JP2006289678A - ハニカム吸音構造体 - Google Patents

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Tomoo Shimamoto
倫男 島本
Kazuho Uchida
かずほ 内田
Nobuhiko Inui
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Abstract

【課題】吸音性能が高いが剛性に劣る熱可塑性樹脂の柔軟素材発泡体に、剛性を付与し、各種工業資材等の吸音材として使用可能な発泡構造体の提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂(B)からなるハニカム構造コアの各セル内に熱可塑性樹脂(A)発泡体が充填されており、かつ、該ハニカム構造コアの片面に熱可塑性樹脂(B)のシートが積層されていることを特徴とするハニカム吸音構造体であって、好ましくは、熱可塑栄樹脂(A)の曲げ剛性率が1〜100MPaであり、熱可塑性樹脂(B)の曲げ剛性率が熱可塑性樹脂(A)の曲げ剛性率以上であるハニカム吸音構造体。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハニカム吸音構造体に関し、より詳細には、熱可塑性樹脂からなる発泡体が該熱可塑性樹脂より曲げ弾性率の大きな高剛性の熱可塑性樹脂からなるハニカム構造コアの各セル内に充填されているハニカム吸音構造体に関する。
近年、騒音問題がクローズアップされることが多く、住環境等の快適性の観点から吸音が注目されている。特に、建材、自動車用内装材等に吸音材料が幅広く用いられてきている。これらの吸音材料の一つとして、樹脂フォーム材があり、軽量性、断熱性、柔軟性、浮揚性及び成形性に優れていることもあり、フォーム材を用いた材料の用途は広がってきている。
しかし、吸音性能は、基材に音が当たるとその空気振動が基材内部の空孔部分の空気に伝わり、この空孔部分で空気の粘性摩擦が生じて音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換され吸音性能が生じるものであるから、音が材料表面で反射することなく材料内に進入しなくてはならないため、吸音性能を有する樹脂フォームは、通気性が必要であることが知られている。すなわち、フォームの気泡が連通することにより、より吸音性能が向上する。そのため、熱硬化性樹脂である連泡性ウレタンフォームや連泡構造構築が困難である熱可塑性樹脂の独立気泡構造のフォームを用いる吸音材料は、エンボス加工等を行うことにより通気性を付与したものが用いられている。例えば、発泡成形されるフォーム材に隙間を生じさせ、特定の範囲の空気流れ抵抗値を有することにより、吸音性能が付加された熱可塑性樹脂フォーム材(例えば、特許文献1参照。)、面積が1mm以上の孔が、開孔率3%以上あるように成形された吸音性能を付与した発泡プラスチック樹脂フォーム材(例えば、特許文献2参照。)等が挙げられる。
一方、既に本発明者らは、柔軟素材からなる独立気泡構造の発泡体は、硬質素材にはない、800〜5000Hzの周波数範囲において、特徴的な吸音率ピークが存在し、高い吸音性能を有することを見出している。しかしながら、このような発泡体は、柔軟であるが故に、剛性には劣り、建材や自動車用途には用いることができないという問題がある。
特開2003−25362号公報 特開2003−25361号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、吸音性能が高いが剛性に劣る熱可塑性樹脂の柔軟素材発泡体に、剛性を付与し、各種工業資材等の吸音材として使用可能な発泡構造体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、吸音性能が高いが剛性に劣る熱可塑性樹脂からなる柔軟素材発泡体に、剛性を有する熱可塑性樹脂からなるハニカム構造コアを複合化させることにより、吸音性能を有する柔軟素材からなる独立気泡構造の発泡体をハニカム構造コア内に充填し、吸音性能を有し、かつ高剛性であるハニカム吸音構造体化することができることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、熱可塑性樹脂(B)からなるハニカム構造コアの各セル内に熱可塑性樹脂(A)発泡体が充填されており、かつ、該ハニカム構造コアの片面に熱可塑性樹脂(B)のシートが積層されていることを特徴とするハニカム吸音構造体が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、発泡体を形成する熱可塑性樹脂(A)の曲げ剛性率が1〜100MPaであり、かつ、ハニカム構造コアを形成する熱可塑性樹脂(B)の曲げ剛性率が熱可塑性樹脂(A)の曲げ剛性率以上であることを特徴とするハニカム吸音構造体が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、熱可塑性樹脂(A)発泡体の発泡倍率が2〜60倍であることを特徴とするハニカム吸音構造体が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、吸音性能が800〜5000Hzの周波数範囲において、吸音率ピークを有し、そのピーク吸音率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム吸音構造体が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、表面に複数の発泡性熱可塑性樹脂(A)粒状体が連結された発泡性熱可塑性樹脂(A)シートを形成する工程、該シートの粒状体側の表面を熱可塑性樹脂(B)によりコーティングする工程、続いて全体を発泡させる工程からなることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明のハニカム吸音構造体の製造方法が提供される。
本発明の発泡構造体は、柔軟性熱可塑性樹脂からなる発泡体が該熱可塑性樹脂より高剛性の熱可塑性樹脂からなるハニカムコア内に充填され、かつ高剛性の熱可塑性樹脂からなるシートが積層された構造体であるので、柔軟性、及び剛性を有し、かつ吸音機能に優れた構造体であり、吸音構造体として用いることができる。
本発明は、柔軟性素材である熱可塑性樹脂(A)の発泡体が熱可塑性樹脂(A)より高剛性の熱可塑性樹脂(B)からなるハニカム構造コアのセル内に充填され、ハニカム構造コアの一表面を、熱可塑性樹脂(B)のシートで積層被覆したハニカム吸音構造体である。以下、本発明を各構成毎の材料樹脂、構造、製造法等について詳細を説明する。
1.発泡体
(1)柔軟性素材の熱可塑性樹脂(A)
本発明のハニカム吸音構造体を構成する発泡体の柔軟性を有する熱可塑性樹脂(A)としては、発泡可能な熱可塑性樹脂であり、曲げ弾性率が1〜100MPaであれば、特に限定されるものではない。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のエチレン系樹脂が挙げられる。これらの中では、特に、直鎖状低密度ポリエチレン、EVAが好ましい。
なお、本発明において、熱可塑性樹脂の柔軟性とは、樹脂の曲げ弾性率の値に基づくもので、曲げ弾性率が1〜100MPaのものをいう。
上記好ましく用いられる直鎖状低密度ポリエチレンの密度としては、0.860〜0.920g/cmのものが好ましい。密度が0.860g/cm未満であると、成型性の低下とともに生産性が低下してしまい、0.920g/cmを超えると、発泡性が低下してしまい良好な発泡体を得ることができない。
また、好ましく用いられるEVAの酢酸ビニル(VA)含量は、40%以下が望ましい。EVAのVAの含量が40%以上になると発泡性が著しく低下してしまい良好な発泡体を得ることができない。
さらに、熱可塑性樹脂(A)のMIとしては、0.1〜10g/10minが好ましい。MIが0.1g/10min未満であると、成型性の低下とともに生産性が低下してしまい、10g/10minを超えると発泡性が低下し好ましくない。
これらの中では、直鎖状低密度ポリエチレン、EVAが好ましく、特に、得られる発泡体の柔軟性を高めるという観点から、EVAが好ましい。
なお、樹脂の曲げ弾性率はJIS K7106で規定する値であり、MIはJIS K7210に準拠して、190℃、21.18N荷重で測定する値である。
上記熱可塑性樹脂(A)は、必要に応じて、架橋されていてもよい。架橋された熱可塑性樹脂を用いることにより、発泡倍率を向上させることができる。得られる発泡体の軽量化は発泡倍率を上げることにより達成でき、その点からも架橋されたものを用いることが好ましい。
架橋する方法としては、熱可塑性樹脂に過酸化物を加え、該過酸化物の分解温度より低い温度で溶融混練後、過酸化物の分解温度以上に加熱して架橋する方法が挙げられる。
