図1は、本発明の一実施例のスロットマシンの外観を示す斜視図である。このスロットマシン1は、遊技媒体としてコイン、メダル又はトークンなどを用いて遊技する遊技機であるが、以下ではコインを用いるものとして説明する。
スロットマシン1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面として形成された横長矩形の表示窓3が設けられ、表示窓3には水平に3本、斜めに2本の入賞ライン15が設けられ、これらの入賞ラインを結ぶ数字表示(上から順に3,2,1,2,3)が表示窓3の左右に設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ9、2−BETスイッチ10、最大BETスイッチ11を操作することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。
キャビネット2の内部には、3つの回転リール4L,4C,4Rが横並びに配列され、各回転リールの外周面には表示窓3に表示される図柄を描いた図柄シートが貼り付けられている。これらの回転リールにより、可変表示装置が構成されている。
キャビネット2の表示窓3の下方に略水平台座部5が形成され、その中央に上向き傾斜面として形成された液晶表示画面6が設けられている。この液晶表示画面6には、後述する制御手段による前記可変表示装置の可変表示制御に関連した情報が表示される。
液晶表示画面6の右側に大量のコインを一度に挿入できるバケット型コイン投入口7が設けられ、液晶表示画面6とコイン投入口7の間にコインをクレジット部(図示せず)へ自動補充するための切替スイッチ8が設けられている。遊技媒体としてのコインのクレジット可能枚数を上回るコインをコイン投入口7に投入し切替スイッチ8を操作することによりコイン投入口7のバケット内部のコインが自動的にクレジットされ、遊技媒体としてのコインのクレジット枚数を所定枚数以下にならないように維持することができる。
液晶表示画面6の左側には、1回の押しボタン操作により、クレジットされているコインのうち1枚だけをゲームに賭けるための1−BETスイッチ9、2枚だけをゲームに賭けるための2−BETスイッチ10、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のコインを賭けるための最大BETスイッチ11が設けられ、これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の有効化ライン15が有効化される。
略水平台座部5の前面部の左寄りには、遊技者の操作により上記リール4L,4C,4Rを回転させ、表示窓3の図柄の移動を開始するためのスタートレバー12が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
略水平台座部5の前面部中央で、前記液晶表示画面6の下方の位置に、表示窓3を移動する3列の図柄をそれぞれ停止されるために、遊技者が操作する3個のストップボタン14L,14C,14Rが設けられている。
スタートレバー12の左側には、遊技者がゲームで獲得したコインのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り替えるC/Pスイッチ16が設けられている。このC/Pスイッチ16の切替えにより正面下部のコイン払出口17からコインが払い出され、払い出されたコインはコイン受け部18に溜められる。
図2は、スロットマシン1における遊技処理動作を制御する制御手段と、これに電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)とを含む回路構成を示す。
この場合、制御手段は、マイコン20を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン20は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU21と、記憶手段であるROM22及びRAM23を含み、CPU21に、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路24及び分周器25と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器26及び乱数サンプリング回路27とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイコン20内で、すなわちCPU21の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器26及び乱数サンプリング回路27は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイコン20のROM22には、スロットマシンの遊技制御のほか、後述の複数の表示画像を液晶表示画面6に表示する処理を実行するために必要な情報及びデータが格納されている。
