た耐炎化繊維を用いる。耐炎化処理に供するポリアクリロニトリル系繊維としては、長繊維でも短繊維を紡績したもののいずれでもよく、また糸も単糸及び双糸のいずれでもよい。また耐炎化処理に際して繊維に延伸を施して、繊維の靭性を向上させることもできる。
 また、このような炭素質前駆体繊維からなる炭素質前駆体繊維糸は、フィラメント糸、紡績糸のいずれでもよいが、緻密かつ均一な織布組織が得られ、かつ糸の生産性が高い等の理由から紡績糸が好適である。紡績糸(spun yarn)を得るための紡績方法としては公知のいずれの手法も適用でき、例えば綿紡績、2インチ紡績、梳毛紡績、紡毛紡績、直紡績等の紡績方法が挙げられる。ポリアクリロニトリル系耐炎化繊維の場合、ポリアクリロニトリルの連続フィラメントトウを牽切して得たスライバーを梳毛紡績で紡績して得られる紡績糸を用いることが好ましい。
 このような製織に用いるための糸は、単糸、双糸、3本撚糸、フィラメント糸、更には原料の異なる炭素質前駆体繊維から成る複合糸のいずれでもよい。また、紡績糸は双糸、単糸のいずれであってもよいが、一般に双糸の方が、単糸より糸の引張強度が大きくなるため、均一な厚さの織布を作製することができるので好ましい。ここで、糸の繊度(番手)は、メートル番手で、通常14番手以上、好ましくは16番手以上、より好ましくは18番手以上であり、また、通常50番手以下、好ましくは45番手以下である。また、単糸の場合、メートル番手で、通常1/14Nm以上、好ましくは1/16Nm以上、より好ましくは1/18Nm以上であり、また、通常1/50Nm以下、好ましくは1/45Nm以下である。双糸の場合は、メートル番手で、通常2/28Nm以上、好ましくは2/32Nm以上、より好ましくは2/36Nm以上であり、また、通常2/100Nm以下、好ましくは2/90Nm以下である。単糸のメートル番手が1/14Nm又は2/28Nmより太番手の場合、単位長さあたりの毛羽数が多くなる傾向がある。また、1/50Nm又は2/100Nmより細番手の場合、糸の引張強度が低くなる傾向がある。
 尚、糸の撚り数は、JIS L 1095(一般紡績糸試験方法)により測定され、単糸の場合の撚り数は、糸長1m当たりで、通常、300回/m以上、好ましくは500回/m以上であり、また、通常、800回/m以下、好ましくは700回/m以下である。好適な撚り数は、糸番手により若干異なるが、300回未満の場合、糸の毛羽数が多くなりやすい。また、撚り数が大きすぎると、加撚時に糸切れが発生しやすくなる。撚り数を増やすと、毛羽数が低減するが、700回以上では撚数増による毛羽低減の効果はほぼ飽和する。また、双糸の場合、上撚り数は、糸長1m当たりで、通常、300回/m以上、好ましくは400回/m以上であり、また、通常、800回/m以下、好ましくは750回/m以下である。上撚り数が小さいと、毛羽数が大きくなりやすい。また、上撚り数が大きいと、加撚時に糸切れ発生確率が増加し、太さむらが増加する場合もある。また、下撚り数は、通常500回/m以上、好ましくは600回/m以上であり、また、通常900回/m以下、好ましくは850回/m以下である。下撚り数が小さいと、毛羽数が大きくなりやすい。また、下撚り数が大きいと、加撚時に糸切れ発生確率が増加しやすい。
 尚、このような耐炎化処理した炭素質前駆体繊維糸を製織して耐炎化織布としてもよいし、ポリアクリロニトリル系繊維糸そのもの等の、耐炎化処理していない炭素質前駆体繊維糸を製織して織布とし、これに耐炎化処理を施して耐炎化織布としてもよい。この場合には、織布を空気、オゾン、酸化窒素等の酸化性ガスや、硫酸、硝酸等に接触させて、好適なLOI値を有する耐炎化織布とすればよい。また、織布の組織は、平織、斜文織、朱子織、その他任意の組織であってよいが、平織が、経糸、緯糸の単位面積あたりの交差数が最も多いので、織布の体積固有抵抗が小さくなるため好ましい。尚、平織の場合の経緯密度(単位長さ当たりの経糸及び緯糸の本数)は、一般的には1インチ当り20本〜60本であるが、具体的には単糸、双糸の別や糸の太さに応じて適宜選択する。
 このような炭素質前駆体繊維糸を製織して得られる炭素質前駆体繊維織布の目付量、即ち単位面積当りの質量は、通常50g/m以上、好ましくは60g/m以上、より好ましくは80g/m以上であり、また、通常350g/m以下、好ましくは250g/m以下である。目付量が小さすぎると剛性や引張強度が小さくなり、目付量が大きすぎると、目が詰まりすぎてガス拡散性が低下する。
