JP2004135416A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】振動、騒音の低減に有効な周方向溝を回転軸に設けて低振動、低騒音化を実現したモータを提供する。
【解決手段】モータハウジング11内に固定子12が配され、前記固定子12の内周に回転子13が配され、前記回転子13の回転軸14が、前記モータハウジング11の前後にあるブラケット17、18に設けられた前後の軸受21、22によって回転自在に支持されたモータ1において、前記回転軸14の出力軸側30の複数箇所に、周方向溝31、34を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】モータハウジング11内に固定子12が配され、前記固定子12の内周に回転子13が配され、前記回転子13の回転軸14が、前記モータハウジング11の前後にあるブラケット17、18に設けられた前後の軸受21、22によって回転自在に支持されたモータ1において、前記回転軸14の出力軸側30の複数箇所に、周方向溝31、34を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータに関し、特に振動の発生を低減し低騒音化を実現するモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のモールドタイプのブラシレス直流モータ100を図7の縦断面図に示す。ブラシレス直流モータ100は、モールド樹脂により成形されたモータハウジング111の内部にコイルを巻回した鉄心よりなる固定子112を内蔵し、固定子112の内周に回転子113が配されている。回転子113は、回転軸114に固定されたヨーク115とマグネット116を有している。
【0003】
回転子113は、ハウジング111の前面に嵌着された前側ブラケット117と、ハウジング111の後側にモールド樹脂により固着された後側ブラケット118とに設けられたそれぞれのベアリングホルダー部に保持されたボールベアリング101、102とによって回転自在に支持されている。
【0004】
上記モータ100では、回転中に、モータ100の固有振動周波数とボールベアリング121、122の固有振動周波数とが一致すると、それらが共振して大きな振動、騒音を発生するという問題がある。
【0005】
この種の振動、騒音を防止する従来技術としては、シャフト中央部に、シャフトの両端部の径よりも大きい径の太径部が設けられ、シャフトの一端部側の軸受の内輪は、ロータハブとシャフトの太径部とにより軸方向に挟持されているモータがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、従来より、モータの振動、騒音が問題になる場合、図8のブラシレス直流モータ101の縦断面図に示すように、回転子113の出力軸側119の1箇所に、回転軸114との段差を有する周方向溝102を設けてその固有振動周波数を変化させることで、振動、騒音を対策することが行われている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−47205号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、回転軸114の出力軸側119の1箇所に周方向溝102を設ける場合、モータスペース等の問題から振動、騒音対策に有効な寸法の周方向溝を設けることが難しく、その効果は十分ではなかった。例えば、図9に示すように、周方向溝102の外径dと回転軸114の直径Dとの段差(直径の差)が小さいと効果が少なく(図9a)、逆に周方向溝102の外径dと回転軸114の直径Dとの段差を大きくすると軸強度が低下し(図9b)、また周方向溝102の幅Lを長くするとスペース上の制約や軸強度の低下(図9c)の問題が生じてくるからである。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、モータの構造変更、軸スペースの制約や軸強度の低下等の問題を伴わずに、振動、騒音の低減に有効な周方向溝を回転軸に設けて低振動、低騒音化を実現したモータを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モータハウジング内に固定子が配され、前記固定子の内周に回転子が配され、前記回転子の回転軸が、前記モータハウジングの前後にあるブラケットに設けられた前後の軸受によって回転自在に支持されたモータにおいて、前記回転軸の出力軸側の複数箇所に、周方向溝を設けたことを特徴とするモータである。
【0011】
本発明のモータによれば、回転軸の出力軸側周上に回転軸との段差を有する複数の周方向溝を設けることで、回転軸の直径を部分的に小さくして出力軸側と反出力軸側とにかかる軸荷重のバランスを微調整し、すなわち、そのねじれ系固有振動周波数を調整することで、回転軸を支持する前後の軸受部への荷重を僅かに変化させ、その固有振動周波数を異なるものとすることで両軸受部の相互の作用を抑制し、モータの固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避し、モータの振動、騒音の発生を低減することができる。
