JP2004147654A - 使用する混液に基づいてアイスクリーム生産サイクルを制御し、最適化する方法 - Google Patents

使用する混液に基づいてアイスクリーム生産サイクルを制御し、最適化する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アイスクリーム製造機で用いるアイスクリームミックスの種類に応じてフリージング工程を制御し、最適化する方法の提供。
【解決手段】冷凍シリンダーで冷凍回路の蒸発器と熱を交換させ、適当な電気モーターで撹拌/掻き取り要素をこの冷凍シリンダー内で回転させることを包含し、さらに処理要素、前記蒸発器の入口及び出口において冷凍ガスの温度値を連続的に検知するためのセンサ、及び、前記モーターで用いられる電力の値を連続的に検知するための手段をも含み、前記の温度値及び前記のモーターで用いられる電力のための前記の値が連続的に前記の処理要素に入力され、これらの値を処理するための前記プロセッサーにおけるソフトウエア・プログラムが、インパルス・ソレノイドバルブを駆動させる信号を出力することができ、このバルブが、前記コンプレッサーの排気から取得した熱ガスを、冷凍液の主流に連続的に導入することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、使用するアイスクリーム用混液(ice-cream mixture )に基づいてアイスクリーム生産サイクルを制御し、最適化する方法に関するものである。
現在のところ、アイスクリーム製造機の生産サイクルは、アイスクリーム用混液によって実現される硬度に基づいて制御されており、この硬度は、機械的手段によって、あるいは、撹拌モーターの電力消費を記録することによって検知されている。
しかし、この制御法は、アイスクリーム用混液(果実、ミルク、脂肪分などを基本成分とする混液)の組成や、混合室中に存在する混液の量、ないしは、大量のアイスクリームを抜き取った後に混合室に供給する液状混合物の量、などの諸要因に適切に配慮していないものである。
従って本発明の主要な題目は、製造機の冷凍シリンダー中で処理されている製品(アイスクリーム)の量やタイプに関わりなく、その粘稠性(consistency )と温度、乳化される空気の量(増量分 [overrun])とクリーム性、などに関して反復性ある特性をもって、予め定めた冷凍時間内に最終製品を調製できるような方法である。
このような成果は、冷気発生源としてのコンプレッサー、製品塊全体に冷気を分散させる手段としての撹拌/掻き取り機、前記蒸発器中の冷凍液の温度を制御する手段としての、蒸発器に熱ガス(hot gas )を注入するためのバルブ、などの運転操作を適切に管理することによって達成される。
これらの諸構成要素の管理は、冷凍液と製品との間の熱移転係数を最大限にし、蒸発器の入口と出口との間の蒸発温度が予め定めた値より低くなって、冷凍シリンダー表面(製品側)に氷が形成され、その結果、製品から冷凍液への熱の流動が減退して、望ましからぬ冷凍時間の増大が生じるのを阻止することを目指すものである。
このような構成要素の管理は、蒸発器の室内に存在する製品の量と、その品質、すなわち、それが水分の多い、果実主成分の混液からなるのか、あるいはクリーム性の、ミルク主成分の混液からなるのかどうか、との両者を認識できるように設計された機械によって自動的に実施される。
製品の量は、蒸発器の入口と出口との間の冷凍液の温度差の積分又は総和の数列に基づいて機械によって判断される。その読み取りは、規則的な時間間隔で、例えば4秒ごとに実施される。
(数1)

積分(INTEGRAL)= ΣΔ(T - T
製品の品質は、それぞれ次の読み取りで修正された前述の積分に、各読み取りで再計算された製品の「粘稠性微分係数(consistency derivative)」とここで定義するものを乗じることによって得られる数値(Nq−製品品質数値)に基づいて機械によって認識される。「製品の粘稠性微分係数」なる用語は、時間間隔Δτ(非常に短く、時間そのもの)における粘稠性の増加Δcの比率と理解される。
(数2)
Δc
粘稠性微分係数= --------
Δτ
事実、機械ごとに値Nmが存在し、その値は、実験的手法で決定することができ、従って、もし前述のようにして得られる数値がこの値より大きい場合は、室内の製品はクリーム性タイプのものであり、もしこの値より低い場合は、室内の製品は、水分の多い、果実を主成分とするタイプのものである。
