JP2004137432A - 耐熱性の優れた軟質樹脂成形体用組成物およびそれから得られる成形体 - Google Patents

耐熱性の優れた軟質樹脂成形体用組成物およびそれから得られる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】充填材を高比率で含有し、可撓性を有しながら耐熱性に優れた軟質樹脂成形体を効率的に提供する。
【解決手段】前記成形体は、分子鎖に反応性官能基としてカルボキシル基を有する、分子量800〜20000、酸価20〜150のアクリル系共重合体(A)と、官能基としてグリシジル基を1分子中に平均2つ以上含有し、エポキシ当量80〜400を有する化合物(B)とをマトリックスとし、および分解温度が250℃以上の金属炭酸化物または金属水酸化物よりなる充填材(C)を含むことを特徴とする組成物から得られる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有しながら適度な耐熱性を有する軟質樹脂成形体を与える組成物に関する。本発明の組成物はディップモールディング、注型、コーティング等の加工が可能である。また、硬化して得られた成形体はシート状の他、各種形状に成形され耐熱性を要求する部位に広範囲に使用することが可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、可撓性を有する材料を与える樹脂には、熱可塑性樹脂(たとえば軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等)が挙げられるが、これらの熱可塑性樹脂の耐熱性は低く、特に長期間の高温下の使用には不向きであった。
さらに、可撓性を有する耐熱性材料として加硫ゴムが挙げられ、広く使用されている。しかしながら、 一般に加硫ゴムを使用する場合、未加硫の状態で成形したものを加硫させる必要がある。
さらに、硫黄加硫の場合、成形工程では熱可塑性を保ち、加硫工程では三次元架橋構造を構築するための複雑な反応制御が必要であり、種々の加硫促進剤、スコーチ防止剤等を組み合わせてコントロールする必要があり、さらに加硫工程そのものも高温で長時間かかるものであった。
一方、シリコーンゴムのある種のものは、2液性反応液として室温で液状で、2液を一定比率で混合することにより常温硬化する(RTVシリコーンゴム)ものもあり、さらに得られた硬化物は耐熱性にも優れたものである(例えば特許文献1参照)。しかしながら、シリコーン樹脂自体の価格が高く、さらにシリコーンゴムは他のものとの接着性が乏しく特別な接着剤を使用しなくては硬化物を他の被着体と接着することが困難である。さらにシリコーンゴムに含まれる低分子シロキサンは温度の上昇に伴い揮発して再付着することによって、接点不良等の原因となることが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−296114号公報(第2〜7頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、組成物を硬化することにより作成される、可撓性をもちかつ耐熱性に優れた成形体並びにそのような組成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は常温で液状の組成物を短時間で加熱することにより、加硫工程のように複雑な反応の制御を要せず、簡単に硬化させることができる組成物であって、比較的高温下での長期安定性に優れた成形体を与えるものを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記のような問題がなく、かつシリコーン樹脂のように高価ではない耐熱性軟質樹脂成形体を提供するべく、アクリル系共重合体を主材とする組成物を鋭意検討した。その結果、溶剤を含まない特別な物性を有するアクリル系共重合体と、溶剤を含まない硬化剤として特別な物性を有するグリシジル基を含有する化合物とをマトリックスとする組成物を好ましくは加熱硬化させることにより、他の材料との接着性がよく、無機充填材をマトリックスの合計体積に対して10〜50体積%と、比較的高い比率で含有できるので、耐熱性が良好でかつ難燃性も確保でき、しかも十分な可撓性をもつ軟質樹脂成形体が効率的に生産できることが見出された。
すなわち本発明は、 A:官能基としてカルボキシル基を含有し、分子量800〜20000、酸価(AV)が20〜150のアクリル系共重合体と、
B:1分子中に2つ以上のグリシジル基を含有し、エポキシ当量(WPE)80〜400である化合物とをマトリックスとし、かつ