【0012】
また、回転軸に周方向溝を形成するだけでよく、軸受の位置や軸受部の構成、軸受の予圧等を変える必要がなく、モータの構造、寸法を変更しなくてもよい。
【0013】
請求項2に記載のように、前記回転軸の周方向溝が、出力側軸受の両側に各々1箇所以上設けられることで、振動、騒音対策に有効な周方向溝を分散して配置し、ロータ内のスペースを有効利用し、軸スペースの増加や軸強度低下の問題を生ずることなく、また出力軸にかかる荷重の偏りの影響を少なくして、モータの低振動、低騒音化を図ることができる。
【0014】
請求項3の発明は、前記モータが、両軸出力型であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータであり、両軸出力型モータの低振動、低騒音化を図ることができる。
【0015】
請求項4の発明は、前記回転軸の周方向溝寸法が、前記周方向溝部の外径をd、前記周方向溝部に隣接する回転軸の直径をD、前記周方向溝部の幅をLとすると、d及びLが、下記の(1)及び(2)式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモータである。
0.1D≦d≦0.7D …(1)
0.7d≦L≦10.0d …(2)
【0016】
請求項5の発明は、前記d及びLが、下記の(3)及び(4)式を満たすことを特徴とする請求項4に記載のモータである。
0.5D≦d≦0.7D …(3)
0.7d≦L≦1.7d …(4)
【0017】
周方向溝の外径(溝部の軸直径)dは、回転軸直径Dに対して細くするほど段差が大きくなり固有振動周波数を大きく変動させることができるが、0.1D未満になると軸強度が極端に低下し、また、0.7Dを超えると回転軸との段差が小さく軸方向の荷重バランスをずらすことができず前後の軸受部の固有振動周波数の微調整が困難となり、dが0.1D≦d≦0.7Dの範囲であると軸強度を低下させすぎることもなく、モータの回転性能を維持しながら、低振動、低騒音化を実現することができる。また、固有振動周波数の変動量を少なくしても共振を回避することができる場合は、dが0.5D≦d≦0.7Dの範囲にあることが、軸強度を十分に確保する上で好ましい。
【0018】
また、周方向溝の幅Lは、周方向溝部の外径dに対して、0.7d未満であると溝幅が狭すぎるため所望の固有振動周波数を得難く、10.0dを超えると溝部と回転軸との荷重バランスが悪くなり逆に回転軸の回転に伴う振動が発生しやすくなり、また軸スペースの増加や軸強度の低下が問題となる。さらには、固有振動周波数の変動量を少なくしても共振を回避することができる場合は、Lが0.7d≦L≦1.7dの範囲にあることが、回転軸と周方向溝とのバランスを良好に維持でき好ましい。
【0019】
この複数の周方向溝は、上記(1)、(2)式を共に満足する必要があり、この範囲内で各々の溝寸法、位置等を変更することで、固有振動周波数をかなりの広い領域にわたり調整することができる。
【0020】
なお、上記外径d及び溝幅Lは、各種の溝形状(例えば、上記の平坦溝以外に、溝断面が半円形、半楕円形等)にも適用され、平坦溝以外の異形溝の場合のdは周方向溝の最小径部の軸直径、及びLは最大幅部の溝幅である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態のブラシレス直流モータ(以下、モータという)1の縦断面図である。図2はモータ1の回転軸14の正面図である。
【0023】
モータ1は、モールド樹脂により一体成形された円筒状のモータハウジング11の内部にコイルを巻回した鉄心からなる固定子12を内蔵し、駆動用の回路基板19を固定子12の後部に配している。
【0024】
回転子13は、回転軸14に接続されたヨーク15とマグネット16を有し、固定子12の内周に沿ってマグネット16を配し、回転自在に支持されている。
【0025】
回転子13は、ハウジング11の前面に嵌着された鋼板製の前部ブラケット17に設けられたベアリングホルダー部17aに保持された前部ボールベアリング21と、ハウジング11の後側にモールド樹脂により固着された鋼板製の後部ブラケット18に設けられたベアリングホルダー部18aに保持された後部ボールベアリング22とによって回転軸14が支持されている。
【0026】
上記前部ボールベアリング21は回転軸14の出力軸側30を支持し、後部ボールベアリング22は回転軸14の反出力軸側37を支持し、2つのボールベアリングには各々リング状の予圧バネ23、24が配され、ボールベアリング21、22に予圧をかけている。
【0027】
回転軸14の出力軸30には、前部ボールベアリング21を挟んで、出力軸30の前方側に第1周方向溝31と、前部ボールベアリング21の後方側とヨーク15の間のロータ内に第2周方向溝34が形成されている。
【0028】
前記周方向溝31、34は、それぞれ溝前後に隣接する軸部32、33及び35、36との段差を有し、回転軸14の軸方向に所定の幅寸法L1、L2に渡り、軸表面から軸中心に向かう一定の深さ寸法をもって軸直径がd1、d2になるように回転軸14の周上に形成されている。
【0029】
