JP2004134783A - 半導体基板用洗浄液および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

半導体基板用洗浄液および半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
 銅配線の腐食を抑制しながら、シリカやアルミナなどの研磨剤砥粒や銅の研磨屑を除去でき、しかも洗浄後の銅配線の表面に有機物残留が少ない半導体基板用洗浄液および当該洗浄液を用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
 糖類と、塩基性化合物とを含有してなる銅配線を有する半導体基板用洗浄液および当該洗浄液で銅配線を有する半導体基板を洗浄する工程からなる半導体デバイスの製造方法の提供。
【選択図】     なし 


Description

 本発明は、銅配線を有する半導体基板用洗浄液に関する。
 近年、半導体デバイスの高集積化、高性能化のために様々な材料開発がなされている。デバイス内の配線材料として、従来、アルミニウム又はその合金系が使用されてきた。
 アルミニウム配線は、絶縁膜上に成膜したアルミニウム膜上にフォトレジストでパターニングし、エッチングした後、マスクしたフォトレジストを剥離することによって形成される。そのため、アルミニウム配線の表面には、剥離されなかったフォトレジストや、エッチングの際に酸素プラズマ等によりアッシングで灰化したフォトレジストの残渣、パターニングやプラズマ処理時に使用したガス成分が、アルミニウム配線の側面や配線と配線間の底部、配線上部等に多量に付着している。
 これらの残渣を除去する方法として、第4級アンモニウム水酸化物と、糖類とを含有する水溶液を用いる方法が開示されている(特許文献1参照)。
 一方、半導体デバイスのより高性能化、高速処理化に対応するため、デバイス内の配線材料として、銅配線が注目されてきている。
 銅配線は、予め溝を掘った絶縁膜を形成した後、メッキ法等で銅を埋め込み、直径1μm以下のシリカやアルミナ等の砥粒と銅の腐食防止用の添加剤からなる研磨剤と、ポリウレタン等の材質からなる研磨用パッドを用いた化学的機械研磨方法(ケミカルメカニカルポリッシング、以下CMPと略記する)によって、溝以外の部分の銅膜を研磨除去することで形成される。そのため、銅配線形成後の表面には、CMPに用いたシリカやアルミナなどの研磨剤砥粒や、表面から研磨された銅の微少な研磨屑が、埋め込まれた銅配線の表面や絶縁膜上に多量付着している。
 また、CMPによって銅配線を形成し、洗浄液で洗浄した後、さらに銅配線の表面に絶縁膜を成膜する必要があるが、洗浄液中の添加剤に由来する有機物が残留して、銅配線と絶縁膜との間で密着不良が発生するという問題もあった。
 よって、アルミニウム配線よりも腐食され易い銅配線の腐食を抑制しながら、シリカやアルミナなどの研磨剤砥粒や銅の研磨屑を除去でき、しかも洗浄後の銅配線の表面に有機物残留が少ない洗浄液の開発が望まれていた。
特許第2906590号(第1頁左欄、請求項1)
 本発明の目的は、銅の腐食を抑制しながら、シリカやアルミナなどの研磨剤砥粒や銅の研磨屑を除去でき、洗浄後の銅配線の表面に有機物残留が少ない半導体基板用洗浄液およびその洗浄液を用いた半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
 本発明者らは、上記したような問題を解決し得る洗浄液を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、糖類と、塩基性化合物とを含有してなる洗浄液が、フォトレジストや灰化したフォトレジストの残渣とは全く異なるシリカやアルミナなどの研磨剤砥粒や銅などの研磨屑を除去することが可能であり、洗浄後の銅配線の表面に有機物残留が少ないことから、銅配線を有する半導体基板の洗浄液として使用し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
 即ち、本発明は、糖類と、塩基性化合物とを含有してなる銅配線を有する半導体基板用洗浄液および当該洗浄液で銅配線を有する半導体基板を洗浄する工程からなる半導体デバイスの製造方法を提供するものである。
 本発明によれば、銅の腐食を抑制しながら、シリカやアルミナなどの研磨剤粒子や研磨によって発生する銅などの研磨屑を除去し、洗浄後の残留有機物が少ない半導体基板用洗浄液を提供することが可能となる。