 次に、本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12の製造方法について説明する。本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12の製造方法は、前述した炭素質前駆体繊維織布を炭素化処理し、続いて黒鉛化処理し、次いでこのような処理が行われた織布の端部を鋸歯状又は波歯状にカットして製造される。
 先ず、炭素質前駆体繊維織布の炭素化処理について説明する。炭素化処理は、例えば、不活性ガス中で400℃以上、好ましくは600℃以上で、1400℃以下、好ましくは1300℃以下に加熱すればよい。織布の導電性の点からは700℃以上、さらには800℃以上に加熱するのが好ましく、900℃以上に加熱するのが更に好ましい。炭素化処理においては、300℃〜750℃程度の熱分解温度を経由して800〜1400℃で炭素化を行う。熱分解過程の昇温速度は5℃/分〜300℃/分、炭素化過程での温度保持時間は1分以上4時間以内が好ましい。また、熱処理炉の熱容量及び原料織布の炉内への搬送速度にもよるが、750℃以下の熱分解ゾーンを設けずに、最初から一定温度の炭素化ゾーンへ織布を投入し、織布が炭素化ゾーンから受ける熱により、なりゆきで織布の温度が上昇して熱分解が起こり、その後、炭素化が進行するようにしてもよい。また、炉内のガス雰囲気はいずれの場合でも酸素濃度100ppm以下の不活性雰囲気が好ましい。
 このような炭素化処理を行うための炭素化炉は、バッチ式熱処理炉または連続式熱処理炉のいずれでもよいが、長尺の織布を連続的にかつ均一に炭素化処理が長尺の織布を連続的にかつ均一に炭素化処理が行える利点から連続式炉が好ましい。ここで、連続式熱処理炉とは、複数段の加熱手段を備えた横型連続加熱炉又は縦型連続加熱炉によるものであり、縦型より横型の方が、織布の自重による変形、不均一化が起こりにくいために好ましい。被処理物の炉内搬送は、金属製(スチール、ステンレス等)のメッシュまたはメッシュなしのベルト上に、通常は直接載置し、ベルトの外部コントロールによる一定速度の移動によって搬送されていくものが好ましい。
 尚、このような炭素化処理に際して、製織により炭素質前駆体繊維織布の両端部に形成されている耳をカットすることが好ましい。織布の両端部には、通常、補強の目的で地の部分より少し太い経糸を用いるか、または地の部分と同じ経糸を2本ずつ引きそろえて1本の経糸として用いる等、地の部分より多少厚くなっているため、この耳を残したまま炭素化処理を行うと、織布の中央部と両端部との収縮率が異なり、織布にシワが生じるおそれがある。
 次に、黒鉛化処理について説明する。炭素化処理が行われた炭素質前駆体繊維織布は、さらに黒鉛化処理が行われる。黒鉛化処理は、バッチ式処理炉または連続式処理炉のいずれでもよい。バッチ式の場合は、炭素化処理によって所定の幅に巻き取られた炭素質前駆体繊維織布の巻物をそのままバッチ式処理炉内に収納して黒鉛化処理が行われる。連続式の場合は、長尺の織布を連続的に連続式熱処理炉内に搬送して黒鉛化処理が行われる。
 このような黒鉛化処理の温度は、例えば、1,400℃以上、好ましくは1,600℃以上であり、また、3,000℃以下、好ましくは2,500℃以下である。温度が1,400℃以上であればさらに織布の体積固有抵抗が減少し、ガス拡散層材料としてより好ましい。尚、3,000℃程度までの処理で熱処理後の体積固有抵抗はガス拡散層材料として使用上問題がないものとなる。尚、黒鉛化処理の時間は、通常、10分以上、好ましくは20分以上であり、また、通常、4時間以下、好ましくは2時間以下である。処理時間が10分未満では黒鉛化が均一に完了しない場合がある。他方、処理時間が長い場合は生産性及び熱効率が低く、また黒鉛化炉の断熱材、発熱体等から発生する不純物で織布が汚染される場合がある。
 次に、このような炭素化処理および黒鉛化処理が行われた織布の端部を鋸歯状又は波歯状にカットする方法について説明する。このような処理が行われた織布の端部を鋸歯状又は波歯状にカットする処理は、例えば、スリッターと呼ばれるシート状の巻物を任意の幅に縦方向に連続的にカットしながら、同時に連続的に巻き取る装置により行われる。