図2の回路において、マイコン20からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、リール4L,4C,4Rをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ19L,19C,19Rと、払出し用のコインを収納するホッパー(払出しのための駆動部を含む)30と、前述の液晶表示画面6を具備する液晶表示器6’と、コイン投入口7からクレジット部への払出し駆動部(図示省略)とがあり、それぞれモータ駆動回路31、ホッパー駆動回路32、液晶駆動回路33、コイン投入口からクレジット部への払出し駆動回路(図示省略)を介してCPU21の出力端に接続されている。これらの駆動回路は、CPU21から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイコン20が制御信号を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段として、コイン投入口7に投入され、クレジットされている遊技媒体としてのコインを検出するコインセンサ7S、スタートレバー12の操作を検出するスタートスイッチ12S、1−BETスイッチ9、2−BETスイッチ10、最大BETスイッチ11、C/Pスイッチ16、各ストップボタン14L,14C,14Rの操作に応じて停止信号を発生するリール停止信号回路28、可変表示装置のリール回転検出器からのパルス信号を受けて各リールの位置を検知するための信号をCPU21へ供給するリール位置検出回路34、及び、ホッパー30から払い出されたコインを検出するコイン検出部35の計数値が指定された枚数データに達した時にコイン払出し完了を検知するための信号をCPU21へ供給する払出し完了信号回路36が、CPU21の入力端に接続されている。
図2の回路において、乱数発生器26は、所定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路27は、スタートレバー12が操作された後適当なタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数は、ROM22内の記憶部に格納されている予め定めた入賞領域に属しているかが判定され、入賞領域に属していれば「入賞リクエスト信号」を発生する。
リール4L,4C,4Rの回転が開始された後、ステッピングモータ19L,19C,19Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM23の所定エリアに書き込まれる。リール4L,4C,4Rからは各々の一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路34を介してCPU21に入力される。CPU21は、こうして得られたリセットパルスにより、RAM23に格納した駆動パルス計数値を“0”にクリアする。これにより、RAM23内には、各リール4L,4C,4Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール4L,4C,4Rの回転位置と図柄とを対応づけるため、図柄テーブルがROM22に格納されている。更に、ROM22には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルで、入賞となる図柄の組合せと、入賞のコイン配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられる。入賞図柄組合せテーブルは、リール4L,4C,4Rの制御を行っている時、及び全リール停止後の入賞確認を行う時に参照される。
また、ROM22には、上記「入賞リクエスト信号」の発生前は液晶表示画面6に後述の「ルーチンパターン」を表示し、「入賞リクエスト信号」の発生後は特別パターンを表示する処理を実行するためのプログラムと、ルーチンパターンや特別パターンを含む複数の表示画像データ、及びこれらの中から表示すべき画像を選択するための基準等を示すデータとが格納されている。
