JP2004137280A - 油相とナフトピラン系染料を含有する化粧品組成物及び美容処理方法 - Google Patents

油相とナフトピラン系染料を含有する化粧品組成物及び美容処理方法 Download PDF

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Abstract


【課題】フォトクロミック効果、ソルバトクロミック効果を示す等の有利な特性を示す新規な有機染料を開発し、それを用いたメークアップ組成物並びに美容処理方法を提供する。
【解決手段】化粧品として許容可能な媒体中に、少なくとも一の油相と、次の式(I)の3H-ナフト[2,1-b]ピラン類又は次の式(II)の2H-ナフト[2,1-b]ピラン類から選択される少なくとも一の染料を配合して化粧品組成物とする。油相は好適にはシリコーン油を含有するものとする。
 【化1】
Figure 2004137280

【選択図】なし

Description

 本発明は、新規な化粧品組成物、特に有機染料、とりわけフォトクロミック染料を含有する新規なメークアップ組成物に関する。
 フリー又は圧密化パウダー、ファンデーション、メークアップルージュ、アイシャドウ又は口紅のようなメークアップ組成物は一般に適切なビヒクルと皮膚、粘膜、半粘膜(semi-mucous membranes)及び/又は爪もしくは髪のような外皮への適用前及び/又は適用後に該組成物に所定の色を付与するための一又は複数の着色剤からなる。
 色をつくりだすために、今は、特にレーキ類、無機顔料、有機顔料及び真珠光沢顔料を含む、かなり限られた範囲の着色剤が使用されている。レーキ類によって鮮明な色を得ることができるが、その殆どは光、温度又はpHに対して不安定である。また染料が流れ落ちるので、なかには塗布後に皮膚に見苦しい染みを残すという欠点を持つものもある。これに対して、無機顔料、特に無機酸化物は非常に安定しているが、かなり平凡で薄い色を付与する。真珠光沢顔料は、真珠光沢効果を生じる様々な色をつくり出すが、あまり強い色ではなく、通常は極めて弱い。
 毛髪の自然の色に一回のシャンプー洗髪から次の洗髪まで持続する穏やかな変化を生じさせ、既に得られている色調を強調するか修正する毛髪の一時的又は短期の染色の分野では、一般的な顔料で毛髪を染色して、毛髪に一時的な光沢を付与するすることが既に提案されているが、この着色によって得られる色調はかなり平凡で、全く面白味に欠けるものである。このような着色は特に髪の「メークアップ」と形容される。
 また最近では、皮膚及び/又は毛髪のメークアップの結果、「得られた色」に楽しく、興味深い、可変の変化をもたらすように、メークアップ又は毛髪用組成物中にフォトクロミック化合物を用いることが提案されている。フォトクロミック化合物は、光源が照射されると色を変化させ、その後、照射が停止されるとその初期の色又は類似の色を復元するという性質を有する化合物である。特にかかる化合物は化粧品組成物、なかでもファンデーション、メークアップルージュ、アイシャドウ及び口紅のようなメークアップ組成物において特に有利な用途が見出されている。
 特に、メークアップした肌の「メークアップ結果」が、使用者が天然の光か人工の光の下にいるかに応じて異なることが見出されている。しかして、人工的な光の下で塗布されたメークアップは天然の光の下の色よりも明るく見える。逆に、戸外で塗布されたメークアップは人工的な灯りの場所ではより暗く見える。この問題を解消するために、金属酸化物、その水和物及びその錯体から選択される特に無機のフォトクロミック化合物を含有する化粧品組成物が、例えば欧州特許EP359909によって提案されている。特に、この文献では、パウダーやファンデーションのようなメークアップ組成物においてフォトクロミックになるように処理した酸化チタンを使用することが記載されている。しかし、これらの無機フォトクロミック化合物は、照明にかかわらず一定の色のままであるように見えるメークアップをつくり出すが、メークアップの色に真の変化、つまり換言すれば「メークアップ結果」に真の変化はもたらさないことが分かった。更に、光の照射を停止した後、メークアップの色が許容できる形でその初期の色に必ずしも復帰しないこと、特に、上記の初期の色と同一の色には完全には戻らないか、及び/又は十分に迅速には戻らないことも分かった。
 有機フォトクロミック化合物、例えばスピロピラン又はナフトオキサジンファミリーの化合物を用いることもまた提案されている。これらのフォトクロミック化合物は、支持体が紫外線にさらされたときに、塗布される支持体の着色に迅速な変化をもたらし、紫外線への暴露が停止されると迅速に初期の色に復帰するので、特に有利である。しかして、特許FR1604929を挙げることができ、そこには、ニトロベンジルピリジン類、チオセミカルバゾン類又はスピロピラン誘導体のようなフォトクロミック化合物を含む化粧品組成物、特にエアゾール形態の毛髪用組成物が記載されている。これらの組成物を毛髪にスプレーし、日光にさらすと、バイオレットブルーの着色が得られ、これは暗所では薄い黄色に変わる。
 またEP970689は、別個に包装された第一及び第二組成物を含有し、第一組成物が紫外線の下で少なくとも一の色をつくり出すことができるフォトクロミック着色剤を含み、第二組成物が少なくとも一の紫外線遮蔽剤を含んでいるメークアップ化粧製品を開示している。しかしながら、これらの組成物はダイナミックさに乏しい:特に最初の色への復帰がおそい。
 また、特許出願WO02/078665は、アクリレートコポリマー系カプセル中に封入され、紫外線を吸収する目的で使用できるナフトピラン又はナフトオキサジンタイプの紫外線吸収液状染料を含有する化粧品組成物を開示している。しかし、これらの組成物又は染料のフォトクロミック性については全く述べられていない。
欧州特許EP359909公報 仏国特許FR1604929公報 欧州特許EP970689公報 WO02/078665パンフレット
 本発明は、必ずではないが少なくとも部分的にシリコーンベースのものであってもよい特定の油相と組み合わせて、特定の有機染料を含有する新規な化粧品組成物によって、従来技術の欠点の幾つかを解消することを提案するものである。
 化粧品中に使用することができる油のなかで、シリコーン油は、ある量の滑りやすさと良好な皮膜形成のような、特定の性質を提供することが知られている。特に、シリコーン油を皮膚又は唇に塗布すると、満足のいく均一さ、柔軟さ及び輝きを持つ付着物が生成される。更に、その良好な湿潤性により、攻撃に対する耐性、特に耐水性を付与し、それが組成物の良好な保持力に寄与する。
 よって、このようなシリコーン油と以下に定義されるようなフォトクロミック染料の双方を含有する化粧品組成物が利用できれば特に有利であろう。しかしながら、本出願人は、上記フォトクロミック染料と通常使用されるシリコーン油の組み合わせを含む化粧品組成物は、特に上記染料がこれらシリコーン油には溶解しないため、処方できないことを見出した。しかして、本出願人は、シリコーン油中にこれらのフォトクロミック染料を溶解させ、よって製剤化することを可能にする手段を発見した。
 本発明の第一の主題は、化粧品として許容可能な媒体中に少なくとも一の油相、特にシリコーンベースの相と以下に定義される少なくとも一の染料を含有する化粧品組成物である。
 特に、驚いたことに、染料、特にフォトクロミック染料は、フェニルシリコーン油に最も好ましく溶解することが見出された;よって、例えば組成物の油相中にフェニルシリコーン油のみを用いるか、あるいは上記フェニルシリコーン油中にそれを予め溶解させた後、該溶液に、シリコーンベースであってもなくてもよく、使用することが望まれるその他の油を添加するかの何れかによって、それを処方することが可能になる。この第二の場合、フェニルシリコーン油はよって上記染料の「溶解剤(solubilizers)」又は「相容化剤(compatibilizers)」として使用される。
 また、驚いたことに、化粧品組成物の油相を形成する油又は油混合物の極性に応じて、照射前の初期の組成物の色を変更させることができることが見出された。よって、油相が極性か相対的に極性である場合、本発明に係るフォトクロミック染料の存在下では、もちろん染料の化学的性質、その量、また特に上記油相の極性及び化学的性質に応じて、例えば薄いピンク色からオレンジ色を通過してバイオレット色まで変化し得る着色が得られる。
 油相が比較的非極性か弱い極性である場合は、その色は照射前のフォトクロミック染料の存在によって乱されないかほんの僅かしか乱されないことが分かった;油相は殆ど無色のままである。よって、本発明に係るフォトクロミック染料はまたソルバトクロミック(solvatochromic)である。つまり、該染料はそれが導入される溶媒の性質(極性)の関数として色を変化させる。
 これにより、例えば、紫外線の励起がないときには完全に無色で、照射後にスプリット効果(split effect)(無色/有色)を達成するフォトクロミック化粧製品を得ることが特に可能になる。更に、組成物に別に顔料が配合されている場合、本発明に係るフォトクロミック染料によりもたらされる色はないので、初期の色を乱さないままにすることが可能になる。
 紫外線のない状態で穏やかに着色しているフォトクロミック化粧製品をまた得ることができ、これにより、色の励起(excitation)及び強化(intensification)の前にその付着物を可視化させ、その塗布を容易にすることが可能になる。
 本発明に係る染料、特にフォトクロミック及びソルバトクロミック染料によって、上記染料を含有する化粧品組成物によって付与される色を、照射によって(フォトクロミズム)変化させるばかりでなく、照射前に、最初の組成物の色を変化させることもできる。
 本発明の他の主題は、化粧品として許容可能な媒体中に、例えば極性及び/又は非極性油と以下に定義する少なくとも一の染料を含有する化粧品組成物にある。
 本発明に係る化粧品組成物により、有利には、光の性質及び/又は強さに応じて色を速やかに変化させることができるメークアップを得ることが可能になる。また、本発明に係る染料の使用により、より強く見える「メークアップ結果(makeup result)」を伴う鮮明で純粋な色のメークアップを得ることが可能になる。
 これらの染料で得られる色の変化は迅速である;変化はまた可逆的であり、光源からの照射を停止した後は最初の色に復帰することができ、この復帰もまた迅速に起こる。
 更に、匹敵するメークアップ効果と匹敵する透明性を得ながら、本発明に係る化粧品組成物中に、従来技術において一般に使用される量よりもより少量、例えば約0.01重量%から2重量%のフォトクロミック染料を使用することもできる。また、本発明に係る組成物の良好な化粧品特性が維持される。更に、類似の化学構造のものであるにもかかわらず、本発明に係るフォトクロミック染料は、程度の差はあれ暗い変動(dark variations)を伴って、赤色からグレーを経て青色へと変わりうる非常に広範な色を呈する。これは、色調の各変化に組成物を適合させる必要がないので、特に上記染料の処方を容易にする。
 本発明に係る有機染料はナフトピラン類で、特に次の式(I)によって表すことができる3H-ナフト[2,1-b]ピラン類、又は(II)によって表すことができる2H-ナフト[1,2-b]ピラン類である:
Figure 2004137280
[上式中、
*R1は、
−(i)水素原子;
−(ii)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12、又は更には1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
−(iii)結合「f」又は「gh」の一とR7基で形成された炭化水素ベース環;あるいは
−(iv)-COOR4、-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4から選択される基
 (ここで、
 −R2とR3はそれぞれ互いに独立して、1から20、好ましくは1−12、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表すか、
あるいは、それらが結合している窒素原子と共同して、3−10、好ましくは4−6の炭素原子と、場合によってはN、O、S、Si及びPから選択される1−5の他のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース複素環を形成し、該環には、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい少なくとも一の直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基が置換されていてもよく;
