JP2004128345A - 半導体装置の製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法および表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CGシリコン膜を用いたTFTの特性ばらつきを低減する。
【解決手段】(a)絶縁性表面を有する基板を用意する工程と、(b)絶縁性表面上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、(c)複数の半導体素子のそれぞれのチャネル領域が形成される第1領域56に対して所定の位置関係を有する第2領域57の前記非晶質シリコン膜に対して選択的にプラズマ処理を行う工程と、(d)工程(c)の後に、非晶質シリコン膜のほぼ全面に、結晶化を促進するための触媒元素を導入する工程と、(e)工程(d)の後に、非晶質シリコン膜を結晶化することによってCGシリコン膜を形成する工程と、(f)第1領域56の前結晶性シリコン膜を用いて、複数の半導体素子のチャネル領域を形成する工程とを包含する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に絶縁性表面を有する基板上に結晶性を有するシリコン半導体層を形成する方法に関する。本発明は、アクティブマトリクス型表示装置や各種半導体装置の製造に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
薄膜トランジスタ(以下、TFT)を用いた液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力等の利点を持つことから、テレビ、コンピュータ、携帯端末等のディスプレイに利用されている。液晶表示装置に用いられるTFTは、非晶質シリコン層を有するものが一般的であるが、非晶質シリコンの電気特性はLSI等で使用されている単結晶シリコンに比べるとはるかに劣る。そのため、非晶質シリコンを用いて画素用のトランジスタを形成することはできても、より高い特性が要求される周辺回路のトランジスタには利用することができなかった。
【0003】
TFTの特性を向上させるために、従来から多結晶シリコン膜を用いてTFTを製造する方法の研究が続けられてきているが、近年、Continuos Grain Silicon(以下、「CGシリコン」という。)膜を利用して、従来の多結晶シリコンよりも特性の優れたTFTを形成できることが報告されている。このCGシリコン膜は、特許文献1に記載されているように、非晶質シリコン膜にNi等の触媒金属を導入した後、熱処理することによって得られる。CGシリコン膜は、非常に結晶性の優れたシリコン膜である。
【0004】
CGシリコン膜中に残った触媒金属は、特許文献2に記載されているように、以下のようにして除去される。CGシリコン膜の一部に5族元素(例えば燐(P))をドーピングした後、熱処理を加えると、CGシリコン膜中の触媒金属は燐がドープされた領域へと吸い寄せられる。すなわち、燐によってゲッタリングされる。この後、燐が注入された領域のCGシリコン膜をエッチング等により選択的に除去することによって、CGシリコン膜中の触媒金属を取り除くことができる。
【0005】
上述のCGシリコン膜を用いると、従来の多結晶シリコン膜を用いるよりも、移動度やサブスレッシュホールド等の特性の優れたTFTを作製することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−244103公報
【特許文献2】
特開平10−223533号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、CGシリコン膜を用いることによって、優れた特性を有するトランジスタを作製することができるが、トランジスタ特性のばらつきが比較的大きいという問題がある。本発明者が種々検討した結果、このばらつきは、以下の現象に起因しているものと考えられる。図6を参照しながら、従来のCGシリコン膜の形成方法の問題点を説明する。
【0008】
CGシリコン形成工程は、非晶質シリコン膜にNi等の触媒元素を導入した後、熱処理することにより行われる。このときのCGシリコンの成長(結晶成長)の様子を模式的に図6(a)〜(f)に示す。図6(a)〜(f)は基板の表面側から見た状態を示す平面図である。
【0009】
図6(a)に示すように、例えば石英基板上にCVD等により堆積された非晶質シリコン膜51にNi等の触媒金属を導入する。
【0010】
次に、550℃〜600℃の温度で1時間程度熱処理を加えると、図6(b)に示すように結晶成長の核52がランダムに生成される。核52の発生密度は、触媒金属の濃度や非晶質シリコン膜の膜質などに依存すると考えられる。
【0011】
