JP2004132777A - 車両衝突試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両対車両の衝突試験において、被試験車両の各走行速度を互いに異なった速度に設定することが可能な車両衝突試験装置を提供する。
【解決手段】走行路のロープ溝には、被試験対象の車両7,8をそれぞれ牽引するために使用されるエンドレス方式のワイヤーロープ1A,1Bが敷設されている。走行路の一方端には、車両7,8が対向する方向に牽引されるようにワイヤーロープ1A,1Bを駆動する牽引ウィンチ装置が配置される。走行路の他方端には、ワイヤーロープ1A,1Bの走行方向をそれぞれ逆転させるためのリターンシーブ4A,4Bが配置される。これにより、走行路上の車両7車両8とを異なった速度で牽引して正面から衝突させる。
【選択図】 図1
【解決手段】走行路のロープ溝には、被試験対象の車両7,8をそれぞれ牽引するために使用されるエンドレス方式のワイヤーロープ1A,1Bが敷設されている。走行路の一方端には、車両7,8が対向する方向に牽引されるようにワイヤーロープ1A,1Bを駆動する牽引ウィンチ装置が配置される。走行路の他方端には、ワイヤーロープ1A,1Bの走行方向をそれぞれ逆転させるためのリターンシーブ4A,4Bが配置される。これにより、走行路上の車両7車両8とを異なった速度で牽引して正面から衝突させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両をワイヤーロープを閉ループとして所定の走行路を牽引して衝突試験を行うための車両衝突試験装置に関し、より詳細には、車両対車両の衝突試験のために、エンドレス方式のワイヤーロープにより車両を試験場内で牽引する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来のエンドレスワイヤーロープ方式牽引装置を利用した車両対車両の衝突試験装置の構成を示す。図示しない走行路のロープ溝にはエンドレス方式のワイヤーロープ1が敷設され、このワイヤーロープ1で形成される閉ループ2の一方端側(図で右方)には牽引ウィンチ装置3が設けられる。この牽引ウィンチ装置3は、ワイヤーロープ1を駆動するドラム31と、このドラム31を駆動するモータ33を有する。
【0003】
また、閉ループ2の他方端側には公知のリターンシーブ4が設けられ、ワイヤーロープ1の走行方向を反牽引方向から牽引方向に逆転させる。ワイヤーロープ1で形成される閉ループ2の往路(反牽引工程部)と復路(牽引工程部)には、ロープ溝に案内されて走行するようにドーリー1aおよびドーリー1bが取り付けられ、これらドーリーに被試験対象の車両7,8が連結される。
【0004】
衝突試験を行う場合、モータ33によりドラム31を回転駆動し、このドラム31でワイヤーロープ1を駆動する。これにより、ドーリー1aとドーリー1bとが互いに逆方向に走行を開始し、車両7と車両8を互いに対向する方向に牽引する。そして、車両が所定位置に到達すると、各車両をドーリーから切り離して惰性で走行させ、これら車両同士を衝突させる(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3031065号明細書(第3頁の段落番号0007、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術によれば、1本のワイヤーロープ1により2台の車両7,8を牽引しているので、これら車両の走行速度の大きさが同一となり、各車両を互いに異なった速度で衝突させることができないという問題がある。本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車両対車両の衝突試験において、被試験車両の各走行速度を互いに異なった速度に設定することが可能な車両衝突試験装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本願発明は以下の構成を有する。
即ち、請求項1に記載された発明は、所定の走行路上の第1の車両と第2の車両とを前記走行路に沿って牽引して衝突させる車両衝突試験装置であって、前記走行路に沿って敷設され、前記第1および第2の車両をそれぞれ牽引するために使用されるエンドレス方式の第1および第2のワイヤーロープ(例えば後述するワイヤーロープ1A,1Bに相当する構成要素)と、前記走行路の一方端に配置され、前記第1および第2の車両が対向する方向に牽引されるように前記第1および第2のワイヤーロープを駆動する牽引ウィンチ装置(例えば後述する牽引ウィンチ装置30に相当する構成要素)と、前記走行路の他方端に配置され、前記第1および第2のワイヤーロープの走行方向をそれぞれ逆転させる第1及び第2のリターンシーブ(例えば後述するリターンシーブ4A,4Bに相当する構成要素)と、を備えて構成される。