JP2004136799A - ドアウエザストリップの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形の困難さや外観品質の悪化を伴うことなく、取付安定性を確保し、もってシール性を十分に確保することの可能なドアウエザストリップの取付構造を提供する。
【解決手段】サッシュレスタイプのフロントドアは、金属製のドアインナパネルを備えており、その外周に沿ってドアウエザストリップが取付けられている。ドアウエザストリップのフロント側の型成形部7の上端部分には、中空状のシール部22に連続するようにして断面略U字状のソケット部28が形成されている。ソケット部28は、ドアミラーブラケットの前端下部を外嵌被覆する。ソケット部28の近傍位置には、延出部29が一体形成されている。延出部29が、ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとドアインナパネル2とで強固に挟持固定される。
【選択図】 図4
【解決手段】サッシュレスタイプのフロントドアは、金属製のドアインナパネルを備えており、その外周に沿ってドアウエザストリップが取付けられている。ドアウエザストリップのフロント側の型成形部7の上端部分には、中空状のシール部22に連続するようにして断面略U字状のソケット部28が形成されている。ソケット部28は、ドアミラーブラケットの前端下部を外嵌被覆する。ソケット部28の近傍位置には、延出部29が一体形成されている。延出部29が、ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとドアインナパネル2とで強固に挟持固定される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられるドアウエザストリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、サッシュレスドアのドアパネル周縁には、ドアウエザストリップが取付けられる。該ドアウエザストリップの大部分は押出成形部よりなり、ドアパネルに取付けられる取付基部と、該取付基部に一体形成された中空状のシール部とを備えている。そして、ドアが閉じられたときに、前記シール部が変形することでボディ及びドア間がシールされる。かかるドアウエザストリップの長手方向の前後両端部は、型成形部よりなる。
【0003】
フロントドアに設けられるドアウエザストリップにあっては、フロント側の型成形部は、丁度ドアミラーブラケットに対応する。つまり、ドアミラーブラケットとドアウエザストリップとがそれぞれ別体で構成されるような場合には、両者間に境界部分が存在することとなる。従って、ドアウエザストリップのフロント側の型成形部にあっては、ボディ側(例えばボディ側のウエザストリップ)とのシール性のみならず、ドアミラーブラケットとのシール性をも考慮する必要がある。
【0004】
従来では、ドアウエザストリップのフロント側端部にソケット部を形成するとともに、該ソケット部で、ドアミラーブラケットの前端縁をシールすることが行われている。ここで、型成形部は、ドアパネルに対し、クリップ等で固定されるのが一般的ではあるが、ソケット部近傍においては、ドアパネルにクリップ用の孔を形成できないケースがある。この場合、ソケット部における取付安定性が損なわれ、シールが不十分となってしまうおそれがある。
【0005】
これに対し、前記ソケット部の両側部内面に円柱状の係止突起を形成する一方、ドアミラーブラケット(ここではコーナーピース)に係止孔を形成して、これら係止孔に前記係止突起を嵌合、係止せしめることで、ソケット部の取付安定性を図る技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−238262号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、比較的薄肉のソケット部に対し、非常に厚肉の係止突起を形成しなければならない。そして、このように肉厚差があると、型成形が著しく困難となってしまうおそれがある。つまり、成形に際し、金型のキャビティ内において、ゴム材料が隅々にまで行き渡らずに成形不良を起こしてしまうおそれがある。
【0008】
また、この種のドアウエザストリップにおける型成形部は、発泡又は微発泡ゴム材料により構成されるのが一般的であるが、係止突起に対応する部分が非常に厚肉となっているため、所謂「ヒケ」が発生したり、気泡が表面部位に集まって所謂「肌荒れ」が起こったりするおそれがある。その結果、仮に成形できたとしても外観品質の著しい低下を招いてしまうおそれがある。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、成形の困難さや外観品質の悪化を伴うことなく、取付安定性を確保し、もってシール性を十分に確保することの可能なドアウエザストリップの取付構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0011】
手段1.サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられ、少なくともフロント端末においては、ドアミラーブラケットの前端下部を被覆してシールするためのソケット部を有する型成形部を具備してなるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記型成形部に、前記ソケット部側方においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部を設け、該延出部を前記ドアパネルと、前記ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとで挟持したことを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
【0012】
