JP2004135540A - パン生地混捏用仕込み水供給装置 - Google Patents

パン生地混捏用仕込み水供給装置 Download PDF

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Takumi Kurosaka
黒坂 匠
Tatsuo Kitani
木谷 達夫
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FUJI NETSUGAKU KOGYO KK
Tsubakimoto Kogyo Co Ltd
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FUJI NETSUGAKU KOGYO KK
Tsubakimoto Kogyo Co Ltd
Tsubakimoto Machinery and Engineering Co
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Abstract

【課題】パン生地の種類に応じて、捏ね上げ温度を自動決定することができるパン生地混捏用仕込み水供給装置を提供すること。
【解決手段】ミキサー(11)に冷水を供給する冷水供給ライン(12)と、ミキサーに温水を供給する温水供給ライン(13)と、小麦粉の温度とその他の材料の温度とを測定する温度検知器(31〜36)と、所与のレシピ及び温度検知器のデータに基づいて小麦粉及びその他の材料の発熱量を求め、これらの発熱量及び仕込み水量から仕込み水温を求め、温水供給ライン及び冷水供給ラインからミキサーに供給される仕込み水量を調整することで仕込み水温を決定する制御器(15)とからなっている。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パン生地混捏用仕込み水供給装置に関わり、さらに詳しくは、パン生地捏ね上げ温度を均一にするパン生地混捏用仕込み水供給装置に関している。
【0002】
【従来の技術】
パンの品質はパン生地の混捏(ミキシング)工程の良否に負っている。
従来、パン生地の製造は、強力粉などの小麦粉を主体として、卵黄や油脂などの様々な原料を配合し、仕込み水を加え、ミキサーで混捏(ミキシング)することによって行なわれている。
【0003】
パン生地は、小麦粉がミキシング中に水分を吸収することで発生する水和熱(加水熱)及びミキサーの捏ね上げによって発生する摩擦熱によって、温度が上昇する。さらにパン生地の温度は原料温度や作業室の温度によっても変化する。このため、仕込み水を冷却したり、冷却設備を持つミキサーを使用したりして、ミキシング中のパン生地温度の上昇を防いでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ミキシングは、このように厳重な温度管理を必要とし、かなり熟達した技術をもつパン職人を必須としている。このため、パン工場の機械化が進んでいるにも関わらず、いまだ人の手によってミキシングを行なっているのが現状である。
特に近年、消費者ニーズの多様化、消費者の本物志向の風潮等により、店頭や小売店独自の専門工場でパンを製造して販売する製造小売店が注目を集めており、そのようなパンの製造小売店におけるローコスト・オペレーション実現のためにもミキシング工程の自動化が嘱望されている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ミキシングを自動化することができる、パン生地混捏用仕込み水供給装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の発明者が鋭意研究を重ねたところ、さまざまな制約条件があり、定量的な管理は困難と考えられていたミキシング工程が、仕込み水の温度管理を確実に行なうことによって、良質なパンを得るためのミキシングを行なえるということを究明した。
【0007】
本発明は、そのような新規な着想に基づき、ミキシング工程を自動化するパン生地混捏用仕込み水供給装置であって、ミキサーに温水を供給する温水供給ラインと、ミキサーに冷水を供給する冷水供給ラインと、小麦粉の温度とその他の材料の温度とを測定する温度検知器群と、所与のレシピ及び温度検知器群のデータに基づいて小麦粉及びその他の材料の発熱量を求め、これらの発熱量から仕込み水温を求め、該仕込み水温に基づいて温水供給ライン及び冷水供給ラインからミキサーに供給される仕込み水量を調整する制御器とからなることを特徴としている。
【0008】
