JP2004130699A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Kazuo Oyama
大山 一夫
Masakatsu Iwata
岩田 正勝
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Abstract

【目的】記録に際して発生する微小インクミストによる装置内の汚れや装置の動作不良を防ぐことができるインクジェット記録装置を提供すること。
【構成】記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドを搭載して往復走査可能なキャリッジと、該キャリッジの走査方向前面にキャリッジと一体的に往復走査される空気流路形成部材を設け、該空気流路形成部材の空気流路を走査方向に対して交わる方向に形成する。ここで、キャリッジの走査方向前面に位置する空気流路形成部材を通過した空気流は、キャリッジの走査方向に対して直交する面での流れの方向が少なくとも記録媒体と交わる方向になるように、空気流路形成部材の空気流路を形成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に関し、特に記録に際して発生する微小インクミストによる装置内の汚れや装置の動作不良を防止できるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、インク滴を記録ヘッドから記録紙に吐出することで記録を行っているが、記録ヘッドからインクを吐出する際にインク滴の後方に発生する細かい霧状のインクミストやインク滴を重ね打ちする際の着弾の衝撃でインクが霧状に飛散する跳ね返りによるインクミストが発生する場合がある。
【0003】
これらのインクミストが装置内に付着すると、使用者がカバーを開けて操作する際に手がインクで汚れるだけでなく、装置機構部に付着することにより動作不良を発生することがある。例えば、記録ヘッドを搭載して往復走査を行うキャリッジの摺動部に付着すると、走査時の負荷が変化し精度良く走査できなくなる恐れがある。又、キャリッジの位置制御にエンコーダを用いている場合、光学式ならばエンコーダフィルムやセンサ部にミストが付着することで読取りエラーが発生したり、磁気式ではセンサ部での摺動負荷が増加してエンコーダが引っ張られ、動作不良が発生する恐れがある。
【0004】
従来、このようなインクミストによる弊害を防止するために、一部のインクジェット記録装置においては、インクミストを含んだ空気を収集するための空気吸引装置や空気吸引装置に向けた空気流を発生させるための送風装置を設けたものが、特開平11−138778号等で提案されている。
【0005】
ところが、このような空気吸引装置を用いる場合は、装置が大型化するとともに排気音や排気流が発生するため、小型化やパーソナル向けの装置としては不向きな機構であった。そこで、特開2001−113706号には装置の小型化が可能で、より簡易な方式として、記録ヘッドを搭載して往復動作を行うキャリッジの走査方向前面にインク吸収部材を設けたインクジェット記録装置が紹介されている。このような装置の例を図10を用いて説明する。
【0006】
図10において、記録ヘッド101はキャリッジ102に着脱自在に搭載されており、キャリッジ102はキャリッジモータ103によりタイミングベルト104を介して駆動されるもので、ガイド軸105とガイドレール106に支持されて、プラテン107上を矢印k方向に往復走査する。
【0007】
又、記録シートSは搬送ローラ108とこれに圧接されたピンチローラ109によりプラテン107上に搬送され、記録の終了した記録シートは、記録ヘッド101の搬送方向下流に位置した排紙ローラ110と、これに圧接された拍車111によって矢印m方向へと排紙される。一方、キャリッジ102の側面には、インク吸収部材112が接着剤等により取り付けられている。
【0008】
このような構成において、記録シートSに対して記録を行った際に発生し、装置内に浮遊しているインクミストは、キャリッジ102の往復走査によりインク吸収体112に付着し吸収される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来例では、インク吸収体に接触したインクミストについては吸収することができるが、大半のインクミストを含有した空気はキャリッジ又はインク吸収部材という壁の移動により拡散されてしまう。そして、拡散されたインクミスト一部は、装置内の部材や記録シート表面に接触して付着したり、僅かな隙間の排紙口から装置外部に放出されたりするが、大半は記録装置の記録動作により装置内で拡散され続け、記録終了後に降り積もるようにして徐々に装置内に付着する。
【0010】
従って、確かにインク吸収体によってインクミストを収集してはいるものの、目的を十分に達成していると言い難い状況であった。その結果、使用者がカバーを開けて操作する際に手がインクで汚れる問題や装置機構部に付着することにより動作不良が発生する問題は完全には解決できていなかった。
【0011】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、記録に際して発生する微小インクミストによる装置内の汚れや装置の動作不良を防ぐことができるインクジェット記録装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載して往復走査可能なキャリッジと、キャリッジの走査方向前面にキャリッジと一体的に往復走査される空気流路形成部材を設け、該空気流路形成部材の空気流路が走査方向に対して交わる方向に形成されている。
