JP2004134590A - 粒子線描画パターン高精度化法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子線照射装置を用いて、高精度パターンを得るべくビーム径を細く絞ろうとする場合、外界からの様々なノイズ等により外乱を受け、そこには一定の限界があった。これを打破するためビームを安定化する機器の助けを借りようとしても、極めて高価であり、そこにも限界があった。本発明は、通常の装置だけで、特に高価な機器を必要とすることなく簡便に且つ安定に細い線を描画し、高精度パターンを得ようというものである。
【解決手段】照射する粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを現像可能な露光量まで露光し得ない微弱な、小さな線径の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画することによって現像可能な露光量に達する高精度パターンを得、次いで現像工程に付すことによって、粒子線照射による高精度パターンを作製するものである。
【選択図】 図3
【解決手段】照射する粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを現像可能な露光量まで露光し得ない微弱な、小さな線径の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画することによって現像可能な露光量に達する高精度パターンを得、次いで現像工程に付すことによって、粒子線照射による高精度パターンを作製するものである。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法に関する。
さらに詳細には、LSI等の電子部品を電子線リソグラフィーやイオンビームリソグラフィーなどの粒子線を用いたリソグラフィーを用いて作製する過程において、描画装置の粒子線ビーム径を小さくして複数回描写することにより描写パターンの精度を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】
電子線リソグラフィーやイオンビームリソグラフィー等の粒子線を用いたリソグラフィー技術は光の波長よりも電子ビーム径を小さく絞ることができるため、フォトリソグラフィーよりも微細なパターンを描くことができるとされてきた。しかしながら描画パターンが微細になるに伴い、粒子線(ビーム)を電気的にコントロールしようとすると、その照射位置に誤差が生じたり、また照射時の粒子線の持つエネルギーによる熱変形を生じ、冷却後のパターンに誤差を生じたり、あるいは、照射したビームにより生ずる2次電子によりレジストが露光されて、パターンが大きくなったり、さらには、外部の電界や磁界の変動の影響を粒子ビームが受け、あるいは機械的振動により描画パターンに誤差が生じるといった問題が生じていた。
【0003】
このような問題を解決するために、従来は粒子線描画装置のコントロール電圧をできるだけ細分化して描画精度を向上させる手法、電子線においてはマスクを通過した散乱電子の補助露光を利用して描画照射精度を高める手法を用いたり(例えば、特許文献1参照)、また、粒子線ビームに影響を与える外界からの電界や磁界をシールドしたり(例えば、特許文献2参照)、描画装置本体を防振台等に設置する(例えば、特許文献3参照)等の処置を施して、これらの影響を軽減していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−118777号公報
【特許文献2】
特開平10−340698号公報
【特許文献3】
特開平10−209021号公報
【0005】
しかし、このような手法は、高精度に粒子線を制御できる高価な装置・設備あるいは、精度良く作製されたマスク、大がかりな電磁気シールドや防振装置等を必要とするものであり、負担の大きい解決手段である。
【0006】
【発明の解決しようする課題】
本発明は、このような高価な装置等を使用することなく、従来法の手段をそのまま使用するだけで、極めて簡便な手段・手法に基づいて、高精度の粒子線線描画パターンを作製する方法を提供しようというものである。
【0007】
粒子線を用いた場合の現状を、電子線に基づいて説明する。図1は、粒子線として電子線を採用した場合、電子を照射する電子銃の種類とその電子銃のビーム電流量とビーム直径との関係を模式的に表した図である。この図に示された装置の中、最も高価な電子線描画装置は、電解放出型の電子銃を用いたものであり、次に高価な装置は、ランタンホウ素(LaB6)、最も安価なものがタングステンフィラメントの電子銃の順になる。
この図1から、同じ電流量で考えると、電解放出型の電子銃の電子線の直径が最も小さく、次にLaB6、次にタングステン(W)フィラメントの電子銃の順になる。通常使用する範囲の電流量である数十〜数百ピコアンペア(pA;10−12A)の領域では、電子線の径は、電解放出型の場合、数十〜1000オングストローム(数十〜100nm)、LaB6で数百〜1000オングストローム(数十〜100nm)で500〜2000オングストローム(50〜200nm)程度である。
【0008】
上記特性を有する機器を使用して、照射時の誤差を少なくするためには、従来技術においてはビーム径を意図的に大きく設定し、これによって最小ビーム径の数倍の線幅にてパターンを描いていた。
これを図2に基づいて説明する。すなはち、図2は、電子線レジストを塗布したシリコン基板上に、電子ビームの径が約100nm(ビーム電流約100pAの時)の電子線描画装置を用いて、線間隔約1μmの平行なパターンを描き、その後、現像して電子線が照射された部分のレジストを現像液にて取り除いた後の走査型電子顕微鏡(観察のための金蒸着の後の)写真を示すものである。図中、暗い部分が電子線が照射され、現像により取り除かれた部分を示している。電子線が照射された部分よりも広い範囲から発生する2次電子により、ビーム径よりも幅広い部分が露光され、現像により取り除かれ、その結果、線幅は約300nmとなっている。この図に示すように電子線レジスト上に電子線を1回照射した場合、現像後のパターンが鮮明ではなくまた直線性にも欠けている。 これは前述したように装置の粒子線をコントロールする精度の誤差や外部からの電界や磁界や振動の影響等によるものだと考えられる。
【0009】
本発明は、従来技術においては、上記したように線幅が大であり、不鮮明、直進性に欠ける等、諸点において問題があること、これを高価な制御装置に依存することなく、解決する手段を提供しようと言うものである。すなわち通常の安価な粒子線描画装置を使用し、前記問題を解決すること、具体的には粒子線描画装置の粒子ビーム径と同程度の線幅の描画パターンを鮮明に高精度で描く技術を提供しようというものである。
【0010】
そのため、本発明者らにおいては、線幅や、鮮明度、あるいは直進性に与える因子等について基本的に把握するため、以下に記載する比較実験を行った。
すなわち、従来のように大電流1回照射による電子線照射量を付与した場合に対して、電子線照射量を弱くして小電流複数回に分けて照射することを試み、両実験を対比し、検討した。図3は、その結果を模式的に示したものである。
図3中(a)は、大電流1回照射による従来法による電子線照射した結果を示す図であり、その露光して得られた線幅は、広い幅が形成され、不鮮明、直進性に欠けるものであった。
【0011】
これに対して、図3(b)は、小電流複数回照射した実験の模式図である。
