JP2004127824A - 液体燃料電池とその液体燃料の供給・排出方法 - Google Patents

液体燃料電池とその液体燃料の供給・排出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体燃料の供給および排出を液漏れすることなく確実に行うことができ、小型でも長時間安定して発電できる液体燃料電池を提供する。
【解決手段】液体燃料貯蔵部5を備えた本体部24と供給タンク3aとからなり、本体部24と供給タンク3aとは着脱可能に形成され、本体部24の液体燃料貯蔵部5へ供給タンク3aから液体燃料4が供給され、本体部24の開口部17と供給タンク3aの開口部16aとは、それぞれ弁12a、12bおよびストッパー14a、14bを備え、本体部24の弁12bと供給タンク3aの弁12aとは、相互に当接して押圧されることにより開放され、液体燃料4が流入する側の弁12bの開放圧力が、液体燃料4が流出する側の弁12aの開放圧力より小さく設定されている液体燃料電池とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料として液体を用いた液体燃料電池とその液体燃料の供給・排出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
【0003】
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、空気電池、燃料電池などが考えられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。空気電池は、空気中の酸素を正極の活物質として利用する電池であり、電池内容積の大半を負極の充填に費やすことが可能であることから、エネルギー密度を増加させるためには好適な電池であると考えられる。しかし、この空気電池には、電解液として使用するアルカリ溶液が空気中の二酸化炭素と反応して劣化してしまう問題がある。
【0004】
一方、従来の燃料電池では、単電池を積層して構成されているため、嵩高くなり、また酸素および燃料をそれぞれの正極および負極に流通させて供給しなければならず、燃料供給のための補器を必要とする。その結果、従来の燃料電池はリチウムイオン電池などの小型二次電池に比べてはるかに大きくなってしまい、小型ポータブル電源として用いるには問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−200468号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2001−223018号公報
ここで、酸素および燃料を強制的に流通させる補器を除去することで出力は低下するものの、燃料電池の小型化を図ることはできる。しかし、複数の電極・電解質一体化物を積み重ねていく積層構造を有する燃料電池では、小型化には限界がある。
【0007】
これに対し、複数の電極・電解質一体化物をそれぞれ同一平面上に配置すると、燃料タンクを共有でき、空気との接触も良好となり、さらに前記積層構造に比べて電池を小型化できる。
【0008】
図13に従来の平面構造の液体燃料電池の断面図を示す。図13において、隣り合う正極8と負極9とは負極集電体7a、正極集電体7bおよび集電リード部11とで電気的に接続されている。また、この接続部近傍で液体燃料4の封止を電気的絶縁体27で行っている。液体燃料4は燃料タンク28に貯蔵されており、燃料タンク28内には燃料吸い上げ材5cが配置されている。また、燃料電池の使用時間を長くする手法として、図14に示すように燃料タンク28を電池本体とは別に設けて、配管で液体燃料4を流通させて電池本体の発電部に供給する方法もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記いずれの構造の燃料電池であっても、電池を長期間継続して使用するためには、液体燃料の補給が必要となる。また、液体燃料の種類によっては使用状況に応じて、液体燃料の交換を要する場合もあり、液体燃料を燃料タンクへ供給するだけでなく、液体燃料を燃料タンクから排出する必要もある。
【0010】
従来、この液体燃料の供給または排出は、燃料充填口6cを通して行っていた。しかし、この方法では、液体燃料が漏液しやすく、一般使用者の使用に不便であるという問題があった。
【0011】
本発明は、液体燃料の供給および排出を液漏れすることなく確実に行うことができる液体燃料電池とその液体燃料の供給・排出方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の液体燃料電池は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料貯蔵部とを備えた液体燃料電池であって、
前記液体燃料貯蔵部は、開口部を備え、
前記液体燃料貯蔵部の開口部は、弁を備え、
前記開口部の弁は、外部から押圧されることにより開放されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第2の液体燃料電池は、本体部と外部タンクとを含み、前記本体部は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料貯蔵部とを備えた液体燃料電池であって、
前記本体部と前記外部タンクとは着脱可能に形成され、前記本体部の液体燃料貯蔵部と前記外部タンクとはそれぞれ開口部を備え、
前記本体部の開口部と前記外部タンクの開口部とは、それぞれ弁およびストッパーを備え、
前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とは、相互に当接して押圧されることにより開放され、
液体燃料が流入する側の前記弁の開放圧力が、液体燃料が流出する側の前記弁の開放圧力より小さく設定されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法は、前記本発明の第2の液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法であって、