 図3は、スリッターの一例を示す図である。ここで示されるスリッター20は、炭素化処理および黒鉛化処理が行われた炭素質繊維織布を巻芯に捲回した巻物(原反)211から、長尺の織布を連続的に巻き戻す巻き出し部21と、この巻き戻された織布を所定の幅に連続的にカットする複数の金属製のスリット221が設けられたスリット部22と、この連続的に端部をカットされた織布を巻き取る巻き取り部23とを有する。このようなスリッター20を用いて、炭素質繊維織布の原反211は、巻き出し部21から巻き戻され、複数のスリット221によりカットされ、さらに、巻き取り部23により、所定の幅の巻物として巻き取られる。このとき、スリット部22は、炭素質繊維織布の端部が鋸歯状又は波歯状の形状にカットされるように金属製のスリット221が設けられる。
 尚、スリッター20の巻き取り速度は、例えば、30cm/分〜50m/分、好ましくは1m/分〜20m/分である。巻き取り速度が過度に大きいと、均一な幅でカットできないおそれがある。また、巻き取り速度が過度に小さいと、生産性が低下するおそれがある。尚、複数のスリット221によりカットされる炭素質繊維織布の幅は、特に限定されないが、例えば、後述する固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料のための目止め処理工程に応じて決定され、例えば、20cm〜30cm程度の幅にカットされる。また、スリット221により端部が鋸歯状又は波歯状にカットされた炭素質繊維織布を、適当な集塵装置内を通過させることにより、鋸歯状又は波歯状にカットされた端部に存在する短い糸屑を除去することが好ましい。このような短い糸屑を予め除去することにより、次工程における糸のほつれ、糸屑の発生を低減することができる。
 また、本実施の形態においては、炭素化処理する前に、炭素質前駆体繊維織布の両端部に形成されている耳をカットする処理が行われるが、このような耳をカットする際に、スリッターを用いて、炭素質前駆体繊維織布の両端部を鋸歯状又は波歯状にカットすることが好ましい。炭素質前駆体繊維織布を炭素化処理を行う前に、織布の両端部を鋸歯状又は波歯状にカットすることにより、長尺の織布を巻き戻し、巻き取り操作を繰り返しながら炭素化処理および黒鉛化処理を行う際に、織布の端部から経糸がほつれてくるのを抑制することができ、次工程の通過性を良好にすることができる。尚、鋸歯状又は波歯状の山の高さを過度に大きくすると、短くカットされた糸くずが増加し、また、最終製品の歩留まりが低下するおそれがあるので好ましくない。
 尚、本実施の形態においては、炭素質前駆体繊維織布や炭素質繊維織布の厚さムラを低減するためにプレス加工を行ってもよい。このようなプレス加工を行うためのプレス器としては、プレス面が平板の平板型プレス器、ロールでプレス加工を行うロール型プレス器等が挙げられ、いずれでもよいが、長尺の炭素質前駆体繊維織布を連続的にプレス加工できることから、ロール型プレス器が好ましい。また、プレス器の加圧方式としては、油圧式、空気圧式、スプリング圧式等が挙げられ、いずれでもよいが、一般に高圧のプレスが可能な油圧式が好ましい。このロール型プレス器では、一般に、回転する金属製の上段ロールと下段ロールとの間に織布を挟みこんで連続的にプレス加工を行う。プレス加工処理の回数は、1回だけでなく、2回〜10回程度繰り返してもよい。いずれの場合においても、プレス器でプレス加工する織布の枚数は通常1枚ずつであるが、生産性を上げるために、2枚〜20枚程度を重ねてプレス加工してもよい。ただし、20枚以上では、プレス加工後の織布に厚さムラの低減効果が見られない場合がある。
 また、このようなプレス加工においては、厚さムラの低減効果を高めるために、プレス加工前の織布に、ポリビニルアルコール、でんぷん糊等の糊剤、またはフェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を有機溶剤等で溶解させたもの、またはこれらの樹脂の微粉砕物を、添着させてもよい。さらに、プレス加工時に、プレス面の温度を室温より高い温度(例えば、50℃〜500℃、好ましくは、100℃〜300℃程度)に昇温してプレス加工してもよい。この場合、上述の樹脂を溶融・硬化させたり、織布に含まれる水分等が除去されること等から、より均一なプレス加工ができる。このようにプレス加工することにより、厚さムラが低減するだけでなく、燃料電池の電圧低下の要因の1つとなりうる、炭素質繊維織布の表面に存在する長さ数mm程度の毛羽の毛羽立ちが低減される効果も期待できる。