その後、熱処理を続けることにより結晶成長の核52を起点として結晶成長が進み、図6(c)に示すようなCGシリコン結晶53が形成される。このようなひとつの結晶核を起点として成長したCGシリコン結晶の領域をドメインと呼んでいる。ドメイン53内は多結晶状態(多数の結晶粒を含む)であるが、ドメイン53内の隣接する結晶粒同士の結晶方位はほぼ連続している(Continuous Grain)状態である。
【0012】
さらに熱処理を続けると、図6(d)に示すように、成長したドメイン53同士が互いにぶつかり合い、基板全面に亘るCGシリコン膜となって成長が終了する。ドメイン53同士がぶつかった場所はドメイン境界54と呼ばれる。ドメイン53のサイズは形成条件によって異なるが、大きいもので直径200μmを超すものもある。
【0013】
このようにして形成されたCGシリコン膜を用いてTFTを作製すると、CGドメイン53はランダムに発生した結晶核52から成長しているので、ドメイン境界54がランダムに形成される。従った、チャネル領域にドメイン境界54を含むTFT56とそうでないTFT56とが、ある確率で形成されると考えられる。例えば、図6(e)に示すように、破線55で示すように各画素が区切られ、TFT56が配置されている場合、中央およびその下の画素のTFT56内にドメイン境界54が含まれることになる。ドメイン境界54では結晶方位が不連続なため、チャネル領域にドメイン境界54を含まないTFT56に比べて、チャネル領域にドメイン境界54を含むTFT56ではその電気特性が劣り、その結果、特性ばらつきを引き起こすと考えられる。
【0014】
TFT56の特性ばらつきには、さらに、他の要因も考えられる。
【0015】
CGシリコン結晶成長の核52を示した図6(b)と、TFT56を示した図6(e)とを重ね合わせたものを図6(f)に示す。TFT56とそのTFT56に最も近いCGシリコン結晶成長の核52との距離をdとすると、図6(f)からわかるように、TFT56によって距離dに違いがある。なお、TFT56のトランジスタ特性に最も影響するのはそのチャネル領域のシリコン層の特性であるので、TFT56の位置はチャネル領域の位置を基準とする。
【0016】
距離dが短いTFT56に比べて距離dが長いTFT56は、CGシリコン結晶成長開始のタイミングが遅くなっていると考えられる。熱処理温度550℃〜600℃においては、通常の多結晶シリコンの成長も起こりえるので、CGシリコン結晶成長開始のタイミングが遅れるほど、わずかではあるが通常のポリシリコン結晶成長が起こりやすいと考えられる。
【0017】
従って、CGシリコンドメイン境界54を含まないTFT56同士の間でも、CGシリコン結晶成長の核52からの距離dによって、必ずしも結晶性が同一になるとは限らないと考えられる。すなわち、結晶成長核52とTFT56との距離dに違いがあると、各TFT56間の結晶性(結晶の成長方向、結晶粒径、含まれる通常の多結晶シリコンの結晶核の密度など)に違いが生じ、その結果、トランジスタ特性のばらつきが生じると考えられる。
【0018】
トランジスタ特性にばらつきが生じると、例えば周辺回路(駆動回路ともいう。)のTFTの場合には、駆動素子の歩留まりや動作マージンの低下という問題となり、画素用のTFTの場合には、直接的に表示品位を低下させる原因となる。
【0019】
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、CGシリコン膜を用いたTFTの特性ばらつきを低減することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置の製造方法は、絶縁性表面上に複数の半導体素子が配列された半導体装置の製造方法であって、(a)絶縁性表面を有する基板を用意する工程と、(b)前記絶縁性表面上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、(c)前記複数の半導体素子のそれぞれのチャネル領域が形成される第1領域に対して所定の位置関係を有する第2領域の前記非晶質シリコン膜に対して選択的にプラズマ処理を行う工程と、(d)前記工程(c)の後に、前記非晶質シリコン膜のほぼ全面に、結晶化を促進するための触媒元素を導入する工程と、(e)前記工程(d)の後に、前記非晶質シリコン膜を結晶化することによってCGシリコン膜を形成する工程と、(f)前記第1領域の前記結晶性シリコン膜を用いて、前記複数の半導体素子のチャネル領域を形成する工程とを包含し、そのことによって上記目的が達成される。
【0021】
ある好ましい実施形態において、前記工程(c)は、希ガス、酸素、および窒素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むガスをプラズマ化させたガスを用いてプラズマ処理を行う工程を包含する。
【0022】
前記工程(e)は、前記非晶質シリコン膜を500℃以上700℃以下の温度の加熱する工程を包含することが好ましい。
【0023】
前記触媒元素は、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、PtおよびAuからなる群から選択される少なくとも1種の元素であることが好ましい。
