JP2004137338A - 室式コークス炉の炉蓋密閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】炉蓋枠に対する炉蓋ナイフエッジの密着性を向上させて、炉蓋の密閉を確実に行う。
【解決手段】炉蓋本体に装着したナイフエッジを炉蓋枠に押し当てて炉蓋部分の密閉を行うための室式コークス炉の炉蓋密閉装置において、炉蓋本体1とナイフエッジ9との間に、ナイフエッジ9を炉蓋枠12に押し当てるためのジャッキボルト4およびコイルバネ10を配設する。ジャッキボルト4を用いて炉蓋本体1とナイフエッジ9とを密着させた後、コイルバネ10を用いて炉蓋本体1と炉蓋枠12との相対変位に対してナイフエッジ9を追従させる。
【選択図】 図1
【解決手段】炉蓋本体に装着したナイフエッジを炉蓋枠に押し当てて炉蓋部分の密閉を行うための室式コークス炉の炉蓋密閉装置において、炉蓋本体1とナイフエッジ9との間に、ナイフエッジ9を炉蓋枠12に押し当てるためのジャッキボルト4およびコイルバネ10を配設する。ジャッキボルト4を用いて炉蓋本体1とナイフエッジ9とを密着させた後、コイルバネ10を用いて炉蓋本体1と炉蓋枠12との相対変位に対してナイフエッジ9を追従させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炉蓋本体に装着したナイフエッジを炉蓋枠に押し当てて炉蓋部分の密閉を行うための室式コークス炉の炉蓋密閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、室式コークス炉では、炉蓋部分からのガスリーク等を抑制するための炉蓋密閉装置が種々開発されている。
例えば、炉蓋本体の正面側に一定の間隙または断熱材をおいて炉口全体を覆うシールプレートを取り付け、このシールプレートの端縁がドアフレームに当接するとともに、シールプレートの端縁または全体をスプリングにより常時ドアフレームに押圧するようにしたコークス炉の炉蓋が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、保持体を持つ多数の構成部からなるドア栓体とドア本体との間にシールダイヤフラムプレートを固定し、その外周に内向きにシール条片を設けてバネでドアフレームに圧着したシール機構が提案されている。このシール機構は、ドア本体とドア栓体との間に間隔をおいて扁平なシールダイヤフラムプレートを固定し、その環状の外周に内向きにドアフレームに向けて方向付けたシール条片を設け、このシール条片をプレロードをかけた調整可能なバネによって多数のバネ棒を介してドアフレームに圧着するドアとしたものである。そして、ドアは、ドア栓体を、保持体を有する多数のドア栓体構成部材とし、シールダイヤフラムプレートをドアの上側および下側のみでドア本体と保持体との間にネジ結合し、さらに、ドア中央範囲でシールダイヤフラムプレートを支持薄板および保持体に結合して調整可能な間隔をおいてドア本体に保持させたものである(特許文献2参照)。
【0004】
また、コークス炉の炉蓋のシールプレート外周に固定したナイフエッジを障害物があっても、設計で理想とする押圧ピッチで押圧するコークス炉の炉蓋密閉装置が提案されている。この炉蓋密閉装置は、コークス炉の炉蓋の本体金物前部に、一端がナイフエッジに固定されたシールプレートの他端を取り付け、ナイフエッジ背面にスプリングを内蔵した押圧具を本体金物に穿孔されているボルト孔に締め付けて固定したものである。そして、ナイフエッジ背面に接触する圧接突起を所定間隔で有し、両端背面が両側の押圧具の圧接金具に当接し、かつ押圧具のスプリングを内蔵した円筒状スプリングケースに接触する移動止めを有する圧接位置調整金具を、常に一定位置のナイフエッジ背面に圧接突起を当接せしめて配設している(特許文献3参照)。
【0005】
図4,図5を参照して、従来のコイルスプリングを用いた室式コークス炉の炉蓋密閉装置を説明する。図4は炉蓋密閉装置の正面図、また図5は図4の左側面図を示したものである。
従来のコイルスプリングを用いた室式コークス炉の炉蓋密閉装置は、図4,図5に示すように、炉蓋本体1の側面に、取付フランジ2を介してコイルバネプランジャ3を取り付けてある。このコイルバネプランジャ3は、プランジャケーシング5の上部にナイフエッジ圧着ロッド6を有するコイルバネ締付調整ナット7をネジ着し、ナイフエッジ圧着ロッド6の下端部のナイフエッジ押え部8にナイフエッジ9を装着させ、プランジャケーシング5の内部には、コイルバネ締付調整ナット7とナイフエッジ押え部8との間に位置するようにしてコイルバネ10を挿入してある。
