JP2004129906A - 消火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誤作動がなく、火元付近の消火のみ行われて、消火水の無駄がなく、消火水の散水と同時に火災発生時の煙を自然な煙の流れにより室内に拡散することなく、効率良く天井裏を利用して外部へ排出することを可能とした消火装置とする。
【解決手段】建物1の天井裏に複数の枝管7が接続された消火水の配管4を設ける。天井裏に散水ノズル8と開閉弁10を枝管7に設ける。天井裏の空間部3に通じる建物の外壁5に排煙口6を設ける。散水ノズル8の下方に天井2の一部が切り離され、天井裏側に回動するよう付勢された回動天井部11を設ける。回動天井部11を天井の裏側から表側に顕在する感熱分解部材19により天井2に係止する。回動天井部11を回動時に開閉弁10が開くよう開閉弁10の操作レバー9に係合する。感熱分解部材19の熱による分解により回動天井部11の係止が解かれ、回動天井部11が回動し、天井2の一部が開口25すると共に、開口25より消火水の散水と天井裏の空間部3への煙の導入が行われる。
【選択図】図5
【解決手段】建物1の天井裏に複数の枝管7が接続された消火水の配管4を設ける。天井裏に散水ノズル8と開閉弁10を枝管7に設ける。天井裏の空間部3に通じる建物の外壁5に排煙口6を設ける。散水ノズル8の下方に天井2の一部が切り離され、天井裏側に回動するよう付勢された回動天井部11を設ける。回動天井部11を天井の裏側から表側に顕在する感熱分解部材19により天井2に係止する。回動天井部11を回動時に開閉弁10が開くよう開閉弁10の操作レバー9に係合する。感熱分解部材19の熱による分解により回動天井部11の係止が解かれ、回動天井部11が回動し、天井2の一部が開口25すると共に、開口25より消火水の散水と天井裏の空間部3への煙の導入が行われる。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誤作動がなく初期消火を行うことができ、かつ火災発生時の煙を効率良く外部へ排出可能な建物の消火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、初期消火を行うための消火装置として、スプリンクラー装置が一般的で、火元の消火及び火元周囲の延焼を防ぐための散水を行う。
従来のスプリンクラー装置は天井裏に消火水の配管がされて、室内に数箇所配管と連結するスプリンクラーヘッドが設けられている。
このスプリンクラーヘッドは、登録実用新案第3041558号に示されているように、天井の下面に取り付けられ、室内から視認され目に付き易いものとなっている。
【0003】
そして、火災発生時の排煙装置は、建物の窓等の開口部を排煙口としているものや、或いは特開平6ー269511号に提案されているように天井近傍に数箇所に排気口を設けて排煙ダクトを通り排煙ファンで外部へ強制的に排煙するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の消火装置でスプリンクラーを使用するものは、室内から天井の下面に取り付けられたスプリンクラーヘッドが目に付き、室内の美感を損ない、そのため一般住宅への普及は困難である。
又、自動火災報知設備の火災感知器と連動して作動する装置では、誤作動があると一斉にスプリンクラーヘッドから散水されるため、火元と離れた箇所まで水に濡れ、復旧のため多大の時間と費用を要することになる。
【0005】
又、従来の排煙装置は室内に予め排気口が開口され、この排気口は視認できるものが殆どであると共に、排気口とスプリンクラーヘッドとは当然別々に設置されているため、室内の美感が損なわれるのは勿論、天井裏にスプリンクラーヘッドの配管や排煙ダクトの配管等で複雑な構成となり、設備費用も高価なものとなる。
【0006】
上記点より本発明は、誤作動がなく、火元付近の消火のみ行われて消火水の無駄がなく、消火水の散水と同時に火災発生時の煙を自然な煙の流れにより室内に拡散することなく、効率良く天井裏を利用して外部へ排出することを可能とした消火装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1の本発明消火装置は、建物の天井裏に複数の枝管が接続された消火水の配管が設けられると共に、天井裏に散水ノズルと散水ノズルの開閉弁が前記枝管に設けられ、この天井裏の空間部に通じる建物の外壁に排煙口が設けられ、前記散水ノズルの下方に天井の一部が切り離され、天井裏側に回動するよう付勢された回動天井部が設けられ、この回動天井部は天井の裏側から表側に顕在する感熱分解部材により天井に係止されて回動が阻止されると共に、回動天井部を回動天井部の回動時に前記開閉弁が開くよう開閉弁の操作レバーに係合し、前記感熱分解部材の熱による分解により回動天井部の係止が解かれ、回動天井部が回動し、天井の一部が開口すると共に、この開口より消火水の散水と天井裏の空間部への煙の導入が行われることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることにより、火災が発生すると、火元の近くの回動天井部は火焔の熱により、天井の裏側から表側に顕在する回動天井部と天井部を係止している感熱分解部材が分解するため、係止が解かれて天井裏側に回動し、この部分が開口される。