 本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12は、これに目止め処理を施すことにより、固体高分子型燃料電池のガス拡散層材料として好適に用いることができる。ここで、目止め処理とは、例えば、かかる炭素質繊維織布12にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂とカーボンブラックとのペースト状液/インク状液を塗布した後、これを乾燥し、加熱し、さらにホットプレスを行う処理をいう。目止め処理を施すことにより、ガス拡散層材料としての平滑化、炭素質繊維織布12を構成する炭素質繊維糸の固定、剛性の付与等の効果が得られる。このようなガス拡散層材料を膜電極の両面に接合させて固体高分子型燃料電池の膜電極体を形成し、さらに、その外側にセパレータを接合させて燃料電池スタックが形成される。尚、膜電極の形成方法としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂の分散液と触媒物質を混合した、又は、高分子固体電解質樹脂溶液と触媒物質とを混合したペースト状液/インク状液(触媒ペースト)を、高分子固体電解質膜に塗布し、乾燥し、加熱し、さらにホットプレスを行う方法が挙げられる。また、例えば、離型シート上にポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂の分散液と触媒物質とのペースト状液/インク状液を塗布し、乾燥して触媒層を形成し、これと高分子固体電解質膜とをホットプレスにより接合して形成する方法も挙げられる。ここで、触媒物質とは、例えば、カーボンブラックに白金又は白金−ルテニウム等の貴金属微粒子を担持させたものである。
 また、膜電極体のその他の形成方法としては、例えば、本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12に、適当な塗工機を用いて触媒ペーストを塗布してガス拡散層と触媒層との接合体を形成し、これと高分子固体電解質膜とをホットプレスで接合することにより膜電極体を形成することもできる。いずれの方法による場合でも、本実施の形態における炭素質繊維織布12は糸のほつれが少ないので、取扱いが容易である。本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12を用いた固体高分子型燃料電池は、自動車用電源やコージェネレーション発電システム用電源として好適に用いられる。
 ここで、ガス拡散層材料としてのガス透過性は、JIS L 1096(一般織物試験法)の通気性試験(フラジール形法)により測定する。この評価法により得られたガス透過性の測定値は、燃料電池用ガス拡散層材料としての炭素質繊維を使用する場合のガス透過性及び保水性の程度を反映する。織布のガス透過性は、通常、200cm/cm・sec以下であり、好ましくは150cm/cm・sec以下である。ガス透過性は低いほど保水性が向上するため好ましいが、ガス拡散層材料として使用するためには、30cm/cm・sec以上、自動車用の固体高分子型燃料電池のような瞬時に大電流の発生を必要とする高出力用途で使用する場合は、50cm/cm・sec以上が好ましい。
 以下に実施例を示し、本実施の形態が適用される炭素質繊維織布12についてさらに具体的に説明する。尚、本発明は、本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
 ポリアクリロニトリル製耐炎化紡績糸(メートル番手40番手の双糸(2/40Nm、LOI値50)を用いて平織の炭素質前駆体繊維織布を製織した。この炭素質前駆体繊維織布の経緯密度は、43本/インチ×40本/インチ、幅は110cm、長さは150m、厚さは0.318mm(平均値)、目付量は171g/m(平均値)、嵩密度は0.538g/ccである。
