JP2004134952A - 回動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置やオーディオ装置の向きを適宜変更することにより装置の機能性を向上させるとともに、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供する。
【解決手段】回動装置Sを、操作台1aと、下結合部材2aと、回動部材3aと、上結合部材4aと、コイルスプリング5aと、ワッシャー6aと、それらを一体的に取り付けるためのビス7a及びナット8aとで構成する。本体及び回動部材3aの回動方向は第2開口部3a−3の側縁が第2突起2a−3の側縁と対向することにより規制され、回動角度は第1突起2a−2の前後縁の一部が第1開口部3a−2の短辺と当接することにより規制される。回動部材3aと下結合部材2aを、第3突起2a−4を介しての線接触とし、下結合部材2aと上結合部材4aを高摺動材料により、回動部材3aとの間の動摩擦係数を低減する。
【選択図】 図3
【解決手段】回動装置Sを、操作台1aと、下結合部材2aと、回動部材3aと、上結合部材4aと、コイルスプリング5aと、ワッシャー6aと、それらを一体的に取り付けるためのビス7a及びナット8aとで構成する。本体及び回動部材3aの回動方向は第2開口部3a−3の側縁が第2突起2a−3の側縁と対向することにより規制され、回動角度は第1突起2a−2の前後縁の一部が第1開口部3a−2の短辺と当接することにより規制される。回動部材3aと下結合部材2aを、第3突起2a−4を介しての線接触とし、下結合部材2aと上結合部材4aを高摺動材料により、回動部材3aとの間の動摩擦係数を低減する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モニタ、テレビ等の表示装置やオーディオ装置に取り付けられ、設置場所に応じて装置本体の向きを適宜変更することにより装置の機能性を向上させた回動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスプレイユニットをスウィングさせるディスプレイ用チルト機構の例は多数ある(例えば特許文献1参照。)。また、オーディオ装置に取り付けられる従来の回動装置の構成を図4に示す。図4に示すように、従来の回動装置は、操作台1b、曲面凹部1b−1、ボス1b−2、回動部材2b、取付部2b−1、開口部2b−2、結合部材3b、コイルスプリング4b、ワッシャー5b、ビス6b、ナット7bで構成される。従来の回動装置では、操作台1bに曲面凹部1b−1を形成し、この曲面凹部1b−1と対応する形状の取付部2b−1を有する回動部材2bを介して表示装置やオーディオ装置等の装置本体を取り付けている。また、操作台1bの中央部には円筒状のボス1b−2が一体的に形成されており、ボス1b−2は、装置本体が取り付けられる回動部材2bの中央部に穿設された矩形状の開口部2b−2に遊挿され、結合部材3bをビス6bで締結されたコイルスプリング4bにより回動部材2bに向かって付勢することにより装置本体は回動自在に支承されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−117020号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来の回動装置においては、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合、操作台、回動部材、結合部材間の摩擦力が大きくなり、回動させるのに大きな操作力が必要であった。また、コイルスプリングの付勢力が結合部材に均一にかからずに、本体静止時にガタを生じたり、回動時に静摩擦と動摩擦の差が大きくなり、滑らかな回動ができないことがあった。
【0005】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、表示装置やオーディオ装置の向きを適宜変更することにより装置の機能性を向上させるとともに、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、操作台と、操作台に固定され、円筒の一部により形成される曲面凹部と曲面凹部に形成された矩形状の第1突起及びI型形状の第2突起及び半円形断面の直線状の第3突起を有する下結合部材と、曲面凹部と対応する形状の取付部と取付部に穿設された矩形状の第1開口部及び矩形状の第2開口部を有する回動部材と、回動部材の取付部と対応する取付部を有し回動部材を下結合部材との間に挟持して回動部材を上下方向に回転自在に保持する上結合部材とを備え、第1突起の前後縁を第1開口部の前後縁に当接させることにより上下方向の回動角度を規制し、第2突起の側縁を第2開口部の側縁に当接させることにより上下方向の回動方向を規制する。これにより、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定した回動装置が得られる。
