JP2004128642A - スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は各種音響機器に使用される薄型のスピーカに関するものであり、磁気効率を損ねることなく、品質の向上を図ったスピーカを提供するものである。
【解決手段】本発明のスピーカは、壁面に放射状の複数のスリット1aを有する有底のヨーク1を用い、このスリット1a内を上下動する補強片15dを有するカップリング15の橋絡部15cに挿入孔15fを、フランジ15eにボイスコイルリード4aの位置決め手段となる切り欠き15gを設けることで、ボイスコイルリード4aが前記補強片15dに沿って密着して引き出されるようにし、スリット1aの幅を広げることなく前記リード4aのスリット1a内への配設を可能として磁気効率の低下を抑制し、カップリング15表面での前記リード4aの露出を抑制し、他部品との接触による断線等の障害を回避した優れたスピーカの提供を可能としたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のスピーカは、壁面に放射状の複数のスリット1aを有する有底のヨーク1を用い、このスリット1a内を上下動する補強片15dを有するカップリング15の橋絡部15cに挿入孔15fを、フランジ15eにボイスコイルリード4aの位置決め手段となる切り欠き15gを設けることで、ボイスコイルリード4aが前記補強片15dに沿って密着して引き出されるようにし、スリット1aの幅を広げることなく前記リード4aのスリット1a内への配設を可能として磁気効率の低下を抑制し、カップリング15表面での前記リード4aの露出を抑制し、他部品との接触による断線等の障害を回避した優れたスピーカの提供を可能としたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種音響機器に使用されるスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車載用音響機器等に使用されるスピーカはその取付場所の制約から薄型化の要求が強まっている。このような従来のスピーカを図7〜図9により説明する。なお、図7(a)は従来のスピーカの上面図であり、図7(b)は同側断面図であり、図8(a)は同要部であるカップリングの上面図であり、図8(b)は同断面図であり、図9(a)は同要部である磁気回路の上面図であり、図9(b)は図9(a)のA−O−B断面図である。
【0003】
同図によると、1は壁面に放射状の複数のスリット1aを有する有底のヨークであり、2はこのヨーク1の底面に前記壁面との間に隙間を設けて接着結合された磁石であり、このヨーク1と磁石2と上部プレート2aで磁気回路3を構成している。
【0004】
4はこの磁気回路3に形成された磁気ギャップ3aの嵌め込まれるボイスコイルであり、5はボイスコイル4の外周と結合される内周部5aと前記ヨーク1の外周に位置する外周部5bとこの内周部5aと外周部5bを接続する橋絡部5cと前記ヨーク1のスリット1aに挿入され前記内周部5aと前記外周部5bを連絡した補強片5dとからなるカップリングであり(補強片5dはカップリング5の剛性を向上させ、振動の伝達ロスを低減する役割も果たしている。)、6は内周が前記カップリング5の外周に結合され、外周のエッジ部6aを介して前記磁気回路3に結合されたフレーム7の外周に接着結合される振動板であり、8は内周が前記カップリング5の外周に結合され、外周が前記フリーム7に接着結合されるダンパーである。
【0005】
なお、5eは前記カップリング5の外周部5bの外周に全周に亘って設けられたフランジであり、前記補強片5dと共にカップリング5の変形を防止するものである。また、9はダストキャップであり、4aはボイスコイル4のコイル部から導出されたボイスコイルリードであり、前記フレーム7に装着されたターミナル10と一端が接続されたフレキシブルワイヤー11の他端と接続されている。
【0006】
以上のように構成されたスピーカでは、外部からの音声信号はターミナル10を通じてフレキシブルワイヤー11、ボイスコイルリード4aを経てボイスコイル4のコイル部に入力され、ボイスコイル4を上下動させ、このボイスコイル4に結合された振動板6を振動させ、発音することとなる。
【0007】
この時、カップリング5の補強片5dが前記ヨーク1のスリット1a内を上下動することになり、振動板6の上下動のストロークが稼げ、スピーカの薄型化を可能としたものである(例えば特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−78082号公報(第5−6頁、図1−3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のスピーカにおいては、ボイスコイルリード4aをカップリング5の外部表面を介して振動板6上でフレキシブルワイヤー11と配線しているためにボイスコイルリード4aが長い部分で露出し、更にカップリング5と振動板6との接合点で浮いたときに、スピーカの駆動時の振動や組み立て作業、スピーカの取り付け作業時に断線が発生する可能性を有していたため、上記作業が煩雑で組み立て工数の効率の向上が図れないものとなっていた。