すなわち、この例においては、同一の場所に、同一のパターンにて小電流照射により3回に分け、電子線を照射したものである。そこに示されている、3本の線は、その画像を模式的に示すものである。各線は、照射する粒子線が、図3(a)よりも微弱な粒子線であることから、粒子線径が細く絞られ、これによって大電流の場合に比して線幅の狭い細い線が描画される。各照射パターン線は、照射条件を一にしながらも必ずしも一様な結果が得られるとは限らず、それぞれ微妙な位置ずれ、あるいは波打った形状を呈している。その理由については、(0002)において述べたように、電気的、機械的等種々の原因が考えられる。
一般に、その照射する粒子線の強度と、この粒子線照射によって形成される線幅は、粒子線の電流値に依存する。すなわち、電流値を弱くすると、粒子線は、微弱となり、又、付随して線径が細く絞られる。電流値を露光量を基準として、それより弱い電流値に設定した場合、これによって照射された粒子線は、微弱な粒子線照射と言うことになり、現像しても露光量には達し得ず、したがってパターンを作り得ない結果となる。
【0012】
図3(b)は、露光量に達した粒子線の場合も、露光量に達しない粒子線の場合も含むものである。勿論、後者の場合には、各線は、実際に現像によって示された線ではなく、照射された粒子線のパス幅とそのパス軌跡を表す概念図ということになる。パターン線を模式的とした点は、このような後者の場合も含むことから模式的と称したものである。何れにしても、この弱い電流値による微弱な粒子線による複数回照射する各実験は、図3(a)に比してその粒子線径は小さく絞られ、線幅の狭い各描画線が、微妙な位置ずれ、揺らぎを以て波打って形成され、付与されていることを示している〔図3(b)〕。
【0013】
図3(c)は、前示3回照射した図3(b)に示す各線画像を重ね合わせて表示した画像であり、照射された3つの部分が重ね合わさって一つの線が現像される。各照射した粒子線の照射量がそれぞれ露光量に達している場合、その現像される線は、図に示されているように各回の照射された線がそのまま投影され、各変動する線は、重なり合って現像され、点線の位置に最大幅を有する一つの線が形成されることになる。
しかしながら、各照射した粒子線がそれぞれ露光量に達していない場合、その重ね合わさった部分のうち露光量に達した部分だけが実際の線として現像され、現像可能な露光量に達しない部分は、現像されず自ずとカットされる。この場合、その描画される各線幅は、それぞれの各線では波打って変動していても、重ね合わさったところは、平均化され中心に位置し、しかも点線よりも内側の位置、すなわち、各粒子線の照射量が現像可能な露光量に達している場合(点線の位置)と比較すると、それよりもさらに狭い絞られた線が現像により得られる。
何れにしても、一回の大電流による粒子線照射による実験に比し、複数回に分けて実施した粒子線の照射実験によるものは、実際に描画される線は、その変動が平均化し、真直な、細い線が描画される。そのうち特に、一回の照射では現像可能な露光量に達し得ない粒子線を照射した場合、その描画される線は、各回の粒子線照射位置に変動があっても、照射されたパターンが重なり合い、次第に露光された部分は自ずと中心位置に描かれ、直進性を示し、各粒子線の照射量が露光量に達する弱い複数回照射の場合(点線)に比しても、さらに細い線が描画されるということを知見した。
【0014】
以上、照射する粒子線とこれによって描画される線との関係を、さらに図4に基づいて補足的に説明する。すなわち、粒子線は、ある中心が強く、中心から離れるに従って弱くなる分布(例えば正規分布)を呈していると考えられる。
照射された各粒子線は、図4に示す各強度分布▲1▼、▲2▼、▲3▼・・・を有し、常に平均の値を中心にして一定の強度分布が展開、付与されている。これらが複数回行われると、各個の中心位置がずれた、異なる分布が次第に平均化し、精度が向上する。これは、統計数学において言う大数の法則に合致する。すなわち、一般に平均値μ、標準偏差σの母集団より描出したm個の集団の平均値はμ、標準偏差はσ/mで与えられる。これを4図に適用すると、m回の粒子線を照射して作製した線のばらつき・ズレは、1回照射の場合に対し、その1/mのばらつき(標準偏差が1/m)で示される。すなわち、照射する回数が多い程、母集団の平均(本来照射されるべき位置)に近づき、精度が上がることを示している。
【0015】
また、照射が、複数回に分けられて実施されることによって、入力電流値に見合った粒子線強度分布▲1▼、▲2▼、▲3▼・・・によって示される各照射粒子線は、それぞれは単独では、微弱な、線幅の小さい露光量に達し得ない強度分布を示すものであっても、複数回照射することによって重畳し、中心に極大点を有する露光量に達する鋭いピークの強度分布Pが与えられることを示している。この状態において、照射粒子線の強度がある一定の値(電子線レジストの感度)を越えたときに粒子線レジストが化学変化を生じることによりパターンが形成できるので、1回の照射電流量をコントロールし、複数回粒子線を照射することにより、精度の良いパターンを作製することができる。
その際、露光後の線幅は、粒子線の照射量や電子線レジストの電子線が照射された部分を取り除くための現像条件を変えることによって、得ようとする線幅をコントロールすることができる。
【0016】
ここに、粒子線として、電子線を使用し、電子線の照射量を露光量を基準として、その5分の1に設定し、照射回数を5回照射して、現像しうる露光量に至らしめる平行線描画実験を行った。現像後、得られた平行線描画パターンは、図5に示すとおりであった。このパターンを、一回の大きな電流値による照射実験によって得られた、図2に示すパターンと対比すると、複数回照射した実験による、図5のパターンの方が鮮明で且つ一様な、乱れのない真直な線が描画されていることが示されている。この両実験による現象上の差異は、前示説明した理由に加えて、電子線ビームの入力電流量を5分の1に設定したことによって、図1に示すようにビームの直径もこれに付随して絞られ、2図のように大きな電流を与えた場合に比し、その直径が2分の1から3分の1に細く絞られたことも相俟って起きた現象と考えられる。
【0017】
本発明は、以上に示す実験・考察を行った結果、1回の適正照射量による通常の操作による場合に比し、その適正照射量を複数回に分けて付与することにより、描画パターンの精度を向上させることが出来ることを見いだしたものである。すなわち、特に高価な装置・機器を使用することなく、通常の粒子線照射装置により高精度パターンを得るのに成功した。この発明は、前示知見、成功に端を発してなされたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、前示課題を解決するための手段とするところは、以下(1)〜(7)に記載する通りの事項が講じられてなるものである。
(1) 粒子線レジストを塗布した基板に粒子線を照射する、粒子線照射による描画パターンの作製方法において、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを露光し得ない微弱な、狭い線幅の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画によって露光量に達する高精度パターンを得、次いで現像工程に付すことを特徴とする、粒子線照射による高精度パターンの作製方法。
(2) 粒子線レジストを塗布した基板に粒子線を照射する、粒子線照射による描画パターンの作製方法において、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを現像可能な露光量まで露光し得ない微弱な、小さな線径の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画することによって、パターン上に各回露光量分布曲線を重畳し、同パターン上における全露光量の分布を、現像条件の選択によって任意の線幅を選択可能とする、現像し得る露光量に達した領域の中心を頂点とし、現像し得ない領域を両端に有する鋭いピークの露光量分布曲線を得ることを特徴とする、前記(1)項に記載の粒子線照射による高精度パターンの作製方法。
