JP2004136591A - ポリオレフィン系樹脂発泡板積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均厚みが10〜30mmの4枚のポリオレフィン系樹脂発泡板2a〜2dを積層接着一体化して、見かけ密度が20〜90g/L、連続気泡率が40〜100%であるポリオレフィン系樹脂発泡板積層体1を構成した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡板が複数枚積層接着されて一体化されてなる、ポリオレフィン系樹脂発泡板積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂に代表されるポリオレフィン系樹脂発泡体において、単一発泡体の場合には、機械的強度と緩衝性などの相反する性質を同時に満足することが困難である。このような欠点は、単一の板状発泡体(発泡板)を複数枚積層してなる発泡板積層体とすることで、比較的容易に解消することができる。このようなポリオレフィン系樹脂発泡体が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭49−60385号公報(第3頁左上欄第9行〜第17行、同頁左下欄第13行〜第20行、図面)。
【0004】
上記特許文献1に記載の積層発泡体は、ポリエチレン系樹脂に、無機系カルシウム化合物、砂、木粉およびコルク粉の中から選ばれた少なくとも1種の充填剤と発泡剤と架橋剤を配合し、各配合物をシート状にして所定順序で積層し、一体的に加熱発泡させることによって製造することで、各層がポリエチレン系樹脂により強固に融着されたものである。また前記各層の発泡体層は、密度0.07〜0.20g/cm2のポリエチレン系樹脂発泡体層(A)と、密度0.21〜0.40g/cm2のポリエチレン系樹脂発泡体層(B)とからなり、上記発泡体層(A)に対する発泡体層(B)の密度比が少なくとも1.4である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発泡板積層体を形成した場合、柔軟性を持たせることは緩衝性等の点から重要なことである。特許文献1に記載の発泡板積層体は、積層体全体の厚みがせいぜい10mm程度であり、比較的厚みの薄い発泡板が積層されてなるものである為、厚みの厚い積層体を得ようとすると、発泡板の枚数をたくさん積層する必要がある。しかし発泡板の表裏面はスキン層と呼ばれる薄いソリッド面が形成されているから、発泡板の枚数が多くなると、該ソリッド面の数が多くなり、柔軟性や厚み方向と直交する方向の緩衝性が失われることになる。また、複数枚の発泡板を熱風などにより積層接着して積層体とした場合に、厚み公差が拡大してしまい、製品の品質を一定に維持するのはきわめて困難である。
【0006】
また発泡板積層体として軽量で柔軟なものを得ようとすると、無架橋のポリオレフィン系樹脂発泡体を用いる方が高倍率化が可能であることから有利である。また無架橋のポリオレフィン系樹脂発泡体は、架橋発泡体と比較してリサイクルの点でもメリットがある。
【0007】
無架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法として、押出機内で溶融したポリオレフィン系樹脂に揮発性発泡剤を圧入混練した後、発泡性組成物を押出機内から大気中に押出して発泡させて見掛け密度が15〜19g/L程度のポリオレフィン系樹脂押出発泡体を得る方法が知られている。この方法では広幅の発泡板を得ることができる。
【0008】
ところが、上記方法で得られる高発泡倍率のポリオレフィン系樹脂押出発泡体は、得られた発泡体の表面に、コルゲートと呼ばれる周期的な厚みのむらが現われ、該コルゲートが発泡体表面全体に波うち現象を発生させたり、気泡の大小による帯状のしま模様として現われることがあった。特に発泡体の目的厚みが厚い場合や目的発泡倍率が高い場合にはこの傾向は大きくなる。
【0009】
コルゲートが発生した発泡板を積層して厚物の発泡体を製造しようとすると、表面のコルゲートにより発泡体同士の界面に接着不良が発生したり、厚みむらが拡大して、表面の波打ちなどによる外観不良を引き起こすという問題がある。
【0010】
上記の問題により、無架橋ポリオレフィン系樹脂押出発泡体は、リサイクル性に優れ、製造が容易であるにもかかわらず、押出発泡板を複数枚積層して、柔軟で厚物の発泡板積層体は従来実用化されていなかった。
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、柔軟な緩衝性に優れた厚物のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体を提供することを目的とする。更に本発明は厚みムラが少なく表面の波打ちが抑制され外観良好な、厚物のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)ポリオレフィン系樹脂発泡板が、2枚〜10枚、積層接着されてなる積層体であって、該積層体の見かけ密度が15〜90g/L、連続気泡率が40〜100%、該積層体を構成している該発泡板の平均厚みが10〜30mmであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡板積層体、