手段1によれば、ドアウエザストリップのフロント端末の型成形部は、ソケット部を有しており、該ソケット部で、ドアミラーブラケットの前端下部が被覆されシールされる。手段1では、型成形部には、ソケット部側方においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部が設けられており、該延出部がドアパネルと、ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとで挟持される。このため、例えばドアパネルにクリップ用孔を設けられない等の事情があるときでも、両面接着テープ等の別途の取着手段を用いることなく、ソケット部の側方が強固に位置決め固定される。従って、ソケット部と、ドアミラーブラケットの前端下部との間のシール性を十分に確保することができる。しかも、ドアウエザストリップに関しては延出部を設けるという構成により、上記作用効果が奏されることから、極端な厚肉部を設けたりする必要がない。結果として、肉厚差によって、成形が困難となってしまったり、外観品質の悪化を招いたりするといった不具合を防止することができる。
【0013】
手段2.サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられ、少なくともフロント端末においては、ドアミラーブラケットの前端下部を外嵌被覆してシールするための断面略U字状のソケット部を有する型成形部を具備してなるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記型成形部に、前記ソケット部近傍においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部を設け、該延出部を前記ドアパネルと、前記ドアミラーブラケットの車内側に取付けられる樹脂製のインナカバーとで挟持固定し、前記ソケット部のシール性を高めたことを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
【0014】
手段2によれば、ドアウエザストリップのフロント端末の型成形部は、断面略U字状のソケット部を有しており、該ソケット部で、ドアミラーブラケットの前端下部が外嵌被覆されシールされる。手段2では、型成形部には、ソケット部近傍においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部が設けられており、該延出部がドアパネルと、ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとで挟持固定され、これにより、ソケット部のシール性が高められる。このため、例えばドアパネルにクリップ用孔を設けられない等の事情があるときでも、両面接着テープ等の別途の取着手段を用いることなく、ソケット部の近傍が強固に位置決め固定される。従って、ソケット部がぐらついたりすることなく、ソケット部と、ドアミラーブラケットの前端下部との間のシール性を十分に確保することができる。しかも、ドアウエザストリップに関しては延出部を設けるという構成により、上記作用効果が奏されることから、極端な厚肉部を設けたりする必要がない。結果として、肉厚差によって、成形が困難となってしまったり、外観品質の悪化を招いたりするといった不具合を防止することができる。
【0015】
手段3.前記延出部は、少なくとも前記ドアパネルと、前記インナカバーとの間において略平行に延びる平板部を有していることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0016】
手段3によれば、延出部は、少なくともドアパネルと、インナカバーとの間において略平行に延びる平板部を有しているため、該平板部がドアパネルとインナカバーとの間で比較的均等の挟持力を受けやすく、延出部の挟持状態の一層の安定化を図ることができる。結果として、ソケット部によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を飛躍的に高めることができる。
【0017】
手段4.前記平板部のうち、少なくとも一部は、前記インナカバーの取付方向に略直交していることを特徴とする手段3に記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0018】
手段4によれば、平板部のうち、少なくとも一部には、インナカバーからの取付力が直接加えられることとなる。そのため、延出部の挟持状態の一層の安定化を図ることができ、結果として、ソケット部によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を飛躍的に高めることができる。
【0019】
手段5.前記延出部は、断面略L字状をなしており、共に断面略L字状をなす前記ドアパネルと、前記インナカバーとで挟持固定されるようにしたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
【0020】
手段5によれば、断面略L字状をなす延出部が、断面略L字状をなすドアパネルと、断面L字状をなすインナカバーとで挟持固定される。従って、相直交する2方向からの挟持力により、延出部がより一層強固に挟持固定される。その結果、ソケット部によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を一層飛躍的に高めることができる。
【0021】
手段6.少なくとも前記型成形部は、発泡又は微発泡弾性材料により構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0022】
手段6のように、少なくとも型成形部が発泡又は微発泡弾性材料により構成されている場合、部位による肉厚差が極端に大きいと、成形困難、外観品質の悪化等の不具合が懸念されるところである。この点、上述したように、ドアウエザストリップに関しては延出部を設けるだけでよいため、つまり、極端に厚肉の突起等を設ける必要がないため、やむなく肉厚差が生じてしまうという事態が起こりにくい。その結果、発泡又は微発泡弾性材料により構成されていても、成形困難、外観品質の悪化等の不具合を払拭できる。