 −R4は、1から20、好ましくは1−12、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよく、及び/又はN、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す};
を表し;
*R5とR6は、互いに独立して、
−(i)次の式(IIa)又は(IIb):
Figure 2004137280
{上式中、NとXを含む環は全体で3から30原子、好ましくは4−10、より好ましくは5、6又は7原子を含む飽和環であって、窒素を含み、残りが炭素原子及び/又はO、S、Si及びPから選択されるヘテロ原子及び/又は-NH及び-NR(ここでRは1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)から選択される基であるものである}
の飽和環状アミノアリール基;
−(ii)次の式(III):
Figure 2004137280
{上式中、R10とR11は、互いに独立して、(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12、又は更には1−6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)又は-NO(ニトロ)基;(iv)水素原子;(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は上述した意味を持つ)から選択される基;(vi)R10及びR11基が共同して全体で5から8の原子(インドリン環の原子を含む)を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース環を形成し得、該原子がC、O、S及び/又はNR(ここで、RはH又は1から20、もしくは更に1−12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)から選択されるもの;から選択される基を表す}
のインドリノアリール基;
−(iii)次の式(IV):
Figure 2004137280
(上式中、mとpは、互いに独立して2から5の範囲の整数である)
の基;
−(iv)次の式(Va)、(Vb)又は(Vc):
Figure 2004137280
{上式中、R8とR9は、互いに独立して、(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12、又は更には1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)又は-NO(ニトロ)基;(iv)水素原子;(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は上述した意味を持つ)から選択される基から選択される基を表す}
の不飽和環状アミノアリール基;
−(v)1から30、好ましくは2−18、より好ましくは3から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に-C-CONR2R3、-C-NR2R3及び-C-OR4(ここで、R2、R3及びR4は上述した意味を持つ)から選択される基;
から選択される基を表し;
*R7は、
−(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
−(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;
−(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO(ニトロ)、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)又は-CONH(アミド)基;
−(iv)水素原子;
−(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は上述した意味を持つ)から選択される基;
−(vi)R7基はまた結合「i」、「j」、「k」又はR1基を伴っての「g、h」の一と共同して、又はR1基と共に「f」と共同して、全体で3から8、好ましくは4から7、より好ましくは5又は6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい、飽和炭化水素ベース環を形成可能であるもの;
から選択される基を表し;
*R'1は、
−(i)水素原子;
−(ii)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
−(iii)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は上述した意味を持つ)から選択される基;
から選択される基を表し;
*R'2は、
−(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
−(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;
−(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO(ニトロ)、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)又は-CONH(アミド)基;
−(iv)水素原子;
−(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は上述した意味を持つ)から選択される基;
から選択される基を表す]
 好ましくは、本発明に係るフォトクロミック有機染料は次の式(Ia)又は(IIa):
Figure 2004137280
(上式中、R1、R5、R6、R7、R'1及びR'2は上で定義したものである)
の一に相当する。
 好ましくは、R1は、水素原子;結合「f」又は「gh」の一とR7基と共に形成される炭化水素ベース環;又は-COOR4、-NR2R3、-OR4及び-SR4から選択される基
 (ここで、
  −R2とR3はそれぞれ互いに独立して、1から20、好ましくは1−12、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表すか、
あるいは、それらが結合している窒素原子と共同して、3−10、好ましくは4−6の炭素原子と、場合によってはN、O、S、Si及びPから選択される1−5の他のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース複素環を形成し、該環には、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい少なくとも一の直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基が置換されていてもよく;
  −R4は、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよく、及び/又はN、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)
を表す。
 好ましくは、R5とR6は、互いに独立して、
−次の式(IIa)又は(IIb):
Figure 2004137280
{上式中、NとXを含む環は全体で3から30原子、好ましくは4−10、より好ましくは5、6又は7原子を含む飽和環であって、窒素を含み、残りが炭素原子及び/又はO、S、Si及びPから選択されるヘテロ原子及び/又は-NH及び-NR(ここでRは1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)から選択される基であるものである}
の飽和環状アミノアリール基;
−1から30、好ましくは2−18、より好ましくは3から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に-C-CONR2R3、-C-NR2R3及び-C-OR4(ここで、R2、R3及びR4は上述した意味を持つ)から選択される基;
から選択される基を表す。
 好ましくは、R7は、
−(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
−(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;
−(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO(ニトロ)、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)又は-CONH(アミド)基;
−(iv)水素原子;
−(v)-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は請求項1に記載の意味を持つ)から選択される基;
−(vi)R7基はまた結合「i」、「j」、「k」又はR1基を伴っての「g、h」の一と共同して、又はR1基と共に「f」と共同して、全体で3から8、好ましくは4から7、より好ましくは5又は6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい、飽和炭化水素ベース環を形成可能であるもの;
から選択される基を表す。
 好ましくは、式(I)又は(Ia)において、R1又はR7基の少なくとも一は水素以外である。好ましくは、式(I)又は(Ia)において、R5又はR6基の少なくとも一はフェニル基(-C)以外である。また好ましくは、式(I)又は(Ia)において、R1、R7、R5又はR6基の少なくとも一は窒素原子を含む。好ましくは、式(I)又は(Ia)において、R5又はR6基の少なくとも一は置換フェニル基である。
 好ましくは、R'1は、水素又は1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す。
 好ましくは、R'2は、水素又は-NO、-NR2R3及び-C(O)NR2R3(ここで、R2とR3はそれぞれ互いに独立して、1から20、好ましくは1−12、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表すか;あるいは、それらが結合している窒素原子と共同して、3−10、好ましくは4−6の炭素原子と、場合によってはN、O、S、Si及びPから選択される1−5の他のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース複素環を形成し、該環には、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい少なくとも一の直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基が置換されていてもよいものを表す)から選択される基を表す。
 *R1が、水素;又はRが1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基である-COOR基;あるいは基
Figure 2004137280
を表し、及び/又は
*R5とR6が、互いに独立して、(i)次の式(IIa):
Figure 2004137280
(上式中、NとXを含む環は全体で4から7原子、特に5又は6原子を含む飽和環であって、窒素と特に3−5の炭素原子と0−1の酸素原子を含むものである)の基;特に次の式:
Figure 2004137280
の基、又は(ii)5から14、好ましくは6から10の炭素原子を含み、N、O及びSから選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に次の式:
Figure 2004137280
の基(ここで、Rは1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基であり;R2とR3は、互いに独立して、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)の何れかを表すか;
及び/又は
*R7基は水素又は基-NR2R3(ここで、R2とR3は、互いに独立して、1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素ベース基、特にメチル及び/又はエチル基を表す)を表す式(I)又は(Ia)の有機染料を特に挙げることができる。