【0007】
また、下結合部材の第1突起の上に円筒状の第4突起を形成する一方、上結合部材の取付部の上に円筒状の第5突起を形成し、第5突起に貫通孔を穿設し、貫通孔に第4突起を遊挿することにより上結合部材を下結合部材に対し保持する。これにより、回動部材が回動しても、上結合部材は下結合部材との位置関係を保つことができる。
【0008】
また、上結合部材を回動部材の取付部に向かって付勢するコイルスプリングを設け、第5突起に保持し、第1突起及び第4突起に貫通孔を穿設し、コイルスプリングとコイルスプリングの上に設けられたワッシャーと上結合部材と回動部材と下結合部材とを操作台に一体的に保持するビスを貫通孔に遊挿してナットと螺合するようにする。さらに、下結合部材と上結合部材を高摺動材料で製作したことを特徴とする。これらにより、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定した回動装置が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの斜視図を示す。図2は、本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの回動範囲を示す断面図であり、(a)は水平時の状態、(b)は回動時の状態を示す。また、図3は、本発明にかかる回動装置の構成を示す分解斜視図であり、(a)は上方から、(b)は下方から見た状態を示す。
【0010】
図1に示すように、本発明にかかる回動装置Sを備えたパーソナルMDシステムMは、本発明にかかる回動装置Sに取り付けられていることから、図2(a)に示されるように、回動部材3aの回動中心3a−6を中心に上方向に角度αの範囲で回動且つその範囲内の任意の角度で静止することが可能である。図2(a)の点A1に回動力Fを与えると、点A1が点A2まで回動することが可能である。また、図2(b)の点B2に復元力Fを与えると、点B2が点B1まで復元することが可能である。
【0011】
図3(a)及び図3(b)に示されるように、回動装置Sは、操作台1aと、操作台1aの上に取り付けられる下結合部材2aと、下結合部材2aの上に取り付けられる回動部材3aと、回動部材3aの上に取り付けられ下結合部材2aとともに回動部材3aを挟持する上結合部材4aと、コイルスプリング5a及びワッシャー6aを介して下結合部材2a及び回動部材3a及び上結合部材4aを操作台1aに一体的に取り付けるためのビス7a及びナット8aとを備えている。
【0012】
下結合部材2aには曲面凹部2a−1が形成されており、曲面凹部2a−1の最底部には矩形状の第1突起2a−2と、第1突起2a−2の上には円筒状の第4突起2a−5がそれぞれ複数箇所形成されており、曲面凹部2a−1の中央付近には、I型形状の第2突起2a−3が1箇所形成されており、曲面凹部2a−1の両頂端には半円形断面の直線状の第3突起2a−4がそれぞれ1箇所づつもしくは複数箇所形成されている。
【0013】
回動部材3aには下結合部材2aの曲面凹部2a−1に対応して摺り合わせる下面が曲面凸部3a−5となった取付部3a−1が形成されており、ここで、曲面凸部3a−5の曲率半径は、下結合部材2aの曲面凹部2a−1の曲率半径より第3突起2a−4の高さ分小さく設定されている。取付部3a−1には矩形状の第1開口部3a−2が複数箇所及び矩形状の第2開口部3a−3が1箇所穿設されている。第1開口部3a−2の短辺の長さは下結合部材2aに形成された第1突起2a−2の短辺の長さより長く、第2開口部3a−3の短辺の長さは下結合部材2aに形成されたI型形状の第2突起2a−3の短辺の長さと略等しく設定されている。
【0014】
上結合部材4aには回動部材3aの曲面凹部3a−4に対応して摺り合わせる下面が曲面凸部4a−3となった取付部4a−1が形成されており、ここで、曲面凸部4a−3の曲率半径は、回動部材3aの曲面凹部3a−4の曲率半径と略等しく設定されている。取付部4a−1には円筒状の第5突起4a−2が複数箇所形成されており、第5突起4a−2の内径は、下結合部材2aに形成された第4突起2a−5の外径と略等しく設定されている。
【0015】