この周方向溝31、34は、従来と同様に棒状の鋼材から回転軸14を製造する際に、旋盤加工等により同時に形成することができるので、溝の寸法(幅L、軸直径d)は任意の値に設定することが容易であり、また溝形成のための加工コストの増加もわずかに抑えられる。
【0030】
また、上記のような平坦な溝形状以外にも、溝断面が半円形状や半楕円形状、さらに複雑な断面形状の溝を形成することも可能である。
【0031】
図2を用いて周方向溝31、34の寸法関係を説明する。第1周方向溝部31の軸直径をd1、その両側の回転軸直径をD1(両側の直径が異なる場合はその平均値を用いる)、溝幅をL1で表し、第2周方向溝部34の軸直径をd2、その両側の回転軸直径をD2(両側の直径が異なる場合はその平均値を用いる)、溝幅をL2で表している。
【0032】
モータ1の場合、周方向溝31及び34の寸法は、d1=10、D1=15、L1=15、d2=10、D2=16、L2=10(単位はいずれもmm)であるので、第1周方向溝31の寸法関係は、d1/D1=0.67、L1/d1=1.50であり、第2周方向溝34の寸法関係は、d2/D2=0.63、L2/d2=1.00となり、第1及び第2周方向溝共に上記(1)及び(2)式を満足し、さらに上記(3)及び(4)式を満たし好ましい形態である。
【0033】
このように、本実施形態のモータ1では、回転軸14の出力軸側30の周上にボールベアリング21を挟み2箇所の周方向溝31、34を設けるという簡単な手段により、溝の配置を分散してそのスペースや強度低下の問題を生ずることなく回転軸14の径を部分的に小さくすることで、回転軸14の出力軸側30と反出力軸側37とにかかる軸荷重のバランスを微調整し、すなわち、そのねじれ系固有振動周波数を調整することで、回転軸14を支持する前後の軸受部への作用を僅かに変化させ、その固有振動周波数を異なるものとし、両軸受部の相互作用を抑制しモータ1の固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避してモータ1の振動、騒音の発生を低減することができる。
【0034】
また、周方向溝を出力側軸受の両側に分散し設けることで、ロータ部分のスペースを有効利用して軸スペースを増すことなく周方向溝を配置でき、かつ出力軸にかかる荷重の影響を分散し、軸強度を確保しながら、振動、騒音を対策することができるので、軸受の位置や軸受構成、予圧等を変えたり、モータの構造、寸法等の変更を必要とせずに、モータの低振動、低騒音化が達成できる。
【0035】
(実施例)
次に、実施例について説明する。表1は、本実施形態に係わる実施例のモータ1、及び比較例に係わる周方向溝を設けていない従来のモータ100について、FFT(Fast Fourier Transform) ANALYZER(小野測器(株)CF−5200型を使用)を用いて、モータ回転数900rpm〜1150rpmにおける騒音レベルを測定し、そのオーバーオール値と騒音ピーク値を示したものである。また、図5、6は回転数1150rpmでの騒音レベルについて、周波数0〜2000Hzでの周波数スペクトルを例示したものである。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示すように、モータ1のオーバーオール値及び騒音ピーク値は、いずれの回転数においても、モータ100に比べて同等或いはそれ以下の値を示し、モータ1が低振動、低騒音となっていることが認められる。
【0038】
また、図6に示すように、回転軸114に周方向溝を設けていない比較例のモータ100では、回転数1150rpmでのオーバーオール値は67.90dBであり、477.5Hzのところに65.94dBの強い騒音ピークが認められる。これに対して、図5に示す2箇所の周方向溝を設けた実施例のモータ1では、460Hzにおいて46.89dBの騒音ピークが認められるものの、モータ100のような強いピークは消え、オーバーオール値も64.69dBに低下し、特定周波数での大きな騒音を防止する効果が発揮されていることが分かる。
【0039】
このことから、回転子113の出力軸114に周方向溝を設けていない従来のモータ100は、前後の軸受部が同じ固有振動周波数を有するために、これらが相互に作用し、モータ1の固有振動周波数との一致により大きく共振し、大きな振動、騒音を生じている。
【0040】
これに対して、モータ1では、回転軸14の出力軸側30の周上にボールベアリング21を挟み2箇所の周方向溝31、34を設けることにより、そのねじれ系固有振動周波数を変化させて前後の軸受部の固有振動周波数を微調整することで、モータ1の固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避し、大きな振動、騒音の発生を防ぐことができる。
【0041】
また、周方向溝の配置をボールベアリングの両側に分散することで、モータスペースの有効利用や軸強度低下の問題を生ずることなく、振動、騒音の低減に有効な溝を設けることができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施形態のモータ2の縦断面図である。図4はモータ2の回転軸44の正面図である。
【0043】
モータ2は、図1に示したモータ1と同一構造を有するもので、モータ1の片側出力軸14に代えて両側出力軸44を備えたものである。同一部材には同一符号を付し、またモータ構造については説明を省略する。