【0024】
ある好ましい実施形態において、前記工程(e)の後に、前記第1領域以外の前記結晶性シリコン膜に、前記触媒元素をゲッタリングするための元素を導入する工程(g)をさらに包含する。
【0025】
前記触媒元素をゲッタリングのための元素は、窒素、燐、砒素、アンチモンおよびビスマスからなる群から選択される少なくとも1種の元素であることが好ましい。
【0026】
本発明の表示装置の製造方法は、絶縁性表面上に複数の半導体素子が配列された半導体装置を備える表示装置の製造方法であって、前記半導体装置を上記のいずれかの製造方法によって製造する工程を包含することを特徴とする。
【0027】
ある実施形態において、前記複数の半導体素子は複数の画素のそれぞれに対応して設けられた半導体素子を含む。さらに、前記複数の半導体素子は、前記複数の画素によって規定される表示部の周辺に設けられた駆動回路を構成する半導体素子を含んでもよい。
【0028】
本発明による半導体装置は、絶縁性表面を有する基板と、前記絶縁性表面上に配列された複数の半導体素子とを有する半導体装置であって、前記複数の半導体素子のそれぞれはCGシリコン膜から形成されたチャネル領域を有し、前記チャネル領域内にドメイン境界が存在せず、且つ、前記チャネル領域内の結晶成長方向は前記複数の半導体素子間で概ね等しいことを特徴とする。本発明による表示装置は、このような半導体装置を備えることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を説明する。ここでは、アクティブマトリクス型液晶表示装置の製造プロセスにおいて、それぞれが画素に対応して設けられる複数の半導体素子(TFT)の製造方法を例示するが、本発明はこれに限られず、液晶表示装置の表示部の周辺領域に設けられる駆動回路を構成する半導体素子の作製にも適用される。もちろん、液晶表示装置に限られず、有機EL表示装置を始めてとする他のアクティブマトリクス型の表示装置にも適用できる。すんわち、本発明は、絶縁性表面上に複数の半導体素子が配列された構成を備える半導体装置および表示装置に広く適用できる。
【0030】
本発明の実施形態による半導体装置の製造方法は、(a)絶縁性表面を有する基板を用意する工程と、(b)絶縁性表面上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、(c)複数の半導体素子のそれぞれのチャネル領域が形成される第1領域に対して所定の位置関係を有する第2領域の前記非晶質シリコン膜に対して選択的にプラズマ処理を行う工程と、(d)工程(c)の後に、非晶質シリコン膜のほぼ全面に、結晶化を促進するための触媒元素を導入する工程と、(e)工程(d)の後に、非晶質シリコン膜を結晶化することによってCGシリコン膜を形成する工程と、(f)第1領域の前結晶性シリコン膜を用いて、複数の半導体素子のチャネル領域を形成する工程とを包含する。
【0031】
本発明者は、CGシリコン膜を形成する前に、上記工程(c)を実行することによって、CGシリコンの結晶核の発生しやすやを制御できることを見出し、本発明に至った。
【0032】
図1に、非晶質シリコンに対するプラズマ処理時間とCGシリコンのドメインサイズとの関係を示す。
【0033】
ここでは、CVD法を用いて厚さ70nmのa−Si膜を堆積し、このa−Si膜にOプラズマを用いてプラズマ処理を施した。プラズマ処理条件は、パワー:450W、温度:390℃、圧力:9torr、O流量:900sccmとした。プラズマ処理時間を変えて、その後、上述の方法に従ってCGシリコン膜を形成した(例えば、a−Si膜上に塗布法などにより触媒を添加後、窒素雰囲気中で6時間〜24時間加熱処理)。得られたCGシリコン膜のCGシリコンドメインの大きさは光学顕微鏡を用いて求めた。
【0034】
図1に示した実験結果から、プラズマ処理を行わない場合に比べて、プラズマ処理を行った場合はドメインサイズが小さくなることがわかる。この原因は以下のように考えられる。
【0035】
プラズマ処理によって、Oプラズマガスに含まれるO(NまたはArなどの希ガス元素を含むガスであってもよい。)が非晶質シリコン中に入り込む。触媒元素によるCGシリコン成長の際に、これらSi以外の元素(ここではO)の存在が、膜中にひずみ(または応力)を発生させ、その結果、プラズマ処理が施されると結晶核が発生しやすくなる。
【0036】
この現象を利用して、非晶質シリコン膜のある領域に選択的にプラズマ処理を施し、特定の領域に優先的に結晶核を発生させることによって、CGシリコンドメイン境界が形成される位置を制御することができる。従って、TFT(少なくともチャネル領域)にCGシリコンドメイン境界が形成されないように、且つ、TFTとの距離が一定となるように、TFTのチャネル領域と所定の位置関係にある領域にプラズマ処理を施すのが上記工程(c)である。
【0037】