(2)厚みが10〜30mm、見かけ密度が15〜90g/L、連続気泡率が40〜100%のポリオレフィン系樹脂発泡板が、2枚〜10枚、積層接着されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡板積層体、
(3)積層体の厚み方向圧縮強さA、幅方向圧縮強さB、押出方向圧縮強さCの関係が、下記(1)式を満足することを特徴とする前記(1)または(2)記載のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体、
【数2】
0.4<〔(B+C)/2〕/A<2.5・・・・・(1)
(4)ポリオレフィン系樹脂発泡板が、押出方向に沿った任意の位置において、押出方向と直交する方向に1cmおきに発泡板の厚みを測定したときに、周期的な厚み厚薄が認められないか、または厚み厚薄が認められる場合に、厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が、いずれも1.07以下のポリオレフィン系樹脂押出発泡板であることを特徴とする前記(1)または(2)記載のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体、
(5)ポリオレフィン系樹脂発泡板が、ポリエチレン系樹脂からなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体、
を要旨とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明ポリオレフィン系樹脂発泡板積層体の一実施態様を示すものである。図1に示す態様のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体1は、4枚の同じ厚みのポリオレフィン系樹脂押出発泡板(以下、単に発泡板と略記する)2a、2b、2c、2dが、積層接着されて一体化された板状体として形成されたものである。
【0014】
本発明において発泡板2a〜2dの積層枚数は、2枚〜10枚の範囲内で用いられる。また各発泡板2a〜2dは、平均厚みが10〜30mmの範囲であれば、全て同じ厚みであっても、あるいはすべて異なる厚みでも、複数の厚みの発泡板が混在していても、いずれでもよい。
【0015】
本発明において、発泡板の「厚み」とは、以下の手法により得られるものである。各発泡板の所定の位置を幅方向に垂直に切断して現出する垂直断面の全幅(幅方向の一端から他端まで)を等間隔に10ケ所の厚みを測定し、それらの値の算術平均値として算出される。また、本発明において、発泡板の「平均厚み」は、上記手法により求めた積層体を構成する各発泡板の厚みの算術平均値とする。
【0016】
発泡板の平均厚みが10mm未満では、得られる積層体の厚み方向の圧縮強さに比べて押出方向および幅方向の圧縮強さが明らかに大きなものとなり、厚み方向、押出方向および幅方向の均一な緩衝性(以下、XYZ方向の均一緩衝性という。)が得られない。また、平坦な10mm未満の発泡板を形成することが難しいことから、得られる積層体の各部の厚みにバラツキが発生する虞がある。一方、発泡板の平均厚みが30mmを超えると、各発泡板の厚み方向の密度バラツキが大きくなる虞があり、また、広幅の発泡板を製造することが難しくなる。上記の点から、好ましい発泡板の平均厚みは、12〜28mmであり、さらに好ましくは15〜25mmである。
【0017】
なお、本発明においてとは「押出方向」とは発泡体を押出す際の押出し方向であり、一般に発泡体の長さ方向のことであり、図1中では発泡板積層体の長さを「X」で示した。また「幅方向」とは前記押出方向に対して直交する方向であり、図1中では発泡板積層体の幅を「Y」で示した。また「厚み方向」とは押出機のダイ部のギャップに対応する方向であり、図1中では発泡積層体の厚みを「Z」で示した。
【0018】
また各発泡板は、それぞれの発泡板の厚みが10〜30mmであることが好ましく、更に好ましくは15〜25mmである。各発泡板が上記厚みであれば、発泡板の平均厚みを確実に10〜30mmとして、XYZ方向の均一緩衝性、積層体の各部の厚み均一性においてより優れたものとすることができる。
【0019】
また各発泡板の幅は800〜2000mmが好ましく、更に好ましくは850〜1500mmである。発泡板の幅が上記範囲であれば、多種多様の用途展開が図れる。積層体において各発泡板は、図1に示すように幅及び長さが同じ寸法のものが積層されている。
【0020】
また、上記の通り本発明において発泡板の積層枚数は、2枚〜10枚の範囲内で用いられ、10枚を超える場合は、発泡板の積層方法にもよるが積層前の複数の発泡板の合計厚みと積層後の積層体の厚みとの差(以下、厚み公差という。)が大きくなり、厚み設計精度が低下する虞がある。また、XYZ方向の均一緩衝性が得られない虞がある。なお、発泡板の積層枚数は2枚〜6枚、更に2枚〜5枚、特に3枚〜5枚であることが、十分な厚みと緩衝性が得られる点から好ましい。