【0023】
手段7.前記型成形部は、前記ソケット部よりも下方位置で、前記ドアパネルにクリップで固定されていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0024】
手段7によれば、型成形部は、ソケット部の存在する上部においては、延出部の挟持により固定され、ソケット部よりも下方位置においては、クリップで固定される。その結果、型成形部の下部に対応するドアパネルにおいてクリップ用孔を設けることができる事情がある場合には、上記構成を採用することで、比較的簡易な構成で、ドアウエザストリップの取付安定性を図ることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1,2に示すように、自動車にはフロントドア1が開閉可能に設けられている。本実施の形態におけるフロントドア1は、ベルトラインよりも上方にサッシュが設けられていない、所謂サッシュレスタイプのものである。かかるフロントドア1は、ドアパネルとしての金属製のドアインナパネル2(図5,6等参照)を備えており、その外周に沿って、ドアウエザストリップ3が取付けられている。ドアウエザストリップ3は、その長手方向に沿った大部分が押出成形部4によって構成されている。押出成形部4は、ドアインナパネル2に取付けられる取付基部5と、該取付基部5に一体形成された中空状のシール部6とを備えている(いずれも図3参照)。取付基部5には、所定間隔毎に図示しないクリップが設けられており、該クリップがドアインナパネル2の図示しないクリップ用孔に嵌め込まれ、押出成形部4がドアインナパネル2に取付けられる。
【0027】
そして、フロントドア1が閉じられたときに、前記シール部6等が変形することでボディ及びフロントドア1間がシールされる。また、かかるドアウエザストリップ1の長手方向の前後両端部は、前記押出成形部4に型接続されてなる型成形部7,8により構成されている。本実施の形態では、押出成形部4及び型成形部7,8ともに、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)スポンジゴムによって構成されている。
【0028】
なお、前記フロントドア1開口周縁に沿って、ボディ側には環状又は略環状のボディ側ウエザストリップ(図示略)が取付けられている。
【0029】
また、フロントドア1の前端部分のベルトライン直上部には、図示しないドアミラーを取着するためのドアミラーブラケット11が取付けられている。周知のとおり、ドアミラーブラケット11は、略直角三角形状をなし、その後端側の一辺は、ドアガラスGの昇降に際し該ドアガラスG前端縁が摺動しうるガラスラン部となっている。また、ドアミラーブラケット11の斜辺部分には、前記ボディ側ウエザストリップのシール部が当接可能となっている。
【0030】
上記ドアミラーブラケット11の車外側には、前述したようにドアミラーが取着される。一方、ドアミラーブラケット11の車内側には、樹脂製のインナカバー12が取付けられ、これにより美感の向上が図られている。
【0031】
本実施の形態では、ドアウエザストリップ3とドアミラーブラケット11とがそれぞれ別体で構成されているとともに、それぞれ連なって配設される。それ故、ドアウエザストリップ3にあっては、ボディ側(例えばボディ側ウエザストリップ)とのシール性のみならず、ドアミラーブラケット11とのシール性をも確保する必要性がある。
【0032】
そこで、本実施の形態においては、ドアウエザストリップ3のフロント側の型成形部7が、次のように構成されている。すなわち、フロント側の型成形部7は、前記押出成形部4の上端部に接続成形されている。図4に示すように、型成形部7のうち、押出成形部4側の下部は、該押出成形部4とほぼ同様の断面形状となっており、前記取付基部5及びシール部6に連続する取付基部21及び中空状のシール部22を有している。また、型成形部7は、押出成形部6との境界よりも幾分上方において、拡幅形成された取付部23,24を有している。一方の取付部23は略三角形状をなし、図示しない両面接着テープによって前記ドアインナパネル2に取着されている。また、他方の取付部24は、断面L字状に形成され、そのほぼ先端部分にクリップ用穴25が形成されている。
【0033】
図5に示すように、該クリップ用穴25には、クリップ26が取付固定され、該クリップ26の先端が、ドアインナパネル2のクリップ用孔27に嵌め込まれることで、該取付部24がドアインナパネル2に取着されている。
【0034】
さらに、型成形部7の上端部分には、前記中空状のシール部22に連続するようにして断面略U字状のソケット部28が形成されている。このソケット部28は、前記ドアミラーブラケット11の前端下部を外嵌被覆するものである。すなわち、図2,7に示すように、ドアウエザストリップ3の取付に際し、ドアミラーブラケット11の前端下部が、ソケット部28にて外嵌被覆されることで、ドアミラーブラケット11の前端下部及びドアウエザストリップ3の上端部間が隙間なくシールされるようになっている。
【0035】
さて、図4,6,7に示すように、前記ソケット部28の近傍位置であって、前記他方の取付部24の上端部分には、さらに上方(斜め上方)へ向かって延長形成された延出部29が一体的に形成されている。該延出部29は、ドアインナパネル2の断面形状に沿うようにして断面L字状をなしている。換言すれば、延出部29は、断面L字状のドアインナパネル2と平行な2つの平板部を有しており、それらが互いに直交して一体形成されたものと捉えることもできる。
【0036】
そして、本実施の形態では、該延出部29が、前記ドアミラーブラケット11の車内側に取付けられるインナカバー12で被覆されるようになっている。つまり、ドアウエザストリップ3の取付に際し、延出部29がドアインナパネル2に沿って配設され、さらにその上からインナカバー12が取付けられる。これにより、延出部29が、ドアインナパネル2とインナカバー12とで強固に挟持固定されている。
