JP2004133386A - 感光性要素 - Google Patents

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リチャード ピー.スザジュースキー
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Abstract

【課題】シーン露光域での感度及び寛容度が改良された感光性要素を提供すること。
【解決手段】支持体と、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、ミクロビーズを含むミクロビーズ層とを含んで成り、前記ミクロビーズ層中のバインダーの量が、前記ミクロビーズがバインダーによって完全に包み込まれないことにより前記ミクロビーズがミクロレンズとして機能することができるような量である感光性要素を開示する。本発明は、カメラ組み合わせ及び画像形成方法も提供する。本発明の態様は、シーン露光域における感度及び寛容度の改良を提供する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体と、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、ミクロビーズを含むミクロビーズ層とを含んで成り、前記ミクロビーズ層中のバインダーの量が、前記ミクロビーズがバインダーによって完全に包み込まれないことにより前記ミクロビーズがミクロレンズとして機能することができるような量である感光性要素に関する。前記ミクロレンズは、組み込まれたハロゲン化銀乳剤と共に、低及び高照明条件下でシーン情報を記録する機能を果たす。その記録されたシーン情報の抽出によって有用な画像が形成される。
【0002】
【従来の技術】
従来の写真法では、感光性要素をシーンからの光に制御可能に露出することにより画像を記録することはよく知られている。典型的には、そのような感光性要素は、フィルムなどの可撓性基材及び/又はガラス板などの非可撓性基材により支持された1つ以上の感光性層を含む。画像形成に適当な生成物とともに1種以上の感光性ハロゲン化銀乳剤を有することがある感光性層は、シーンからの光が与えるエネルギーと反応する。この反応の程度は、露出中に要素の単位面積当たり受容した光の量の関数である。この反応の程度は、露出中により多くの光に暴露された要素の領域では、より少ない光に暴露された領域よりも大きい。従って、シーンからの光が、感光性要素上に収束された場合には、シーンからの光のレベルの差はその層において反応の程度の差として捕捉される。現像工程後、その層における反応の程度の差は、異なる濃度を有する画像領域として見える。これらの濃度は、原シーンの輝度を有する画像を形成する。
【0003】
シーンからの周辺光に露出された場合に非線形応答を示すことはハロゲン化銀乳剤の特徴である。このことに関し、感光性要素は、組み込まれた乳剤と関連する薬剤とが反応し始めて異なる露光量レベルが異なる濃度の形成を可能にする最低露光量を決める下限の応答閾値を有する。この下限の閾値は、結局のところ個々のハロゲン化銀乳剤粒子の量子効率に関係する。通常、この下限の応答閾値よりも低いレベルの光に暴露された感光性要素の全ての部分は、その感光性要素を現像した場合に共通の外観を有する。
【0004】
さらに、感光性要素は、乳剤と関連する薬剤とが反応して異なる露光量レベルが異なる濃度の形成を可能にするレベル未満の露光量レベルを決める上限の応答閾値も有する。通常、この場合にも、この上限の応答閾値を超えるレベルで露光された要素の全ての部分は、その感光性要素を現像した後に共通の外観を有する。このように、要素は、下限の応答閾値と上限の応答閾値の両方を有すると言うことができ、この間の範囲は、識別可能であるコントラスト差を有するコントラストパターンを記録することにより露光量レベルの違いに要素が反応できる有効な露光域である。下限及び上限の閾値と関連する露光量レベルは要素の露光寛容度を決める。従って、画像の外観を最適化するには、露光量レベルの範囲が要素の寛容度又は有用な範囲の中にあるように露光量を調節することが一般的に都合よい。
【0005】
当然のことながら、多くの一般消費者及びプロの写真家は、広範囲な写真条件での画像捕獲を可能にする感光性要素、カメラシステム及び写真法を使用することを好む。この目的を達成する1つの方法は、広い寛容度を有する感光性要素を提供することである。しかしながら、極端に広い寛容度の感光性要素は、光に対する個別に組み込まれたハロゲン化銀の応答性による制限を基本的に受ける。従って、シーンの輝度特性を調節することにより感光性要素の下側の応答限界と上側の応答限界の間の範囲を有効に拡げるように働くカメラシステム及び写真法を提供することは周知である。例えば、暗いシーンに対しては補助的な照明を用意することにより感光性要素の下側の応答限界を有効に拡げることが周知である。感光性要素に利用でき露光を可能にするシーンからの光量を増大するように設計された撮影用レンズシステムを使用することにより補助的な照明を用意せずに感光性要素に作用する光の量を増大させることも周知である。しかしながら、相当の光を透過するレンズは、また、関連するカメラシステムの被写界深度を本質的に浅くする。そのため、この解決法は、固定焦点カメラによる画像形成に普遍的に適するものではない。なぜなら、シーンに適切に焦点が合わないことがあるからである。この解決法は、可変焦点カメラにおいても好ましくはない。なぜなら、そのようなレンズシステムは高価な場合があり、設計し、取り付け、維持することが困難であるからである。
【0006】
当然のことながら、露出時間と、露出中に感光性要素に当たるシーンからの光の量との間には直接的な関係がある。従って、露出中に感光性要素に作用する光の量を増加させるための当該技術分野で知られている別の方法は、より長い開放シャッターという手段を使用して露出時間を長くするものである。しかしながら、これは、露光量の上限を低下させる。さらに、長いシャッター開放時間は、シーンの構成が進展することが可能なほど十分長い時間、シャッターを開放にしたままにすることがある。これは、ピントがぼけた画像をもたらす。従って、シャッター開放時間を制限することが望ましい。従って、適切なシャッター時間であまり複雑でなく、あまり費用のかからないカメラシステム及び写真法であって、動きの速さに適切なシャッター時間で画像の捕獲が可能なカメラシステム及び写真法、特に固定シャッター時間を有するカメラが必要とされている。
【0007】
露出中に感光性要素に対して作用する光の量を増加させる別の方法は、シーンからの光を集めるため及びシーンからのこの光をミクロレンズのアレイ、例えばフィルムに近接して配置されたリニアレンチキュラーレンズのアレイ上に投影するための従来の撮影レンズシステムを使用するものである。これの一例はChretienの米国特許第1,838,173号明細書に示されている。各ミクロレンズは、シーンからの光の一部をフィルムの関連する領域上に集める。そのように集光することによって、感光性要素の集中露光領域(concentrated exposure area)のそれぞれに入射した光の量は、フィルムの下限の応答閾値よりも高いレベルまで増大する。これによって、集中露光領域の密度のコントラストなパターンによって画像を形成することができる。
【0008】
このようにして形成された画像はセグメント化され、集中露光領域は、シーンの凝縮された画像を形成し、感光性要素の残りの部分は、その凝縮された画像における未露光アーチファクトのパターンを形成する。そのような画像の従来の方法により得られるプリントでは、このパターンは不十分な低いコントラストと、新聞にかなり似たハーフトーン外観を有する。このように、従来技術のミクロレンズ又はレンチキュラーを使用した低光写真は、一般消費者及びプロの写真家により表現されるもののような高品質市場での使用に不適当である。
【0009】
しかしながら、ミクロレンズアレイ、特にレンチキュラーアレイは、写真での他の用途が見出された。例えば、初期のカラー写真では、黒白ハロゲン化銀画像形成システムを使用してカラー写真が可能であるようにカラースペクトルを分割するための手段としてのカラーフィルターと組み合わせてリニアレンチキュラー画像捕獲が用いられた。この技術は、本願出願人による米国特許第2,191,038号明細書に記載されているように、初期のカラー映画システムで商業的に使用された。1940年代に、インスタント写真において黒白感光性要素を使用してカラー画像を捕獲するのを促進するために、レンチキュラースクリーンを使用することが提案された。(米国特許第2,922,103号明細書)。1970年代に、米国特許第4,272,185号明細書に、高いコントラスト特性を有する画像を生成させるためにレンチキュラーレンズを使用することが開示された。未露光領域のサイズを小さくすることによって、線パターンは殆ど見えなくなり、そのため、線パターンの好ましくない程度はより小さい。また、1970年代に、移動するレンチキュラースクリーンを通して感光性要素を露光することが提案された(米国特許第3,954,334号明細書)。最後に、1990年代には、3つのカラー層とハレーション防止層を有するリニアレンチキュラーリッジ付き支持体が3D画像表現材料として使用された。これらのリニアレンチキュラーアレイは、多レンズカメラで捕獲されたシーンの多視点からのインターリーブプリント画像(interleaved print images)を形成するために使用された。インターリーブ画像は3次元的外観を与える。この技術の例は、Loらの米国特許第5,464,128号明細書及びIpの米国特許第5,744,291号明細書に開示されている。これらの開示は、直接観察に好適な多シーン視点の捕獲から3D画像を形成することに適合させた方法、要素及び装置に関するものと理解される。これらは、ハンドヘルドカメラにおいて使用するのに好適なシャッター時間での写真撮影を可能にすることができない。
【0010】
ミクロレンズを使用した写真法には様々な用途があるが、低シーン輝度レベルで商業的に許容可能な画像の捕獲を可能にする感光性要素の下側の応答閾値を有効に拡げるという本来の約束を依然として満たさなければならない。従って、必要とされているものは、感光性要素上にレンチキュラー画像を捕獲し、そして捕獲された感光性要素画像を使用して商業的に許容可能なプリント又は他の出力を形成するための方法及び装置である。
【0011】
感光性要素の上側の応答閾値を超える画像形成条件下で画像を捕獲することが有用な場合もある。そのような条件は、日中の雪原及び海辺といった場所で捕獲しようとする明るいシーンの場合に生じうる。典型的には、カメラは、開口制御システム、シャッタータイミング制御システム及びフィルタリングシステムを使用して、シーンからの光の強度を減少させ、感光性要素に当たる光が、その感光性要素の上限以下にある強度を有するようにする。しかしながら、これらのシステムは、カメラの設計にかなりの複雑さ及びコストを加えることがある。さらに、先に述べたような下側の閾値を改善するためにより大きい開口を有するレンズを使用するという便宜的方法は、より多くの光を通すとともに上側の応答閾値での露光を低下させる。従って、感光性要素の寛容度よりも高いシーン輝度レベルの範囲で画像を捕獲するための、単純で、より費用がかからないカメラシステム及び写真法も必要とされている。
【0012】
【特許文献1】
米国特許第992,151号明細書
【特許文献2】
米国特許第1,838,173号明細書
【特許文献3】
米国特許第2,143,762号明細書
【特許文献4】
米国特許第2,191,038号明細書
【特許文献5】
米国特許第4,272,186号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,744,291号明細書
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
シーン露光域での感度及び寛容度が改良された写真要素を提供することが解決しようとする1つの課題である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体と、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、ミクロビーズを含むミクロビーズ層とを含んで成り、前記ミクロビーズ層中のバインダーの量が、前記ミクロビーズがバインダーによって完全に包み込まれないことにより前記ミクロビーズがミクロレンズとして機能することができるような量である感光性要素を提供する。本発明は、カメラ組み合わせ及び画像形成方法も提供する。
本発明の諸態様は、シーン露光域における感度及び寛容度の改良を提供する。
【0015】
本発明の1つの目的は、低光条件下で画像を提供するのに有用な高感度ハロゲン化銀要素を提供することである。本発明のさらなる目的は、バックグラウンド輻射線に対する感度が低く、保存安定性が改良され、様々な照明条件下で画像を記録することのできる高感度ハロゲン化銀要素を提供することである。本発明のさらなる目的は、広い露光寛容度を有するハロゲン化銀要素を提供することである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、支持体と、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、ミクロビーズ及びミクロレンズアレイの形成を可能にするバインダーを含むミクロビーズ層とを含んで成る感光性要素の提供により達成される。ミクロビーズ層中のバインダーの量は、ミクロビーズがバインダーによって完全に包み込まれず、その層からのビーズの突出がミクロレンズを形成するような量である。ビーズと少量のバインダーの組み合わせがミクロレンズの形成を可能にする。ミクロレンズアレイは、多数のミクロレンズから形成される。個々のミクロレンズは、光を収束又は集中させるように形作られているという点で収束レンズである。ミクロレンズは、フィルム構造体から突き出た突起を成している。個々の突起は、完全又は不完全な球体の一部のような形状をしている。光の分割は、レンズとして機能するビーズによって可能となる。ミクロレンズは、シーンからの光を分割し、シーンからの光の第1露光域と第2露光域を、より広い露光域を有するシーンからの画像情報を捕獲するように、一定の露光域を有するフィルム上に記録することによって、写真フィルムの有効画像捕獲寛容度を拡げる。ミクロレンズは、その第1露光域における露光を有効に促進し、第2露光域における露光を抑制する。本発明は、さらに、フィルムに記録された画像形成情報から許容可能な出力画像を再生する方法を提供する。写真処理後、形成された画像は、走査により読み取られ、デジタル的に再構成される。