図3は、液晶表示器6’の駆動を制御して液晶表示画面6に可変表示装置の制御に関連して定められた情報を表示させる処理手順を示す。この処理は、スロットマシン1の遊技制御手段であるマイコン20のCPU21で実行されるが、液晶表示器6’のような表示手段自体に表示制御部としてのCPUを持たせた場合には、そのCPUが、遊技制御手段としてのCPU21からの表示指令(例えば、入賞の種類又はハズレに対応した表示指令)に応じて表示画像を決定するようにしてもよい。
図3において、初めに遊技機(スロットマシン1)の電源がオンになると(ステップ1)、制御手段としてのCPUは、液晶表示画面6に「ルーチンパターン」を表示させる(ステップ2)。ここで遊技者が所定の操作をすると、すなわち、コイン投入口7にコインを投入し、1−BETスイッチ9、2−BETスイッチ10又は最大BETスイッチ11を操作した後、スタートレバー12を操作すると、リール4L,4C,4Rが回転して可変表示を開始する(ステップ3)。この時、乱数サンプリングにより抽出した乱数に基づいて入賞/非入賞の判定を行う(ステップ4)。そして「入賞リクエスト信号」が発生したかどうかを判定し(ステップ5)、その判定結果に応じて液晶表示画面6の表示画像を決定する。すなわち、「入賞リクエスト信号」が発生していなければ、「ハズレ」用の特定パターンを選択する(ステップ6)。「入賞リクエスト信号」が発生したときは、その「入賞リクエスト信号」が「大当り」に該当するか否かを判定し(ステップ7)、“NO”であれば「当り」用の特定パターンを選択し(ステップ8)、“YES”であれば「大当り」用の特定パターンを選択する(ステップ9)。そして、このように選択したパターンを液晶表示画面6に表示させ(ステップ10)、遊技者がストップボタン14L,14C,14Rを操作すると(ステップ11)、回転中のリール4L,4C,4Rについて入賞リクエスト信号と各ストップボタン操作に起因するリール停止信号の発生タイミングに応じた停止制御を行って(ステップ12)、終了する。この場合、液晶表示画面6の図柄の変化は可変表示装置である各リールの回転中、即ち表示窓3の図柄の移動中に起こる。
本発明において、液晶表示画面6は、可変表示が行われる表示窓3と、可変表示の停止のために操作するストップボタン14L,14C,14Rの位置との間に設けてあるので、液晶表示画面6を見るために余分な目線の動きを必要としない。即ち、目線の動きは可変表示とストップボタンの間を行き来するだけでよい。従って、液晶表示画面6を見ることによって、ストップボタンを押すタイミングがずれることはない。
上記の処理において、ステップ3の可変表示は、CPU21がモータ駆動回路31に駆動信号を送り、ステッピングモータ19L,19C,19Rを駆動してリール4L,4C,4Rを回転することにより実現される。また、ステップ4の入賞判定は、適宜のタイミングで乱数発生器26から乱数をサンプリングし、抽出した乱数の値が前記入賞確率テーブルでどのグループに属するかを判定することにより、実現される。そして、入賞と判定された場合には、CPU21は、入賞の種類に対応した図柄表示位置にリール4L,4C,4Rを停止制御する信号をモータ駆動回路31に送る。これにより、ステップ11の停止制御が実現される。
CPU21は、上記の入賞判定に基づくリール停止制御信号をモータ駆動回路31に送る動作と、液晶表示器6’の液晶表示画面6に表示する「特定パターン」の選択に基づくパターン表示信号を液晶駆動回路33に送る動作とを同時に行う。従って、回転リールが停止制御される間、液晶表示画面6には特定パターンが表示される。「特定パターン」については、後で詳細に説明する。
CPU21は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に対応したコイン払出し指令信号をホッパー駆動回路32に供給してホッパー30から所定個数のコインの払出しを行う。その際、コイン検出部35は、ホッパー30から払い出されるコインの枚数を計数し、その計数値が指定された枚数データに達した時点で、払出し完了信号回路36がCPU21に払い出し完了信号を入力する。これにより、CPU21は、ホッパー駆動回路32を介してホッパー30の駆動を停止し、コインの払出し処理を終了する。