(3) 照射する粒子線照射態様を、粒子線レジストの適正照射量を基準として、そのn分の1以下の照射量で粒子線径を小さくして、照射回数をn回パスすることを特徴とする、前記(1)又は(2)項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
但しnは、2以上の整数を表す。
(4) 前記nの値が、5以上の整数であることを特徴とする、前記(1)ないし(3)の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
(5) 前記nの値が、5以上10以下の整数であることを特徴とする、前記(1)ないし(4)の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
(6) 現像条件を変えることによって、線幅をコントロールすることを特徴とする、前記(1)ないし(5)の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
(7) 線幅をコントロールする現像条件が現像時間ないし温度であり、現像時間ないし温度を変えることによって線幅をコントロールすることを特徴とする、前記(6)項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
【0019】
前示解決手段として講じた技術的構成の意義は、これによって、線幅が小さく、鮮明で、直進性に富み高精度パターンを得ることができるという、特有な作用効果が奏せられるものであることは前述したとおりである。また、その理由についても前示説明したところであるが、なお、この点は、すなわち複数回照射により粒子線描画した粒子線レジスト上に現像(粒子線が照射されたところを溶剤にて取り除くこと)にて溝を作る場合、線幅を正確にコントロールすること出来る点は、次のように説明できる。
まず、図13(a)に示すように粒子線は中心が一番強く、周りにいくほど弱くなる分布をしているとして、粒子線の照射量の鋭さpを
p=H/W (1)
と定義する。Hは粒子線照射量の強さのピークを示し、Wは照射された幅を示す。 N回の複数回照射をした後では粒子線照射量の強さHは、hiをそれぞれの照射での粒子線照射量の強さのピークとすると、
H=Nhi
となる。照射された幅Wは中心誤差の最大値をemaxとすると、
W=wi+emax
となる。ここでwiはそれぞれの粒子線照射における照射量の強さのピークである。これらを(1)に代入すると、
p=Nhi/(wi+emax )
となる。1回の粒子線照射はpiは、
pi=hi/wi
で表され、実験的にemaxは20%程度であるので図13(b)および(c)に示すようにpiとpを比較すると明らかにpの方が大きいことがわかる。つまり、照射粒子線量の分布は数回照射した複数回照射の方が鋭い(縦に長い)ことがわかる。
結論として、電子線リソグラフィーを用いて電子線レジスト上に現像(電子線が照射されたところを溶剤にて取り除くこと)にて溝を作る場合、鋭いピークの大きな照射量の分布をしていた方が線幅のコントロールがしやすい。電子線照射量がある値(感度)より大きい部分が現像により取り除かれる。すなわちパタ−ンとなるため、鋭いピークを持つ方が線幅をコントロールしやすい所以である。
【0020】
以下、本発明を実施例、図面、表に基づいて具体的に説明するが、これらの実施例、図面、表は、何れも本発明を容易に理解する一助として開示したものであって、これらによって本発明を限定する趣旨ではないし、また、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
図1ないし5については、既に説明しているので省略し、図6以下について説明する。図6は、複数回露光したときの現像による線幅の確定を説明する概念図である。図7、図9は、電子線露光回数5回実施して作製した際のパターンを示す図である。図8、図10は、電子線露光回数1回で作製した時のパターンを示す図である。
【0022】
また、図11は、描画した線幅の誤差と、隣り合う線同士の線間幅の測定を説明する概念図である。後述する表は、この11図とこの図に基づいた以下に示す計算式によって導き出されたものである。
図中、W:描画した線の現像後の幅(平均)、W’:描画した線の現像後の幅、また、a:平均線間幅、a’:隣り合う線同士の間幅、とすると、線幅の誤差E(%)は、
E=(W’− W)/W×100
で与えられる。
また、線間幅の誤差F(%)は、
F=(a’− a)/a×100
で与えられる。
【0023】
図12は、実施例で使用した平行線を描画する機能を持つパターンジェネレーターをもつ走査型電子顕微鏡装置の概念図である。
図13は、電子線を複数回に分けて照射したときの各電子ビームの強度分布と重畳した強度分布の関係を示す図である。
【0024】
表1は、平行線作製条件を示す表である。表2は、平行線描画実験における平行線の線幅及び線間隔の誤差をまとめた表である。
【0025】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を実施例に基づいて、具体的に開示、説明する。
実施例1;
ラインアンドスペース(平行線を描画する)機能を持つパターンジェネレーターを持つ走査型電子顕微鏡(トプコン製SX−40A、図12)を用いて、電子線レジスト(日本ゼオン社製ZEP−520−22)を2500回/分の回転数で厚さ0.4μm塗布したシリコン基板上に、線間隔1μm、線の長さ380μmの平行線をビームを電流量24pA(ピコアンペア)、走査速度3.8×10−3m/秒で5回照射した〔照射密度は1回につき 6.32×10−9C(クーロン)/m〕。照射された部分を除去する現像は、日本ゼオン社製ZED−N50を用い、20℃において60秒行った。現像後、金蒸着をして走査型電子顕微鏡観察した結果、図5に示される結果が得られた。これを、図2に示す1回照射のみのパターン(ビーム電流量24pA、走査速度7.51×10−4m/秒、照射密度は3.20×10−8C/m、現像温度:20℃、現象時間60秒)の走査型電子顕微鏡写真と比較すると、図2ではパターンの両側は不鮮明であるのに対して、図5では鮮明なパターンであることが分かる。
【0026】
実施例2;
ラインアンドスペース(平行線を描画する)機能を持つパターンジェネレーターを持つ走査型電子顕微鏡(トプコン製トプコン製SXー40A、図12)を用いて、電子線レジスト(日本ゼオン社製ZEP−520−22)を2500回/分回転数で厚さ0.4μm塗布したシリコン基板上に、線間隔0.5μm、線の長さ197μmの平行線をビーム電流量20pA、走査速度5.84×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき3.42×10−9C/m)。
照射された部分を除去する現像は日本ゼオン社製ZED−N50を用い、20℃において60秒行った。現像後、金蒸着をして走査型電子顕微鏡観察した結果、図7が得られた。
これを1回照射後のパターン(ビーム電流量20pA、走査速度1.31×10−3m/秒、照射密度は1.52×10−8C/m、現像温度:20℃、現像時間60秒)の図8と比較すると、図8ではパターンの両側は不鮮明であるのに対して、図7では鮮明なパターンが得られていることが分かる。
【0027】
実施例3;