 *R'1が、水素又はRが1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基である-COOR基を表し;
及び/又は
*R5とR6が、互いに独立して、
(i)次の式(IIa):
Figure 2004137280
(上式中、NとXを含む環は全体で4から7原子、特に5又は6原子を含むものであって、窒素及び特に4−5の炭素原子及び0−1の酸素原子を含む飽和環である)の基、特に次の式:
Figure 2004137280
の基、又は(ii)5から14、好ましくは6から10の炭素原子を含み、N、O及びSから選択される1又は2ヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に次の式:
Figure 2004137280
の基(ここで、Rは1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基であり;R2とR3は、互いに独立して、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)の何れかを表すか;
及び/又は
*R'2基が水素又は基-NR'R"(ここで、R'とR"は、同一でも異なっていてもよく、1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素ベース基、特にメチル及び/又はエチル基を表す);又は次の式:
Figure 2004137280
の基を表す、式(II)又は(IIa)の有機染料をまた挙げることができる。
 挙げることができるこれらの有機染料は特許出願WO94/22850、WO98/45281及びWO00/18755に記載されているものである。
 特に好適なものである次の化合物を挙げることができる:
− 次の式:
Figure 2004137280
の3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
− 次の式:
Figure 2004137280
の3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
− 次の式:
Figure 2004137280
の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
− 次の式:
Figure 2004137280
の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-メトキシカルボニル-9-N-ジメチル-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
− 次の式:
Figure 2004137280
の2-フェニル-2-(4-ピペリジノフェニル)-5-メトキシカルボニル-9-N-ジメチル-2H-ナフト[2,1-b]ピラン
− それらの混合物。
 本発明に係る有機染料は、好ましくは、化粧品組成物の全重量に対して0.001重量%から20重量%、特に0.005重量%から10重量%、好ましくは0.01重量%から4.8重量%、更に好ましくは0.05重量%から3重量%、有利には0.1重量%から2重量%、特に0.15−1重量%、あるいは更には0.2−0.8重量%の量にて単独でもしくは混合物として含有せしめられる。
 好ましくは、これらの有機染料はフォトクロミックである。つまりそれらは、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは25以上、更により好ましくは35以上、あるいは更に45以上であるΔE値を有している;ΔE値は実施例の前に記載した方法で測定される。
 有利には、本発明に係る有機染料は組成物の油相に可溶性である。「可溶性」なる用語は、染料が油相中0.05重量%の割合で25℃、1気圧にて裸眼で明らかに見える粒子を含まない均一な混合物を形成することを意味する。
 本発明に係る組成物はまた一又は複数の化粧品として許容可能な油を含有しうる油相を含有している。本発明において、「化粧品として許容可能な油」という表現は25℃、1気圧で液体であり、好ましくは160以上、特に170から10、あるいは更には200から5x10の分子量を持ち、皮膚、粘膜(唇)及び/又は外皮(爪、睫毛、眉又は髪)への塗布に適合しているあらゆる脂肪物質を意味する。好ましくは、油相は巨視的に均一である。つまり、裸眼で見て均一である。
 本発明の第一の特定の実施態様では、油相は極性であって、主として、もしくは排他的に、一又は複数の極性油(相対的又は明確に極性)を混合物として含み得、それはよって上記油相の全重量に対して5重量%から100重量%、特に10−90重量%、あるいは更に15−60重量%、より好ましくは20−50重量%を占めうる。
 この好適な実施態様によれば、極性油相は好ましくは、25℃でのそのハンセン溶解空間による平均溶解パラメータδが5.0(J/cm1/2以上、特に5.3以上、又は更には5.5以上、より好ましくは6.0(J/cm1/2以上、又は更に7.0(J/cm1/2以上である。
 「極性油」という用語は少なくとも一の極性基を有する化合物からなる油を意味する。極性基は当業者にはよく知られている:極性基は特にアルコール、エステル又はカルボン酸タイプの基でありうる。特に、本発明に係る極性油は、25℃でのハンセン溶解空間による平均溶解パラメータδが、δ≧5.0(J/cm1/2であるものと定義できる。極性油は、25℃での平均溶解パラメータが5.0≦δ≦7.0(J/cm1/2である比較的極性の油と、25℃での平均溶解パラメータがδ>7.0(J/cm1/2である明確に極性の油を含む。
 同様に、本発明において、非極性油は、0≦δ≦5.0(J/cm1/2の25℃でのハンセン溶解空間の平均溶解パラメータδを持つ。本発明において、非極性油は明確に非極性の油(δ=0)と0<δ<5.0(J/cm1/2の25℃での平均溶解パラメータδを持つやや極性の油を含む。
 よって、δの値が大きくなればなるほど、油の極性は高くなる。
 3次元ハンセン溶解空間の溶解パラメータの定義と計算は、C. M. Hansen: 「The three dimensional solubility parameters」, J. Paint Technol. 39, 105 (1976)に記載されている。このハンセン空間によれば、
−δは、分子衝突中に誘発される双極子の形成により生じるロンドンの分散力を特性付け;
−δは、永久双極子間のデバイの相互作用の力とまた誘起双極子と永久双極子間のケーソムの相互作用の力を特性付け;
−δは、特定の相互作用の力(例えば水素結合、酸/塩基、供与体/受容体等々)を特性付け;
−δは、式:δ=(δ +δ )1/2 によって決定される。
パラメータδ、δ、δ及びδは(J/cm1/2で表される。
 油相が異なった油の混合物である場合、混合物の溶解パラメータは、次の関係:
Figure 2004137280
(ここで、xiは混合物中の化合物iの体積分率を示す)
に従って、個別に得た化合物の値から決定される。所望の基準を満たす油相を得るために各油の量を決定することは当業者の技量の範囲にある。
 本発明の第二の特定の実施態様によれば、油相は非極性であり、5重量%から100重量%、特に10−90重量%、又は好ましくは15−60重量%、更に好ましくは20−50重量%の一又は複数の非極性(非極性又はやや極性)油を含みうる;それは、5.0未満、特に4.9以下、より好ましくは4.5以下、更に好ましくは4.0(J/cm1/2以下の25℃でのハンセン溶解空間の平均溶解パラメータδを有する。
 極性又は非極性油相は、それ自体は極性又は非極性であり得、また揮発性又は非揮発性で、好ましくは炭化水素系でありうる一又は複数の油を含有しうる。これらの油は、動物、植物、鉱物又は合成由来の揮発性又は非揮発性油から単独に又は混合物として選択しうる。
 「揮発性油」なる用語は25℃で0.02から300mmHg(すなわち、2.66から40000Pa)の蒸気圧を有する油を意味する。好ましくは、約30−100℃の引火点を持つ揮発性油が使用される。
 特に次のものを挙げることができる:
− ポリオールの脂肪酸エステルからなる動物性又は植物性油、特に、流動トリグリセリド類、例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、ゼニアオイ(marrow)油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、アルモンド油又はアボカド油;魚油又はトリカプロカプリル酸グリセリル、又はRが7から19の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表し、Rが3から20の炭素原子を有する分枝状の炭化水素ベース鎖を表す式RCOORの植物性又は動物性油、例えばパーセリン(Purcellin)油;流動パラフィン、流動ワセリン、ビューティリーフ油(beauty-leaf oil)、マカダミア油、菜種油、ヤシ油、グランドナッツ油、パーム油、ヒマシ油、ホホバ油、オリブ油又は穀物胚芽油;シアー脂油;ペルヒドロスクアレン;
− 合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸のもの、例えばRが7から29の炭素原子を含む高級脂肪酸残基を表し、Rが3から30の炭素原子を含む炭化水素ベース鎖を表す式RCOORの油、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル又はイソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、及び脂肪アルキルヘプタノアート、オクタノアート及びデカノアート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノアート、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート又はジエチレングリコールジイソノナノアート;ペンタエリトリトールエステル、例えばテトライソステアリン酸ペンタエリトリチル;トリメリット酸トリデシルのようなタイプのエステル;
− 12〜26の炭素原子を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール又はオレイルアルコール;
− 鉱物又は合成由来の直鎖状又は分枝状炭化水素、例えば流動パラフィンとその誘導体、ワセリン、ポリデセン、及び水添ポリイソブテン、例えばパーリーム(parleam);イソパラフィン、例えばイソヘキサデカン及びイソデカン;
− グリセリド、特に4から10の炭素原子を含む脂肪酸のトリグリセリド又はアセチルグリセリド、例えばヘプタン酸、オクタン酸及びカプリン/カプリル酸トリグリセリド。
 特に好ましい極性油としては、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、オレイルアルコール、ヒマシ油、リンゴ酸ジイソステアリル、トリヘプタン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、カプリン/カプリル酸トリグリセリド、トリイソノナノイン(triisononanoin)及びトリメリット酸トリデシル、並びにそれらの混合物が挙げられる。
 特に好ましい非極性油としては、脂肪族炭化水素、特にC6−C40のもの、例えばイソヘキサデカン又はイソドデカンのような揮発性流動パラフィン、又は非揮発性流動パラフィン、及びそれらの誘導体;ワセリン、水添又は非水添ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばパーリーム油、スクアラン、ポリブチレン及びイソノナン酸イソノニル;フルオロ油、特にパーフルオロ油、並びにそれらの混合物が挙げられる。
 特に次の油を挙げることができる:
Figure 2004137280
 本発明の第三の特定の実施態様では、油相は、特に次の式(VI):
Figure 2004137280
(上式中、
− R1ないしR10は、互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、環状又は分枝状のC1−C30炭化水素ベース基であり、
− m、n、p及びqは、互いに独立して、0から900の間の整数であり、但し「m+n+q」の合計が0ではない)
の少なくとも一のフェニルシリコーン油又はその油の混合物を含有しうる。
 好ましくは、「m+n+q」の合計は1から100である。好ましくは、「m+n+p+q」の合計は1から900、より好ましくは1から800である。好ましくは、qは0に等しい。
 好ましくは、フェニルシリコーン油は、次の式(VII):