水分の多いタイプの製品は冷凍液の低い蒸発温度に最も敏感である。なぜなら、このような条件では、この製品は、クリーム性製品よりも容易に、冷凍シリンダーの内壁に氷層を形成して、特徴的な外観を生じ、「クリーム性(creaminess)」を失うからである。本業界の専門家は、製品中の氷の大きな結晶の存在によって、これを「凍結状(frozen)」と称している。このような条件のもとでは、シリンダー壁面上の氷層が熱絶縁体として作用し、蒸発器と製品塊との間の熱交換を遅らせるので、処理中の製品が所望の最適粘稠性に達するまでに比較的長い時間がかかり、しばしばそれに達しないことさえある。
この問題を克服するためには、本方法に従って、コンプレッサーの排気口から得た適切な量の熱ガスを、蒸発器の入口で、冷凍液流に注入することが考えられる。このような熱ガスの単位時間当たりの注入は、バルブの寿命が過度に短縮されるのを防ぐためにも、頻繁に過ぎてはならず、また、蒸発器中の冷凍液の温度条件が実質的に変化しない程度に、それぞれが短時間でなければならないことが指摘される。
蒸発器は、その入口における温度変化に対して約60秒の遅れで反応するので、熱ガス注入は約20秒というはるかに短い期間を対象にしなければならず、継続時間は 0.5ないし2秒である。
従って、熱ガスは、「粘稠性ゼロ(zero consistency)」の存在下に蒸発器の入口及び出口における冷凍剤の予め定められた温度値によって特徴づけられる「運転上のゼロ時間(operational zero)」を設定するように、冷凍期間のスタート期に、また、入口温度が+10℃未満に低下し、出口温度が+21℃未満に低下したときはただちに、連続的に供給される。
操作上のゼロ時間に達したなら、熱ガスの供給は、冷凍期全体にわたって、先に示した期間続けられる。
図面の略記
添付図面を引用して本発明をさらに詳しく説明する。
図1は、アイスクリーム製造機の冷凍室の縦断面を図解したものである。
図2は、本発明によるアイスクリーム製造機の回路図を示す。
図3は、本発明によって混液を冷凍した場合の温度T対時間τのグラフを示す。
図4は、粘稠性C対時間τについての同様なグラフを示す。
図5は、従来方式によって操作された製造機の実験による粘稠性対時間のグラフを示す。
図6は、本発明方法を用いた製造機の操作によって得られる同様のグラフを示す。
図7ないし図10は、本発明方法を用いて操作されている製造機で処理される混液の、それぞれの粘稠性対時間を示すグラフである。
図11及び図12は、本方法を用いて冷凍室中に含まれているアイスクリーム用混液の量を判断することがどのようにして可能であるかを示すグラフである。
本発明の好ましい形態の説明
図面についていえば、図1は、従来から用いられている冷凍室13を図解したもので、その円筒型外套は冷凍ユニット(図示せず)の蒸発器1によって囲まれており、室の内部には、スポーク11によってシャフト9に取り付けられた撹拌/掻き取り用の旋回板10が具備されている。Tは蒸発器1への入口における冷凍ガスの温度を示し、Tは蒸発器1からの出口における同ガスの温度を示す。
図面の図2によって、本発明方法を実施するための冷凍回路の一例を説明する。図示するように、この回路は、一連のパイプ系Pを包含し、これが回路の諸構成要素、すなわち、蒸発器1、モーター駆動コンプレッサー2、コンデンサー3、及び温度自動調節エクスパンションバルブ4を順次結び付けている。
冷凍回路のパイプ系Pにはまた、これに沿って、冷凍液の流通を制御するための二次的構成要素、すなわち、蒸発器1に冷凍液を供給するためのソレノイドバルブ5、温度自動調節バルブ4の下流のM点で冷凍液の主流にコンプレッサー排気から取り出した熱ガスを導入するためのソレノイドバルブ6、などが配置されている。
蒸発器の入口温度T及び出口温度Tを二つのセンサー7及び8が検知する。シャフト9と、スポーク11によってシャフト9に適切に結合され、掻き取り板12を支持している製品撹拌用の旋回板10とからなる回転体が、蒸発器1の冷凍室13内部表面に連続的に製品を拡布し、そこから除去する。
撹拌/掻き取り要素の回転はモーター14によって行われる。モーター駆動コンプレッサー2はモーター15によって動かす。この冷凍回路の付属構成要素として、このコンプレッサーの上流及び下流の閉止タップ16、脱水フィルター17、及び冷凍剤の流通を示すランプ18がある。