上結合部材4aの上面は、第5突起4a−2に保持した複数個のコイルスプリング5aの螺旋状巻回部の下端に当接しており、コイルスプリング5aの上端がビス7aにより螺合されたワッシャー6aに係止することにより上結合部材4aは常時下方に(回動部材3aの取付部3a−1に向かって)付勢されている。下結合部材2aに形成された第1突起2a−2と第4突起2a−5に穿設された貫通孔に遊挿されたビス7aは、操作台1aの底面に形成されたナット収容孔1a−1に収容されたナット8aと螺合している。
【0016】
上記構成の本発明にかかる回動装置Sにおいて、回動部材3aの取付部3a−1は、下結合部材2aの曲面凹部2a−1と上結合部材4aの取付部4a−1とで挟持されるとともに、コイルスプリング5aの付勢力により上結合部材4aを介して下結合部材2aに向かって常時押圧されている。ここで、上結合部材4aの曲面凸部4a−3と回動部材3aの曲面凹部3a−4は面接触であるが、回動部材3aの曲面凸部3a−5と下結合部材2aの曲面凹部2a−1は、第3突起2a−4を介しての線接触である。これにより、回動部材3aと下結合部材2aとの間の動摩擦係数を低減する。回動部材3aに穿設された第2開口部3a−3は前後方向に細長く形成されており、下結合部材2aの曲面凹部2a−1の上に形成された第2突起2a−3はこの第2開口部3a−3に収容されている。従って第2開口部3a−3の側縁が下結合部材2aの第2突起2a−3の側縁と常時対向しており、システム本体が取り付けられる回動部材3aの回動方向は、第2突起2a−3により規制される。システム本体の上下方向の角度は、第1突起2a−2の前後縁の一部が回動部材3aに穿設された第1開口部3a−2の短辺と当接することにより規制される。下結合部材2aと上結合部材4aを例えばポリアセタール樹脂のような高摺動材料で製作することにより、下結合部材2aと上結合部材4aに挟持された回動部材3aとの間の動摩擦係数を低減する。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、以下に記載されるような効果を奏する。本発明のうちで、請求項1に記載の発明によれば、装置が取り付けられる回動部材を下結合部材と上結合部材との間に挟持した状態で上下方向に回転自在に保持するとともに、下結合部材に形成された第1突起の前後縁を回動部材の取付部に穿設された第1開口部の前後縁に当接させることにより上下方向の回動角度を規制し、下結合部材に形成された第2突起の側縁を回動部材の取付部に穿設された第2開口部の側縁に当接させることにより上下方向の回動方向を規制するようにしたので、所定の角度範囲で装置の向きを適宜変更することができ、装置の機能性を向上させることができる。また、回動部材の曲面凸部と下結合部材の曲面凹部は、第3突起を介しての線接触であるため、動摩擦係数を低減することができ、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、上結合部材の第5突起の貫通孔に下結合部材の第4突起を遊挿することにより、上結合部材を下結合部材に対し保持するようにしたので、回動部材が回動しても、上結合部材は下結合部材との位置関係を保つことができ、これにより簡素な構成で、回動部材を下結合部材と上結合部材との間に挟持した状態で上下方向に回転自在に保持することができ、装置の機能性を向上させることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、上結合部材を回動部材の取付部に向かって付勢するコイルスプリングを複数個設けることにより、コイルスプリングの付勢力が上結合部材に均一にかかるため、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することができる。
【0020】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、下結合部材と上結合部材を高摺動材料で製作するようにしたため、下結合部材と上結合部材に挟持された回動部材との間の動摩擦係数を低減することができ、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの斜視図
【図2】本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの回動範囲を示す断面図であり、
(a)は水平時の状態を示す図
(b)は回動時の状態を示す図
【図3】本発明にかかる回動装置の構成を示す分解斜視図であり、
(a)は上方から見た状態を示す図
(b)は下方から見た状態を示す図
【図4】従来の回動装置の構成を示す分解斜視図
【符号の説明】
1a 操作台
1a−1 ナット収容孔