【0013】
又、第2発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載して往復走査可能なキャリッジと、キャリッジの走査方向前面にキャリッジと一体的に往復走査される空気流路形成部材を設け、該空気流路形成部材の空気流路が走査方向に対して交わる方向に形成され、且つ、該空気流路形成部材内においても流路方向が変化するように形成されている。
【0014】
このような構成によれば、インクミストを含有した空気流はキャリッジの走査方向に対して交わる方向に形成された流路形成面に接触し、インクミストの一部が流路形成面に付着する。そして、付着し切れなかったインクミストを含有した空気流は、流路形成部材を通過することで、拡散されることなく流路方向への流れとなる。更には、この流路方向を記録シートと交わる方向に形成することにより、流路形成部材を通過したインクミストを記録シート表面に付着させることが可能となる。
【0015】
又、流路方向を記録シートと交わる方向で、且つ、キャリッジの走査位置を制御するためのエンコーダ及びコードストリップの取付位置に対して反対方向とすることにより、装置の耐久性をより高めることができる。
【0016】
更に、キャリッジの走査方向前面に位置する空気流路形成部材の走査方向下流に少なくとも空気流路形成部材と密着していない箇所を有するようにインク吸収体を配置することで、空気流路を通過したインクミストをインク吸収体でも吸収すること可能となり、記録シートまで達するインクミストを減少させることが可能となる。
【0017】
又、流路形成部材自体をインクを吸収することが可能な部材で形成することにより、流路形成部材にインクミストが堆積し、記録シートに落下する等の二次的な弊害を防止することが可能となる。
【0018】
更に、流路形成部材を吸収体で構成することなく、流路形成部材の重力方向下部にインク吸収体を配置することによっても同様の効果を得ることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係るインクジェット記録装置の全体構成を表す斜視図、図2は図1におけるA矢視図、図3は図2のB−B断面図である。
【0021】
図1において、給紙トレイ1にセットされた記録シートSは、不図示のピックアップローラで1枚ずつ分離され、搬送ローラ2aとピンチローラ2bから成る搬送ローラ対2のニップ位置まで搬送されて斜行等が矯正される。その後、記録シートSは、搬送ローラ対2によってプラテン3上へと搬送される。ここで、ピンチローラ2bは、ピンチローラホルダ2cに回転自在に支持され、ピンチローラばね2dにより搬送ローラ2aに圧接されることで、搬送ローラ2aの回転に従動回転するものである。
【0022】
又、記録ヘッド4の搬送方向下流には排紙ローラ5aと、拍車5bなる排紙ローラ対5が設けられており、記録の終了した記録シートSを不図示の排紙トレイへと排出する。ここで、拍車5bはねじりコイルばねで構成された拍車ばね5cに回転自在に軸支されるとともに、排紙ローラ5aに圧接されており、排紙ローラ5aの回転に従動回転するものである。
【0023】
一方、記録ヘッド4はキャリッジ6に搭載されており、キャリッジ6は、不図示のキャリッジモータによりタイミングベルト7を介して駆動されるもので、ガイド軸8と支持レール9に支持されてプラテン3上を往復走査する。又、キャリッジ6の動作はキャリッジ6に搭載された不図示のエンコーダとコードストリップ10により制御されており、記録ヘッド4は、エンコーダからの信号によって記録シートSの所定の位置にインク液滴を吐出することによって記録を行っている。
【0024】
又、キャリッジ6には走査方向前面、即ち両側面に空気流路形成部材6a,6bが一体的に設けられている。空気流路形成部材6a,6bの空気流路は、キャリッジ6の走査方向前面に位置する空気流路形成部材を通過した空気流が記録シートS方向に向かうように形成されている。
【0025】
ここで、図2と図3を用いて空気流路構成部材6a,6bの構成とキャリッジ6が空気流路形成部材6a方向(矢印a方向)に走査する際の空気の流れについて説明する。
【0026】
空気流路形成部材6aは、図3に示すように、図中の左下に傾斜した流路面6cが複数形成されており、キャリッジ6が矢印a方向に移動すると、キャリッジ6の進行方向にあった空気は流路形成面6cに衝突し矢印c方向の流れとなり、一部は直接記録シートSに衝突し、その他の空気流はキャリッジの側面6eに衝突した後、矢印d方向の流れとなって記録シートSに衝突する。
【0027】
一方、キャリッジ6が空気流路形成部材6b方向(矢印b方向)に走査する際は、同様にキャリッジ進行方向にあった空気は流路形成面6dに衝突し、矢印e方向の流れとなり、その一部は直接記録シートSに衝突し、その他の空気流はキャリッジの側面6fに衝突した後、矢印f方向の流れとなって記録シートSに衝突する。
【0028】
以上のような構成において、記録が行われた際のインクミストの挙動を図4の(a),(b)を用いて説明する。
【0029】