また、ナイフエッジ押え部8の下部にナイフエッジ9が当接しており、ナイフエッジ9の内側面にはシールプレート11が連結されている。
このコイルバネプランジャ3は、プランジャケーシング5の内部に挿入したコイルバネ10の反発力により、ナイフエッジ押え部8を介してナイフエッジ9を炉蓋枠12へ圧着させることができるようになっている。
【0006】
また、詳細には図示しないが、コイルバネプランジャ3のプランジャケーシング5の上部内面には雌ネジ部が形成してあり、コイルバネ締付調整ナット7の外周面には雄ネジ部が形成してある。したがって、コイルバネ締付調整ナット7を回転させると、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でコイルバネ締付調整ナット7が上下方向に移動し、これに伴いコイルバネ締付調整ナット7と一体となったナイフエッジ圧着ロッド6も上下方向に移動する。これにより、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でナイフエッジ圧着ロッド6の軸方向におけるナイフエッジ9の締付力を調整することができる。
【0007】
【特許文献1】実開昭51−159744号公報
【特許文献2】特公昭62−4437号公報
【特許文献3】実開平6−25342号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の炉蓋密閉装置は、ナイフエッジを叩き出して炉蓋枠に圧着させたり、コイルバネプランジャの反発力によりナイフエッジを炉蓋枠に圧着させるものである。
このような炉蓋密閉装置では、炉蓋閂間において、炉蓋本体と炉蓋枠とが概ね同一方向(水平方向:コークス押出方向)に撓むため、ナイフエッジを両者の撓みに追従させて炉蓋枠へ圧着させることができるため、特に問題は生じない。
【0009】
しかしながら、閂より上方あるいは下方において、炉蓋本体が片持梁を構成し、炉蓋枠の撓みに対して炉蓋本体の撓みが大きくなる傾向がある。このため、炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位の程度によっては、ナイフエッジを炉蓋枠へ圧着することが困難となり、ガスリークが発生するおそれがある。そして、このようなガスリークが発生した場合には、高温かつガスリーク発生という悪環境下で、足場等を設置し、ナイフエッジの圧着調整を行ったり、モルタルによる炉蓋シール部分のメンテナンス作業を行わなければならない。
また、炉蓋の閂より上方あるいは下方において、炉温や炉体の部分変形の影響によりさらに炉蓋枠が炉蓋本体の撓みに対し反対方向に撓んだ場合に、従来の技術では、ナイフエッジを炉蓋の撓みに逆らって炉蓋枠のシート面に圧着するよう押し戻すことができず、ガスリークを抑制することが極めて困難となる。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、炉蓋枠に対するナイフエッジの密着性を向上させて、炉蓋部分の密閉を確実に行うことが可能な室式コークス炉の炉蓋密閉装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
<特徴点>
本発明に係る式コークス炉の炉蓋密閉装置は、上述した目的を達成するため、炉蓋本体に装着したナイフエッジを炉蓋枠に押し当てて炉蓋部分の密閉を行うための室式コークス炉の炉蓋密閉装置において、
前記炉蓋本体と前記ナイフエッジとの間に、ナイフエッジを炉蓋枠に押し当てるためのジャッキボルトおよびコイルバネを配設し、
前記ジャッキボルトを用いて前記炉蓋本体と前記ナイフエッジとを密着させた後、前記コイルバネを用いて前記炉蓋本体と前記炉蓋枠との相対変位に対して前記ナイフエッジを追従させることを特徴とするものである。
【0011】
<作用>
本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置では、ジャッキボルトにより、炉蓋本体とナイフエッジとを確実に密着させることができる。また、炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位が生じた場合であっても、コイルバネの反発力によりナイフエッジを炉蓋本体に押し当てることができるので、炉蓋部分における密閉性を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置の実施形態を説明する。