 次に、スリッターにより、鋸歯状のスリッターを用いて、この炭素質前駆体繊維織布の端部をカットし、幅50cm×長さ150mの織布を、内径3インチの紙管に、一定の張力で10m/分の巻き取り速度で巻き取った。このとき、鋸歯状にカットされた一つの鋸歯の長手方向長さl=6mm、短手方向長さt=3mm(t/l=0.5)の場合は、l間の緯糸の本数は8本、t間の経糸の本数は4本である。
 次に、スリッターにより端部を鋸歯状にカットした炭素質前駆体繊維織布を、ロール型プレス機を用いて、接触圧力500kg/cm、10m/分の搬送速度で上段ロールと下段ロールの隙間を通過させてプレス加工を行った。プレス加工後の炭素質前駆体繊維織布の厚さは0.299mm(平均値)であり、目付量は171g/mであり、嵩密度は0.571g/ccである。
 続いて、この幅50cm×長さ150mの炭素質前駆体繊維織布の捲回物を巻き出し装置に設置し、20cm/分の速度で巻き出しながら、炭素質前駆体繊維織布を窒素雰囲気下の横型連続式炭化炉(最高温度950℃)の入り口部へ投入し、出口側から搬出された織布を巻き取り機で連続的に巻き取って炭素化処理を行った。この捲回物は、巻き出し時に、ストレートの丸刃でスリットした織布にみられるような経糸のほつれは発生しなかった。また、巻き取った炭素質前駆体繊維織布の捲回物の端面には、6mm以下の短い炭素質前駆体繊維糸が多少見られたが、20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。
 尚、この炭素化処理後の炭素質繊維織布の厚さは0.255mmであり(厚さの変動係数2.2%)、目付量は118g/mであり、嵩密度は0.463g/ccであり、体積固有抵抗は0.13Ωcmである。尚、厚さ及び厚さの変動値は、まず、織布の経糸方向及び緯糸方向を辺とする40cm四方の正方形の試料を切り出し、その対角線2本をそれぞれ11等分した合計20点の厚さを測定し、各試料の平均値および変動値(厚さの標準偏差/厚さの平均値×100%)を求めた。次に、上記の測定を約30cmの間隔で行い、各試料の厚さの平均値及び変動係数のそれぞれの平均値を求め、長尺の炭素質繊維織布の厚さ及び厚さの変動係数とした。また、厚さの測定は、直径5mmの円盤型の端子を約10g/cmの加重で織布の表面に接触させて厚さを測定した。目付量は、40cm四方の正方形の試料の重量を測定して求めた。
 次に、炭素化処理した炭素質繊維織布の捲回物を、真空黒鉛化炉に入れ、2,000℃の条件で黒鉛化処理を行った。黒鉛化処理後の炭素質繊維織布の捲回物の端面には、20mm以上の長い糸のほつれは見られなかった。黒鉛化処理後の炭素質繊維織布の厚さは0.246mm(厚さの変動係数2.3%)であり、目付量は101g/mであり、嵩密度は0.410g/ccであり、体積固有抵抗は0.02Ωcmである。
 この黒鉛化処理後の炭素質繊維織布の捲回物をスリッターの巻き出し部にセットし、所定の鋸歯状のスリット刃を用いて、20cm幅になるようにスリットし、一定の張力で、5m/分の速度で連続的に内径3インチの紙管に巻き取った。鋸歯状にカットされた一つの鋸歯の長手方向長さ(l)は6mm、短手方向長さ(t)は3mm(t/l=0.5)であり、l間の緯糸の本数は9本、t間の経糸の本数は5本である。
 この黒鉛化処理後の炭素質繊維織布の捲回物をスリッターの巻き出し部から連続的に巻き出すときは、6mm以下の短い炭素質繊維糸が多少見られたが、20mm以上の長い経糸のほつれは見られず、また、炭素質繊維織布に糸が絡まることも無かった。さらに、巻き取り後の炭素質繊維織布の捲回物の両端部には、20mm以上の長い糸のほつれが見られなかった。また、捲回物の端面を、手で触っても20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。
(実施例2)
 実施例1と同様な条件で、炭素化処理前のポリアクリロニトリル製耐炎化紡績糸を用いた平織の炭素質前駆体繊維織布の端部を、所定の鋸歯状のスリッターを用いてカットし、幅50cm×長さ150mの織布を巻き取った。このとき、鋸歯状にカットされた一つの鋸歯の長手方向長さl=6mm、短手方向長さt=6mm(t/l=1)の場合は、l間の緯糸の本数は8本、t間の経糸の本数は8本である。実施例1と同様に、炭素化処理における捲回物の巻き出し時に、6mm以下の短い炭素質前駆体繊維糸が多少見られたが、20mm以上の長い経糸のほつれは発生せず、炭素質繊維前駆体織布に糸が絡まることも無かった。また、巻き取った捲回物の端面には20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。