【0037】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、ドアウエザストリップ3のフロント端末の型成形部7に設けられたソケット部28で、ドアミラーブラケット11の前端下部が外嵌被覆されシールされる。また、型成形部7には、ソケット部28の側方近傍において延出部29が設けられている。そして、ドアウエザストリップ3がドアインナパネル2に取付けられた後、ドアミラーブラケット11の車内側においてインナカバー12が取付けられるのであるが、この取付に伴い、前記延出部29がドアインナパネル2と、インナカバー12とで挟持固定される。このため、ソケット部28の安定化、不動性が確保され、シール性が向上する。
【0038】
それ故、例えば型成形部7の上部に対応するドアインナパネル2にクリップ用孔を設けられない等の事情があるときでも、両面接着テープ等の別途の取着手段を用いることなく、ソケット部28の近傍が強固に位置決め固定される。従って、ソケット部28がぐらついたりすることなく、ソケット部28と、ドアミラーブラケット11の前端下部との間のシール性を十分に確保することができる。
【0039】
しかも、ドアウエザストリップ3に関しては、延出部29を設けるだけでよく、極端な厚肉部を設けたりする必要がない。結果として、肉厚差に起因して、成形が困難となってしまったり、外観品質の悪化を招いたりするといった不具合を防止できる。特に、型成形部7は、EPDMスポンジゴムにより構成されており、この場合、部位による肉厚差が極端に大きいと、外観品質の悪化等の不具合が懸念されるところである。これに対し、本実施の形態では、極端に厚肉の突起等を設ける必要がないため、やむなく肉厚差が生じてしまうという事態が起こりにくい。その結果、外観品質の悪化等の不具合をより確実に払拭できる。
【0040】
また、延出部29は、2つの平板部を有しており、ドアインナパネル2とインナカバー12との間で比較的均等の挟持力を受けやすく、延出部の挟持状態の一層の安定化を図ることができる。
【0041】
さらに、延出部29は、断面略L字状をなしており、共に断面略L字状をなすドアインナパネル2と、インナカバー12とで挟持固定される。従って、相直交する2方向からの挟持力により、延出部29がより一層強固に挟持固定される。結果として、ソケット部28によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を一層飛躍的に高めることができる。
【0042】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0043】
(a)上記実施の形態では、断面略L字状の延出部29を採用することとしているが、単なる1枚の平板状の延出部を採用してもよい。この場合、インナカバー12の取付方向に直交する面を有していることとしてもよいし、取付方向に平行な面を有していることとしてもよい。前者の場合には、取付方向への力をそのまま挟持力として用いることができるという点でメリットがある。
【0044】
(b)また、延出部としては1つのものに限られず、複数延長形成することで構成してもよい。
【0045】
(c)両面接着テープ等の貼着手段を一切設けないで、型成形部7をドアインナパネル2に取付ける構成を採用してもよい。
【0046】
(d)場合によっては、クリップ26等を省略した構成としてもよい。
【0047】
(e)上記実施の形態では、フロント端末の型成形部7とリヤ端末の型成形部8とが、押出成形部4で接続されてなるドアウエザストリップ3に具体化されているが、押出成形部が途中で分断されたタイプのドアウエザストリップに具体化することも可能である。
【0048】
(f)上記実施の形態ではドアウエザストリップ3を構成する素材としてEPDMスポンジゴムを例示しているが、IR(イソブレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の他のゴム材料を用いてもよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等のゴム状弾性を有する他の弾性材料により構成してもよい。
【0049】
(g)上記実施の形態では、インナカバー12として樹脂製のものを採用しているが、所定の強度、剛性を有するものであれば、他の素材(例えば木材、金属等)により構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態において自動車のフロントドアを示す側面図である。
【図2】ドアウエザストリップを模式的に示す側面図である。
【図3】ドアウエザストリップの押出成形部を示す断面図である。
【図4】ドアウエザストリップの型成形部を示す斜視図である。
【図5】ドアウエザストリップの取付構造を示す図4のJ−J線断面図である。
【図6】ドアウエザストリップの取付構造を示す図4のK−K線断面図である。
【図7】ドアウエザストリップの取付構造を模式的に示す図4のL−L線断面図である。
【符号の説明】
1…フロントドア、2…ドアパネルとしてのドアインナパネル、3…ドアウエザストリップ、4…押出成形部、7…型成形部。11…ドアミラーブラケット、12…インナカバー、25…クリップ用穴、26…クリップ、27…クリップ用孔、28…ソケット部、29…延出部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられるドアウエザストリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、サッシュレスドアのドアパネル周縁には、ドアウエザストリップが取付けられる。該ドアウエザストリップの大部分は押出成形部よりなり、ドアパネルに取付けられる取付基部と、該取付基部に一体形成された中空状のシール部とを備えている。そして、ドアが閉じられたときに、前記シール部が変形することでボディ及びドア間がシールされる。かかるドアウエザストリップの長手方向の前後両端部は、型成形部よりなる。
