JP2004130011A - 螺旋コイル状挿入体 - Google Patents
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Abstract
【課題】確実に挿入でき、且つ構造が単純で製造しやすい安価な螺旋コイル状挿入体を提供することを目的とする。
【解決手段】螺旋状コイル挿入体1を外径が一定の円筒部Aと、この円筒部Aから先端に向けて外径を漸減したテーパ部Bとで構成する。円筒部Aの外側ネジピッチ径PD1を雌ネジ50ピッチ径より大きく形成し、テーパ部Bの一巻き以上の内側ネジピッチ径PD2を雄ネジ20ピッチ径より小さく形成する。テーパ部Bの先端をそのまま延長して小径円筒部Cを形成してもよい。
【選択図】 図4
【解決手段】螺旋状コイル挿入体1を外径が一定の円筒部Aと、この円筒部Aから先端に向けて外径を漸減したテーパ部Bとで構成する。円筒部Aの外側ネジピッチ径PD1を雌ネジ50ピッチ径より大きく形成し、テーパ部Bの一巻き以上の内側ネジピッチ径PD2を雄ネジ20ピッチ径より小さく形成する。テーパ部Bの先端をそのまま延長して小径円筒部Cを形成してもよい。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質材の雌ネジを補強するために使用される螺旋コイル状挿入体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
螺旋コイル状挿入体(以下、挿入体と言う)は、雌ネジと雄ネジとの間に装着するもので、通常は先ず雌ネジに挿入体を挿入してから雄ネジをねじ込む。
挿入体を雌ネジに挿入するときに、挿入力を掛けるために挿入体の先端に直線部を有するもの(特公昭28−4号公報)や、直線部の代わりに先端部内側に切欠きを設けたものがある(米国特許2363789号、実公昭29−6109号公報)。
これらの挿入体は、直線部または切欠きに挿入工具を引っ掛けて回転力を伝え、回転させながら雌ネジに挿入する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の挿入体にあっては、次のような問題点がある。
<イ>直線部を有するものは、雄ネジを挿入していくときに直線部が邪魔になる。このため、挿入後に折り取って除去する必要がある。折り取りやすいように直線部の近くのコイル表面に折り取り用の切欠きを加工しておく必要があり、コスト高となる。また折取った切片を雌ネジ穴から取り出す作業を必要とし、手間がかかる。
<ロ>切欠きを設けたものは、挿入体を雌ネジに挿入するためにバネ力で出入りするツメを持つ挿入工具を必要とするが、構造が複雑で高価である。また、挿入工具に引っ掛ける挿入体の先端部の構造は、切欠きを含め複雑でコストがかかる。また、小さいサイズでは、その切欠きが小さいために挿入工具のツメが掛かりにくく、挿入ミスが出やすい等の欠点がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題点に鑑みて考えられたもので、直線部及び切欠きを不用にした螺旋コイル状挿入体を提供することを目的とする。
また本発明は、確実に挿入でき、且つ構造が単純で製造しやすい安価な螺旋コイル状挿入体を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的のうち少なくとも一つを達成するようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の螺旋コイル状挿入体は、断面菱形の線材をコイル状に巻き上げて形成し、軟質材の雌ネジに装着する螺旋状コイル挿入体であって、前記螺旋状コイル挿入体は外径を一定にした円筒部と、前記円筒部から先端に向けて外径を漸減したテーパ部と、からなり、前記円筒部の外側ネジピッチ径を雌ネジピッチ径より大きく形成し、テーパ部の一巻き以上の内側ネジピッチ径を雄ネジピッチ径より小さく形成したことを特徴とする。
【0006】
また、前記テーパ部の先端を円筒状に延長して小径円筒部を形成し、挿入のガイドとすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態1】
以下図面を参照しながら、本発明に係る一実施の形態について説明する。
【0008】
<イ>全体の構成(図4)
ボルト2などの雄ネジ20に螺旋状コイル挿入体(以下、挿入体という)1を螺着して取り付けてから、ボルト2を構造体5の雌ネジ50にねじ込んで被締結部材4を締め付ける。
本発明の挿入体1は、直線部及び切欠きを不用にしたものである。
【0009】
<ロ>挿入体(図1、図2)
挿入体1は右ネジ用で、右ネジと同じ螺旋状コイルとなっている。
挿入体1は断面が菱形の線材10を巻き上げて形成する。この菱形の線材10の形状と寸法は、雄ネジ20及び雌ネジ50のネジ山の形状と寸法に適合させてある。
図2において、PD1は挿入体1の外側ネジピッチ径を示し、PD2は内側ネジピッチ径を示す。
挿入体1は、外径が一定な円筒部Aとこの円筒部Aから先端に向けて外径が漸減したテーパ部Bとからなる。