【0017】
別の有用な読み取り方法において、実像は、組み込まれたミクロレンズアレイを通して読み取ることにより再構成される。ドットパターンが実像をリフォーム(reform)する平面を調節するように、適切な視野レンズが使用される。視野レンズによって、撮影段階と読み取り段階の間の光学的互換性を得ることができる。従って、光学的に圧縮されコード化された情報は、光学的に再構成され、原シーンの内容を、適切かつ都合のよい画像形成面で、固体センサー又は感光性材料上に直接画像形成できる形態又は直接視覚化できる形態で再生する。
【0018】
1つの態様において、ミクロビーズ層は、感光性ハロゲン化銀層に対して写真支持体の反対側に位置する。
【0019】
別の態様において、ミクロビーズ層は、感光性ハロゲン化銀層に対して写真支持体と同じ側に位置する。
【0020】
両方の態様において、露光が感光性ハロゲン化銀層に当たる前にミクロビーズ層に当たるように、感光性材料をカメラ内で露光する。
【0021】
両方の態様において、バインダーはゼラチン又は他の周知の写真用バインダーであることができる。バインダーは、写真処理中及び後に構造及び機能を維持するように硬化させることができる。代わりに、バインダーは、硬化せず、写真処理中に除去できるものであってもよい。
【0022】
画像撮影システムでのミクロレンズアレイの使用は、記録されたシーン情報の光学的画像再構成と組み合わされた場合に、標準的な写真技術の範囲を典型的には超える低光条件下での写真撮影を可能にする。
【0023】
この方法は、一回使用カメラなどの固定焦点カメラへの特別な適用性を有する。なぜなら、システムの被写界深度がカメラレンズのf値により制御される一方で、システムの有効感度がミクロレンチキュラーレンズアレイのf値により制御されるからである。これによって、大きな被写界深度を有する「低感度」カメラ/レンズシステムでは低感度乳剤と見なされるであろうものを使用して超高感度写真を達成することができる。さらに、大きな被写界深度を有する「低感度」カメラシステムは大きな焦点深度も有し、より小さい被写界深度及び焦点深度特性を有する「高感度」カメラ/レンズシステムで達成できる許容範囲よりも広い許容範囲で経済的に生産できるため、カメラの生産性が改善される。さらに、安定な、低感受性ハロゲン化銀乳剤粒子を利益のあるように使用できるため、ハロゲン化銀ベースの画像形成体(imagers)の保存安定性及び輻射線不感受性が改善される。本発明の要素は、さらに、広範囲の照明レベルで画像を記録することができる。
【0024】
露光の際に、光は、一定パターンの集中部分(concentrated fractions)と非集中部分(unconcentrated fraction)とに分割される。集光は、レンズとして作用するビーズによって可能となる。光の集中部分は、フィルム上の第1領域を露光し、現像後、またシーンからの光が第1露光域に含まれる場合にはミクロレンズの幾何学的特徴に応じて、フィルム上に一定パターンのドットを形成する。非集中部分は、第1露光域と第2露光域が共にフィルムの所定の範囲よりも大きい場合に、第2露光域内の露光に由来する画像形成情報をフィルムが記録できるように、フィルムの第2領域を露光する。次に、フィルムを写真処理する。当該技術分野で知られているいかなる写真処理も使用できる。この写真処理は、任意選択的な脱銀を伴う現像工程を含むことがある。写真処理は、フィルムを写真処理用薬剤又は写真処理を可能にする周知の薬剤に接触させることにより行うことができる。写真処理は、フィルムを写真処理用薬剤若しくはpH調節剤又はそれらの両方の水溶液に接触させることにより行うことができる。代わりに、フィルムは、加熱によって写真処理される又は写真処理を可能にする薬剤に接触させることと加熱との組み合わせによって写真処理される当該技術分野で知られているフォトサーモグラフィーフィルムであってもよい。写真処理後、フィルム上に記録された画像が露光過度(hyper exposure)により形成された画像、露光不足(hypo−exposure)により形成された画像、又はこれらのある組み合わせを含むかどうかを決定する。フィルムを走査し、そして走査画像を処理して、露光過度領域又は露光不足領域のいずれか又は両方に由来する画像データに基づく画像を再生する。出力画像を、その最終用途に応じて、任意選択的にさらに改良及び処理する。
【0025】
シーン光を分割しフィルム上に画像を形成するのに有用なカメラシステムは、シーンからの光をフィルム上に集める撮影レンズシステムを具備し、撮影レンズシステムとフィルムの間にミクロレンズアレイが配置される。
【0026】
ミクロレンズアレイ内の各レンズは、撮影レンズシステムからの透過光の一部を受容し、その光を圧縮部分(compressed fraction)と非圧縮部分(uncompressed fraction)に分割する。ミクロレンズアレイの各レンズが所定の断面領域を有するために、この集光が達成される。画像からの光はこの所定の断面領域に当たり、レンズに入射した光の一部は集められる。光のこの集中された部分は、レンズの断面よりも小さい断面を有するフィルムの第1露光領域に向けられる。これによって、第1露光領域でのフィルムの有効露光量レベルは増加し、乳剤が反応して画像を形成するのを可能にする。しかしながら、レンズに入射した光、若しくはレンズによって不十分に集められた光又は散乱された光の幾らかは、第1露光領域に集められない。むしろ、光のこの非集中部分は、実質的な集光を生じずに透過してフィルムに到達し、残りの周辺画像の形成を可能にする第2露光領域に入射する。光のこの非集中部分は、同じ露光でシーンとフィルムの間にミクロレンズアレイが配置されなかった場合にフィルムに入射するであろう光量よりも少ない。従って、ミクロレンズアレイは、フィルム上に画像を形成するためにより多量の光を露出中に利用できるように、第2領域に入射したシーンからの光を有効にフィルターする。その結果、ミクロレンズアレイは、第2露光域内の光を遮断し、フィルム上の第2画像範囲で示される範囲にわたって識別可能な画像を生成するのに適する第2露光を生じる。当然のことながら、第2露光域の上限及び下限が実際のフィルム寛容度内に含まれ、フィルム上に記録できる。これによって、フィルムの上側の露光閾値は有効に拡大する。この議論は、人が見えるシーンを捕獲することを意図したハロゲン化銀写真に関する特定の態様で行ったが、当然のことながら、本発明は、広いシーン輝度範囲及び人には見えない分光領域を捕獲することに容易に適用でき、感光性材料は必要な画像形成特性を有する当該技術分野で知られているいかなる感光性材料であってもよい。可能になった寛容度の有効な増加量は少なくとも0.15logEであることができるが、好ましくは少なくとも0.3logE、より好ましくは少なくとも0.6logE、非常に好ましくは少なくとも0.9logEである。有用な画像形成システムにおいて、カメラレンズ及びミクロレンズアレイは協同的に感光性材料上にシーンを結像する。カメラレンズによって集められた光を円形投影ミクロレンズ(circular projection micro−lens)によりさらに集める際の光の集中度又は有効な写真感度の利得(gain)は、2つのレンズのf値の比の二乗である。そのようなシステムにおける感度利得(log相対露光量単位)は、感度利得が2×log(カメラレンズのf値/ミクロレンズのf値)に等しいとして求めることができる。円柱状ミクロレンズの集光又は有効な感度利得は、それらが一方向のみで光を集めるために、そのような改良の平方根だけを可能にする。ミクロレンズアレイによる集光は、システムの感度利得と感光性材料上へのレンズパターンの形成の両方を可能にする。
【0027】
カメラの寸法及びカメラレンズの詳細な特性は、露光瞳(絞り)から画像までの距離、すなわちカメラの焦点距離を決める。カメラ画像はミクロレンズにおいて形成される。ミクロレンズ特性がミクロレンズの焦点距離を決め、ミクロレンズ画像は感光性層において形成される。カメラレンズのf値はカメラの焦点深度及び被写界深度を制御するのに対し、ミクロレンズのf値はカメラの有効開口を制御する。カメラレンズの大きいf値を使用することによって、広い焦点深度及び被写界深度とともに優れた鮮鋭度が得られる。ミクロレンズに小さいf値を使用することによって、「低感度」のものと通常見なされている乳剤によって高システム感度が得られる。この特別な感度は、「高感度」乳剤に通常付随する熱及び輻射線不安定性のない利用可能な光写真を与える。従って、カメラレンズのf値とミクロレンズのf値の有用な組み合わせはシステム感度利得を可能にするものである。0.15logE又は1/2絞りのシステム感度利得は有用であるが、少なくとも0.2logEのシステム感度利得が好ましく、少なくとも0.3logEのシステム感度利得がより好ましく、少なくとも0.5logEのシステム感度利得がより一層好ましく、少なくとも0.8logEのシステム感度利得が非常に好ましい。意図する目的に適する被写界深度を有するカメラレンズによる感度利得を可能にするいかなるミクロレンズf値も利益のあるように使用でき、典型的には1.5〜16のミクロレンズf値が有用であるが、f/2〜f/7の範囲内のミクロレンズf値が好ましく、f/3〜f/6の範囲内のミクロレンズf値がより好ましい。
【0028】
ミクロレンズの表面被覆量は有用なものであればよいが、写真要素又はフィルムの投影面積に対するミクロレンズの投影面積の比は少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%、さらに一層好ましくは少なくとも70%で、85%以下、若しくは95%以下、又は最密充填の限界であってもよい。正確な表面被覆の程度は、有用な写真粒状性及び鮮鋭性を保ちながら露光寛容度の増加を可能にするように調節できる。表面被覆量を調節することは、上記の第1露光域及び第2露光域と感光性材料の固有露光域に一致する影響を受けない範囲の間で光を分配する方法であることができる。従って、充填比(fill−factor)が95%未満であることが好ましいであろうし、充填比が90%未満であることがより好ましく、充填比が85%未満であることがより一層好ましく、充填比が75%未満であることがさらに一層好ましい。
【0029】
望ましい結果を達成するには、画像フレーム当たりいかなる有用な数のミクロレンズも使用できるが、具体的構成で使用すべき実際の数はその構成に依存する。例えば、写真材料の支持体側に一体的なミクロレンズを形成することにより望ましいミクロレンズ焦点距離を固定し、組み合わせたレンズシステムの望ましいシステム感度利得によりミクロレンズのf値を固定する場合、10〜100ミクロンのミクロレンズ開口又はピッチに遭遇することがある。大きさがおよそ24×36mmの135フォーマットフレームは、全表面被覆で8万6千〜860万個のミクロレンズを有することができる。短い焦点距離を有する乳剤側のミクロレンズは、3〜30ミクロンの間の有用な開口又はピッチを有することができる。これは、全表面被覆で135フォーマットフレーム当たりおよそ96万〜9600万個のミクロレンズに相当する。ミクロレンズの焦点距離の自由度がより大きいカメラに搭載されるミクロレンズは、500ミクロン以下又はそれ以上の開口又はピッチをとることができる。
【0030】
図1に、撮影レンズ101、感光性要素103及び間に配置されたミクロレンズアレイ105を有するカメラを示す。他のカメラ要素、例えばシャッター及びレリーズ、ダイアフラムとしても知られている固定若しくは可変開口絞り、フィルムリール及び前進機構、ビューファインダーなどは、明確にするために省略した。カメラ内での像様露光の際に、間に配置されたビーズにより形成されたミクロレンズ107は、感光性要素の特定の部分に光を集めるように作用してカメラのシステム感度を有効に増大させる一方で、感光性要素上にドット露光パターンを生じる。カメラレンズとミクロレンズアレイは協同的に感光性材料上にシーンを結像する。ミクロレンズアレイによる集光は、システムの感度利得と、感光性材料上へのドットパターンの形成の両方を可能にする。この図には、写真材料の支持体上にある一体的なミクロレンズアレイが示されている。この構成は、従来型の写真材料の支持体側にミクロレンズを形成することにより作ることができる。カメラの寸法及びカメラレンズの詳細な特性は、露光瞳から画像までの距離を決める。この図において、露光瞳位置又は開口位置は、カメラレンズとおよそ一致する。
【0031】