 さらに、炭素化処理した織布を黒鉛化処理後に、所定の鋸歯状のスリット刃を用いて、20cm幅になるようにスリットし、内径3インチの紙管に巻き取った。鋸歯状にカットされた一つの鋸歯の長手方向長さ(l)は9mm、短手方向長さ(t)は10mm(t/l=1.11)であり、l間の緯糸の本数は9本、t間の経糸の本数は10本である。この場合も、実施例1と同様に、捲回物の巻き出し時に、6mm以下の短い炭素質繊維糸が多少見られたが、20mm以上の長い経糸のほつれは発生せず、炭素質繊維織布に糸が絡まることも無かった。また、巻き取った捲回物の端面には20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。また、捲回物の端面を、手で触っても20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。
(実施例3)
 所定の鋸歯状のスリッターに代えて、波歯状のスリッターを用いたこと以外は、実施例1と同様な条件で、炭素質前駆体繊維織布の端部をカットした。このとき、波歯状にカットされた一つの波歯の長手方向長さl=6mm、短手方向長さt=2mm(t/l=0.33)の場合は、l間の緯糸の本数は8本、t間の経糸の本数は2本である。実施例1と同様に、炭素化処理における捲回物の巻き出し時に、6mm以下の短い炭素質前駆体繊維糸が多少見られたが、20mm以上の長い経糸のほつれは発生せず、炭素質前駆体繊維織布に糸が絡まることも無かった。また、巻き取った捲回物の端面には20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。
 さらに、炭素化処理した織布を黒鉛化処理後に、所定の波歯状のスリット刃を用いてスリットした。波歯状にカットされた一つの波歯の長手方向長さ(l)は9mm、短手方向長さ(t)は5mm(t/l=0.56)であり、l間の緯糸の本数は9本、t間の経糸の本数は5本である。この場合も、実施例1と同様に、捲回物の巻き出し時に、6mm以下の短い炭素質繊維糸が多少見られたが、20mm以上の長い経糸のほつれはほとんど発生せず、炭素質繊維織布に糸が絡まることも無かった。また、巻き取った捲回物の端面には20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。また、捲回物の端面を、手で触っても20mm以上の長い経糸のほつれは見られなかった。
(実施例4)
 実施例1において、炭素化処理前の炭素質前駆体繊維織布の端部を、所定の鋸歯状のスリッターを用いてカットした後、このスリッターによりカットした端部に存在する短い糸屑を吸引装置を用いて除去し、さらに、次工程の炭素化処理および黒鉛化処理を行った。このような操作を行った炭素質前駆体繊維織布の捲回物は、巻き出しまたは巻き取り操作の時の20mm以上の長い経糸のほつれ及び糸屑の発生量が極めて少なく、炭素質前駆体繊維織布に糸が絡まることも無かった。また、黒鉛化処理後の炭素質繊維織布の捲回物も、巻き出しまたは巻き取り操作の時の20mm以上の長い経糸のほつれ及び糸屑の発生量が極めて少なく、炭素質繊維織布に糸が絡まることも無かった。
(比較例1)
 所定の鋸歯状のスリッターに代えて、ストレートの丸刃のスリッターを用いたこと以外は、実施例1と同様な条件で、炭素質前駆体繊維織布の端部をカットした。続いて、端部をカットした炭素質前駆体繊維織布の捲回物を巻き出し装置に設置し、20cm/分の速度で巻き出しながら、炭素質前駆体繊維織布を窒素雰囲気下の横型連続式炭化炉(最高温度950℃)の入り口部へ投入し、出口側から搬出された織布を巻き取り機で連続的に巻き取って炭素化処理を行った。この捲回物は、巻き出し時に、経糸のほつれが大量に発生し、ほつれた炭素質前駆体繊維糸が捲回物に絡まってしまったため、絡まった炭素質前駆体繊維糸を鋏で切断し、除去しながら巻き出した。また、巻き取った捲回物の端面には20mm以上の長い経糸のほつれが多く見られた。