図1〜図3は、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置の実施形態を示すもので、図1は炉蓋密閉装置の一部断面とした正面図(紙面に向かって左右が炉の高さ方向)、図2は炉蓋密閉装置の平面図、図3は炉蓋密閉装置の一部断面とした図1の左側面図である。
【0013】
本発明の実施形態に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置は、図1〜図3に示すように、炉蓋本体1の側面に、取付フランジ2を介して、コイルバネプランジャ3とジャッキボルト4が取り付けられている。
このコイルバネプランジャ3は、従来のコイルバネプランジャ3とほぼ同様の構成を備えており(図4参照)、図1〜図3において詳細には図示しないが、筒体5の上部にナイフエッジ圧着ロッド6を有するコイルバネ締付調整ナット7をネジ着し、ナイフエッジ圧着ロッド6の下端部のナイフエッジ押え部8にナイフエッジ9を装着させ、プランジャケーシング5の内部には、コイルバネ締付調整ナット7とナイフエッジ押さえ片8との間に位置するようにしてコイルバネ10を挿入してある。また、ナイフエッジ9の内側面にはシールプレート11が連結されている。
このコイルバネプランジャ3は、プランジャケーシング5の内部に挿入したコイルバネ10の反発力により、ナイフエッジ押え部8を介してナイフエッジ9を炉蓋枠12へ圧着させることができるようになっている。
【0014】
また、詳細には図示しないが、コイルバネプランジャ3のプランジャケーシング5の上部内面には雌ネジ部が形成してあり、コイルバネ締付調整ナット7の外周面には雄ネジ部が形成してある。したがって、コイルバネ締付調整ナット7を回転させると、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でコイルバネ締付調整ナット7がナイフエッジ圧着ロッドの軸方向に移動し、これに伴いコイルバネ締付調整ナット7と一体となったナイフエッジ圧着ロッド6も同ロッドの軸方向に移動する。これにより、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でナイフエッジ9の水平方向(コークス押出方向)の位置を調整することができる。
【0015】
なお、本実施形態では、上述したようにコイルバネ締付調整ナット7を備え、ナイフエッジ圧着ロッド6の同ロッド軸方向の位置を調整できるようにしているが、以下に説明するジャッキボルト4により同様の作用を奏することができるため、コイルバネ締付調整ナット7を省略してもよい。
ジャッキボルト4は、図1〜3に示すように、取付フランジ2の一側(図1,図3において左側)に取り付けられている。このジャッキボルト4は、取付片2に固定された上下一対のジャッキボルト装着アーム13と、ジャッキボルト装着アーム13に一連に螺着されたボルトロッド14とを備え、ボルトロッド14の下端部をナイフエッジ押え15に挿入させている。
【0016】
また、ナイフエッジ押え15の溝部にナイフエッジ9が取り付けられており、ナイフエッジ9の内側面にはシールプレート11が連結されている。
更に、詳細には図示しないが、ジャッキボルト装着アーム13には雌ネジ部が形成してあり、ボルトロッド14の外周面には雄ネジ部が形成してある。したがって、ボルトロッド14を回転させると、ボルトロッド14が同ロッド軸方向に移動し、これに伴いナイフエッジ押え15を介してナイフエッジ9を炉蓋枠12へ圧着させることができる。
なお、ボルトロッド14にはアジャスタナット16が取り付けられており、上側のジャッキボルト装着アーム13の上面に対してアジャスタナット16を締め付けることにより、ボルトロッド14の位置を固定することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置によれば、ジャッキボルトを用いて炉蓋本体とナイフエッジとを密着させた後、コイルバネを用いて炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位に対してナイフエッジを追従させることができる。
したがって、炉蓋本体とナイフエッジとを確実に密着させることができるとともに、炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位が生じた場合であっても、コイルバネの反発力によりナイフエッジを炉蓋本体に押し当てることができるので、炉蓋部分における密閉性を向上させることが可能となる。
このため、炉蓋全体において、ガスリークの発生を防止することができるので、悪環境下におけるナイフエッジの圧着調整作業およびモルタルによる炉蓋シール部分のメンテナンス作業を必要とせず、作業者の負担を大幅に軽減することが可能となる。