【0021】
発泡板の積層は、発泡板同士の貼り合せにより行うことができる。具体的な発泡板の貼り合せ手段は、特開平7−227930号公報に記載の熱風ラミネートによる方法、ホットメルト系接着剤等により接着する方法が好適に用いられる。この様な積層方法により本発明の積層体は、厚みが好ましくは20〜200mm、更に好ましくは25〜160mmのものが得られる。
【0022】
本発明において、積層体の見かけ密度が15〜90g/Lである。見かけ密度が15g/L未満では良好な外観のものを得ることが困難であり、曲げ強度の面でも不十分なものとなる虞がある。一方、見かけ密度が90g/L超では軽量性及び緩衝性において不十分である。積層体の好ましい見かけ密度は、18〜55g/Lであり、さらに好ましくは、20〜45g/Lである。
【0023】
本発明において、積層体の連続気泡率は40%以上である。連続気泡率が40%未満では十分な柔軟性が得られない。積層体の好ましい連続気泡率は80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
【0024】
連続気泡率が40%以上の発泡板は、下記のi)〜iv)の方法を単独あるいは組み合わせることで、製造することができる。
i)融点が10℃以上異なるポリオレフィン系樹脂を混合して高融点のポリオレフィン系樹脂を基準に発泡温度を設定し押出発泡する方法。
ii)発泡温度を通常よりも高く設定する方法。
iii)発泡板2a〜2d、あるいは積層体1に、細い針を突き刺す方法。
iv)ロール等により発泡板を圧縮する方法。
【0025】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体は、該積層体の見かけ密度が15〜90g/L、連続気泡率が40〜100%の範囲内になるのであれば、該積層体を構成する各発泡板の見かけ密度及び連続気泡率は特に限定されず、また見かけ密度及び連続気泡率が全て同じ発泡板を積層一体化しても、あるいは見かけ密度及び/又は連続気泡率が異なる発泡板を積層しても、いずれでもよい。
【0026】
また、積層体を構成する各発泡板のそれぞれの見かけ密度は、15〜90g/L、更に18〜55g/L、特に20〜45g/Lであることが、外観、曲げ強度、軽量性及び緩衝性において特に優れたものとなることから好ましい。また、各発泡板の連続気泡率は、40%以上、更に80%以上、特に90%以上であることが、より優れた柔軟性が得られることから好ましい。
【0027】
本発明において発泡板または積層体の見かけ密度は、以下の測定法により得られるものである。まず発泡板または積層体から幅方向(図1中Y方向)に10mm、押出方向(図1中X方向)に50mm、厚みを発泡板または積層体の厚み(図1中Z方向)としたサンプルを20個切り出す。次いで、このサンプルの幅、長さ、厚みをノギスにより正確に測定して、20個のサンプルの合計体積(L)を算出する。20個のサンプルの合計重量(g)を測定し、この値を前記合計体積(L)で除した値が見かけ密度である。
【0028】
本発明において積層体又は発泡板の連続気泡率は、ASTM−D2856−70〔1976再認定〕の手順Cに従ってVxを求め、下記(2)式により算出するものである。特に積層体の連続気泡率の測定用の試験片は厚み方向の上部、下部、中央部から試験片を採取し、各試験片の連続気泡率の算術平均値を積層体の連続気泡率とする。なお、規定の体積の試験片が切り出せない場合は、複数の試験片を重ね合わせることにより規定の体積とする。
【0029】
【数3】
独立気泡率(%)=[Vx−Va(ρf/ρs)]×100/[Va−Va(ρf/ρs)]・・・(2)
Vx;試験片の実容積(独立気泡部分の容積と樹脂部分の容積との和)(cm3)
Va;試験片の外形寸法から求められる見かけの容積(cm3)
ρf;試験片の見かけ密度(g/cm3)
ρs;試験片の基材樹脂の密度(g/cm3)
【0030】
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体は、該積層体の厚み方向圧縮強さA、幅方向圧縮強さB、押出方向圧縮強さCの関係が、下記(1)式を満足することが好ましい。なお、上記圧縮強さは、JIS K 7220(1983)に準拠し、所定の厚みに形成した積層体を幅50mm、長さ50mm、厚みを積層体厚みに切り出して試験片とし、この試験片を積層体の全厚みが、圧縮前の積層体の全厚みに対して75%となるように、厚み方向に全厚みの25%圧縮(圧縮速度10mm/分)した際に求められる値である。
【0031】
【数4】
0.4<〔(B+C)/2〕/A<2.5・・・(1)
上記(1)式を満足することは、積層体の厚み方向(Z方向)、幅方向(Y方向)、押出方向(X方向)の、各方向に対する圧縮強さの均一さが、実質的に十分であることを示す指標である。上記(1)式における〔(B+C)/2〕/Aの値が1に近づく程、各方向の圧縮強さが均一であることになり、圧縮強さの均一性が高いと言える。圧縮強さの均一性が高くなると、積層体において、緩衝性能の方向性を気にすることなく緩衝設計が可能となり、実際に被緩衝物に対してあらゆる方向に十分な緩衝性を発揮できるという利点がある。なお、〔(B+C)/2〕/Aの値は、0.5〜2.0の範囲内であるのが好ましく、特に生産性を考慮すると0.9〜2.0であることが更に好ましい。