【0044】
回転軸44の一方の出力軸(A側)30には、前記第1の実施形態と同様に、前部ボールベアリング21を挟んで、出力軸30の前方側に第1周方向溝31と、前部ボールベアリング21の後方側とヨーク15の間に第2周方向溝34が設けられ、それぞれが溝前後に隣接する軸部32、33及び35、36との段差を有し、回転軸44の軸方向に所定の幅寸法L1、L2に渡り、軸表面から軸中心に向かう一定の深さ寸法をもって軸直径がd1、d2になるように回転軸44の周上に形成されている。
【0045】
回転軸44の他方の出力軸(B側)50には、後部ボールベアリング22を挟んで、出力軸50の前方側に第3周方向溝51と、後部ボールベアリング22とヨーク15の間のロータ内に第4周方向溝54が形成されている。
【0046】
この周方向溝51、54は、それぞれ溝前後に隣接する軸部52、53及び55、56との段差を有し、回転軸44の軸方向に所定の幅寸法L3、L4に渡り、軸表面から軸中心に向かう一定の深さ寸法をもって軸直径がd3、d4になるように回転軸44の周上に形成されている。
【0047】
この周方向溝51、54の場合も、棒状の鋼材から回転軸44を製造する際に、旋盤加工等により同時に形成することができるので、溝の寸法(幅L、軸直径d)は任意の値に設定することが容易であり、また溝形成のための加工コストの増加もわずかに抑えられる。
【0048】
また、周方向溝51、54も、上記のような平坦な溝形状以外に、溝断面が半円形状や半楕円形状、さらに複雑な断面形状の溝を形成することも可能である。
【0049】
図4を用いて周方向溝51、54の寸法関係を説明する。第3周方向溝部51の軸直径をd3、その両側の回転軸直径をD3、溝幅をL3で表し、第4周方向溝部54の軸直径をd4、その両側の回転軸直径をD4、溝幅をL4で表している。
【0050】
モータ2の場合、周方向溝51及び54の寸法は、d3=8、D3=12、L3=9、d4=10、D4=16、L4=7(単位はいずれもmm)であるので、第3周方向溝51の寸法関係は、d3/D3=0.67、L3/d3=1.13であり、第4周方向溝54の寸法関係は、d4/D4=0.63、L4/d4=0.70となり両溝共に上記(1)及び(2)式を満足している。
【0051】
また、第1周方向溝31及び第2周方向溝34の寸法関係は、上記第1の実施形態と同様に、d1/D1=0.67、L1/d1=1.50、d2/D2=0.63、L2/d2=1.00であるので、モータ2の4箇所の周方向溝はいずれも(1)、(2)式を満たし、さらに上記(3)及び(4)式を満たし好ましい形態である。
【0052】
このように、本実施形態の両軸出力タイプのモータ2においても、回転軸44のA側出力軸30とB側出力軸50の周上にボールベアリング21及び22を挟み各々2箇所の周方向溝31、34及び51、54を設けることにより、溝の配置を分散してモータスペースや軸強度低下の問題を生ずることなく回転軸44の径を部分的に小さくすることで、回転軸44のA側出力軸30或いはB側出力軸50と回転軸44の中央部とにかかる軸荷重のバランスを微調整し、すなわち、そのねじれ系固有振動周波数を調整することで、回転軸44を支持する前後の軸受部への荷重を僅かに変化させ、その固有振動周波数を異なるものとすることで、両軸受部の相互の作用を抑制しモータの固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避し、その振動、騒音の発生を低減することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のモータによれば、モータ自体の設計や軸受部の構造を変更することなく、回転子の回転軸に複数箇所の周方向溝を設けるという簡単な方法により、回転軸を支持する前後の軸受部の固有振動周波数を異なるものとし、前後の軸受部の固有振動周波数の相互作用によるモータの回転振動数との共振を防ぐことで、低振動、低騒音のモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図2】第1の実施形態の回転軸の正面図である。
【図3】第2の実施形態のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図4】第2の実施形態の回転軸の正面図である。
【図5】実施例のモータ1のFFTスペクトル図である。
【図6】比較例のモータ100のFFTスペクトル図である。
【図7】従来例のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図8】周方向溝を設けた従来例のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図9】従来例の周方向溝を示す回転軸の部分概略図である。
【符号の説明】
1,2……ブラシレス直流モータ
11……モータハウジング
12……固定子
13……回転子
14,44……回転軸
21,22……ボールベアリング
30,50……出力軸
31,34,51,54……周方向溝