また、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置は、従来のコイルバネを用いた炉蓋密閉装置に対してジャッキボルトを付加したものであるため、従来の炉蓋密閉装置を大幅に改造することなく、既存の設備に対して本発明を適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る炉蓋密閉装置を示す一部断面とした正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る炉蓋密閉装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る炉蓋密閉装置を示す一部断面とした図1の左側面図である。
【図4】従来の炉蓋密閉装置を示す一部断面とした正面図である。
【図5】従来の炉蓋密閉装置を示す一部断面とした図4の左側面図である。
【符号の説明】
1 炉蓋本体
2 取付フランジ
3 コイルバネプランジャ
4 ジャッキボルト
5 プランジャケーシング
6 ナイフエッジ圧着ロッド
7 コイルバネ締付調整ナット
8 ナイフエッジ押え部(コイルバネプランジャ用)
9 ナイフエッジ
10 コイルバネ
11 シールプレート
12 炉蓋枠
13 ジャッキボルト装着アーム
14 ボルトロッド
15 ナイフエッジ押え(ジャッキボルト用)
16 アジャスタナット
【発明の属する技術分野】
本発明は、炉蓋本体に装着したナイフエッジを炉蓋枠に押し当てて炉蓋部分の密閉を行うための室式コークス炉の炉蓋密閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、室式コークス炉では、炉蓋部分からのガスリーク等を抑制するための炉蓋密閉装置が種々開発されている。
例えば、炉蓋本体の正面側に一定の間隙または断熱材をおいて炉口全体を覆うシールプレートを取り付け、このシールプレートの端縁がドアフレームに当接するとともに、シールプレートの端縁または全体をスプリングにより常時ドアフレームに押圧するようにしたコークス炉の炉蓋が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、保持体を持つ多数の構成部からなるドア栓体とドア本体との間にシールダイヤフラムプレートを固定し、その外周に内向きにシール条片を設けてバネでドアフレームに圧着したシール機構が提案されている。このシール機構は、ドア本体とドア栓体との間に間隔をおいて扁平なシールダイヤフラムプレートを固定し、その環状の外周に内向きにドアフレームに向けて方向付けたシール条片を設け、このシール条片をプレロードをかけた調整可能なバネによって多数のバネ棒を介してドアフレームに圧着するドアとしたものである。そして、ドアは、ドア栓体を、保持体を有する多数のドア栓体構成部材とし、シールダイヤフラムプレートをドアの上側および下側のみでドア本体と保持体との間にネジ結合し、さらに、ドア中央範囲でシールダイヤフラムプレートを支持薄板および保持体に結合して調整可能な間隔をおいてドア本体に保持させたものである(特許文献2参照)。
【0004】
また、コークス炉の炉蓋のシールプレート外周に固定したナイフエッジを障害物があっても、設計で理想とする押圧ピッチで押圧するコークス炉の炉蓋密閉装置が提案されている。この炉蓋密閉装置は、コークス炉の炉蓋の本体金物前部に、一端がナイフエッジに固定されたシールプレートの他端を取り付け、ナイフエッジ背面にスプリングを内蔵した押圧具を本体金物に穿孔されているボルト孔に締め付けて固定したものである。そして、ナイフエッジ背面に接触する圧接突起を所定間隔で有し、両端背面が両側の押圧具の圧接金具に当接し、かつ押圧具のスプリングを内蔵した円筒状スプリングケースに接触する移動止めを有する圧接位置調整金具を、常に一定位置のナイフエッジ背面に圧接突起を当接せしめて配設している(特許文献3参照)。
【0005】
図4,図5を参照して、従来のコイルスプリングを用いた室式コークス炉の炉蓋密閉装置を説明する。図4は炉蓋密閉装置の正面図、また図5は図4の左側面図を示したものである。
従来のコイルスプリングを用いた室式コークス炉の炉蓋密閉装置は、図4,図5に示すように、炉蓋本体1の側面に、取付フランジ2を介してコイルバネプランジャ3を取り付けてある。このコイルバネプランジャ3は、プランジャケーシング5の上部にナイフエッジ圧着ロッド6を有するコイルバネ締付調整ナット7をネジ着し、ナイフエッジ圧着ロッド6の下端部のナイフエッジ押え部8にナイフエッジ9を装着させ、プランジャケーシング5の内部には、コイルバネ締付調整ナット7とナイフエッジ押え部8との間に位置するようにしてコイルバネ10を挿入してある。