【0032】
本発明において、積層前の各発泡板において、長さ方向である押出方向に沿った任意の位置において、押出方向と直交する幅方向に引いた直線に沿って、1cmおきに発泡板の厚みを測定したときに、周期的な厚み厚薄が認められないか、または厚み厚薄が認められる場合に、厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が、いずれも1.07以下であることが好ましい。また、同様に本発明の積層体においても、図1に示す長さ方向である押出方向(X方向)に沿った任意の位置Pにおいて、押出方向と直交する幅方向(Y方向)に引いた直線Qに沿って、1cmおきに積層板の厚みを測定したときに、周期的な厚み厚薄が認められないか、または厚み厚薄が認められる場合に、厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が、いずれも1.07以下であることが好ましい。
【0033】
上記「周期的な厚みの厚薄」とは、図1に示す積層体に用いられる発泡板2a〜2dの場合、押出方向と直交する幅方向において、厚みが厚い箇所と厚みが薄い箇所とが交互に且つほぼ一定の間隔(通常は2〜7cm間隔)で現れる厚みの厚薄のことを意味する。この「周期的な厚みの厚薄」は一般に「コルゲート」と呼ばれているものである。また、積層体の場合にも厚み厚薄のある発泡板を積層接着することにより同様に、或いは、厚み厚薄が更に増して現れる。
【0034】
上記「厚みの厚薄」は、発泡板または積層体の押出方向に対する垂直断面、即ち発泡板または積層体の全幅と全厚みを示す垂直断面において、発泡板または積層体の幅方向の一方の端部から他方の端部まで1cm間隔で厚みを測定する。その結果、周期的に厚みが異なる部分が存在すると、周期的な厚みの厚薄が認められると判断できる。周期的な厚みの厚薄が認められた場合には、厚みの厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値を求める。
【0035】
上記厚みの厚薄の1周期内の厚みの最大値を最小値で除した値は、以下のようにして求めることができる。図2は発泡板または積層体の押出方向と直交する幅方向の垂直断面を模式的に示すものである。発泡板または積層体の幅方向に周期的に現われる厚み厚薄は、厚みの山と谷が交互にほぼ一定の間隔で現れる。
【0036】
図2に示すように、まず発泡板2または積層体1の一方の端縁部21に最も近い位置にある山の頂点P1における厚みをT1、この山の隣の山の頂点P2における厚みをT2とし、P1からP2までの距離を厚みの厚薄の「第1の周期」とする。厚みT1及び厚みT2を比較して、大きい方を第1の周期の厚みの最大値とする。
【0037】
次に、「第1の周期」内で最も厚みの薄い谷部V1の厚みt1を測定する。さらに山の頂点P2と、この山の更に隣の山の頂点P3までを「第2の周期」とし、P3における厚みT3と第2の周期内で最も厚みの薄い谷部V2の厚みt2(厚みの最小値)を測定する。以後同様に「第3の周期」、「第4の周期」・・・・等、周期的な厚みの厚薄の周期の全てについて同様の測定を行う。
【0038】
これらの結果から、各周期毎に厚みの最大値を最小値で除した値を求める。即ち、第1の周期ではT1、T2のいずれか大きい方をt1で除した値を求め、第2の周期ではT2とT3のいずれか大きい方をt2で除した値を求める。このように全ての周期において、2つの山の頂点における厚みの大きい方の値を、厚みの最も薄い谷部の厚みで除した値を求める。
【0039】
また厚みを測定した際に、周期的な厚みの厚薄が存在しない結果が得られた場合は、厚み厚薄の測定対象物である、発泡板または積層体には、「コルゲート」が存在しないことを意味する。また、厚みの厚薄の厚みの厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が、全ての周期においていずれも1.07以下ということは、コルゲートを実質的に無視できることを意味する。さらに確実にコルゲートの影響を小さくする為に、上記値は、1.05以下であることが望ましい。
【0040】
一般に、見かけ密度が小さく、厚みの厚いポリエチレン系樹脂発泡板は、柔軟性に特に優れるものであるが、押出発泡により製造しようとするとコルゲートが現れ易い。コルゲートは発泡板全体の波打ち現象や、気泡の大小が帯状の縞模様として現れる。コルゲートは見かけ密度が小さくなるほど、また厚みが厚くなるほど、また気泡径が小さくなるほど顕著に表れる傾向がある。
【0041】