C:平均粒径0.5〜30μmを有し、分解温度が250℃以上の金属炭酸化物充填材または金属水酸化物充填材とからなる、耐熱性軟質樹脂成形体を得るための樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記組成物を特別な工程を行うことなく、上記成分(A)および成分(B)を単に混合攪拌することによる硬化によって得られる、可撓性を有する耐熱性軟質樹脂成形体に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に示す成分(A)のアクリル系共重合体は、2種以上のモノマーを共重合させたアクリル系共重合体の他、異なるアクリル系単独重合体どうしのブレンド、アクリル系単独重合体とアクリル系共重合体のブレンド、またはアクリル系共重合体どうしのブレンドをも含むものとする。
ここで、成分(A)のアクリル系共重合体は、それを構成する少なくとも主成分のポリマーのガラス転移温度(T)がDSC法により測定される値で−60℃〜−20℃であることが好ましく、全てのポリマーのガラス転移温度が−60℃〜−20℃であっても良い。成分(A)の主成分のポリマーのガラス転移温度が高すぎると、組成物が硬くなり配合等の作業が行いにくくなる傾向がある。成分(A)の主成分のポリマーのガラス転移温度が低すぎると、硬化後の硬度が低くなる場合がある。
【0007】
本発明のアクリル系共重合体(A)の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算による数平均分子量より算出したもので800〜20000であり、好ましくは2000〜15000である。
分子量が800より低いものでは、極低分子量体(モノマー、ダイマー、トリマー等)が重合物中に存在しやすく、硬化物とした際にブリードアウトする傾向にあるばかりか、硬化させる際にボイドを形成する原因にもなり好ましくない。逆に分子量が20000を超えると重合物の流動性が悪化し、充填材の適量添加が難しくなり作業性に劣るためにやはり好ましくない。
【0008】
さらにアクリル系共重合体(A)におけるカルボキシル基の割合は水酸化カリウム(KOH)滴定による酸価(AV)が20〜150のものであり、好ましいのは50〜150のものである。
酸価が20より少ない場合、架橋点が充分ではなく耐熱性のある硬化物が得られない可能性があり、好ましくない。さらに酸価が150を越えると逆に架橋密度が上がりすぎ可撓性が不足する。
【0009】
また、前記アクリル系共重合体成分(A)は、好ましくは1013hPa、25℃のもとで90000mPa・s以下の粘度を有するものである。粘度が90000mPa・sより高いと、重合物の流動性が悪化し、充填材の適量添加が難しくなり作業性に劣る傾向がある。
さらに、硬化物を得た際にボイドの発生がないように実質的に溶剤分を含有しない反応形態をもつ必要がある。
なお、本明細書で使用する粘度は、ブルックフィールドBM型回転粘度計での測定値である。前記アクリル系共重合体の流動特性はチキソトロピック流動を示す場合、剪断速度を上げた状態で粘度が90000mPa・s以下になれば良く、またダイラタント流動を示す場合、剪断速度が極低剪断の時にでも粘度が90000mPa・s以下となるものであればよい。
【0010】
また、本発明において成分(A)のアクリル系共重合体のカルボキシル基と反応して硬化物を与える硬化剤としての、成分(B)のグリシジル基を有する化合物は、少なくとも分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物であり、該化合物のエポキシ当量(WPE)は80〜400の範囲にあることが必要である。エポキシ当量が80以下であると成分(A)と反応させるために、成分(B)を多く添加する必要があるので、得られた成形体の要求性能が十分果たせないこととなり、またこれとは逆にエポキシ当量が400以上であると、反応速度が速すぎて成形が困難となるからである。
さらに、1013hPa、25℃において液状であり、かつ1013hPa下で150℃、10分間加熱後の重量減少値が加熱前の重量に対して3%以下である実質的に溶媒を含まないものが望ましい。
ここで、本明細書で使用する加熱重量減少値は、メトラートレド(株)社製EG53型ハロゲン水分計を用い、常圧(1013hPa)の下で、試料5gを150℃、10分間加熱時の重量変化を測定し、加熱前後の重量比較により減少率を算出したものである。
グリシジル基を含有する化合物(B)において、1013hPa、150℃の10分間加熱後の重量減少値が加熱前の重量に対して、3%以下であるのが好ましい。理由としては、重量減少が3%より大きいと、カルボキシル基を有する化合物との反応により鎖延長する際の障害となる上、得られる成形体(シート等)の内部に気泡を発生させる原因となる場合があるからである。また、実質溶剤を含まない方が好ましい理由は、溶剤の存在が重量減少の原因となるからである。
【0011】
本発明に使用される充填材成分(C)としては、分解温度が250℃以上の金属炭酸化物または金属水酸化物の充填材が用いられる。分解温度が250℃より低いと、十分な耐熱性能を果たせない。