【0010】
本発明は、上記課題を解決して作業工数の向上、品質の安定化を図った優れたスピーカの提供を行うことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のスピーカの請求項1に記載のものは、壁面に放射状の複数のスリットを有する有底のヨークと、このスリット内を上下動するカップリングを用いることで薄型化を図ったスピーカにおいて、カップリングにはボイスコイルリードが前記カップリングの補強片に沿って引き出されるようにカップリングの橋絡部に前記ボイスコイルリードの挿入孔とカップリングの外周部に位置決め手段を設けたものであり、前記ボイスコイルリードは橋絡部に設けられた挿入孔に挿入され、補強片に沿って下方に引き出されて外周部の位置決め手段を経てフレキシブルワイヤーと接続されるので、ボイスコイルリードは適度なテンションを加えて引き回されることで、スリットの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリードのスリット内引き回しを可能として磁気効率の低下を招くこともなく、また、カップリング表面での露出を抑制して、他部品とボイスコイルリードの接触による断線等の障害を回避できるものである。
【0012】
また、本発明のスピーカの請求項2に記載のものは、壁面に放射状の複数のスリットを有する有底のヨークと、このスリット内を上下動するカップリングを用いることで薄型化を図ったスピーカにおいて、カップリングにはボイスコイルリードが前記カップリングの補強片に沿って引き出されるようにカップリングの橋絡部およびカップリングの外周部の下端に設けられたフランジにボイスコイルリードの位置決め手段を設けたものであり、請求項1と同様にボイスコイルリードは適度なテンションを加えて引き回されることで、スリットの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリードのスリット内引き回しを可能として磁気効率の低下を招くこともなく、また、カップリング表面での露出を抑制して、他部品とボイスコイルリードの接触による断線等の障害を回避できるものである。
【0013】
本発明のスピーカの請求項3に記載のものは、請求項2に記載のフランジに設けたボイスコイルリードの位置決め手段の外周部側にこのボイスコイルリードの略線径幅のスリットを設けたものであり、スピーカ組み立て時のボイスコイルリードの引き回しをより容易に行えるようにしたものである。
【0014】
本発明のスピーカの請求項4に記載のものは、請求項1または請求項2または請求項3のカップリングに設けられたヨークのスリット内を上下する補強片の下端にボイスコイルリードの引っ掛け部を設けたものであり、この引っ掛け部にボイスコイルリードを引っ掛けてボイスコイルの引き回しを行うことでスピーカ組み立て時のボイスコイルリードの引き回しをより容易に行えるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカの一実施の形態について図1(a)から図6(b)により説明する。なお、説明にあたって従来技術と同一部分は同一番号を付して説明を省略して説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態のスピーカを図1(a)〜図3(b)により説明する。
【0017】
図1(a)は本発明の一実施の形態のスピーカの上面図であり、図1(b)は同要部であるカップリングの部分上面図であり、図2(a)は図1(a)のA−O−B断面図であり、図2(b)は同要部であるカップリングの部分断面図であり、図3(a)は同カップリングの全体上面図であり、図3(b)は図3(a)のA−O−B断面図であり、同図により主として請求項1および請求項2について説明するものである。
【0018】
同図により従来技術との相違点についてのみ説明すると、15はこのボイスコイル4の外周と結合される内周部15aと、ヨーク1の外周に位置する外周部15bと、この内周部15aと外周部15bを接続する橋絡部15cと、前記ヨーク1のスリット1aに挿入され前記内周部15aと前記外周部15bを連絡した補強片15dと、前記外周部15bの外周に全周に亘って設けられたフランジ15eを有するカップリングであり、更にこのカップリング15の橋絡部15cの補強片15dとの結合部近傍にはボイスコイル4の引き出し線であるボイスコイルリード4aが挿入される挿入孔15fが設けられ、前記挿入孔15fの近傍の補強片15dの面を前記フランジ15eに延ばした位置の近傍には切り欠き15gが設けられている。