Figure 2004137280
(上式中、
− R1からR6は、互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、環状又は分枝状のC1−C30炭化水素ベース基であり、
− m、n及びpは、互いに独立して、0から100の間の整数であり、但し「n+m」の合計が1から100である)
のものである。
 好ましくは、R1からR6は、互いに独立して、飽和した直鎖状又は分枝状C1−C30、特にC1−C12の、炭化水素ベース基、特にメチル、エチル、プロピル又はブチル基である。
 特に、R1からR6は同一であってもよく、またメチル基でありうる。
 好ましくは、m=1又は2又は3、及び/又はn=0及び/又はp=0又は1とすることができる。
 フェニルシリコーン油は、フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン及びジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及びその混合物から選択されうる。
 好ましくは、フェニルシリコーン油の質量平均分子量は500から10000である。
 25℃の粘度が3から1500mm/s(つまり、3から1500cSt)、好ましくは粘度が5から1000mm/s(つまり5から1000cSt)である式(VI)のフェニルシリコーン油を特に挙げることができる。特に、フェニルトリメチコーン類、例えばDow・Corning(ダウ・コーニング)のDC556(22.5cSt)、Rhone・Poulenc(ローン・プーラン)の油Silbione70663V30(28cSt)、Goldschmidt(ゴールドシュミット)の油Abil AV8853(4−6cSt)、あるいはジフェニルジメチコーン類、例えば、Wacker(ワッカー)のBelsil油、特にBelsil PDM1000(1000cSt)、Belsil PDM200(200cSt)及びBelsil PDM20(20cSt)を挙げることができる。括弧内の値は25℃における粘度を表す。
 この第三の実施態様では、油相は、フェニルシリコーン油に加えて、極性又は非極性で、揮発性又は非揮発性であってもよい、シリコーンベース又は炭化水素ベースの、化粧品的に許容される一又は複数の更なる油を含有しうる。使用できる更なる油としては、上述したもののような、動物、植物、鉱物又は合成由来の極性又は非極性油を単独で又は混合物として使用することができる。
 また挙げることはできる更なる油は、例えば次のような揮発性シリコーン油である:
− 3〜8、好ましくは4〜6のケイ素原子を有する環状の揮発性シリコーン類。これらは、例えば、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン又はシクロヘキサジメチルシロキサンである。
− ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンタイプのシクロコポリマー、例えば、Union・Carbide(ユニオン・カーバイド)から販売されているSilicone FZ3109で、これはジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンのシクロコポリマーである。
− 2〜9のケイ素原子を有する直鎖状の揮発性シリコーン類。これらは、例えばヘキサメチルジシロキサン、ヘキシルヘプタメチルトリシロキサン又はオクチルヘプタメチルトリシロキサンである。
 次のような非揮発性シリコーン類を用いることもまたできる:
− ポリ(C−C20)アルキルシロキサン類、特に、トリメチルシリル末端基を含むもの、好ましくは0.06m/s未満の粘度を持つもの;特に、ペンダント状に又は鎖末端にアルキル又はアルコキシ基を含んでいてもよい直鎖状又は環状ポリジメチルシロキサン類;アルキルメチルポリシロキサン類、例えばセチルジメチコーン(CTFA名)を挙げることができる。
− フッ化脂肪族及び/又は芳香族基で、あるいはヒドロキシル、チオール及び/又はアミン基のような官能基で修飾されたシリコーン。
 この第三の特定の実施態様では、組成物は好ましくはフェニルシリコーン油を、化粧品組成物の全重量に対して、1−99重量%、特に5−90重量%、好ましくは7−50重量%、あるいは更には13−40重量%の量で含有する。
 その場合、更なる油は、化粧品組成物の全重量に対して、好ましくは0.1−50重量%、特に4−30重量%、好ましくは10−25重量%の量で存在する。
 どの実施態様であれ、油相は、好ましくは化粧品組成物の全重量に対して1重量%から99重量%、特に10重量%から90重量%、好ましくは15重量%から80重量%の量で含有せしめられる。
 本発明に係る組成物はまた上記の油以外の脂肪物質を含有していてもよく、これは、例えばコンシステンシー及び/又はテクスチャーにおいて最終組成物に所望の性質を付与するように当業者が自身の知識に基づいて選択しうる。これらの更なる脂肪物質は、動物、植物、鉱物又は合成由来のロウ、ガム及び/又はペースト状脂肪物質、またそれらの混合物であってもよい。本発明において、ロウとは、室温(25℃)で可逆的な固体/液体状態変化を示す固体であり、その融点が40℃を越え、200℃までであってよく、一般に0.5MPaより大なる硬度を持ち、固体状態で異方性の結晶組織を有する親油性脂肪化合物である。特に、動物、植物、鉱物又は合成由来のロウ、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィンロウ、ペトロラタム、ワセリン(ペトロリアムジェリー)、オゾケライト又はモンタンロウ;ミツロウ、ラノリンロウとその誘導体;キャンデリラロウ、オーリクーリー(ouricury)ロウ、カルナウバロウ、モクロウ、ココア脂、コルク繊維ロウ又はサトウキビロウ、亜炭ロウ、ヌカロウ、モミの木のロウ(fir tree wax)及びコットンロウ;(約)40℃を超える融点の硬化油、例えば硬化ホホバ油;25℃で固体の脂肪エステル及びグリセリド;ポリエチレンロウ及びフィッシャー-トロプシュ合成法によって得られるロウ;25℃で固体である硬化油;ラノリン類を挙げることができる。油相がシリコーン油を含有する場合、アルキル又はアルコキシ鎖が10−45の炭素原子を持つアルキル-又はアルコキシジメチコーン類;ポリシロキサンエステル類、特にポリジメチルシロキサンエステル類で、30℃で固体であって、そのエステル鎖が10−45の炭素原子を持つもの、及び/又はシリコーン樹脂のようなシリコーンロウをまた使用することができる。ペースト状脂肪物質は一般に25から60℃、好ましくは30から45℃の融点及び/又は0.001から0.5MPa、好ましくは0.005から0.4MPaの範囲の硬度を有する。特に、ラノリン類とその誘導体、又はコレステロールエステル類を挙げることができる。これらの更なる脂肪物質は組成物の全重量に対して0.1−50重量%、特に3−40重量%、より好ましくは5−30重量%の量で存在しうる。
 本発明に係る組成物は、非水系であっても、又は、水、ヤグルマソウの水のような花の水及び/又はオー・ドゥ・ヴィッテル(eau de Vittel)、オー・ドゥ・ルカ(eau de Lucas)又はオー・ドゥ・ラ・ロシュ・ポゼ(eau de La Roche Posay)のような鉱泉水を含みうる水性相を含有していてもよい。上記水性相は水性相の全重量に対して0.1重量%から14重量%のC−Cモノアルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール又はイソブタノールを含有していてもよい。
 本発明に係る組成物は、場合によっては、特にエマルションの形態である場合、好ましくは組成物の全重量に対して0.01重量%から30重量%の量で界面活性剤を含有していてもよい。次の化合物:アルキルスルファート類、アルキルエーテルスルファート類、アルキルアミドスルファート類及びエーテルスルファート類、アルキルアリールポリエーテルスルファート類、モノグリセリドスルファート類、アルキルスルホナート類、アルキルアミドスルホナート類、アルキルアリールスルホナート類、α-オレフィンスルホナート類、パラフィンスルホナート類、アルキルスルホスクシナート類、アルキルエーテルスルホスクシナート類、アルキルアミドスルホスクシナート類、アルキルスルホスクシナマート類;アルキルスルホアセタート類、アルキルポリグリセロールカルボキシラート類、アルキルホスファート類/アルキルエーテルホスファート類、アシルサルコシナート類、アルキルポリペプチダート類(alkyl polypeptidates)、アルキルアミドポリペプチダート類、アシルイセチオナート類、アルキルラウラート類の、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩又はアミノアルコール塩を単独に又は混合物としてあげることができる。これらの全ての化合物のアルキル又はアシル基は一般に12から18の炭素原子の鎖である。
 また、脂肪酸、例えばオレイン酸、リシノレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びヤシ油又は硬化ヤシ油の酸の塩及び石鹸、特にステアリン酸アミンのようなアミン塩:アシル基が8−20の炭素原子を有するアシルラクチラート類;ポリグリコールエーテルカルボン酸を挙げることができる。また、ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化又はポリグリセロール化脂肪アルコール、脂肪アルキルフェノール及び脂肪酸で、脂肪鎖が8から18の炭素原子を含むもの;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪アルコールへのエチレンオキシドとプロピレンオキシドの縮合物、ポリエトキシル化脂肪アミド類、ポリエトキシル化脂肪アミン類、エタノールアミド類、グリコールの脂肪酸エステル類、ソルビタンのオキシエチレン化又は非オキシエチレン化脂肪酸エステル類(ステアリン酸エステル又はオレイン酸エステル)、スクロースの脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノステアラート又はモノラウラート);リン酸トリエステル類、グルコース誘導体の脂肪酸エステル類;アミノ糖のアルキルアミド類及びアルキルポリグルコシド類;グリシドール又はグリシドール前駆物質とのα-ジオール、モノアルコール、アルキルフェノール、アミド又はジグリコールアミドの縮合物を挙げることができる。
 また、リン酸トリオレイル;ポリオールの脂肪酸エステル、例えばグリセリル又はソルビトールモノ-、ジ-、トリ-又はセスキオレアート類又はステアラート類、及びグリセリル又はポリエチレングリコールラウラート類;例えば6から22の炭素原子を含むシリコーン骨格の端部にあるか又はペンダントしたアルキル又はアルコキシ鎖を持つアルキル又はアルコキシジメチコーンコポリオール類;ポリオキシエチレン化アルキル(ラウリル、セチル、ステアリル又はオクチル)エーテル類及びジメチコーンコポリオール類を挙げることができる。
 本発明に係る組成物はまた一又は複数の増粘剤を、例えば組成物の全重量に対して0.01重量%から6重量%の好適な濃度で含有しうる。増粘剤は、次のものから単独で又は混合物として選択されうる:
− 多糖類バイオポリマー、例えばキサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、アルギナート、変性セルロース、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、デンプン誘導体、セルロースエーテル誘導体で第4級アンモニウム基を含むもの、及びカチオン性多糖類;
− 合成ポリマー、例えばポリアクリル酸、例えばポリグリセリル(メタ)アクリラートポリマー、例えばHispano・Qimica(ヒスパノ・キミカ)社又はGuardian(ガーディアン)社のHispagel又はLubragel、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、Hoechst(ヘキスト)のPAS5161又はBozepol Cのような、アクリルアミドとアクリル酸アンモニウムの架橋ポリマー;アクリラート/オクチルアクリルアミドコポリマー、例えばNational・Starch(ナショナルスターチ)のDermacryl;ポリアクリルアミド系ポリマー、例えばSEPPIC(セピック)のSepigel305、アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋ポリマー、例えばAllied・Clloids(アライドコロイド)のSalcare SC92、