なお、上記分解温度の測定方法は、充填材のみをTGA(Thermo Gravimetric Analyzer)により、大気雰囲気下、室温〜600℃まで、昇温速度10℃/minにより測定を行い、重量減少を生じる温度を測定し、分解温度とするものである。
【0012】
本発明に使用するアクリル系共重合体(A)は、分子中にカルボキシル基を有することが特徴である。カルボキシル基の導入方法としては、官能基を有さないアクリル系モノマーを主体に、これに共重合可能な、ビニル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを同時に重合(共重合)することにより得られる。さらにアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを重合させ、停止反応としてカルボキシル基含有分子により末端停止反応を行うことも可能である。
そのため、アクリル系共重合体(A)のカルボキシル官能基は、分子末端にあっても、また、分子鎖中間に存在しても、また、側鎖上および主鎖上のどちらに存在してもよく、さらにランダムに共重合したものであっても、ブロック共重合したものであってもよい。さらにその構造も単一なものではなく、様々な繰り返し単位のアクリル系共重合体のブレンドであってもよい。
【0013】
成分(A)のアクリル系共重合体の主成分である官能基を有さないアクリル系モノマーとしては、アクリル酸アルキルエステル、脂環式アルキルアクリレート、メタクリル酸アルキルエステル、脂環式アルキルメタクリレート等が挙げられる。
【0014】
アクリル酸アルキルエステルとしては、メチルアクリレート(アクリル酸メチル)、エチルアクリレート(アクリル酸エチル)、プロピルアクリレート(アクリル酸プロピル)、iso−プロピルアクリレート(アクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルアクリレート(アクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルアクリレート(アクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルへキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルアクリレート(アクリル酸オクチル)、iso−オクチルアクリレート(アクリル酸−iso−オクチル)、デシルアクリレート(アクリル酸デシル)、iso−デシルアクリレート(アクリル酸イソデシル)、iso−ノニルアクリレート(アクリル酸−iso−ノニル)、ネオペンチルアクリレート(アクリル酸ネオペンチル)、トリデシルアクリレート(アクリル酸トリデシル)、ラウリルアクリレート(アクリル酸ラウリル)等が挙げられる。
【0015】
脂環式アルキルアクリレートとしては、シクロへキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸アルキルエステルとしては、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)、エチルメタクリレート(メタクリル酸エチル)、プロピルメタクリレート(メタクリル酸プロピル)、iso−プロピルメタクリレート(メタクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルへキシルメタクリレート(メタクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルメタクリレート(メタクリル酸オクチル)、iso−オクチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−オクチル)、デシルメタクリレート(メタクリル酸デシル)、イソデシルメタクリレート(メタクリル酸イソデシル)、イソノニルメタクリレート(メタクリル酸イソノニル)、ネオペンチルメタクリレート(メタクリル酸ネオペンチル)、トリデシルメタクリレート(メタクリル酸トリデシル)、ラウリルメタクリレート(メタクリル酸ラウリル)等が挙げられる。
【0016】
脂環式アルキルメタクリレートとしては、シクロへキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロデシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0017】
これらの中で、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、特にn−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、2−エチルへキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルへキシル)が好ましい。
【0018】