図2に、本実施形態におけるプラズマ処理を施す領域の位置とTFT(チャネル領域)との位置関係の例を模式的に示す。
【0038】
画素境界線55で示しされているように、マトリクス状に配列された画素に対応してTFT56を形成する場合、それぞれのTFT56(厳密にはTFT56を形成する領域)からプラズマを照射する領域57までの距離d(最短距離)が一定となるように領域57を設定する。ここでは、隣接するTFT56の列を等分するストライプ状の領域57を一列飛ばしで形成する例を示す。
【0039】
このようにプラズマ照射領域57を設けると、CGシリコンの結晶核がプラズマ照射領域57に生成され、そこから結晶成長が進む。その結果、CGシリコン境界58は隣接するストライプ状のプラズマ照射領域57の間の中央付近にほぼ線状に形成される。このCGシリコン境界58が形成される位置は、隣接するプラズマ照射領域57の間にある、隣接するTFT56の列のほぼ中央になる。従って、CGシリコン境界58を含む領域は簡単に除去することができる。
【0040】
上述したように本実施形態によると、TFT56を形成する領域にCGシリコンドメイン境界58が形成されず、且つ、CGシリコン結晶核(すなわちプラズマ照射領域57)からTFT56までの距離dが同じであるため、CGシリコン結晶の成長方向も概ね等しい。さらに、結晶粒径、含まれる通常の多結晶シリコンの結晶核の密度などもほぼ等しく、TFT56の特性ばらつきを抑えることができる。
【0041】
なお、プラズマ照射領域57のパターンは、上記の例に限られず、TFT56を形成する領域以外の領域で、且つ、TFT56までの距離dが同じとなるように設定すればよい。但し、TFT56を形成する領域と近すぎると、ドメイン境界58を含む領域のCGシリコン膜を除去し難くなるので、隣接するTFT56の中央付近にドメイン境界58が形成されるように設けることが好ましい。また、プラズマ照射領域57に選択的にプラズマを照射するためには、例えば、プラズマ照射領域57に対応する開口部を有するレジスト層を形成し、レジスト層を介してプラズマを照射すればよい。
【0042】
次に、図3から図5を参照しながら、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を具体的に説明する。図3から図5は、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法における一連の工程を模式的に示す断面図である。
【0043】
まず、図3(a)に示すように、絶縁性表面を有する基板(例えば石英基板)11上にLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により第1の非晶質シリコン(a−Si)膜12を70nm堆積させる。条件は、例えば、原料ガスとしてジシランガス(Si)を用いて、温度450℃、圧力50Paとする。
【0044】
次に、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィプロセスにより、所定の位置に開口部(窓)13aを有するレジスト層13を形成する。この開口部13が、図2におけるプラズマ照射領域57に対応する。
【0045】
続いてOプラズマ処理を行う。プラズマ処理条件は、例えば、パワー:450W、温度:390℃、圧力:9torr、O流量:900sccm、処理時間:60秒とする。これにより、開口部13内に露出されている領域のa−Si膜12だけが選択的にプラズマに晒される。このとき、TFTのチャネル領域内にCGシリコンドメイン境界が含まれず、且つ、TFTとの距離を等しくするようにレジスト開口部13aを形成する。
【0046】
次に、図3(c)に示すように、レジスト層13を除去した後、a−Si膜12上のほぼ全面に触媒金属として例えばNiを10ppm溶かした水溶液をスピン塗布して、結晶化を促進させる触媒金属元素としてのNiをa−Si膜11の表面に添加する。上記a−Si膜12表面の単位面積当たりのNi14の濃度が1×1012〜1×1013cm−2となるように設定する。また、上記Ni14をa−Si膜12に添加する方法として、スパッタ法、CVD法、プラズマ処理法および蒸着法などを用いても良い。
【0047】
なお、添加するNi14の濃度はa−Si膜12の膜厚に依存するが、上記に関係を満足するように、a−Si膜12の膜厚に応じて単位面積当たりのNi14の濃度を調節すればよい。また、a−Si膜12の全面を結晶化するためには、a−Si膜12の全面に均一にNi14を添加することが好ましい。部分的にNi14を添加して、a−Si膜12の全面を結晶化するためには、全面に添加する場合に比べて、例えば10倍以上の濃度で添加する必要があり、CGシリコン膜中に残存しやすくなるので好ましくない。
【0048】
次に、窒素雰囲気中にて600℃、12時間の熱処理を行って、a−Si膜14の固相結晶化を行って、図3(d)に示すようなCGシリコン膜15を形成する。このとき、先に図3(b)に示したようにOプラズマを照射した部分(開口部13a内)からCGシリコン成長が起こるため、CGシリコンドメイン境界16がOプラズマ照射時の開口部13a間の中央付近に形成される。