この回動天井部の回動により、回動天井部と係合する開閉弁の操作レバーが散水ノズルの開閉弁を開いて、開口より散水が開始され消火する。
【0009】
この回動天井部は感熱分解部材の熱による分解がない限りは回動しないので、火災の発生時のみ散水し、誤作動による散水の恐れは生じない。
又、火災感知器を別途に設ける必要がなく構成が簡単である。
又、回動天井部は天井裏側に回動するため、散水時に散水の邪魔にならず、又天井の下方で天井近傍に物が置かれていても影響がないと共に、人に当たる恐れもなく確実に回動する。
【0010】
又、平時は回動天井部は天井と面一となって開口されていないため、天井裏の散水ノズルは隠され、室内の美感を損なうことはない、
又、回動天井部は火元に近い回動天井部のみが回動し、火元から離れている回動天井部は回動しないので、水による被害は最少限で済むと共に、消火水も少なくて済み無駄がない。
【0011】
一方、燃焼時の立ち昇った煙や有害ガスは、回動天井部の回動により形成された火元に近い開口から直接天井裏の空間部に導入されるので、天井の下面を伝って室内に充満することなく、空間部に通じる外壁に設けた排煙口より外部に効率よく排出される。
【0012】
この排煙は煙等を火元の近くの開口から自然な流れにより外部へ排出するため、排煙ダクトや排煙ファンが不要であると共に、散水箇所とは別の箇所に排気口を設ける必要がないため構成が簡単になる。
そして、平時は回動天井部は天井と面一となって開口が閉ざされているため、室内の美感を損なうことはない。
【0013】
次に、請求項2の本発明消火装置は、請求項1の消火装置において、天井裏に回動天井部の回動時に保安装置及び緊急連絡装置を作動するスイッチが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることにより、火災発生時にガス供給部、電気供給部、警報音発生器等の保安装置を作動させてガスや電気の供給停止、警報音を発生させることができる。
又、緊急連絡装置を作動し、セキュリティーセンターへの通報や携帯電話機への通報も可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明消火装置の一実施の形態を示す構成概略図、図2は図1の部分拡大斜視図、図3及び図4は図2の作用を示した縦断側面図、図5は図2の縦断正面図、図6は操作レバーの作用を示す部分断面図である。
【0016】
図中1は家屋等の建物であり、建物1の天井2の裏側の空間部3に消火用水の配管4が設置されている。
配管4は図面では水道配管を利用している。勿論、水源は水道とは別に消火水の貯留タンク(図示せず)を使用することもできる。
又、建物1の天井2の裏側の空間部3に通じる外壁5に排煙口6が設けられている。
【0017】
又、天井2の裏側の配管4に下向きの枝管7が多数設けられ、枝管7の途中は側方へ屈曲し、斜下方へ向け延長し、下端に散水ノズル8が設けられている。
又、枝管7の途中に操作レバー9を有する開閉弁10が設けられている。この開閉弁10まで加圧消火水が供給されている。
【0018】
11は散水ノズル8の下方に位置する回動天井部であり、この回動天井部11は天井2から方形状に切り離されている。
そして、回動天井部11の裏側に略U字形の回動枠12の底部が固定され、回動天井部11と回動枠12は一体となっている。
この回動枠12は回動枠12の両側側板12Aの外側で、天井2の裏側に立設した側枠13に回動可能に枢着14されている。
【0019】
両側の側枠13は板体の上部と下部に外側に向け直角に屈曲した屈曲片13Aが形成されている。
そして、一方の側の側枠13の上部の屈曲片13Aに枝管7が挿通され、枝管7の先方は側枠13の側方から枢着14部の真下で回動枠12の側板12Aに挿通し、回動枠12内の下方に配設されている。
【0020】
又、回動枠12の枝管挿通側の側板12Aに、回動枠12の回動時に枝管7に支えないよう溝孔15が切り抜き形成されている。
16は回動枠12の両側板12Aの上部間で枢着14部の真上より前後方向に位置をずらして渡設した棒体であり、この棒体16と散水ノズル8の頂部間にスプリング17が張設されている。