ポリオレフィン系樹脂発泡板の製造方法は特に限定されないが、好ましい製造方法としては、押出発泡方法が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂押出発泡板として、コルゲートが実質的に存在しないか、存在しても実質的に無視できるものは、ダイから押出発泡された直後の発泡体を表面から冷却しながら形を整えることにより得られる。このような押出発泡方法の具体例を以下に示す。
【0042】
まず押出機にポリオレフィン系樹脂を主成分とする基材樹脂及び気泡調整剤を供給し、基材樹脂を加熱溶融させてから、押出機内に発泡剤を圧入して溶融したポリオレフィン系樹脂に発泡剤を含浸させた後、このポリオレフィン系樹脂の発泡性組成物を押出機先端に設けたサーキュラーダイより押出して筒状に発泡させて筒状発泡体を得る。次いで筒状発泡体をマンドレルと呼ばれる円柱状の冷却装置側面上を通過させた後に押出方向に沿って切断するとポリオレフィン系樹脂発泡板が得られる。
【0043】
サーキュラーダイより押出して筒状に発泡させる場合、サーキュラーダイの形状によっては、発泡性組成物がダイのリップ部(大気圧への開放部)を通過した時点でコルゲートが発生し始め、発泡に伴いコルゲートは更に成長し、発泡体の最終形状にそのコルゲートが残留することがある。これを防止するには、図3に示す様に、リップ部13から押出された筒状発泡体15を、押出し直後に、サイジング面12aとサイジング面12bによって囲まれたサイジング部にて押圧して、その形状を整えつつ冷却を行う方法を用いる。図3に示すダイ部には、サイジング部の温度がダイ温度の影響を受けて上昇しすぎることを防止する為に、ダイの内部側と外部側であるサイジング部との間に、この間を断熱するための断熱材16が設けられている。
【0044】
このように発泡性組成物を発泡させて筒状発泡体15を形成する際に、サイジング部にて押圧することにより、三次元に発泡しようとする発泡力のうち、筒状発泡体15の円周方向に働く力を抑制しつつ厚み方向に働く力に変換すると共に、筒状発泡体15を厚み方向に押圧することにより、コルゲートの発生が防止される。
【0045】
また、サイジング面12a,12bと筒状発泡体15との間に適当な滑り性があると、筒状発泡体15表面の気泡がサイジング面12a,12bとの摩擦により破壊され外観及び物性が損なわれることを防止できる。一方、サイジング面12a,12bと筒状発泡体15との間に適当な摩擦抵抗があると、筒状発泡体5を押圧することができずに筒状発泡体15が幅方向に自由に発泡してコルゲートが発生するのを防止できる。従って、サイジング面12a,12bと筒状発泡体15との間で適度な滑り性と抵抗を与えるように押圧する。具体的には、リップ部13の出口直後に設けた環状スリット部14a,14bより微小量の水や界面活性剤等を添加した水等を流すことや、サイジング面12a、12bにサンドブラスト処理等を行うことである。
【0046】
サーキュラーダイから押出して発泡体を製造する方法は、800〜2000mm幅の広幅の発泡体が容易に得られる。発泡体の厚みを厚くすると、サーキュラーダイから押出して得られる発泡体は内径と外径の差が大きな筒状発泡体となる。その結果、筒状発泡体を切り開いて得られる発泡板は、押出し方向と直交する幅方向に対する湾曲が大きくなり無視出来なくなる。しかし単層の発泡板の厚みを30mm以下とすることで、この問題を回避できる。
【0047】
発泡板の基材樹脂は、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂が用いられる。発泡板の基材樹脂は、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂を、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上含有していることが望ましい。
【0048】
上記ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体や、エチレン成分が50モル%を超えるエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等のエチレン系共重合体が挙げられる。特にそのなかでも、密度が900〜945g/L、及びメルトインデックス:MI(190℃/21.18N)が0.01〜10g/10分のエチレン単独重合体またはエチレン系共重合体が好ましい。
【0049】
上記ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと共重合可能な他のオレフィンとの共重合体(但し、プロピレン成分が50モル%以上である。)が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他の共重合成分としては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4− ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどの、エチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンが例示される。また上記共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、さらにまた二元共重合体のみならず三元共重合体であってもよい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、単独で用いてもあるいは2種以上を混合して用いてもいずれでもよい。