 本発明の半導体基板用洗浄液は、銅配線を有する半導体基板用であって、溶媒中に糖類と、塩基性化合物とを含有する。
 本発明の洗浄液に含有される糖類としては、例えば,アルドース、ケトース等の単糖類や、糖アルコール類等が挙げられる。
 具体的には、アルドースとしては、リキソース、グリセルアルデヒド、トレオース、エリトロース、アラビノース、キシロース、リボース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、グルコース、マンノース、ガラクトース等が挙げられ、ケトースとしてはエリトルロース、リブロース、キシルロース、タガトース、ソルボース、プシコース、果糖等が挙げられ、糖アルコール類としては、トレイトール、エリトルトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、タリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ズルシトール等が挙げられる。
 中でも、好ましいものとしてソルビトール、マンニトール、キシリトールが挙げられ、より好ましいものとしてマンニトールが挙げられる。
 本発明の洗浄液中には、これらの糖類が2種以上含有されていてもよい。
 本発明の洗浄液中の糖類の濃度は、通常0.001重量%〜15重量%であり、好ましくは0.001重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜1重量%である。0.001重量%未満では銅に対する防食効果が不充分な場合があり、15重量%を超えると、用いた糖類の種類によるが、洗浄液への溶解性が低下したり、洗浄後の銅表面に残留する場合がある。
 本発明での洗浄液に含有される塩基性化合物としては、例えば水酸化物、アミノ基含有化合物等が挙げられる。ここで、水酸化物としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン等の第4級アンモニウム水酸化物、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、水酸化アンモニウム等が挙げられる。
 また、アミノ基含有化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−メチルアミノエタノール、2−エチルアミノエタノール、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、モノプロパノールアミン、ジブタノールアミンなどのアルカノールアミン類等が挙げられる。
 中でも電子部品の表面を金属汚染させないという観点から、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化アンモニウムが好ましく、特に水酸化テトラメチルアンモニウムが好ましい。
 本発明の洗浄液中の塩基性化合物の濃度は、通常、0.01重量%〜10重量%であり、好ましくは0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.05重量%〜1重量%である。0.01重量%未満では粒子除去性が不充分な場合があり、10重量%を超えると洗浄液の塩基性の度合いが大きくなり、銅配線の表面に腐食が発生する場合がある。
 本発明の洗浄液には通常、溶媒が含有される。溶媒の種類は特に限定されないが、水や有機溶媒、あるいはそれらの混合液がよく、中でも水が好ましい。
 有機溶媒としては、例えばアルコール類およびその誘導体、アミド類、ケトン類、エステル類及び含硫黄化合物が挙げられる。
 アルコール類およびその誘導体としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の脂肪族アルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、フルフリルアルコ−ル、テトラヒドロフルフリルアルコ−ル等の芳香族又は環状アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテル結合を有するアルコール誘導体等が挙げられる。
 アミド類としては、例えば、N- メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられ、好ましくは、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンである。
 ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