このスプリング17により棒体16は下方へ常時付勢され、回動枠12は枢着14部を支点として棒体16側へ回動する(図3矢印イ方向)。
【0021】
18は天井2と回動天井部11との境で、回動枠12の回動方向側の天井2に設けた切り欠き部であり、この切り欠き部18に回動枠12の底部側端縁と平行して線状の感熱分解部材19が掛け渡されている。
この感熱分解部材19は切り欠き部18の縁間の天井裏側に設けた略U字形のブラケット20間に着脱可能に嵌着されている。
【0022】
又、感熱分解部材19は切り欠き部18により室内側から視認可能に顕在している。感熱分解部材19は火災時の火焔や排ガスの熱を感じることにより分解するため、易融性を有する金属、合成樹脂、ゴム等の部材や、易燃性を有する木、紐等の部材が使用される。
【0023】
21は線状の感熱分解部材19と直交する方向に突出して回動枠12の底部に設けた係止突起であり、先端部が感熱分解部材19上に接触している。
この係止突起21が感熱分解部材19に係止していることにより、回動枠12の回動は阻止されている。
【0024】
22は基部22Aが回動枠12の枝管側の側板12Aの外側で枢着14部の下方位置に固定され、先方が側枠13の後に説明する溝孔23より外方へ突出し、突出部に開閉弁10の操作レバー9に係合しているリング22Bを有する係合部材である。
前記側板13に設けた溝孔23は、係合部材22を固定した回動枠12が回動できるよう係合部材22の基部22Aの移動方向に弧状に形成したものである。これにより、回動枠12が回動すると、係合部材22は操作レバー9と係合した状態で移動し、操作レバー9を開閉弁10の開放側へ回動し、散水ノズル8から散水する。
【0025】
24は側枠13に設けたストッパーであり、ストッパー24により回動枠12が90°回動した時、回動枠12の側板12Aの回動方向と反対側の垂直状態の側端縁が水平状態になった時にこの側端縁が当たり、回動枠12の回動が停止する(図4)。この時、回動天井部11は水平状態から直立し、天井2の一部が開口25する。
【0026】
26は側枠13の上部の屈曲片13Aに設けたスイッチであり、平時は回動枠12の側板12Aと接触し、回動枠12が回動し、側板12Aから離れるとスイッチが入るもので、リミットスイッチが良い。
このスイッチ26にガス管27の開閉弁28、電気の供給路の開閉スイッチ29等の保安装置及び送信機30等の緊急連絡装置が連絡し、スイッチ26が入るとガスの供給停止、電気の供給停止、建物の所有者等の携帯電話機や警備会社等への火災発生の送信が行われる。
【0027】
31は側枠13Aの上部の屈曲片13Aに設けたブザー等の警報音発生器であり、回動枠12側に近接スイッチ32を設けることもできるが、スイッチ26に連絡することもできる。
33は配管4の元栓であり、火災鎮火後手動で閉じる。尚、図中34は配管4に設けた逆止弁である。
【0028】
次に、本発明装置の機能を図面に基づき説明すれば、火災が発生すると、火元の近くの回動天井部11の回動を阻止している感熱分解部材19が火焔や有害ガスの熱により分解し、係止突起21との係止が解かれるため、スプリング17により常時天井2の裏側に回動するように付勢されている回動枠12は枢着14部を支点として図1の矢印イ方向へ90°回動し、ストッパー24により回動が停止する(図2)。
【0029】
この回動枠12の回動により回動天井部11は共に回動し、回動天井部11は水平状態から直立状態となり、この部分を開口25する。
開口25部には散水ノズル8が下向きに配設されており、この散水ノズル8は回動枠12の回動時に散水ノズル8の開閉弁10の操作レバー9に係合する係合部材22が回動枠12に固定され、回動枠12と共に90°回動し、開閉弁10を開き、開口25部より室内に散水する。
又、天井2の一部の開口25と共に、この開口25部から燃焼時の立ち昇った煙等は天井裏の空間部3へ導入され、この空間部3に通じる外壁5の排煙口6より外部へ排出される。
【0030】
又、回動枠12の回動によりスイッチ26及び近接スイッチ32が入り、これにより、ガスの供給停止、電気の供給停止、携帯電話機等への送信が行われると共に、火災を知らせる警報音を発する。鎮火後は消火水の元栓33を手動で閉じる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、回動天井部は感熱分解部材の熱による分解がない限りは回動しないので、火災発生時のみ散水し、誤作動による散水の恐れがないので、水による被害の発生することはない。
又、火災感知器を別途に設ける必要がなく、構成が簡単で、その分装置も安価となる。