【0019】
この挿入孔15f、切り欠き15gをカップリング15に設けたことにより、ボイスコイル4の引き出し線であるボイスコイルリード4aは挿入孔15fに挿入され、この挿入孔15f近傍の補強片15dに沿って引き出され、切り欠き15gから取り出されてフレキシブルワイヤー11を介してターミナル10に接続することになる。
【0020】
以上のように、上記実施の形態のようにボイスコイルリード4aを適度なテンションを加えて引き回すことで補強片15dにボイスコイルリード4aを密着させ、スリット1aの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリード4aのヨーク1内のスリット1a内引き回しを行ってもスリット1aの幅を広くして磁気効率の低下を招くこともなく、また、カップリング15表面での露出を抑制して、他部品とボイスコイルリード4aの接触による断線等の障害を回避できるものである。
【0021】
更に、挿入孔15fとボイスコイル4からのボイスコイルリード4aの引き出し位置Pを補強片15dを挟む位置関係にした場合は、より補強片15dとボイスコイルリード4aの密着度を向上させ、スリット1a内の引き回しをより磁気効率の低下を招くことを抑制することが可能となる。
【0022】
なお、補強片15dとボイスコイルリード4aの密着度を考慮した場合、挿入孔15f、切り欠き15g、補強片15d等においてボイスコイルリード4aを接着固定することも必要に応じ適宜行うことができる。
【0023】
また、上記実施の形態では切り欠き15gをフランジ15eに設けたが、フランジを設けていないカップリングにあっては外周部15bに切り欠きを設けても良く、また切り欠きに代えてフランジ15eを設けたものにあってはフランジ15eに、フランジのないものにあっては外周部15bに挿入孔を設けても良く、ボイスコイルリード4aの位置決め手段として機能するものであればいずれでも良いものである。
【0024】
また、ダンパー8とカップリング15の接着固定を上記ボイスコイルリード4aの配線引き回しより先に行うものにあっては、カップリング15のフランジ15eに設けた切り欠き15gと対応するダンパー8の位置に同様の切り欠きを設ければ良いものである。
【0025】
(実施の形態2)
本発明のスピーカの他の実施の形態を図4(a),(b)により説明する。図4(a)は本発明のスピーカの一実施の形態の要部であるカップリングの上面図であり、図4(b)は図4(a)のA−O−B断面図であり、主として請求項3について説明するものである。
【0026】
同図により、実施の形態1との相違点のみ説明すると、本実施の形態は実施の形態1のカップリング15にスリット15hを設けたものである。
【0027】
このスリット15hは切り欠き15gの内側の外周部側にボイスコイルリード4aの線径と略同幅のものとして切り欠き15gと連続して設けたものである。このスリット15hによってボイスコイルリード4aの仮止めを可能として、ボイスコイルリード4aの引き回し作業の作業性の向上と配線の緩みを防止して配線の安定性を確保するものである。
【0028】
(実施の形態3)
本発明のスピーカの他の実施の形態を図5(a)〜図6(b)により説明する。図5(a)は本発明の一実施の形態のスピーカの上面図であり、図5(b)は同要部であるカップリングの部分上面図であり、図6(a)は図5(a)のA−O−B断面図であり、図6(b)は同要部であるカップリングの部分断面図であり、同図により主として請求項4について説明するものである。
【0029】
同図により、実施の形態1との相違点のみ説明すると、カップリング15の補強片15dの下端にボイスコイルリード4aの引っ掛け部15jを設けたものであり、カップリング15の橋絡部15cに設けられた挿入孔15fに挿入されたボイスコイルリード4aは補強片15dに沿って、補強片15dの下端に引っ掛け部15jで引っ掛けて反対面に引き回した後、フランジ15eの切り欠き15gから引き出してフレキシブルワイヤー11を介してターミナル10に接続するようにしたものである。
【0030】
以上のようにボイスコイルリード4aを補強片15dの下端の引っ掛け部15jで引っ掛けて引き回した本実施形態においてはボイスコイルリード4aを一旦引っ掛け部15jで係止するのでボイスコイルリード4aのテンションを効果的に得ることができ、ボイスコイルリード4aの補強片15dへの密着の程度をより安定的なものとすることができるものである。
【0031】
【発明の効果】