【0050】
上記のポリプロピレン系樹脂の中でも押出発泡に好適な樹脂としては、一般のポリプロピレン系樹脂と比較して溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂が好ましい。具体的な溶融張力が高いポリプロピレン系樹脂を下記(i)〜(iv)に示す。(i)特開昭62−121704号公報に記載されているような1未満の枝分かれ指数と著しい歪み硬化伸び粘度とを有するポリプロピレン系樹脂。
(ii)特開平5−506875号公報に記載されているような、(a)Z平均分子量(Mz)が1.0×106以上であるか、またはZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が3.0以上であり、(b)かつ平衡コンプライアンスJ0が1.2×10−3m2/N以上であるか、または単位応力当たりの剪断歪み回復Sr/Sが毎秒5.0×10−4m2/N以上であるポリプロピレンを用いたポリプロピレン系樹脂。
(iii)スチレン等のラジカル重合性単量体およびラジカル重合開始剤や添加剤などを含む配合物を、ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつラジカル重合開始剤の反応温度以上において溶融混練することによって改質されたポリプロピレン系樹脂。
(iv)ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂。
【0051】
さらに上記樹脂の中でも沸騰したキシレンに対する不溶解成分の割合が低いものが好ましい。具体的には、不溶解成分の割合が0〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは、0〜5重量%であり、更に好ましくは0〜2重量%である。不溶解成分の割合が低い樹脂程、リサイクル性に優れておりコスト低減に繋がる。上記不溶解成分の割合は、重量を精秤したポリプロピレン系樹脂またはその発泡体を試料とし、約140℃の沸騰したキシレン中に試料を入れ8時間加熱還流した後、100メッシュの金網で速やかに濾過し、金網上に残った沸騰キシレン不溶解成分を20℃のオーブン中で24時間乾燥した後、不溶解成分の重量G(g)を測定し、下記(3)式により求める。
【0052】
【数5】
不溶解成分の割合(重量%)=[G(g)/試料重量(g)]×100・・・(3)
【0053】
ポリオレフィン系樹脂押出発泡体を得るために用いる発泡剤としては、従来よりポリオレフィン系樹脂発泡体の製造に用いられていると同様の無機物理発泡剤、有機物理発泡剤等が使用できる。無機物理発泡剤としては例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、空気、水等が挙げられ、有機物理発泡剤としては例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のフッ化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、その他、ジメチルカーボネート、メタノール、エタノール等が挙げられる。またアゾジカルボンアミド等の化学発泡剤も使用することができる。上記した発泡剤は、2種以上を混合して使用することが可能である。これらのうち、特にノルマルブタン、イソブタンまたはこれらの混合物を主成分とする発泡剤が好適である。
【0054】
押出発泡体を得るに際し押出機に供給される基材樹脂中には通常、気泡調整剤が添加される。気泡調整剤としては有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また有機系気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。またクエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることができる。
【0055】
上記発泡剤の添加量は、発泡剤の種類、目的とする発泡体の見かけ密度に応じて調整する。また気泡調整剤の添加量は、目的とする気泡径に応じて調節する。一般的には、発泡剤としてブタンを用い、気泡調整剤としてタルクを用いた場合、ブタンの添加量は樹脂100重量部当たり2〜20重量部、好ましくは3〜18重量部、より好ましくは4〜15重量部であり、タルクの添加量は樹脂100重量部当たり、0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ましくは0.15〜1重量部である。
【0056】
ブタンを発泡剤として使用し、気泡調整剤としてタルクを使用する場合、発泡板を形成するための発泡性組成物中におけるブタンの添加量が、樹脂100重量部当たり2重量部未満であると、発泡板の見かけ密度を90g/L以下とすることが困難となり、20重量部を超えると、コルゲートを抑制できなくなる虞れがある。