【0049】
次に、図3(e)に示すように、CGシリコン膜15上にゲッタリングマスク17を形成する。ゲッタリングマスクはCVD法等により、酸化膜、窒化膜、あるいはSiON膜などを用いる。膜厚は後工程のイオン注入で下部のCGシリコン膜にイオン注入されないような膜厚を確保する。例えば200nm程度形成する。なお、フォトレジストを使用してゲッタリングマスク17を形成しても良い。
【0050】
次に、図3(f)に示すようにゲッタリングマスク17の開口部17aにドーズ量が1×1015cm−2〜8×1015cm−2の燐イオン18を注入する。このとき、ゲッタリングマスク17は注入マスクとして働くため、燐イオン18はゲッタリングパターンの開口部17aのCGシリコン膜19に注入される。なお、フォトレジストを使用してゲッタリングマスク17を形成した場合は、燐イオン注入後レジストを除去する。
【0051】
次に、600℃〜700℃で、24時間の熱処理を行い、図4(a)に示すように、CGシリコン膜15中の触媒金属であるNiをCGシリコン膜19中にゲッタリングする。これによりCGシリコン膜15中の触媒金属を取り除くことができる。
【0052】
次に、図4(b)に示すように、ゲッタリングマスク17をマスクとして、CGシリコン膜19をエッチングにより除去する。なお、先にゲッタリングマスク17を除去した後、改めてCGシリコン膜19をエッチングするためのフォトレジストパターンを形成してから、CGシリコン膜19をエッチングしても良い。このとき、フォトレジストパターンの開口部をゲッタリングマスク17の開口部より大きめにすることで、ゲッタリング注入領域(開口部17aに対応する領域)に隣接するCGシリコン膜も同時に除去することができるので、より確実にNiを除去することができる。また、先にゲッタリングマスク17をレジストで形成した場合には、必ずCGシリコン膜19をエッチングするためのフォトレジストパターンを形成する必要がある。
【0053】
次に、図4(c)に示すように、ゲッタリングマスク17を除去した後、CGシリコン膜15の表面から30nm程度を、酸化雰囲気中で900℃〜1050℃の温度で酸化し、酸化膜20を形成する。この工程により、CGシリコン膜16の結晶性がさらに向上する。なお、この酸化工程は省略しても良い。
【0054】
次に、図4(d)に示すように、酸化膜20を除去した後、TFTの活性領域21を形成するためパターニングを行う。このとき、CGシリコンドメイン境界はTFTのチャネル領域に含まれず、除去される。
【0055】
次に、図4(e)に示すように、基板全面にCVD法等により、酸化膜22を80nm形成し、続いて、ゲート電極23を形成する。さらに、ゲート電極23をマスクにして、ドーズ量が3×1015cm−2程度の燐イオンを注入して、ソース領域24、ドレイン領域25を形成する。ゲート電極23の下の領域はチャネル領域26となる。なお、TFTのしきい値制御のため、チャネル領域26にチャネル注入を行っても良い。
【0056】
次に、図5(a)に示すように、層間絶縁膜27を形成した後、ソース領域24、及びドレイン領域25に注入された燐イオンを活性化させるため、900℃、30分間の熱処理を行った後、ソース電極およびドレイン電極を取り出すために、ソースコンタクトホール28、ドレインコンタクトホール29を形成した後、ソース電極30およびドレイン電極31を形成する。
【0057】
最後に、図5(b)に示すように、窒化膜32を形成した後、水素化処理を行う。
【0058】
このようにして、CGシリコンドメイン境界をTFTのチャネル領域に含まず、かつ、少なくともチャネル領域のCGシリコンの結晶性を揃えることができるので、TFTの電気特性ばらつきを小さく抑えることができる。
【0059】
上述の製造方法は、液晶表示装置などのアクティブマトリクス型表示装置の画素用TFTアレイの製造方法にそのまま適用できる例であるが、上記の方法は、画素用TFTのみならず、周辺回路を構成するTFTにも同様に適用できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によると、CGシリコン膜を用いたTFTの電気特性ばらつきを抑制することができる。例えば、表示装置の画素用TFTに適用することによって、表示品位のばらつきを抑制することができる。また、周辺回路のTFTに適用することにより、ドライバ動作歩留まりやや動作マージンを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質シリコンに対するプラズマ処理時間とCGシリコンのドメインサイズとの関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施形態におけるプラズマ処理を施す領域の位置とTFTとの位置関係の例を模式的に示す図である。