【作用】
本発明のパン生地混捏用仕込み水供給装置は、ミキサーに温水を供給する温水供給ラインと、ミキサーに冷水を供給する冷水供給ラインと、小麦粉の温度とその他の材料の温度とを測定する温度検知器群と、所与のレシピ及び温度検知器群のデータに基づいて小麦粉及びその他の材料の発熱量を求め、これらの発熱量から仕込み水温を求め、該仕込み水温に基づいて温水供給ライン及び冷水供給ラインからミキサーに供給される仕込み水量を調整する制御器とからなるため、レシピが設定されると、制御器がレシピに応じた材料の温度を測定し、これらの温度から仕込み水の最適温度を算出して、温水供給ライン及び冷水供給ラインからミキサーにパン生地の混捏に最適な水温をもつ仕込み水が供給される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明のパン生地混捏用仕込み水供給装置のある実施の形態を説明する。
【0010】
この仕込み水供給装置は、ミキサー11に仕込み水を供給するためのもので、冷水供給ライン12、温水供給ライン13、仕込み水タンク14、制御器15を具備している。
【0011】
ミキサー11は、よく知られた縦型ミキサーと呼ばれるもので、原料を容れるミキサーボウル16を備えている。ミキサーボウル16の内部には攪拌羽根17が配置されている。攪拌羽根17はシャフトをミキサーに組み込まれた電動機(図示せず)のシャフトに連結されている。
【0012】
冷水供給ライン12は、片方の管路における図示を省略された端部が冷水タンク及びポンプを介して冷却装置に接続されている。冷却装置は冷凍機を含むものからなっている。もう片方の管路における図示を省略された端部が冷凍機の蒸発器につながれている。この循環路内の水は、ポンプによって循環され、冷凍機の蒸発器を通るときに冷却される。冷水供給ライン12を循環する冷水温度は、例えば1.0℃である。
【0013】
温水供給ライン13は、片方の管路における図示を省略された端部が貯湯槽及びポンプにつながれ、もう片方の管路における図示を省略された端部が貯湯槽につながれている。貯湯槽は内部に貯留された水を加熱する加熱管を備え、この加熱管は貯湯槽の外にある加熱装置につながっている。加熱装置は熱交換器及び蒸気発生源を備え、熱交換器を通る蒸気が加熱管内の熱媒体を加熱し、熱媒体が貯湯槽内の水を加熱している。温水供給ライン13を循環する温水温度は、例えば80℃である。
【0014】
仕込み水タンク14は、上部に分岐管21,22を、下底に払い出し管23を備えている。分岐管21は、仕込み水タンク14と冷水供給ライン12とを、分岐管22は仕込み水タンク14と温水供給ライン13とをそれぞれ接続している。電磁流量計24と電磁弁25とが分岐管21に、電磁流量計26と電磁弁27とが分岐管22にそれぞれ設けられている。払い出し管23は、仕込み水タンク14に接続している端部と反対側端部がミキサーボウル16の内部に延びている。電磁弁28がこの払い出し管23に設けられている。
【0015】
このため、電磁弁25が開くと、冷水供給ライン12の冷水は仕込み水タンク14に導かれ、電磁弁27が開くと温水供給ライン13の温水は仕込み水タンク14に導かれる。そして、電磁弁28が開くと、仕込み水タンク14に導かれた冷水と温水との混合水である仕込み水が払い出し管23からミキサーボウル16に排水される。
【0016】
制御器15はマイクロプロセッサ、メインメモリ、プラグラムを格納するリードオンリーメモリー(ROM)、温度検知器や電磁弁が接続されるインターフェイスなどを備えている。
【0017】
制御器15のインターフェイスには温度検知器群が接続されている。温度検知器群は温水供給ライン13を流れる温水の温度を検知する温度検知器31、冷水供給ライン12を流れる冷水の温度を検知する温度検知器32、小麦粉温度を検出する温度検知器33、油脂の温度を検出する温度検知器34、卵黄の温度を検知する温度検知器35、液種の温度を検出する温度検知器36、この仕込み水供給装置が設置される作業室の温度を検知する温度検知器37からなっている。これらの温度検出器31〜37は制御器15のインターフェイスに接続されている。温度検知器31〜37のうち、油脂温度を検知する温度検知器34及び卵黄の温度を検知する温度検知器35はこれらを冷蔵保管する保存室38にそれぞれ配置され、保存室内の温度をそれぞれ検出している。
【0018】
なお、一般に液種とは、パンを発酵させるための酵母と砂糖などを含む液体を予め発酵させて作った液状のものを呼んでいるが、本発明においては、小麦粉や他の原料も含んだものをミキシングして予備発酵させたスラリー状あるいはペースト状のいわゆる中種であっても同様に実施可能である。