2a 下結合部材
2a−1 曲面凹部
2a−2 第1突起
2a−3 第2突起
2a−4 第3突起
2a−5 第4突起
3a 回動部材
3a−1 取付部
3a−2 第1開口部
3a−3 第2開口部
3a−4 曲面凹部
3a−5 曲面凸部
3a−6 回動中心
4a 上結合部材
4a−1 取付部
4a−2 第5突起
4a−3 曲面凸部
5a コイルスプリング
6a ワッシャー
7a ビス
8a ナット
1b 操作台
1b−1 曲面凹部
1b−2 ボス
2b 回動部材
2b−1 取付部
2b−2 開口部
3b 結合部材
4b コイルスプリング
5b ワッシャー
6b ビス
A1 水平時の回動力入力点
A2 回動時の回動力入力点
B1 水平時の復元力入力点
B2 回動時の復元力入力点
F 回動力または復元力
M パーソナルMDシステム
S 回動装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、モニタ、テレビ等の表示装置やオーディオ装置に取り付けられ、設置場所に応じて装置本体の向きを適宜変更することにより装置の機能性を向上させた回動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスプレイユニットをスウィングさせるディスプレイ用チルト機構の例は多数ある(例えば特許文献1参照。)。また、オーディオ装置に取り付けられる従来の回動装置の構成を図4に示す。図4に示すように、従来の回動装置は、操作台1b、曲面凹部1b−1、ボス1b−2、回動部材2b、取付部2b−1、開口部2b−2、結合部材3b、コイルスプリング4b、ワッシャー5b、ビス6b、ナット7bで構成される。従来の回動装置では、操作台1bに曲面凹部1b−1を形成し、この曲面凹部1b−1と対応する形状の取付部2b−1を有する回動部材2bを介して表示装置やオーディオ装置等の装置本体を取り付けている。また、操作台1bの中央部には円筒状のボス1b−2が一体的に形成されており、ボス1b−2は、装置本体が取り付けられる回動部材2bの中央部に穿設された矩形状の開口部2b−2に遊挿され、結合部材3bをビス6bで締結されたコイルスプリング4bにより回動部材2bに向かって付勢することにより装置本体は回動自在に支承されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−117020号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来の回動装置においては、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合、操作台、回動部材、結合部材間の摩擦力が大きくなり、回動させるのに大きな操作力が必要であった。また、コイルスプリングの付勢力が結合部材に均一にかからずに、本体静止時にガタを生じたり、回動時に静摩擦と動摩擦の差が大きくなり、滑らかな回動ができないことがあった。
【0005】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、表示装置やオーディオ装置の向きを適宜変更することにより装置の機能性を向上させるとともに、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、操作台と、操作台に固定され、円筒の一部により形成される曲面凹部と曲面凹部に形成された矩形状の第1突起及びI型形状の第2突起及び半円形断面の直線状の第3突起を有する下結合部材と、曲面凹部と対応する形状の取付部と取付部に穿設された矩形状の第1開口部及び矩形状の第2開口部を有する回動部材と、回動部材の取付部と対応する取付部を有し回動部材を下結合部材との間に挟持して回動部材を上下方向に回転自在に保持する上結合部材とを備え、第1突起の前後縁を第1開口部の前後縁に当接させることにより上下方向の回動角度を規制し、第2突起の側縁を第2開口部の側縁に当接させることにより上下方向の回動方向を規制する。これにより、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定した回動装置が得られる。
【0007】
また、下結合部材の第1突起の上に円筒状の第4突起を形成する一方、上結合部材の取付部の上に円筒状の第5突起を形成し、第5突起に貫通孔を穿設し、貫通孔に第4突起を遊挿することにより上結合部材を下結合部材に対し保持する。これにより、回動部材が回動しても、上結合部材は下結合部材との位置関係を保つことができる。
【0008】