そして、回動天井部は火元に近い回動天井部のみが回動し、火元から離れている回動天井部は回動しないので、水による被害は最少限で済むと共に、消火水も少なくて済み、無駄がないので経済的である。
又、燃焼時の立ち昇った煙等は、開口部から天井裏の空間部を利用して通り、排煙口から外部へ効率良く排出されるので、別途に排煙ダクトや室内に排煙口を設ける必要がないので構成が簡単となる。
更に、平時は散水ノズルが室内から見えないと共に、天井の開口部も閉じているので室内の美感を損なう恐れがなく、店舗や事務所のみならず、マンション、一般住宅等に好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明消火装置の一実施の形態を示す構成概略図である。
【図2】図1の部分拡大斜視図である。
【図3】図2の作用を示した縦断側面図である。
【図4】図2の作用を示した縦断側面図である。
【図5】図2の縦断正面図である。
【図6】操作レバーの作用を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 建物
2 天井
3 空間部
4 配管
5 外壁
6 排煙口
7 枝管
8 散水ノズル
9 操作レバー
10 開閉弁
11 回動天井部
12 回動枠
12A 側板
13 側枠
14 枢着
17 スプリング
18 切り欠き部
19 感熱分解部材
21 係止突起
22 係合部材
24 ストッパー
25 開口
26 スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、誤作動がなく初期消火を行うことができ、かつ火災発生時の煙を効率良く外部へ排出可能な建物の消火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、初期消火を行うための消火装置として、スプリンクラー装置が一般的で、火元の消火及び火元周囲の延焼を防ぐための散水を行う。
従来のスプリンクラー装置は天井裏に消火水の配管がされて、室内に数箇所配管と連結するスプリンクラーヘッドが設けられている。
このスプリンクラーヘッドは、登録実用新案第3041558号に示されているように、天井の下面に取り付けられ、室内から視認され目に付き易いものとなっている。
【0003】
そして、火災発生時の排煙装置は、建物の窓等の開口部を排煙口としているものや、或いは特開平6ー269511号に提案されているように天井近傍に数箇所に排気口を設けて排煙ダクトを通り排煙ファンで外部へ強制的に排煙するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の消火装置でスプリンクラーを使用するものは、室内から天井の下面に取り付けられたスプリンクラーヘッドが目に付き、室内の美感を損ない、そのため一般住宅への普及は困難である。
又、自動火災報知設備の火災感知器と連動して作動する装置では、誤作動があると一斉にスプリンクラーヘッドから散水されるため、火元と離れた箇所まで水に濡れ、復旧のため多大の時間と費用を要することになる。
【0005】
又、従来の排煙装置は室内に予め排気口が開口され、この排気口は視認できるものが殆どであると共に、排気口とスプリンクラーヘッドとは当然別々に設置されているため、室内の美感が損なわれるのは勿論、天井裏にスプリンクラーヘッドの配管や排煙ダクトの配管等で複雑な構成となり、設備費用も高価なものとなる。
【0006】
上記点より本発明は、誤作動がなく、火元付近の消火のみ行われて消火水の無駄がなく、消火水の散水と同時に火災発生時の煙を自然な煙の流れにより室内に拡散することなく、効率良く天井裏を利用して外部へ排出することを可能とした消火装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1の本発明消火装置は、建物の天井裏に複数の枝管が接続された消火水の配管が設けられると共に、天井裏に散水ノズルと散水ノズルの開閉弁が前記枝管に設けられ、この天井裏の空間部に通じる建物の外壁に排煙口が設けられ、前記散水ノズルの下方に天井の一部が切り離され、天井裏側に回動するよう付勢された回動天井部が設けられ、この回動天井部は天井の裏側から表側に顕在する感熱分解部材により天井に係止されて回動が阻止されると共に、回動天井部を回動天井部の回動時に前記開閉弁が開くよう開閉弁の操作レバーに係合し、前記感熱分解部材の熱による分解により回動天井部の係止が解かれ、回動天井部が回動し、天井の一部が開口すると共に、この開口より消火水の散水と天井裏の空間部への煙の導入が行われることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることにより、火災が発生すると、火元の近くの回動天井部は火焔の熱により、天井の裏側から表側に顕在する回動天井部と天井部を係止している感熱分解部材が分解するため、係止が解かれて天井裏側に回動し、この部分が開口される。