また、P1は冷凍液のコンデンサー3に冷却水を供給し、それを排出するための配管系を示す。
この配管系には、コンデンサー3から排出される水のためのエコノマイザーバルブ19が取り付けられており、このバルブは、コンプレッサー2の供給圧力を一定に保つために水の流速を調整する機能を有する。
20は”VIP”(獲得/処理/作動)ユニットと称せられる装置であり、ここで、蒸発器入口の冷凍液の温度値T、同じく出口の温度値T、ならびにモーター14が使用する電力の値を受信する。このユニット20は、適当な数学アルゴリズム(統合ソフトウエア)を用いて受信データを処理し、もし必要なら、制御される構成要素を修正することによって、間接的には、個別の混液のタイプ(冷凍プロセス中のレオロジー的性質あるいは見かけ粘度)や、そのタイプの混液が包含し得る空気量(増量分)に基づいて定まり、また、蒸発器中の冷却剤の温度と共に製品の最終粘稠性に影響を与える所要時間とは無関係に、製品の最適冷凍条件を確保しようとするものである。
”VIP”制御噐20の機能
制御器20を形成している、統合ソフトウエアを備えた制御ユニットの主たる機能は、次のように概説することができる。
(1) 製品冷凍段階の全期間にわたる熱ガスの調整流の注入。ソレノイドバルブ6によって注入される熱ガス流は、温度自動調節バルブ4によって供給される通常の冷凍剤流と共に蒸発器1に入り、蒸発温度の過度に急激な低下によって蒸発器の内部表面に氷層が形成されるのを防ぎ、製品から冷凍液への熱移転を最大一定値に保つのに好都合である。このような事態では、製品の粘稠性は急速かつ恒常的に増加して、蒸発器入口における冷凍剤温度Tは、対応する同出口温度Tよりも低いままに止まる。しかし、冷凍段階の末期にかけてつねに起きるように、この二つの温度の差がゼロとなったときは、この制御器20が、次のような三つのあり得る事態のそれぞれに応じて異なる様式で介入する。
(1.1) 製品の粘稠性が一定様式で増加し続ける。すなわち、コンプレッサーは運転を続け、熱ガスの供給が続いて、「アイスクリーム準備完了(ice cream ready )」の信号が受信される。
(1.2) 製品の粘稠性が増加しなくなり、一定状態に止まる。すなわち、製品から冷凍剤へ移転される熱量がゼロである。この場合は、蒸発器の表面にかなり厚い氷層が形成されて、この蒸発器の熱流動の効果がなくなる。コンプレッサーは停止し、そのために熱ガス供給は止まる。撹拌機は運転を続け、形成された氷は掻き取られて除去され、それが製品と混合されるので、その低温度によって移動物中に生じる冷却効果によって、再び粘稠性が増大される。この事態において、もし「アイスクリーム準備完了」の信号が受信されたなら、制御器20は撹拌機をも停止させる。他方、もしこの信号が受信されなければ、制御器が再びコンプレッサーをスタートさせ、撹拌機は動いていて、信号の受信を待つ。
(1.3) 製品の粘稠性が急速に減少し始める。(1.2) 項に述べた事態で生じ得る温度よりも低い温度で蒸発器の表面に一様に氷層が形成される。この場合も、制御器がコンプレッサーを停止させ、撹拌機は動き続け、撹拌機が、(1.2) の場合よりも概して大きな時間間隔で、まず氷を破壊し、ついで除去し、この氷の低温によって内容物の粘稠性の増大が起きる。予め定められた時間の後に、もし「アイスクリーム準備完了」の信号が受信されたなら、制御器は単に、運転者がアイスクリームのすべてを抜き出すまで撹拌機の運転を維持するだけである。しかし、予め定めた時間間隔の後に「アイスクリーム準備完了」の信号が受信されない場合は、制御器は再度コンプレッサーをスタートさせ、信号の受信を待つ。その間もアイスクリームが全部抜き取られるまで撹拌機の運転は続けられる。
図3について述べれば、0からτ までの期間、すなわち開始期には、熱ガスが連続的に供給され、エキスパンションバルブ4によって、曲線T 及びT が波動し、相互に逆転するような初期期間は克服される。
時間τ (運転上のゼロ時間)では、もし熱ガスの注入が止まった場合、冷凍剤の入口及び出口での温度は連続曲線T 及びT 上に位置し、冷凍時間の末期τ に逆転し、明白に低下して、氷の形成を生じる。