円筒部Aの外側ネジピッチ径PD1及び内側ネジピッチ径PD2は、一定である。
また、円筒部Aの外側ネジピッチ径PD1及び内側ネジピッチ径PD2は、夫々雌ネジ50ピッチ径及び雄ネジ20ピッチ径より大きくしてある。
テーパ部Bは食付き部分で、外側ネジピッチ径PD1、内側ネジピッチ径PD2は漸減しており、その最端部の一巻き以上の範囲で内側ネジピッチ径PD2が雄ネジ20ピッチ径より小さく形成してある。
【0010】
次に、挿入体1を軟質材からなる構造体5の雌ネジ50に装着する場合について説明する。
<イ>ボルト2に取り付け(図3)
先ず、挿入体1をボルト2に取り付ける。
挿入体1をボルト2に取り付けるには、挿入体1の円筒部Aから雄ネジ20を挿入し、右回転させながらテーパ部Bへ向けて螺合していく。
円筒部Aの内側ネジピッチ径PD2は、雄ネジ20より大径のため、雄ネジ20と挿入体1とは容易に螺合していき、最後に雄ネジ20の先端がテーパ部Bに螺合し始める。
このとき挿入体1は雄ネジ20のネジ溝に沿って滑っていく。
テーパ部Bの内側ネジピッチ径PD2は徐々に小さくなり、最端部の一巻き以上の範囲は雄ネジ20ピッチ径より小さいため、この部分の螺合が半周以上になると挿入体1は押し拡げられ増径し、その弾性で雄ネジ20に巻き付く形で密着し、摩擦力を生ずる。
この摩擦力は螺合長の増加とともに急激に増加する。
円筒部Aは径が大きいので雄ネジ20に密着しない。テーパ部Bの一部である雄ネジ密着部Dは、雄ネジ20に巻き付き密着している。
【0011】
<ロ>雌ネジ50に挿入(図4)
このようにして、挿入体1を取り付けたボルト2(図3参照)を雌ネジ50に挿入する。
このとき、挿入体1の先端から雄ネジ密着部Dまでの外側ネジピッチ径PD1は、雌ネジ50のピッチ径より小さくスキマがあるので、極めて小さい回転力で入っていく。
さらに回転させると、外側ネジピッチ径PD1が漸増するテーパ部Bの途中で雌ネジ50に接触し、さらに回転させると挿入体1は縮径し、雌ネジ50のネジ溝に沿って滑りつつ入っていく。
こうして、ボルト2とともに挿入体1をねじ込んでいく。
本例では、ボルト2は六角ボルトであり、平座金3を介して被締付部材4を固定している。図4は、ボルト2を十分に回転させ、締め込んだ状態である。
挿入体1は外側で雌ネジ50に密着し、内側で雄ネジ20に密着し、両者を摩擦力で固定している。
【0012】
<ハ>ボルト2の抜き取り(図5)
ボルト2を抜き取る場合は、固定された状態を解除するためにボルト2を左回転させる。
回転前は挿入体1の円筒部Aは、外方向への弾性で雌ネジ50に密着し、摩擦力でずれない状態である。雄ネジ密着部Dは、雄ネジ20に内方向への弾性で巻き付いて密着し、摩擦力でずれない状態にある。
雄ネジ20が左回転するとき、雌ネジ50から円筒部Aに掛かる摩擦力FAは右回転方向、雄ネジ20から雄ネジ密着部Dに掛かる摩擦力FDは左回転方向となり、逆方向である。
このため、円筒部Aと雄ネジ密着部Dとの間の部分Eの線材10は、逃げ場を求め外方向に膨らみはじめる。この膨らみは円筒部Aにおよんで、円筒部Aをさらに強く雌ネジ50に押し付け、摩擦力を増大させる。
また、膨らみは雄ネジ密着部Dにもおよび、ネジ密着部Dを膨らませて雄ネジ20から離れるようにするために摩擦力は減少する。
こうして雄ネジ20は挿入体1からずれはじめ、さらなる左回転で抜け出すが、挿入体1はそのまま雌ネジ50に残る。
また再度、ボルト2を右回転させて挿入体1にねじ込むことで、前の締付位置に装着することができる。
【0013】
【発明の実施の形態2】
挿入体1の食付き部分であるテーパ部Bの先端を、そのまま同径で延長して小径円筒部Cを形成してもよい(図6参照)。
この小径円筒部Cは、雌ネジ50への挿入ガイドとして働き、作業性の向上に役立つ。
【0014】
【本発明の効果】
本発明は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>直線部や切欠きを設けることなく、円筒部とこれに続くテーパ部だけで構成したので、構造は単純で安価に製造できる。また、直線部や切欠きがないので、従来の螺旋コイル状挿入体に比べて取り扱いが簡単である。
<ロ>雄ネジに付けたまま雌ネジに挿入できるので、特別な挿入工具を必要としない。挿入後に折り取る部分もない。このような特長によりコストダウンに貢献する。
<ハ>合理的な食付き部を持ち無理なく挿入できるので、従来品のようにピッチが不正になる不具合も発生せず、品質向上にも寄与する。特に小サイズにおいてこの特長は顕著となるので、最近、増加しつつある微小部品への使用に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の挿入体の側面図。
【図2】本発明の挿入体の断面図。
【図3】挿入体をボルトに螺着した状態を示す説明図。
【図4】挿入体を取り付けたボルトを雌ネジにねじ込んだ状態を示す説明図。
【図5】ボルトを抜き取る状態を示す説明図。
【図6】他の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