 エステル類としては、例えば、γ-ブチロラクトン、エチレンカーボネートが挙げられる。
 含硫黄化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
 また、これら有機溶媒は2種以上を混合して用いてもよく、1種以上の有機溶媒と水とを任意に混合して用いてもよい。
 なお、本発明の洗浄液は、銅配線の表面を腐食させることなく、シリカやアルミナなどの研磨剤砥粒や銅の研磨屑の除去性を妨げない他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、カルボン酸系、芳香族系の各種キレート剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤、分散剤などが挙げられる。
 本発明の洗浄液は、通常、溶媒中に糖類と、塩基性化合物とを上述の好ましい濃度になるように溶解させる方法により得られるが、本発明の洗浄液は、予め溶媒中に高濃度の糖類と、塩基性化合物とを溶解させておき、使用時にこれを適宜溶媒により希釈して用いてもよい。
 また、このように本発明の洗浄液を使用時に調整することにより、本発明の洗浄剤を製造する場所から使用する場所に輸送する際、輸送コストを抑制することが可能である。
 本発明の洗浄液は銅配線を有する半導体基板の洗浄に用いられる。ここで銅配線とは、銅のみからなる配線を意味するのみならず、銅を主成分とする合金からなる配線をも意味する。
 銅を主成分とする合金としては、例えば、銅の他に、Sn、Ag、Mg、Ni、Co、Ti、Si、Al等を含有する合金が挙げられる
 本発明の洗浄液は、銅配線が露出している表面を有する基板の洗浄に適しており、特に半導体デバイスを製造する過程で行われるCu−CMPによる研磨後の洗浄液として好適に用いられる。また、本発明の洗浄液はプリント配線基板上に形成させた銅配線等の洗浄にも適用できる。
 本発明の半導体デバイスの製造方法には、
(1)化学的機械研磨によって銅配線を有する半導体基板を得る工程と、
(2)工程(1)で得られた銅配線を有する半導体基板を本発明の洗浄液で洗浄する工程とが含まれる。
 本発明の方法としては具体的には、例えば以下の方法が挙げられる。
 図1(a)のように、トランジスター等の素子を形成した半導体基板(図示せず)上にシリコン酸化膜1、シリコン窒化膜2を形成した後、配線間を絶縁するための層間絶縁膜3を形成し、その後層間絶縁膜を保護するためのキャップ層膜4等を形成する。層間絶縁膜としては、例えばシリコン酸化膜(SiO2膜)や、低誘電率層間絶縁膜であるFSG(F含有SiO)膜、SiOC(カーボン含有SiO)膜、SiON(N含有SiO)膜のような無機系の膜、MSQ(メチルシルセスキオキサン)膜、HSQ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)膜、MHSQ(メチル化ハイドロジェンシルセスキオキサン)膜等のポリオルガノシロキサン系の膜、PAE(ポリアリールエーテル)膜、BCB(ジビニルシロキサン−ビス−ベンゾシクロブテン)膜等の芳香族系の膜、Silk膜、ポーラスSilk膜などが挙げられる。また、キャップ層膜としては、SiO、SiC、SiN,SiCN等の膜が用いられる。
 その後、公知のリソグラフィープロセスを利用して溝を形成した後、図1(b)のように、バリアメタル膜5及び銅膜6を形成し、公知のCMPプロセスを用いて銅膜とバリアメタル膜を研磨することで銅配線を形成する。
 その後、図1(c)に示すように、研磨によって表面に付着した研磨屑や研磨剤中のスラリー成分を本発明の洗浄液を用いて除去する。
 本発明の洗浄液により、図1(c)に示す研磨屑や研磨剤中のスラリー成分が除去される。
 その後、洗浄を行った後は水リンスによって基板表面に残留する本発明の洗浄液成分を除去した後、図1(d)に示すように銅配線上に再びキャップ層7を形成する。この場合、水リンスによって容易に洗浄液成分が除去されずに残留した場合、銅配線とキャップ層との界面の密着性が低下し、銅配線の性能が低下するという問題が生じるため、短時間で容易に除去できる洗浄液が望まれる。
 図1(c)における洗浄の方法としては、絶縁膜や銅配線をエッチングしたり、銅配線を腐食させずに研磨屑や研磨剤中のスラリー成分を除去する洗浄方法が好ましく、具体的には、例えば基板を洗浄液に直接浸漬することによる浸漬洗浄法、浸漬洗浄法に超音波照射を併用した方法、洗浄液を基板表面に吹きかけながらブラシにより洗浄するブラシ洗浄法、ブラシ洗浄と超音波照射を併用する方法等が挙げられる。また、これらの洗浄方法を実施する際には洗浄液を加熱して使用してもよい。