 さらに、炭素化処理した織布を黒鉛化処理後に、ストレートの丸刃のスリッターを用いてスリットしたが、巻き出し時に経糸のほつれが大量に発生し、ほつれた炭素質繊維糸が捲回物に絡まってしまったため、絡まった炭素質繊維糸を鋏で切断し、除去しながら巻き出した後、スリットして巻き取った。ほつれた炭素質繊維糸が捲回物に絡まった際に、炭素質繊維織布にしわが入ってしまった。また、巻き取った直後の捲回物の端面には、ほつれた炭素質繊維糸は見られなかったが、手で触るとすぐに長い経糸がほつれてきた。
本実施の形態における炭素質繊維織布の捲回物を説明するための図である。 本実施の形態が適用される炭素質繊維織布の端部の拡大図である。 スリッターの一例を示す図である。
符号の説明
11…巻芯、12…炭素質繊維織布、13…端部、121,122…地、131…鋸歯状の端部、132…波歯状の端部、20…スリッター、21…巻き出し部、22…スリット部、23…巻き取り部、211…原反、221…スリット

Claims (12)

  1.  炭素質繊維糸から構成される織布であって、
     前記織布の端部に、前記炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされていることを特徴とする炭素質繊維織布。
  2.  20mm以上の炭素質繊維糸が、炭素質繊維織布からほつれないことを特徴とする、請求項1に記載の炭素質繊維織布。
  3.  前記炭素質繊維糸のほつれ防止処理は、前記織布の端部が鋸歯状又は波歯状にカットされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素質繊維織布。
  4.  前記鋸歯状又は波歯状にカットされた前記織布の端部の鋸歯又は波歯の一単位の大きさは、前記織布の長手方向の長さ(l)に対する前記織布の短手方向の長さ(t)の割合(t/l)が、0.2〜5であることを特徴とする請求項3記載の炭素質繊維織布。
  5.  前記鋸歯状又は波歯状にカットされた前記織布の端部の鋸歯又は波歯の一単位は、前記織布の長手方向の長さの範囲に存在する緯糸の本数が3本〜50本であり、前記織布の短手方向の長さの範囲に存在する経糸の本数が3本〜50本である請求項3又は4に記載の炭素質繊維織布。
  6.  所定の長さの巻芯と、
     前記巻芯に捲回されるとともに、織布の端部に炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされている炭素質繊維織布とから構成されることを特徴とする炭素質繊維織布の捲回物。
  7.  前記巻芯に捲回される炭素質繊維織布は、
     前記捲回物の端面を構成する前記炭素質繊維織布の端部に、前記炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされていることを特徴とする請求項6記載の炭素質繊維織布の捲回物。
  8.  炭素質繊維糸から構成される織布の端部に当該炭素質繊維糸のほつれ防止処理がなされている炭素質繊維織布に、目止め処理を施してなる固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料。
  9.  ガス透過性が200cm/cm・sec以下である、請求項8記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料。
  10.  炭素質前駆体繊維織布を炭素化処理してなる炭素質繊維織布の端部を、スリッターにより鋸歯状又は波歯状にカットすることを特徴とする炭素質繊維織布の製造方法。
  11.  前記炭素質前駆体織布の端部を、予めスリッターにより鋸歯状又は波歯状にカットし、その後、炭素化処理を行うことを特徴とする請求項10記載の炭素質繊維織布の製造方法。
  12.  炭素質前駆体繊維織布を炭素化処理してなる炭素質繊維織布の端部を、スリッターにより鋸歯状又は波歯状にカットし、
     さらに、前記炭素質繊維織布に、目止め処理を施してなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用ガス拡散層材料の製造方法。
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