この方法において用いられる過酸化物は、特に限定されず、例えば、ジブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ターシャルブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド等が挙げられ、分解温度が適正温度範囲であるので、ジクミルパーオキサイド、ターシャルブチルクミルパーオキサイドが好ましく、ジクミルパーオキサイドが特に好ましい。
過酸化物の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましく、1〜3重量部が特に好ましい。過酸化物の添加量が、多すぎると、樹脂分解反応が進行しやすくなり、得られる発泡体が着色し、また、少なすぎると、熱可塑性樹脂の架橋が不十分となることがあるので好ましくない。
(2)発泡剤及び発泡体
本発明において、熱可塑性樹脂(A)の発泡体を得るためには、熱可塑性樹脂に発泡剤を添加して発泡させる。発泡剤としては、加熱により分解ガスを発生する熱分解型化学発泡剤を好適に用いることができる。熱分解型化学発泡剤の具体例としては、用いられる熱可塑性樹脂の溶融温度より高い分解温度を有するものであれば、特に限定されず、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン等が挙げられる。その中でも、分解温度や分解速度の調整が容易でガス発生量が多く、衛生上優れているアゾジカルボンアミドが好ましい。
熱分解型化学発泡剤の添加量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し、1〜25重量部の割合で含有させることが好ましい。熱分解型発泡剤の添加量が多すぎると、破泡し、均一なセルが形成されず、逆に少なすぎると十分に発泡しなくなることがある。
本発明の発泡体は、上記熱可塑性樹脂(A)に上記発泡剤を用いて発泡させたものであり、発泡剤の添加量を上記範囲にすることにより、発泡倍率が好ましくは2〜60倍の発泡体、より好ましくは5〜40倍の発泡体が得られる。発泡倍率が2倍未満では、十分な軽量性を得ることができず、また、得られる発泡体の吸音性能も低下する。一方、発泡倍率が60倍を超えると均一なセルは形成できず、良好な発泡体を得ることが難しい。
2.ハニカム構造コア
(1)熱可塑性樹脂(B)
ハニカム構造コアを形成する熱可塑性樹脂(B)は、樹脂の曲げ弾性率が発泡体を形成する熱可塑性樹脂(A)の曲げ弾性率以上の樹脂である。ハニカム構造コアを形成する熱可塑性樹脂(B)は、柔軟素材からなる発泡体に剛性を付与するために用いるものであり、曲げ弾性率が熱可塑性樹脂(A)より小さいと剛性を付与できず好ましくない。
熱可塑性樹脂(B)の具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂の中でも、発泡体に剛性を付与するという観点では、高密度ポリエチレン、結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂(B)は、ハニカム構造コアを構成すると同時に、ハニカム構造コアのセル内に充填された発泡体の表面をコーティングするシートとしても用いられことからも、MIが大きい熱可塑性樹脂ほどコーティングにかかる時間を短縮することができ、好ましい。
(2)ハニカム構造コア
本発明の吸音ハニカム構造体のハニカム構造コアは、いわゆる蜂の巣状のコアが上記熱可塑性樹脂(B)で構成された形状であれば、特に制限はない。また、ハニカム構造コアの隔壁の厚さは、特に制限がないが、0.1〜2.0mmが好ましい。また、ハニカム構造コア内に形成されるセルの大きさは、6.0〜20.0mmが好ましい。
3.吸音構造体
本発明の吸音ハニカム構造体は、熱可塑性樹脂(B)からなるハニカム構造コアのセル内に、熱可塑性樹脂(A)からなる発泡体が充填され、かつ熱可塑性樹脂(B)からなるシートでハニカム構造コアの片面を被覆した積層構造体である。
本発明のハニカム吸音構造体の一例を図で説明する。図1は本発明のハニカム吸音構造体の厚さ方向の断面図であり、図2は、図1のX−X’方向の断面図である。図1及び2において、ハニカム吸音構造体1は、ハニカムコア隔壁2、それから形成されるハニカムセル3、及びハニカム構造コアを覆うシート4から形成され、ハニカムコア隔壁2は熱可塑性樹脂(B)からなり、ハニカムセル3には熱可塑性樹脂(A)の発泡体が充填され、シート4は熱可塑性樹脂(B)からなる積層構造体である。
