JP2004134166A - 外部電極型蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラスバルブ1の内部に、キセノンの割合が90%を超えないようにしたキセノンとクリプトンを含む混合ガス2を封入する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やイメージスキャナ等の露光用光源やディスプレイ装置のバックライト用光源として使用される外部電極型蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
外部電極型蛍光ランプに関する技術は、例えば特開平2000−215852号公報に開示されている。上記公報に記載の外部電極型蛍光ランプは、管状のガラスバルブの内周面に管軸方向に沿った光投射用の開口部を残して蛍光体を塗布し、キセノンガスを主成分とした希ガスを一定の封入圧で封入して両端を封止し、ガラスバルブの外周面には管軸方向に沿って一対の電極を形成し、その外側に電極を被膜するための絶縁性の高い透光性樹脂を被着した構成である。
【0003】
図9は、キセノンのエネルギー準位を示す図である。外部電極型蛍光ランプに高電圧を印加すると、一対の電極間で高電界が発生して放電が起こる。そして、キセノンガスは電子との衝突によって電離もしくは励起され、その状態から基底状態に戻る際に、800〜1000nmの赤外線および紫外線(共鳴放射(147nm)と分子光(150〜190nm))が放射される。キセノンから放射された紫外線によって蛍光体が発光して可視光を発する。ガラスバルブ内部で発生した光は開口部を通じて外部へ放射される。
【0004】
一方、外部電極型蛍光ランプを露光用光源として使用する複写機やスキャナー等では、外部電極型蛍光ランプから放射された光を電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)により読み取る。
【0005】
図10は、代表的なCCDの分光感度を示す図である。複写機やスキャナー等では、分光感度の異なる3種類のCCDにより、それぞれ青(Blue)領域、緑(Green)領域、赤(Red)領域で受光する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のガラスバルブには鉛入りのものが用いられていたが、近年は環境への配慮から鉛の混入を避けた鉛レスのガラスバルブが普及しつつある。ところが、鉛レスのガラスバルブでは、特に赤外域(800nm以上)において、赤外線の透過量が増加してしまう傾向にある。前述した3種類のCCDとも、図10に示すように780nm以上の赤外線を受光してしまうため、鉛レスのガラスバルブを用いた外部電極型蛍光ランプを複写機やスキャナー等に実装すると、CCDが可視光を読み取る際に赤外線による影響によってコントラストが低下したりボケが生じ、複写性能が劣化するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鉛の混入を避けたガラスバルブを用いた場合には赤外線の放射量が増加してしまうことを考慮して、キセノンから発せられる赤外線の放射強度を抑制し得る外部電極型蛍光ランプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明に係る外部電極型蛍光ランプは、鉛の混入を避けて形成された管状のガラスバルブと、前記ガラスバルブの内周面に管軸方向に沿った光投射用の開口部を残して形成された蛍光体層と、前記ガラスバルブの内部に封入され、キセノンの割合が90%を超えないようにしたキセノンとクリプトンとを含む混合ガスと、前記ガラスバルブの全長とほぼ同程度の長さを有し、前記ガラスバルブの外周面に配設された少なくとも一対の電極と、前記ガラスバルブの全長とほぼ同程度の長さを有し、前記電極が配設されたガラスバルブの外周面に被着された透光性樹脂と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、ガラスバルブの内部にキセノンの割合が90%を超えないようにしたキセノンとクリプトンを含む混合ガスを封入するようにしたことで、分子密度が高くなり、放電中における電子と分子の衝突確率が高くなるので、電子の衝突エネルギーが減少し、高準位まで励起されるキセノン分子数もしくは電離するキセノン分子数が減少する。さらに、混合ガスを封入したことで、励起したキセノン分子同士の衝突数が抑制され、さらに高準位に励起されるキセノン分子数が減少する。これによって、キセノンから発せられる赤外線の放射強度を抑制するようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、一実施の形態における外部電極型蛍光ランプの構成を示す側面図であり、図2は、図1に示す外部電極型蛍光ランプのA−A部の断面図である。本外部電極型蛍光ランプは、鉛の混入を避けて形成された管状のガラスバルブ1の内周面に蛍光体層3が管軸方向に沿った光投射用の開口部4を残して形成され、キセノン(Xe)とクリプトン(Kr)を含む混合ガス2が一定の封入圧で封入される。また、ガラスバルブ1の外周面には、ガラスバルブ1の全長とほぼ同程度の長さを有する一対の電極5a,5bが配設される。その外側には、ガラスバルブ1の全長とほぼ同程度の長さを有し、電極5a,5bを被膜するための透光性樹脂6が被着される。電極5a,5bには、電源7からの給電を受けるための給電用端子8a,8bがそれぞれ接続される。透光性樹脂6は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエステル等で形成される。電極5a,5bは、例えばアルミニウム等で形成される。