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された車両衝突試験装置において、前記牽引ウィンチ装置が、前記第1および第2のワイヤーロープをそれぞれ異なる速度で駆動するように構成されたことを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された車両衝突試験装置において、前記牽引ウィンチ装置が、前記第1および第2のワイヤーロープをそれぞれ駆動するための第1および第2のドラム(例えば後述するドラム31A,31Bに相当する構成要素)と、前記第1および第2のドラムを駆動するためのモータ(例えば後述するモータ33に相当する構成要素)と、前記モータの回転力を異なる減速比で前記第1および第2のドラムにそれぞれ伝達する変速機構(例えば後述する減速機構32に相当する構成要素)と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるエンドレスワイヤーロープ方式牽引装置を利用した車両衝突試験装置の一実施形態を示し、図2に示した部材と共通する部材には同一符号を付す。この車両衝突試験装置は、車両対車両の衝突試験において、所定の走行路上の2台の車両を牽引して走行させ、これら車両同士を衝突させるために使用されるものであり、以下に説明するように、2台の車両を互いに異なる速度で牽引可能なように構成される。
【0010】
図1において、被試験対象の車両7,8の走行路(所定の走行路)には平行状に2本のロープ溝(図示なし)が形成され、これらロープ溝には車両7,8をそれぞれ牽引するために使用されるエンドレス方式のワイヤーロープ1A,1Bがそれぞれ敷設される。即ち、ワイヤーロープ1A,1Bは走行路に沿って敷設されている。走行路の一方端側(図で右方)には、牽引ウィンチ装置30が設けられる。この牽引ウィンチ装置30は、ドラム31A,31B、減速機構32、モータ33を有し、モータ33の出力軸が減速機構32を介してドラム31A,31Bの回転軸に連結されている。
【0011】
減速機構32は、モータ33の回転力を減速してドラム31A,31Bに伝達するものであり、ドラム31A,31Bのそれぞれに対して異なった減速比(ギヤ比)を設定することが可能となっており、これにより1台のモータ33で共に駆動されるドラム31A,31Bの各回転数に差を設けている。また、各ドラムに対する減速比は個別に切り替え可能となっており、ドラム31Aに対する減速比とドラム31Bに対する減速比との組み合わせを選択することにより、各ドラムの回転数の比を変更することが可能となっている。
【0012】
また、走行路の他方端には、公知のリターンシーブ4A,4Bが配置され、ワイヤーロープ1A,1Bの各走行方向を反牽引方向から牽引方向にそれぞれ逆転させる。ワイヤーロープ1Aで形成される閉ループ2Aの往路(反牽引工程部)には、走行路の形成された2本のロープ溝の一方に案内されて走行するようにドーリー1AAが取り付けられており、ワイヤーロープ1Bで形成される閉ループ2Bの復路(牽引工程部)には、他方のロープ溝に案内されて走行するようにドーリー1BBが取り付けられる。ドーリー1AAには被試験対象の車両8が連結され、ドーリー1BBには車両7が連結される。初期状態では、車両7は図1の左手に位置し、車両8は右手に位置している。
【0013】
衝突試験を行う場合、モータ33により減速機構32を介してドラム31を回転駆動する。このとき、モータ33の回転力が異なる減速比でドラム31A,31Bに伝達され、この減速比の相違に基づきドラム31A,31Bの回転数に差が生じ、各ドラムがワイヤーロープ1A,1Bを互いに異なる速度で駆動する。各ドラムの回転方向は、ドーリー1AAが反牽引方向(図1左方向)に移動し、ドーリー1BBが牽引方向(図1右方向)に移動するように予め設定される。
【0014】
これにより、ドーリー1AAとドーリー1BBとが互いに逆方向に走行し、これらドーリーに連結された車両7および車両8が互いに対向する方向にそれぞれ牽引される。このときの各車両の速度v7,v8は、モータ33の回転数と減速機構32の減速比とで決定される。そして、各車両が所定位置に到達すると、各車両をドーリーから切り離して惰性で走行させ、走行路の中程で互いに正面から衝突させる。以上により、異速度での車両対車両の衝突試験が行われる。
【0015】
上述した実施の形態によれば、車両対車両の衝突試験において、1台のモータ33を動力源として被試験対象の2台の車両7,8を異なった速度で衝突させるいわゆる異速度衝突試験が可能になる。また、動力源として1台のモータ33があれば足りるので、装置構成を簡略化することが可能になる。しかも、減速機構32を用いて1台のモータ33の回転力を2つのドラム31A,31Bに機械的に伝達しているので、各ドラムの回転数の比を一定に保つことが可能になり、各車両の相対的な速度関係(速度比)を一定に維持することが可能になる。さらに、エンドレス方式の閉ループのワイヤーロープを用いているので、開ループのワイヤーロープを採用した場合に比較して、試験の都度、ワイヤーロープを走行路のロープ溝に敷設し直す必要がなくなる。
【0016】
上述した実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述の実施の形態では、ワイヤーロープ1Aとワイヤーロープ1Bとを平行状に敷設し、車両7,8を正面がら衝突させるものとしたが、これらワイヤーロープの敷設方向に一定の角度を設け、各車両を一定の角度をもって衝突させるように構成することも可能である。
【0017】