【0003】
フロントドアに設けられるドアウエザストリップにあっては、フロント側の型成形部は、丁度ドアミラーブラケットに対応する。つまり、ドアミラーブラケットとドアウエザストリップとがそれぞれ別体で構成されるような場合には、両者間に境界部分が存在することとなる。従って、ドアウエザストリップのフロント側の型成形部にあっては、ボディ側(例えばボディ側のウエザストリップ)とのシール性のみならず、ドアミラーブラケットとのシール性をも考慮する必要がある。
【0004】
従来では、ドアウエザストリップのフロント側端部にソケット部を形成するとともに、該ソケット部で、ドアミラーブラケットの前端縁をシールすることが行われている。ここで、型成形部は、ドアパネルに対し、クリップ等で固定されるのが一般的ではあるが、ソケット部近傍においては、ドアパネルにクリップ用の孔を形成できないケースがある。この場合、ソケット部における取付安定性が損なわれ、シールが不十分となってしまうおそれがある。
【0005】
これに対し、前記ソケット部の両側部内面に円柱状の係止突起を形成する一方、ドアミラーブラケット(ここではコーナーピース)に係止孔を形成して、これら係止孔に前記係止突起を嵌合、係止せしめることで、ソケット部の取付安定性を図る技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−238262号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記技術では、比較的薄肉のソケット部に対し、非常に厚肉の係止突起を形成しなければならない。そして、このように肉厚差があると、型成形が著しく困難となってしまうおそれがある。つまり、成形に際し、金型のキャビティ内において、ゴム材料が隅々にまで行き渡らずに成形不良を起こしてしまうおそれがある。
【0008】
また、この種のドアウエザストリップにおける型成形部は、発泡又は微発泡ゴム材料により構成されるのが一般的であるが、係止突起に対応する部分が非常に厚肉となっているため、所謂「ヒケ」が発生したり、気泡が表面部位に集まって所謂「肌荒れ」が起こったりするおそれがある。その結果、仮に成形できたとしても外観品質の著しい低下を招いてしまうおそれがある。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、成形の困難さや外観品質の悪化を伴うことなく、取付安定性を確保し、もってシール性を十分に確保することの可能なドアウエザストリップの取付構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0011】
手段1.サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられ、少なくともフロント端末においては、ドアミラーブラケットの前端下部を被覆してシールするためのソケット部を有する型成形部を具備してなるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記型成形部に、前記ソケット部側方においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部を設け、該延出部を前記ドアパネルと、前記ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとで挟持したことを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
【0012】
手段1によれば、ドアウエザストリップのフロント端末の型成形部は、ソケット部を有しており、該ソケット部で、ドアミラーブラケットの前端下部が被覆されシールされる。手段1では、型成形部には、ソケット部側方においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部が設けられており、該延出部がドアパネルと、ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとで挟持される。このため、例えばドアパネルにクリップ用孔を設けられない等の事情があるときでも、両面接着テープ等の別途の取着手段を用いることなく、ソケット部の側方が強固に位置決め固定される。従って、ソケット部と、ドアミラーブラケットの前端下部との間のシール性を十分に確保することができる。しかも、ドアウエザストリップに関しては延出部を設けるという構成により、上記作用効果が奏されることから、極端な厚肉部を設けたりする必要がない。結果として、肉厚差によって、成形が困難となってしまったり、外観品質の悪化を招いたりするといった不具合を防止することができる。
【0013】
手段2.サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられ、少なくともフロント端末においては、ドアミラーブラケットの前端下部を外嵌被覆してシールするための断面略U字状のソケット部を有する型成形部を具備してなるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記型成形部に、前記ソケット部近傍においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部を設け、該延出部を前記ドアパネルと、前記ドアミラーブラケットの車内側に取付けられる樹脂製のインナカバーとで挟持固定し、前記ソケット部のシール性を高めたことを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
【0014】