また、ナイフエッジ押え部8の下部にナイフエッジ9が当接しており、ナイフエッジ9の内側面にはシールプレート11が連結されている。
このコイルバネプランジャ3は、プランジャケーシング5の内部に挿入したコイルバネ10の反発力により、ナイフエッジ押え部8を介してナイフエッジ9を炉蓋枠12へ圧着させることができるようになっている。
【0006】
また、詳細には図示しないが、コイルバネプランジャ3のプランジャケーシング5の上部内面には雌ネジ部が形成してあり、コイルバネ締付調整ナット7の外周面には雄ネジ部が形成してある。したがって、コイルバネ締付調整ナット7を回転させると、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でコイルバネ締付調整ナット7が上下方向に移動し、これに伴いコイルバネ締付調整ナット7と一体となったナイフエッジ圧着ロッド6も上下方向に移動する。これにより、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でナイフエッジ圧着ロッド6の軸方向におけるナイフエッジ9の締付力を調整することができる。
【0007】
【特許文献1】実開昭51−159744号公報
【特許文献2】特公昭62−4437号公報
【特許文献3】実開平6−25342号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の炉蓋密閉装置は、ナイフエッジを叩き出して炉蓋枠に圧着させたり、コイルバネプランジャの反発力によりナイフエッジを炉蓋枠に圧着させるものである。
このような炉蓋密閉装置では、炉蓋閂間において、炉蓋本体と炉蓋枠とが概ね同一方向(水平方向:コークス押出方向)に撓むため、ナイフエッジを両者の撓みに追従させて炉蓋枠へ圧着させることができるため、特に問題は生じない。
【0009】
しかしながら、閂より上方あるいは下方において、炉蓋本体が片持梁を構成し、炉蓋枠の撓みに対して炉蓋本体の撓みが大きくなる傾向がある。このため、炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位の程度によっては、ナイフエッジを炉蓋枠へ圧着することが困難となり、ガスリークが発生するおそれがある。そして、このようなガスリークが発生した場合には、高温かつガスリーク発生という悪環境下で、足場等を設置し、ナイフエッジの圧着調整を行ったり、モルタルによる炉蓋シール部分のメンテナンス作業を行わなければならない。
また、炉蓋の閂より上方あるいは下方において、炉温や炉体の部分変形の影響によりさらに炉蓋枠が炉蓋本体の撓みに対し反対方向に撓んだ場合に、従来の技術では、ナイフエッジを炉蓋の撓みに逆らって炉蓋枠のシート面に圧着するよう押し戻すことができず、ガスリークを抑制することが極めて困難となる。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、炉蓋枠に対するナイフエッジの密着性を向上させて、炉蓋部分の密閉を確実に行うことが可能な室式コークス炉の炉蓋密閉装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
<特徴点>
本発明に係る式コークス炉の炉蓋密閉装置は、上述した目的を達成するため、炉蓋本体に装着したナイフエッジを炉蓋枠に押し当てて炉蓋部分の密閉を行うための室式コークス炉の炉蓋密閉装置において、
前記炉蓋本体と前記ナイフエッジとの間に、ナイフエッジを炉蓋枠に押し当てるためのジャッキボルトおよびコイルバネを配設し、
前記ジャッキボルトを用いて前記炉蓋本体と前記ナイフエッジとを密着させた後、前記コイルバネを用いて前記炉蓋本体と前記炉蓋枠との相対変位に対して前記ナイフエッジを追従させることを特徴とするものである。
【0011】
<作用>
本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置では、ジャッキボルトにより、炉蓋本体とナイフエッジとを確実に密着させることができる。また、炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位が生じた場合であっても、コイルバネの反発力によりナイフエッジを炉蓋本体に押し当てることができるので、炉蓋部分における密閉性を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置の実施形態を説明する。