ラインアンドスペース(平行線を描画する)機能を持つパターンジェネレーターを持つ走査型電子顕微鏡(トプコン製トプコン製SXー40A、図12)を用いて、電子線レジスト(日本ゼオン社製ZEP−520−22)を2500回/分の回転数で厚さ0.4μm塗布したシリコン基板上に、線間隔0.33μm、線の長さ140μmの平行線をビーム電流量5.63pA、走査速度6.22×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき9.05×10−10C/m)。照射された部分を除去する現像は日本ゼオン社製ZED−N50を用い、20℃において60秒行った。現像後、金蒸着をして走査型電子顕微鏡観察した結果、図9が得られた。1回照射後のパターン(ビーム電流量5.63pA、走査速度1.84×10−3m/秒、照射密度は3.05×10−9C/m、現像温度:20℃、現像時間60秒)を示した図10と比較すると、図10ではパターンの両側は不鮮明であるのに対して、図9では鮮明なパターンが得られていることが分かる。
【0028】
実施例4;
実施例1、2ないし3と同じ装置を用いて、1mmの間に1000本、2000本及び3000本の直線を描き(そのときの条件は、表1に示す通りである。)、その直線群の直線を調査するため、線幅等の誤差の測定を示す図11に示されているように、描画した線の幅、その平均と線同士の間隔を求めそれぞれのパターンの幅のばらつきEと線同士の間隔のばらつきFを求めた。その結果を表2に示す。
どの直線群においても1回の照射では線幅や間隔のばらつきが顕著であるが、このばらつきは3回の描画で劇的に減少し、5回あるいは7回の描画でほど10%以内のばらつきとなり、10回描画では線間隔のばらつきは4%以下になっている。すなわち、粒子線照射を複数回に分けて行う本発明の構成によって、線間隔のバラツキは、小さくなり、換言すれば高精度を達成することができる、と言う顕著な作用効果が奏せられるものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
以上、本発明は、実施例に開示されたデータからも明らかなように、粒子線ビーム径及び粒子線ビームの照射密度を小さくするよう、小さな電流量にて電子線を複数回に分けて、照射することによって、線幅、間隔にバラツキのない鮮明な狭い、直進性に富んだ描画が可能となったものであり、極めて簡便な操作、手法によってこれを実現できる方法を提供するものである。
【0032】
ここに、その前提とする従来技術は、前示したとおりであるが、この従来技術とは別に、多重描画によって描画精度を高めようとすることが、以下に記載する特許文献に提案されている(特許文献4参照。)。しかしながら、この文献において提案された描画方法は、複数回の重ね書きにより設定された荷電ビームを照射する際、描画速度を一定にすると、ノイズが増幅されることから、これを防ぐため描画速度を異なる描画速度によって描画し、一定の速度による弊害、すなわちノイズの増幅を防ごうとするものである。これに対して本発明は、一回の照射ではレジストを露光し得ない微弱な粒子線で小さな線径の粒子線を、複数回多重照射するというものである。前示特許文献4には、本発明に特有な構成、技術思想については全く示唆するものはなく、両者は、基本的に発明の技術思想を異にしている。
【0033】
【特許文献4】
特開平9−251940号公報。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを露光し得ない微弱な、狭い線幅の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画によって露光量に達する高精度パターンを得、次いで現像工程に付す、以上の要件事項によって、高精度描画パターンを簡便に作製することが可能となり、電子回路のような複雑な回路作製にも有用で、微細なパターンを高精度に稠密に作製することが出来るため集積回路の集積率の向上につながり、また、微小な間隔をコントロールする必要のある、例えば超微細フィルターの作製等に応用でき、クリーンルームや半導体の洗浄水の清浄度の向上等に、今後大いに活用が期待され、その意義は極めて大きいと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子線ビームの電流量とビーム径との関係を示す図
【図2】電子線露光1回で作製したパターン(線間隔1μm、線の長さ380μmビーム電流量24pA、走査速度7.51×10−5m/秒、照射密度は3.20×10−8C/m)。
【図3】複数回露光が直線性を示す原理図
【図4】複数回露光したときの電子線強度分布
【図5】電子線露光5回で作製したパターン(線間隔1μm、線の長さ380μmの平行線をビーム電流量24pA、走査速度3.8×10−3m/秒で5回照射(照射密度は1回につき6.32×10−9C/m))
【図6】複数回露光したときの現像による線幅の確定
【図7】電子線露光5回で作製したパターン(線間隔0.5μm、線の長さ197μm平行線をビーム電流量20pA、走査速度5.84×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき3.42×10−9C/m))
【図8】電子線露光1回で作製した線間隔0.5μm、線の長さ197μm平行線パターン(ビーム電流量20pA、走査速度1.31×10−3m/秒、照射密度は1.52×10−8C/m)
【図9】電子線露光5回で作製したパターン(線間隔0.33μm、線の長さ140μmの平行線をビーム電流量5.63pA、走査速度6.22×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき9.05×10−10C/m)
【図10】電子線露光1回で作製した線間隔0.33μm、線の長さ140μmの平行線パターン(ビーム電流量5.63pA、走査速度1.84×10−3m/秒、照射密度は3.05×10−9C/m)
【図11】線幅等の誤差の測定を説明する概念図
【図12】各実施例で使用したラインアンドスペース(平行線を描画する)
機能を有するパターンジェネレーターを持つ走査型顕微鏡(トプコン製SX−40A)の概念図
【図13】電子線を複数回に分けて照射したときの各粒子線の照射幅と強度分布、とその重畳してなる強度分布を示す図
(a)多重照射する微弱な各粒子線の照射量分布と重畳した照射量分布概念図
(b)微弱な粒子線piを1回照射した時の照射量分布図
(c)N回照射し、重畳した粒子線Pnの照射量分布図
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法に関する。
さらに詳細には、LSI等の電子部品を電子線リソグラフィーやイオンビームリソグラフィーなどの粒子線を用いたリソグラフィーを用いて作製する過程において、描画装置の粒子線ビーム径を小さくして複数回描写することにより描写パターンの精度を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】
電子線リソグラフィーやイオンビームリソグラフィー等の粒子線を用いたリソグラフィー技術は光の波長よりも電子ビーム径を小さく絞ることができるため、フォトリソグラフィーよりも微細なパターンを描くことができるとされてきた。しかしながら描画パターンが微細になるに伴い、粒子線(ビーム)を電気的にコントロールしようとすると、その照射位置に誤差が生じたり、また照射時の粒子線の持つエネルギーによる熱変形を生じ、冷却後のパターンに誤差を生じたり、あるいは、照射したビームにより生ずる2次電子によりレジストが露光されて、パターンが大きくなったり、さらには、外部の電界や磁界の変動の影響を粒子ビームが受け、あるいは機械的振動により描画パターンに誤差が生じるといった問題が生じていた。