【0012】
キセノンガスからの赤外線の放射量を抑制するためには、キセノンガスの共鳴放射や分子発光を減らさないで、すなわち共鳴線までの励起キセノン分子数を減らさないで、より高準位に励起するキセノン分子数を減らす必要がある。そこで、本実施の形態では、キセノンとクリプトンを混合した混合ガス2をガラスバルブ1の内部に封入するようにした。キセノンガスに混合させるガスとしてクリプトンガスを選んだのは、クリプトンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガスといった希ガスの中で、クリプトンガスがキセノンガスに対して電離係数およびエネルギー準位が最も近く、赤外線の放射量を抑制する効果が最も高いことによる。
【0013】
次に、キセノンとクリプトンを含む混合ガスを用いたときの効果を確認するために行った実験について説明する。実施例品としてキセノンとクリプトンの混合比を9:1、8:2、7:3、6:4とした4種類の外部電極型蛍光ランプを製作した。また、実施例品の効果を確認するために比較例品としてキセノンガスだけを用いたキセノン100%の外部電極型蛍光ランプを製作した。いずれも、ガラスバルブ1は外径4mm、軸方向の長さ340mmとし、点灯条件は正弦波点、灯周波数80kHz、キセノンのガス分圧9.3kPa、安定時照度3000lxとした。
【0014】
図3に比較例品の分光分布特性を示し、図4〜図7に4種類の実施例品の分光分布特性を順に示す。各分光分布特性図の横軸は波長[nm]、縦軸は分光の最大発光強度を100%としたときの相対強度[%]である。
【0015】
図3に示すように、キセノン100%、封入圧9.3[kPa]としたときは、544nmの緑光の発光強度が最も強く、828nmの赤外線の相対強度は72%であり2番目に強い。この場合、複写機やイメージスキャナー等に対してコントラストの低下やボケを発生させる原因となり得る。
【0016】
図4に示すように、キセノンとクリプトンの混合比を9:1、封入圧10.1kPaとしたときは、828nmの赤外線の相対強度は37%まで抑制された。図5に示すように、キセノンとクリプトンの混合比を8:2、封入圧11.3kPaとしたときは、828nmの赤外線の相対強度は21%まで抑制された。図6に示すように、キセノンとクリプトンの混合比を7:3、封入圧12.9kPaとしたときは、828nmの赤外線の相対強度は18%まで抑制された。図7に示すように、キセノンとクリプトンの混合比を6:4、封入圧15.1kPaとしたときは、828nmの赤外線の相対強度は15%まで抑制された。
【0017】
図8に、キセノンとクリプトンの混合比および封入圧を変えたときの、ランプ入力電力、電力効率、ランプ電圧、ランプ電流、赤外線の相対強度といった諸特性についてまとめた表を示す。同表では、828nmの赤外線のほか、823nm、882nmの赤外線についても確認された相対強度を示す。
【0018】
これらの結果から、クリプトンガスのキセノンガスに対する混合比が増加するほど828nmの赤外線の放射強度が減少することが確認された。また、クリプトンガスの混合比が増加するほどランプ入力電力およびランプ電流が減少し、電力効率が向上することも確認された。例えば、キセノン100%の場合に対し、キセノンとクリプトンの混合比を7:3とした場合には、828nmの赤外線の放射量を約75%削減でき、電力効率を約15%向上できることが確認された。ただし、キセノンとクリプトンの混合比が7:3のところで、828nmの赤外線の放射強度の減少はほぼ飽和した。また、823nm、882nmの赤外線については、キセノンとクリプトンの混合比が9:1のところで、放射強度の減少はほぼ飽和した。
【0019】
したがって、本実施の形態によれば、ガラスバルブ1の内部に、キセノンの割合が90%を超えないようにしたキセノンとクリプトンを含む混合ガス2を封入するようにしたことで、分子密度が高くなって放電中における電子と分子の衝突確率が高くなり、電子の衝突エネルギーが減少し、高準位まで励起されるキセノン分子数もしくは電離するキセノン分子数が減少するので、キセノンから発せられる赤外線の放射強度を抑制することができる。さらに、混合ガス2を封入したことで、励起されたキセノン分子同士の衝突数が抑制され、さらに高準位に励起されるキセノン分子数が減少するので、キセノンから発せられる赤外線の放射強度を抑制することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る外部電極型蛍光ランプによれば、ガラスバルブの内部にキセノンの割合が90%を超えないようにしたキセノンとクリプトンを含む混合ガスを封入するようにしたことで、キセノンから発せられる赤外線の放射強度を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における外部電極型蛍光ランプの構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す外部電極型蛍光ランプのA−A部の断面図である。