− ケイ酸アルミニウムマグネシウム;
− 変性されていてもよいクレー、例えばC10からC22脂肪酸アンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト類、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト;
− 変性されていてもよいシリカ;
− 糖当たり1から6、更には2から4のヒドロキシル基を含有し、飽和又は不飽和アルキル鎖で置換されたガラクトマンナン類、例えばCからC、好ましくはCからCアルキル鎖でアルキル化されたグアーガム、より詳細にはAqualon(アクアロン)からN-Hance-AGなる名で販売されている製品のような、2から3の置換度を持つエチル化グアー;
− セルロース誘導体、例えばエチルセルロース;
− ブロックコポリマー、特に「ジブロック」又は「トリブロック」型のもの、例えばポリスチレン/ポリイソプレン、ポリスチレン/ポリブタジエン、ポリスチレン/コポリ(エチレン-ブタジエン)又はポリスチレン/コポリ(エチレン-プロピレン)、例えばShell・Chemical(シェルケミカル)から「Kraton」の名で販売されているもの;
− ポリアミドタイプのポリマー、例えばアミド繰り返し単位を含むポリマー骨格と場合によっては、これらアミド単位に結合し8から120の炭素原子を含む、官能化されていてもよい、少なくとも一のペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも一の末端鎖を含んでなるもので、特になかでも、エチレンジアミンと縮合したC36の二酸のコポリマーの混合物で、末端エステル基が残りの酸末端基のセチルアルコール又はステアリルアルコールもしくはその混合物(セチル-ステアリルアルコールとしても知られる)とのエステル化から得られ、約6000の重量平均分子量を持つ、Uniclear80及びUniclear100なる名称でArizona・Chemical(アリゾナケミカル)社から販売されている製品。
 考えられる用途に応じては、組成物は皮膜形成ポリマーを含有していてもよい。これは、一般に、ネイルラッカー、マスカラ、アイライナー又は口紅のような組成物を調製することが望まれる場合には特にしかりである。該ポリマーは化粧品として許容可能な媒体中に溶解されるか又は分散させられうる。該ポリマーは組成物の全重量に対して0.01重量%から40重量%の範囲の含有量で存在しうる。組成物はまた通常の可塑剤から選択される可塑剤を含有していてもよく、これは組成物の全重量に対して0.1重量%から40重量%の範囲の含有量で存在しうる。
 組成物はまた粒状相を含有していてもよく、これは化粧品組成物に通常使用される顔料及び/又はフィラーを含有しうる。「顔料」なる用語は、組成物を着色及び/又は不透明化することを意図した白色又は有色の無機もしくは有機の粒子を意味するものと理解されるべきである。「フィラー」なる用語は、組成物に嵩又は堅さを付与し、及び/又はメークアップに柔らかさ、ツヤ消し効果及び均一性を付与することを意図した無色又は白色で無機もしくは合成のラメラ状又は非ラメラ状の粒子を意味するものと理解されるべきである。「真珠光沢剤(nacres)」なる用語は、特にある種の貝類により殻の内部で生成されるか、あるいは合成等される、光を反射する真珠光沢のある粒子を意味するものと理解されるべきである。
 顔料は、最終組成物の重量に対して0.01重量%から25重量%の割合、好ましくは3重量%から10重量%の割合で組成物中に存在しうる。顔料は白色か着色した無機又は有機物で、標準的なサイズ又はナノメータサイズのものであってもよい。顔料は粉末又は顔料ペーストの形態をとりうる。酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、フェリックブルー、クロム水和物、カーボンブラック、ウルトラマリンブルー(アルミノシリケート・ポリスルヒド)、ピロリン酸マンガン、及びある種の金属パウダー、例えば銀又はアルミニウムパウダーを挙げることができる。また、唇及び皮膚にメークアップ効果を付与するために一般的に使用されるD&C顔料及びレーキ類を挙げることができ、これらはカルシウム、バリウム、アルミニウム、ストロンチウム又はジルコニウム塩である。真珠光沢剤は組成物中に0.01重量%から20重量%の割合、好ましくは約3重量%から10重量%の割合で存在しうる。考えられる真珠光沢剤としては、天然真珠母、酸化チタン、酸化鉄、天然顔料又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、並びに有色チタンマイカを挙げることができる。組成物中に0.01重量%から60重量%、好ましくは3重量%から10重量%の割合で存在しうるフィラーは鉱物性又は合成であり得、ラメラ状でも非ラメラ状でもよい。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)、デンプン、窒化ホウ素、ポリマーミクロスフィア、例えばExpancel(Nobel・Industrie)、Polytrap(Dow・Corning)及びシリコン樹脂マイクロビーズ(例えば東芝のTosperals)、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム及び8から22の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導された金属石鹸を挙げることができる。
 組成物はまた染料、特に天然有機染料、例えばコチニールカルミン、及び/又は合成染料、例えばハロアシッド染料、アゾ染料又はアントラキノン染料を含有していてもよい。また硫酸銅又は硫酸鉄のような無機染料を挙げることができる。また、スーダンブラウン、スーダンレッド及びアンナット、またビート根ジュース、カロチン及びメチレンブルーを挙げることもできる。染料は組成物の全重量に対して0.001重量%から15重量%、好ましくは0.01重量%から5重量%、特に0.1重量%から2重量%の割合で組成物中に単独で又は混合物として存在しうる。
 組成物はまた式(I)又は(II)のフォトクロミック有機染料以外のフォトクロミック化合物を含有してもよい。特に、無機フォトクロミック化合物、より詳細にはドープされたアルミノシリケート類、例えばハロゲンドープ方ソーダ石、又は金属酸化物又は水和物、例えば元素形態又は硫酸塩、塩素酸塩、硝酸塩又は酢酸塩のような塩の形態の、鉄、クロム、銅、ニッケル、マンガン、コバルト又はモリブデンから選択される金属でフォトクロミックにされた酸化チタンを挙げることができる。フォトクロミック化合物は組成物の全重量に対して0.001−20重量%、好ましくは0.1−10重量%の量で組成物中に導入することができる。
 組成物はまた紫外線遮蔽剤を含有してもよく、これは組成物の全重量に対して0.01−20重量%、好ましくは0.1−10重量%の量で組成物中に導入することができる。使用できるサンスクリーン剤としては、特に次のファミリーに属する化合物を挙げることができる:パラ-アミノ安息香酸類;サリチラート類;ジベンゾイルメタン類;シンナマート類;β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体;ベンゾフェノン類;ベンジリデンショウノウ類;フェニルベンゾイミダゾール類;トリアジン類;フェニルベンゾトリアゾール類;アントラニル酸類(anthranilics);イミダゾリン類及び/又はベンザルマトナート類。
 組成物はまた化粧品に通常使用される任意の添加剤、例えば抗酸化剤、香料、精油、保存料、親油性又は親水性化粧品活性剤、保湿剤、ビタミン類、スフィンゴ脂質、自己日焼け剤、例えばDHA、蛍光増白剤、消泡剤及び金属イオン封鎖剤を含有することもできる。
 言うまでもなく、当業者であれば、考えられる添加により、本発明に係る組成物の有利な特性が悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、任意の更なる化合物及び/又はその量を選択するであろう。
 本発明に係る組成物は有利にはフォトクロミックである。つまり、ΔEの値が、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは25以上、更により好ましくは35以上、あるいは更には45以上である;ΔE値は実施例の前に記載した方法で測定される。
 本発明に係る化粧品組成物は、特に、皮膚、半粘膜、粘膜及び/又は外皮(爪、睫毛、眉、体毛及び頭髪)をメークアップする分野において特に有利な用途がある。
 組成物は、特にベジクルによって水中に油を含む懸濁液又は分散液;増粘されていてもよいか又はゲル化さえされていてもよい油性溶液;水中油、油中水又は複合エマルション;ゲル又はムース;油性又は乳化ゲル;ベジクル、特に脂質ベジクルの分散液;二相又は多相ローション;スプレー;フリーの、圧密化した、あるいか注がれた(cast)パウダー;非水系ペーストの形態でありうる。この組成物はローション、クリーム、膏薬剤(ointment)、ソフトペースト、軟膏(salve)、特にスティック又はディッシュの形態の鋳込まれた又は成型された固形物、あるいは別に圧密化された固形物の外観をとりうる。
 本発明に係る化粧品組成物は、ボディ又は顔の皮膚、唇及び毛髪のための手入れ及び/又はメークアップ製品、抗日光製品又は自己日焼け用製品又は更には毛髪用製品の形態にされうる。それは、口紅、ファンデーション、メークアップルージュ、アイシャドウ、フリー又は圧密パウダー、ティンテッドクリーム、ボディメークアップ製品、皮膚着色製品、アイライナー又はマスカラの分野で特に用途を有する。
 本発明の主題はまた粘膜、半粘膜、皮膚及び/又は外皮から選択される支持体(support)を処理する美容方法において、上で定義した化粧品組成物を上記支持体に塗布する方法にある。
 本発明の他の主題は、粘膜、半粘膜、皮膚及び/又は外皮から選択される支持体に対するメークアップ及び/又は一時的な着色方法において、上で定義した化粧品組成物を上記支持体に塗布する方法である。
 本発明を以下の実施例において更に詳細に説明する。
ΔEの測定
 L、a及びbの測定は、50ミクロンの厚みに広げた組成物に対して、照会名Form1A PenopacのLenetaブランドの対比カードを用いて実施した。反射の測定はミノルタ3700D分光比色計を用いて実施した。
 このようにして照射前の組成物の最初の色度座標(L、a及びb)を決定した。ついで、組成物に2分間、紫外線照射(2mW/cmフラックスのUVA照射)を施し、ついで照射を停止した直後に、照射後の色度座標(L、a及びb)を決定した。照射停止と新座標の決定の間は5秒未満であった。
 ついで、次の式からΔEを計算した:
    ΔE=[(L−L)+(a−a)+(b−b)]1/2
 染料を含有する組成物のΔEではなく染料のΔEを測定する場合は、測定はリンゴ酸ジイソステアリル中に0.05重量%の染料を含有する溶液で実施する。そのときも、測定は上に示したようにして実施する。
実施例1
 本発明に係る染料の様々なシリコーン油中の溶解度を実験した。よって、様々な油中に0.05重量%の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン(James RobinsonのReversacol Ruby)を含有する幾つかの混合物を調製した後、その混合物を撹拌しながら60℃まで加熱した。油と染料の混合物を、高温(60℃)とついで加熱混合物を25℃まで冷却した後に、裸眼で観察した。
 次の結果が得られた:
Figure 2004137280
 しかして、フォトクロミック染料は、フェニル化していない油では、それが高粘度の場合よりも良好な溶解には適している低粘度のものであっても、高温であまり溶解しないことが分かった。これに対して、フェニル化された油では、その粘度にかかわらず、高温で完全に溶解した。
 室温まで冷却した後、高温での観察結果を確認した。フェニルシリコーン類は室温への冷却後フォトクロミック染料のほぼ完全な溶解を可能にした。またこの場合、染料が殆ど未溶解(フラスコの底部に粉末が沈降)である他のシリコーン系媒体の場合よりも更に良好な溶解を示した。
 更に、フェニルシリコーン類には染料のピンク色の着色が観察されたが、他の油では観察されなかった;このことはこれらの油ではソルバトクロミック効果があることを示している。
実施例2
 フェニルシリコーン油(Dow CorningのDC556)中に0.05重量%の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン(James RobinsonのReversacol Ruby)を含有する溶液を調製した。ついでこの混合物に紫外線(太陽光)を2分間あてた。