図2には、感光性層と支持体(まとめて207と図示)以外の部分に配置されたミクロビーズ層205中にミクロビーズ203を有する写真要素201が示されている。この場合に、ミクロビーズ層205中のバインダーの量は、ビーズがミクロビーズ層中に埋没し、レンズとして機能できる湾曲した表面の形成をもたらさないような量である。この図には、さらに、感光性層と支持体(まとめて215と図示)以外の部分に配置されたミクロビーズ層213中にミクロビーズ211を有する本発明の写真要素209が示されている。この場合に、ミクロビーズ層中のバインダーの量は、ビーズが層213中に完全に埋没せず、レンズとして機能できる湾曲した表面の形成をもたらすような量である。この図には、さらに、感光性層と支持体(まとめて223と図示)以外の部分に配置されたミクロビーズ層221中にミクロビーズ219を有する本発明の写真要素217が示されている。この場合に、ミクロビーズ層221中のバインダーの量は、209で示したものよりもさらに少なく、ビーズはレンズとして機能できるより顕著に湾曲した表面の形成をもたらす。写真要素209及び217は、高表面被覆量及び図示したようなほぼ最密充填したビーズ配置をもたらすのに十分な数のミクロビーズを含む。
【0032】
図3には、感光性層と支持体(まとめて307と図示)以外の部分に配置されたミクロビーズ層305中にミクロビーズ303を有する写真要素301が示されている。この場合に、ミクロビーズ層303中のバインダーの量は、ビーズがその層中に完全に埋没せず、要素全体にわたって顕著に湾曲した表面の形成をもたらす。レンズとして機能し得るのは、この湾曲した表面である。
【0033】
この図に示されているさらなる特徴は、ほぼ最密充填の配置が達成されないというよりはむしろミクロレンズのランダムなパターンが形成されるように、ビーズが低表面被覆量で存在するということである。レンズを形成するビーズの表面被覆量はいかなるものであってもよいが、写真要素の投影面積に対するミクロビーズの投影面積の比は少なくとも20%であることができ、好ましくは少なくとも35%であり、より好ましくは少なくとも50%であり、さらに一層好ましくは少なくとも65%であり、非常に好ましくは少なくとも80%であり、ほぼ六方最密充填の限界であることが特に好ましい。
【0034】
このように形成されたミクロレンズは、永久的なもので写真薬剤による処理の工程で残るものであるか、一時的なもので写真薬剤による処理の工程の間に破壊又は分解できるものであることができる。このために、写真層を保持又は破壊するためのいかなる周知の方法も使用できる。望ましい恒久性の程度を得るのを容易にする1つの方法は、ミクロレンズ層中に使用されるバインダーの硬化又は架橋に関係する。代わりに、ミクロレンズが得られるよう選ばれた材料自体を、写真処理中に選択的に破壊することができる。
【0035】
図4は、支持体に対して感光性ハロゲン化銀層の反対側に配置されたミクロビーズから形成されたミクロレンズを有する感光性要素をさらに詳しく示すものである。この図において、ミクロビーズ401は、当該ミクロビーズを結合するのに十分なバインダーを有すると同時にレンズとして機能することのできる湾曲した表面を形成しているミクロビーズ層403中に存在する。任意選択的な中間補助層は、明確にするために省略した。支持体の反対側には、青感光性色形成ユニット407と、緑感光性受性色形成ユニット411と、赤感光性色形成ユニット415を、中間層409及び413並びに保護オーバーコート417とともに有する。中間層及び補助層(図示せず)は、当該技術分野で知られているように、色素、安定化剤及びスカベンジャーをさらに含む。これらの色形成ユニットは、当該技術分野で知られているように1つ以上の層から成ることができる。別の態様において、図示していないが、色形成層を1つ以上のオルト又はパン増感層と置き換えて、黒白記録材料を形成することができる。
【0036】
図5は、支持体に対して感光性ハロゲン化銀層と同じ側に配置されたミクロビーズから形成されたミクロレンズを有する感光性要素をさらに詳しく示すものである。この図において、ミクロビーズ501は、当該ミクロビーズを結合するのに十分なバインダーを有すると同時にレンズとして機能することのできる湾曲した表面を形成しているミクロビーズ層503中に存在する。支持体の同じ側に、青感光性色形成ユニット507と、緑感光性受性色形成ユニット511と、赤感光性色形成ユニット515を、中間層505、509及び513並びにハレーション防止層517とともに有する。中間層及び補助層(図示せず)は、当該技術分野で知られているように、色素、安定化剤及びスカベンジャーをさらに含む。感光性層は、ミクロビーズ層と可撓性写真支持体519の間にある。これらの色形成ユニットは、当該技術分野で知られているように1つ以上の層から成ることができる。別の態様において、図示していないが、色形成層を1つ以上のオルト又はパン増感層と置き換えて、黒白記録材料を形成することができる。
【0037】
ミクロビーズから形成されたミクロレンズ及び写真要素の感光性層に対するそれらの関係についての有用なパラメータは以下の定義から得られる:
「ミクロレンズの半径」は、ミクロレンズの球面状の突出部の曲率半径である。非球面ミクロレンズの場合、この値はミクロレンズの表面に沿って変化する。この半径は、覆うバインダーの厚さの分大きくなったとしたミクロビーズの半径にほぼ等しい。
「ミクロレンズの開口」は、写真要素の表面からのミクロビーズにより形成された突出部の直径である。この直径は、必然的にミクロレンズの半径の2倍以下である。このレンズ開口は、ミクロレンズを形成する層中のバインダーの量による影響を受ける。完全に被覆されたミクロビーズは突出を示さないため、写真要素201におけるように半径を生じない。換言すれば、最小限に被覆された又は半分露出したビーズは、写真要素217又は301におけるようにビーズ直径よりもわずかに大きい直径を有する突出部を形成する。中間の量のバインダーは、写真要素209におけるようなものと同じサイズのビーズからの中間的なミクロレンズ直径の生成を可能にする。
「ミクロレンズの焦点距離」は、ミクロレンズから感光性層までの距離である。感光性層に対して支持体の反対側にあるミクロレンズの場合、この焦点距離は、通常、およそ支持体の厚さ、すなわち支持体405の厚さに等しい。感光性層に対して支持体と同じ側にあるミクロレンズの場合、この焦点距離は、通常、ミクロレンズと感光性層とを分け隔てる層の厚さ、すなわち中間層505の厚さにほぼ等しい。ミクロレンズの使用によって、個々の色記録の感度を選択的に高めることができることが判る。この特徴は、薄暗い白熱灯により照明された室内などの特定の不均一なライティング状況で特に重要な場合がある。例えば、白熱灯により照明される環境で使用するためのカメラ及びフィルムの場合に、ミクロレンズは、好ましくは青感層上に焦点を合わせるように設計でき、それにより青光レジーム(regime)の増加をより大きくするとともに、よりカラーバランスのとれた状況を達成することを可能にする。必要に応じて、他の色を同様に向上することができる。
「ミクロレンズのf値」は、ミクロレンズの開口をミクロレンズの焦点距離で割ったものである。
【0038】
球面ミクロレンズの場合、レンズの公式に従って適切なミクロレンズ半径を定義するために、望ましいミクロレンズの焦点距離を使用することができる。ミクロレンズ半径は、ミクロレンズの焦点距離を(n−n)/n 倍したものである。ここで、n はミクロレンズの外側の材料(典型的には、屈折率が1の空気)の屈折率であり、一方、n はミクロレンズ及び付属の写真材料(写真支持体に使用されるプラスチック及び写真的に有用なゼラチンは典型的には1.4〜1.6の屈折率を有する)の屈折率である。ミクロレンズを形成するために使用される個々の材料、すなわちミクロビーズと、支持するバインダーの屈折率ができるだけ同じである場合に、優れた光学的特性が得られる。バインダーの屈折率に対するミクロビーズの屈折率の比が0.8〜1.2であることが好ましく、この比が0.9〜1.1であることがより好ましく、この比が0.95〜1.05であることがより一層好ましい。しかしながら、屈折率の意図的な不一致は、光の散乱及び反射を促進し、それにより残りの画像形成の程度に影響を及ぼす。
【0039】
典型的な写真システムの構成要素の既知の屈折率によると、典型的な写真バインダー中で適切なビーズから形成される有用なミクロレンズは、ミクロレンズ半径を約3倍したミクロレンズ焦点距離を有する((n−n)/n は約1/3)。従って、ロールフィルムにおいて使用するのが好適な可撓性写真支持体上に形成され、図4に示したような、支持体に対して感光性層の反対側に配置されるミクロレンズは、支持体及びミクロレンズ層の厚さによって規定される有用な半径を有する。先に開示したように、ミクロレンズ層自体は、レンズ表面の形成を可能にするようなミクロビーズ直径にほぼ等しい厚さを通常有する。支持体の厚さとレンズ半径のいかなる有用な組み合わせも使用できるが、ロールフィルムで使用するのに好適な厚さの写真支持体を使用することが好ましい。これらの好ましい可撓性写真支持体の厚さは60〜180ミクロンである。この厚さから、写真支持体に、その支持体の厚さと同様な半径又は60〜180ミクロンの半径をを有するミクロレンズを使用することが最良であることが導かれる。代わりに、支持体の厚さに対するビーズの直径の比は0.8〜1.2であることができ0.9〜1.1がより好ましく、0.95〜1.05が非常に好ましい。同様に、図5に示したように支持体に対して感光性層と同じ側に位置するミクロレンズは、ミクロレンズ層とミクロレンズ層を感光性層から分け隔てる任意の上に重なる層との厚さにより規定される有用な半径を有する。支持体の厚さとレンズの半径のいかなる有用な組み合わせも使用できるが、層の保全性に調和する方法で写真処理を促進するように感光性層と写真材料の前面との間に少量の材料を使用することが好ましい。その場合にも、レンズ表面の形成が可能であるようにミクロレンズ層自体は通常ミクロビーズの直径にほぼ等しい厚さを有するため、中間層503の厚さがミクロレンズの半径にほぼ等しいことが好ましい。従って、中間層の厚さに対するビーズの半径の比は0.8〜1.2であることができ、0.9〜1.1がより好ましく、0.95〜1.05が非常に好ましい。
【0040】
本発明において有用なビーズは、液体又は流体状というよりもむしろ固体状である。本発明において有用なビーズは、重なりの割合(百分率)が低い単層の形成を促進する曲線状である。本発明において有用なビーズは、望ましいビーズ形状を得るのに好適な方法で製造できる。好適な方法は、懸濁重合法及び乳化重合法、例えばThomas H. Whitesides 及びDavis S. Rossにより”J. Colloid Interface Science” 169, 48−59 (1995)に記載されているような限定凝集(limited coalescence)法である。
【0041】
限定凝集法は、「懸濁重合」法及び「ポリマー懸濁」法を包含する。本発明に係るポリマー粒子の好ましい製造法は、粒子懸濁剤を含む水性媒体に重付加重合可能な1種以上のモノマーを加え、連続(水)相中に不連続(油滴)相を形成する限定凝集法によるものである。攪拌、均質化などにより混合物の剪断力をかけ、液滴の粒径を小さくする。剪断を停止した後、液滴の表面を覆う粒子懸濁剤の安定化作用の結果、液滴の粒径について平衡に達し、次に重合を完了すると、ポリマー粒子の水性懸濁液が形成される。このプロセスは米国特許第2,932,629号、第5,279,934号及び第5,378,577号明細書に記載されている。
【0042】
「ポリマー懸濁」法において、好適なポリマーを溶媒中に溶解し、その溶液を、安定化剤としてコロイドシリカを含む水溶液中に微細な水不混和性液滴として分散させる。平衡に達し、液滴の粒径は、それらの液滴の表面を覆うコロイドシリカの作用により安定化される。蒸発又は他の適切な方法により液滴から溶媒を除去すると、コロイドシリカの均一なコーティングを有するポリマー粒子が得られる。このプロセスは、1989年5月23日に発行された米国特許第4,833,060号明細書にさらに詳しく記載されている。その記載は引用により本明細書に含まれていることにする。
【0043】
懸濁重合法を使用して本発明を実施する際に、いかなる好適な1種以上のモノマーも使用でき、例えば、スチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン;ビニルナフタレン;エチレン性不飽和モノオレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレン;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル及び酪酸ビニル;α−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、フェニルアクリレート、メチル−α−クロロアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート及びブチルメタクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル及びビニルエチルエーテル;ビニルケトン類、例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びメチルイソプロピルケトン;ハロゲン化ビニリデン、例えば塩化ビニリデン及びビニリデンクロロフルオリド;並びにN−ビニル化合物、例えばN−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール及びN−ビニルピロリドンジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、それらの混合物などである。
【0044】
懸濁重合法において、望ましい結果をもたらすように、モノマー液滴及びその集団の水性相に他の添加剤を加える。そのような他の添加剤としては、開始剤、促進剤などが挙げられ、そのような添加剤は米国特許第2,932,629号及び第4,148,741号明細書により具体的に記載されている。
【0045】