上記のように、実施例のスロットマシン1では、制御手段としてのCPUが「入賞リクエスト信号」の発生を判定し、その結果に応じて、入賞ラインに予め定めた「大当り」又は「当り」の図柄が揃うか或いは「ハズレ」の図柄が並ぶようにリール4L,4C,4Rの停止制御を行うと共に、遊技者が「大当り」、「当り」又は「ハズレ」の発生を予想できる特定パターンを表示するように液晶表示画面6の表示を制御する。
一方、液晶表示器6’自体が表示制御部としてCPUを備えている場合には、遊技制御手段としてのCPU21は、上記のリール停止制御を行う時、遊技者が「大当り」、「当り」又は「ハズレ」の発生を予想できる特定パターンを液晶表示画面6に表示させる指令を、液晶表示器6’のCPUに送る。これに応じて、液晶表示器6’のCPUが表示画像を決定し、それを液晶表示画面6に表示する。
次に、液晶表示器6’の液晶表示画面6に表示される「ルーチンパターン」及び「特定パターン」について、例を挙げて説明する。
図4及び図6は、リール4L,4C,4Rが回転する前の液晶表示画面6の表示画像の例を示し、図5及び図7は、表示窓3のリール4L,4C,4Rが回転している時の液晶表示画面6の表示画像の例を示す。
図4では、液晶表示画面6にルーチンパターンの1例の「ゲームの説明」が表示されている。このルーチンパターンは、リールの回転が開始されると、図5に示すように背景の色彩が変化する。
図6では、液晶表示画面6にルーチンパターンの他の例の信頼度が高い「リーチが発生する場合の説明」が表示されている。このルーチンパターンは、リールの回転が開始されると、図7に示すように画面から消える。
図8〜図12は、液晶表示画面6に順次表示される「特定パターン」の例を示す。
リール4L,4C,4Rが回転を開始して所定時間経過後、液晶表示画面6に図8に示すような「牛の群」が現れる。この「牛の群」の表示画像は、表示窓内に“7”が2個揃った状態(リーチ)の出現時に大当りへの期待度が通常リーチより高い「カウボーイ・リーチ」へ発展することを予期させる予兆表示である。
その後、図9に示すように「馬にまたがったカウボーイ」が現れ、例えば、左リール4Lと中央リール4Cの回転が停止した時、表示窓3内の図柄表示は左側及び中央に“7”が揃った状態となり、液晶表示画面6の表示画像は、図10に示す「カウボーイが暴れ馬と格闘している」状態の表示になる。
その後、右リール4Rが停止した時の表示が特定の入賞図柄(組合せ)にならない場合には、液晶表示画面6の表示画像は、図11に示す「カウボーイが馬から振り落とされた」状態となり、遊技者は入賞を逸する。一方、全てのリールが停止した時の表示が特定の入賞図柄(例えば3個の“7”が揃った状態)になる場合には、液晶表示画面6の表示画像は図12に示す「カウボーイが馬に乗った状態から勝利のポーズをとっている状態」の表示になり、遊技者はその入賞に対応した利益を獲得する。
上記の特定パターンが液晶表示画面6に動画として表示されることにより、遊技者は、カウボーイが暴れ馬から振り落とされないことが入賞につながると感じる。そのため、遊技者は真剣にストップボタン操作を行い、全てのリールが停止するまで、遊技者は液晶表示画面6を見て、カウボーイが馬から振り落とされないことを願い、最後にカウボーイが振り落とされてしまうと、入賞を逃したと感じる。こうして、遊技者は、液晶表示画面6に現れる特定パターンと自分の遊技結果に対する期待とを合わせて緊張しながら遊技を行うので、従来の遊技の単調さが解消される。
前述のとおり、このような表示画面を見ていても、遊技者のストップボタン操作のタイミングがずれることはなく、遊技に対する集中力が減ずることもない。更に、目線の動きが増加することもないので、疲労も増大しない。
また、リールの回転が停止した後、サービスゲーム或いはボーナスゲームとして、遊技者にコインの投入又は消費を必要としない遊技の機会を与える場合、そのような遊技の開始を知らせる予兆として、図8に示すような「牛の群」を液晶表示画面6に表示し、これに続く動画を当該遊技の終了まで表示するようにしてもよい。このような予兆表示をすると、遊技者は、液晶表示画面6の表示画像でサービスゲームの開始を予想し、得をした気持ちになる。
上記実施例の遊技機1においては、可変表示装置として機械的可変表示装置である3個のリール4L,4C,4Rが用いられているが、本発明の可変表示装置として液晶、CRT等の電気的可変表示装置が用いられてもよい。
また、遊技機1では、表示手段として液晶表示器6’を備えているが、液晶表示器に代えてCRTのような映像表示装置、LEDなどの点表示器を多数配列した電気的表示装置、或いは回転リール構造のように複数の絵の中の任意の絵で停止して表示する機械的表示装置によっても、上記実施例の表示画像と同様の演出を行うことができる。また、遊技者にとって順調な遊技状態又は危険な状態を認識させる表示画像を、文字とか絵以外の抽象的な表示(例えば、ランプの点滅)で実現してもよい。