また、上結合部材を回動部材の取付部に向かって付勢するコイルスプリングを設け、第5突起に保持し、第1突起及び第4突起に貫通孔を穿設し、コイルスプリングとコイルスプリングの上に設けられたワッシャーと上結合部材と回動部材と下結合部材とを操作台に一体的に保持するビスを貫通孔に遊挿してナットと螺合するようにする。さらに、下結合部材と上結合部材を高摺動材料で製作したことを特徴とする。これらにより、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定した回動装置が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの斜視図を示す。図2は、本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの回動範囲を示す断面図であり、(a)は水平時の状態、(b)は回動時の状態を示す。また、図3は、本発明にかかる回動装置の構成を示す分解斜視図であり、(a)は上方から、(b)は下方から見た状態を示す。
【0010】
図1に示すように、本発明にかかる回動装置Sを備えたパーソナルMDシステムMは、本発明にかかる回動装置Sに取り付けられていることから、図2(a)に示されるように、回動部材3aの回動中心3a−6を中心に上方向に角度αの範囲で回動且つその範囲内の任意の角度で静止することが可能である。図2(a)の点A1に回動力Fを与えると、点A1が点A2まで回動することが可能である。また、図2(b)の点B2に復元力Fを与えると、点B2が点B1まで復元することが可能である。
【0011】
図3(a)及び図3(b)に示されるように、回動装置Sは、操作台1aと、操作台1aの上に取り付けられる下結合部材2aと、下結合部材2aの上に取り付けられる回動部材3aと、回動部材3aの上に取り付けられ下結合部材2aとともに回動部材3aを挟持する上結合部材4aと、コイルスプリング5a及びワッシャー6aを介して下結合部材2a及び回動部材3a及び上結合部材4aを操作台1aに一体的に取り付けるためのビス7a及びナット8aとを備えている。
【0012】
下結合部材2aには曲面凹部2a−1が形成されており、曲面凹部2a−1の最底部には矩形状の第1突起2a−2と、第1突起2a−2の上には円筒状の第4突起2a−5がそれぞれ複数箇所形成されており、曲面凹部2a−1の中央付近には、I型形状の第2突起2a−3が1箇所形成されており、曲面凹部2a−1の両頂端には半円形断面の直線状の第3突起2a−4がそれぞれ1箇所づつもしくは複数箇所形成されている。
【0013】
回動部材3aには下結合部材2aの曲面凹部2a−1に対応して摺り合わせる下面が曲面凸部3a−5となった取付部3a−1が形成されており、ここで、曲面凸部3a−5の曲率半径は、下結合部材2aの曲面凹部2a−1の曲率半径より第3突起2a−4の高さ分小さく設定されている。取付部3a−1には矩形状の第1開口部3a−2が複数箇所及び矩形状の第2開口部3a−3が1箇所穿設されている。第1開口部3a−2の短辺の長さは下結合部材2aに形成された第1突起2a−2の短辺の長さより長く、第2開口部3a−3の短辺の長さは下結合部材2aに形成されたI型形状の第2突起2a−3の短辺の長さと略等しく設定されている。
【0014】
上結合部材4aには回動部材3aの曲面凹部3a−4に対応して摺り合わせる下面が曲面凸部4a−3となった取付部4a−1が形成されており、ここで、曲面凸部4a−3の曲率半径は、回動部材3aの曲面凹部3a−4の曲率半径と略等しく設定されている。取付部4a−1には円筒状の第5突起4a−2が複数箇所形成されており、第5突起4a−2の内径は、下結合部材2aに形成された第4突起2a−5の外径と略等しく設定されている。
【0015】
上結合部材4aの上面は、第5突起4a−2に保持した複数個のコイルスプリング5aの螺旋状巻回部の下端に当接しており、コイルスプリング5aの上端がビス7aにより螺合されたワッシャー6aに係止することにより上結合部材4aは常時下方に(回動部材3aの取付部3a−1に向かって)付勢されている。下結合部材2aに形成された第1突起2a−2と第4突起2a−5に穿設された貫通孔に遊挿されたビス7aは、操作台1aの底面に形成されたナット収容孔1a−1に収容されたナット8aと螺合している。
【0016】