 ここで、銅配線を有する半導体基板を洗浄した後の銅表面の残留有機物については、X線励起光電子分光装置を用いることで測定することができる。すなわち、銅表面にX線を照射することで励起される銅の光電子強度と有機物中の炭素の光電子強度の比(C/Cu)によって半導体基板上の有機物の残留度合いを評価でき、洗浄前のC/Cuの値より、洗浄後のC/Cu値が高い場合、洗浄によって銅表面に有機物が残留していることを表す。
  以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例1〜5及び比較例1
 表1に示した組成の洗浄液を調製した。これらの洗浄液中に、メッキ法により銅(Cu)膜4000Åを成膜したシリコンウエハーを試験片として、40℃で5分間浸漬し、その後超純水中で30秒間リンスを行なった。洗浄液によるCuの腐食抑制効果は、洗浄処理前後のCu膜の膜厚を測定し、膜厚変化量から溶解速度(エッチレート)を算出し判定した。また、洗浄処理前後の表面を電子顕微鏡で観察し、Cu膜表面の状態を観察した。結果を表1に示す。表1より、本発明の洗浄液は、塩基性水溶液であるにもかかわらず銅腐食防止に極めて有効であった。
Figure 2004134783

   *注1:TMAH・・・水酸化テトラメチルアンモニウム
[Cu膜表面の状態の評価基準]
     ×:Cu表面のエッチングが顕著であった。
     △:Cu表面のエッチングが認められた。
     ○:Cu表面のエッチングがわずかに認められた。
     ◎:Cu表面のエッチングは全く認められなかった。
実施例6
 表2に示した組成の洗浄液を調製した。この洗浄液中に、メッキ法により銅(Cu)膜4000Åを成膜したシリコンウエハーを試験片として、40℃で5分間浸漬し、その後超純水中で30秒間リンスを行った。その洗浄処理前後のサンプル表面上の残留炭素量をX線励起光電子分光装置により測定した。残留炭素量は、下地のCu由来の光電子強度と表面の炭素(C)由来の光電子強度の比をとることで、残留炭素量を相対的に比較した。洗浄処理を行う前の銅表面の残留炭素量C/Cuは1.19であった。結果を表2に示す。
Figure 2004134783
 表2より、水酸化テトラメチルアンモニウムとマンニトールからなる洗浄液は、残留炭素量が洗浄前の残留炭素量1.19とほぼ同等レベルであり、洗浄液中の有機物がほとんど残留していないことがわかる。
  実施例7
 図1(b)の構造を有する銅配線用半導体基板を、公知のシリカを砥粒とする研磨剤とCMP研磨装置により研磨を行った後、実施例6で示した洗浄液中に40℃で2分間浸漬させることで洗浄を行った。洗浄中は周波数950kHzの超音波照射を併用した。
 その後電子顕微鏡観察により、銅配線表面を観察した結果、洗浄前に多量に付着していたシリカ砥粒等がきれいに除去されており、銅配線表面もエッチングや腐食は全く観察されなかった。
本発明の半導体デバイスの製造方法を、順を追って図示した。化学的機械的研磨によって銅配線を有する半導体基板を得る工程と、当該半導体基板を本発明の洗浄液で洗浄する工程を示す。
符号の説明
1.シリコン酸化膜
2.シリコン窒化膜
3.層間絶縁膜
4.キャップ層膜
5.バリアメタル膜
6.銅膜
7.キャップ層膜

Claims (7)

  1.  糖類と、塩基性化合物とを含有することを特徴とする銅配線を有する半導体基板用洗浄液。
  2.  塩基性化合物が、0.01〜10重量%の濃度である請求項1記載の洗浄液。
  3.  塩基性化合物が水酸化物である請求項1または2記載の洗浄液。
  4.  水酸化物が、第4級アンモニウム水酸化物である請求項3記載の洗浄液。
  5.  糖類が、0.001〜15重量%の濃度である請求項1記載の洗浄液。
  6.  糖類が、マンニトールである請求項1または5記載の洗浄液。
  7. (1)化学的機械研磨によって銅配線を有する半導体基板を得る工程と、
    (2)工程(1)で得られた銅配線を有する半導体基板を、請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄液で洗浄する工程とを含むことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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