これに対して、τ 時間後に、もし熱ガスの供給を、連続的に更新された値に基づいて(蒸発器の入口及び出口の冷凍剤の温度差ならびに製品の粘稠性微分係数Cに基づいて)間歇的に継続させた場合は、新たな温度の進展が得られ、この温度は、連続曲線T 及びT における値から、より高い曲線T'及びT'における値に進み、これによって氷の形成は減少し、τ における交差はもはや生ぜず、その結果、冷凍剤の流速の減少は起こらなくなる。
図4についていえば、曲線I はある混液に関するもので、その冷凍には、冷凍期全般にわたって補助的に間歇的熱ガス供給を行っている。
コンプレッサー2(図2)は定常的に運転され続け、熱ガスはいつでも利用可能である。混液は冷凍されて、「アイスクリーム準備完了」の信号が受信される。一方、製品は可能最大限の熱量を冷凍剤の方へ均一に放散する。(つねに上昇方向の曲線。)粘稠性は定常的に増大する。
曲線II 及びIII は、補助的な熱ガスの供給を行わない、水分の多い(果実が主成分)混液の冷凍を示している。
この図からわかるように、時間τ 及びτ において、製品の粘稠性は、蒸発器上の氷の形成によって増大しなくなり(曲線II の時間τ )、あるいは突然下降し(曲線III の時間τ )、その結果として、コンプレッサーは、冷却を続ける(それ以上の氷を形成させる)必要がなくなることから、停止するが、撹拌機だけは動き続け、形成されている冷え込んだ氷を徐々に破壊し、それを製品塊中に分散させ、間接的に粘稠性Cを再び増加させる。
他方、曲線I で実施したのと同様に、もし熱ガスを供給すれば、曲線IV 及びV が得られ、氷の形成は完全に排除されて、製品から冷凍剤への熱移転は均質に増大方向に向かう。(曲線は上昇方向となる。)
以下、実施例グラフによって、本方法に従って操作されるアイスクリーム製造機の若干の操作特性を例示する。
図5及び図6のグラフで、「粘稠性C」の記号を付した連続折れ線は、この製造機で処理し得る最大仕込み量の約30%に相当する 3.0 kg の製品を仕込んだ混合室を用いて試験を実施した際の、粘稠性パラメーターの異なる進展状況を示す。線LCは理想のアイスクリーム準備完了の粘稠性レベル(consistency level)を示す。
図5は、補助的に熱ガスを用いることなく処理した混液に関するものである。Δτ及びΔτ の区分が注目に値する。ここでは粘稠性は減少をたどり(氷の形成)、それによって操作者はコンプレッサーを止めざるを得なくなり(冷気ユニットの供給は中断し、製品は放出されなくなる)、一方では撹拌/掻き取り機が氷を除去して融解させ、それによってコンプレッサーは再び動き始め、再び冷気ユニットが製品に供給され、製品の粘稠性は再び増加し始める。
図6の方は、補助的熱ガスによって、粘稠性パラメーターは均一に増加し、処理する製品が少量であるために生じる限られた程度の乱れ(グラフの矢印を参照)はあるものの、5分を越えない時間内に「アイスクリーム準備完了」とする予め定めた値( 100)に到達する。
熱ガスを用いないサイクル(図5)では、蒸発器表面における氷の形成によって生じる乱れの影響によって、製品冷凍時間はかなり増加しており(熱ガスを用いて得られる図6と比較して)、τ =6分の時間後(試験中断)に、「アイスクリーム準備完了」の粘稠性には到達しておらず、やっと90に達する程度、すなわち10%不足である点に注目すべきであろう。
図7及び図8の粘稠性グラフは、同じタイプの混液の同じ量(7 kg)を冷凍するものであるが、「アイスクリーム準備完了」を示す粘稠性レベルが異なり、熱ガスは注入する。
図7は、「アイスクリーム準備完了」の条件のための機械レベル12(グラフ目盛りで100)についてのものである。
図8は、同じ様式で、予め定めた名目上の機械レベル10(グラフ目盛りで 100)についてのものである。
熱ガスを用いた場合、粘稠性の増加は非常に均一で、特に、処理の末期に増加が早くなるので、限られた量の製品を処理していることに起因すると思われる瞬間的な粘稠性の低下に基づく多少の遅れはあるものの、良く似た時間、すなわち約7分で粘稠性レベルの定位置(10及び12)に達することに注目すべきであろう。
図9及び図10のグラフでは、”C”と記した連続線で、製品の粘稠性の増加における進展度がきわめて一様であることが、示されている。
図9は、実際上脂肪性物質を含まない、水分の多い果実主成分タイプの混液に関するものであり、図10は、脂肪含量約10%のクリーム性混液に関するものであるが、これらから、冷凍されている混液のタイプ、すなわち「水分性」か、「クリーム性」か、を判断することができる。