17,18……ブラケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータに関し、特に振動の発生を低減し低騒音化を実現するモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のモールドタイプのブラシレス直流モータ100を図7の縦断面図に示す。ブラシレス直流モータ100は、モールド樹脂により成形されたモータハウジング111の内部にコイルを巻回した鉄心よりなる固定子112を内蔵し、固定子112の内周に回転子113が配されている。回転子113は、回転軸114に固定されたヨーク115とマグネット116を有している。
【0003】
回転子113は、ハウジング111の前面に嵌着された前側ブラケット117と、ハウジング111の後側にモールド樹脂により固着された後側ブラケット118とに設けられたそれぞれのベアリングホルダー部に保持されたボールベアリング101、102とによって回転自在に支持されている。
【0004】
上記モータ100では、回転中に、モータ100の固有振動周波数とボールベアリング121、122の固有振動周波数とが一致すると、それらが共振して大きな振動、騒音を発生するという問題がある。
【0005】
この種の振動、騒音を防止する従来技術としては、シャフト中央部に、シャフトの両端部の径よりも大きい径の太径部が設けられ、シャフトの一端部側の軸受の内輪は、ロータハブとシャフトの太径部とにより軸方向に挟持されているモータがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、従来より、モータの振動、騒音が問題になる場合、図8のブラシレス直流モータ101の縦断面図に示すように、回転子113の出力軸側119の1箇所に、回転軸114との段差を有する周方向溝102を設けてその固有振動周波数を変化させることで、振動、騒音を対策することが行われている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−47205号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、回転軸114の出力軸側119の1箇所に周方向溝102を設ける場合、モータスペース等の問題から振動、騒音対策に有効な寸法の周方向溝を設けることが難しく、その効果は十分ではなかった。例えば、図9に示すように、周方向溝102の外径dと回転軸114の直径Dとの段差(直径の差)が小さいと効果が少なく(図9a)、逆に周方向溝102の外径dと回転軸114の直径Dとの段差を大きくすると軸強度が低下し(図9b)、また周方向溝102の幅Lを長くするとスペース上の制約や軸強度の低下(図9c)の問題が生じてくるからである。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、モータの構造変更、軸スペースの制約や軸強度の低下等の問題を伴わずに、振動、騒音の低減に有効な周方向溝を回転軸に設けて低振動、低騒音化を実現したモータを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モータハウジング内に固定子が配され、前記固定子の内周に回転子が配され、前記回転子の回転軸が、前記モータハウジングの前後にあるブラケットに設けられた前後の軸受によって回転自在に支持されたモータにおいて、前記回転軸の出力軸側の複数箇所に、周方向溝を設けたことを特徴とするモータである。
【0011】
本発明のモータによれば、回転軸の出力軸側周上に回転軸との段差を有する複数の周方向溝を設けることで、回転軸の直径を部分的に小さくして出力軸側と反出力軸側とにかかる軸荷重のバランスを微調整し、すなわち、そのねじれ系固有振動周波数を調整することで、回転軸を支持する前後の軸受部への荷重を僅かに変化させ、その固有振動周波数を異なるものとすることで両軸受部の相互の作用を抑制し、モータの固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避し、モータの振動、騒音の発生を低減することができる。
【0012】
また、回転軸に周方向溝を形成するだけでよく、軸受の位置や軸受部の構成、軸受の予圧等を変える必要がなく、モータの構造、寸法を変更しなくてもよい。
【0013】
請求項2に記載のように、前記回転軸の周方向溝が、出力側軸受の両側に各々1箇所以上設けられることで、振動、騒音対策に有効な周方向溝を分散して配置し、ロータ内のスペースを有効利用し、軸スペースの増加や軸強度低下の問題を生ずることなく、また出力軸にかかる荷重の偏りの影響を少なくして、モータの低振動、低騒音化を図ることができる。
【0014】
請求項3の発明は、前記モータが、両軸出力型であることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータであり、両軸出力型モータの低振動、低騒音化を図ることができる。
【0015】
請求項4の発明は、前記回転軸の周方向溝寸法が、前記周方向溝部の外径をd、前記周方向溝部に隣接する回転軸の直径をD、前記周方向溝部の幅をLとすると、d及びLが、下記の(1)及び(2)式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモータである。