さらに、これらアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとしてはビニル系モノマーが挙げられ、具体的には、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ジェチルアミノエチルアクリレート、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】
官能基としてカルボキシル基を含有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸あるいは、これらから誘導される一又はそれ以上の官能性モノマー等が挙げられる。
【0020】
本発明に使用する硬化剤のグリシジル基を含有する化合物(B)としては、種々のものが使用できるが、常温で液状であり、溶剤成分等の希釈剤を含有しないものが好ましい。なぜならば溶剤成分等の希釈剤が含有されている場合、得られる成形体に気泡が発生する可能性があるので好ましくないからである。
さらに化合物1分子中には少なくともグリシジル基を2個以上有する事が必要である。具体的には、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(PGPGE)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(PETPGE)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(DGPGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル(GREPGE)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(RESDGE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(NPGDGE)、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル(HDDGE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(PPGDGE)、ポリブタジエンジグリシジルエーテル(PBDGE)、フタル酸ジグリシジルエーテル(DGEP)、ハロゲン化ネオペンチルグリセロールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(DGEBA)、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル(DGEBF)等が使用され、特に好ましくは、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)等である。
【0021】
本発明の組成物は、成分(B)のグリシジル基を含有する化合物と反応する成分として成分(A)のアクリル系共重合体の他に、さらに、
D:官能基としてカルボキシル基と水酸基の両方を含有し、分子量70〜300、融点が70℃以下の脂肪族系炭化水素化合物を添加してなるものも含む。この脂肪族系炭化水素化合物(D)におけるカルボキシル官能基の割合もまた、上記アクリル系共重合体成分(A)と同様、水酸化カリウム(KOH)滴定による酸価(AV)は20〜150のものが好ましく、さらに50〜150がより好ましい。
また、成分(A)と成分(D)との混合比率は重量比で99:1〜55:45にあるものが好ましい。成分(D)の混合比率が低すぎると、成分(D)を添加した効果がほとんどない。成分(D)の混合比率が高すぎると、硬化させた後の硬度が低くなる場合がある。
上記脂肪族系炭化水素化合物(D)の分子量や融点や酸価、ならびに成分(A)との混合比率はアクリル系共重合体(A)成分とともに、グリシジル基を含有する化合物(B)と効率良く反応するため、反応温度において十分均質に混合できならびに、充填材(C)を均質に分散させるために適当な組成物の粘度を与えるため要求されるものである。
これらの脂肪族系炭化水素化合物(D)は例えば、脂肪族のα−オキシ酸、β−オキシ酸、γ−オキシ酸であり、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、オキシカプリル酸、オキシカプリン酸、リシノール酸等である。
【0022】
グリシジル基を含有する化合物(B)の添加量としては、成分(A)のアクリル系共重合体の酸当量100に対して、あるいはアクリル共重合体(A)と脂肪族系炭化水素化合物(D)との合計の酸当量100に対してグリシジル当量が80〜150の範囲内にあることが好ましい。
グリシジル基を含有する化合物(B)の添加量が当量計算80より少ない場合、硬化が充分に進まず、完全に固化しなくなる可能性があり、特に耐熱クリープが悪化するため好ましくない。逆に添加量が当量計算150より多い場合、過剰なグリシジル基を含有する化合物が成形物中に残留するために、経時でのブリードアウトが起こり好ましくない。