また、上述の実施の形態では、減速機構32により各ドラムに対する減速比を設定するものとしたが、例えばドラム31Aとドラム31Bの径の大きさに差を設けることにより減速比を設定することも可能である。この場合、ドラム31A,31Bが減速機構を兼ねることになる。また、上述の実施の形態では、ドラム31A,31Bの回転方向により牽引方向を設定し得るものとしたが、各ドラムの回転方向を一定とし、ドーリー1AA,1BBの取り付け位置をワイヤーロープの往路または復路に変更することによって牽引方向を設定するようにしてもよい。さらに、必要であれば、ワイヤーロープ1A,1Bのゆるみを防止するための公知の張力制御装置を付加してもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被試験対象の各車両を牽引するために使用されるエンドレス方式の2本のワイヤーロープをそれぞれ駆動するようにしたので、車両対車両の衝突試験において、被試験対象の2台の車両の各走行速度を互いに異なった速度に設定することが可能となり、いわゆる異速度衝突試験が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両衝突試験装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】従来技術に係る車両衝突試験装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B;ワイヤーロープ、1AA,1BB;ドーリー、2A,2B;閉ループ、4A,4B;リターンシーブ、7,8;車両、30;牽引ウィンチ装置、31A,31B;ドラム、32;減速機構、33;モータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両をワイヤーロープを閉ループとして所定の走行路を牽引して衝突試験を行うための車両衝突試験装置に関し、より詳細には、車両対車両の衝突試験のために、エンドレス方式のワイヤーロープにより車両を試験場内で牽引する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来のエンドレスワイヤーロープ方式牽引装置を利用した車両対車両の衝突試験装置の構成を示す。図示しない走行路のロープ溝にはエンドレス方式のワイヤーロープ1が敷設され、このワイヤーロープ1で形成される閉ループ2の一方端側(図で右方)には牽引ウィンチ装置3が設けられる。この牽引ウィンチ装置3は、ワイヤーロープ1を駆動するドラム31と、このドラム31を駆動するモータ33を有する。
【0003】
また、閉ループ2の他方端側には公知のリターンシーブ4が設けられ、ワイヤーロープ1の走行方向を反牽引方向から牽引方向に逆転させる。ワイヤーロープ1で形成される閉ループ2の往路(反牽引工程部)と復路(牽引工程部)には、ロープ溝に案内されて走行するようにドーリー1aおよびドーリー1bが取り付けられ、これらドーリーに被試験対象の車両7,8が連結される。
【0004】
衝突試験を行う場合、モータ33によりドラム31を回転駆動し、このドラム31でワイヤーロープ1を駆動する。これにより、ドーリー1aとドーリー1bとが互いに逆方向に走行を開始し、車両7と車両8を互いに対向する方向に牽引する。そして、車両が所定位置に到達すると、各車両をドーリーから切り離して惰性で走行させ、これら車両同士を衝突させる(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3031065号明細書(第3頁の段落番号0007、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術によれば、1本のワイヤーロープ1により2台の車両7,8を牽引しているので、これら車両の走行速度の大きさが同一となり、各車両を互いに異なった速度で衝突させることができないという問題がある。本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車両対車両の衝突試験において、被試験車両の各走行速度を互いに異なった速度に設定することが可能な車両衝突試験装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本願発明は以下の構成を有する。
即ち、請求項1に記載された発明は、所定の走行路上の第1の車両と第2の車両とを前記走行路に沿って牽引して衝突させる車両衝突試験装置であって、前記走行路に沿って敷設され、前記第1および第2の車両をそれぞれ牽引するために使用されるエンドレス方式の第1および第2のワイヤーロープ(例えば後述するワイヤーロープ1A,1Bに相当する構成要素)と、前記走行路の一方端に配置され、前記第1および第2の車両が対向する方向に牽引されるように前記第1および第2のワイヤーロープを駆動する牽引ウィンチ装置(例えば後述する牽引ウィンチ装置30に相当する構成要素)と、前記走行路の他方端に配置され、前記第1および第2のワイヤーロープの走行方向をそれぞれ逆転させる第1及び第2のリターンシーブ(例えば後述するリターンシーブ4A,4Bに相当する構成要素)と、を備えて構成される。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された車両衝突試験装置において、前記牽引ウィンチ装置が、前記第1および第2のワイヤーロープをそれぞれ異なる速度で駆動するように構成されたことを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された車両衝突試験装置において、前記牽引ウィンチ装置が、前記第1および第2のワイヤーロープをそれぞれ駆動するための第1および第2のドラム(例えば後述するドラム31A,31Bに相当する構成要素)と、前記第1および第2のドラムを駆動するためのモータ(例えば後述するモータ33に相当する構成要素)と、前記モータの回転力を異なる減速比で前記第1および第2のドラムにそれぞれ伝達する変速機構(例えば後述する減速機構32に相当する構成要素)と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるエンドレスワイヤーロープ方式牽引装置を利用した車両衝突試験装置の一実施形態を示し、図2に示した部材と共通する部材には同一符号を付す。この車両衝突試験装置は、車両対車両の衝突試験において、所定の走行路上の2台の車両を牽引して走行させ、これら車両同士を衝突させるために使用されるものであり、以下に説明するように、2台の車両を互いに異なる速度で牽引可能なように構成される。