【0003】
このような問題を解決するために、従来は粒子線描画装置のコントロール電圧をできるだけ細分化して描画精度を向上させる手法、電子線においてはマスクを通過した散乱電子の補助露光を利用して描画照射精度を高める手法を用いたり(例えば、特許文献1参照)、また、粒子線ビームに影響を与える外界からの電界や磁界をシールドしたり(例えば、特許文献2参照)、描画装置本体を防振台等に設置する(例えば、特許文献3参照)等の処置を施して、これらの影響を軽減していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−118777号公報
【特許文献2】
特開平10−340698号公報
【特許文献3】
特開平10−209021号公報
【0005】
しかし、このような手法は、高精度に粒子線を制御できる高価な装置・設備あるいは、精度良く作製されたマスク、大がかりな電磁気シールドや防振装置等を必要とするものであり、負担の大きい解決手段である。
【0006】
【発明の解決しようする課題】
本発明は、このような高価な装置等を使用することなく、従来法の手段をそのまま使用するだけで、極めて簡便な手段・手法に基づいて、高精度の粒子線線描画パターンを作製する方法を提供しようというものである。
【0007】
粒子線を用いた場合の現状を、電子線に基づいて説明する。図1は、粒子線として電子線を採用した場合、電子を照射する電子銃の種類とその電子銃のビーム電流量とビーム直径との関係を模式的に表した図である。この図に示された装置の中、最も高価な電子線描画装置は、電解放出型の電子銃を用いたものであり、次に高価な装置は、ランタンホウ素(LaB6)、最も安価なものがタングステンフィラメントの電子銃の順になる。
この図1から、同じ電流量で考えると、電解放出型の電子銃の電子線の直径が最も小さく、次にLaB6、次にタングステン(W)フィラメントの電子銃の順になる。通常使用する範囲の電流量である数十〜数百ピコアンペア(pA;10−12A)の領域では、電子線の径は、電解放出型の場合、数十〜1000オングストローム(数十〜100nm)、LaB6で数百〜1000オングストローム(数十〜100nm)で500〜2000オングストローム(50〜200nm)程度である。
【0008】
上記特性を有する機器を使用して、照射時の誤差を少なくするためには、従来技術においてはビーム径を意図的に大きく設定し、これによって最小ビーム径の数倍の線幅にてパターンを描いていた。
これを図2に基づいて説明する。すなはち、図2は、電子線レジストを塗布したシリコン基板上に、電子ビームの径が約100nm(ビーム電流約100pAの時)の電子線描画装置を用いて、線間隔約1μmの平行なパターンを描き、その後、現像して電子線が照射された部分のレジストを現像液にて取り除いた後の走査型電子顕微鏡(観察のための金蒸着の後の)写真を示すものである。図中、暗い部分が電子線が照射され、現像により取り除かれた部分を示している。電子線が照射された部分よりも広い範囲から発生する2次電子により、ビーム径よりも幅広い部分が露光され、現像により取り除かれ、その結果、線幅は約300nmとなっている。この図に示すように電子線レジスト上に電子線を1回照射した場合、現像後のパターンが鮮明ではなくまた直線性にも欠けている。 これは前述したように装置の粒子線をコントロールする精度の誤差や外部からの電界や磁界や振動の影響等によるものだと考えられる。
【0009】
本発明は、従来技術においては、上記したように線幅が大であり、不鮮明、直進性に欠ける等、諸点において問題があること、これを高価な制御装置に依存することなく、解決する手段を提供しようと言うものである。すなわち通常の安価な粒子線描画装置を使用し、前記問題を解決すること、具体的には粒子線描画装置の粒子ビーム径と同程度の線幅の描画パターンを鮮明に高精度で描く技術を提供しようというものである。
【0010】
そのため、本発明者らにおいては、線幅や、鮮明度、あるいは直進性に与える因子等について基本的に把握するため、以下に記載する比較実験を行った。
すなわち、従来のように大電流1回照射による電子線照射量を付与した場合に対して、電子線照射量を弱くして小電流複数回に分けて照射することを試み、両実験を対比し、検討した。図3は、その結果を模式的に示したものである。
図3中(a)は、大電流1回照射による従来法による電子線照射した結果を示す図であり、その露光して得られた線幅は、広い幅が形成され、不鮮明、直進性に欠けるものであった。
【0011】
これに対して、図3(b)は、小電流複数回照射した実験の模式図である。
すなわち、この例においては、同一の場所に、同一のパターンにて小電流照射により3回に分け、電子線を照射したものである。そこに示されている、3本の線は、その画像を模式的に示すものである。各線は、照射する粒子線が、図3(a)よりも微弱な粒子線であることから、粒子線径が細く絞られ、これによって大電流の場合に比して線幅の狭い細い線が描画される。各照射パターン線は、照射条件を一にしながらも必ずしも一様な結果が得られるとは限らず、それぞれ微妙な位置ずれ、あるいは波打った形状を呈している。その理由については、(0002)において述べたように、電気的、機械的等種々の原因が考えられる。
一般に、その照射する粒子線の強度と、この粒子線照射によって形成される線幅は、粒子線の電流値に依存する。すなわち、電流値を弱くすると、粒子線は、微弱となり、又、付随して線径が細く絞られる。電流値を露光量を基準として、それより弱い電流値に設定した場合、これによって照射された粒子線は、微弱な粒子線照射と言うことになり、現像しても露光量には達し得ず、したがってパターンを作り得ない結果となる。
【0012】
図3(b)は、露光量に達した粒子線の場合も、露光量に達しない粒子線の場合も含むものである。勿論、後者の場合には、各線は、実際に現像によって示された線ではなく、照射された粒子線のパス幅とそのパス軌跡を表す概念図ということになる。パターン線を模式的とした点は、このような後者の場合も含むことから模式的と称したものである。何れにしても、この弱い電流値による微弱な粒子線による複数回照射する各実験は、図3(a)に比してその粒子線径は小さく絞られ、線幅の狭い各描画線が、微妙な位置ずれ、揺らぎを以て波打って形成され、付与されていることを示している〔図3(b)〕。
【0013】
図3(c)は、前示3回照射した図3(b)に示す各線画像を重ね合わせて表示した画像であり、照射された3つの部分が重ね合わさって一つの線が現像される。各照射した粒子線の照射量がそれぞれ露光量に達している場合、その現像される線は、図に示されているように各回の照射された線がそのまま投影され、各変動する線は、重なり合って現像され、点線の位置に最大幅を有する一つの線が形成されることになる。
しかしながら、各照射した粒子線がそれぞれ露光量に達していない場合、その重ね合わさった部分のうち露光量に達した部分だけが実際の線として現像され、現像可能な露光量に達しない部分は、現像されず自ずとカットされる。この場合、その描画される各線幅は、それぞれの各線では波打って変動していても、重ね合わさったところは、平均化され中心に位置し、しかも点線よりも内側の位置、すなわち、各粒子線の照射量が現像可能な露光量に達している場合(点線の位置)と比較すると、それよりもさらに狭い絞られた線が現像により得られる。