1・・・・挿入体
A・・・・円筒部
B・・・・テーパ部
C・・・・小径円筒部
D・・・・雄ネジ密着部
10・・・線材
2・・・・ボルト
20・・・雄ネジ
4・・・・被締結部材
5・・・・構造体
50・・・雌ネジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質材の雌ネジを補強するために使用される螺旋コイル状挿入体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
螺旋コイル状挿入体(以下、挿入体と言う)は、雌ネジと雄ネジとの間に装着するもので、通常は先ず雌ネジに挿入体を挿入してから雄ネジをねじ込む。
挿入体を雌ネジに挿入するときに、挿入力を掛けるために挿入体の先端に直線部を有するもの(特公昭28−4号公報)や、直線部の代わりに先端部内側に切欠きを設けたものがある(米国特許2363789号、実公昭29−6109号公報)。
これらの挿入体は、直線部または切欠きに挿入工具を引っ掛けて回転力を伝え、回転させながら雌ネジに挿入する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の挿入体にあっては、次のような問題点がある。
<イ>直線部を有するものは、雄ネジを挿入していくときに直線部が邪魔になる。このため、挿入後に折り取って除去する必要がある。折り取りやすいように直線部の近くのコイル表面に折り取り用の切欠きを加工しておく必要があり、コスト高となる。また折取った切片を雌ネジ穴から取り出す作業を必要とし、手間がかかる。
<ロ>切欠きを設けたものは、挿入体を雌ネジに挿入するためにバネ力で出入りするツメを持つ挿入工具を必要とするが、構造が複雑で高価である。また、挿入工具に引っ掛ける挿入体の先端部の構造は、切欠きを含め複雑でコストがかかる。また、小さいサイズでは、その切欠きが小さいために挿入工具のツメが掛かりにくく、挿入ミスが出やすい等の欠点がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題点に鑑みて考えられたもので、直線部及び切欠きを不用にした螺旋コイル状挿入体を提供することを目的とする。
また本発明は、確実に挿入でき、且つ構造が単純で製造しやすい安価な螺旋コイル状挿入体を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的のうち少なくとも一つを達成するようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の螺旋コイル状挿入体は、断面菱形の線材をコイル状に巻き上げて形成し、軟質材の雌ネジに装着する螺旋状コイル挿入体であって、前記螺旋状コイル挿入体は外径を一定にした円筒部と、前記円筒部から先端に向けて外径を漸減したテーパ部と、からなり、前記円筒部の外側ネジピッチ径を雌ネジピッチ径より大きく形成し、テーパ部の一巻き以上の内側ネジピッチ径を雄ネジピッチ径より小さく形成したことを特徴とする。
【0006】
また、前記テーパ部の先端を円筒状に延長して小径円筒部を形成し、挿入のガイドとすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態1】
以下図面を参照しながら、本発明に係る一実施の形態について説明する。
【0008】
<イ>全体の構成(図4)
ボルト2などの雄ネジ20に螺旋状コイル挿入体(以下、挿入体という)1を螺着して取り付けてから、ボルト2を構造体5の雌ネジ50にねじ込んで被締結部材4を締め付ける。
本発明の挿入体1は、直線部及び切欠きを不用にしたものである。
【0009】
<ロ>挿入体(図1、図2)
挿入体1は右ネジ用で、右ネジと同じ螺旋状コイルとなっている。
挿入体1は断面が菱形の線材10を巻き上げて形成する。この菱形の線材10の形状と寸法は、雄ネジ20及び雌ネジ50のネジ山の形状と寸法に適合させてある。
図2において、PD1は挿入体1の外側ネジピッチ径を示し、PD2は内側ネジピッチ径を示す。
挿入体1は、外径が一定な円筒部Aとこの円筒部Aから先端に向けて外径が漸減したテーパ部Bとからなる。
円筒部Aの外側ネジピッチ径PD1及び内側ネジピッチ径PD2は、一定である。
また、円筒部Aの外側ネジピッチ径PD1及び内側ネジピッチ径PD2は、夫々雌ネジ50ピッチ径及び雄ネジ20ピッチ径より大きくしてある。
テーパ部Bは食付き部分で、外側ネジピッチ径PD1、内側ネジピッチ径PD2は漸減しており、その最端部の一巻き以上の範囲で内側ネジピッチ径PD2が雄ネジ20ピッチ径より小さく形成してある。
【0010】
次に、挿入体1を軟質材からなる構造体5の雌ネジ50に装着する場合について説明する。
<イ>ボルト2に取り付け(図3)
先ず、挿入体1をボルト2に取り付ける。
挿入体1をボルト2に取り付けるには、挿入体1の円筒部Aから雄ネジ20を挿入し、右回転させながらテーパ部Bへ向けて螺合していく。