前記本体部と前記外部タンクとを接続し、
前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを当接させ、
前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを相互に押圧して、液体燃料が流入する側の弁を開放した後にストッパーに当接させ、
その後、さらに前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを相互に押圧して、液体燃料が流出する側の弁を開放し、
前記本体部の液体燃料貯蔵部と前記外部タンクとの間で液体燃料を移動させた後、
前記本体部の弁と前記外部タンクの弁との押圧を緩めて、前記液体燃料が流出する側の弁を閉じ、
その後、さらに前記本体部の弁と前記外部タンクの弁との押圧を緩めて、前記液体燃料が流入する側の弁を閉じることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0016】
本発明の液体燃料電池の一実施形態は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料貯蔵部とを備えている。また、前記液体燃料貯蔵部は液体燃料を外部から供給または排出するための開口部を備え、前記液体燃料貯蔵部の開口部は弁を備え、前記開口部の弁は外部から押圧されることにより開放される。
【0017】
液体燃料電池の本体側にある液体燃料貯蔵部の開口部に弁を設けることにより、液体燃料電池の使用時における液体燃料の漏液を防止できるとともに、液体燃料の供給または排出の際における漏液をも防止できる。
【0018】
また、本発明の液体燃料電池の他の実施形態は、本体部と外部タンクとを含み、前記本体部は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料貯蔵部とを備えている。前記本体部と前記外部タンクとは着脱可能に形成され、前記本体部の液体燃料貯蔵部と前記外部タンクとはそれぞれ開口部を備え、それらの開口部を通して液体燃料が供給または排出される。前記本体部の開口部と前記外部タンクの開口部とは、それぞれ弁(例えば、球状または円柱状の弁体)およびストッパーを備えている。前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とは、相互に当接して押圧されることにより開放され、液体燃料が流入する側の前記弁の開放圧力が、液体燃料が流出する側の前記弁の開放圧力より小さく設定されている。
【0019】
より具体的には、前記外部タンクが液体燃料を供給するための供給タンクである場合には、前記本体部の弁の開放圧力が前記供給タンクの弁の開放圧力より小さく設定されている。これにより、本体部と供給タンクとを接続して液体燃料を供給する際、液体燃料が流入する側の本体部の弁が最初に開放して受け入れ準備が完了した後に、液体燃料が流出する側の供給タンクの弁が開放するため、液体燃料の供給開始時に液漏れすることはない。また、液体燃料の供給が終了して本体部と供給タンクとを分離する際には、最初に液体燃料が流出する側の供給タンクの弁が閉じて液体燃料の供給が完全に止まった後に、液体燃料が流入する側の本体部の弁が閉じるため、液体燃料の供給終了時に液漏れすることはない。
【0020】
また、前記外部タンクが液体燃料を排出するための排出タンクである場合には、前記本体部の弁の開放圧力が前記排出タンクの弁の開放圧力より大きく設定されている。これにより、本体部と排出タンクとを接続して液体燃料を排出する際、液体燃料が流入する側の排出タンクの弁が最初に開放して受け入れ準備が完了した後に、液体燃料が流出する側の本体部の弁が開放するため、液体燃料の排出開始時に液漏れすることはない。また、液体燃料の排出が終了して本体部と排出タンクとを分離する際には、最初に液体燃料が流出する側の本体部の弁が閉じて液体燃料の排出が完全に止まった後に、液体燃料が流入する側の排出タンクの弁が閉じるため、液体燃料の排出終了時に液漏れすることはない。
【0021】
さらに、本実施形態の液体燃料電池は、液体燃料の供給および排出の途中においても外部への液漏れがなく、また、本体部と外部タンクとを着脱可能として分離することができるため、本体部の液体燃料貯蔵部を最小にでき、電極、電解質、集電体などの発電要素を集約でき、液体燃料電池の小型化を図ることができる。また、液体燃料の供給と排出を本体部の同一の開口部で行うことができるので、供給タンクのためのスペースと排出タンクのためのスペースを別々に2つ設ける必要がなく、装置の小型化を図ることができる。また、液体燃料の供給タンクの抜き差しができるので、液体燃料電池の実装機器への未使用時には、供給タンクを除去することで液体燃料の供給遮断が容易に可能で、液体燃料電池の寿命を延ばすことができる。加えて、液体燃料電池を長時間使用する時には、供給タンクを装着したままにすれば、十分な液体燃料を供給できる。
【0022】
また、開放前の前記本体部の弁と、開放前の前記外部タンクの弁とは、それぞれ環状の液体燃料封止部(例えば、封止リング)に押圧されていることが好ましい。弁が閉じている状態での液体燃料の流出を防止できるからである。
【0023】
また、前記外部タンクの外装部には、環状部材(例えば、タンクシールガスケット)が配置されていることが好ましい。液体燃料の供給・排出の際に、本体部と外部タンクとの隙間から外部へ液体燃料が流出すること防止できるからである。
【0024】
また、前記液体燃料封止部および前記環状部材は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、ポリプロピレン、ナイロンおよびポリエチレンからなる群から選択された少なくとも1種類からなることが好ましい。これらは、液体燃料の密閉性に優れた材料だからである。
【0025】