先ず、図4(a)を用いてインクミストが発生し、キャリッジ6後方に巻き上げられる状態を説明する。
【0030】
キャリッジ6が図中矢印b方向に走査され記録ヘッド4からインクが吐出されると、前述したようにインク滴の後方に発生する細かい霧状のインクミストや、インク滴を重ね打ちする際の着弾の衝撃でインクが霧状に飛散する跳ね返りミスト等のインクミストが発生する。そして、キャリッジ6がb方向に移動するのに伴い、その後方に負圧が発生する。従って、これらインクミストは巻き上げられキャリッジ6の移動方向後方に漂った状態となる(図4(a)の状態)。
【0031】
次に、図4(b)を用いてインクミストが収集される様子について説明する。尚、ここでは説明を分かり易くするために、キャリッジ6が図中矢印a方向に走査される際には記録ヘッド4からのインクの吐出がない、所謂片方向印字で説明する。
【0032】
キャリッジ6が矢印a方向に移動すると、キャリッジ6の進行方向に漂っているインクミストを含有した空気が空気流路形成部材6aの流路形成面6cに衝突し、インクミストの一部は流路形成面6cに付着する。又、ここで付着し切れなかったインクミストを含有した空気の流れは、空気流路形成部材6aを通過することで拡散されることなく、図3で説明したように矢印c方向の流れとなる。
【0033】
そして、矢印c方向に向かったインクミストを含有した空気流は、その一部が直接記録シートS方向に向かい、その他はキャリッジ側面6eに衝突してインクミストの一部が側面6eに付着する。更に、ここで付着し切れなかったインクミストを含有した空気は、図3で説明したように矢印d方向の流れとなり、記録シートSに衝突し、ここで大部分のインクミストが記録シートの記録面に付着する。又、同様に矢印c方向に流れ直接記録シートS方向に流れたものも、大部分が記録面に付着する。
【0034】
最後に記録シートSでも付着し切れなかった微量のインクミストを含有した空気流は、記録シート面で四方に拡散され再びキャリッジ6によって巻き上げられ、次の走査で同様動きをすることになる。そして、最終的に記録が終了した際には、このように収集されなかった微量のインクミストが巻き上げられ漂った状態となるが、微量であるためさほどの影響はないが、例えば印字終了後に記録シートSを排紙しないで複数回キャリッジ6を走査することにより、完全にインクミストを収集しても良い。
【0035】
ここで、本実施の形態では、キャリッジ6が矢印a方向に走査する時のインクミストの挙動を説明したが、矢印b方向に走査する際にも空気流路形成部材6bにより同様の効果が得られる。又、矢印b方向に走査する際のみ記録を行う片方向印字での説明を行なったが、矢印a方向に走査する際にも印字する双方向印字でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0036】
以上のように、本発明によれば、インクミストが発生した場合においてもキャリッジ6の走査方向前面に空気流路形成部材6aが設けられているため、キャリッジ6が移動してもインクミストを含有した空気流が拡散されることなく空気流路形成部材6aを通過し、このときに流路形成面6cに衝突したインクミストの一部が付着し収集され、更にキャリッジ側面6eにも衝突することで側面6eにもインクミストの一部が付着し収集される。そして、これらに付着し切れなかったインクミストの大部分は、記録シートSの記録面に付着することとなる。従って、記録に伴い発生したインクミストが装置内に付着し、使用者がカバーを開けて操作する際に手がインクで汚れる問題や、装置機構部に付着することにより動作不良が発生する問題を解決することが可能となる。
【0037】
又、本実施の形態においては、空気流路形成部材6a,6bを通過した空気流がキャリッジ側面6e,6fに向かうように、流路形成面6c,6dを構成しているが、これらの面を走査方向に対して更に傾斜を付け、空気流路形成部材6a,6bを通過した空気流が直接記録シートSに向かう構成にしても良い。又、空気流路形成部材6a,6bとキャリッジ側面6e,6fとの間隔を広げることで、空気流路形成部材6a,6bを通過した空気流が直接記録シートSに向かう構成にしても良い。
【0038】
更に、本実施の形態では、空気流路形成部材6a,6bとキャリッジ6の記録ヘッド4を搭載している本体部分を繋ぐ壁として、両側面に6g,6hを設けているが、上面部分にも壁を設けても良い。このような構成とすことで、例えば使用者が記録ヘッド4を交換する際に誤ってキャリッジ側面6e,6fに触っても、インクで汚れることがなくなり、最後に説明した構成にすることによりキャリッジ側面6e,6f自体触れない構成にすることも可能となる。
【0039】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0040】
前記実施の形態1においては、空気流路形成部材6a,6bを通過した空気流は、キャリッジの走査方向に直交する面における流れの方向を記録シートSに直交する方向の例を示したが、空気流の流れの方向を記録シートの方向で、且つ、キャリッジの走査位置を制御するためのエンコーダ及びコードストリップ又はキャリッジが摺動するガイド軸8と反対方向に向かうように空気流路形成部材を設けても良い。このような例を図5と図6を用いて説明する。尚、実施の形態1と同様の部材は同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0041】