何れにしても、一回の大電流による粒子線照射による実験に比し、複数回に分けて実施した粒子線の照射実験によるものは、実際に描画される線は、その変動が平均化し、真直な、細い線が描画される。そのうち特に、一回の照射では現像可能な露光量に達し得ない粒子線を照射した場合、その描画される線は、各回の粒子線照射位置に変動があっても、照射されたパターンが重なり合い、次第に露光された部分は自ずと中心位置に描かれ、直進性を示し、各粒子線の照射量が露光量に達する弱い複数回照射の場合(点線)に比しても、さらに細い線が描画されるということを知見した。
【0014】
以上、照射する粒子線とこれによって描画される線との関係を、さらに図4に基づいて補足的に説明する。すなわち、粒子線は、ある中心が強く、中心から離れるに従って弱くなる分布(例えば正規分布)を呈していると考えられる。
照射された各粒子線は、図4に示す各強度分布▲1▼、▲2▼、▲3▼・・・を有し、常に平均の値を中心にして一定の強度分布が展開、付与されている。これらが複数回行われると、各個の中心位置がずれた、異なる分布が次第に平均化し、精度が向上する。これは、統計数学において言う大数の法則に合致する。すなわち、一般に平均値μ、標準偏差σの母集団より描出したm個の集団の平均値はμ、標準偏差はσ/mで与えられる。これを4図に適用すると、m回の粒子線を照射して作製した線のばらつき・ズレは、1回照射の場合に対し、その1/mのばらつき(標準偏差が1/m)で示される。すなわち、照射する回数が多い程、母集団の平均(本来照射されるべき位置)に近づき、精度が上がることを示している。
【0015】
また、照射が、複数回に分けられて実施されることによって、入力電流値に見合った粒子線強度分布▲1▼、▲2▼、▲3▼・・・によって示される各照射粒子線は、それぞれは単独では、微弱な、線幅の小さい露光量に達し得ない強度分布を示すものであっても、複数回照射することによって重畳し、中心に極大点を有する露光量に達する鋭いピークの強度分布Pが与えられることを示している。この状態において、照射粒子線の強度がある一定の値(電子線レジストの感度)を越えたときに粒子線レジストが化学変化を生じることによりパターンが形成できるので、1回の照射電流量をコントロールし、複数回粒子線を照射することにより、精度の良いパターンを作製することができる。
その際、露光後の線幅は、粒子線の照射量や電子線レジストの電子線が照射された部分を取り除くための現像条件を変えることによって、得ようとする線幅をコントロールすることができる。
【0016】
ここに、粒子線として、電子線を使用し、電子線の照射量を露光量を基準として、その5分の1に設定し、照射回数を5回照射して、現像しうる露光量に至らしめる平行線描画実験を行った。現像後、得られた平行線描画パターンは、図5に示すとおりであった。このパターンを、一回の大きな電流値による照射実験によって得られた、図2に示すパターンと対比すると、複数回照射した実験による、図5のパターンの方が鮮明で且つ一様な、乱れのない真直な線が描画されていることが示されている。この両実験による現象上の差異は、前示説明した理由に加えて、電子線ビームの入力電流量を5分の1に設定したことによって、図1に示すようにビームの直径もこれに付随して絞られ、2図のように大きな電流を与えた場合に比し、その直径が2分の1から3分の1に細く絞られたことも相俟って起きた現象と考えられる。
【0017】
本発明は、以上に示す実験・考察を行った結果、1回の適正照射量による通常の操作による場合に比し、その適正照射量を複数回に分けて付与することにより、描画パターンの精度を向上させることが出来ることを見いだしたものである。すなわち、特に高価な装置・機器を使用することなく、通常の粒子線照射装置により高精度パターンを得るのに成功した。この発明は、前示知見、成功に端を発してなされたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、前示課題を解決するための手段とするところは、以下(1)〜(7)に記載する通りの事項が講じられてなるものである。
(1) 粒子線レジストを塗布した基板に粒子線を照射する、粒子線照射による描画パターンの作製方法において、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを露光し得ない微弱な、狭い線幅の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画によって露光量に達する高精度パターンを得、次いで現像工程に付すことを特徴とする、粒子線照射による高精度パターンの作製方法。
(2) 粒子線レジストを塗布した基板に粒子線を照射する、粒子線照射による描画パターンの作製方法において、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを現像可能な露光量まで露光し得ない微弱な、小さな線径の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画することによって、パターン上に各回露光量分布曲線を重畳し、同パターン上における全露光量の分布を、現像条件の選択によって任意の線幅を選択可能とする、現像し得る露光量に達した領域の中心を頂点とし、現像し得ない領域を両端に有する鋭いピークの露光量分布曲線を得ることを特徴とする、前記(1)項に記載の粒子線照射による高精度パターンの作製方法。
(3) 照射する粒子線照射態様を、粒子線レジストの適正照射量を基準として、そのn分の1以下の照射量で粒子線径を小さくして、照射回数をn回パスすることを特徴とする、前記(1)又は(2)項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
但しnは、2以上の整数を表す。
(4) 前記nの値が、5以上の整数であることを特徴とする、前記(1)ないし(3)の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
(5) 前記nの値が、5以上10以下の整数であることを特徴とする、前記(1)ないし(4)の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
(6) 現像条件を変えることによって、線幅をコントロールすることを特徴とする、前記(1)ないし(5)の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
(7) 線幅をコントロールする現像条件が現像時間ないし温度であり、現像時間ないし温度を変えることによって線幅をコントロールすることを特徴とする、前記(6)項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
【0019】
前示解決手段として講じた技術的構成の意義は、これによって、線幅が小さく、鮮明で、直進性に富み高精度パターンを得ることができるという、特有な作用効果が奏せられるものであることは前述したとおりである。また、その理由についても前示説明したところであるが、なお、この点は、すなわち複数回照射により粒子線描画した粒子線レジスト上に現像(粒子線が照射されたところを溶剤にて取り除くこと)にて溝を作る場合、線幅を正確にコントロールすること出来る点は、次のように説明できる。
まず、図13(a)に示すように粒子線は中心が一番強く、周りにいくほど弱くなる分布をしているとして、粒子線の照射量の鋭さpを
p=H/W (1)
と定義する。Hは粒子線照射量の強さのピークを示し、Wは照射された幅を示す。 N回の複数回照射をした後では粒子線照射量の強さHは、hiをそれぞれの照射での粒子線照射量の強さのピークとすると、
H=Nhi
となる。照射された幅Wは中心誤差の最大値をemaxとすると、
W=wi+emax
となる。ここでwiはそれぞれの粒子線照射における照射量の強さのピークである。これらを(1)に代入すると、