上記構成の本発明にかかる回動装置Sにおいて、回動部材3aの取付部3a−1は、下結合部材2aの曲面凹部2a−1と上結合部材4aの取付部4a−1とで挟持されるとともに、コイルスプリング5aの付勢力により上結合部材4aを介して下結合部材2aに向かって常時押圧されている。ここで、上結合部材4aの曲面凸部4a−3と回動部材3aの曲面凹部3a−4は面接触であるが、回動部材3aの曲面凸部3a−5と下結合部材2aの曲面凹部2a−1は、第3突起2a−4を介しての線接触である。これにより、回動部材3aと下結合部材2aとの間の動摩擦係数を低減する。回動部材3aに穿設された第2開口部3a−3は前後方向に細長く形成されており、下結合部材2aの曲面凹部2a−1の上に形成された第2突起2a−3はこの第2開口部3a−3に収容されている。従って第2開口部3a−3の側縁が下結合部材2aの第2突起2a−3の側縁と常時対向しており、システム本体が取り付けられる回動部材3aの回動方向は、第2突起2a−3により規制される。システム本体の上下方向の角度は、第1突起2a−2の前後縁の一部が回動部材3aに穿設された第1開口部3a−2の短辺と当接することにより規制される。下結合部材2aと上結合部材4aを例えばポリアセタール樹脂のような高摺動材料で製作することにより、下結合部材2aと上結合部材4aに挟持された回動部材3aとの間の動摩擦係数を低減する。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、以下に記載されるような効果を奏する。本発明のうちで、請求項1に記載の発明によれば、装置が取り付けられる回動部材を下結合部材と上結合部材との間に挟持した状態で上下方向に回転自在に保持するとともに、下結合部材に形成された第1突起の前後縁を回動部材の取付部に穿設された第1開口部の前後縁に当接させることにより上下方向の回動角度を規制し、下結合部材に形成された第2突起の側縁を回動部材の取付部に穿設された第2開口部の側縁に当接させることにより上下方向の回動方向を規制するようにしたので、所定の角度範囲で装置の向きを適宜変更することができ、装置の機能性を向上させることができる。また、回動部材の曲面凸部と下結合部材の曲面凹部は、第3突起を介しての線接触であるため、動摩擦係数を低減することができ、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、上結合部材の第5突起の貫通孔に下結合部材の第4突起を遊挿することにより、上結合部材を下結合部材に対し保持するようにしたので、回動部材が回動しても、上結合部材は下結合部材との位置関係を保つことができ、これにより簡素な構成で、回動部材を下結合部材と上結合部材との間に挟持した状態で上下方向に回転自在に保持することができ、装置の機能性を向上させることができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、上結合部材を回動部材の取付部に向かって付勢するコイルスプリングを複数個設けることにより、コイルスプリングの付勢力が上結合部材に均一にかかるため、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することができる。
【0020】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、下結合部材と上結合部材を高摺動材料で製作するようにしたため、下結合部材と上結合部材に挟持された回動部材との間の動摩擦係数を低減することができ、本体静止時の安定性を得るために、コイルスプリングの付勢力を大きくした場合でも、軽い操作力で滑らかな回動を行い、且つ静止時にも安定することのできる簡素な構成の回動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの斜視図
【図2】本発明にかかる回動装置を備えたパーソナルMDシステムの回動範囲を示す断面図であり、
(a)は水平時の状態を示す図
(b)は回動時の状態を示す図
【図3】本発明にかかる回動装置の構成を示す分解斜視図であり、
(a)は上方から見た状態を示す図
(b)は下方から見た状態を示す図
【図4】従来の回動装置の構成を示す分解斜視図
【符号の説明】
1a 操作台
1a−1 ナット収容孔
2a 下結合部材
2a−1 曲面凹部
2a−2 第1突起
2a−3 第2突起
2a−4 第3突起
2a−5 第4突起
3a 回動部材
3a−1 取付部
3a−2 第1開口部
3a−3 第2開口部
3a−4 曲面凹部
3a−5 曲面凸部
3a−6 回動中心
4a 上結合部材
4a−1 取付部
4a−2 第5突起
4a−3 曲面凸部
5a コイルスプリング
6a ワッシャー
7a ビス
8a ナット
1b 操作台
1b−1 曲面凹部
1b−2 ボス
2b 回動部材
2b−1 取付部
2b−2 開口部
3b 結合部材
4b コイルスプリング
5b ワッシャー
6b ビス
A1 水平時の回動力入力点
A2 回動時の回動力入力点