【0010】
図1において、被試験対象の車両7,8の走行路(所定の走行路)には平行状に2本のロープ溝(図示なし)が形成され、これらロープ溝には車両7,8をそれぞれ牽引するために使用されるエンドレス方式のワイヤーロープ1A,1Bがそれぞれ敷設される。即ち、ワイヤーロープ1A,1Bは走行路に沿って敷設されている。走行路の一方端側(図で右方)には、牽引ウィンチ装置30が設けられる。この牽引ウィンチ装置30は、ドラム31A,31B、減速機構32、モータ33を有し、モータ33の出力軸が減速機構32を介してドラム31A,31Bの回転軸に連結されている。
【0011】
減速機構32は、モータ33の回転力を減速してドラム31A,31Bに伝達するものであり、ドラム31A,31Bのそれぞれに対して異なった減速比(ギヤ比)を設定することが可能となっており、これにより1台のモータ33で共に駆動されるドラム31A,31Bの各回転数に差を設けている。また、各ドラムに対する減速比は個別に切り替え可能となっており、ドラム31Aに対する減速比とドラム31Bに対する減速比との組み合わせを選択することにより、各ドラムの回転数の比を変更することが可能となっている。
【0012】
また、走行路の他方端には、公知のリターンシーブ4A,4Bが配置され、ワイヤーロープ1A,1Bの各走行方向を反牽引方向から牽引方向にそれぞれ逆転させる。ワイヤーロープ1Aで形成される閉ループ2Aの往路(反牽引工程部)には、走行路の形成された2本のロープ溝の一方に案内されて走行するようにドーリー1AAが取り付けられており、ワイヤーロープ1Bで形成される閉ループ2Bの復路(牽引工程部)には、他方のロープ溝に案内されて走行するようにドーリー1BBが取り付けられる。ドーリー1AAには被試験対象の車両8が連結され、ドーリー1BBには車両7が連結される。初期状態では、車両7は図1の左手に位置し、車両8は右手に位置している。
【0013】
衝突試験を行う場合、モータ33により減速機構32を介してドラム31を回転駆動する。このとき、モータ33の回転力が異なる減速比でドラム31A,31Bに伝達され、この減速比の相違に基づきドラム31A,31Bの回転数に差が生じ、各ドラムがワイヤーロープ1A,1Bを互いに異なる速度で駆動する。各ドラムの回転方向は、ドーリー1AAが反牽引方向(図1左方向)に移動し、ドーリー1BBが牽引方向(図1右方向)に移動するように予め設定される。
【0014】
これにより、ドーリー1AAとドーリー1BBとが互いに逆方向に走行し、これらドーリーに連結された車両7および車両8が互いに対向する方向にそれぞれ牽引される。このときの各車両の速度v7,v8は、モータ33の回転数と減速機構32の減速比とで決定される。そして、各車両が所定位置に到達すると、各車両をドーリーから切り離して惰性で走行させ、走行路の中程で互いに正面から衝突させる。以上により、異速度での車両対車両の衝突試験が行われる。
【0015】
上述した実施の形態によれば、車両対車両の衝突試験において、1台のモータ33を動力源として被試験対象の2台の車両7,8を異なった速度で衝突させるいわゆる異速度衝突試験が可能になる。また、動力源として1台のモータ33があれば足りるので、装置構成を簡略化することが可能になる。しかも、減速機構32を用いて1台のモータ33の回転力を2つのドラム31A,31Bに機械的に伝達しているので、各ドラムの回転数の比を一定に保つことが可能になり、各車両の相対的な速度関係(速度比)を一定に維持することが可能になる。さらに、エンドレス方式の閉ループのワイヤーロープを用いているので、開ループのワイヤーロープを採用した場合に比較して、試験の都度、ワイヤーロープを走行路のロープ溝に敷設し直す必要がなくなる。
【0016】
上述した実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述の実施の形態では、ワイヤーロープ1Aとワイヤーロープ1Bとを平行状に敷設し、車両7,8を正面がら衝突させるものとしたが、これらワイヤーロープの敷設方向に一定の角度を設け、各車両を一定の角度をもって衝突させるように構成することも可能である。
【0017】