以上のように構成した本発明のスピーカは、ボイスコイルリードを補強片に密着させてヨークのスリット内を通るように構成したため、カップリング上での露出部分を少なくして他部品とボイスコイルリードの接触による断線等の障害を回避すると共に、ヨークのスリットの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリードのスリット内引き回しを可能として磁気効率の低下を招くこともない優れたスピーカの提供可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施の形態のスピーカの上面図
(b)同要部であるカップリングの部分上面図
【図2】(a)図1(a)のA−O−B断面図
(b)同要部であるカップリングの部分断面図
【図3】(a)同カップリングの全体上面図
(b)図3(a)のA−O−B断面図
【図4】(a)本発明の他の実施の形態のスピーカの要部であるカップリングの上面図
(b)図4(a)のA−O−B断面図
【図5】(a)本発明の一実施の形態のスピーカの上面図
(b)同要部であるカップリングの部分上面図
【図6】(a)図5(a)のA−O−B断面図
(b)同要部であるカップリングの部分断面図
【図7】(a)従来のスピーカの上面図
(b)同側断面図
【図8】(a)同要部であるカップリングの上面図
(b)同断面図
【図9】(a)同要部である磁気回路の上面図
(b)図9(a)のA−O−B断面図
【符号の説明】
1 ヨーク
1a スリット
2 磁石
3 磁気回路
3a 磁気ギャップ
4 ボイスコイル
4a ボイスコイルリード
6 振動板
7 フレーム
8 ダンパー
15 カップリング
15a 内周部
15b 外周部
15c 橋絡部
15d 補強片
15e フランジ
15f 挿入孔
15g 切り欠き
15h スリット
15j 引っ掛け部
【発明の属する技術分野】
本発明は各種音響機器に使用されるスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車載用音響機器等に使用されるスピーカはその取付場所の制約から薄型化の要求が強まっている。このような従来のスピーカを図7〜図9により説明する。なお、図7(a)は従来のスピーカの上面図であり、図7(b)は同側断面図であり、図8(a)は同要部であるカップリングの上面図であり、図8(b)は同断面図であり、図9(a)は同要部である磁気回路の上面図であり、図9(b)は図9(a)のA−O−B断面図である。
【0003】
同図によると、1は壁面に放射状の複数のスリット1aを有する有底のヨークであり、2はこのヨーク1の底面に前記壁面との間に隙間を設けて接着結合された磁石であり、このヨーク1と磁石2と上部プレート2aで磁気回路3を構成している。
【0004】
4はこの磁気回路3に形成された磁気ギャップ3aの嵌め込まれるボイスコイルであり、5はボイスコイル4の外周と結合される内周部5aと前記ヨーク1の外周に位置する外周部5bとこの内周部5aと外周部5bを接続する橋絡部5cと前記ヨーク1のスリット1aに挿入され前記内周部5aと前記外周部5bを連絡した補強片5dとからなるカップリングであり(補強片5dはカップリング5の剛性を向上させ、振動の伝達ロスを低減する役割も果たしている。)、6は内周が前記カップリング5の外周に結合され、外周のエッジ部6aを介して前記磁気回路3に結合されたフレーム7の外周に接着結合される振動板であり、8は内周が前記カップリング5の外周に結合され、外周が前記フリーム7に接着結合されるダンパーである。
【0005】
なお、5eは前記カップリング5の外周部5bの外周に全周に亘って設けられたフランジであり、前記補強片5dと共にカップリング5の変形を防止するものである。また、9はダストキャップであり、4aはボイスコイル4のコイル部から導出されたボイスコイルリードであり、前記フレーム7に装着されたターミナル10と一端が接続されたフレキシブルワイヤー11の他端と接続されている。
【0006】
以上のように構成されたスピーカでは、外部からの音声信号はターミナル10を通じてフレキシブルワイヤー11、ボイスコイルリード4aを経てボイスコイル4のコイル部に入力され、ボイスコイル4を上下動させ、このボイスコイル4に結合された振動板6を振動させ、発音することとなる。
【0007】
この時、カップリング5の補強片5dが前記ヨーク1のスリット1a内を上下動することになり、振動板6の上下動のストロークが稼げ、スピーカの薄型化を可能としたものである(例えば特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−78082号公報(第5−6頁、図1−3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のスピーカにおいては、ボイスコイルリード4aをカップリング5の外部表面を介して振動板6上でフレキシブルワイヤー11と配線しているためにボイスコイルリード4aが長い部分で露出し、更にカップリング5と振動板6との接合点で浮いたときに、スピーカの駆動時の振動や組み立て作業、スピーカの取り付け作業時に断線が発生する可能性を有していたため、上記作業が煩雑で組み立て工数の効率の向上が図れないものとなっていた。