図1〜図3は、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置の実施形態を示すもので、図1は炉蓋密閉装置の一部断面とした正面図(紙面に向かって左右が炉の高さ方向)、図2は炉蓋密閉装置の平面図、図3は炉蓋密閉装置の一部断面とした図1の左側面図である。
【0013】
本発明の実施形態に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置は、図1〜図3に示すように、炉蓋本体1の側面に、取付フランジ2を介して、コイルバネプランジャ3とジャッキボルト4が取り付けられている。
このコイルバネプランジャ3は、従来のコイルバネプランジャ3とほぼ同様の構成を備えており(図4参照)、図1〜図3において詳細には図示しないが、筒体5の上部にナイフエッジ圧着ロッド6を有するコイルバネ締付調整ナット7をネジ着し、ナイフエッジ圧着ロッド6の下端部のナイフエッジ押え部8にナイフエッジ9を装着させ、プランジャケーシング5の内部には、コイルバネ締付調整ナット7とナイフエッジ押さえ片8との間に位置するようにしてコイルバネ10を挿入してある。また、ナイフエッジ9の内側面にはシールプレート11が連結されている。
このコイルバネプランジャ3は、プランジャケーシング5の内部に挿入したコイルバネ10の反発力により、ナイフエッジ押え部8を介してナイフエッジ9を炉蓋枠12へ圧着させることができるようになっている。
【0014】
また、詳細には図示しないが、コイルバネプランジャ3のプランジャケーシング5の上部内面には雌ネジ部が形成してあり、コイルバネ締付調整ナット7の外周面には雄ネジ部が形成してある。したがって、コイルバネ締付調整ナット7を回転させると、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でコイルバネ締付調整ナット7がナイフエッジ圧着ロッドの軸方向に移動し、これに伴いコイルバネ締付調整ナット7と一体となったナイフエッジ圧着ロッド6も同ロッドの軸方向に移動する。これにより、プランジャケーシング5の上部内面に形成した雌ネジ部の範囲内でナイフエッジ9の水平方向(コークス押出方向)の位置を調整することができる。
【0015】
なお、本実施形態では、上述したようにコイルバネ締付調整ナット7を備え、ナイフエッジ圧着ロッド6の同ロッド軸方向の位置を調整できるようにしているが、以下に説明するジャッキボルト4により同様の作用を奏することができるため、コイルバネ締付調整ナット7を省略してもよい。
ジャッキボルト4は、図1〜3に示すように、取付フランジ2の一側(図1,図3において左側)に取り付けられている。このジャッキボルト4は、取付片2に固定された上下一対のジャッキボルト装着アーム13と、ジャッキボルト装着アーム13に一連に螺着されたボルトロッド14とを備え、ボルトロッド14の下端部をナイフエッジ押え15に挿入させている。
【0016】
また、ナイフエッジ押え15の溝部にナイフエッジ9が取り付けられており、ナイフエッジ9の内側面にはシールプレート11が連結されている。
更に、詳細には図示しないが、ジャッキボルト装着アーム13には雌ネジ部が形成してあり、ボルトロッド14の外周面には雄ネジ部が形成してある。したがって、ボルトロッド14を回転させると、ボルトロッド14が同ロッド軸方向に移動し、これに伴いナイフエッジ押え15を介してナイフエッジ9を炉蓋枠12へ圧着させることができる。
なお、ボルトロッド14にはアジャスタナット16が取り付けられており、上側のジャッキボルト装着アーム13の上面に対してアジャスタナット16を締め付けることにより、ボルトロッド14の位置を固定することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置によれば、ジャッキボルトを用いて炉蓋本体とナイフエッジとを密着させた後、コイルバネを用いて炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位に対してナイフエッジを追従させることができる。
したがって、炉蓋本体とナイフエッジとを確実に密着させることができるとともに、炉蓋本体と炉蓋枠との相対変位が生じた場合であっても、コイルバネの反発力によりナイフエッジを炉蓋本体に押し当てることができるので、炉蓋部分における密閉性を向上させることが可能となる。
このため、炉蓋全体において、ガスリークの発生を防止することができるので、悪環境下におけるナイフエッジの圧着調整作業およびモルタルによる炉蓋シール部分のメンテナンス作業を必要とせず、作業者の負担を大幅に軽減することが可能となる。