【0019】
さらに制御器15には、操作器39がつながれている。操作器39は、レシピの入力とこの装置の機器を操作するためのもので、ディスプレイと入力器とを備えている。ディスプレイには生地全体量(kg)、冷水量(kg)、粉量(kg)、油脂量(kg)、卵黄量(kg)、液種量(kg)、ミキサー11の高速運転時間(分)、ミキサー11の低速運転時間(分)及び捏ね上げ温度(℃)が表示されている。作業者が入力器によって項目の各々に必要とする数値を設定すると、各々の項目の数値に対応するデータが操作器39から制御器に伝達されるようにしている。この入力器には、冷水供給ライン12の冷却装置及び温水供給ライン13の加熱装置を起動及び停止するスイッチを含めた、この装置に接続されるすべての機器の作動を制御するスイッチも組み込まれている。
制御器15は、プログラムにしたがって入力器によって設定されたレシピ、作動指示、温度検知器のデータをパラメータとして演算し、得られた結果に基づいて電磁弁25,27を作動させている。
【0020】
ミキシングに先だって作動され、冷却装置及び加熱装置は作動し、冷水供給ライン12に温度1.0℃の冷水を、温水供給ライン13に温度80℃の温水を循環させている。
【0021】
ミキシングは、作業者が、操作器39の入力器によって、パン生地のレシピを操作器39上に設定することによって開始される。設定する項目は、生地全体量(kg)、仕込み水量(kg)、粉量(kg)、油脂量(kg)、卵黄量(kg)、液種量(kg)、その他の材料(kg)、ミキサー11の高速運転時間(分)、ミキサー11の低速運転時間(分)及び目標捏ね上げ温度(℃)である。
【0022】
レシピを設定し、小麦粉、油脂、卵黄、液種を一緒にミキサーボウル16に容れた後、作業者が入力器にあるスタートスイッチをオンにする。
【0023】
スタートスイッチがオンになると、制御器15は、プログラムにしたがって、ミキサー11の捏ね上げによる摩擦熱、小麦粉のもつ熱量、小麦粉の吸水による発熱量、油脂のもつ熱量、卵黄のもつ熱量)、液種(中種)のもつ熱量及びその他の材料のもつ熱量をまず演算する。
【0024】
制御器15は、ミキサー11の捏ね上げによる摩擦熱Q1(kJ)を下記式(1)によって求めている。
Q1=Ehigh×ηhigh×qhigh×Hhigh+Elow×ηlow×qlow×Hlow・・・(1)
この式において、添え字 high は、ミキサー11を高速運転した場合、low は、ミキサー11を低速運転した場合をそれぞれ表している。Ehigh,Elowはミキサー11の動力(kW)、ηhigh,ηlowはミキサーモータの効率、qhigh,qlowは捏ね上げに際しての単位発熱量(kJ/kW・分)、Hhigh,Hlowは運転時間(分)である。
【0025】
ミキサーモータの効率ηhigh,ηlowとミキサー11の捏ね上げによる単位発熱量qhigh,qlow  は、本出願の発明者の実験によると、レシピが決まれば一定の数値で表すことができる。ミキサー11の高速運転時間及び低速運転時間は、レシピによってあらかじめ設定されているため、制御器15は、レシピが設定されると、入力器からミキサー運転時間Hhigh,Hlow  を読み出し、リードオンメモリに格納されているテーブルからモータ効率ηhigh,ηlow  および単位発熱量qhigh,qlow  を読み出すことによって、式(1)からミキサー11の動力による摩擦熱Q1の演算を行なえる。
【0026】
小麦粉のもつ熱量Q2(kJ)は下記式(2)によって演算される。
Q2=W2×C2×(Tf−Td)                ・・・(2)
この式において、W2は小麦粉重量(kg)、C2は小麦粉の比熱(kJ/kg・℃)、Tfは小麦粉の温度(℃)、Tdは目標捏ね上げ温度(℃)である。
【0027】
小麦粉重量W2及び目標捏ね上げ温度Tdはレシピを設定することによって定まり、小麦粉の比熱C2はあらかじめ決まっている。このため、制御器15は、温度検知器33を通じて小麦粉の温度Tfを検出することで、小麦粉のもつ熱量Q2を式(2)から演算することができる。
【0028】
小麦粉の吸水による発熱量Q3(kJ)は下記式(3)から求めている。
Q3=W2×K                       ・・・(3)
この式において、W2は小麦粉重量(kg)、Kは小麦粉重量あたりの単位吸水発熱量(kJ/kg)である。
【0029】