また、上記実施例では、液晶表示画面6に、本来の遊技の結果に対応した可変表示の制御状態を表示させるようにしているが、液晶表示画面6で別の遊技ができる画像を表示するようにしてもよい。その場合、マイコン20のROM22に、別遊技のための表示画像のデータと実行プログラムが格納される。そして、CPU21は、図13及び図14に示す処理を実行する。
図13において、初めに遊技機の電源がオンになると(ステップ21)、制御手段としてのCPUは、液晶表示器6に「ルーチンパターン」を表示させる(ステップ22)。ここで遊技者が所定の操作をすると、すなわち、コイン投入口7にコインを投入し、1−BETスイッチ9、2−BETスイッチ10又は最大BETスイッチ11を操作した後、スタートレバー12を操作すると、リール4L,4C,4Rが回転して可変表示を開始する(ステップ23)。この時、乱数サンプリングにより抽出した乱数に基づいて入賞/非入賞の判定を行う(ステップ24)。そして「入賞リクエスト信号」が発生したかどうかを判定し(ステップ25)、その判定結果に応じて入賞又は非入賞の表示態様を決定する点は、図3の処理と同様である。
しかし、図13の処理では、液晶表示器6’の表示画像は、別遊技として複数のゲームを実行できるパターンである。すなわち、CPUは、上記ステップ25の判定で「入賞リクエスト信号」が発生していなければ、「ゲーム1」用のパターンを選択し(ステップ26)、「入賞リクエスト信号」が発生したときは、「入賞リクエスト信号」が「大当り」に該当するか否かを判定し(ステップ27)、“NO”であれば「ゲーム2」用のパターンを選択し(ステップ28)、“YES”であれば「ゲーム3」用のパターンを選択する(ステップ29)。「ゲーム1」,「ゲーム2」及び「ゲーム3」としては、液晶表示画面6に現れる絵柄は同じであるが入賞確率が異なるゲーム、或いは現れる絵柄も入賞確率も異なるゲームなど、それぞれ異なるものが予め設定される。
次に、上記のように選択されたゲームを開始する条件が整ったか否かを判定する(ステップ30)。開始条件としては、例えば、1本のリールの停止、2本のリールの停止、全リールの停止、所定時間経過など、任意のものを予め定めておく。
開始条件が「全リールの停止」以外の場合、液晶表示器6’の表示によるゲームはリールの回転中に開始されることになり、本来の可変表示による遊技と液晶表示器6’での別遊技が同時に行われることになる。
上記判定で開始条件が整ったときは、図14に示すように、選択されたゲーム用のパターンを液晶表示画面6に表示するための処理を行い(ステップ31)、それによるゲームを実行させる。そして、このゲームの入賞判定を行う(ステップ32)。この入賞判定は、本来の遊技と同様に乱数サンプリングによる入賞か非入賞かの判定及び入賞の種類の判定でよいが、このゲームのために特別の入賞判定を用意してもよい。
入賞と判定されたときは、入賞処理を行う(ステップ33)。これは、液晶表示器6’に特定の入賞態様を表示するほか、前記のようにリール4L,4C,4Rの特定図柄が入賞ラインに揃ったときの処理と同じか或いはそれとは別個に定められた処理のいずれでもよい。一方、非入賞と判定された場合には、非入賞処理を行う(ステップ34)。すなわち、液晶表示画面6に特定の非入賞態様を表示する。その後、回転中のリール4L,4C,4Rについてストップボタン14L,14C,14RからのON信号を検出すると(ステップ35)、停止制御を行って(ステップ36)、終了する。
図15は、リール4L,4C,4Rによる遊技と関連して液晶表示器6’で行われる別遊技の表示画像の例を示す。この例では、液晶表示画面6に、本来の遊技の可変表示を行う3つのリール4L,4C,4Rと同様に複数種類の図柄の可変表示を行う3つの移動シンボル列6L,6C,6Rの画像が表示される。
この例の別遊技は、リール4L,4C,4Rの回転が停止した時に有効化入賞ライン15に沿って並んだ図柄が入賞の態様(例えば“BONUS−BAR−BAR”)で揃った時に開始される「ボーナスゲーム」である。この時、遊技者には、その入賞の態様に対応して予め定められた利益として所定枚数のコインが払い出される。そして、「ボーナスゲーム」の開始により、液晶表示画面6に3つのシンボル列6L,6C,6Rが可変表示される。