0.1D≦d≦0.7D …(1)
0.7d≦L≦10.0d …(2)
【0016】
請求項5の発明は、前記d及びLが、下記の(3)及び(4)式を満たすことを特徴とする請求項4に記載のモータである。
0.5D≦d≦0.7D …(3)
0.7d≦L≦1.7d …(4)
【0017】
周方向溝の外径(溝部の軸直径)dは、回転軸直径Dに対して細くするほど段差が大きくなり固有振動周波数を大きく変動させることができるが、0.1D未満になると軸強度が極端に低下し、また、0.7Dを超えると回転軸との段差が小さく軸方向の荷重バランスをずらすことができず前後の軸受部の固有振動周波数の微調整が困難となり、dが0.1D≦d≦0.7Dの範囲であると軸強度を低下させすぎることもなく、モータの回転性能を維持しながら、低振動、低騒音化を実現することができる。また、固有振動周波数の変動量を少なくしても共振を回避することができる場合は、dが0.5D≦d≦0.7Dの範囲にあることが、軸強度を十分に確保する上で好ましい。
【0018】
また、周方向溝の幅Lは、周方向溝部の外径dに対して、0.7d未満であると溝幅が狭すぎるため所望の固有振動周波数を得難く、10.0dを超えると溝部と回転軸との荷重バランスが悪くなり逆に回転軸の回転に伴う振動が発生しやすくなり、また軸スペースの増加や軸強度の低下が問題となる。さらには、固有振動周波数の変動量を少なくしても共振を回避することができる場合は、Lが0.7d≦L≦1.7dの範囲にあることが、回転軸と周方向溝とのバランスを良好に維持でき好ましい。
【0019】
この複数の周方向溝は、上記(1)、(2)式を共に満足する必要があり、この範囲内で各々の溝寸法、位置等を変更することで、固有振動周波数をかなりの広い領域にわたり調整することができる。
【0020】
なお、上記外径d及び溝幅Lは、各種の溝形状(例えば、上記の平坦溝以外に、溝断面が半円形、半楕円形等)にも適用され、平坦溝以外の異形溝の場合のdは周方向溝の最小径部の軸直径、及びLは最大幅部の溝幅である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態のブラシレス直流モータ(以下、モータという)1の縦断面図である。図2はモータ1の回転軸14の正面図である。
【0023】
モータ1は、モールド樹脂により一体成形された円筒状のモータハウジング11の内部にコイルを巻回した鉄心からなる固定子12を内蔵し、駆動用の回路基板19を固定子12の後部に配している。
【0024】
回転子13は、回転軸14に接続されたヨーク15とマグネット16を有し、固定子12の内周に沿ってマグネット16を配し、回転自在に支持されている。
【0025】
回転子13は、ハウジング11の前面に嵌着された鋼板製の前部ブラケット17に設けられたベアリングホルダー部17aに保持された前部ボールベアリング21と、ハウジング11の後側にモールド樹脂により固着された鋼板製の後部ブラケット18に設けられたベアリングホルダー部18aに保持された後部ボールベアリング22とによって回転軸14が支持されている。
【0026】
上記前部ボールベアリング21は回転軸14の出力軸側30を支持し、後部ボールベアリング22は回転軸14の反出力軸側37を支持し、2つのボールベアリングには各々リング状の予圧バネ23、24が配され、ボールベアリング21、22に予圧をかけている。
【0027】
回転軸14の出力軸30には、前部ボールベアリング21を挟んで、出力軸30の前方側に第1周方向溝31と、前部ボールベアリング21の後方側とヨーク15の間のロータ内に第2周方向溝34が形成されている。
【0028】
前記周方向溝31、34は、それぞれ溝前後に隣接する軸部32、33及び35、36との段差を有し、回転軸14の軸方向に所定の幅寸法L1、L2に渡り、軸表面から軸中心に向かう一定の深さ寸法をもって軸直径がd1、d2になるように回転軸14の周上に形成されている。
【0029】
この周方向溝31、34は、従来と同様に棒状の鋼材から回転軸14を製造する際に、旋盤加工等により同時に形成することができるので、溝の寸法(幅L、軸直径d)は任意の値に設定することが容易であり、また溝形成のための加工コストの増加もわずかに抑えられる。
【0030】
また、上記のような平坦な溝形状以外にも、溝断面が半円形状や半楕円形状、さらに複雑な断面形状の溝を形成することも可能である。
【0031】
図2を用いて周方向溝31、34の寸法関係を説明する。第1周方向溝部31の軸直径をd1、その両側の回転軸直径をD1(両側の直径が異なる場合はその平均値を用いる)、溝幅をL1で表し、第2周方向溝部34の軸直径をd2、その両側の回転軸直径をD2(両側の直径が異なる場合はその平均値を用いる)、溝幅をL2で表している。
【0032】
モータ1の場合、周方向溝31及び34の寸法は、d1=10、D1=15、L1=15、d2=10、D2=16、L2=10(単位はいずれもmm)であるので、第1周方向溝31の寸法関係は、d1/D1=0.67、L1/d1=1.50であり、第2周方向溝34の寸法関係は、d2/D2=0.63、L2/d2=1.00となり、第1及び第2周方向溝共に上記(1)及び(2)式を満足し、さらに上記(3)及び(4)式を満たし好ましい形態である。
【0033】