手段2によれば、ドアウエザストリップのフロント端末の型成形部は、断面略U字状のソケット部を有しており、該ソケット部で、ドアミラーブラケットの前端下部が外嵌被覆されシールされる。手段2では、型成形部には、ソケット部近傍においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部が設けられており、該延出部がドアパネルと、ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとで挟持固定され、これにより、ソケット部のシール性が高められる。このため、例えばドアパネルにクリップ用孔を設けられない等の事情があるときでも、両面接着テープ等の別途の取着手段を用いることなく、ソケット部の近傍が強固に位置決め固定される。従って、ソケット部がぐらついたりすることなく、ソケット部と、ドアミラーブラケットの前端下部との間のシール性を十分に確保することができる。しかも、ドアウエザストリップに関しては延出部を設けるという構成により、上記作用効果が奏されることから、極端な厚肉部を設けたりする必要がない。結果として、肉厚差によって、成形が困難となってしまったり、外観品質の悪化を招いたりするといった不具合を防止することができる。
【0015】
手段3.前記延出部は、少なくとも前記ドアパネルと、前記インナカバーとの間において略平行に延びる平板部を有していることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0016】
手段3によれば、延出部は、少なくともドアパネルと、インナカバーとの間において略平行に延びる平板部を有しているため、該平板部がドアパネルとインナカバーとの間で比較的均等の挟持力を受けやすく、延出部の挟持状態の一層の安定化を図ることができる。結果として、ソケット部によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を飛躍的に高めることができる。
【0017】
手段4.前記平板部のうち、少なくとも一部は、前記インナカバーの取付方向に略直交していることを特徴とする手段3に記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0018】
手段4によれば、平板部のうち、少なくとも一部には、インナカバーからの取付力が直接加えられることとなる。そのため、延出部の挟持状態の一層の安定化を図ることができ、結果として、ソケット部によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を飛躍的に高めることができる。
【0019】
手段5.前記延出部は、断面略L字状をなしており、共に断面略L字状をなす前記ドアパネルと、前記インナカバーとで挟持固定されるようにしたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
【0020】
手段5によれば、断面略L字状をなす延出部が、断面略L字状をなすドアパネルと、断面L字状をなすインナカバーとで挟持固定される。従って、相直交する2方向からの挟持力により、延出部がより一層強固に挟持固定される。その結果、ソケット部によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を一層飛躍的に高めることができる。
【0021】
手段6.少なくとも前記型成形部は、発泡又は微発泡弾性材料により構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0022】
手段6のように、少なくとも型成形部が発泡又は微発泡弾性材料により構成されている場合、部位による肉厚差が極端に大きいと、成形困難、外観品質の悪化等の不具合が懸念されるところである。この点、上述したように、ドアウエザストリップに関しては延出部を設けるだけでよいため、つまり、極端に厚肉の突起等を設ける必要がないため、やむなく肉厚差が生じてしまうという事態が起こりにくい。その結果、発泡又は微発泡弾性材料により構成されていても、成形困難、外観品質の悪化等の不具合を払拭できる。
【0023】
手段7.前記型成形部は、前記ソケット部よりも下方位置で、前記ドアパネルにクリップで固定されていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
【0024】
手段7によれば、型成形部は、ソケット部の存在する上部においては、延出部の挟持により固定され、ソケット部よりも下方位置においては、クリップで固定される。その結果、型成形部の下部に対応するドアパネルにおいてクリップ用孔を設けることができる事情がある場合には、上記構成を採用することで、比較的簡易な構成で、ドアウエザストリップの取付安定性を図ることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1,2に示すように、自動車にはフロントドア1が開閉可能に設けられている。本実施の形態におけるフロントドア1は、ベルトラインよりも上方にサッシュが設けられていない、所謂サッシュレスタイプのものである。かかるフロントドア1は、ドアパネルとしての金属製のドアインナパネル2(図5,6等参照)を備えており、その外周に沿って、ドアウエザストリップ3が取付けられている。ドアウエザストリップ3は、その長手方向に沿った大部分が押出成形部4によって構成されている。押出成形部4は、ドアインナパネル2に取付けられる取付基部5と、該取付基部5に一体形成された中空状のシール部6とを備えている(いずれも図3参照)。取付基部5には、所定間隔毎に図示しないクリップが設けられており、該クリップがドアインナパネル2の図示しないクリップ用孔に嵌め込まれ、押出成形部4がドアインナパネル2に取付けられる。
【0027】
そして、フロントドア1が閉じられたときに、前記シール部6等が変形することでボディ及びフロントドア1間がシールされる。また、かかるドアウエザストリップ1の長手方向の前後両端部は、前記押出成形部4に型接続されてなる型成形部7,8により構成されている。本実施の形態では、押出成形部4及び型成形部7,8ともに、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)スポンジゴムによって構成されている。