所定時間経過した時点で各シンボル列6L,6C,6Rの移動が停止する。この時、中央のライン15’上に特定のシンボル“DOUBLE”が位置すると、遊技者には再度、所定枚数のコインが払い出される。従って、遊技者には、「ボーナスゲーム」により、本来の遊技の入賞で獲得する利益が倍になる機会が与えられる。
上記「ボーナスゲーム」の液晶表示画面6に可変表示された3つのシンボル列6L,6C,6Rの停止条件として遊技者によるストップボタン14L,14C,14Rの操作を含めることも可能である。このように設定することで、遊技者は表示窓3に可変表示される遊技と液晶表示画面6に可変表示される遊技の入賞にストップボタン操作を行うことで関わることができる。
以上のとおり、本発明における表示手段の一例の液晶表示器6’には、本来の遊技の可変表示制御状態の表示或いは別遊技のための表示画像が表示されるが、これらの表示のほかに、過去の遊技結果の履歴、すなわち既に消化された遊技における入賞やハズレの発生回数もしくは発生率を示す画像を表示してもよい。このため、図1のスロットマシンの正面の適当な場所(例えば、表示窓の下側)に表示切替えボタンを設け、遊技中の任意の時点で、遊技者がこれを押すと、液晶表示画面6は、入賞やハズレの発生回数もしくは発生率の表示に切り替えられ、遊技者が再度ボタンを押すと、前の画面に復帰するようにする。上記の履歴表示により、遊技者は、遊技を始めようとする遊技機が当たりの出やすい台かどうかを判断できる。
このような遊技履歴を示す画像として、例えば遊技開始以降の入賞又はハズレの残存率(例えば10,000回のゲームで発生すると想定される入賞又はハズレの回数の%)を、図16及び図17に示すような棒グラフや図18に示すような円グラフでアナログ表示し、或いは図19に示すような数字でディジタル表示することができる。これらの表示のための演算は、スロットマシン1のマイコン或いは液晶表示器6自体のCPU(ある場合)で行われる。
詳細には、図16の例では、入賞の図柄組み合わせを構成する図柄(シンボル)として“7”,“BAR”,“ベル”(図形),“チェリー”(図形)が示され、これらの図柄と他の図柄(「ハズレ」となるシンボル)について各々の残存率が液晶表示画面6に表示されている。各図柄毎の残存率(%)を表す棒グラフは、図17に図柄“7”を例として示すように、スロットマシン1の電源投入時又はリセット時には、点灯又は明るく表示された部分が100%の状態にある(図17A)が、ゲームが繰り返されていくうちに、3個の回転リール4L,4C,4Rの停止時の図柄組み合わせが“7−7−7”の大当たりとなる状態が生じる毎に10%ずつ、点灯又は明るい部分が減少していく(図17B〜D)。また、図18の円グラフでも、各図柄毎の残存率(%)を表す点灯又は強調部分が大当たりの生じる毎に減少していく。他の図柄についても同様である。
図19のディジタル表示では、各図柄毎に残存率(%)を表す数字が変化していく。
上記各実施例において、主ゲームである可変表示装置の可変表示制御に関連して決定される表示を行う表示手段の表示位置が、主たるゲームである可変表示位置と、遊技者が操作する操作部であるストップボタンの位置の間に設定されているので、遊技者は主たるゲームを行っている可変表示を見ながら、表示手段の表示も見ることができ、且つ、円滑に操作部を操作することができる。
このように、新たに加わった表示手段で、可変表示の制御に関連した多くの情報を表示できる利益が得られ、且つ、遊技者の目線の動きは新たに加わった表示手段の表示を見ることにより増加しないので、遊技者は主たるゲームである可変表示装置のゲームに集中することができ、遊技者のストップボタン操作のタイミングが新たに加わった表示手段の表示によって狂わされることもない。
本実施例には、以下のものが含まれる。
(1) 遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示装置と、該可変表示装置の可変表示を制御する制御手段と、遊技者が前記可変表示の停止を目的として操作する操作部を備えた遊技機において、任意の画像を表示可能な表示手段を具備し、該表示手段に表示される画像は前記制御手段による可変表示制御に関連して決定され、該表示手段の表示位置は前記可変表示装置の可変表示位置と前記操作部との間に設定されていることを特徴とする遊技機。
(2) (1)記載の遊技機において、前記制御手段が、前記表示手段に表示すべき画像を決定して表示させることを特徴とする遊技機。