【0023】
本発明に使用される充填材成分(C)は、分解温度が250℃以上の金属炭酸化物粉または金属水酸化物粉である。金属炭酸化物の例は例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム等である。金属水酸化物の例は例えば、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム等である。これらを単独で用いることも可能であり、また複数の充填材を組み合わせて用いることも可能である。
これら充填材の大きさ、形状は特に制限されるものではないが、粒径はおおよそ0.5〜30μm、形状は似球状のものが特に好ましく用いられる。
粒径が0.5μmよりも小さくなるとマトリックス樹脂中へ添加した際に液体の粘度が高くなりすぎ、逆に粒径が30μmよりも大きくなると同様にマトリックス樹脂に混入しにくくなる上、組成物を硬化させ成形体としたときに該充填材が均一に分散し難くくなる。
これらの充填材は結晶水などを含む状態は好ましくなく、また吸水性のあるものなどは、混合する前に加熱乾燥することが好ましい。
充填材はまた、同じかまたは異なる組成であって粒径の異なるものを組み合わせることも可能である。充填材を多くする必要がある場合などは、特に粒径の異なるものを数種類組み合わせることにより組成物の粘度を低下することができるので好ましい。
さらに上記充填材に加えて、耐熱性を有する有機化合物例えば架橋構造を持ったメラミン樹脂粉末、メラミンベンゾグニジン樹脂等をも充填材として組成物に加えることも可能である。
【0024】
充填材(C)は所望の性能を得るためにその添加量を適宜調整されるものであり、特に限定されるものではないが、マトリックス樹脂(アクリル系共重合体(A)+グリシジル基を含有する化合物(B)、またはアクリル系共重合体(A)+脂肪族系炭化水素化合物(D)+グリシジル基を含有する化合物(B))とこの充填材(C)との合計体積100に対して10〜50体積%を添加することが好ましい。
充填材(C)のマトリックス樹脂への添加量が10体積%より少ない場合、十分な耐熱性を保持できず、好ましくない。また50体積%より多い場合には、硬化して作成される成形体が十分な可撓性を有しないので、使用態様によっては、扱いにくくなる場合がある。
【0025】
アクリル系共重合体(A)と、所望により脂肪族系炭化水素化合物(D)と、グリシジル基を含有する化合物(B)とを混合攪拌して硬化させることによって、成形体を得ることのできる本発明の組成物は、さらに反応性触媒成分(E)を含むことが好ましい。この反応性触媒成分(E)は、特に限定されないが、例えば4級アンモニウム、3級アミン、環状アミン(イミダゾール、DBU)、環状アミンの塩、リン系化合物、ルイス酸等が好適に使用される。
【0026】
4級アンモニウム塩として、具体的には、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド(TEBAC)、テトラブチルアンモニウムクロライド(TBAC)、テトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)等が挙げられる。
3級アミンとして、具体的には、トリエチレンジアミン(TEDA)、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
イミダゾール化合物として、具体的には、1,2−ジメチルイミダゾール(1,2DHZ),1−ベンジルー2−メチルイミダゾール(1B2MZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、2−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ−CN)等が挙げられる。
【0027】
DBUまたはその塩として、具体的には、1,8−ジ−アザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)およびそのアルキル酸塩等が挙げられる。
リン系化合物として、具体的には、トリフェニルフォスフイン、テトラブチルホスフォニウムブロマイド等が挙げられる。
ルイス酸として、具体的には、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化錫、三フツ化ホウ素等が使用され、特に好適には3フツ化ホウ素のモノエチルアミンおよびエタノールアミン化合物が挙げられる。
【0028】