このように、本実施形態のモータ1では、回転軸14の出力軸側30の周上にボールベアリング21を挟み2箇所の周方向溝31、34を設けるという簡単な手段により、溝の配置を分散してそのスペースや強度低下の問題を生ずることなく回転軸14の径を部分的に小さくすることで、回転軸14の出力軸側30と反出力軸側37とにかかる軸荷重のバランスを微調整し、すなわち、そのねじれ系固有振動周波数を調整することで、回転軸14を支持する前後の軸受部への作用を僅かに変化させ、その固有振動周波数を異なるものとし、両軸受部の相互作用を抑制しモータ1の固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避してモータ1の振動、騒音の発生を低減することができる。
【0034】
また、周方向溝を出力側軸受の両側に分散し設けることで、ロータ部分のスペースを有効利用して軸スペースを増すことなく周方向溝を配置でき、かつ出力軸にかかる荷重の影響を分散し、軸強度を確保しながら、振動、騒音を対策することができるので、軸受の位置や軸受構成、予圧等を変えたり、モータの構造、寸法等の変更を必要とせずに、モータの低振動、低騒音化が達成できる。
【0035】
(実施例)
次に、実施例について説明する。表1は、本実施形態に係わる実施例のモータ1、及び比較例に係わる周方向溝を設けていない従来のモータ100について、FFT(Fast Fourier Transform) ANALYZER(小野測器(株)CF−5200型を使用)を用いて、モータ回転数900rpm〜1150rpmにおける騒音レベルを測定し、そのオーバーオール値と騒音ピーク値を示したものである。また、図5、6は回転数1150rpmでの騒音レベルについて、周波数0〜2000Hzでの周波数スペクトルを例示したものである。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示すように、モータ1のオーバーオール値及び騒音ピーク値は、いずれの回転数においても、モータ100に比べて同等或いはそれ以下の値を示し、モータ1が低振動、低騒音となっていることが認められる。
【0038】
また、図6に示すように、回転軸114に周方向溝を設けていない比較例のモータ100では、回転数1150rpmでのオーバーオール値は67.90dBであり、477.5Hzのところに65.94dBの強い騒音ピークが認められる。これに対して、図5に示す2箇所の周方向溝を設けた実施例のモータ1では、460Hzにおいて46.89dBの騒音ピークが認められるものの、モータ100のような強いピークは消え、オーバーオール値も64.69dBに低下し、特定周波数での大きな騒音を防止する効果が発揮されていることが分かる。
【0039】
このことから、回転子113の出力軸114に周方向溝を設けていない従来のモータ100は、前後の軸受部が同じ固有振動周波数を有するために、これらが相互に作用し、モータ1の固有振動周波数との一致により大きく共振し、大きな振動、騒音を生じている。
【0040】
これに対して、モータ1では、回転軸14の出力軸側30の周上にボールベアリング21を挟み2箇所の周方向溝31、34を設けることにより、そのねじれ系固有振動周波数を変化させて前後の軸受部の固有振動周波数を微調整することで、モータ1の固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避し、大きな振動、騒音の発生を防ぐことができる。
【0041】
また、周方向溝の配置をボールベアリングの両側に分散することで、モータスペースの有効利用や軸強度低下の問題を生ずることなく、振動、騒音の低減に有効な溝を設けることができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施形態のモータ2の縦断面図である。図4はモータ2の回転軸44の正面図である。
【0043】
モータ2は、図1に示したモータ1と同一構造を有するもので、モータ1の片側出力軸14に代えて両側出力軸44を備えたものである。同一部材には同一符号を付し、またモータ構造については説明を省略する。
【0044】
回転軸44の一方の出力軸(A側)30には、前記第1の実施形態と同様に、前部ボールベアリング21を挟んで、出力軸30の前方側に第1周方向溝31と、前部ボールベアリング21の後方側とヨーク15の間に第2周方向溝34が設けられ、それぞれが溝前後に隣接する軸部32、33及び35、36との段差を有し、回転軸44の軸方向に所定の幅寸法L1、L2に渡り、軸表面から軸中心に向かう一定の深さ寸法をもって軸直径がd1、d2になるように回転軸44の周上に形成されている。
【0045】
回転軸44の他方の出力軸(B側)50には、後部ボールベアリング22を挟んで、出力軸50の前方側に第3周方向溝51と、後部ボールベアリング22とヨーク15の間のロータ内に第4周方向溝54が形成されている。
【0046】
この周方向溝51、54は、それぞれ溝前後に隣接する軸部52、53及び55、56との段差を有し、回転軸44の軸方向に所定の幅寸法L3、L4に渡り、軸表面から軸中心に向かう一定の深さ寸法をもって軸直径がd3、d4になるように回転軸44の周上に形成されている。
【0047】