【0028】
なお、前記フロントドア1開口周縁に沿って、ボディ側には環状又は略環状のボディ側ウエザストリップ(図示略)が取付けられている。
【0029】
また、フロントドア1の前端部分のベルトライン直上部には、図示しないドアミラーを取着するためのドアミラーブラケット11が取付けられている。周知のとおり、ドアミラーブラケット11は、略直角三角形状をなし、その後端側の一辺は、ドアガラスGの昇降に際し該ドアガラスG前端縁が摺動しうるガラスラン部となっている。また、ドアミラーブラケット11の斜辺部分には、前記ボディ側ウエザストリップのシール部が当接可能となっている。
【0030】
上記ドアミラーブラケット11の車外側には、前述したようにドアミラーが取着される。一方、ドアミラーブラケット11の車内側には、樹脂製のインナカバー12が取付けられ、これにより美感の向上が図られている。
【0031】
本実施の形態では、ドアウエザストリップ3とドアミラーブラケット11とがそれぞれ別体で構成されているとともに、それぞれ連なって配設される。それ故、ドアウエザストリップ3にあっては、ボディ側(例えばボディ側ウエザストリップ)とのシール性のみならず、ドアミラーブラケット11とのシール性をも確保する必要性がある。
【0032】
そこで、本実施の形態においては、ドアウエザストリップ3のフロント側の型成形部7が、次のように構成されている。すなわち、フロント側の型成形部7は、前記押出成形部4の上端部に接続成形されている。図4に示すように、型成形部7のうち、押出成形部4側の下部は、該押出成形部4とほぼ同様の断面形状となっており、前記取付基部5及びシール部6に連続する取付基部21及び中空状のシール部22を有している。また、型成形部7は、押出成形部6との境界よりも幾分上方において、拡幅形成された取付部23,24を有している。一方の取付部23は略三角形状をなし、図示しない両面接着テープによって前記ドアインナパネル2に取着されている。また、他方の取付部24は、断面L字状に形成され、そのほぼ先端部分にクリップ用穴25が形成されている。
【0033】
図5に示すように、該クリップ用穴25には、クリップ26が取付固定され、該クリップ26の先端が、ドアインナパネル2のクリップ用孔27に嵌め込まれることで、該取付部24がドアインナパネル2に取着されている。
【0034】
さらに、型成形部7の上端部分には、前記中空状のシール部22に連続するようにして断面略U字状のソケット部28が形成されている。このソケット部28は、前記ドアミラーブラケット11の前端下部を外嵌被覆するものである。すなわち、図2,7に示すように、ドアウエザストリップ3の取付に際し、ドアミラーブラケット11の前端下部が、ソケット部28にて外嵌被覆されることで、ドアミラーブラケット11の前端下部及びドアウエザストリップ3の上端部間が隙間なくシールされるようになっている。
【0035】
さて、図4,6,7に示すように、前記ソケット部28の近傍位置であって、前記他方の取付部24の上端部分には、さらに上方(斜め上方)へ向かって延長形成された延出部29が一体的に形成されている。該延出部29は、ドアインナパネル2の断面形状に沿うようにして断面L字状をなしている。換言すれば、延出部29は、断面L字状のドアインナパネル2と平行な2つの平板部を有しており、それらが互いに直交して一体形成されたものと捉えることもできる。
【0036】
そして、本実施の形態では、該延出部29が、前記ドアミラーブラケット11の車内側に取付けられるインナカバー12で被覆されるようになっている。つまり、ドアウエザストリップ3の取付に際し、延出部29がドアインナパネル2に沿って配設され、さらにその上からインナカバー12が取付けられる。これにより、延出部29が、ドアインナパネル2とインナカバー12とで強固に挟持固定されている。
【0037】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、ドアウエザストリップ3のフロント端末の型成形部7に設けられたソケット部28で、ドアミラーブラケット11の前端下部が外嵌被覆されシールされる。また、型成形部7には、ソケット部28の側方近傍において延出部29が設けられている。そして、ドアウエザストリップ3がドアインナパネル2に取付けられた後、ドアミラーブラケット11の車内側においてインナカバー12が取付けられるのであるが、この取付に伴い、前記延出部29がドアインナパネル2と、インナカバー12とで挟持固定される。このため、ソケット部28の安定化、不動性が確保され、シール性が向上する。
【0038】
それ故、例えば型成形部7の上部に対応するドアインナパネル2にクリップ用孔を設けられない等の事情があるときでも、両面接着テープ等の別途の取着手段を用いることなく、ソケット部28の近傍が強固に位置決め固定される。従って、ソケット部28がぐらついたりすることなく、ソケット部28と、ドアミラーブラケット11の前端下部との間のシール性を十分に確保することができる。
【0039】
しかも、ドアウエザストリップ3に関しては、延出部29を設けるだけでよく、極端な厚肉部を設けたりする必要がない。結果として、肉厚差に起因して、成形が困難となってしまったり、外観品質の悪化を招いたりするといった不具合を防止できる。特に、型成形部7は、EPDMスポンジゴムにより構成されており、この場合、部位による肉厚差が極端に大きいと、外観品質の悪化等の不具合が懸念されるところである。これに対し、本実施の形態では、極端に厚肉の突起等を設ける必要がないため、やむなく肉厚差が生じてしまうという事態が起こりにくい。その結果、外観品質の悪化等の不具合をより確実に払拭できる。
【0040】
また、延出部29は、2つの平板部を有しており、ドアインナパネル2とインナカバー12との間で比較的均等の挟持力を受けやすく、延出部の挟持状態の一層の安定化を図ることができる。
【0041】