ポリマー懸濁法に有用な溶剤は、例えば、クロロメタン、ジクロロメタン、酢酸エチル、塩化ビニル、メチルエチルケトン、トリクロロメタン、四塩化炭素、エチレンクロライド、トリクロロエタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、2−ニトロプロパンなどのような、ポリマーを溶解するものであって、水に不混和性であり、ポリマー液滴から容易に除去されるものである。特に有用な溶剤はジクロロメタンである。なぜなら、ジクロロメタンは多くのポリマーに対して良好な溶媒であるのと同時に水に混和しないからである。さらに、その揮発性は、蒸発によって不連続相液滴から容易に除去できるようなものである。
【0046】
ポリマー懸濁プロセスにおける様々な成分の量及びそれら相互の関係は多岐に及びうるが、溶剤に対するポリマーの比は、ポリマーと溶剤の合計質量を基準として1〜80質量%の量であるのがよいこと、及び使用される水の量に対して溶剤が25〜50質量%の量であるのがよいことが見出された。コロイドシリカ安定化剤の大きさ及び量は、そのコロイドシリカの粒子の大きさに依存し、また、所望のポリマー液滴粒子の大きさにも依存する。すなわち、ポリマー/溶剤液滴の大きさは高剪断攪拌によって小さくなるため、液滴の無制限の凝集を防止するため及び生じるポリマー粒子の均一な大きさ及び狭い粒度分布を達成するために、固体コロイド安定化剤の量は変化する。これらの方法は、非常に狭い粒度分布で0.5マイクロメートル〜150マイクロメートルの所定の平均直径を有する粒子を与える。米国特許第2,932,629号明細書に記載されているような変動係数(平均粒径に対する標準偏差の比)は通常15〜35%の範囲内にある。
【0047】
ビーズを製造するために使用される特定のポリマーは、着色されていてもよい水不混和性の合成ポリマーである。好ましいポリマーは、アモルファスな水不混和性合成ポリマーである。有用なポリマーの種類の例は、ポリスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)又はポリ(ブチルアクリレート)である。スチレンとブチルアクリレートのコポリマーなどのコポリマーを使用することができる。ポリスチレンポリマーが都合よく使用される。
【0048】
本発明に有用な感光性層及び写真支持体を形成するのに有用な材料は当業者に知られている。それらの材料は、当該技術分野で知られている方法のいずれでも、又は当該技術分野で知られている組み合わせのいずれでも使用できる。典型的には、材料は溶融状態で組み込まれるか、又は本明細書に記載のように層として支持体上にコートされ、写真要素の一部を成す。「関連して」なる用語を使用する場合、この用語は、反応性化合物が、処理中に他の成分と反応できる特定の層中に存在するか又は特定の層に隣接して存在することを意味する。
【0049】
特に断らない限り、「基」、「置換された」又は「置換基」なる用語の使用は、水素以外の任意の基又は原子を意味する。さらに、本明細書において、置換可能な水素を含む化合物又は基に言及した場合、その置換基が意図する用途に必要な特性を損なわない限りにおいて、その置換基の未置換形態だけでなく、ここに挙げる任意の置換基(複数であってもよい)でさらに置換された形態のものも包含する。好適には、置換基はハロゲンであってもよく、又は炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン若しくは硫黄の原子によって分子の残りの部分に結合されるものであってもよい。この置換基は、例えば、ハロゲン、例えば塩素、臭素、又はフッ素;ニトロ;ヒドロキシル;シアノ;カルボキシル;あるいは直鎖若しくは分岐又は環状アルキルを包含するアルキル、例えばメチル、トリフルオロメチル、エチル、t−ブチル、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピル及びテトラデシル;アルケニル、例えばエチレン、2−ブテン;アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、sec−ブトキシ、ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、テトラデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシ及び2−ドデシルオキシエトキシ;アリール、例えばフェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、ナフチル;アリールオキシ、例えばフェノキシ、2−メチルフェノキシ、α−又はβ−ナフチルオキシ及び4−トリルオキシ;カルボンアミド、例えばアセトアミド、ベンズアミド、ブチルアミド、テトラデカンアミド、α−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)アセトアミド、α−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド、α−(3−ペンタデシルフェノキシ)−ヘキサンアミド、α−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシ)−テトラデカンアミド、2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2−オキソ−5−テトラデシルピロリン−1−イル、N−メチルテトラデカンアミド、N−スクシンイミド、N−フタルイミド、2,5−ジオキソ−1−オキサゾリジニル、3−ドデシル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリル及びN−アセチル−N−ドデシルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,5−(ジ−t−ペンチルフェニル)カルボニルアミノ、p−ドデシルフェニルカルボニルアミノ、p−トリルカルボニルアミノ、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−メチル−N−ドデシルウレイド、N−ヘキサデシルウレイド、N,N−ジオクタデシルウレイド、N,N−ジオクチル−N’−エチルウレイド、N−フェニルウレイド、N,N−ジフェニルウレイド、N−フェニル−N−p−トリルウレイド、N−(m−ヘキサデシルフェニル)ウレイド、N,N−(2,5−ジ−t−ペンチルフェニル)−N’−エチルウレイド及びt−ブチルカルボンアミド;スルホンアミド、例えばメチルスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トリルスルホンアミド、p−ドデシルベンゼンスルホンアミド、N−メチルテトラデシルスルホンアミド、N,N−ジプロピル−スルファモイルアミノ及びヘキサデシルスルホンアミド;スルファモイル、例えばN−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−[3−(ドデシルオキシ)プロピル]スルファモイル、N−[4−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル]スルファモイル、N−メチル−N−テトラデシルスルファモイル及びN−ドデシルスルファモイル;カルバモイル、例えばN−メチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−[4−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル]カルバモイル、N−メチル−N−テトラデシルカルバモイル及びN,N−ジオクチルカルバモイル;アシル、例えばアセチル、(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセチル、フェノキシカルボニル、p−ドデシルオキシフェノキシカルボニル、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、3−ペンタデシルオキシカルボニル及びドデシルオキシカルボニル;スルホニル、例えばメトキシスルホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラデシルオキシスルホニル、2−エチルヘキシルオキシスルホニル、フェノキシスルホニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシスルホニル、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、フェニルスルホニル、4−ノニルフェニルスルホニル及びp−トリルスルホニル;スルホニルオキシ、例えばドデシルスルホニルオキシ及びヘキサデシルスルホニルオキシ;スルフィニル、例えばメチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、ヘキサデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、4−ノニルフェニルスルフィニル及びp−トリルスルフィニル;チオ、例えばエチルチオ、オクチルチオ、ベンジルチオ、テトラデシルチオ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エチルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ及びp−トリルチオ;アシルオキシ、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p−ドデシルアミドベンゾイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチルカルバモイルオキシ及びシクロヘキシルカルボニルオキシ;アミン、例えばフェニルアニリノ、2−クロロアニリノ、ジエチルアミン、ドデシルアミン;イミノ、例えば1−(N−フェニルイミド)エチル、N−スクシンイミド又は3−ベンジルヒダントイニル;ホスフェート、例えばジメチルホスフェート及びエチルブチルホスフェート;ホスフィット、例えばジエチルホスフィット及びジヘキシルホスフィット;複素環式基、複素環式オキシ基又は複素環式チオ基(これらの各々は置換されていてもよく、酸素、窒素及び硫黄からなる群より選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子と炭素原子とを含んでなる3〜7員複素環を含む)、例えば2−フリル、2−チエニル、2−ベンゾイミダゾリルオキシ又は2−ベンゾチアゾリル;第四級アンモニウム、例えばトリエチルアンモニウム;並びにシリルオキシ、例えばトリメチルシリルオキシなどの基(さらに置換されていてもよい)であってもよい。
【0050】
必要に応じて、これらの置換基は、それら自体が、上記の置換基でさらに1回以上置換されていてもよい。当業者は、使用する個々の置換基を、個々の用途にとって望ましい写真特性を達成するように選ぶことができ、使用される置換基としては、例えば疎水性基、可溶化基、ブロッキング基、放出性の又は放出可能な基等が挙げられる。分子が2個以上の置換基を有する場合に、特に断らない限り、置換基が互いに結合して縮合環等の環を形成していてもよい。一般的に、上記の基及びそれらの置換基としては、炭素原子を最大48個まで、典型的には1〜36個、通常は24個未満で有するものが挙げられるが、選ばれた特定の置換基によっては、炭素原子数がさらに増加する場合もある。
【0051】
各種成分の移行を制御するため、カプラー分子には高分子量疎水性基又は「バラスト」基を含めることが望ましい場合がある。代表的なバラスト基としては、置換又は非置換の炭素原子数8〜48のアルキル基又はアリール基が挙げられる。このような基に対する代表的な置換基として、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アニリノ、カルボンアミド、カルバモイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルホンアミド及びスルファモイルの各基が挙げられる。これらの置換基は1〜42個の炭素原子を含むことが典型的である。そのような置換基は、さらに置換されていてもよい。
【0052】
写真要素は、単色要素であっても多色要素であってもよい。多色要素は、スペクトルの三つの主領域の各々に対して感受性の画像色素生成ユニットを含有する。各ユニットは、スペクトルの所定の領域に感受性の1つの乳剤層又は複数の乳剤層を含むことができる。画像形成ユニットの層をはじめとする写真要素を構成する層は、当該技術分野で知られているような様々な順序で配置することができる。別のフォーマットでは、スペクトルの三つの主領域の各々に対して感受性の乳剤を、1つのセグメント化された層として配置することもできる。
【0053】
典型的な多色写真要素は支持体を含み、この支持体は、少なくとも1種のシアン色素生成カプラーと関連させた少なくとも1種の赤感光性ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン色素画像形成ユニットと、少なくとも1種のマゼンタ色素生成カプラーと関連させた少なくとも1層の緑感光性ハロゲン化銀乳剤層を含むマゼンタ色素画像形成ユニットと、少なくとも1種のイエロー色素生成カプラーと関連させた少なくとも一層の青感光性ハロゲン化銀乳剤層を含むイエロー色素画像形成ユニットとを担持している。分光感度と色形成の当該技術分野で知られている他の組み合わせも使用できる。要素は、フィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗層等のような別の層をさらに含んでもよい。
【0054】