円筒部Aの内側ネジピッチ径PD2は、雄ネジ20より大径のため、雄ネジ20と挿入体1とは容易に螺合していき、最後に雄ネジ20の先端がテーパ部Bに螺合し始める。
このとき挿入体1は雄ネジ20のネジ溝に沿って滑っていく。
テーパ部Bの内側ネジピッチ径PD2は徐々に小さくなり、最端部の一巻き以上の範囲は雄ネジ20ピッチ径より小さいため、この部分の螺合が半周以上になると挿入体1は押し拡げられ増径し、その弾性で雄ネジ20に巻き付く形で密着し、摩擦力を生ずる。
この摩擦力は螺合長の増加とともに急激に増加する。
円筒部Aは径が大きいので雄ネジ20に密着しない。テーパ部Bの一部である雄ネジ密着部Dは、雄ネジ20に巻き付き密着している。
【0011】
<ロ>雌ネジ50に挿入(図4)
このようにして、挿入体1を取り付けたボルト2(図3参照)を雌ネジ50に挿入する。
このとき、挿入体1の先端から雄ネジ密着部Dまでの外側ネジピッチ径PD1は、雌ネジ50のピッチ径より小さくスキマがあるので、極めて小さい回転力で入っていく。
さらに回転させると、外側ネジピッチ径PD1が漸増するテーパ部Bの途中で雌ネジ50に接触し、さらに回転させると挿入体1は縮径し、雌ネジ50のネジ溝に沿って滑りつつ入っていく。
こうして、ボルト2とともに挿入体1をねじ込んでいく。
本例では、ボルト2は六角ボルトであり、平座金3を介して被締付部材4を固定している。図4は、ボルト2を十分に回転させ、締め込んだ状態である。
挿入体1は外側で雌ネジ50に密着し、内側で雄ネジ20に密着し、両者を摩擦力で固定している。
【0012】
<ハ>ボルト2の抜き取り(図5)
ボルト2を抜き取る場合は、固定された状態を解除するためにボルト2を左回転させる。
回転前は挿入体1の円筒部Aは、外方向への弾性で雌ネジ50に密着し、摩擦力でずれない状態である。雄ネジ密着部Dは、雄ネジ20に内方向への弾性で巻き付いて密着し、摩擦力でずれない状態にある。
雄ネジ20が左回転するとき、雌ネジ50から円筒部Aに掛かる摩擦力FAは右回転方向、雄ネジ20から雄ネジ密着部Dに掛かる摩擦力FDは左回転方向となり、逆方向である。
このため、円筒部Aと雄ネジ密着部Dとの間の部分Eの線材10は、逃げ場を求め外方向に膨らみはじめる。この膨らみは円筒部Aにおよんで、円筒部Aをさらに強く雌ネジ50に押し付け、摩擦力を増大させる。
また、膨らみは雄ネジ密着部Dにもおよび、ネジ密着部Dを膨らませて雄ネジ20から離れるようにするために摩擦力は減少する。
こうして雄ネジ20は挿入体1からずれはじめ、さらなる左回転で抜け出すが、挿入体1はそのまま雌ネジ50に残る。
また再度、ボルト2を右回転させて挿入体1にねじ込むことで、前の締付位置に装着することができる。
【0013】
【発明の実施の形態2】
挿入体1の食付き部分であるテーパ部Bの先端を、そのまま同径で延長して小径円筒部Cを形成してもよい(図6参照)。
この小径円筒部Cは、雌ネジ50への挿入ガイドとして働き、作業性の向上に役立つ。
【0014】
【本発明の効果】
本発明は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>直線部や切欠きを設けることなく、円筒部とこれに続くテーパ部だけで構成したので、構造は単純で安価に製造できる。また、直線部や切欠きがないので、従来の螺旋コイル状挿入体に比べて取り扱いが簡単である。
<ロ>雄ネジに付けたまま雌ネジに挿入できるので、特別な挿入工具を必要としない。挿入後に折り取る部分もない。このような特長によりコストダウンに貢献する。
<ハ>合理的な食付き部を持ち無理なく挿入できるので、従来品のようにピッチが不正になる不具合も発生せず、品質向上にも寄与する。特に小サイズにおいてこの特長は顕著となるので、最近、増加しつつある微小部品への使用に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の挿入体の側面図。
【図2】本発明の挿入体の断面図。
【図3】挿入体をボルトに螺着した状態を示す説明図。
【図4】挿入体を取り付けたボルトを雌ネジにねじ込んだ状態を示す説明図。
【図5】ボルトを抜き取る状態を示す説明図。
【図6】他の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
1・・・・挿入体
A・・・・円筒部
B・・・・テーパ部
C・・・・小径円筒部
D・・・・雄ネジ密着部
10・・・線材
2・・・・ボルト
20・・・雄ネジ
4・・・・被締結部材
5・・・・構造体
50・・・雌ネジ
Claims (2)
- 断面菱形の線材をコイル状に巻き上げて形成し、軟質材の雌ネジに装着する螺旋状コイル挿入体であって、
前記螺旋状コイル挿入体は外径を一定にした円筒部と、
前記円筒部から先端に向けて外径を漸減したテーパ部と、からなり、
前記円筒部の外側ネジピッチ径を雌ネジピッチ径より大きく形成し、テーパ部の一巻き以上の内側ネジピッチ径を雄ネジピッチ径より小さく形成したことを特徴とする、
螺旋コイル状挿入体。 - 請求項1に記載する螺旋コイル状挿入体において、