ここで、積層構造体1の厚さは、4.0〜20.0mmが好ましく、ハニカムコア2隔壁の厚さは0.5〜1.5mmが好ましく、ハニカムセルの大きさは8.0〜16.0mmが好ましく、被覆シートの厚さは0.3〜2.0mmが好ましい。それぞれが上記範囲を外れると、柔軟性、剛性、吸音性の点から好ましくない。
なお、ハニカムセルの大きさは、セル形状が6角形の場合は、図2で示すdの幅をいう。
本発明のハニカム吸音構造体は、図1、2に示すようなハニカム構造であるので、吸音特性を有する柔軟素材フォームに、高剛性素材のハニカム構造コア及び被覆シートにより剛性が付与され、吸音性能と剛性を両立させた積層体となる。
ここで、発泡体における樹脂は、柔軟であればあるほど吸音性は優れており、ハニカム構造コア樹脂とコーティング樹脂が柔軟素材の発泡体の間に柱状構造を形成し、剛性を高めている。
発泡体における樹脂は柔軟であればあるほど吸音性は優れている。また、コーティング樹脂は融点が発泡剤の分解温度以下であれば、特に限定されるわけではないが剛性の面から結晶性の樹脂を用いることが望ましい。
また本発明のハニカム吸音構造体は、吸音性能が800〜5000Hz、好ましくは2000〜4500の周波数範囲において、吸音率ピークを有し、そのピーク吸音率が30%以上、好ましくは40%以上である。
このような周波数範囲において吸音率ピークを有する材料は、特に、自動車内装材および建築用内装材分野の吸音材として有効に用いることができる。
4.ハニカム吸音構造体の製造方法
本発明のハニカム吸音構造は、表面に複数の発泡性熱可塑性樹脂(A)粒状体が連結された発泡性熱可塑性樹脂シートを形成する工程、該シートの粒状体側の表面を熱可塑性樹脂(B)によりコーティングする工程、続いて全体を発泡させる工程からなる。各工程について詳細に説明する。
(1)発泡性熱可塑樹脂シートの形成工程
本発明で用いる発泡性熱可塑樹脂シートは、表面に複数の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が連結されたシートであり、例えば、図3にその断面を示すような形状のシートである。図3において、発泡性熱可塑性樹脂シート10は、発泡性熱可塑性樹脂薄膜11の表面に複数の発泡性樹脂粒状体12が連結されている形状のシートである。
発泡性熱可塑性樹脂薄膜は、熱可塑性樹脂(A)に、熱分解型発泡剤、必要に応じて、架橋剤を押出機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練し、得られた発泡性熱可塑性樹脂組成物をTダイ等から押し出して形成される。薄膜の厚さは、0.1〜0.6mmが好ましく、より好ましくは0.3〜0.5mmである。発泡性熱可塑性樹脂薄膜の厚みが厚すぎると加熱時に発泡性熱可塑性樹脂シートの波打ちが生じ易くなり、薄すぎると発泡性熱可塑性樹脂シートを製造するに際し発泡性熱可塑性樹脂薄膜が破れやすくなる。
薄膜表面に発泡性熱可塑性樹脂粒状体を連結させる方法は、特に制限されないが、上記で得られた薄膜に、複数の凹部を有するフッ素系樹脂シートや金型を重ねて熱プレスする方法等が挙げられる。複数の凹部を有するフッ素系樹脂シートを重ねて熱プレスする方法としては、例えば、図4に示す平面を有するフッ素系樹脂シートを上記薄膜に重ね熱プレスする方法が挙げられる。図4において、フッ素系樹脂シート14は、複数の孔15を有しており、薄膜11上の発泡性粒状体12の形状は、孔14の形状に依存するようになる。発泡性熱可塑性樹脂粒状体12の形状は、特に限定されず、例えば六方体、円柱状などにすることができ、発泡性熱可塑性樹脂粒状体12の発泡に際し均一に発泡させやすいため、円柱状のものが最も好ましい。
薄膜11上の発泡性粒状体12の配置、大きさは、フッ素系樹脂シートや金型の凹部を調節することにより変化させることができ、この配置や大きさにより、後述の発泡後のハニカム構造コアの形状および大きさが決定される。
また、孔15の形状、配置の方法により、発泡後のハニカム構造コアの形状を三角形、四角形、六角形、八角形などの多角形に変化させることができるが、剛性の観点からハニカム形状を六角形にすることが望ましい。さらに、ハニカムコアの大きさが、剛性の観点から5〜20mmになるように孔の形状、配置、発泡倍率を制御する方法が好ましい。ここで、ハニカムコアの大きさとは、例えば、ハニカムコアが6角形の場合は、図2に示す距離dを示す。
(2)発泡性シートの粒状体側の表面に熱可塑性樹脂をコーティングする工程