必要に応じて、写真要素を、リサーチ・ディスクロージャー(1992年11月、アイテム34390、Kenneth Mason Publications(Dudley Annex, 12a North Street,Emsworth, Hampshire, P010 7DQ, ENGLAND) の刊行物)や、日本国特許庁から入手可能な発明協会公開技報第94−6023号(1994年3月15日発行)に記載されているような適用された磁性層と併用することができる。本発明の材料をフォーマットの小さなフィルムに使用したい場合には、リサーチ・ディスクロージャー(1994年6月、アイテム36230)に適当な態様が記載されている。
【0055】
本発明の乳剤及び要素において使用するのに好適な材料に関する以下の記述では、上記のように入手できるリサーチ・ディスクロージャー(1996年9月、アイテム38957)を参照することとする。本明細書ではこの文献を以下「リサーチ・ディスクロージャー」と称することとする。以下で引用するセクションとは、このリサーチ・ディスクロージャーのセクションを指す。
【0056】
特記しない限り、本発明で用いられるハロゲン化銀乳剤含有要素は、当該要素と共に提供される処理の説明書の種類(即ち、カラーネガ、反転又は直接ポジ処理)によって示されているようなネガ型にもポジ型にもなることができる。好適な乳剤及びその調製、並びに化学増感及び分光増感方法は、セクションI〜Vに記載されている。UV色素、蛍光増白剤、カブリ防止剤、安定化剤、光吸収及び散乱材料等の種々の添加剤、並びに硬膜剤、塗布助剤、可塑剤、滑剤及び艶消し剤等の物性改良添加剤は、例えば、セクションII及びVI〜VIIIに記載されている。色料は、セクションX〜XIIIに記載されている。カプラー及び色素(有機溶剤中の分散体を含む)の好適な導入方法は、セクションX(E)に記載されている。走査促進化については、セクションXIVに記載されている。支持体、露光、現像システム並びに処理方法及び処理剤は、セクションXV〜XXに記載されている。上記リサーチ・ディスクロージャー、アイテム36544 、1994年9月に含まれる情報は、リサーチ・ディスクロージャー、アイテム38957 、1996年9月において、更新された。カラー反射プリントとの併用に有用なものをはじめとするある種の好ましい写真要素及び処理工程が、リサーチ・ディスクロージャー、アイテム37038 、1995年2月に記載されている。
【0057】
カップリング離脱基は当該技術分野では周知である。そのような基は、カプラーの化学的当量、すなわち2当量カプラーであるか4当量カプラーであるかを決めるか、或いはカプラーの反応性を調節することができる。そのような基は、カプラーがコートされる層又は写真記録材料中の別の層に、カプラーから放出された後に色素生成、色素色相調節、現像促進若しくは抑制、漂白促進若しくは抑制、電子移動促進、色補正等の機能を発揮することにより、有利な影響を及ぼすことができる。
【0058】
カップリング部位に水素が存在する場合には4当量カプラーが得られ、別のカップリング離脱基が存在する場合には通常は2当量カプラーが得られる。このようなカップリング離脱基の代表的な種類として、例えばクロロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロオキシ、スルホニルオキシ、アシルオキシ、アシル、ヘテロシクリル、スルホンアミド、メルカプトテトラゾール、ベンゾチアゾール、メルカプトプロピオン酸、ホスホニルオキシ、アリールチオ及びアリールアゾが挙げられる。これらのカップリング離脱基は、例えば、米国特許第2,455,169号、第3,227,551号、第3,432,521号、第3,476,563号、第3,617,291号、第3,880,661号、第4,052,212号及び第4,134,766号並びに英国特許第1,466,728号、第1,531,927号、第1,533,039号、英国特許出願公開第2,006,755A号及び第2,017,704A号明細書に記載されている。
【0059】
「Farbkuppler−eine Literature Ubersicht 」、Agfa Mitteilungen発行、第III巻、156−175 頁(1961)並びに米国特許第2,367,531号、第2,423,730号、第2,474,293号、第2,772,162号、第2,895,826号、第3,002,836号、第3,034,892号、第3,041,236号、第4,333,999号、第4,746,602号、第4,753,871号、第4,770,988号、第4,775,616号、第4,818,667号、第4,818,672号、第4,822,729号、第4,839,267号、第4,840,883号、第4,849,328号、第4,865,961号、第4,873,183号、第4,883,746号、第4,900,656号、第4,904,575号、第4,916,051号、第4,921,783号、第4,923,791号、第4,950,585号、第4,971,898号、第4,990,436号、第4,996,139号、第5,008,180号、第5,015,565号、第5,011,765号、第5,011,766号、第5,017,467号、第5,045,442号、第5,051,347号、第5,061,613号、第5,071,737号、第5,075,207号、第5,091,297号、第5,094,938号、第5,104,783号、第5,178,993号、第5,813,729号、第5,187,057号、第5,192,651号、第5,200,305号、第5,202,224号、第5,206,130号、第5,208,141号、第5,210,011号、第5,215,871号、第5,223,386号、第5,227,287号、第5,256,526号、第5,258,270号、第5,272,051号、第5,306,610号、第5,326,682号、第5,366,856号、第5,378,596号、第5,380,638号、第5,382,502号、第5,384,236号、第5,397,691号、第5,415,990号、第5,434,034号及び第5,441,863号明細書、欧州特許第0246616号、第0250201号、第0271323号、第0295632号、第0307927号、第0333185号、第0378898号、第0389817号、第0487111号、第0488248号、第0539034号、第0545300号、第0556700号、第0556777号、第0556858号、第0569979号、第0608133号、第0636936号、第0651286号及び第0690344号、独国特許公開第4,026,903号、第3,624,777号及び第3,823,049号公報等の代表的な特許明細書及び刊行物に記載されている、発色現像主薬酸化体との反応によってシアン色素を形成するカプラー等の画像色素生成カプラーを要素に含めることもできる。そのようなカプラーの典型例は、フェノール類、ナフトール類又はピラゾロアゾール類である。
【0060】
発色現像主薬酸化体との反応によってマゼンタ色素を生成するカプラーは、「Farbkuppler−eine Literature Ubersicht」、Agfa Mitteilungen発行、第III 巻、126−156 頁(1961)、並びに米国特許第2,311,082号、第2,369,489号、第2,343,701号、第2,600,788号、第2,908,573号、第3,062,653号、第3,152,896号、第3,519,429号、第3,758,309号、第3,935,015号、第4,540,654号、第4,745,052号、第4,762,775号、第4,791,052号、第4,812,576号、第4,835,094号、第4,840,877号、第4,845,022号、第4,853,319号、第4,868,099号、第4,865,960号、第4,871,652号、第4,876,182号、第4,892,805号、第4,900,657号、第4,910,124号、第4,914,013号、第4,921,968号、第4,929,540号、第4,933,465号、第4,942,116号、第4,942,117号、第4,942,118号、第4,959,480号、第4,968,594号、第4,988,614号、第4,992,361号、第5,002,864号、第5,021,325号、第5,066,575号、第5,068,171号、第5,071,739号、第5,100,772号、第5,110,942号、第5,116,990号、第5,118,812号、第5,134,059号、第5,155,016号、第5,183,728号、第5,234,805号、第5,235,058号、第5,250,400号、第5,254,446号、第5,262,292号、第5,300,407号、第5,302,496号、第5,336,593号、第5,350,667号、第5,395,968号、第5,354,826号、第5,358,829号、第5,368,998号、第5,378,587号、第5,409,808号、第5,411,841号、第5,418,123号及び第5,424,179号明細書、欧州特許第0257854号、第0284240号、第0341204号、第347,235号、第365,252号、第0422595号、第0428899号、第0428902号、第0459331号、第0467327号、第0476949号、第0487081号、第0489333号、第0512304号、第0515128号、第0534703号、第0554778号、第0558145号、第0571959号、第0583832号、第0583834号、第0584793号、第0602748号、第0602749号、第0605918号、第0622672号、第0622673号、第0629912号、第0646841,第0656561号、第0660177号及び第0686872号、WO90/ 10253号、WO92/ 09010号、WO92/ 10788号、WO92/ 12464号、WO93/ 01523号、WO93/ 02392号、WO93/ 02393号及びWO93/ 07534号、英国特許出願第2,244,053号、特開平03−192350号、独国特許公開第3,624,103号、第3,912,265号及び第4008067号明細書等の代表的な特許明細書及び刊行物に記載されている。典型的には、このようなカプラーは、発色現像主薬酸化体との反応によってマゼンタ色素を生成するピラゾロン類、ピラゾロアゾール類又はピラゾロベンズイミダゾール類である。
【0061】
発色現像主薬酸化体との反応によってイエロー色素を形成するカプラーは、「Farbkuppler−eine Literature Ubersicht」、Agfa Mitteilungen発行、第III 巻、112−126 頁(1961)、並びに米国特許第2,298,443号、第2,407,210号、第2,875,057号、第3,048,194号、第3,265,506号、第3,447,928号、第4,022,620号、第4,443,536号、第4,758,501号、第4,791,050号、第4,824,771号、第4,824,773号、第4,855,222号、第4,978,605号、第4,992,360号、第4,994,361号、第5,021,333号、第5,053,325号、第5,066,574号、第5,066,576号、第5,100,773号、第5,118,599号、第5,143,823号、第5,187,055号、第5,190,848号、第5,213,958号、第5,215,877号、第5,215,878号、第5,217,857号、第5,219,716号、第5,238,803号、第5,283,166号、第5,294,531号、第5,306,609号、第5,328,818号、第5,336,591号、第5,338,654号、第5,358,835号、第5,358,838号、第5,360,713号、第5,362,617号、第5,382,506号、第5,389,504号、第5,399,474号、第5,405,737号、第5,411,848号及び第5,427,898号、欧州特許第0327976号、第0296793号、第0365282号、第0379309号、第0415375号、第0437818号、第0447969号、第0542463号、第0568037号、第0568196号、第0568777号、第0570006号、第0573761号、第0608956号、第0608957号及び第0628865等の代表的な特許明細書及び刊行物に記載されている。このようなカプラーは、典型例には、開鎖ケトメチレン化合物である。
【0062】
発色現像主薬酸化体との反応によって無色生成物を形成するカプラーは、英国特許第861,138号;米国特許第3,632,345号、第3,928,041号、第3,958,993号及び第3,961,959号明細書等の代表的な特許明細書に記載されている。典型的には、このようなカプラーは、発色現像主薬酸化体との反応によって無色生成物を形成する環状カルボニル含有化合物である。
【0063】
発色現像主薬酸化体との反応によって黒色色素を形成するカプラーは、米国特許第1,939,231号、第2,181,944号、第2,333,106号及び4,126,461号明細書、独国特許公開第2,644,194号及び第2,650,764号等の代表的な特許明細書に記載されている。典型的には、このようなカプラーは、発色現像主薬酸化体との反応によって黒色若しくは中間色の生成物を形成するレゾルシノール類若しくはm−アミノフェノール類である。
【0064】
前記の他に、いわゆる「ユニバーサル」若しくは「ウオッシュアウト」カプラーを用いることができる。これらのカプラーは画像色素形成に寄与しない。従って、例えば、未置換カルバモイルを有するナフトール又は2位若しくは3位で低分子量置換基により置換されたナフトールを用いることができる。この種のカプラーは、例えば、米国特許第5,026,628号、第5,151,343号及び第5,234,800号明細書に記載されている。
【0065】