【0057】
【実施例】
本発明の実施例を示す。
実施例1
低密度ポリエチレン樹脂(日本ユニカー社製低密度ポリエチレン、MI:0.3g/10分、密度:0.921g/cm3)100重量部あたり、発泡剤としてノルマルブタンとイソブタンとの混合ブタン(重量比7:3)からなる発泡剤9.5重量部、及び気泡調整剤としてタルク0.3重量部を押出機内にて加熱溶融混練し、発泡性組成物を調製した。上記発泡性組成物を図3に示す構造のダイ部を有する押出機を用いて、押出樹脂温度110℃に調整してから、サーキュラーダイから、吐出量230kg/時間で押出してダイリップ部13(大気圧への開放部)から放出した。ダイ部から押出発泡した直後の筒状発泡体の表面側から、リップ部13の出口直後に設けた環状スリット部14bより2ml/分の流量にて水を流しサイジング面12bにサンドブラスト処理を施し70℃に調整した外部冷却装置にて接触冷却しつつ、内面側から、リップ部13の出口直後に設けた環状スリット部14aより2ml/分の流量にて水を流しサイジング面12aにサンドブラスト処理を施し70℃に調整した内部冷却装置にて接触冷却した後、この筒状発泡体をマンドレル上を通過させて内面側からも冷却した。続いて筒状発泡体を押出方向に沿って切り開き、厚さが21.0mmの周期的な厚み厚薄が認められない押出発泡板(1−A)を得た。次に図4に示す針ロール21と受ロール22とから構成される針穴形成装置を用いて押出発泡板に貫通穴を設けた。針ロール21には、押出方向(X)の針間隔1.5mm、幅方向(Y)の針間隔1.5mmで、直径約1mmの針24が設けられている。周期的な厚み厚薄が認められない押出発泡板22B(1−A)を、針ロール20と受ロール21との間を通過させることで、針24によって貫通穴25が設けられた、厚さが21.0mmの連続気泡押出発泡板22B(1−B)を得た。
この連続気泡押出発泡板(1−B)に350℃の熱風を吹きつけ、発泡板積層面が溶融、接着可能な状態にあるうちに、別のロールに巻き取った同じ連続気泡押出発泡板(1−B)に、連続的に挟圧して接着する方法(連続熱風積層法)により接着させて積層一体化して、全厚み41.0mmの発泡板積層体(1−C)を得た。
【0058】
実施例2
実施例1と同様にして厚さが21.0mmの周期的な厚み厚薄が認められない連続気泡押出発泡板(1−B)を得た。
350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により、厚さが21.0mmの連続気泡押出発泡板(1−B)を2枚積層接着し、更に厚さが21.0mmの連続気泡押出発泡板(1−B)を350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により積層接着させて、全厚み61.5mmの発泡板積層体(2−C)を得た。
【0059】
実施例3
実施例1と同様にして、厚さが11.0mm、見かけ密度22.5g/Lの周期的な厚み厚薄が認められない押出発泡板(3−A)を得た。得られた押出発泡板(3−A)を実施例1と同様に針穴形成装置を用いて貫通穴を形成して厚さが11.0mmの周期的な厚み厚薄が認められない連続気泡押出発泡板(3−B)とした。得られた連続気泡押出発泡板(3−B)を用いて、350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により、厚さが11.0mmの連続気泡押出発泡板(3−B)を2枚積層接着し、更に2枚の連続気泡押出発泡板が積層接着された積層体同士を350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により積層接着し、更に4枚の連続気泡押出発泡板が積層接着された積層体同士を350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により積層接着させて、連続気泡押出発泡板(3−B)が8枚積層接着されてなる、全厚みが86.5mmの発泡板積層体(3−C)を得た。
【0060】
比較例1
発泡剤量を17重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡性組成物を調製した。次いで、上記発泡性組成物を従来のダイ部(外部冷却装置、内部冷却装置が装備されていない通常のダイ)を有する押出機を用いて、押出樹脂温度110℃に調整してから、サーキュラーダイから、吐出量230kg/時間で押出してダイリップ部(大気圧への開放部)から放出し筒状発泡体を得た。この筒状発泡体をマンドレル上を通過させて内面側から冷却し、ついで筒状発泡体を押出方向に沿って切り開き、厚さが5.5mmの厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が1.07を超える周期的な厚み厚薄が認められる押出発泡板(4−A)を得た。