【0010】
本発明は、上記課題を解決して作業工数の向上、品質の安定化を図った優れたスピーカの提供を行うことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のスピーカの請求項1に記載のものは、壁面に放射状の複数のスリットを有する有底のヨークと、このスリット内を上下動するカップリングを用いることで薄型化を図ったスピーカにおいて、カップリングにはボイスコイルリードが前記カップリングの補強片に沿って引き出されるようにカップリングの橋絡部に前記ボイスコイルリードの挿入孔とカップリングの外周部に位置決め手段を設けたものであり、前記ボイスコイルリードは橋絡部に設けられた挿入孔に挿入され、補強片に沿って下方に引き出されて外周部の位置決め手段を経てフレキシブルワイヤーと接続されるので、ボイスコイルリードは適度なテンションを加えて引き回されることで、スリットの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリードのスリット内引き回しを可能として磁気効率の低下を招くこともなく、また、カップリング表面での露出を抑制して、他部品とボイスコイルリードの接触による断線等の障害を回避できるものである。
【0012】
また、本発明のスピーカの請求項2に記載のものは、壁面に放射状の複数のスリットを有する有底のヨークと、このスリット内を上下動するカップリングを用いることで薄型化を図ったスピーカにおいて、カップリングにはボイスコイルリードが前記カップリングの補強片に沿って引き出されるようにカップリングの橋絡部およびカップリングの外周部の下端に設けられたフランジにボイスコイルリードの位置決め手段を設けたものであり、請求項1と同様にボイスコイルリードは適度なテンションを加えて引き回されることで、スリットの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリードのスリット内引き回しを可能として磁気効率の低下を招くこともなく、また、カップリング表面での露出を抑制して、他部品とボイスコイルリードの接触による断線等の障害を回避できるものである。
【0013】
本発明のスピーカの請求項3に記載のものは、請求項2に記載のフランジに設けたボイスコイルリードの位置決め手段の外周部側にこのボイスコイルリードの略線径幅のスリットを設けたものであり、スピーカ組み立て時のボイスコイルリードの引き回しをより容易に行えるようにしたものである。
【0014】
本発明のスピーカの請求項4に記載のものは、請求項1または請求項2または請求項3のカップリングに設けられたヨークのスリット内を上下する補強片の下端にボイスコイルリードの引っ掛け部を設けたものであり、この引っ掛け部にボイスコイルリードを引っ掛けてボイスコイルの引き回しを行うことでスピーカ組み立て時のボイスコイルリードの引き回しをより容易に行えるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカの一実施の形態について図1(a)から図6(b)により説明する。なお、説明にあたって従来技術と同一部分は同一番号を付して説明を省略して説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態のスピーカを図1(a)〜図3(b)により説明する。
【0017】
図1(a)は本発明の一実施の形態のスピーカの上面図であり、図1(b)は同要部であるカップリングの部分上面図であり、図2(a)は図1(a)のA−O−B断面図であり、図2(b)は同要部であるカップリングの部分断面図であり、図3(a)は同カップリングの全体上面図であり、図3(b)は図3(a)のA−O−B断面図であり、同図により主として請求項1および請求項2について説明するものである。
【0018】
同図により従来技術との相違点についてのみ説明すると、15はこのボイスコイル4の外周と結合される内周部15aと、ヨーク1の外周に位置する外周部15bと、この内周部15aと外周部15bを接続する橋絡部15cと、前記ヨーク1のスリット1aに挿入され前記内周部15aと前記外周部15bを連絡した補強片15dと、前記外周部15bの外周に全周に亘って設けられたフランジ15eを有するカップリングであり、更にこのカップリング15の橋絡部15cの補強片15dとの結合部近傍にはボイスコイル4の引き出し線であるボイスコイルリード4aが挿入される挿入孔15fが設けられ、前記挿入孔15fの近傍の補強片15dの面を前記フランジ15eに延ばした位置の近傍には切り欠き15gが設けられている。