さらに、延出部29は、断面略L字状をなしており、共に断面略L字状をなすドアインナパネル2と、インナカバー12とで挟持固定される。従って、相直交する2方向からの挟持力により、延出部29がより一層強固に挟持固定される。結果として、ソケット部28によるシール性及びドアウエザストリップの取付安定性を一層飛躍的に高めることができる。
【0042】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0043】
(a)上記実施の形態では、断面略L字状の延出部29を採用することとしているが、単なる1枚の平板状の延出部を採用してもよい。この場合、インナカバー12の取付方向に直交する面を有していることとしてもよいし、取付方向に平行な面を有していることとしてもよい。前者の場合には、取付方向への力をそのまま挟持力として用いることができるという点でメリットがある。
【0044】
(b)また、延出部としては1つのものに限られず、複数延長形成することで構成してもよい。
【0045】
(c)両面接着テープ等の貼着手段を一切設けないで、型成形部7をドアインナパネル2に取付ける構成を採用してもよい。
【0046】
(d)場合によっては、クリップ26等を省略した構成としてもよい。
【0047】
(e)上記実施の形態では、フロント端末の型成形部7とリヤ端末の型成形部8とが、押出成形部4で接続されてなるドアウエザストリップ3に具体化されているが、押出成形部が途中で分断されたタイプのドアウエザストリップに具体化することも可能である。
【0048】
(f)上記実施の形態ではドアウエザストリップ3を構成する素材としてEPDMスポンジゴムを例示しているが、IR(イソブレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の他のゴム材料を用いてもよい。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、或いは軟質のポリ塩化ビニル等のゴム状弾性を有する他の弾性材料により構成してもよい。
【0049】
(g)上記実施の形態では、インナカバー12として樹脂製のものを採用しているが、所定の強度、剛性を有するものであれば、他の素材(例えば木材、金属等)により構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態において自動車のフロントドアを示す側面図である。
【図2】ドアウエザストリップを模式的に示す側面図である。
【図3】ドアウエザストリップの押出成形部を示す断面図である。
【図4】ドアウエザストリップの型成形部を示す斜視図である。
【図5】ドアウエザストリップの取付構造を示す図4のJ−J線断面図である。
【図6】ドアウエザストリップの取付構造を示す図4のK−K線断面図である。
【図7】ドアウエザストリップの取付構造を模式的に示す図4のL−L線断面図である。
【符号の説明】
1…フロントドア、2…ドアパネルとしてのドアインナパネル、3…ドアウエザストリップ、4…押出成形部、7…型成形部。11…ドアミラーブラケット、12…インナカバー、25…クリップ用穴、26…クリップ、27…クリップ用孔、28…ソケット部、29…延出部。
Claims (7)
- サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられ、少なくともフロント端末においては、ドアミラーブラケットの前端下部を被覆してシールするためのソケット部を有する型成形部を具備してなるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記型成形部に、前記ソケット部側方において前記ドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部を設け、該延出部を前記ドアパネルと、前記ドアミラーブラケットの車内側に取付けられるインナカバーとで挟持したことを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。 - サッシュレスドアのフロントドアパネル周縁に沿って取付けられ、少なくともフロント端末においては、ドアミラーブラケットの前端下部を外嵌被覆してシールするための断面略U字状のソケット部を有する型成形部を具備してなるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記型成形部に、前記ソケット部近傍においてドアウエザストリップの長手方向に延長する延出部を設け、該延出部を前記ドアパネルと、前記ドアミラーブラケットの車内側に取付けられる樹脂製のインナカバーとで挟持固定し、前記ソケット部のシール性を高めたことを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。 - 前記延出部は、少なくとも前記ドアパネルと、前記インナカバーとの間において略平行に延びる平板部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアウエザストリップの取付構造。
- 前記平板部のうち、少なくとも一部は、前記インナカバーの取付方向に略直交していることを特徴とする請求項3に記載のドアウエザストリップの取付構造。
- 前記延出部は、断面略L字状をなしており、共に断面略L字状をなす前記ドアパネルと、前記インナカバーとで挟持固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
- 少なくとも前記型成形部は、発泡又は微発泡弾性材料により構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
- 前記型成形部は、前記ソケット部よりも下方位置で、前記ドアパネルにクリップで固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
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