p=Nhi/(wi+emax )
となる。1回の粒子線照射はpiは、
pi=hi/wi
で表され、実験的にemaxは20%程度であるので図13(b)および(c)に示すようにpiとpを比較すると明らかにpの方が大きいことがわかる。つまり、照射粒子線量の分布は数回照射した複数回照射の方が鋭い(縦に長い)ことがわかる。
結論として、電子線リソグラフィーを用いて電子線レジスト上に現像(電子線が照射されたところを溶剤にて取り除くこと)にて溝を作る場合、鋭いピークの大きな照射量の分布をしていた方が線幅のコントロールがしやすい。電子線照射量がある値(感度)より大きい部分が現像により取り除かれる。すなわちパタ−ンとなるため、鋭いピークを持つ方が線幅をコントロールしやすい所以である。
【0020】
以下、本発明を実施例、図面、表に基づいて具体的に説明するが、これらの実施例、図面、表は、何れも本発明を容易に理解する一助として開示したものであって、これらによって本発明を限定する趣旨ではないし、また、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
図1ないし5については、既に説明しているので省略し、図6以下について説明する。図6は、複数回露光したときの現像による線幅の確定を説明する概念図である。図7、図9は、電子線露光回数5回実施して作製した際のパターンを示す図である。図8、図10は、電子線露光回数1回で作製した時のパターンを示す図である。
【0022】
また、図11は、描画した線幅の誤差と、隣り合う線同士の線間幅の測定を説明する概念図である。後述する表は、この11図とこの図に基づいた以下に示す計算式によって導き出されたものである。
図中、W:描画した線の現像後の幅(平均)、W’:描画した線の現像後の幅、また、a:平均線間幅、a’:隣り合う線同士の間幅、とすると、線幅の誤差E(%)は、
E=(W’− W)/W×100
で与えられる。
また、線間幅の誤差F(%)は、
F=(a’− a)/a×100
で与えられる。
【0023】
図12は、実施例で使用した平行線を描画する機能を持つパターンジェネレーターをもつ走査型電子顕微鏡装置の概念図である。
図13は、電子線を複数回に分けて照射したときの各電子ビームの強度分布と重畳した強度分布の関係を示す図である。
【0024】
表1は、平行線作製条件を示す表である。表2は、平行線描画実験における平行線の線幅及び線間隔の誤差をまとめた表である。
【0025】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を実施例に基づいて、具体的に開示、説明する。
実施例1;
ラインアンドスペース(平行線を描画する)機能を持つパターンジェネレーターを持つ走査型電子顕微鏡(トプコン製SX−40A、図12)を用いて、電子線レジスト(日本ゼオン社製ZEP−520−22)を2500回/分の回転数で厚さ0.4μm塗布したシリコン基板上に、線間隔1μm、線の長さ380μmの平行線をビームを電流量24pA(ピコアンペア)、走査速度3.8×10−3m/秒で5回照射した〔照射密度は1回につき 6.32×10−9C(クーロン)/m〕。照射された部分を除去する現像は、日本ゼオン社製ZED−N50を用い、20℃において60秒行った。現像後、金蒸着をして走査型電子顕微鏡観察した結果、図5に示される結果が得られた。これを、図2に示す1回照射のみのパターン(ビーム電流量24pA、走査速度7.51×10−4m/秒、照射密度は3.20×10−8C/m、現像温度:20℃、現象時間60秒)の走査型電子顕微鏡写真と比較すると、図2ではパターンの両側は不鮮明であるのに対して、図5では鮮明なパターンであることが分かる。
【0026】
実施例2;
ラインアンドスペース(平行線を描画する)機能を持つパターンジェネレーターを持つ走査型電子顕微鏡(トプコン製トプコン製SXー40A、図12)を用いて、電子線レジスト(日本ゼオン社製ZEP−520−22)を2500回/分回転数で厚さ0.4μm塗布したシリコン基板上に、線間隔0.5μm、線の長さ197μmの平行線をビーム電流量20pA、走査速度5.84×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき3.42×10−9C/m)。
照射された部分を除去する現像は日本ゼオン社製ZED−N50を用い、20℃において60秒行った。現像後、金蒸着をして走査型電子顕微鏡観察した結果、図7が得られた。
これを1回照射後のパターン(ビーム電流量20pA、走査速度1.31×10−3m/秒、照射密度は1.52×10−8C/m、現像温度:20℃、現像時間60秒)の図8と比較すると、図8ではパターンの両側は不鮮明であるのに対して、図7では鮮明なパターンが得られていることが分かる。
【0027】
実施例3;
ラインアンドスペース(平行線を描画する)機能を持つパターンジェネレーターを持つ走査型電子顕微鏡(トプコン製トプコン製SXー40A、図12)を用いて、電子線レジスト(日本ゼオン社製ZEP−520−22)を2500回/分の回転数で厚さ0.4μm塗布したシリコン基板上に、線間隔0.33μm、線の長さ140μmの平行線をビーム電流量5.63pA、走査速度6.22×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき9.05×10−10C/m)。照射された部分を除去する現像は日本ゼオン社製ZED−N50を用い、20℃において60秒行った。現像後、金蒸着をして走査型電子顕微鏡観察した結果、図9が得られた。1回照射後のパターン(ビーム電流量5.63pA、走査速度1.84×10−3m/秒、照射密度は3.05×10−9C/m、現像温度:20℃、現像時間60秒)を示した図10と比較すると、図10ではパターンの両側は不鮮明であるのに対して、図9では鮮明なパターンが得られていることが分かる。
【0028】
実施例4;
実施例1、2ないし3と同じ装置を用いて、1mmの間に1000本、2000本及び3000本の直線を描き(そのときの条件は、表1に示す通りである。)、その直線群の直線を調査するため、線幅等の誤差の測定を示す図11に示されているように、描画した線の幅、その平均と線同士の間隔を求めそれぞれのパターンの幅のばらつきEと線同士の間隔のばらつきFを求めた。その結果を表2に示す。
どの直線群においても1回の照射では線幅や間隔のばらつきが顕著であるが、このばらつきは3回の描画で劇的に減少し、5回あるいは7回の描画でほど10%以内のばらつきとなり、10回描画では線間隔のばらつきは4%以下になっている。すなわち、粒子線照射を複数回に分けて行う本発明の構成によって、線間隔のバラツキは、小さくなり、換言すれば高精度を達成することができる、と言う顕著な作用効果が奏せられるものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
以上、本発明は、実施例に開示されたデータからも明らかなように、粒子線ビーム径及び粒子線ビームの照射密度を小さくするよう、小さな電流量にて電子線を複数回に分けて、照射することによって、線幅、間隔にバラツキのない鮮明な狭い、直進性に富んだ描画が可能となったものであり、極めて簡便な操作、手法によってこれを実現できる方法を提供するものである。
【0032】