(3) (1)記載の遊技機において、前記表示手段は、前記制御手段からの表示指令に応じて表示画像を決定する表示制御部と、該表示制御部で決定された表示画像を表示する表示画面とを含んでいることを特徴とする遊技機。
(4) (1)乃至(3)のいずれか記載の遊技機において、前記表示手段の表示画像は前記可変表示装置の可変表示の進行に伴って変化することを特徴とする遊技機。
(5) (1)乃至(3)のいずれか記載の遊技機において、前記表示手段の表示画像は前記可変表示が停止した時の図柄の組合せを予想させる予兆表示であることを特徴とする遊技機。
(6) (1)乃至(3)のいずれか記載の遊技機において、前記制御手段は、前記可変表示装置の可変表示による遊技を2回以上連続して行えるように制御し、前記表示手段の表示画像は2回目以降の遊技の開始を予想させる予兆表示であることを特徴とする遊技機。
(7) (1)乃至(3)のいずれか記載の遊技機において、前記表示手段の表示画像は前記可変表示装置の可変表示による遊技とは別の遊技に必要な表示であることを特徴とする遊技機。
(8) (1)乃至(3)のいずれか記載の遊技機において、前記表示手段の表示画像は、前記可変表示中には前記可変表示制御と関連する表示であり、前記可変表示の停止時には、前記可変表示制御とは別個に行われる別遊技の表示であることを特徴とする遊技機。
(9) (1)乃至(3)のいずれか記載の遊技機において、前記表示手段の表示画像は各回の遊技における入賞或いはハズレの発生回数又は発生率を示す表示に切り替え可能であることを特徴とする遊技機。
(10) (1)乃至(9)のいずれか記載の遊技機において、前記表示手段は、前記可変表示装置の可変表示位置の下方で、且つ、前記操作部の上方に配置された上向き傾斜表示面を有することを特徴とする遊技機。
また、本実施例における課題を解決するための手段には、以下のものが含まれる。
本発明の第1の態様は、遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示装置と、該可変表示装置の可変表示を制御する制御手段と、遊技者が前記可変表示の停止を目的として操作する操作部を備えた遊技機において、任意の画像を表示可能な表示手段を具備し、該表示手段に表示される画像は前記制御手段による可変表示制御に関連して決定され、該表示手段の表示位置は前記可変表示装置の可変表示位置と前記操作部との間に設定されていることを特徴としている。
可変表示装置及び表示手段としては、液晶,CRT,LEDなどの電気的表示装置、或いは従来のスロットマシン等で用いられている回転リール構造の機械的表示装置を使用できる。表示手段の表示画像は、このような表示装置で表現できる種々の文字や図形、動画或いは光の点滅等で区別して表わされる。表示画像の種類としては、「大当り」の予兆表示、「大当り」の推進を意味する推進表示、「大当り」を意味する表示、「ハズレ」を意味する表示、「大当り」を期待させる表示等があり、例えばマイコンの記憶装置にデータとして予め格納可能である。
第2の態様では、制御手段により、表示手段に表示すべき画像を決定して表示させる。
第3の態様では、表示手段は、制御手段からの表示指令に応じて表示画像を決定する表示制御部と、該表示制御部で決定された表示画像を表示する表示画面とを含んでいる。
第4の態様では、表示手段の表示画像は、可変表示装置の可変表示の進行に伴って変化する。
第5の態様では、表示手段の表示画像は、可変表示が停止した時の図柄の組合せを予想させる予兆表示である。
第6の態様では、制御手段により、可変表示装置の可変表示による遊技を2回以上連続して行えるように制御し、表示手段の表示画像は2回目以降の遊技の開始を予想させる予兆表示である。
第7の態様では、表示手段の表示画像は、可変表示装置による遊技とは別の遊技に必要な表示である。
第8の態様では、表示手段の表示画像は、可変表示中は制御手段による可変表示制御と関連する表示であり、可変表示の停止時には、制御手段による可変表示制御とは別個に行われる別遊技の表示である。
第9の態様では、表示手段の表示画像は、各回の遊技における入賞或いはハズレの発生回数又は発生率を示す表示に切り替え可能である。
第10の態様では、前記表示手段は、前記可変表示装置の可変表示位置の下方で、且つ、前記操作部の上方に配置された上向き傾斜表示面を有する。
また、本実施例から導かれる作用・効果には、以下のものが含まれる。