具体的にいえば、図9は Nm = 4000の機械に関するもので、以下の値が示される。
・ Δτ = (τ - τ ) = 4.08分は、蒸発器が大きな熱負荷を交換している平均時間である。
・ この時間間隔Δτ中に実施した読み取りの頻度は4秒であった。
・ 実施した読み取りの回数は 4.08 x 60/4 = 61 回であった。
・ Δ(T - T)MEAN = 7.8
・ τ = 14.35'.00" τ = 14.30'.00"
・ LCはアイスクリーム準備完了の粘稠性レベル(80)である。
・ 蒸発器の入口(T)及び出口(T)における冷凍剤の温度曲線の間の領域は、
(数3)
τ
積分 = ΣΔ (T - T) = 476
τ
・ 粘稠性微分係数は、
(数4)
Δc Δc 56 - 22 34
---- = --------- = ----------------------- = ------ = 8.33
Δτ (τ) 14.35'.00" - 14.30'.55" 4.08
・ 製品の品質数値は、
Nq = 476 x 8.33 = 3965
NqはNmより低いので、処理されている製品は「水分の多い混液」である。
図10は、同じ機械(Nm = 4000 )を用いて、試験のスタート期には、水分の多い混液を用いた先の試験で用いたよりも低い「アイスクリーム準備完了時粘稠性レベル」LCR(80)で操作し、試験の末期の方で名目上の値LC( 100)に増加させたもので、次のような値が得られた。
・ Δτ = (τ - τ) = 2.92 分は、蒸発器が大きな熱負荷を交換している平均時間である。
・ 時間間隔Δτ中に実施した読み取りの頻度は4秒であった。
・ 実施した読み取りの回数は 2.92 x 60/4 = 44 回であった。
・ Δ(T - T)MEAN = 5.2
・ τ = 14.30'.45" τ = 14.27'.50"
・ 蒸発器の入口(T)及び出口(T)における冷凍剤の温度曲線の間の領域は、

(数5)
τ
積分 = ΣΔ (T - T) = 229
τ
・ 粘稠性微分係数は、

(数6)
Δc Δc 80 - 25 55
---- = --------- = ----------------------- = ------ = 18.33
Δτ (τ) 14.30'.45" - 14.27'.50" 2.92
・ 製品の品質数値は、
Nq = 229 x 18.83 = 4312
NqはNmより大きいので、処理している製品は「クリーム性混液」である。
最後に、図11及び図12のグラフは、製造機シリンダー中で処理されている製品の品質の判定を図示している。
これら図11及び図12のグラフは、製造機のシリンダーに導入される前は同じ様式で処理された同じ混液(ステラ)を、二つの異なる量、それぞれ 3.0 kg 及び 10.5 kgで、同じ製造機で冷凍させている段階を図示している。
陰付き領域は、蒸発器の入口と出口とにおける冷凍剤の温度差の、時間経過における連続を示す。ここでいう温度差は、基本的には、それぞれの場合において、温度自動調節エクスパンションバルブのために規定される過熱値であり、こうして規定される過熱値によってバルブを開く力が生じるので、温度差の記録は、バルブが蒸発器に導入させる冷凍剤の、これもそれぞれの場合における流速に比例するものと、高い確度をもって見なすことができる。
従って陰付き領域は、蒸発器に全体的に導入される冷凍剤の量と見なすことができる。
冷凍剤の量は、除去される負荷、つまり処理されている製品の量、の関数であるから、これらの陰付き領域を比較すれば、処理されている製品の量についてかなり正確な指標が得られる。
これらの領域を検討すれば、約 3.0 kg の量の製品を冷凍する場合の図11における領域は、これより3倍大きい量(10.5 kg )の製品を冷凍する場合の図12に示されている領域の約3分の1であることが実際にわかる。
本発明方法によって得られる利点は明白である。本記述説明の過程で述べられた利点に加えて、本方法の成果として、過度に低い製品温度(このような温度では撹拌機の種々の部分への製品の固着が生じる)が回避され、製品の冷凍シリンダーからの抜き取りを簡単に、安全に行うことができる点をも指摘し得る。