この回動天井部の回動により、回動天井部と係合する開閉弁の操作レバーが散水ノズルの開閉弁を開いて、開口より散水が開始され消火する。
【0009】
この回動天井部は感熱分解部材の熱による分解がない限りは回動しないので、火災の発生時のみ散水し、誤作動による散水の恐れは生じない。
又、火災感知器を別途に設ける必要がなく構成が簡単である。
又、回動天井部は天井裏側に回動するため、散水時に散水の邪魔にならず、又天井の下方で天井近傍に物が置かれていても影響がないと共に、人に当たる恐れもなく確実に回動する。
【0010】
又、平時は回動天井部は天井と面一となって開口されていないため、天井裏の散水ノズルは隠され、室内の美感を損なうことはない、
又、回動天井部は火元に近い回動天井部のみが回動し、火元から離れている回動天井部は回動しないので、水による被害は最少限で済むと共に、消火水も少なくて済み無駄がない。
【0011】
一方、燃焼時の立ち昇った煙や有害ガスは、回動天井部の回動により形成された火元に近い開口から直接天井裏の空間部に導入されるので、天井の下面を伝って室内に充満することなく、空間部に通じる外壁に設けた排煙口より外部に効率よく排出される。
【0012】
この排煙は煙等を火元の近くの開口から自然な流れにより外部へ排出するため、排煙ダクトや排煙ファンが不要であると共に、散水箇所とは別の箇所に排気口を設ける必要がないため構成が簡単になる。
そして、平時は回動天井部は天井と面一となって開口が閉ざされているため、室内の美感を損なうことはない。
【0013】
次に、請求項2の本発明消火装置は、請求項1の消火装置において、天井裏に回動天井部の回動時に保安装置及び緊急連絡装置を作動するスイッチが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることにより、火災発生時にガス供給部、電気供給部、警報音発生器等の保安装置を作動させてガスや電気の供給停止、警報音を発生させることができる。
又、緊急連絡装置を作動し、セキュリティーセンターへの通報や携帯電話機への通報も可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明消火装置の一実施の形態を示す構成概略図、図2は図1の部分拡大斜視図、図3及び図4は図2の作用を示した縦断側面図、図5は図2の縦断正面図、図6は操作レバーの作用を示す部分断面図である。
【0016】
図中1は家屋等の建物であり、建物1の天井2の裏側の空間部3に消火用水の配管4が設置されている。
配管4は図面では水道配管を利用している。勿論、水源は水道とは別に消火水の貯留タンク(図示せず)を使用することもできる。
又、建物1の天井2の裏側の空間部3に通じる外壁5に排煙口6が設けられている。
【0017】
又、天井2の裏側の配管4に下向きの枝管7が多数設けられ、枝管7の途中は側方へ屈曲し、斜下方へ向け延長し、下端に散水ノズル8が設けられている。
又、枝管7の途中に操作レバー9を有する開閉弁10が設けられている。この開閉弁10まで加圧消火水が供給されている。
【0018】
11は散水ノズル8の下方に位置する回動天井部であり、この回動天井部11は天井2から方形状に切り離されている。
そして、回動天井部11の裏側に略U字形の回動枠12の底部が固定され、回動天井部11と回動枠12は一体となっている。
この回動枠12は回動枠12の両側側板12Aの外側で、天井2の裏側に立設した側枠13に回動可能に枢着14されている。
【0019】
両側の側枠13は板体の上部と下部に外側に向け直角に屈曲した屈曲片13Aが形成されている。
そして、一方の側の側枠13の上部の屈曲片13Aに枝管7が挿通され、枝管7の先方は側枠13の側方から枢着14部の真下で回動枠12の側板12Aに挿通し、回動枠12内の下方に配設されている。
【0020】
又、回動枠12の枝管挿通側の側板12Aに、回動枠12の回動時に枝管7に支えないよう溝孔15が切り抜き形成されている。
16は回動枠12の両側板12Aの上部間で枢着14部の真上より前後方向に位置をずらして渡設した棒体であり、この棒体16と散水ノズル8の頂部間にスプリング17が張設されている。
このスプリング17により棒体16は下方へ常時付勢され、回動枠12は枢着14部を支点として棒体16側へ回動する(図3矢印イ方向)。
【0021】
18は天井2と回動天井部11との境で、回動枠12の回動方向側の天井2に設けた切り欠き部であり、この切り欠き部18に回動枠12の底部側端縁と平行して線状の感熱分解部材19が掛け渡されている。