カプラーの組み合わせであって、いずれかのカプラーに米国特許第4,301,235号、第4,853,319号及び第4,351,897号明細書に記載されているもののような公知のバラスト又はカップリング離脱基を含むことができるカプラーの組み合わせを用いることが有用な場合がある。カプラーは米国特許第4,482,629号明細書に記載されているような可溶化基を有することができる。また、カプラーは、欧州特許第213,490号、特開昭58−172647号、米国特許第2,983,608号、第4,070,191号及び第4,273,861号、独国特許第2,706,117号及び第2,643,965号、英国特許第1,530,272号、並びに特開昭58−113935号各明細書に説明されているように、「不正(wrong )」に着色されたカプラーと一緒に(例えば、中間層補正のレベルを調節するため)使用することができ、そしてカラーネガ用途では、マスキングカプラーと共に使用することができる。必要ならば、マスキングカプラーをシフト若しくはブロックすることができる。
【0066】
ハロゲン化銀乳剤層中に組み込まれるカプラーの量は、銀に対するモル比で典型的には0.05〜1.0の範囲内にあり、一般的には0.1〜0.5の範囲内にある。通常、カプラーは高沸点有機溶剤中に、カプラーに対する溶剤の質量比で0.1〜10.0、典型的には0.1〜2.0で分散させるが、永久カプラー溶剤をまったく使用しない分散体を使用することもある。
【0067】
本発明は、画像の品質を改良するために、処理工程、例えば漂白又は定着の工程を促進するかさもなければ変更する写真有用基(PUG)を放出する材料と組み合わせて使用してもよい。漂白促進剤放出カプラー、例えば欧州特許第0193389号、欧州特許第0301477号;米国特許第4,163,669号、第4,865,956号及び第4,923,784号明細書に記載されているものは有用である。造核剤、現像促進剤又はそれらの前駆体(英国特許第2,097,140号、英国特許第2,131,188号);電子移動剤(米国特許第4,859,578号、米国特許第4,912,025号);カブリ防止剤及び混色防止剤、例えばヒドロキノン類、アミノフェノール類、アミン類、没食子酸の誘導体;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド類;スルホンアミドフェノール類;並びに非色形成カプラーと組み合わせて本発明の組成物を使用することも考えられる。
【0068】
また、本発明は、コロイド銀ゾル、又はイエロー、シアン、及び/若しくはマゼンタフィルター色素を水中油型分散体、ラテックス分散体又は固体粒子分散体として含んでなるフィルター色素層と組み合わせて使用してもよい。さらに、それらを「スミアリング(smearing)」カプラー(例えば米国特許第4,366,237号;欧州特許第96,570号;米国特許第4,420,556号及び第4,543,323号明細書に記載されているようなもの)と共に使用してもよい。また、本発明において有用な材料は、例えば特開昭61−258249号公報又は米国特許第5,019,492号明細書に記載されているようにブロックされたものであっても、保護された形態でコートされてもよい。
【0069】
本発明は、さらに、例えば「現像抑制剤放出」化合物(DIR)のようなPUGSを放出する画像調製作用のある化合物と組み合わせて使用してもよい。本発明との組み合わせで有用なDIRは、当該技術分野において知られており、その例は、米国特許第3,137,578号;第3,148,022号;第3,148,062号;第3,227,554号;第3,384,657号;第3,379,529号;第3,615,506号;第3,617,291号;第3,620,746号;第3,701,783号;第3,733,201号;第4,049,455号;第4,095,984号;第4,126,459号;第4,149,886号;第4,150,228号;第4,211,562号;第4,248,962号;第4,259,437号;第4,362,878号;第4,409,323号;第4,477,563号;第4,782,012号;第4,962,018号;第4,500,634号;第4,579,816号;第4,607,004号;第4,618,571号;第4,678,739号;第4,746,600号;第4,746,601号;第4,791,049号;第4,857,447号;第4,865,959号;第4,880,342号;第4,886,736号;第4,937,179号;第4,946,767号;第4,948,716号;第4,952,485号;第4,956,269号;第4,959,299号;第4,966,835号及び第4,985,336号明細書、英国特許公報第1,560,240号;第2,007,662号;第2,032,914号及び第2,099,167号、独国特許第2,842,063号;第2,937,127号;第3,636,824号及び第3,644,416号、並びに欧州特許公開第272573号;第335319号;第336411号;第346899号;第362870号;第365252号;第365346号;第373382号;第376212号;第377463号;第378236号;第384670号;第396486号;第401612号及び第401613号に記載されている。
【0070】
そのような化合物は、Photographic Science and Engineering, 第13巻、174頁(1969年)のC. R. Barr, J. R. Thirtle及びP. W. Vittum による“Developer−Inhibitor−Releasing(DIR) Couplers for Color Photography”にも開示されている。一般的に、現像抑制剤放出(DIR)カプラーは、カプラー部分及び抑制剤カプリング離脱部分(IN)を含む。抑制剤放出カプラーは、抑制剤の遅延放出をもたらすタイミング部分又は化学的スイッチも含む時間遅延型(DIARカプラー)のものであってよい。典型的な抑制剤部分の例は、オキサゾール類、チアゾール類、ジアゾール類、トリアゾール類、オキサジアゾール類、チアジアゾール類、オキサチアゾール類、チアトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、テトラゾール類、ベンゾイミダゾール類、インダゾール類、イソインダゾール類、メルカプトテトラゾール類、セレノテトラゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、セレノベンゾチアゾール類、メルカプトベンゾオキサゾール類、セレノベンゾオキサゾール類、メルカプトベンゾイミダゾール類、セレノベンゾイミダゾール類、ベンゾジアゾール類、メルカプトオキサゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトオキサジアゾール類、メルカプトジアゾール類、メルカプトオキサチアゾール類、テレウロテトラゾール類又はベンゾイソジアゾール類である。好ましい態様において、抑制剤部分又は基は、以下の式のものから選ばれる:
【0071】
【化1】
Figure 2004133386
【0072】
[式中、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖及び分枝アルキル、ベンジル、フェニル及びアルコキシ基、並びにこれらの置換基を全く含まないか1個以上含有する基からなる群より選ばれ;RIIは、R及びSRから選ばれ;RIIIは、1〜5個の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝アルキル基であり、mは1〜3であり;そして、RIVは、水素、ハロゲン、アルコキシ、フェニル、カルボンアミド基、−COOR及びNHCOOR(式中、Rは置換された及び未置換のアルキル基及びアリール基から選ばれる)からなる群より選ばれる]。
【0073】
現像抑制剤放出カプラー中に含まれるカプラー部分は、そのカプラーが配置されている層に対応する画像色素を形成するのが典型的であるが、異なるフィルム層と組合わさった場合は異なる色を形成してもよい。現像抑制剤放出カプラー中に含まれるカプラー部分が無色生成物及び/又は処理中に写真材料から洗い出される生成物(いわゆる「ユニバーサル」カプラー)を形成することも有用であろう。
【0074】
カプラーのような化合物は、処理中にその化合物の反応の際に直接的にPUGを放出するか、又はタイミング基若しくは連結基を介して間接的にPUGを放出することができる。タイミング基は、分子内求核置換反応を用いる基(米国特許第4,248,962号明細書);共役系に沿った電子移動反応を用いる基(米国特許第4,409,323号、第4,421,845号及び第4,861,701号明細書;特開昭57−188035号、特開昭58−98728号、特開昭58−209736号及び特開昭58−209738号公報);カプラー反応後にカプラー又は還元剤として機能する基(米国特許第4,438,193号及び第4,618,571号明細書);及び前記特徴を併せ持つ基のようにPUGの時間的遅延放出をもたらす。典型的には、タイミング基は下記式のうちの1つにより表される:
【0075】
【化2】
Figure 2004133386
【0076】
前記式中、INは抑制剤部分であり、RVIIはニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、スルファモイル基及びスルホンアミド基からなる群から選ばれ、aは0又は1であり、そしてRVIは置換及び未置換アルキル基並びに置換及び未置換フェニル基からなる群から選ばれる。各タイミング基の酸素原子は、DIARの各カプラー部分のカプリング離脱位置に結合される。
【0077】
タイミング基又は連結基は非共役鎖に沿う電子移動によっても機能を発揮することもある。連結基は当該技術分野で様々な名称で知られている。ヘミアセタール若しくはイミノケタールの開裂反応を利用できる基又はエステル加水分解による開裂反応を利用できる基(例えば米国特許第4,546,073号明細書)としばしば呼ばれる。非共役鎖に沿うこの電子移動は、典型的には、比較的速い分解をもたらして二酸化炭素、ホルムアルデヒド又は他の低分子量副生成物が生成する。これらの基は欧州特許第464,612号、第523,451号、米国特許第4,146,396号明細書、並びに特開昭60−249148号及び第60−249149号公報に例示されている。
【0078】
本発明に用いるのに好適な現像抑制剤放出カプラーとしては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
【0079】
【化3】
Figure 2004133386
【0080】
【化4】
Figure 2004133386
【0081】
本発明を、Kenneth Mason Publication, Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO101 7DQ, Englandから入手可能なリサーチ・ディスクロージャー, アイテム18716(1979年11月)に記載されているような反射材料を得ることに使用できることも考えられる。本発明において有用な材料は、米国特許第4,917,994号明細書に記載されているようなpH調整された支持体上に;酸素透過性が低い支持体上に(欧州特許第0553339号); エポキシ溶剤を使用して(欧州特許第164961号);ニッケル錯体安定化剤とともに(例えば米国特許第4,346,165号、第4,540,653号及び第4,906,559号明細書に記載);多価カチオン、例えばカルシウムに対する感受性を低減するためのバラスト化されたキレート化剤、例えば米国特許第4,994,359号明細書に記載されているようなものとともに;及び、例えば米国特許第5,068,171号明細書に記載されているようなステイン低減作用のある化合物とともにコートされてもよい。本発明と組み合わせて使用するのに有用な他の化合物は、90−072,629号;90−072,630号;90−072,631号;90−072,632号;90−072,633号;90−072,634号;90−077,822号;90−078,229号;90−078,230号;90−079,336号;90−072,337号;90−079,338号;90−079,690号;90−079,691号;90−080,487号;90−080,489号;90−080,490号;90−080,491号;90−080,492号;90−080,494号;90−085,928号;90−086,669号;90−086,670号;90−087,360号;90−067,361号;90−087,362号;90−087,363号;90−087,364号;90−088,097号;90−093,662号;90−093,663号;90−093,664号;90−093,665号;90−093,666号;90−093,668号;90−094,055号;90−094,056号;90−103,409号、83−62,586号及び83−09,959号のようなアクセス番号を有するダーウェント・アブストラクツ(Derwent Abstracts)に記載されている日本国公開公報に開示されている。
【0082】
本発明を実施する際には常用の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤を使用することができる。そのような乳剤は、リサーチ・ディスクロージャー, アイテム38755,1996年9月, I. Emulsion grains and their preparationに記載されている。
【0083】