 照射前の混合物の最初のピンク色から照射後の強いオレンジ−赤色の着色への非常にはっきりした変化が視覚的に観察された。これはフォトクロミック効果が存在していることの明瞭な確証である。
実施例3
 次の成分を含有する組成物を調製した:
− 0.05重量%の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン(James RobinsonのReversacol Ruby)
− 15重量%のポリエチレンロウ(非極性ロウ)
− 全体を100%にする量のフェニルシリコーン油(Dow CorningのDC556)。
 50ミクロンの厚みに広げた組成物に対して、照会名Form1A PenopacのLenetaブランドの対比カードを用いてL、a及びbの測定を実施した。反射の測定はミノルタ3700D分光比色計を用いて実施した。
 このようにして照射前の組成物の最初の色度座標(L、a及びb)を決定した。ついで、組成物に2分間、紫外線照射(2mW/cmフラックスのUVA照射)を施し、ついで照射を停止した直後に、照射後の色度座標(L、a及びb)を決定した。照射停止と新座標の決定の間は5秒未満であった。
 ついで、次の式からΔEを計算した:
    ΔE=[(L−L)+(a−a)+(b−b)]1/2
 次の結果が得られた:
    ΔE=37.83
 よって、構造化された系、つまりロウの存在下で、フォトクロミック効果がなおも存在していることが見出された。
実施例4
 次のものを含有する口紅を調製した(重量%):
− Reversacol Ruby                   0.05%
− ポリエチレンロウ                  15%
− フェニルシリコーン(DC556)             30%
− パーリーム油             合計で100%にする量
実施例5
 本発明に係る様々なフォトクロミック染料のΔE(2分間の紫外線照射の前と後)を、次のものを含有する白の口紅ベース剤中1重量%にて測定した:
− 2-オクチルドデカノール               0.5%
− 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム
で変性したへクトライト                 0.6%
− 液状ラノリン                   27.2%
− マイクロクリスタリンワックス           10.5%
− ポリグリセロール化(3モル)ミツロウ          4.2%
− アセチル化ラノリン                 6.7%
− アララ油(オレイン酸エステル)           13.5%
− オキシプロピレン化(5 OP)ラノリンロウ         6.7%
− エルカ酸オレイル                 13.5%
− オレイン-リノール-リノレン酸トリグリセリド     1.7%
− パルミチン-オレイン-リノール酸トリグリセリド   13.5%
− ヒアルロン酸ナトリウム               0.1%
− 保存料                       0.1%
− ビタミン                      0.5%
− 紫外線遮蔽剤                    0.7%
 1%の本発明に係る染料と99%の上記ベース剤を含有する組成物をこのようにして調製した。
 50ミクロンの厚みに広げた組成物に対して、照会名Form1A PenopacのLenetaブランドの対比カードを用いてL、a及びbの測定を実施した。反射の測定はミノルタ3700D分光比色計を用いて実施した。
 このようにして照射前の組成物の最初の色度座標(L、a及びb)を決定した。ついで、組成物に2分間、紫外線照射(2mW/cmフラックスのUVA照射)を行い、ついで照射を停止した直後に、照射後の色度座標(L、a及びb)を決定した。照射停止と新座標の決定の間は5秒未満であった。
 ついで、次の式からΔEを計算した:
    ΔE=[(L−L)+(a−a)+(b−b)]1/2
 次の結果が得られた:
Figure 2004137280
 約30よりも大なるΔEの測定値は、染料が明るい色を付与することを意味している;ここで試験した本発明に係る染料の場合には特にしかりであることが見出された。
実施例6
 本発明に係る染料のソルバトクロミズム、すなわち紫外線にさらさないで上記フォトクロミック染料の発色への油の性質の影響を実証するために、様々な油中に0.05重量%の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン(James RobinsonのReversacol Ruby)を含有する幾種かの簡単な混合物を調製した。
 このようにして、油のみの色度座標(L、a及びb)と油+染料の混合物の色度座標(L、a及びb)を決定し、次の式からΔE'を計算した:
    ΔE'=[(L−L)+(a−a)+(b−b)]1/2
 このために、プラスチックキュベット(「キュベット壁+油+任意の染料」光路長=1cm)を伴う透過モードでミノルタ3700D分光比色計を用いた。
 次の結果が得られた:
Figure 2004137280
 ソルバトクロミック効果がこのようにして観察された。すなわち、油による色調の変化は、油の極性が大きくなるのに比例して大きくなる。
実施例7
 実施例6で調製された混合物に紫外線(2mW/cmフラックスのUVA)を2分間照射した。照射後の混合物の色度座標(Lm’、am’及びbm’)を実施例2におけるようにして再び決定し、ΔEを次の式によって計算した:
    ΔE=[(Lm’−L)+(am’−a)+(bm’−b)]1/2
照射停止と新座標の決定の間は5秒未満であった。 
 次の結果が得られた:
Figure 2004137280
 このようにして、様々な油に溶解した染料に対してフォトクロミック効果が確かに存在していることが明らかになった。
実施例8
 15重量%のポリエチレンロウ(非極性ロウ)を、実施例6で調製された混合物(油+0.05重量%のReversacol Ruby染料)に加えた後、色度座標L、a及びbを、対比カード上に注がれた50ミクロン厚の組成物の薄膜に対しての2分間の紫外線(2mW/cmフラックスのUVA)の照射の前後に測定した。
 このために、反射モードでミノルタ3700D分光比色計を用いた:照射停止と新座標の決定の間は5秒未満であった。
 既に述べたようにして、ΔEを計算し、次の結果が得られた:
Figure 2004137280
 よって、フォトクロミック効果が構造化系、つまりロウの存在下でもなおも存在していることが分かった。
実施例9
 次のものを含有する非極性のリップグロスを調製した(重量%):
− Reversacol Ruby                 0.05%
− ポリブチレン(δ=0)             99.95%
 最初は非常に薄い鮭肉色のゲルが得られ、これは数秒間、太陽光へさらすと深い鮭肉色になった。フォトクロミック効果は出発組成物の色が少なく透明になると一層顕著になった。紫外線励起効果の速度と緩和速度は顕著であった。
実施例10
 次のものを含有する極性のリップグロスを調製した(重量%):
− Reversacol Ruby                 0.2%
− 2-オクチルドデカノール            10%
− ヒュームドシリカ                6%
− ヒマシ油              合計で100%にする量
− 油相のδ>7(J/cm1/2
 最初は暗いガーネット色の半増粘ゲルを得た。ソルバトクロミック効果は非常にはっきりしていた。
実施例11
 次のものを含有する口紅を調製した(重量%):
− Reversacol Ruby                 0.2%
− ポリエチレンロウ               15%
− 水添ポリイソブテン(δ=0)     合計で100%にする量
 最初の色が非常に薄いオレンジ−白色をしたスティックが得られ、これは数秒、太陽光へさらすと非常に強いダークオレンジになった。最初の色への復帰もまた迅速であった。
実施例12
 次のものを含有する口紅を調製した(重量%):
− Reversacol Ruby                 0.05%
− 2-オクチルドデカノール            10%
− 液状ラノリン油                10%
− ポリエチレンロウ               15%
− ヒマシ油               合計で100%にする量
 最初の色が薄いピンク色をしたスティックが得られ、これは数秒、太陽光へさらすと非常に強いダークオレンジになった。
 非常に大なるフォトクロミック効果が観察され、速度と色のない状態の復元において高品質の非励起状態への復帰が確認された(復帰は、励起のように、数秒で生じる)。

Claims (32)

  1.  化粧品として許容可能な媒体中に、少なくとも一の油相と、次の式(I)又は(II):
    Figure 2004137280
    [上式中、
    *R1は、
    −(i)水素原子;
    −(ii)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12、又は更には1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
    −(iii)結合「f」又は「gh」の一とR7基と共に炭化水素ベース環を形成するもの;あるいは
    −(iv)-COOR4、-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4から選択される基
     {ここで、
     −R2とR3は何れも互いに独立して、1から20、好ましくは1−12、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表すか、
    あるいは、それらが結合している窒素原子と共同して、3−10、好ましくは4−6の炭素原子と、場合によってはN、O、S、Si及びPから選択される1−5の他のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース複素環を形成し、該環には、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい少なくとも一の直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基が置換されていてもよく;
     −R4は、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、特にF、Br及び/又はClでハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよく、及び/又はN、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す};
    を表し;
    *R5とR6は、互いに独立して、
    −(i)次の式(IIa)又は(IIb):
    Figure 2004137280
    {上式中、NとXを含む環は全体で3から30原子、好ましくは4−10、より好ましくは5、6又は7原子を含む飽和環であって、窒素を含み、残りが炭素原子及び/又はO、S、Si及びPから選択されるヘテロ原子及び/又は-NH-及び-NR-(ここでRは1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)から選択される基であるものである}
    の飽和環状アミノアリール基;
    −(ii)次の式(III):
    Figure 2004137280
    {上式中、R10とR11は、互いに独立して、(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12、又は更には1−6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)又は-NO(ニトロ)基;(iv)水素原子;(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は前述した意味を持つ)から選択される基;(vi)R10及びR11基が共同して全体で5から8の原子(インドリン環の原子を含む)を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース環を形成し得、該原子がC、O、S及び/又はNR(ここで、RはH又は1から20の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)から選択されるもの;から選択される基を表す}