この感熱分解部材19は切り欠き部18の縁間の天井裏側に設けた略U字形のブラケット20間に着脱可能に嵌着されている。
【0022】
又、感熱分解部材19は切り欠き部18により室内側から視認可能に顕在している。感熱分解部材19は火災時の火焔や排ガスの熱を感じることにより分解するため、易融性を有する金属、合成樹脂、ゴム等の部材や、易燃性を有する木、紐等の部材が使用される。
【0023】
21は線状の感熱分解部材19と直交する方向に突出して回動枠12の底部に設けた係止突起であり、先端部が感熱分解部材19上に接触している。
この係止突起21が感熱分解部材19に係止していることにより、回動枠12の回動は阻止されている。
【0024】
22は基部22Aが回動枠12の枝管側の側板12Aの外側で枢着14部の下方位置に固定され、先方が側枠13の後に説明する溝孔23より外方へ突出し、突出部に開閉弁10の操作レバー9に係合しているリング22Bを有する係合部材である。
前記側板13に設けた溝孔23は、係合部材22を固定した回動枠12が回動できるよう係合部材22の基部22Aの移動方向に弧状に形成したものである。これにより、回動枠12が回動すると、係合部材22は操作レバー9と係合した状態で移動し、操作レバー9を開閉弁10の開放側へ回動し、散水ノズル8から散水する。
【0025】
24は側枠13に設けたストッパーであり、ストッパー24により回動枠12が90°回動した時、回動枠12の側板12Aの回動方向と反対側の垂直状態の側端縁が水平状態になった時にこの側端縁が当たり、回動枠12の回動が停止する(図4)。この時、回動天井部11は水平状態から直立し、天井2の一部が開口25する。
【0026】
26は側枠13の上部の屈曲片13Aに設けたスイッチであり、平時は回動枠12の側板12Aと接触し、回動枠12が回動し、側板12Aから離れるとスイッチが入るもので、リミットスイッチが良い。
このスイッチ26にガス管27の開閉弁28、電気の供給路の開閉スイッチ29等の保安装置及び送信機30等の緊急連絡装置が連絡し、スイッチ26が入るとガスの供給停止、電気の供給停止、建物の所有者等の携帯電話機や警備会社等への火災発生の送信が行われる。
【0027】
31は側枠13Aの上部の屈曲片13Aに設けたブザー等の警報音発生器であり、回動枠12側に近接スイッチ32を設けることもできるが、スイッチ26に連絡することもできる。
33は配管4の元栓であり、火災鎮火後手動で閉じる。尚、図中34は配管4に設けた逆止弁である。
【0028】
次に、本発明装置の機能を図面に基づき説明すれば、火災が発生すると、火元の近くの回動天井部11の回動を阻止している感熱分解部材19が火焔や有害ガスの熱により分解し、係止突起21との係止が解かれるため、スプリング17により常時天井2の裏側に回動するように付勢されている回動枠12は枢着14部を支点として図1の矢印イ方向へ90°回動し、ストッパー24により回動が停止する(図2)。
【0029】
この回動枠12の回動により回動天井部11は共に回動し、回動天井部11は水平状態から直立状態となり、この部分を開口25する。
開口25部には散水ノズル8が下向きに配設されており、この散水ノズル8は回動枠12の回動時に散水ノズル8の開閉弁10の操作レバー9に係合する係合部材22が回動枠12に固定され、回動枠12と共に90°回動し、開閉弁10を開き、開口25部より室内に散水する。
又、天井2の一部の開口25と共に、この開口25部から燃焼時の立ち昇った煙等は天井裏の空間部3へ導入され、この空間部3に通じる外壁5の排煙口6より外部へ排出される。
【0030】
又、回動枠12の回動によりスイッチ26及び近接スイッチ32が入り、これにより、ガスの供給停止、電気の供給停止、携帯電話機等への送信が行われると共に、火災を知らせる警報音を発する。鎮火後は消火水の元栓33を手動で閉じる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、回動天井部は感熱分解部材の熱による分解がない限りは回動しないので、火災発生時のみ散水し、誤作動による散水の恐れがないので、水による被害の発生することはない。
又、火災感知器を別途に設ける必要がなく、構成が簡単で、その分装置も安価となる。
そして、回動天井部は火元に近い回動天井部のみが回動し、火元から離れている回動天井部は回動しないので、水による被害は最少限で済むと共に、消火水も少なくて済み、無駄がないので経済的である。
又、燃焼時の立ち昇った煙等は、開口部から天井裏の空間部を利用して通り、排煙口から外部へ効率良く排出されるので、別途に排煙ダクトや室内に排煙口を設ける必要がないので構成が簡単となる。