また、上述の実施の形態では、減速機構32により各ドラムに対する減速比を設定するものとしたが、例えばドラム31Aとドラム31Bの径の大きさに差を設けることにより減速比を設定することも可能である。この場合、ドラム31A,31Bが減速機構を兼ねることになる。また、上述の実施の形態では、ドラム31A,31Bの回転方向により牽引方向を設定し得るものとしたが、各ドラムの回転方向を一定とし、ドーリー1AA,1BBの取り付け位置をワイヤーロープの往路または復路に変更することによって牽引方向を設定するようにしてもよい。さらに、必要であれば、ワイヤーロープ1A,1Bのゆるみを防止するための公知の張力制御装置を付加してもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被試験対象の各車両を牽引するために使用されるエンドレス方式の2本のワイヤーロープをそれぞれ駆動するようにしたので、車両対車両の衝突試験において、被試験対象の2台の車両の各走行速度を互いに異なった速度に設定することが可能となり、いわゆる異速度衝突試験が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両衝突試験装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】従来技術に係る車両衝突試験装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B;ワイヤーロープ、1AA,1BB;ドーリー、2A,2B;閉ループ、4A,4B;リターンシーブ、7,8;車両、30;牽引ウィンチ装置、31A,31B;ドラム、32;減速機構、33;モータ。
Claims (3)
- 所定の走行路上の第1の車両と第2の車両とを牽引して衝突させる車両衝突試験装置であって、
前記走行路に沿って敷設され、前記第1および第2の車両をそれぞれ牽引するために使用されるエンドレス方式の第1および第2のワイヤーロープと、
前記走行路の一方端に配置され、前記第1および第2の車両が対向する方向に牽引されるように前記第1および第2のワイヤーロープを駆動する牽引ウィンチ装置と、
前記走行路の他方端に配置され、前記第1および第2のワイヤーロープの走行方向をそれぞれ逆転させる第1及び第2のリターンシーブと、
を備えた車両衝突試験装置。 - 前記牽引ウィンチ装置が、
前記第1および第2のワイヤーロープをそれぞれ異なる速度で駆動するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載された車両衝突試験装置。 - 前記牽引ウィンチ装置が、
前記第1および第2のワイヤーロープをそれぞれ駆動するための第1および第2のドラムと、
前記第1および第2のドラムを駆動するためのモータと、
前記モータの回転力を異なる減速比で前記第1および第2のドラムにそれぞれ伝達する変速機構と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載された車両衝突試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002296277A JP2004132777A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 車両衝突試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002296277A JP2004132777A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 車両衝突試験装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004132777A true JP2004132777A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32286308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002296277A Pending JP2004132777A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 車両衝突試験装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004132777A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102645313A (zh) * | 2011-12-31 | 2012-08-22 | 浙江吉利汽车研究院有限公司 | 碰撞试验中的试验车防翻装置 |
US10401260B2 (en) | 2017-04-20 | 2019-09-03 | Ford Global Technologies, Llc | Frontal offset impact test system and method |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002296277A patent/JP2004132777A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102645313A (zh) * | 2011-12-31 | 2012-08-22 | 浙江吉利汽车研究院有限公司 | 碰撞试验中的试验车防翻装置 |
US10401260B2 (en) | 2017-04-20 | 2019-09-03 | Ford Global Technologies, Llc | Frontal offset impact test system and method |
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