    のインドリノアリール基;
    −(iii)次の式(IV):
    Figure 2004137280
    (上式中、mとpは、互いに独立して2から5の範囲の整数である)
    の基;
    −(iv)次の式(Va)、(Vb)又は(Vc):
    Figure 2004137280
    {上式中、R8とR9は、互いに独立して、(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12、又は更には1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)又は-NO(ニトロ)基;(iv)水素原子;(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は前述した意味を持つ)から選択される基から選択される基を表す}
    の不飽和環状アミノアリール基;
    −(v)1から30、好ましくは2−18、より好ましくは3から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に-C-CONR2R3、-C-NR2R3及び-C-OR4(ここで、R2、R3及びR4は前述した意味を持つ)から選択される基;
    から選択される基を表し;
    *R7は、
    −(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
    −(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;
    −(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO(ニトロ)、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)又は-CONH(アミド)基;
    −(iv)水素原子;
    −(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は前述した意味を持つ)から選択される基;
    −(vi)R7基はまた結合「i」、「j」、「k」又はR1基を伴っての「g、h」の一と共同して、又はR1基と共に「f」と共同して、全体で3から8、好ましくは4から7、より好ましくは5又は6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい、飽和炭化水素ベース環を形成可能であるもの;
    から選択される基を表し;
    *R'1は、
    −(i)水素原子;
    −(ii)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
    −(iii)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は前述した意味を持つ)から選択される基;
    から選択される基を表し;
    *R'2は、
    −(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
    −(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;
    −(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO(ニトロ)、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)又は-CONH(アミド)基;
    −(iv)水素原子;
    −(v)-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は前述した意味を持つ)から選択される基;
    から選択される基を表す]
    の少なくとも一のフォトクロミック有機染料とを含有し、該有機染料が組成物の油相に可溶性である化粧品組成物。
  2.  フォトクロミック有機染料が次の式(Ia)及び(IIa):
    Figure 2004137280
    (上式中、R1、R5、R6、R7、R'1及びR'2は請求項1に記載のものである)
    の一に相当する、請求項1に記載の組成物。
  3.  R1が、水素原子;結合「f」又は「gh」の一とR7基と共同して炭化水素ベース環を形成するもの;又は-COOR4、-NR2R3、-OR4及び-SR4から選択される基
     (ここで、
      −R2とR3は何れも互いに独立して、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表すか、
    あるいは、それらが結合している窒素原子と共同して、3−10、好ましくは4−6の炭素原子と、場合によってはN、O、S、Si及びPから選択される1−5の他のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース複素環を形成し、該環には、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい少なくとも一の直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基が置換されていてもよく;
      −R4は、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよく、及び/又はN、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)
    を表す、請求項1又は2に記載の組成物。
  4.  R5とR6が、互いに独立して、
    −次の式(IIa)又は(IIb):
    Figure 2004137280
    {上式中、NとXを含む環は全体で3から30、好ましくは4−10、より好ましくは5、6又は7の原子を含む飽和環であって、窒素を含み、残りが炭素原子及び/又はO、S、Si及びPから選択されるヘテロ原子及び/又は-NH-及び-NR-(ここでRは1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)から選択される基であるものである}
    の飽和環状アミノアリール基;
    −1から30、好ましくは2−18、より好ましくは3から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に-C-CONR2R3、-C-NR2R3及び-C-OR4(ここで、R2、R3及びR4は請求項1に記載した意味を持つ)から選択される基;
    から選択される基を表す、請求項1ないし3の何れか1項に記載の組成物。
  5.  R7が、
    −(i)1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;
    −(ii)ハロゲン原子、特にF、Br及び/又はCl;
    −(iii)-CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO(ニトロ)、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)又は-CONH(アミド)基;
    −(iv)水素原子;
    −(v)-NR2R3、-OR4及び-SR4(ここで、R2、R3及びR4は請求項1に記載の意味を持つ)から選択される基;
    −(vi)R7基はまた結合「i」、「j」、「k」又はR1基を伴っての「g、h」の一と共同して、又はR1基と共に「f」と共同して、全体で3から8、好ましくは4から7、より好ましくは5又は6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい、飽和炭化水素ベース環を形成可能であるもの;
    から選択される基を表す、請求項1ないし4の何れか1項に記載の組成物。
  6.  R'1は、水素又は1から30、好ましくは1−18、より好ましくは1から12の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び/又は、特にF、Br及び/又はClで、ハロゲン化もしくはペルハロゲン化されていてもよい、直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す、請求項1ないし5の何れか1項に記載の組成物。
  7.  R'2が、水素又は-NO、-NR2R3及び-C(O)NR2R3(ここで、R2とR3は何れも互いに独立して、1から20、好ましくは1−12、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表すか;
    あるいは、それらが結合している窒素原子と共同して、3−10、好ましくは4−6の炭素原子と、場合によってはN、O、S、Si及びPから選択される1−5の他のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素ベース複素環を形成し、該環には、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい少なくとも一の直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基が置換されていてもよいものを表す)から選択される基を表す、請求項1ないし6の何れか1項に記載の組成物。
  8.  有機染料は、
    *R1が、水素;又はRが1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基である-COOR基;あるいは基
    Figure 2004137280
    を表し、及び/又は
    *R5とR6が、互いに独立して、(i)次の式(IIa):
    Figure 2004137280
    (上式中、NとXを含む環は全体で4から7原子、特に5又は6原子を含む飽和環であって、窒素と特に3−5の炭素原子と0−1の酸素原子を含むものである)の基;特に次の式:
    Figure 2004137280
    の基、又は(ii)5から14、好ましくは6から10の炭素原子を含み、N、O及びSから選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に次の式:
    Figure 2004137280
    の基(ここで、Rは1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基であり;R2とR3は、互いに独立して、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)の何れかを表すか;
    及び/又は
    *R7基が水素原子又は基-NR2R3(ここで、R2とR3は、互いに独立して、1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素ベース基、特にメチル及び/又はエチル基を表す)を表す、式(I)又は(Ia)のものである、請求項1ないし7の何れか1項に記載の組成物。
  9.  有機染料は、
    *R'1が、水素又はRが1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基である-COOR基を表し;
    及び/又は
    *R5とR6が、互いに独立して、(i)次の式(IIa):
    Figure 2004137280
    (上式中、NとXを含む環は全体で4から7の原子、特に5から6の原子を含む飽和環であって、窒素と特に4−5の炭素原子と0−1の酸素原子を含むものである)の基;特に次の式:
    Figure 2004137280
    の基、又は(ii)5から14、好ましくは6から10の炭素原子を含み、N、O及びSから選択される1又は2のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基;特に次の式:
    Figure 2004137280