また、本発明に係る室式コークス炉の炉蓋密閉装置は、従来のコイルバネを用いた炉蓋密閉装置に対してジャッキボルトを付加したものであるため、従来の炉蓋密閉装置を大幅に改造することなく、既存の設備に対して本発明を適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る炉蓋密閉装置を示す一部断面とした正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る炉蓋密閉装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る炉蓋密閉装置を示す一部断面とした図1の左側面図である。
【図4】従来の炉蓋密閉装置を示す一部断面とした正面図である。
【図5】従来の炉蓋密閉装置を示す一部断面とした図4の左側面図である。
【符号の説明】
1 炉蓋本体
2 取付フランジ
3 コイルバネプランジャ
4 ジャッキボルト
5 プランジャケーシング
6 ナイフエッジ圧着ロッド
7 コイルバネ締付調整ナット
8 ナイフエッジ押え部(コイルバネプランジャ用)
9 ナイフエッジ
10 コイルバネ
11 シールプレート
12 炉蓋枠
13 ジャッキボルト装着アーム
14 ボルトロッド
15 ナイフエッジ押え(ジャッキボルト用)
16 アジャスタナット
Claims (1)
- 炉蓋本体に装着したナイフエッジを炉蓋枠に押し当てて炉蓋部分の密閉を行うための室式コークス炉の炉蓋密閉装置において、
前記炉蓋本体と前記ナイフエッジとの間に、ナイフエッジを炉蓋枠に押し当てるためのジャッキボルトおよびコイルバネを配設し、
前記ジャッキボルトを用いて前記炉蓋本体と前記ナイフエッジとを密着させた後、前記コイルバネを用いて前記炉蓋本体と前記炉蓋枠との相対変位に対して前記ナイフエッジを追従させることを特徴とする室式コークス炉の炉蓋密閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002301966A JP2004137338A (ja) | 2002-10-16 | 2002-10-16 | 室式コークス炉の炉蓋密閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002301966A JP2004137338A (ja) | 2002-10-16 | 2002-10-16 | 室式コークス炉の炉蓋密閉装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004137338A true JP2004137338A (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=32450175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002301966A Withdrawn JP2004137338A (ja) | 2002-10-16 | 2002-10-16 | 室式コークス炉の炉蓋密閉装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004137338A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101880536A (zh) * | 2010-06-25 | 2010-11-10 | 中国第一冶金建设有限责任公司 | 更换焦炉炉柱下部弹簧的方法 |
CN109266367A (zh) * | 2018-09-19 | 2019-01-25 | 淮北矿业股份有限公司 | 一种维修破损长度过长的炉门刀边新工艺 |
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2002
- 2002-10-16 JP JP2002301966A patent/JP2004137338A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101880536A (zh) * | 2010-06-25 | 2010-11-10 | 中国第一冶金建设有限责任公司 | 更换焦炉炉柱下部弹簧的方法 |
CN109266367A (zh) * | 2018-09-19 | 2019-01-25 | 淮北矿业股份有限公司 | 一种维修破损长度过长的炉门刀边新工艺 |
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