ここに、その前提とする従来技術は、前示したとおりであるが、この従来技術とは別に、多重描画によって描画精度を高めようとすることが、以下に記載する特許文献に提案されている(特許文献4参照。)。しかしながら、この文献において提案された描画方法は、複数回の重ね書きにより設定された荷電ビームを照射する際、描画速度を一定にすると、ノイズが増幅されることから、これを防ぐため描画速度を異なる描画速度によって描画し、一定の速度による弊害、すなわちノイズの増幅を防ごうとするものである。これに対して本発明は、一回の照射ではレジストを露光し得ない微弱な粒子線で小さな線径の粒子線を、複数回多重照射するというものである。前示特許文献4には、本発明に特有な構成、技術思想については全く示唆するものはなく、両者は、基本的に発明の技術思想を異にしている。
【0033】
【特許文献4】
特開平9−251940号公報。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを露光し得ない微弱な、狭い線幅の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画によって露光量に達する高精度パターンを得、次いで現像工程に付す、以上の要件事項によって、高精度描画パターンを簡便に作製することが可能となり、電子回路のような複雑な回路作製にも有用で、微細なパターンを高精度に稠密に作製することが出来るため集積回路の集積率の向上につながり、また、微小な間隔をコントロールする必要のある、例えば超微細フィルターの作製等に応用でき、クリーンルームや半導体の洗浄水の清浄度の向上等に、今後大いに活用が期待され、その意義は極めて大きいと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子線ビームの電流量とビーム径との関係を示す図
【図2】電子線露光1回で作製したパターン(線間隔1μm、線の長さ380μmビーム電流量24pA、走査速度7.51×10−5m/秒、照射密度は3.20×10−8C/m)。
【図3】複数回露光が直線性を示す原理図
【図4】複数回露光したときの電子線強度分布
【図5】電子線露光5回で作製したパターン(線間隔1μm、線の長さ380μmの平行線をビーム電流量24pA、走査速度3.8×10−3m/秒で5回照射(照射密度は1回につき6.32×10−9C/m))
【図6】複数回露光したときの現像による線幅の確定
【図7】電子線露光5回で作製したパターン(線間隔0.5μm、線の長さ197μm平行線をビーム電流量20pA、走査速度5.84×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき3.42×10−9C/m))
【図8】電子線露光1回で作製した線間隔0.5μm、線の長さ197μm平行線パターン(ビーム電流量20pA、走査速度1.31×10−3m/秒、照射密度は1.52×10−8C/m)
【図9】電子線露光5回で作製したパターン(線間隔0.33μm、線の長さ140μmの平行線をビーム電流量5.63pA、走査速度6.22×10−3m/秒で5回照射した(照射密度は1回につき9.05×10−10C/m)
【図10】電子線露光1回で作製した線間隔0.33μm、線の長さ140μmの平行線パターン(ビーム電流量5.63pA、走査速度1.84×10−3m/秒、照射密度は3.05×10−9C/m)
【図11】線幅等の誤差の測定を説明する概念図
【図12】各実施例で使用したラインアンドスペース(平行線を描画する)
機能を有するパターンジェネレーターを持つ走査型顕微鏡(トプコン製SX−40A)の概念図
【図13】電子線を複数回に分けて照射したときの各粒子線の照射幅と強度分布、とその重畳してなる強度分布を示す図
(a)多重照射する微弱な各粒子線の照射量分布と重畳した照射量分布概念図
(b)微弱な粒子線piを1回照射した時の照射量分布図
(c)N回照射し、重畳した粒子線Pnの照射量分布図
Claims (7)
- 粒子線レジストを塗布した基板に粒子線を照射する、粒子線照射による描画パターンの作製方法において、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを現像可能な露光量まで露光し得ない微弱な、小さな線径の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画することによって現像可能な露光量に達する高精度パターンを得、次いで現像工程に付すことを特徴とする、粒子線照射による高精度パターンの作製方法。
- 粒子線レジストを塗布した基板に粒子線を照射する、粒子線照射による描画パターンの作製方法において、粒子線径及び粒子線の照射密度を小さく調整し、一回の照射ではレジストを現像可能な露光量まで露光し得ない微弱な、小さな線径の粒子線を、同一のパターンで同一の場所に複数回多重照射し、重ね合わせ描画することによって、パターン上に各回露光量分布曲線を重畳し、同パターン上における全露光量の分布を、現像条件の選択によって任意の線幅を選択可能とする、現像し得る露光量に達した領域の中心を頂点とし、現像し得ない領域を両端に有する鋭いピークの露光量分布曲線を得ることを特徴とする、請求項1記載の粒子線照射による高精度パターンの作製方法。
- 複数回多重照射する態様が、粒子線レジストの適正照射量を基準として、そのn分の1の照射量で粒子線径を小さくして、照射回数をn回照射することを特徴とする、請求項1ないし2の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
但し、nの値は、2以上の整数を表す。 - 前記nの値が、5以上の整数であることを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
- 前記nの値が、5以上10以下の整数であることを特徴とする、請求項1ないし4の何れか1項に記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
- 現像条件を変えることによって、線幅をコントロールすることを特徴とする、請求項1ないし5記載の何れか1項記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
- 線幅をコントロールする現像条件が現像時間あるいは温度であり、現像時間あるいは温度を変えることによって線幅をコントロールすることを特徴とする、請求項6記載の粒子線照射による高精度描画パターンの作製方法。
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WO2006078073A1 (en) * | 2005-01-24 | 2006-07-27 | Fujifilm Corporation | Exposure method, method for forming projecting and recessed pattern, and method for manufacturing optical element |
JP2006227609A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-31 | Fuji Photo Film Co Ltd | 露光方法、凹凸状パターンの形成方法、及び光学素子の製造方法 |
JP2013115226A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Nuflare Technology Inc | 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 |
-
2002
- 2002-10-10 JP JP2002297756A patent/JP2004134590A/ja active Pending
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