B1 水平時の復元力入力点
B2 回動時の復元力入力点
F 回動力または復元力
M パーソナルMDシステム
S 回動装置
Claims (4)
- 表示装置あるいはオーディオ装置が取り付けられ、装置の上下方向の向きを変更するための回動装置であって、操作台と、該操作台に固定され、円筒の一部により形成される曲面凹部と、該曲面凹部に形成された矩形状の第1突起及びI型形状の第2突起及び半円形断面の直線状の第3突起を有する下結合部材と、該曲面凹部と対応する形状の取付部と該取付部に穿設された矩形状の第1開口部及び矩形状の第2開口部を有する回動部材と、該回動部材の該取付部と対応する取付部を有し、回動部材を該下結合部材との間に挟持して回動部材を上下方向に回転自在に保持する上結合部材とを備え、該第1突起の前後縁を該第1開口部の前後縁に当接させることにより上下方向の回動角度を規制し、該第2突起の側縁を該第2開口部の側縁に当接させることにより上下方向の回動方向を規制するようにしたことを特徴とする回動装置。
- 該下結合部材の第1突起の上に円筒状の第4突起を形成する一方、該上結合部材の取付部の上に円筒状の第5突起を形成し、該第5突起に貫通孔を穿設し、該貫通孔に該第4突起を遊挿することにより、該上結合部材を該下結合部材に対し保持するようにした、請求項1に記載の回動装置。
- 該上結合部材を該回動部材の取付部に向かって付勢するコイルスプリングを設け、該第5突起に保持し、該第1突起及び該第4突起に貫通孔を穿設し、該コイルスプリングと該コイルスプリングの上に設けられたワッシャーと該上結合部材と該回動部材と該下結合部材とを該操作台に一体的に保持するビスを該貫通孔に遊挿してナットと螺合するようにした請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の回動装置。
- 該下結合部材と該上結合部材は高摺動材料からなることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の回動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002296194A JP2004134952A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 回動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002296194A JP2004134952A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 回動装置 |
Publications (1)
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JP2004134952A true JP2004134952A (ja) | 2004-04-30 |
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ID=32286234
Family Applications (1)
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JP2002296194A Pending JP2004134952A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 回動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004134952A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111912520A (zh) * | 2020-08-10 | 2020-11-10 | 南通旭泰自动化设备有限公司 | 一种水电机组振动摆度监测与保护装置 |
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2002
- 2002-10-09 JP JP2002296194A patent/JP2004134952A/ja active Pending
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CN111912520A (zh) * | 2020-08-10 | 2020-11-10 | 南通旭泰自动化设备有限公司 | 一种水电机组振动摆度监测与保护装置 |
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