この周方向溝51、54の場合も、棒状の鋼材から回転軸44を製造する際に、旋盤加工等により同時に形成することができるので、溝の寸法(幅L、軸直径d)は任意の値に設定することが容易であり、また溝形成のための加工コストの増加もわずかに抑えられる。
【0048】
また、周方向溝51、54も、上記のような平坦な溝形状以外に、溝断面が半円形状や半楕円形状、さらに複雑な断面形状の溝を形成することも可能である。
【0049】
図4を用いて周方向溝51、54の寸法関係を説明する。第3周方向溝部51の軸直径をd3、その両側の回転軸直径をD3、溝幅をL3で表し、第4周方向溝部54の軸直径をd4、その両側の回転軸直径をD4、溝幅をL4で表している。
【0050】
モータ2の場合、周方向溝51及び54の寸法は、d3=8、D3=12、L3=9、d4=10、D4=16、L4=7(単位はいずれもmm)であるので、第3周方向溝51の寸法関係は、d3/D3=0.67、L3/d3=1.13であり、第4周方向溝54の寸法関係は、d4/D4=0.63、L4/d4=0.70となり両溝共に上記(1)及び(2)式を満足している。
【0051】
また、第1周方向溝31及び第2周方向溝34の寸法関係は、上記第1の実施形態と同様に、d1/D1=0.67、L1/d1=1.50、d2/D2=0.63、L2/d2=1.00であるので、モータ2の4箇所の周方向溝はいずれも(1)、(2)式を満たし、さらに上記(3)及び(4)式を満たし好ましい形態である。
【0052】
このように、本実施形態の両軸出力タイプのモータ2においても、回転軸44のA側出力軸30とB側出力軸50の周上にボールベアリング21及び22を挟み各々2箇所の周方向溝31、34及び51、54を設けることにより、溝の配置を分散してモータスペースや軸強度低下の問題を生ずることなく回転軸44の径を部分的に小さくすることで、回転軸44のA側出力軸30或いはB側出力軸50と回転軸44の中央部とにかかる軸荷重のバランスを微調整し、すなわち、そのねじれ系固有振動周波数を調整することで、回転軸44を支持する前後の軸受部への荷重を僅かに変化させ、その固有振動周波数を異なるものとすることで、両軸受部の相互の作用を抑制しモータの固有振動周波数と軸受部の固有振動周波数との共振を回避し、その振動、騒音の発生を低減することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のモータによれば、モータ自体の設計や軸受部の構造を変更することなく、回転子の回転軸に複数箇所の周方向溝を設けるという簡単な方法により、回転軸を支持する前後の軸受部の固有振動周波数を異なるものとし、前後の軸受部の固有振動周波数の相互作用によるモータの回転振動数との共振を防ぐことで、低振動、低騒音のモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図2】第1の実施形態の回転軸の正面図である。
【図3】第2の実施形態のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図4】第2の実施形態の回転軸の正面図である。
【図5】実施例のモータ1のFFTスペクトル図である。
【図6】比較例のモータ100のFFTスペクトル図である。
【図7】従来例のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図8】周方向溝を設けた従来例のブラシレス直流モータの縦断面図である。
【図9】従来例の周方向溝を示す回転軸の部分概略図である。
【符号の説明】
1,2……ブラシレス直流モータ
11……モータハウジング
12……固定子
13……回転子
14,44……回転軸
21,22……ボールベアリング
30,50……出力軸
31,34,51,54……周方向溝
17,18……ブラケット
Claims (5)
- モータハウジング内に固定子が配され、前記固定子の内周に回転子が配され、前記回転子の回転軸が、前記モータハウジングの前後にあるブラケットに設けられた前後の軸受によって回転自在に支持されたモータにおいて、
前記回転軸の出力軸側の複数箇所に、周方向溝を設けた
ことを特徴とするモータ。 - 前記回転軸の周方向溝が、出力側軸受の両側に各々1箇所以上設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。 - 前記モータが、両軸出力型である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ。 - 前記回転軸の周方向溝寸法が、前記周方向溝部の外径をd、前記周方向溝部に隣接する回転軸の直径をD、前記周方向溝部の幅をLとすると、d及びLが、下記の(1)及び(2)式を満たす
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモータ。
0.1D≦d≦0.7D …(1)
0.7d≦L≦10.0d …(2) - 前記d及びLが、下記の(3)及び(4)式を満たす
ことを特徴とする請求項4に記載のモータ。
0.5D≦d≦0.7D …(3)
0.7d≦L≦1.7d …(4)
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