【図3】キセノン100%、封入圧9.3kPaとしたときの分光分布特性を示す図である。
【図4】キセノンとクリプトンの混合比を9:1、封入圧10.1kPaとしたときの分光分布特性を示す図である。
【図5】キセノンとクリプトンの混合比を8:2、封入圧11.3kPaとしたときの分光分布特性を示す図である。
【図6】キセノンとクリプトンの混合比を7:3、封入圧12.9kPaとしたときの分光分布特性を示す図である。
【図7】キセノンとクリプトンの混合比を6:4、封入圧15.1kPaとしたときの分光分布特性を示す図である。
【図8】キセノンとクリプトンの混合比および混合ガスの封入圧を変えたときの外部電極型蛍光ランプの諸特性をまとめた表である。
【図9】キセノンのエネルギー準位を示す図である。
【図10】代表的なCCDの分光感度を示す図である。
【符号の説明】
1…ガラスバルブ
2…混合ガス
3…蛍光体層
4…開口部
5a,5b…電極
6…透光性樹脂
7…電源
8a,8b…給電用端子
Claims (1)
- 鉛の混入を避けて形成された管状のガラスバルブと、
前記ガラスバルブの内周面に管軸方向に沿った光投射用の開口部を残して形成された蛍光体層と、
前記ガラスバルブの内部に封入され、キセノンの割合が90%を超えないようにしたキセノンとクリプトンとを含む混合ガスと、
前記ガラスバルブの全長とほぼ同程度の長さを有し、前記ガラスバルブの外周面に配設された少なくとも一対の電極と、
前記ガラスバルブの全長とほぼ同程度の長さを有し、前記電極が配設されたガラスバルブの外周面に被着された透光性樹脂と、
を有することを特徴とする外部電極型蛍光ランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295951A JP2004134166A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 外部電極型蛍光ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295951A JP2004134166A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 外部電極型蛍光ランプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004134166A true JP2004134166A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32286058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002295951A Abandoned JP2004134166A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 外部電極型蛍光ランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004134166A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9609732B2 (en) | 2006-03-31 | 2017-03-28 | Energetiq Technology, Inc. | Laser-driven light source for generating light from a plasma in an pressurized chamber |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002295951A patent/JP2004134166A/ja not_active Abandoned
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9609732B2 (en) | 2006-03-31 | 2017-03-28 | Energetiq Technology, Inc. | Laser-driven light source for generating light from a plasma in an pressurized chamber |
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