【0019】
この挿入孔15f、切り欠き15gをカップリング15に設けたことにより、ボイスコイル4の引き出し線であるボイスコイルリード4aは挿入孔15fに挿入され、この挿入孔15f近傍の補強片15dに沿って引き出され、切り欠き15gから取り出されてフレキシブルワイヤー11を介してターミナル10に接続することになる。
【0020】
以上のように、上記実施の形態のようにボイスコイルリード4aを適度なテンションを加えて引き回すことで補強片15dにボイスコイルリード4aを密着させ、スリット1aの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリード4aのヨーク1内のスリット1a内引き回しを行ってもスリット1aの幅を広くして磁気効率の低下を招くこともなく、また、カップリング15表面での露出を抑制して、他部品とボイスコイルリード4aの接触による断線等の障害を回避できるものである。
【0021】
更に、挿入孔15fとボイスコイル4からのボイスコイルリード4aの引き出し位置Pを補強片15dを挟む位置関係にした場合は、より補強片15dとボイスコイルリード4aの密着度を向上させ、スリット1a内の引き回しをより磁気効率の低下を招くことを抑制することが可能となる。
【0022】
なお、補強片15dとボイスコイルリード4aの密着度を考慮した場合、挿入孔15f、切り欠き15g、補強片15d等においてボイスコイルリード4aを接着固定することも必要に応じ適宜行うことができる。
【0023】
また、上記実施の形態では切り欠き15gをフランジ15eに設けたが、フランジを設けていないカップリングにあっては外周部15bに切り欠きを設けても良く、また切り欠きに代えてフランジ15eを設けたものにあってはフランジ15eに、フランジのないものにあっては外周部15bに挿入孔を設けても良く、ボイスコイルリード4aの位置決め手段として機能するものであればいずれでも良いものである。
【0024】
また、ダンパー8とカップリング15の接着固定を上記ボイスコイルリード4aの配線引き回しより先に行うものにあっては、カップリング15のフランジ15eに設けた切り欠き15gと対応するダンパー8の位置に同様の切り欠きを設ければ良いものである。
【0025】
(実施の形態2)
本発明のスピーカの他の実施の形態を図4(a),(b)により説明する。図4(a)は本発明のスピーカの一実施の形態の要部であるカップリングの上面図であり、図4(b)は図4(a)のA−O−B断面図であり、主として請求項3について説明するものである。
【0026】
同図により、実施の形態1との相違点のみ説明すると、本実施の形態は実施の形態1のカップリング15にスリット15hを設けたものである。
【0027】
このスリット15hは切り欠き15gの内側の外周部側にボイスコイルリード4aの線径と略同幅のものとして切り欠き15gと連続して設けたものである。このスリット15hによってボイスコイルリード4aの仮止めを可能として、ボイスコイルリード4aの引き回し作業の作業性の向上と配線の緩みを防止して配線の安定性を確保するものである。
【0028】
(実施の形態3)
本発明のスピーカの他の実施の形態を図5(a)〜図6(b)により説明する。図5(a)は本発明の一実施の形態のスピーカの上面図であり、図5(b)は同要部であるカップリングの部分上面図であり、図6(a)は図5(a)のA−O−B断面図であり、図6(b)は同要部であるカップリングの部分断面図であり、同図により主として請求項4について説明するものである。
【0029】
同図により、実施の形態1との相違点のみ説明すると、カップリング15の補強片15dの下端にボイスコイルリード4aの引っ掛け部15jを設けたものであり、カップリング15の橋絡部15cに設けられた挿入孔15fに挿入されたボイスコイルリード4aは補強片15dに沿って、補強片15dの下端に引っ掛け部15jで引っ掛けて反対面に引き回した後、フランジ15eの切り欠き15gから引き出してフレキシブルワイヤー11を介してターミナル10に接続するようにしたものである。
【0030】
以上のようにボイスコイルリード4aを補強片15dの下端の引っ掛け部15jで引っ掛けて引き回した本実施形態においてはボイスコイルリード4aを一旦引っ掛け部15jで係止するのでボイスコイルリード4aのテンションを効果的に得ることができ、ボイスコイルリード4aの補強片15dへの密着の程度をより安定的なものとすることができるものである。
【0031】
【発明の効果】
以上のように構成した本発明のスピーカは、ボイスコイルリードを補強片に密着させてヨークのスリット内を通るように構成したため、カップリング上での露出部分を少なくして他部品とボイスコイルリードの接触による断線等の障害を回避すると共に、ヨークのスリットの幅をむやみに広げることなくボイスコイルリードのスリット内引き回しを可能として磁気効率の低下を招くこともない優れたスピーカの提供可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施の形態のスピーカの上面図