これら、触媒の中でも、特に3級アミン、イミダゾール系化合物を使用することが反応性の点で好ましく、中でも2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)が特に好適に使用される。特にイミダゾール系化合物は、前記アクリル系共重合体(A)中、あるいは前記アクリル系共重合体(A)と脂肪族系炭化水素(D)との混合物中にある、カルボキシル基(−COOH)とグリシジル基を含有する化合物(B)のグリシジル基を含有する化合物の反応を触媒として促進するとともに、余剰のグリシジル基と連鎖的に反応するため、未反応のグリシジル基を含有する化合物(B)による物性の低下を防止できるものと考えらえるが、詳しいメカニズムは不明である。
添加する触媒成分(E)の配合量は、アクリル系共重合体(A)の100重量部に対して、またはアクリル系共重合体(A)と脂肪族系炭化水素化合物(D)との合計量の100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜3重量部である。
組成物に触媒を混合する方法としては、アクリル系共重合体(A)、またはアクリル系共重合体(A)+脂肪族系炭化水素化合物(D)の混合物に、触媒を予め配合しておいて、その後、グリシジル基を含有する化合物(B)を混合することが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の軟質樹脂成形体の要求性能に応じて、主剤や硬化剤に対し、必要に応じて顔料などの着色剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤等を適宜添加することが可能である。
【0030】
本発明はまた、上記組成物における、アクリル系共重合体(A)、あるいはアクリル系共重合体(A)と脂肪族系炭化水素化合物(D)の混合物、を主剤とし、好ましくは触媒(E)の存在下で、硬化剤としてグリシジル基を含有する化合物(B)との反応硬化させることにより得られる軟質樹脂成形体にも関する。
本発明の成形体はその硬化物の硬度がASKER−C硬度計において25℃での硬度が70以下である事が好ましく、さらに好ましくは50以下である。硬度が70より高いと柔軟性に劣る傾向がある。
【0031】
なお、本発明に用いるアクリル系共重合体(A)は、主に塊状重合法により重合して得られるものであり、実質的に溶剤を含有しないものが好ましい。
本発明の組成物のように、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンおよびこれらの誘導体のような重合性二重結合を有する重合性化合物は、一般にラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法(ソリューション法)(例えば、乳化重合法(エマルジョン重合法)、懸濁重合法(サスペンジョン重合法)等)、および塊状重合法(バルク法)によって重合可能であり、こうして得られる重合体は、成形体、粘着剤、塗料、繊維、シーリング剤など種々の用途に利用されている。
このような重合法のうち、溶液重合法(乳化重合法、懸濁重合法等)によって製造される重合体は、反応溶媒や分散媒などの液体中で重合させるため、重合条件を制御しやすく、均質で高効率で目的とする重合体を比較的容易に製造できるものである。しかしながら、このような液体中での重合方法では、本発明のように反応硬化して成形体を分離して得る段階で、重合体が固体化するものであれば比較的容易に分離を行えるが、重合体が液状のままのものでは、分離が難しく、そのため、重合体そのものを必要とする場合、分留、濾過、洗浄等の複雑な操作が必要であるばかりか、完全に重合体以外の液体分を除去することは容易ではない。
【0032】
一方、塊状重合(バルク法)は、媒体を使用しないことから、液体の分離および残留する不純物等の問題はなく、効率よく高純度の重合体を精製できる利点が知られているが、特に(メタ)アクリル系重合体に関しては、重合反応の制御が難しく、精製される重合体の構造、分子量の均一性に劣るものであった。
しかしながら、近年、これら塊状重合の問題点は触媒の選択、開始剤を兼ねたモノマーの使用などによって解決され、高効率で分子量分布の比較的均一な重合体を得ることができるようになった(特表昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報、特開平10−17640号公報、特開2000−239308公報、特開2000−128911公報、特開2001−40037公報参照)。
【0033】
本発明の組成物では溶剤を使用せずに、特別な物性を有するアクリル系共重合体成分(A)、特別な物性をもつグリシジル基を含有する化合物(硬化剤)成分(B)および充填材成分(C)、あるいは前記成分(A)の一部を、脂肪族系炭化水素化合物(D)に置き換えた基本的に3または4つの成分を混合攪拌して調製された塊状重合を行う。その際にアクリル系共重合体(A)、脂肪族系炭化水素化合物(D)または硬化剤成分(B)のうちの少なくとも1つに充填材(C)を予め混合しておき、その後全ての成分を混合することが好ましいが、アクリル系共重合体、硬化剤、充填材をほぼ同時に混合する事も可能である。さらに、硬化剤のみに充填材を予め混合する方法もとることができる。また、反応の際、触媒成分(E)が存在することは有利である。