小麦粉の重量W2はレシピから、また小麦粉重量あたりの単位吸水発熱量Kは、あらかじめ知られているので、レシピが設定されると、制御器15は式(3)から小麦粉の吸水による発熱量Q3を演算することができる。
【0030】
油脂のもつ熱量Q4(kJ)は下記式(4)から求めている。
Q4=W4×C4×(To−Td)                ・・・(4)
この式において、W4は油脂の重量(kg)、C4は油脂の比熱(kJ/kg・℃)、Toは油脂の温度(℃)、Tdは目標捏ね上げ温度(℃)である。
【0031】
油脂の比熱C4はあらかじめ知られており、油脂重量W4は、レシピから判るので、制御器15は、レシピが設定されると、テーブルから油脂の比熱C4を拾い出し、入力器からの油脂重量W4及び温度検知器34からの油脂温度Toによって、油脂のもつ熱量Q4を式(4)から演算することができる。
【0032】
卵黄のもつ熱量Q5(kJ)は下記式(5)によって求めている。
Q5=W5×C5×(Te−Td)                ・・・(5)
この式において、W5は卵黄重量(kg)、C5は卵黄の比熱(kJ/kg・℃)、Teは卵黄温度(℃)、Tdは目標捏ね上げ温度(℃)である。
【0033】
卵黄の比熱C5はあらかじめ知られており、卵黄重量W5はレシピから判るので、制御器15はテーブルから卵黄の比熱C5を拾い出し、入力器からの卵黄重量ワW5及び温度検知器35からの卵黄の温度Teによって、卵黄のもつ熱量Q5を式(5)から演算することができる。
【0034】
液種(中種)のもつ熱量Q6(kJ)は下記式(6)から求めている。
Q6=W6×C6×(TI−Td)                ・・・(6)
この式において、W6は液種の重量(kg)、C6は液種の比熱(kJ/kg・℃)、TIは液種の温度(℃)、Tdは目標捏ね上げ温度(℃)である。
【0035】
液種の比熱C6はあらかじめ知られており、液種の重量W6はレシピが決定されれば判るので、制御器15はテーブルから液種の比熱C6を拾い出し、入力器からの液種重量W6及び温度検知器36からの液種温度TIによって、液種のもつ熱量Q6を式(6)から演算することができる。
【0036】
作業室内に保管されるその他の材料がもつ熱量Q7(kJ)は下記式(7)によって求めている。
Q7=W7×C7×(Tr−Td)                ・・・(7)
この式において、W7は材料重量(kg)、C7は材料の比熱(kJ/kg・℃)、Trは作業室の温度(℃)、Tdは目標捏ね上げ温度(℃)である。
【0037】
その他の材料の比熱C7はあらかじめ知られており、その他の材料の重量W7はレシピから判るため、制御器15は、テーブルから液種の比熱C7を拾い出し、入力器からの材料重量W7及び温度検知器37からの作業室の温度Trによって、その他の材料がもつ熱量Q7を式(7)から演算することができる。
【0038】
制御器15は、このようにして、ミキサー11の捏ね上げによる摩擦熱Q1と小麦粉のもつ熱量Q2と小麦粉の吸水による発熱量Q3と油脂のもつ熱量Q4と卵黄のもつ熱量Q5、液種(中種)のもつ熱量Q6とその他の材料のもつ熱量Q7とを演算を行なうと、プログラムにしたがって、これらの摩擦熱Q1と熱量Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7とから合計熱量QT(kJ)を演算すると共に、操作器39に設定されたすべての材料の重量を考慮した平均比熱、つまり加重平均比熱C1(kJ/kg・℃)を演算し、操作器39から仕込み水量W1(kg)を読み出して、これらのデータと操作器39に設定された目標捏ね上げ温度Td(℃)とから仕込み水温Tc(℃)を以下の式(8)によって演算する。
Tc=(W1×C1×Td−QT)/(W1×C1)         ・・・(8)
【0039】
以上に際して、制御器15は、製造するパンの種類に応じて、小麦粉、油脂、卵黄、液種及びその他の材料の材料うち一部を使用しない場合、関係する式(4)〜(7)及び加重平均比熱C1を計算する式から、これらの材料の重量値をゼロとして演算し、目標捏ね上げ温度をもつ目的とするパン生地を得るのに必要な温度の仕込み水量を決定する。
【0040】
仕込み水温Tcが決定すると、制御器15は、仕込み水温Tcが温度1.0℃以下か、あるいは以上かであるかを判定する。温度1.0℃は、冷水供給ライン12の冷水が凍結しない温度であり、温度1.0℃以上の仕込み水の場合には、下記のような方法により冷水供給ライン12からの冷水と、温水供給ライン13からの温水を混合することにより、仕込み水を生成することができる。
【0041】