本発明でとりわけ有用なものは平板状粒子ハロゲン化銀乳剤である。平板状粒子は二つの平行な主結晶面を有し、少なくとも2のアスペクト比を有するものである。用語「アスペクト比」は、粒子の主面の等価円直径(ECD)をその厚み(t)で割った比である。平板状粒子乳剤は、平板状粒子が全粒子投影面積の少なくとも50%(好ましくは少なくとも70%、最適には少なくとも90%)を占めている乳剤である。好ましい平板状粒子乳剤は、平板状粒子の平均厚が0.3μm未満(好ましくは薄い、すなわち0.2μm未満、非常に好ましくは超薄い、すなわち0.07μm未満)である乳剤である。平板状粒子の主面は、{111}若しくは{100}結晶面に存在することができる。平板状粒子乳剤の平均ECDは、10μmを超えることは稀で、典型的には5μm未満である。
【0084】
最も広範に用いられる形態では、平板状粒子乳剤は高臭化物{111}平板状粒子乳剤である。そのような乳剤は、Kofron等の米国特許第4,439,520号、Wilgus等の米国特許第4,434,226号、Solberg 等の米国特許第4,433,048号、Maskaskyの米国特許第4,435,501号、第4,463,087号及び第4,173,320号、Daubendiek等の米国特許第4,414,310号及び第4,914,014号、Sowinski等の米国特許第4,656,122号、Piggin等の米国特許第5,061,609号及び第5,061,616号、Tsaur 等の米国特許第5,147,771号、第5,147,772号、第5,147,773号、第5,171,659号及び第5,252,453号、Black 等の米国特許第5,219,720号及び第5,334,495号、Deltonの米国特許第5,310,644号、第5,372,927号及び第5,460,934号、Wen の米国特許第5,470,698号、Fenton等の米国特許第5,476,760号、Eshelman等の米国特許第5,612,175号及び第5,614,359号、並びにIrving等の米国特許第5,667,954号に示されている。
【0085】
超薄高臭化物{111}平板状粒子乳剤は、Daubendiek等の米国特許第4,672,027号、第4,693,964号、第5,494,789号、第5,503,971号及び第5,576,168号、Antoniades等の米国特許第5,250,403号、Olm 等の米国特許第5,503,970号、Deaton等の米国特許第5,582,965号、並びにMaskaskyの米国特許第5,667,955号明細書に具体的に示されている。
【0086】
高臭化物{100}平板状粒子乳剤は、Mignotの米国特許第4,386,156号及び第5,386,156号明細書に具体的に記載されている。
【0087】
高塩化物{111}平板状粒子乳剤は、Wey の米国特許第4,399,215号明細書、Wey 等の米国特許第4,414,306号明細書、Maskaskyの米国特許第4,400,463号、第4,713,323号、第5,061,617号、第5,178,997号、第5,183,732号、第5,185,239号、第5,399,478号及び第5,411,852号明細書、並びにMaskasky等の米国特許第5,176,992号及び第5,178,998号明細書に具体的に記載されている。超薄高塩化物{111}平板状粒子乳剤は、Maskaskyの米国特許第5,271,858号及び第5,389,509号明細書に具体的に記載されている。
【0088】
高塩化物{100}平板状粒子乳剤は、Maskaskyの米国特許第5,264,337号、第5,292,632号、第5,275,930号及び第5,399,477号明細書、House 等の米国特許第5,320,938号明細書、Brust 等の米国特許第5,314,798号明細書、Szajewski 等の米国特許第5,356,764号明細書、Chang 等の米国特許第5,413,904号及び第5,663,041号明細書、Oyamada の米国特許第5,593,821号明細書、Yamashita 等の米国特許第5,641,620及び第5,652,088号明細書、Saitou 等の米国特許第5,652,089号明細書並びにOyamada 等の米国特許第5,665,530号明細書に具体的に記載されている。超薄高塩化物{100}平板状粒子乳剤を、House 等及びChang 等の上記引用の明細書の教示に従って、ヨウ化物の存在下での核生成によって調製することができる。
【0089】
乳剤は、表面感光性乳剤、即ち、ハロゲン化銀粒子の主に表面上に潜像を形成する乳剤であっても、あるいは乳剤は、ハロゲン化銀粒子の主に内部に内部潜像を形成できるものであってもよい。乳剤は、ネガ型乳剤、例えば、表面感光性乳剤若しくはカブっていない内部潜像形成乳剤であっても、又は現像を均一露光を用いて行うか核生成剤の存在下で行う場合にポジ型であるカブっていない内部潜像形成型の直接ポジ型乳剤であってもよい。後者のタイプの平板状粒子乳剤は、Evans 等の米国特許第4,504,570号明細書に示されている。
【0090】
写真要素を化学線(典型的にはスペクトルの可視領域内にある)に露光して潜像を形成でき、その後、処理して可視色素像を形成できる。可視色素像を形成する処理は、要素を発色現像主薬と接触させて現像可能なハロゲン化銀を還元し、発色現像主薬を酸化する工程を含む。酸化された発色現像主薬は、次にカプラーと反応して色素を生じる。必要に応じて、リサーチ・ディスクロージャー, XVIIIB(5)に記載されているような「レドックス増幅法」を使用することもできる。
【0091】
「カラーネガ要素」は、ネガ型ハロゲン化銀を利用し、処理によってネガ像を提供する。そのような要素の第1の種類は、画像を観察するようにというよりもむしろネガ型で画像を捕獲するように設計されたカラーネガフィルムである捕獲要素である。そのような要素の第2の種類は、少なくともある意味では、人間が観察可能なポジ画像を提供するように設計された直接観察型要素である。
【0092】
そのような捕獲要素において充分な像を得るには感度(低光条件に対する要素の感度)が通常重要である。そのような要素は一般的に透明支持体上にコートされた臭ヨウ化銀乳剤であり、例えば、British Journal of Photography Annual of 1988, 191−198頁に記載されているようなKodak C−41処理等の公知のカラーネガ処理で処理するように指示した使用説明書を添えて包装された状態で販売されている。カラーネガフィルム要素が、映画用の観察可能な映写プリントを作成するのに引き続いて用いられるものである場合、Eastman Kodak Co. から入手できるH−24マニュアルに記載されているKodak ECN−2 処理等の処理を用いて、透明支持体上にカラーネガ像を提供することができる。カラーネガ現像時間は、一般的に3分15秒以下であり、好ましくは90秒以下、又は60秒以下の場合もある。
【0093】
本発明を実施するのに優れた感光性を有する要素を使用するのが最良である。要素は、少なくとも約ISO 25の感度を有するのが良く、少なくとも約ISO 100の感度を有するのが好ましく、少なくとも約ISO 400の感度を有するのがより好ましい。カラーネガ写真要素のスピード又は感度は、処理後、カブリを超える特定の濃度を得ることを可能にするのに必要な露光量に逆比例する。各色記録におけるガンマが0.65であるカラーネガ要素の写真感度は、the American National Standards Institute (ANSI)によって、ANSI Standard Number pH 2.27−1981(ISO(ASA感度))として具体的に定義されており、カラーフィルムの緑感光性でかつ感度が最低の色記録ユニットの各々において最低濃度を0.15上回る濃度を生成するのに必要な露光量レベルの平均値に特に関連する。この定義は、International Standard Organization(ISO)のフィルム感度の等級に従っている。本発明において、カラーユニットのガンマが0.65異なる場合、ASA又はISO感度は、他の決まった方式で感度を決定する前に、ガンマ対logE(露光量)曲線を0.65の値に、線形的に増加又は減少させることによって計算すべきである。
【0094】
本発明において標準的な写真要素を使用できるが、本発明において最も有用な要素は、直接観察に適する形態というよりもむしろ機械読取可能な形態で画像を捕獲するように設計されたものである。捕獲要素において、感度(低光条件に対する要素の感度)は、通常、そのような要素において十分な画像を得るのに重要である。従って、要素は、ミクロレンズの感度向上後、典型的には、800以上の等価ISO感度、好ましくは1600以上の等価ISO感度、非常に好ましくは3200以上の等価ISO感度を示す。
【0095】
要素は、各色記録で少なくとも3.0logE、好ましくは4.0logE以上、より好ましくは5.0logE以上の寛容度を有する。そのような高い有用な寛容度は、各色記録のガンマが0.70未満、好ましくは0.60未満、より好ましくは0.50未満、非常に好ましくは0.45未満であることを決定づける。さらに、色の相互作用又はインターイメージ効果が好ましいことに最低限に抑えられる。インターイメージ効果の最小化は、マスキングカプラー及びDIR化合物の量を最低限に抑えることにより達成できる。インターイメージ効果は、色分割露光及び写真処理後の特定の色記録のガンマを白色光露光後の同じ色記録のガンマで割った比として定量化できる。各色記録のガンマ比は好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1、非常に好ましくは0.95〜1.05である。そのような走査を可能にする感光性要素の性能の構造的特徴的定量化についてのさらなる詳細は、Sowinskiらの米国特許第6,021,277号明細書及び第6,190,847号に開示されており、これらの開示は引用により本明細書に含まれていることにする。
【0096】
直接観察型写真要素は、(1)写真印画紙プリントのように反射光により、(2)表示用トランスパレンシーのように透過光により、又は(3)カラースライドや映画プリントのように投影により人間が観察するように設計された色像を生じるものと定義される。これらの直接観察型要素は様々な方法で露光し処理することができる。例えば、印画紙プリント、ディスプレイトランスパレンシー及び映画プリントは、画像をカラーネガから直接観察型要素上にデジタルプリント又は光学プリントし、適当なネガ型写真処理により処理してポジのカラー画像を得ることによって通常形成される。要素は、デジタルプリントに関する又はカラーネガ光学プリント法、例えばポジ画像を形成するためのPCT WO87/04534又は米国特許第4,975,357号明細書に概説されているようなKodak RA−4プロセスを使用して処理するよう指示した使用説明書とともに包装された状態で販売される。カラー投影プリントは、例えばH−24マニュアルに記載されているようにKodak ECP−2プロセスに従って処理できる。カラープリントの現像時間は典型的には90秒間以内、望ましくは45秒間以内、より望ましくは30秒以内である。カラースライドも同様に形成されるが、より典型的には、フィルムを直接露光し、反転カラー処理又は直接ポジ処理によりポジカラー画像を得る。画像を、デジタル印刷のような別の方法で得ることもできる。
【0097】
これらのタイプの写真要素の各々は、色素色相について独自の要件を有しているが、一般的には、どれもその吸収帯域の吸収が深色的ではないような(すなわち、スペクトルの赤端部から遠ざかるようにシフトする)シアン色素を必要とする。このため、直接観察型要素における色素は、人が目で見たときに最良の外観を呈するように選ばれ、一方、画像捕獲材料における色素は、プリントプロセスの要件と最良に適合するように設計される。
【0098】
反転要素は、光学プリントせずポジ像を生成することができる。ポジ(反転)像を得るには、発色現像工程の前に非発色現像主薬を用いる現像を行って露光済みハロゲン化銀を現像し(但し、色素を生成させない)、その後、その要素を均一にカブらせて未露光ハロゲン化銀を現像可能にする。そのような反転乳剤は、一般的に、British Journal of Photography Annual(1988, p. 194) に記載されているKodak E−6 処理のようなカラーリバーサル処理を用いて処理するように指示した使用説明書を添えて包装された状態で販売されている。代わりに、直接ポジ乳剤を用いてポジ画像を得ることもできる。
【0099】
上記乳剤は、一般的に、適当な方法、例えば、上述のカラーネガ(Kodak C−41)、カラープリント(Kodak RA−4)若しくは反転(Kodak E−6 )処理を用いて処理するように指示した使用説明書を添えて販売されている。
【0100】
好ましい発色現像主薬は、p−フェニレンジアミン類、例えば:4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−メタンスルホンアミドエチル)アニリンセスキ硫酸塩水和物、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩、4−アミノ−3−(2−メタンスルホンアミドエチル)−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、及び4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸である。
【0101】
現像後、漂白、定着、若しくは漂白−定着(銀若しくはハロゲン化銀を除去する)、洗浄、及び乾燥の通常の工程が続く。
【0102】