【0034】
主剤としてのアクリル系共重合体(A)、またはアクリル系共重合体(A)と脂肪族系炭化水素化合物(D)に、充填材(C)を適宜の比率で配合する方法としては、おのおのを計量し混合攪拌する。この時の混合攪拌方法は、特に制限されるものではなく、重合体の組成、粘度、充填材の種類、配合量により選定されるものであり、具体的には、ディゾルバーミキサー、ホモミキサー等の攪拌機を用いることが可能である。硬化剤に充填材を予め混合する場合も同様の方法にて行うことができる。
また、混合攪拌された配合物は必要に応じて未分散の充填材等の固まりを除去する目的で濾過してもよい。
さらに、混合攪拌で液中に生じた気泡は減圧下で脱泡してもよい。
【0035】
本発明の軟質樹脂成形体の代表的な成形加工の方法としては、好ましくは触媒成分の存在下で、成形加工の直前に充填材を均質に混合した主剤(アクリル系共重合体(またはアクリル系共重合体と脂肪族系炭化水素化合物の混合物))と、硬化剤とを混合攪拌して得られたペースト状の混合物を反応硬化させても良いし、主剤と硬化剤との組合せにおいて常温での反応の進行が遅い場合、予め充填材を均質に混合した主剤となるアクリル系共重合体等と、硬化剤を混合攪拌して得られたペースト状の混合物を加熱により反応硬化させることによっても良い。混合攪拌は、上記の攪拌機で攪拌後脱泡したり、スタティックミキサーにより混合攪拌することができる。加熱温度は、官能基の性質によって異なるが、120〜180℃程度に設定すると良い。また、本発明の軟質成形体は、主剤と硬化剤を混合攪拌して得られたペースト状の混合物を、型に注入することにより立体形状を有したものとしても良いし、また、混合物を剥離処理がなされたフィルム(セパレーターフィルム)、紙(離型紙)の上にコーティングすることによりシート状成形体としても良い。
【0036】
上述したように、本発明の組成物から得られる成形体は、耐熱性に優れていると同時にASKER−C硬度計における硬度(25℃)が70以下であると、充分な可撓性をもち、曲面等の非平面への追従性に優れた軟質樹脂成形体となる。
また、本発明の組成物は脱泡性が良いので、成形体内に、高温下での膨張やクラック発生等の悪影響を及ぼす気泡が発生しにくい。
【0037】
【実施例】
以下、実験例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1〜12、比較例1〜5)
表1に示すアクリル系共重合体(A)、充填材(C)、脂肪族系炭化水素化合物(D)および触媒(E)を表1に示す割合で配合し、混合攪拌後充分に脱泡した。次いで、それに表1に示すエポキシ硬化剤(B)成分を表1に示す割合で混合攪拌し、表面が離型処理されているポリエステルフィルム上にコーティングした。
コーティング後、100℃のオーブン中で7分間加熱することにより硬化させた。さらに、常温にて24時間放置することにより養生しシート状成形体を得た。
また、表2に示す比較例の各成分も表2の配合割合で硬化剤を除いて混合攪拌後、硬化剤を加えてさらに混合攪拌し、同様の方法にてシート状成形体を製造した。
なお、上記硬化条件においても硬化しないものは、性能評価を除外した。
【0038】
作製したシート状成形体を以下の評価項目について試験した。本発明の組成物により得られたシートと、比較例による組成物により得られたシートと得られた評価結果をそれぞれ表1および表2に示す。
(評価項目)
1)充填材の含有率:マトリックス成分と充填剤との合計体積[(A)+(B)+(D)+(C)]を100とした場合の充填材(C)の含有率(体積%)
2)硬化性:液体50gを150℃に加熱した恒温オーブン中に20分間放置したときの硬化性
○:硬化
△:ゲル状
×:液状(硬化せず)
3)耐熱性:液体50gを150℃に加熱した恒温オーブン中に20分間放置し硬化物を得る。該硬化物を170℃のオーブンに500時間放置し耐熱促進した後に硬度を測定する。試験前の初期値に対する硬度の変化率を以下のように評価する。
○:±10%以内
×:+10%以上堅くなるか、又は10%以上柔らかくなる。
【0039】
4)気泡の発生:液体50g減圧脱泡(10Torr.20min)し、これを150℃に加熱した恒温オーブン中に20分間放置し硬化物を作成後、硬化物の断面を目視にて確認する。
○:気泡なし
×:気泡あり
5)高温圧縮による変形:減圧脱泡(10Torr.20min)した液体を50mm(L)×50mm(W)×20mm(H)の大きさの型に流し込み成形し、これを150℃に加熱した恒温オーブン中に30分間放置し硬化物を作成する。該硬化物に厚み方向から2Kg/cm2 (50Kg/25cm)の荷重を掛けた状態で120℃の恒温オーブン中に100時間放置する。室温に戻し、掛けていた荷重を取り除き1日放置後の変形量を測定し、初期値に対する変化量を%表示する(100%(変形大)〜0%(変形小))。