算出された仕込み水温Tcが1.0℃以上の値であると、制御器15は、プログラムにしたがって、仕込み水温Tcになる電磁弁25及び電磁弁27の開放時間を決定する。それから、制御器15は、決定した開放時間に対応して電磁弁25,27を開放する。同時に、制御器15は、プログラムにしたがって、分岐管21,22を実際に流れる水量を電磁流量計24,26からの信号によってモニターして、仕込み水温Tcが得られる水量の温水及び冷水が仕込み水タンクに14に供給されたら、電磁弁25,27を閉塞する。これによって、冷水と温水とが仕込み水タンク14において混合され、目標捏ね上げ温度Td(℃)に対応し、レシピに対応する水量及び水温の仕込み水が仕込み水タンク14に得られる。制御器15は、電磁弁25,27を閉塞すると、仕込み水の準備が終了したことを操作器39のディスプレイに表示する。
【0042】
そのあと、作業者が入力器にある仕込み水払い出しスイッチを押すと、制御器15が電磁弁28が開いて、目標捏ね上げ温度を得るのに必要な水温の仕込み水が仕込み水タンク14からミキサーボウル16に供給される。そして、ミキサー11を作動させることによって、目標捏ね上げ温度のパン生地を得られる。
【0043】
一方、算出された仕込み水温Tcが1.0℃以下の場合には、制御器15は、プログラムにしたがって、仕込み水温Tcにするために、必要な氷量Wi(kg)が算出される。具体的には、氷の比熱を加味した熱量計算により、以下の式(9)により演算する。
Wi=QT+W1×(Tc−Td)/(79.5+Tw)      ・・・(9)
この式において、QTは合計熱量(kJ)、W1はトータルの仕込み水量(kg)、Tcは仕込み水温(℃)、Tdは目標捏ね上げ温度(℃)、Twは冷水供給ラインから供給される冷水の温度(℃)、そして数値79.5は氷の融解熱である。
【0044】
制御器15は、氷と冷却水の割合を以下の式(10)によって演算し、その結果を操作器39のディスプレイに表示する。
W1=Wi+Wc                      ・・・(10)
この式にて、W1は仕込み水量(kg)、Wiは氷量(kg)、Wcは冷水量(kg)である。
表示された値に基づき、作業者により、所要の氷がミキサーボウル16に投入される。
【0045】
氷の投入前後に、作業者が入力器にある仕込み水払い出しスイッチを押すと、制御器15が電磁弁28が開き、式(8)および式(10)から決定された水温と水量とをもつ仕込み水が仕込み水タンク14からミキサーボウル16に供給される。そして、ミキサー11を作動させることによって、これらの仕込み水と氷とによって、目標捏ね上げ温度のパン生地を得られる。
【0046】
本発明による仕込み水供給装置は、このように、捏ね上げ温度の自動制御が可能であるため、熟達したミキシング技術を必要とすることなしに、均一なパン生地の製造を行なうことができ、均一な品質のパンを製造することができる。
【0047】
さらに、ミキシングを行なうごとに、必要とする温度と水量の仕込み水を短時間で得ることができるため、パン生地の製造を能率よく行うことができる。
【0048】
さらに、あらかじめ所定の温度に維持されている冷水と温水とを混合することによって、所与のレシピにしたがった最適温度の仕込み水を生成するので、仕込み水の再冷却及び再加熱を要することなく、きわめて短時間で最適温度の仕込み水を得ることができる。
【0049】
なお、以上説明した実施例において、仕込み水温が1.0℃以下の場合、制御器15は氷量を操作器のディスプレイに表示し、表示された量の氷を人力によってミキサーボウル16に投入するようにしているが、氷の投入を自動化してもよい。例えば、制御器15が氷量Wi及び冷水量Wcを算出したあと、冷水量Wcに対応する冷水供給ライン12の電磁弁25の開放時間のみを決定し、決定した開放時間に対応して電磁弁25のみを開放し、同時に、氷供給手段40に氷量Wiのデータを送り、氷供給手段40が指定量Wiの氷を秤量してミキサーボウル16に投入することにより、一層の省力化が図られるため、より好ましい。
【0050】