図5は本実施の形態を示すキャリッジ部分を示す斜視図であり、図6はキャリッジの走査方向から見たもので空気の流れを説明するものである。
【0042】
図5及び図6において、キャリッジ11に一体的に設けられている空気流路形成部材11aには流路形成面11cが設けられている。そして、この流路形成面11cは、キャリッジ11が矢印a方向に走査し、空気流路形成部材11aを通過した空気流が図6の左斜め下方向(記録シートS方向で、且つ、エンコーダやコードストリップ10及びガイド軸8と反対方向(矢印g方向))に流れるように構成されている。ここで、反対側面に設けられている空気流路形成部材11bについては同様の構成であるため説明を省略する。
【0043】
以上のような構成を採用することにより、空気流路形成部材11aを通過したインクを含有した空気流は、記録シートSに衝突する際にエンコーダやコードストリップ10及びガイド軸8側から流れてくるため、記録シートSでも収集し切れなかったインクミストがこれらエンコーダやコードストリップ10及びガイド軸8方向に直接吹き上がることがなくなる。
【0044】
又、空気流は記録シートSの記録面上をなぞるようにして排紙方向に向かうことになるため、既に記録が終了した記録シートSの先端側にインクミストが付着する機会が多くなる。従って、より効率良くインクミストを収集することが可能となる。
【0045】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図7に基づいて説明する。尚、図7は装置正面から見たキャリッジ回りの断面図であり、ここでも、同一部材については同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0046】
図7において、キャリッジ12の両側部には空気流路形成部材12aと12bが一体的に形成されており、何れも空気流路が図示のように逆V字形状を成している。このような空気流路形成部材を有するキャリッジ12が矢印a方向に走査する際のインクミストを含有した空気の流れを説明する。
【0047】
先ず、空気流路形成部材12aの前方のインクを含有した空気流は、流路形成面12c及び12dに衝突することで拡散されることなく矢印h方向の流れになると同時に、流路形成面12c,12dにインクミストの一部が付着する。そして、矢印h方向に向かったインクミストを含有した空気流は、その一部が直接記録シートS方向に向かい、その他はキャリッジ側面12eに衝突してインクミストの一部が側面12eに付着する。更に、ここで付着し切れなかったインクミストを含有した空気は、矢印i方向の流れとなり、記録シートSに衝突することで大部分のインクミストが記録シートの記録面に付着する。
【0048】
又、記録ヘッド4から記録のために新たに吐出されたインク滴により発生したインクミストは、キャリッジ12の走査方向後方に発生する負圧によって巻き上げられようとする。このとき、記録ヘッド4を搭載したキャリッジ12の本体部分と空気流路形成部材12bとの間に巻き上げられたインクミストを含有した空気流は、空気流路形成部材12bに形成された流路形成面12f及び12gに衝突することにより、矢印j方向の流れとなると同時に流路形成面12f,12gにインクミストの一部が付着する。又、ここで付着し切れなかったインクミストを含有した空気流は、記録シートSの記録面へと向かい、インクミストの多くは記録面に付着するため、微量のインクミストのみが浮遊することとなる。
【0049】
又、新たに発生したインクミストのうち空気流路形成部材12bの下面を通過し、同じく負圧によって巻き上げられようとするミストのうちの極一部に関しては、矢印j方向の空気の流れによって記録シートの記録面に流され、記録面に付着することとなり、浮遊することが防止できる。そして、その他の巻き上げられたインクミストについては、今度は逆にキャリッジ12が矢印b方向に走査する際、空気流路形成部材12bによって同様に収集される。
【0050】
以上のような構成の場合、浮遊したミストを収集及び記録シートに付着させるだけでなく、元々の記録ヘッドからのインクの吐出とキャリッジの移動に伴って巻き上げられるインクミストの一部についても、巻き上げれると同時に記録シート方向に戻され付着させることが可能となるため、浮遊ミスト自体を減少させることが可能となる。
【0051】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
【0052】
実施の形態1〜3では、空気流路形成部材の流路形成面やキャリッジ側面に付着したインクミストについては特に記述していなかったが、放置しておくと堆積したインク滴が記録シートに滴れてしまうほど付着量の多い場合の対策実施例を実施の形態の応用例として図8を用いて説明する。
【0053】
図8は装置正面から見たキャリッジ回りの断面図である。尚、ここでも同一部材については同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0054】
図8において、キャリッジ13の走査方向前面には空気流路形成部材13aと13bが一体的に形成されている。ここで、流路形成面13c,13d及びインクミストを含有した空気流の流れは、実施の形態1と同様であるため重複説明を省略する。
【0055】