上記のようにして得られた発泡性熱可塑性樹脂シートの粒状体側の表面に溶融した熱可塑性樹脂をコーティングする方法としては、コーティングする樹脂シートを上記発泡性熱可塑樹脂シート上に積層し、熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度でありながら、かつ、コーティングする樹脂の融点以上の温度で処理を行う。この加熱処理の方法については、特に限定されるものではなく、例えば、電気ヒーター、遠赤外線ヒーター、加熱された油や空気等の加熱媒体を循環させてなる加熱装置などを用いて加熱する方法を挙げることができる。
また、別の発泡性熱可塑樹脂シートの製造方法として、コーティングする熱可塑性樹脂シートと発泡層を形成する熱可塑性樹脂のシートを積層した上で上記のように凹部を有するフッ素系樹脂シートや金型を重ねて、熱プレスする方法が挙げられる。この方法をにおいては、コーティング時間を必要としないために生産性が向上する。
(3)発泡させる工程
熱可塑性樹脂をコーティングした発泡性熱可塑樹脂シートを発泡させるための加熱方法については、含有されている熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し得る限り、特に限定されるものではなく、例えば、電気ヒーター、遠赤外線ヒーター、加熱された油や空気等の加熱媒体を循環させてなる加熱装置などを用いて加熱する方法を挙げることができる。
特に連続式発泡装置として、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡器の他、ベルト式発泡器、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽や、あるいはオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどの熱浴が用いられる。
加熱により、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が、それらの間の間隙を埋めるように発泡する。その結果、コーティング樹脂が柔軟素材の粒状発泡体の間に柱状構造を形成するようにハニカム状のセルを形成し、粒状体の発泡後の形状が正六角形等のハニカム構造となり、剛性を高めることができる。
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、実施例で用いた測定方法は、以下の通りである。
(1)発泡倍率:JIS K6767に従って測定した。
(2)発泡体の厚み:ノギスで測定した。
(3)曲げ弾性率:JIS K7106に従って測定した。
(4)圧縮強度:JIS K6767に従って測定した。
(5)ピーク吸音率:JIS A1405に従って測定した。
(実施例1〜5)
(1)熱可塑性発泡シートの製造
表1に示す割合で、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA;住友化学社製H1011(商品名)、曲げ弾性率=48MPa、MI=0.6g/10min)、架橋剤としてジクミルパーオキサイド(日本油脂社製パークミルD(商品名))、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化学社製SO−20(商品名))を、2軸押出機に供給し、130℃で溶融混練し、面長300mm、リップ1.5mmのTダイでシート状に押し出した。
さらに、上記で得られた発泡性熱可塑性シートの上に、4.0mmの大きさの孔が図4のように設けられたフッ素系樹脂シートを積層し、そのフッ素系樹脂シートの上から170℃で加熱プレスを行い、架橋および賦型を行った。次に、25℃の冷却プレスにて冷却行い、図3に示す形状の発泡性熱可塑性樹脂シートを得た。表1に物性を示す。
なお、実施例2〜5において、発泡性熱可塑性樹脂シートにおける発泡性熱可塑樹脂粒状体の形状、配置および貫通孔の形状、配置等については、上記フッ素系樹脂シートに設けられている孔を調整することにより調節した。
上記のようにして得た実施例1の発泡性熱可塑性樹脂シートでは、孔空きフッ素系樹脂シートにて加熱プレスを行うことにより賦形されており、複数の発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜により連結されている発泡性熱可塑性樹脂シートが構成されていた。
(2)ハニカム構造体の製造