【0040】
6)成形性:
・粘度:BM型回転粘度計にて組成物の粘度を測定する(1013hPa、25℃)
・脱泡性:減圧脱泡(10Torr.20min)において発生する気泡の有無を目視にて判断する。
○:発生する気泡は無い、減圧脱泡性が良い。
△:ときどき気泡が発生する程度。
×:連続的に気泡が発生、減圧脱泡性が悪い。
7)ブリードアウト:液体50gを150℃に加熱した恒温オーブン中に20分間放置し硬化物を得る。該硬化物を120℃のオーブンに100時間放置し後に硬度物の表面を触診にて確認、ブリードの有無を確認。
○:ブリードなし
×:ブリードあり
8)硬度:硬化物を常温(25℃)にてASKER−C型硬度計にて測定する。NDは、硬化せず測定不能を意味する。
【0041】
【表1】
Figure 2004137432
【表2】
Figure 2004137432
注)
アクリル系共重合体*1: Mw=3000、AV=100、Tg=−54℃、粘度=7000mPa・sのブチルアクリレート(BA)を主鎖に有するカルボキシル基含有アクリル系共重合体。
アクリル系共重合体*2: Mw=5000、AV=60、Tg=−55℃、粘度=9000mPa・sの2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)を主鎖に有するカルボキシル基含有アクリル系共重合体。
アクリル系共重合体*3: Mw=500、AV=180、Tg=8℃、粘度=2000mPa・sのメチルアクリレート(MA)を主鎖に有するカルボキシル基含有アクリル系共重合体。
アクリル系共重合体*4: Mw=3000、AV=20、Tg=−25℃、粘度=4000mPa・sのエチルアクリレート(EA)を主鎖に有するカルボキシル基含有アクリル系共重合体。
エポキシ硬化剤*5: EPW=186のビスフェノール−Aベースの2官能グリシジル基含有化合物(DGEBA)
エポキシ硬化剤*6: EPW=76の環状脂肪族型エポキシ樹脂
充填材*7: NN−500  平均粒径 4.4ミクロン 日東粉化工業(株)社製、CaCO
充填材*8: 白艶華CCR 平均粒径 0.12ミクロン 白石工業(株)社製、CaCO
充填材*9: ハイジライトH−32 平均粒径 8ミクロン 昭和電工(株)社製、Al(OH)
化合物*10: ひまし油脂肪酸CO−FA 伊藤製油(株)社製
化合物*11: フタル酸ジイソノニル(DINP)
触媒*12: 1,2DMZ(1,2―ジメチルイミダゾール) 四国化成工業(株)社製
触媒*13:メチル−DABCO(2−メチル−トリエチレンジアミン)  三共エアープロダクツ(株)社製
触媒*14:ジブチル錫ジラウレート、日東化成(株)社製
【0042】
【表3】
Figure 2004137432
【0043】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の組成物は硬化により、その硬度がASKER−C硬度計において25℃での硬度が70以下であるような可撓性を有する、耐熱性に優れた軟質樹脂成形体を効率的に製造できる。また、本発明の組成物の樹脂成分は、充填材との密着性がよいので分散性に優れ、さらに、本発明は比重の低い充填材を比較的多く含むことができるので、これにより軽量な、難燃性の成形体を得ることができる。
さらにまた、本発明の組成物では成形体の製造工程も加硫工程のように複雑な反応の制御を要せず、常温で液状の組成物を短時間で加熱することにより、簡単に硬化させることができ、また比較的高温下で長期安定性に優れた成形体を得ることができる。

Claims (4)

  1. A:官能基としてカルボキシル基を含有し、分子量800〜20000、酸価(AV)が20〜150のアクリル系共重合体と、
    B:1分子中に2つ以上のグリシジル基を含有し、エポキシ当量(WPE)80〜400である化合物とをマトリックスとし、かつ
    C:平均粒径0.5〜30μmを有し、分解温度が250℃以上の金属炭酸化物充填材または金属水酸化物充填材
    とからなる樹脂組成物。
  2. さらにD:官能基としてカルボキシル基と水酸基の両方を含有し、分子量70〜300、融点が70℃以下の脂肪族系炭化水素化合物を添加してなる請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記アクリル系共重合体(A)を構成するポリマー成分のうち、少なくとも主成分のガラス転移温度(T)がDSC法により測定される値で−60℃〜−20℃であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項記載の組成物を硬化させてなる耐熱性軟質樹脂成形体であって、硬化物の硬度がASKER−C硬度計において25℃での硬度が70以下である可撓性を有する成形体。
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