空気流路形成部材13a,13bの下部には、インクを吸収し保持するための吸収体14aと14bが設けられており、前述したように空気流路形成部材13a,13bへのインクミストの付着量が多い場合に、滴れてきたインクを吸収して保持する役目を担っている。又、キャリッジ側面13e,13fにもインクを吸収して保持するキャリッジ側面吸収体15a,15bが接着等の手段により固定されている。従って、空気流路形成部材13a,13bを通過したインクミストの一部は、このキャリッジ側面吸収体15a,15bに付着することとなり、インクミストの付着量が多い場合においても滴れ落ちることを防止することができる。
【0056】
又、空気流路形成部材13a,13bに毛管現象を利用した吸収体までのインク流路を設けても良い。
【0057】
<実施の形態5>
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
【0058】
実施例の形態1〜4においては、キャリッジに対して一体的に空気流路形成部材を形成していたが、別体として着脱可能としても良く。この場合、空気流路形成部材自体をインクを吸収して保持することが可能なインク吸収材で構成しても良い。このような実施の形態を図9を用いて説明する。
【0059】
図9はキャリッジ回りの斜視図である。尚、同一部材については同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0060】
図9において、キャリッジ16の走査方向前面には、インクを吸収して保持することが可能な材質で構成された空気流路形成部材17aと17bが着脱可能に設けられている(図9では説明のために、空気流路形成部材17aを挿入する途中の状態にして図示してある)。尚、空気流路形成部材17a,17bの流路面及びインクミストを含有した空気流の流れについても同様であるため重複説明を省略する。ここで、空気流路形成部材17aの装着は、キャリッジ16に設けられたガイド溝16aに空気流路形成部材17aの側面をガイドさせつつ挿入し、その後、固定レバー18により係止することによってなされる。
【0061】
以上のような構成によると、空気流路構成部材内に付着したインクミストについては、確実に吸収し保持することが可能となると同時に、空気流路構成部材を着脱可能に構成したので容易に交換可能となる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、第1発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載して往復走査可能なキャリッジと、キャリッジの走査方向前面にキャリッジと一体的に往復走査される空気流路形成部材を設け、該空気流路形成部材の空気流路が走査方向に対して交わる方向に形成されている。
【0063】
又、第2の発明によるインクジェット記録装置は、記録ヘッドを搭載して往復走査可能なキャリッジと、該キャリッジの走査方向前面にキャリッジと一体的に往復走査される空気流路形成部材を設け、該空気流路形成部材の空気流路が走査方向に対して交わる方向に形成され、且つ、該空気流路形成部材内においても流路方向が変化するように形成されている。
【0064】
従って、インクミストを含有した空気流は、キャリッジの走査方向に対して交わる方向に形成された流路形成面に接触し、インクミストの一部が流路形成面に付着する。そして、付着し切れなかったインクミストを含有した空気流は、流路形成部材を通過することで拡散されることなく流路方向への流れとなる。更には、この流路方向を記録シートと交わる方向に形成することにより、流路形成部材を通過したインクミストを記録シート表面に付着させることが可能となる。
【0065】
又、流路方向を記録シートと交わる方向で、且つ、キャリッジの走査位置を制御するためのエンコーダ及びコードストリップの取付け位置に対して反対方向とすることにより、装置の耐久性をより高めることができる。
【0066】
更に、キャリッジの走査方向前面に位置する空気流路形成部材の走査方向下流に少なくとも空気流路形成部材と密着していない箇所を有するようにインク吸収体を配置することで、空気流路を通過したインクミストをインク吸収体でも吸収すること可能となり、記録シートまで達するインクミストを減少させることが可能となる。
【0067】
又、流路形成部材自体をインクを吸収することが可能な部材で形成することにより、流路形成部材にインクミストが堆積し、記録シートに落下する等の二次的な弊害を防止することが可能となる。
【0068】
その他、流路形成部材を吸収体で構成することなく、流路形成部材の重力方向下部にインク吸収体を配置することによっても同様の効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るインクジェット記録装置の全体構成を表す斜視図である。
【図2】図1におけるA矢視図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のB−B断面図でインクミストの挙動を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るインクジェット記録装置のキャリッジ部分を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るインクジェット記録装置のキャリッジ走査方向から見た空気の流れを説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係るインクジェット記録装置の正面から見たキャリッジ周りの断面図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係るインクジェット記録装置の正面から見たキャリッジ周り断面図である。