更に、平時は散水ノズルが室内から見えないと共に、天井の開口部も閉じているので室内の美感を損なう恐れがなく、店舗や事務所のみならず、マンション、一般住宅等に好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明消火装置の一実施の形態を示す構成概略図である。
【図2】図1の部分拡大斜視図である。
【図3】図2の作用を示した縦断側面図である。
【図4】図2の作用を示した縦断側面図である。
【図5】図2の縦断正面図である。
【図6】操作レバーの作用を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 建物
2 天井
3 空間部
4 配管
5 外壁
6 排煙口
7 枝管
8 散水ノズル
9 操作レバー
10 開閉弁
11 回動天井部
12 回動枠
12A 側板
13 側枠
14 枢着
17 スプリング
18 切り欠き部
19 感熱分解部材
21 係止突起
22 係合部材
24 ストッパー
25 開口
26 スイッチ
Claims (2)
- 建物の天井裏に複数の枝管が接続された消火水の配管が設けられると共に、天井裏に散水ノズルと散水ノズルの開閉弁が前記枝管に設けられ、この天井裏の空間部に通じる建物の外壁に排煙口が設けられ、前記散水ノズルの下方に天井の一部が切り離され、天井裏側に回動するよう付勢された回動天井部が設けられ、この回動天井部は天井の裏側から表側に顕在する感熱分解部材により天井に係止されて回動が阻止されると共に、回動天井部を回動天井部の回動時に前記開閉弁が開くよう開閉弁の操作レバーに係合し、前記感熱分解部材の熱による分解により回動天井部の係止が解かれ、回動天井部が回動し、天井の一部が開口すると共に、この開口より消火水の散水と天井裏の空間部への煙の導入が行われることを特徴とする消火装置。
- 天井裏に回動天井部の回動時に保安装置及び緊急連絡装置を作動するスイッチが設けられていることを特徴とする請求項1記載の消火装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298540A JP2004129906A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 消火装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002298540A JP2004129906A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 消火装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004129906A true JP2004129906A (ja) | 2004-04-30 |
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ID=32287917
Family Applications (1)
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JP2002298540A Pending JP2004129906A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 消火装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004129906A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107551440A (zh) * | 2017-09-28 | 2018-01-09 | 刘彩文 | 一种自动喷淋灭火装置 |
CN112121338A (zh) * | 2020-09-28 | 2020-12-25 | 山东久泰消防科技有限公司 | 一种自动消防灭火装置 |
CN112121348A (zh) * | 2020-09-28 | 2020-12-25 | 山东久泰消防科技有限公司 | 一种用于自动消防灭火装置的动作触发机构 |
CN114191762A (zh) * | 2021-12-13 | 2022-03-18 | 浙江省邮电工程建设有限公司 | 基于大数据物联网的智慧智能消防管理系统 |
-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298540A patent/JP2004129906A/ja active Pending
Cited By (6)
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