本発明の遊技機において、遊技時には、制御手段が可変表示装置の可変表示を制御する。そして、可変表示の停止時に表示される図柄により、遊技結果が入賞あるいは非入賞(いわゆる「ハズレ」)となって現れる。制御手段による可変表示制御は、遊技結果に対応して可変表示の停止時に表示すべき図柄を決定し、その図柄で停止するように可変表示を制御することである。この制御に関連して決定された画像が、可変表示装置とは別に設けられた表示手段に表示される。これにより、遊技者は、可変表示装置による可変表示中に遊技の結果を予想したり期待したりすることができる。
遊技者は、時期を見計らって可変表示を停止させるために操作部を操作するが、その際、操作部を見る遊技者は可変表示装置の可変表示、表示手段の表示、操作すべき操作部をほぼ同時に見ることとなる。本発明において、表示手段の表示位置を可変表示装置の表示位置と、操作部との間に設定したので、可変表示を見ていた目線を操作部に移すだけで表示手段の表示を見ることができる。従って、遊技者の目線の動きは、表示手段の表示が加わっても増大せず、遊技者は遊技に集中することができる。
上記可変表示制御に関連して決定される画像とは、制御手段で決定した遊技結果の内容(入賞かハズレか、入賞の種類等)に対応して行われる制御の状態を示すような表示、或いは後述の別遊技を行うために必要な表示である。このような表示画像の決定は、制御手段により行われる。或いは、表示手段自体が制御手段からの表示指令に応じて表示画像を決定する表示制御部を含んでいる場合には、その表示制御部で行われる。
上記表示手段の表示画像が可変表示装置の可変表示の進行に伴って変化する場合には、遊技者は遊技結果が経時的に変化していると感じて、その結果に期待を持ち続けることができる。
上記表示画像が、可変表示が停止した時の図柄の組合せすなわち遊技結果を予想させる予兆表示である場合には、遊技者は、その予兆表示を見て「大当り」などの結果を予想できるので、遊技の興趣が高まる。
また、可変表示装置による遊技を2回以上連続して行うことができると共に、表示手段に2回目以降の遊技の開始を予想させる予兆表示が現れるようにした場合には、可変表示装置による最初の遊技が終了しても、遊技者は、表示手段に現れる予兆表示を見て、2回目以降の遊技の開始を予測し、次の遊技に期待することができる。
上記表示画像として、可変表示装置による遊技とは別の遊技に必要な表示を行うようにした場合には、遊技者は、本来の可変表示の遊技と同時に、或いは相前後して、別遊技を楽しむことができる。
上記表示手段での別遊技は、可変表示の遊技結果に関連づけて制御され、又は独立して制御される。これは、コイン等の遊技媒体を消費せずに行われるが、別遊技の開始又は入賞の条件としてコイン等の消費を要するように設定してもよい。また、別遊技を行う表示手段の表示内容を変更可能とすれば、遊技機自体は変えずに、遊技内容を変更したような効果を奏する。
上記表示手段が、本来の遊技の可変表示中はその可変表示制御と関連する表示を行い、可変表示の停止時には、可変表示制御とは別個の遊技の表示を行うようにした場合には、遊技結果が「ハズレ」と決定しても、可変表示が停止した時に表示手段による別遊技が開始されることで、別遊技を楽しむことができる。
また、表示手段に表示する画像として、各回の遊技における入賞或いはハズレの発生回数又は発生率を示す履歴表示を行うことにより、遊技者は、遊技を始めようとする遊技機が当たりの出やすい遊技台かどうかを判断できる。
前記表示手段が上向きに傾斜した表示面を有し、その表示面が前記可変表示装置の可変表示位置の下方で、且つ、前記操作部の上方に配置されていれば、遊技者が可変表示装置の可変表示を見ていると、同時に表示手段の表示面及び操作部も目に入り、可変表示を見ながら表示手段の情報を手に入れ、操作部を操作できる。
1…スロットマシン、2…キャビネット、3…表示窓、4L,4C,4R…リール、5…略水平台座部、6…液晶表示画面、6’…液晶表示器、7…コイン投入口、8…切替スイッチ、9…1−BETスイッチ、10…2−BETスイッチ、11…最大BETスイッチ、12…スタートレバー、12S…スタートスイッチ、14L,14C,14R…ストップボタン、15…入賞ライン、16…C/Pスイッチ、17…コイン払出口、18…コイン受け部、19L,19C,19R…ステッピングモータ、20…マイコン、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…クロックパルス発生回路、25…分周器、26……乱数発生器、27…乱数サンプリング回路、28…リール停止信号回路、30…ホッパー、31…モータ駆動回路、32…ホッパー駆動回路、33…液晶駆動回路、34…リール位置検出回路、35…コイン検出部、36…払出し完了信号回路