得られた押出発泡板(4−A)を実施例1と同様に針穴形成装置を用いて貫通穴を形成した厚さが5.5mmの厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が1.07を超える周期的な厚み厚薄が認められる連続気泡押出発泡板(4−B)とした。次いで連続気泡押出発泡板(4−B)を用いて、350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により、厚さが5mmの連続気泡押出発泡板(4−B)を2枚積層接着し、更に2枚の連続気泡押出発泡板が積層接着された積層体同士を350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により積層接着し、更に4枚の連続気泡押出発泡板が積層接着された積層体同士を350℃の熱風を吹きつける連続熱風積層法により積層接着させて、厚さが5.5mmの連続気泡押出発泡板(4−B)が8枚積層されてなる、全厚み42.0mmの発泡板積層体(4−C)を得た。
【0061】
比較例2
積層数を12枚にした以外は、比較例1と同様に、押出発泡および積層を行い、厚さが5.5mmの連続気泡押出発泡板(4−B)が12枚積層されてなる、全厚み63.0mmの発泡板積層体(5−C)を得た。
【0062】
発泡板の積層枚数(枚)、各発泡板の厚み(mm)、積層体の全厚み、各発泡板の密度(g/L)、各発泡板の連続気泡率(%)、厚み方向圧縮強さA、幅方向圧縮強さB、押出方向圧縮強さC(Mpa)、〔(B+C)/2〕/A、積層体の周期的厚みムラ、厚み公差(積層前の複数の発泡板の合計厚み−積層後の積層体の厚み)等について、表1に示す。
【0063】
尚、表1に示す積層体の周期的厚みムラの評価は以下の通りである。
◎:周期的な厚み厚薄が認められない
○:周期的な厚み厚薄が認められ、厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が、いずれも1.07以下
×:周期的な厚み厚薄が認められ、厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が、1.07を超える
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡板が、2枚〜10枚、積層接着されてなる積層体であって、該積層体の見かけ密度が15〜90g/L、連続気泡率が40〜100%、該積層体を構成している該発泡板の平均厚みが10〜30mmであるから、X方向、Y方向、及びZ方向の均一緩衝性が高く、柔軟で緩衝性に優れていると共に、厚み公差が小さく品質安定性に優れた厚物のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体が得られる。
【0066】
また、厚みが厚くコルゲートの小さい発泡板を積層接着した場合、厚みムラが少なく表面の波打ちが抑制され、表面平滑性、外観良好な、厚物のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ポリオレフィン系樹脂発泡板積層体の一実施態様を示す斜視図である。
【図2】発泡板または積層体の幅方向垂直断面の厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値及び最小値の測定方法の説明図である。
【図3】ポリオレフィン系樹脂押出発泡板の製造装置のダイ部の断面図である。
【図4】貫通穴の形成に用いられる針孔形成装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系樹脂発泡板積層体
2a、2b、2c、2d ポリオレフィン系樹脂発泡板
Claims (5)
- ポリオレフィン系樹脂発泡板が、2枚〜10枚、積層接着されてなる積層体であって、該積層体の見かけ密度が15〜90g/L、連続気泡率が40〜100%、該積層体を構成している該発泡板の平均厚みが10〜30mmであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡板積層体。
- 厚みが10〜30mm、見かけ密度が15〜90g/L、連続気泡率が40〜100%のポリオレフィン系樹脂発泡板が、2枚〜10枚、積層接着されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡板積層体。
- ポリオレフィン系樹脂発泡板が、押出方向に沿った任意の位置において、押出方向と直交する方向に1cmおきに発泡板の厚みを測定したときに、周期的な厚み厚薄が認められないか、または厚み厚薄が認められる場合に、厚み厚薄の1周期内における厚みの最大値を最小値で除した値が、いずれも1.07以下のポリオレフィン系樹脂押出発泡板であることを特徴とする請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体。
- ポリオレフィン系樹脂発泡板が、ポリエチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡板積層体。
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