上記で得られた発泡性熱可塑性樹脂シートをフッ素樹脂シート上に配置して、発泡性熱可塑性樹脂シートの上に厚さ1.00mm、面長300mmのポリプロピレンシートを積層し、発泡炉で170℃にて3分余熱を行い、溶融したポリプロピレンにてコーティングされた発泡性熱可塑樹脂シートを得た。その後、溶融したポリプロピレンにてコーティングされた発泡性熱可塑樹脂シートのポリプロピレンコーティング面上にさらにフッ素樹脂シートを重ね、230℃のハンドプレスを用いて10分間加熱し、発泡させた。しかる後、25℃の冷却プレスに移し、10分間冷却することで本発明のハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体は、図1及び図2に示すように、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が加熱により、発泡性熱可塑性樹脂粒状体間の隙間を埋めるようにして発泡し、粒状体の発泡後の形状が正六角形状のハニカム構造となっており、それぞれの発泡体間にポリプロピレン樹脂がニカム状のセルを形成していた。得られた発泡体の発泡倍率、発泡体厚み、圧縮強度、ピーク吸音率を測定した。結果を表1及び図5(実施例3のみ)に示す。
(比較例1)
孔空きフッ素樹脂シートにてプレスを行なわなかったこと以外は、実施例1と同様にして厚さ1.0mmの平坦な発泡性熱可塑性樹脂シートを得、実施例1と同様にして発泡体を得た。得られた発泡体の発泡倍率、発泡体厚み、圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
原料樹脂の曲げ弾性率が1500MPaであるポリプロピレン発泡体を用いて吸音性能を測定した。結果を表1及び図5に示す。
Figure 2006289678
表1および図5の結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜5において得られる発泡体は、50%圧縮強度において優れており、かつ優れた吸音性能率、特に2000〜5000Hzの周波数範囲においてピーク吸音率を有していることがわかる。
本発明の吸音ハニカム構造体は、剛性および柔軟素材、及び吸音性能に優れ、吸音材料として種々の材料分野で用いることができ、特に、吸音性能が800〜5000Hzの周波数範囲において、ピーク吸音率が30%以上であることから、自動車用内装材、建築用内装材分野の吸音材として有効に用いることができる。
本発明の吸音ハニカム構造体の一例の断面図である。 図1のX−X’方向の断面図である。 本発明の発泡性熱可塑樹脂シートの一例の断面図である。 本発明で用いるフッ素系樹脂シートの一例の平面図である。 実施例及び比較例の吸音ハニカム構造体の吸音測定結果である。
符号の説明
1 ハニカム吸音構造体
2 ハニカムコア隔壁
3 ハニカムセル
4 熱可塑性樹脂シート
10 発泡性熱可塑性樹脂シート
11 発泡性熱可塑性樹脂薄膜
12 発泡性樹脂粒状体
14 フッ素系樹脂シート
15 孔

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂(B)からなるハニカム構造コアの各セル内に熱可塑性樹脂(A)発泡体が充填されており、かつ、該ハニカム構造コアの片面に熱可塑性樹脂(B)のシートが積層されていることを特徴とするハニカム吸音構造体。
  2. 発泡体を形成する熱可塑性樹脂(A)の曲げ剛性率が1〜100MPaであり、かつ、ハニカム構造コアを形成する熱可塑性樹脂(B)の曲げ剛性率が熱可塑性樹脂(A)の曲げ剛性率以上であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム吸音構造体。
  3. 熱可塑性樹脂(A)発泡体の発泡倍率が2〜60倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカム吸音構造体。
  4. 吸音性能が800〜5000Hzの周波数範囲において、吸音率ピークを有し、そのピーク吸音率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム吸音構造体。
  5. 表面に複数の発泡性熱可塑性樹脂(A)粒状体が連結された発泡性熱可塑性樹脂(A)シートを形成する工程、該シートの粒状体側の表面を熱可塑性樹脂(B)によりコーティングする工程、続いて全体を発泡させる工程からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカム吸音構造体の製造方法。
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