さらに、容易な写真仕上げのために設計されたフィルムを使用することによって、迅速かつ便利な写真仕上げを提供する能力が大幅に増進される。ドライプロセスフィルムがそのようなフィルムである。一態様において、ドライプロセスフィルムは、支持体上にバインダー中に組み込まれた現像主薬を有し、非拡散性色素からなる識別可能な機械読取可能な画像を加熱によって形成することのできる感光性ハロゲン化銀フィルムとして特徴づけることができる。別の態様において、ドライプロセスフィルムは、非拡散性色素からなる識別可能な機械読取可能な画像を、処理用溶剤をほとんど又は全く適用せずラミネート層を適用して形成することのできる感光性ハロゲン化銀フィルムとして特徴づけることができる。この場合に、ドライプロセスフィルム又はラミネート層には、現像主薬が組み込まれている。さらに別の態様において、ドライプロセスフィルムは、非拡散性色素からなる識別可能な機械読取可能な画像を一定量の処理用溶剤中の現像主薬の適用によって形成することができる感光性ハロゲン化銀フィルムとして特徴づけられるものであることができる。ドライプロセスフィルム、写真処理及び写真プロセッサーは、当該技術分野で知られている。これらのいずれも有用に使用できる。特に好適なドライプロセスフィルム及び好適な構成要素は、Irvingらの米国特許第6,242,166号明細書、Szajewskiらの米国特許第6,048,110号明細書、Ishikawaらの米国特許第5,756,269号及び第5,858,629号明細書、Ishikawaによる米国特許第6,022,673号明細書、Kikuchiによる米国特許第5,888,704号及び第5,965,332号明細書、Okawaらによる米国特許第5,851,749号明細書、Takeuchiによる米国特許第5,851,745号明細書、Makutaらによる米国特許第5,871,880号明細書、Moritaらによる米国特許第5,874,203号明細書、Asamiらによる米国特許第5,945,264号明細書、Kosugiらによる米国特許第5,976,771号明細書、並びにOhkawaらによる米国特許第6,051,359号明細書に記載されている。
【0103】
本発明のフィルムは、シートとして又はカメラ内への装填を容易にするために巻き軸に巻かれたものとして提供することができる。これは、典型的には、キャストフィルムを細長く切断して適切な幅にし、フィルムを適切な長さに切断し、適切な機械輸送が可能となるようにフィルムにエッジ穿孔(edge−perforating)し、生産過程の一部として機械的、磁気的又は露光の情報マーキングを与え、そしてスプール上にフィルムを巻き取ることによって達成される。スプールは、最低限、フィルムを支持するためのコアを有する。スプールは、他の周知の構造体を有することができる。本発明の写真要素は、「一回使用カメラ」、「レンズ付きフィルム」又は「感光材料パッケージユニット」などの名称で様々に呼ばれている、繰り返して使用することを意図した露光構造体中に又は限定使用を意図した構造体中に組み込むことができる。
【0104】
カメラレンズ、ミクロレンズ及び感光性層についての特定の空間的配置が本発明で要求されるため、像様露光のためのフィルム要素の巻き取りとカメラに装填する方向並びに像様露光済みフィルムを写真処理する際のフィルム要素の巻き取りと装填する方向に注意を払わなくてはならない。本発明に係る一体的感光性ユニットのミクロレンズ、感光性層及び可撓性支持体といった構成要素が、ミクロレンズと支持体の間に感光性層が存在するように配置されている場合(タイプA)に、その一体的な感光性ユニットは、一般的なカメラ、写真処理装置及びスキャナー、光学プリンターなどと十分に適合するようにミクロレンズ側をスプールに対して内側に向けた状態で巻き取り、必要に応じてカートリッジ、カセッテ、あるいは別の手段に組み込むことができる。しかしながら、本発明に係る一体的な感光性ユニットのミクロレンズ、感光性層及び可撓性支持体といった構成要素が、ミクロレンズと感光性層の間に支持体が存在するように配置されている場合(タイプB)に、その一体的な感光性ユニットは、カメラ、写真処理装置及びスキャナーの独特な付随的要件に応じてミクロレンズ側をスプールに対して内側に向けた状態で巻き取るか又はミクロレンズ側をスプールに対して外側に向けた状態で巻き取り、必要に応じてカートリッジ、カセッテ、あるいは別の手段に組み込むことができる。一体的ミクロレンズがスプールに対して内側の方に向いた状態でタイプBの一体的感光性ユニットが巻き取られた場合、巻き取られたユニットを通常の構成のカメラ本体に装填し像様露光することができる。しかしながら、感光性層への写真処理薬剤の容易なアクセスが可能となるとともに、通常の設計の写真処理装置、走査装置又はプリント装置による走査又はプリント時の光学素子及びシーンの方向が適切であるように、一体的フィルムの対面反転(face to face reversal)、すなわち180度ねじれによって、写真処理、走査又は光学プリントが容易になる。代わりに、写真処理、走査又はプリント装置を、これらの反転巻き取りスプールに対応するように設計し直すことができる。一体的ミクロレンズを外側に向けた状態でタイプBの一体的感光性ユニットが巻き取られた場合、巻き取られたユニットを、再構成したカメラ本体に装填し像様露光することができる。カメラ本体は、カメラレンズからの光が感光性層に達する前にミクロレンズに当たるように再構成される。写真処理、走査又は光学プリントは、通常通りに行われる。
【0105】
分割された画像の空間的ピッチよりも粗く分割された画像をサンプリングするには十分でない空間的ピッチで走査を行うことができる。別の態様において、分割された画像の空間的ピッチよりも細かくて分割された画像をサンプリングするには大きすぎる空間的ピッチで走査を行うことができる。さらに別の態様において、分割された画像の空間的ピッチに一致し分割された画像を記録する空間的ピッチで走査を行うことができる。
【0106】
ドット又はドット間領域(inter−dot)からの画像情報の再生に先立って、カラーデータの忠実度を確保するために、走査後に画像データを処理することもできる。欧州特許第1164778号及び欧州特許第1182858号明細書(これらの開示は引用により本明細書に含まれていることにする)に開示されているように、消費者によって選択される外観を取り入れた画像をもたらすように、開示されている信号変換技術をさらに変更することができる。マトリックスとルックアップテーブル(LUT)は有用な画像変換をもたらすことができる。
【0107】
ある変形態様において、スキャナーからのR、G及びB画像保持信号を、1つの基準画像記録装置又は媒体からの画像メトリック(image metric)であって、全ての入力媒体についてのメトリック値が、入力媒体が原シーンを捕獲したのと同じ条件下でその原シーンを捕獲したならば基準装置又は媒体により形成されたであろう三色値に対応する画像メトリックに変換される。別の態様において、基準画像記録媒体を特定のカラーネガフィルムとして選択し、そして中間画像データメトリックとしてその基準フィルムの所定のR’、G’及びB濃度を選択した場合、入力カラーネガフィルムに関し、スキャナーからのR、G及びBの画像保持信号は、カラーネガ記録材料が露光されたのと同じ条件下で露光されたならば基準カラーネガフィルムにより形成されたであろう画像のR’、G’及びB’の濃度値に対応するR’、G’及びB’の濃度値に変換される。そのような走査の結果は、フィルムに捕獲された画像を表すデジタル画像データである。
【0108】
画像が電子形態又はデジタル形態にあっても、画像処理は、上記の特定の操作法に限定されないことは分かるであろう。画像がデジタル形態にある場合、限定するわけではないが、シーンバランスアルゴリズム(処理されたフィルム内の1つ以上の領域の濃度に基づいて濃度とカラーバランスの補正値を決定する);フィルムの露光不足ガンマ又は露光過度ガンマをコンボリューション又はアンシャープマスキングによる鮮鋭化に適応しない又は適応するように調節すること;赤目の低減;及び非適応又は適応粒子抑制等の別の画像操作法を利用できる。さらに、画像を芸術的に処理したり、ズーミングやクロッピングを行ったり、別の画像と組み合わせるなど当該技術分野で公知の操作を行ってもよい。
【0109】
画像を補正し、そして補足的な画像処理及び操作を行ったならば、画像は、遠隔場所に電子的に伝送されるか、又は限定するわけではないが、フィルムレコーダー、プリンター、サーマルプリンター、電子写真プリンター、インクジェットプリンター、ディスプレイ、CD又はDVDディスク、磁気電子信号記憶ディスク、並びに当該技術分野で公知の他のタイプの記憶装置と表示装置等の各種の出力装置で現場で書きこまれる。デジタル操作に加え、画像の物理的特性、例えば「窓かけ(windowing)」及び「レベリング(leveling)」又は当該技術分野で知られている他の操作法を変えるために、デジタル画像を使用できる。さらに、出力画像保持信号を基準出力装置に適合させることも、出力画像保持信号は装置に固有のコード値の形態にあっても、又は出力画像保持信号は装置に固有のコード値となるようにさらなる調節を必要とする場合がある。そのような調節は、特定の装置を使用して出力画像保持信号を伝送、記憶、プリント又は表示する工程のいずれかに適する出力画像保持信号を適切に生成させるために、さらなるマトリックス変換若しくはルックアップテーブル変換又はそのような変換の組み合わせにより達成できる。
【0110】
本明細書で引用した特許文献及び他の刊行物の全内容は、引用により本明細書に含まれていることにする。
【0111】
本発明の態様には、前記要素の投影面積に対する前記ミクロビーズの投影面積の比が少なくとも0.05又は少なくとも0.80である要素と、ミクロレンズのf値に対するカメラレンズのf値の比が1.4を超える要素を有するカメラ組み合わせ(camera combinatio)が含まれる。
【0112】
本発明のさらなる態様を、特許請求の範囲に記載の態様とともに以下に示す。
[態様1]  支持体と、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、ミクロビーズを含むミクロビーズ層とを含んで成り、前記ミクロビーズ層中のバインダーの量が、前記ミクロビーズがバインダーによって完全に取り囲まれないことにより前記ミクロビーズがミクロレンズとして機能することができるような量である感光性要素。
[態様2] 前記ミクロビーズ層が前記要素の最外層である上記態様1記載の要素。
[態様3] 前記ミクロビーズ層が、前記感光性ハロゲン化銀層に対して前記支持体の反対側に位置する上記態様1記載の要素。
[態様4] 前記ミクロビーズ層が、前記感光性ハロゲン化銀層に対して前記支持体と同じ側に位置する上記態様1記載の要素。
[態様5] 前記ミクロレンズを構成する材料が、前記ミクロレンズが写真処理によって変化しないように選ばれる上記態様1記載の要素。
[態様6] 前記ミクロレンズを構成する材料が、前記ミクロレンズが写真処理により変化するように選ばれる上記態様1記載の要素。
[態様7] 前記バインダーの屈折率に対する前記ミクロレンズの屈折率の比が0.9〜1.1である上記態様1記載の要素。
[態様8] 前記要素の投影面積に対する前記ミクロビーズの投影面積の比が少なくとも0.20である上記態様1記載の要素。
[態様9] 前記ミクロビーズが、前記ミクロビーズを有しない同じ要素と比較して少なくとも0.15logEの感度の増加を可能にする上記態様1記載の写真要素。
[態様10] 上記態様1に記載の要素を予め装填したカメラ。
[態様11] カメラと画像捕獲後に機械で読み取って単一視点(single perspective)二次元カラー画像を生成するのに好適な感光性写真要素の組み合わせであって、
(A)単一画像視点(single image perspective)を捕獲するためのレンズシステムを有するカメラと、
(B)上記態様1記載の写真要素、
を含んで成る組み合わせ。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、カメラ内でのミクロレンズ写真要素の露光を示す。
【図2】図2は、ミクロビーズが形成するミクロレンズを示す。
【図3】図3は、ミクロビーズが形成するミクロレンズのさらなる例を示す。
【図4】図4は、支持体上に配置された層中のミクロビーズが形成するミクロレンズを示す。感光性ハロゲン化銀層は支持体に対して反対側に配置されている。
【図5】図5は、支持体上に配置されたミクロビーズが形成するミクロレンズを示す。感光性ハロゲン化銀層は支持体に対して同じ側に配置されている。

Claims (7)

  1. 支持体と、少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、ミクロビーズを含むミクロビーズ層とを含んで成り、前記ミクロビーズ層中のバインダーの量が、前記ミクロビーズがバインダーによって完全に包み込まれないことにより前記ミクロビーズがミクロレンズとして機能することができるような量である感光性要素。
  2. 前記ミクロビーズ層が、前記感光性ハロゲン化銀層に対して前記支持体の反対側に位置する請求項1記載の要素。
  3. 前記ミクロビーズ層が、前記感光性ハロゲン化銀層に対して前記支持体と同じ側に位置する請求項1記載の要素。
  4. 前記ミクロレンズを構成する材料が、当該レンズが写真処理により変化するように選ばれる請求項1記載の要素。
  5. 前記要素の投影面積に対する前記ミクロビーズの投影面積の比が少なくとも0.20である請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素。
  6. 前記支持体の厚さに対する前記ビーズの直径の比が0.8〜1.2である請求項1〜5のいずれか一項に記載の要素。
  7. カメラと画像捕獲後に機械で読み取って単一視点二次元カラー画像を生成するのに好適な感光性写真要素の組み合わせであって、
    (A)単一画像視点を捕獲するためのレンズシステムを有するカメラと、
    (B)請求項1〜6のいずれか一項に記載の写真要素、
    を含んで成る組み合わせ。
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