(b)同要部であるカップリングの部分上面図
【図2】(a)図1(a)のA−O−B断面図
(b)同要部であるカップリングの部分断面図
【図3】(a)同カップリングの全体上面図
(b)図3(a)のA−O−B断面図
【図4】(a)本発明の他の実施の形態のスピーカの要部であるカップリングの上面図
(b)図4(a)のA−O−B断面図
【図5】(a)本発明の一実施の形態のスピーカの上面図
(b)同要部であるカップリングの部分上面図
【図6】(a)図5(a)のA−O−B断面図
(b)同要部であるカップリングの部分断面図
【図7】(a)従来のスピーカの上面図
(b)同側断面図
【図8】(a)同要部であるカップリングの上面図
(b)同断面図
【図9】(a)同要部である磁気回路の上面図
(b)図9(a)のA−O−B断面図
【符号の説明】
1 ヨーク
1a スリット
2 磁石
3 磁気回路
3a 磁気ギャップ
4 ボイスコイル
4a ボイスコイルリード
6 振動板
7 フレーム
8 ダンパー
15 カップリング
15a 内周部
15b 外周部
15c 橋絡部
15d 補強片
15e フランジ
15f 挿入孔
15g 切り欠き
15h スリット
15j 引っ掛け部
Claims (4)
- 壁面に放射状の複数のスリットを有する有底のヨークとこのヨークの底面に前記壁面との間に隙間を設けて接着結合された磁石を有する磁気回路と、この磁気回路に形成された磁気ギャップに嵌め込まれるボイスコイルと、このボイスコイルの外周と結合される内周部と前記ヨークの外周に位置する外周部とこの内周部と外周部を接続する橋絡部と前記ヨークのスリットに挿入され前記内周部と前記外周部を連絡した補強片とからなるカップリングと、内周が前記カップリングの外周に結合され、外周が前記磁気回路に結合されたフレームの外周に接着結合される振動板と、内周が前記カップリングの外周に結合され、外周が前記フレームに接合結合されるダンパーとで構成されたスピーカであって、前記カップリングにはボイスコイルの引出線が前記補強片に沿って引き出されるように前記橋絡部に前記引き出し線の挿入孔を設け、前記外周部に位置決め手段を設けたスピーカ。
- 壁面に放射状の複数のスリットを有する有底のヨークとこのヨークの底面に前記壁面との間に隙間を設けて接着結合された磁石を有する磁気回路と、この磁気回路に形成された磁気ギャップに嵌め込まれるボイスコイルと、このボイスコイルの外周と結合される内周部と前記ヨークの外周に位置する外周部とこの内周部と外周部を接続する橋絡部と前記ヨークのスリットに挿入され前記内周部と前記外周部を連絡した補強片と前記外周部の下端に設けられたフランジからなるカップリングと、内周が前記カップリングの外周に結合され、外周が前記磁気回路に結合されたフレームの外周に接着結合される振動板と、内周が前記カップリングの外周に結合され、外周が前記フレームに接着結合されるダンパーとで構成されたスピーカであって、前記カップリングにはボイスコイルの引出線が前記補強片に沿って引き出されるように前記橋絡部に挿入孔を設け、前記フランジに前記引き出し線の位置決め手段を設けたスピーカ。
- フランジに設けたボイスコイルの引出線の位置決め手段の外周部側に前記引き出し線の略線径幅のスリットを設けた請求項2に記載のスピーカ。
- 補強片の下端に引き出し線の引っ掛け部を設けた請求項1または請求項2または請求項3に記載のスピーカ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006222792A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Clarion Co Ltd | 同軸型スピーカ装置 |
JP2007104541A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Hosiden Corp | 電気音響変換器 |
DE102011052778A1 (de) * | 2011-08-17 | 2013-02-21 | Meiloon Industrial Co., Ltd. | Aufbau eines lautsprechers mit einer innenfassung |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286757A patent/JP2004128642A/ja active Pending
Cited By (4)
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