【図3】(a)〜(f)は、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法における工程を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法における他の工程を模式的に示す断面図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法における他の工程を模式的に示す断面図である。
【図6】(a)〜(f)は、従来の形成方法におけるCGシリコンドメイン成長の様子を説明するための模式図である。
【符号の説明】
11 絶縁性表面を有する基板(石英基板)
12 非晶質シリコン(a−Si)膜
13 レジスト層
14 Ni
15 CGシリコン膜
16 CGシリコンドメイン境界
17 ゲッタリングマスク
18 燐イオン
19 CGシリコン膜
20 酸化膜
21 活性領域
22 酸化膜
23 ゲート電極
24 ソース領域
25 ドレイン領域
26 チャネル領域
27 層間絶縁
28 ソースコンタクトホール
29 ドレインコンタクトホール
30 ソース電極
31 ドレイン電極
32 窒化膜
51 非晶質シリコン
52 結晶成長の核
53 ドメイン
54 ドメイン境界
55 画素境界
56 TFT
57 プラズマ照射領域
58 CGシリコンドメイン境界

Claims (11)

  1. 絶縁性表面上に複数の半導体素子が配列された半導体装置の製造方法であって、
    (a)絶縁性表面を有する基板を用意する工程と、
    (b)前記絶縁性表面上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    (c)前記複数の半導体素子のそれぞれのチャネル領域が形成される第1領域に対して所定の位置関係を有する第2領域の前記非晶質シリコン膜に対して選択的にプラズマ処理を行う工程と、
    (d)前記工程(c)の後に、前記非晶質シリコン膜のほぼ全面に、結晶化を促進するための触媒元素を導入する工程と、
    (e)前記工程(d)の後に、前記非晶質シリコン膜を結晶化することによってCGシリコン膜を形成する工程と、
    (f)前記第1領域の前記結晶性シリコン膜を用いて、前記複数の半導体素子のチャネル領域を形成する工程と、
    を包含する、半導体装置の製造方法。
  2. 前記工程(c)は、希ガス、酸素、および窒素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むガスをプラズマ化させたガスを用いてプラズマ処理を行う工程を包含する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記工程(e)は、前記非晶質シリコン膜を500℃以上700℃以下の温度の加熱する工程を包含する、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記触媒元素は、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、PtおよびAuからなる群から選択される少なくとも1種の元素である、請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記工程(e)の後に、前記第1領域以外の前記結晶性シリコン膜に、前記触媒元素をゲッタリングするための元素を導入する工程(g)をさらに包含する、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記触媒元素をゲッタリングのための元素は、窒素、燐、砒素、アンチモンおよびビスマスからなる群から選択される少なくとも1種の元素である、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 絶縁性表面上に複数の半導体素子が配列された半導体装置を備える表示装置の製造方法であって、
    前記半導体装置を請求項1から6のいずれかに記載の製造方法によって製造する工程を包含する、表示装置の製造方法。
  8. 前記複数の半導体素子は複数の画素のそれぞれに対応して設けられた半導体素子を含む、請求項7に記載の表示装置の製造方法。
  9. 前記複数の半導体素子は、前記複数の画素によって規定される表示部の周辺に設けられた駆動回路を構成する半導体素子を含む、請求項8に記載に表示装置の製造方法。
  10. 絶縁性表面を有する基板と、前記絶縁性表面上に配列された複数の半導体素子とを有する半導体装置であって、
    前記複数の半導体素子のそれぞれはCGシリコン膜から形成されたチャネル領域を有し、前記チャネル領域内にドメイン境界が存在せず、且つ、前記チャネル領域内の結晶成長方向は前記複数の半導体素子間で概ね等しい、半導体装置。
  11. 請求項10に記載の半導体装置を備える表示装置。
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