前記テーパ部の先端を円筒状に延長して小径円筒部を形成したことを特徴とする、螺旋コイル状挿入体。
Priority Applications (2)
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JP2002328888A JP3416130B1 (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 螺旋コイル状挿入体 |
US10/679,421 US20050095083A1 (en) | 2002-10-08 | 2003-10-07 | Spiral coil shaped insertion body |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002328888A JP3416130B1 (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 螺旋コイル状挿入体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3416130B1 JP3416130B1 (ja) | 2003-06-16 |
JP2004130011A true JP2004130011A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=19197686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002328888A Expired - Fee Related JP3416130B1 (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 螺旋コイル状挿入体 |
Country Status (2)
Country | Link |
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US (1) | US20050095083A1 (ja) |
JP (1) | JP3416130B1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102136746B1 (ko) * | 2019-09-10 | 2020-07-22 | 주식회사 엔케이 | 선박용 의장재의 체결구 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102009048160B4 (de) * | 2009-10-02 | 2019-05-16 | Böllhoff Verbindungstechnik GmbH | Einformbare Drahtgewindeeinsätze, Bauteil mit einformbarem Drahtgewindeeinsatz sowie Herstellungsverfahren eines Bauteils mit einformbarem Drahtgewindeeinsatz |
DE102010017739B4 (de) * | 2010-07-05 | 2023-03-30 | Böllhoff Verbindungstechnik GmbH | Gewindepanzerndes Element, Schraube mit gewindepanzerndem Element, Installationsverfahren dafür, ein Bauteil mit installiertem gewindepanzernden Element, Wickelspindel zum Herstellen eines gewindepanzernden Elements sowie Herstellungsverfahren eines gewindepanzernden Elements |
US20140023453A1 (en) * | 2012-07-23 | 2014-01-23 | Alan HOLLENSEN | Wire thread insert |
CN105134405A (zh) * | 2015-09-01 | 2015-12-09 | 东风朝阳朝柴动力有限公司 | 高强度铝质的柴油机机体前盖板 |
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US4645398A (en) * | 1983-09-16 | 1987-02-24 | Rexnord Inc. | Tangless helically coiled insert |
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2002
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2003
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