    の基(ここで、Rは1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む飽和炭化水素ベース基、特にメチル又はエチル基であり;R2とR3は、互いに独立して、1から20、好ましくは1−15、より好ましくは1から6の炭素原子を含み、N、O、S、Si及びPから選択される1から5のヘテロ原子を含んでいてもよい直鎖状、分枝状又は環状で、飽和又は不飽和の炭化水素ベース基を表す)の何れかを表すか;
    及び/又は
    *R'2基が水素又は基-NR'R"(ここで、R'とR"は、同一でも異なっていてもよく、1から12、好ましくは1−6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素ベース基、特にメチル及び/又はエチル基を表す);又は次の式:
    Figure 2004137280
    の基を表す、式(II)又は(IIa)のものである、請求項1ないし7の何れか1項に記載の組成物。
  10.  有機染料が、
    − 次の式:
    Figure 2004137280
    の3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
    − 次の式:
    Figure 2004137280
    の3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
    − 次の式:
    Figure 2004137280
    の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-モルホリノ-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
    − 次の式:
    Figure 2004137280
    の3-フェニル-3-(4-ピペリジノフェニル)-6-メトキシカルボニル-9-N-ジメチル-3H-ナフト[2,1-b]ピラン
    − 次の式:
    Figure 2004137280
    の2-フェニル-2-(4-ピペリジノフェニル)-5-メトキシカルボニル-9-N-ジメチル-2H-ナフト[2,1-b]ピラン
    − それらの混合物、
    から選択される、請求項1ないし9の何れか1項に記載の組成物。
  11.  請求項1ないし10の何れか1項に記載の有機染料が、化粧品組成物の全重量に対して0.001重量%から20重量%、特に0.005重量%から10重量%、好ましくは0.01重量%から4.8重量%、更に好ましくは0.05重量%から3重量%、最も好ましくは0.1重量%から2重量%の量にて単独でもしくは混合物として含有せしめられる、請求項1ないし10の何れか1項に記載の組成物。
  12.  油相が極性であり、25℃でのそのハンセン溶解空間の平均溶解パラメータδが5.0(J/cm1/2以上、特に5.3以上、又は更には5.5以上、より好ましくは6.0(J/cm1/2以上、又は更に好ましくは7.0(J/cm1/2以上である、請求項1ないし11の何れか1項に記載の組成物。
  13.  油相が、25℃でのハンセン溶解空間の平均溶解パラメータδが5.0(J/cm1/2以上である一又は複数の極性油を、該油相の全重量に対して5重量%から100重量%、特に10−90重量%、又は好ましくは15−60重量%、更に好ましくは20−50重量%含有する、請求項1ないし12の何れか1項に記載の組成物。
  14.  油相が非極性であり、25℃でのそのハンセン溶解空間の平均溶解パラメータδが5.0未満、特に4.9以下、より好ましくは4.5以下、更に好ましくは4.0(J/cm1/2以下である、請求項1ないし11の何れか1項に記載の組成物。
  15.  油相が、25℃でのハンセン溶解空間の平均溶解パラメータδが5.0(J/cm1/2未満である一又は複数の非極性油を、該油相の全重量に対して5重量%から100重量%、特に10−90重量%、又は好ましくは15−60重量%、更に好ましくは20−50重量%含有する、請求項1ないし11及び14の何れか1項に記載の組成物。
  16.  油相が、
    − ポリオールの脂肪酸エステルからなる動物性又は植物性油、特に、液状トリグリセリド、例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、ゼニアオイ油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、アルモンド油又はアボカド油;魚油又はトリカプロカプリル酸グリセリル、又はRが7から19の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表し、Rが3から20の炭素原子を有する分枝状の炭化水素ベース鎖を表す式RCOORの植物性又は動物性油、例えばパーセリン(Purcellin)油;流動パラフィン、流動ワセリン、ビューティーリーフ油、マカダミア油、菜種油、ヤシ油、グランドナッツ油、パーム油、ヒマシ油、ホホバ油、オリブ油又は穀物胚芽油;シアー脂油;ペルヒドロスクアレン;
    − 合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸のもの、例えばRが7から29の炭素原子を含む高級脂肪酸残基を表し、Rが3から30の炭素原子を含む炭化水素ベース鎖を表す式RCOORの油、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル又はイソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、及び脂肪アルキルヘプタノアート、オクタノアート及びデカノアート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノアート、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート又はジエチレングリコールジイソノナノアート;ペンタエリトリトールエステル、例えばテトライソステアリン酸ペンタエリトリチル;トリメリット酸トリデシルのようなタイプのエステル;
    − 12〜26の炭素原子を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール又はオレイルアルコール;
    − 鉱物又は合成由来の直鎖状又は分枝状炭化水素、例えば流動パラフィンとその誘導体、ワセリン、ポリデセン、及び水添ポリイソブテン、例えばパーリーム(parleam);イソパラフィン、例えばイソヘキサデカン及びイソデカン;
    − グリセリド、特に4から10の炭素原子を含む脂肪酸のトリグリセリド又はアセチルグリセリド、例えばヘプタン酸、オクタン酸及びカプリン/カプリル酸トリグリセリド;
    から選択される少なくとも一の油を含有する、請求項1ないし15の何れか1項に記載の組成物。
  17.  油相が、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、オレイルアルコール、ヒマシ油、リンゴ酸ジイソステアリル、トリヘプタン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、カプリン/カプリル酸トリグリセリド、トリイソノナノイン、トリメリット酸トリデシル、脂肪族炭化水素、特にC6−C40のもの、例えばイソヘキサデカン又はイソドデカンのような揮発性流動パラフィン、又は非揮発性流動パラフィン、及びそれらの誘導体;ワセリン、水添又は非水添ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばパーリーム油、スクアラン、ポリブチレン及びイソノナン酸イソノニル;フルオロ油、特にパーフルオロ油、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも一の油を含有する、請求項1ないし16の何れか1項に記載の組成物。
  18.  油相が、次の式(VI):
    Figure 2004137280
    (上式中、
    − R1ないしR10は、互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、環状又は分枝状のC1−C30炭化水素ベース基であり、
    − m、n、p及びqは、互いに独立して、0から900の間の整数であって、「m+n+q」の合計が0ではない)
    の少なくとも一のフェニルシリコーン油又はその油の混合物を含有する、請求項1ないし11の何れか1項に記載の組成物。
  19.  式(VI)のフェニルシリコーン油において、「m+n+q」の合計が1から100であり、及び/又は「m+n+p+q」の合計が1から900、好ましくは1から800である、請求項18に記載の組成物。
  20.  フェニルシリコーン油が、次の式(VII):
    Figure 2004137280
    (上式中、
    − R1からR6は、互いに独立して、飽和又は不飽和で、直鎖状、環状又は分枝状のC1−C30炭化水素ベース基であり、
    − m、n及びpは、互いに独立して、0から100の間の整数であって、「n+m」の合計が1から100である)
    のものである、請求項18又は19に記載の組成物。
  21.  式(VI)及び(VII)において、R1からR6が、互いに独立して、飽和した直鎖状又は分枝状C1−C30、特にC1−C12の、炭化水素ベース基、特にメチル、エチル、プロピル又はブチル基を表す、請求項18ないし20の何れか1項に記載の組成物。
  22.  式(VI)及び(VII)において、R1からR6が同一でメチル基である、請求項18ないし21の何れか1項に記載の組成物。
  23.  フェニルシリコーン油が、フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン及びジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及びその混合物から選択される、請求項18ないし22の何れか1項に記載の組成物。
  24.  フェニルシリコーン油が、化粧品組成物の全重量に対して、1−99重量%、特に5−90重量%、好ましくは7−50重量%、あるいは更には12−40重量%の量で存在している、請求項18ないし23の何れか1項に記載の組成物。
  25.  組成物の油相が、化粧品組成物の全重量に対して、0.1−50重量%、特に4−30重量%、好ましくは10−25重量%の量で存在しうる、一又は複数の他の更なる化粧品として許容される極性又は非極性で、揮発性又は非揮発性の、シリコーンベース又は炭化水素ベースの油を含有している、請求項18ないし24の何れか1項に記載の組成物。
  26.  油相が、化粧品組成物の全重量に対して1重量%から99重量%、特に10重量%から90重量%、好ましくは15重量%から80重量%の量で含有せしめられる、請求項1ないし25の何れか1項に記載の組成物。
  27.  ロウ、ガム及び/又はペースト状脂肪物質で、動物、植物、鉱物又は合成由来のもの、及びそれらの混合物から選択される他の脂肪物質;及び/又は、顔料、真珠光沢剤、フィラー、染料及び/又は他のフォトクロミック化合物を含有していてもよい粒状相;及び/又は紫外線遮蔽剤;及び/又は水性相;及び/又は界面活性剤及び/又は増粘剤及び/又は皮膜形成ポリマーを更に含有する、請求項1ないし26の何れか1項に記載の組成物。
  28.  ΔEの値が、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは25以上、更に好ましくは35、又は更には45以上である、請求項1ないし27の何れか1項に記載の組成物。
  29.  ボディ又は顔の肌、唇及び毛髪のための手入れ及び/又はメークアップ製品、抗日光製品又は自己サンタン製品、又は毛髪用製品の形態である、請求項1ないし28の何れか1項に記載の組成物。
  30.  口紅、ファンデーション、メークアップルージュ、アイシャドウ、フリー又は圧密パウダー、ティンテッドクリーム、ボディメークアップ製品、皮膚着色製品、アイライナー又はマスカラの形態である、請求項1ないし29の何れか1項に記載の組成物。
  31.  粘膜、半粘膜、皮膚及び/又は外皮から選択される支持体を処理する美容方法において、請求項1ないし30の何れか1項に記載の化粧品組成物を上記支持体に塗布する方法。
  32.  粘膜、半粘膜、皮膚及び/又は外皮から選択される支持体に対するメークアップ及び/又は一時的な着色方法において、請求項1ないし30の何れか1項に記載の化粧品組成物を上記支持体に塗布する方法。
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