【図9】本発明の実施の形態5に係るインクジェット記録装置のキャリッジ周りの斜視図である。
【図10】従来のインクジェット記録装置の斜視図である。
【符号の説明】
1  給紙トレイ
2  搬送ローラ対
2a 搬送ローラ
2b ピンチローラ
3  プラテン
4  記録ヘッド
5  排紙ローラ対
5a 排紙ローラ
5b 拍車
6  キャリッジ
7  タイミングベルト
8  ガイド軸
9  支持レール
10 コードストリップ
11 キャリッジ
11a,11b 空気流路形成部材
12 キャリッジ
12a,12b 空気流路形成部材
12c,12d 流路形成面
12e キャリッジ側面
12f・12g 流路形成面
13  キャリッジ
13a,13b 空気流路形成部材
13c,13d 流路形成面
13e,13f キャリッジ側面
14a,14b 吸収体
15a,15b キャリッジ側面吸収体
16  キャリッジ
17a,17b 空気流路形成部材
18  固定レバー

Claims (13)

  1. 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドを搭載して往復走査可能なキャリッジと、該キャリッジの走査方向前面にキャリッジと一体的に往復走査される空気流路形成部材を設け、該空気流路形成部材の空気流路を走査方向に対して交わる方向に形成したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドを搭載して往復走査可能なキャリッジと、該キャリッジの走査方向前面にキャリッジと一体的に往復走査される空気流路形成部材を設け、該空気流路形成部材の空気流路を走査方向に対して交わる方向に形成するとともに、該空気流路形成部材内において流路方向が変化するように構成したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記キャリッジの走査方向前面に位置する空気流路形成部材を通過した空気流は、キャリッジの走査方向に対して直交する面での流れの方向が少なくとも記録媒体と交わる方向になるように、空気流路形成部材の空気流路を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記空気流路形成部材を通過した空気流は、キャリッジの走査方向に対して直交する面での流れの方向が少なくとも記録媒体と交わる方向になるように、空気流路形成部材の空気流路を形成したことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記空気流路は、空気流が少なくとも記録媒体方向と交わる方向で、且つ、キャリッジの走査位置を制御するためのエンコーダ及びコードストリップの取付位置に対して反対方向へと向かうように形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記キャリッジの走査方向前面に位置する空気流路形成部材を通過した空気流は、キャリッジの走査方向に対して直交する面での流れの方向が少なくともエンコーダ及びコードストリップ取付位置から遠ざかる方向になるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記空気流路形成部材を通過した空気流は、キャリッジの走査方向に対して直交する面での流れの方向が少なくともエンコーダ及びコードホイール取付位置から遠ざかる方向になるように形成されていることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記キャリッジの走査方向前面に位置する空気流路形成部材の走査方向下流に、少なくとも前記空気流路形成部材と密着していない箇所を有するように、インクを吸収して保持することが可能な吸収体を配置したことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記流路形成部材は、前記キャリッジと一体で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記流路形成部材は、前記キャリッジに着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記流路形成部材の走査方向下流の面と、前記キャリッジは少なくとも密着していない箇所が存在することを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記流路形成部材は、インクを吸収して保持可能な吸収体にて形成されていることを特徴とする請求項10又は11記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記空気流路形成部材の重力方向下部にインクを吸収することが可能な吸収体を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
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