さらには、本方法によれば、製品は過度に低くない温度に、かつ、冷凍シリンダーから抜き出した後のアイスクリームに与えられる形状を維持させるための可塑化状態に、つねに保たれている。
アイスクリーム塊が高度に可塑化状態に保たれているという事実のお陰で、その中での冷塊(cold lump )の形成が阻止され、さらには、部分的凝集物を破砕する撹拌機の作用のお陰で、脂肪分への空気の付着が促進され、製品の容積増加が改善される。
さらには、ここに述べるシステムは、冷凍シリンダー内での製品の移動を容易ならしめ、生産調整に関して、必要に応じて変更し得る最適の特性を製造機に設定し、しかも、最大排出条件と最小排出条件との間で同じ操作特性(理想的な熱移転や製品抜き取り効率)を維持することができる。
冷凍室の縦断面図である。 本発明によるアイスクリーム製造機の回路図である。 本発明によって混液を冷凍した場合の温度T対時間τのグラフである。 同じく粘稠性C対時間τのグラフである。 従来方式で操作された場合の粘稠性対時間のグラフである。 本発明による同様のグラフである。 本発明方法で処理された混液の粘稠性対時間のグラフである。 図7と同様のグラフである。 図7と同様のグラフである。 図7と同様のグラフである。 本発明によって混液の量を判断するためのグラフである。 図11と同様のグラフである。
符号の説明
1 蒸発器
2 モーター駆動コンプレッサー
3 コンデンサー
4 温度自動調節エクスパンションバルブ
5 ソレノイドバルブ
6 ソレノイドバルブ
7 センサー
8 センサー
9 シャフト
10 旋回板
11 スポーク
12 掻き取り板
13 冷凍室
14 モーター
15 モーター
16 閉止タップ
17 脱水フィルター
18 ランプ
19 エコノマイザーバルブ
20 制御器(”VIP”ユニット)
C 粘稠性
LC 粘稠性レベル
LCR アイスクリーム準備完了時粘稠性レベル
P パイプ系
P1 冷却水配管系
T 温度
T 蒸発器入口冷凍剤温度
T 蒸発器出口冷凍剤温度

Claims (4)

  1. 冷凍シリンダーで冷凍回路の蒸発器と熱を交換させ、適当な電気モーターで動かされる撹拌/掻き取り要素をこの冷凍シリンダー内で回転させることを包含し;さらに、処理要素、前記蒸発器の入口及び出口において冷凍ガスの温度値を連続的に検知するためのセンサー、及び、前記電気モーターで用いられる電力の値を連続的に検知するための手段をも含み;前記の温度値及び前記の電気モーターで用いられる電力のための前記の値が連続的に前記の処理要素に入力され;これらの値を処理するための前記処理要素におけるソフトウエア・プログラムが、インパルス・ソレノイドバルブを駆動させる出力信号を提供することができ、このバルブが、前記コンプレッサーの排気から取得した熱ガスを、冷凍液の主流に連続的に導入させるものであることを特徴とする、アイスクリーム製造機で用いる混液に基づいてアイスクリーム生産サイクルを制御し、最適化する方法。
  2. 冷凍液の主流への前記の熱ガス導入を、製品と冷凍液との間の低すぎる温度差に頼ることなく、冷凍シリンダー壁に接触する冷凍液の熱供給係数の増加を用いて、冷凍シリンダーに含まれる製品から蒸発器中の冷凍液への熱移転を最大にし、経時的に一定に保つように、前記の処理要素によって調整する、請求項1に記載の方法。
  3. さらに温度自動調節バルブを含み、それによって、その温度自動調節バルブの下流での冷凍液への熱ガスの注入によって冷凍剤の速度が増大し、その結果として熱の除去が増大し、従って製品と冷凍液との間の熱交換の全体としての移転係数が増大する、請求項1に記載の方法。
  4. 冷凍回路の蒸発器と熱を交換する冷凍シリンダー、及びその冷凍シリンダーの内部で回転し、適当な電気モーターで動く撹拌/掻き取り要素を含み;さらに、データ処理制御ユニット、この制御ユニットに連結している、前記蒸発器の入口及び出口で冷凍ガスの温度値を連続的に検知するセンサー、この制御ユニットに連結している、モーターで使用される電力の値を連続的に検知するための手段、ならびに、前記の値を処理し、コンプレッサーの排気から取得した熱ガスを冷凍液の主流に連続的に導入するインパルス・ソレノイドバルブを駆動させる信号を提供することのできる前記制御ユニット中の手段、を含む、請求項1に記載の方法を実施するための機械。
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