また、冷水供給ライン12を流れる水は冷凍機によって冷却され、温水供給ライン13を流れる水は蒸気加熱されているが、それぞれ他の手段によってなされてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパン生地混捏用仕込み水供給装置は、ミキサーに温水を供給する温水供給ラインと、ミキサーに冷水を供給する冷水供給ラインと、小麦粉の温度とその他の材料の温度とを測定する温度検知器群と、レシピ及び温度検知器群のデータに基づいて小麦粉及びその他の材料の発熱量を求め、これらの発熱量から仕込み水温を求め、該仕込み水温に基づいて温水供給ライン及び冷水供給ラインからミキサーに供給される仕込み水量を調整する制御器とからなり、レシピが設定されると、制御器がレシピに応じた材料の温度を測定し、これらの温度から仕込み水の最適温度を算出して、最適捏ね上げ温度が得られる温度の仕込み水を温水供給ライン及び冷水供給ラインからミキサーに供給することができ、しかもこれを自動的に行なえるため、高度な職人技術を必須とせずにミキシングを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパン生地混捏用仕込み水供給装置のある実施の形態の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
11       ミキサー
12       冷水供給ライン
13       温水供給ライン
14       仕込み水タンク
15       制御器
16       ミキサーボウル
17       攪拌羽根
21、22    分岐管
23       払い出し管
24、26    電磁流量計
25、27、28 電磁弁
31〜37    温度検知器
38       保存室
39       操作器
40       氷供給手段

Claims (2)

  1. ミキサーに温水を供給する温水供給ラインと、
    前記ミキサーに冷水を供給する冷水供給ラインと、
    小麦粉の温度及びその他の材料の温度とを測定する温度検知器群と、
    該温度検知器群のデータ及び所与のレシピに基づいて前記小麦粉及び前記その他の材料の発熱量を求め、これらの発熱量から仕込み水温を求め、該仕込み水温に基づいて前記温水供給ライン及び前記冷水供給ラインから前記ミキサーに供給される仕込み水量を調整する制御器とからなること、
    を特徴とするパン生地混捏用仕込み水供給装置。
  2. 前記制御器が、前記ミキサーの動力による摩擦熱Q1(kJ)を
    Q1=Ehigh×ηhigh×qhigh×Hhigh+Elow×ηlow×qlow×Hlow
    から求め、前記小麦粉のもつ熱量Q2(kJ)を
    Q2=W2×C2×(Tf−Td)
    から求め、前記小麦粉の吸水による発熱量Q3(kJ)を
    Q3=W2×K
    から求め、油脂のもつ熱量Q4(kJ)を
    Q4=W4×C4×(To−Td)
    から求め、卵黄のもつ熱量Q5(kJ)を
    Q5=W5×C5×(Te−Td)
    から求め、液種のもつ熱量Q6(kJ)を
    Q6=W6×C6×(TI−Td)
    から求め、その他の材料のもつ熱量Q7(kJ)を
    Q7=W7×C7×(Tr−Td)
    から求め、そして、これらの材料の熱量を合計した熱量QT(kJ)とこれらの材料すべての加重平均比熱C1(kJ/kg・℃)と目標捏ね上げ温度Td(℃)とから仕込み水温Tc(℃)を
    Tc=(W1×C1×Td−QT)/(W1×C1)
    から求め、該仕込み水温に基づいて前記温水供給ライン及び前記冷水供給ラインから前記ミキサーに供給される仕込み水量を調整している請求項1に記載のパン生地混捏用仕込み水供給装置。
    但し、上記式の各々において、C2は小麦粉の比熱(kJ/kg・℃)、C4は油脂の比熱(kJ/kg・℃)、C5は卵黄の比熱(kJ/kg・℃)、C6は液種の比熱(kJ/kg・℃)、C7はその他の材料の比熱(kJ/kg・℃)、Ehighは高速運転時のミキサーの動力(kW)、Elowは低速運転時のミキサー動力(kW)、Hhighは高速運転時のミキサー運転時間(分)、Hlowを低速運転時のミキサー運転時間(分)、Kは小麦粉の重量あたりの単位吸水発熱量(kJ/kg)、Tdは目標捏ね上げ温度(℃)、Teは卵黄の温度(℃)、Tfは小麦粉の温度(℃)、TIは液種の温度(℃)、Toは油脂の温度(℃)、Trは作業室の温度(℃)、W2は小麦粉重量(kg)、W4は油脂重量(kg)、W5は卵黄重量(kg)、W6は液種重量(kg)、W7はその他の材料の重量(kg)、ηhighは高速運転時のミキサーモータの効率、ηlowは低速運転時のミキサーモータの効率、qhighは高速運転時のミキサーの動力による単位発熱量(kJ/kW・分)、qlowは低速運転時のミキサーの捏ね上げによる単位発熱量(kJ/kW・分)である。
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