また、前記本体部の開口部の外側および前記外部タンクの開口部の外側の少なくとも一方には、保液スリット(例えば、環状スリット)が設けられていることが好ましい。液体燃料の供給・排出の終了後に、この保液スリットに残った液体燃料が保持され、外部への液体燃料の流出を防止できるからである。
【0026】
また、前記本体部には、前記外部タンクを挿入可能な挿入口が備えられていることが好ましい。液体燃料の供給・排出の際に、本体部と外部タンクとを容易に固定できるからである。
【0027】
また、前記本体部の開口部が前記本体部の挿入口の内部に設けられ、前記挿入口の直径が10mm以下であることが好ましく、より好ましくは3〜8mmの範囲である。本体部の弁に手指が触れることがなくなり、誤って弁が開放することを防止できるからである。
【0028】
また、前記本体部の挿入口の周辺に開閉式シャッタを設けることが好ましい。本体部の挿入口へ異物が混入することによるトラブルを未然に防ぐことができ、さらに本体部の弁の意に反する開放を防止して安全性を高めることができるからである。
【0029】
また、前記外部タンクは、その外面部に凸部(例えば、固定用プランジャ)を備え、前記本体部の挿入口の内面部には凹部(例えば、固定用爪)を備え、前記凸部と前記凹部とが嵌合することが好ましい。または、前記外部タンクは、その外面部に凹部を備え、前記本体部の挿入口の内面部には凸部を備え、前記凸部と前記凹部とが嵌合することが好ましい。液体燃料の供給・排出の際に、凹凸部がかみ合うことで本体部と外部タンクとを容易に固定できるからである。
【0030】
また、前記本体部の挿入口の内面部に備えられた凸部の位置が、前記外部タンクの種類に応じて変更可能なことが好ましい。供給タンクと排出タンクの凹部の位置を相違させておくことにより、供給タンクと排出タンクとを間違えることなく挿入できるからである。
【0031】
また、本実施形態の液体燃料電池は、前記正極と、前記負極と、前記電解質層とが、電極・電解質一体化物を構成し、前記電極・電解質一体化物が同一平面上に配置されていることが好ましい。電池の厚みを薄くすることが可能となるからである。
【0032】
また、前記電極・電解質一体化物を複数備え、前記電極・電解質一体化物の各電解質層は、相互に連続した一体化物として形成されていることが好ましい。部品点数や組立て工数の削減を図れるからである。
【0033】
また、本実施形態の液体燃料電池は、液体燃料を含浸して保持し且つ前記負極に前記液体燃料を供給する液体燃料含浸部(例えば、燃料吸い上げ材)を備え、前記液体燃料含浸部が前記負極と接する部分に配置されていることが好ましい。液体燃料が消費されても、液体燃料と負極との接触が維持されるため、液体燃料を最後まで使い切ることができるからである。
【0034】
また、前記液体燃料貯蔵部および前記外部タンクから選択される少なくとも一つは、気液分離孔を備え、前記気液分離孔には気液分離膜が配置されていることが好ましい。液体燃料を漏液させることなく、放電反応で生成した二酸化炭素などを外部に放出できるからである。
【0035】
さらに、本実施形態の液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法は、前記液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法であり、先ず、前記本体部と前記外部タンクとを接続し、前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを当接させ、前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを相互に押圧して、液体燃料が流入する側の弁を開放した後にこの開放した弁をストッパーに当接させる。その後、さらに前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを相互に押圧して、液体燃料が流出する側の弁を開放し、前記本体部の液体燃料貯蔵部と前記外部タンクとの間で液体燃料を供給または排出する。
【0036】
液体燃料の供給または排出が終了した後に、前記本体部の弁と前記外部タンクの弁との押圧を緩めて、前記液体燃料が流出する側の弁を閉じ、その後、さらに前記本体部の弁と前記外部タンクの弁との押圧を緩めて、前記液体燃料が流入する側の弁を閉じる。
【0037】
これにより、外部への液漏れなく外部タンクを着脱可能とすることができ、容易に液体燃料の供給、排出及び遮断を行い、液体燃料電池を継続して長期間使用できる。
【0038】
また、本実施形態の液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法は、前記液体燃料が流入する側の弁を閉じた後に、前記本体部と前記外部タンクとを分離することができる。
【0039】
なお、本発明は、酸素および燃料をそれぞれの正極および負極に流通させて供給する補器を備えた液体燃料電池においても適用可能であり、これにより液体燃料貯蔵部の省スペース化を図れることで全体の大きさを小さくできる。
【0040】
次に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0041】
(実施形態1)
図1に本発明の液体燃料電池の本体部(a)と外部タンク(b)の実施形態の断面図を示す。
【0042】
先ず、本実施形態の液体燃料電池の本体部を説明する。図1において、本体部24は、その両側の外面にカバー板2を備え、カバー板2には空気孔1が複数設けられている。これにより、空気孔1を通して大気中の酸素が後述する正極8と接することになる。本体部24は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂や、ステンレス鋼などの耐食性金属で形成される。
【0043】
また、液体燃料貯蔵部5が、カバー板2と対向する位置および本体部24の側面部に設けられている。カバー板2と液体燃料貯蔵部5との間には、正極8、負極9、電解質層10などからなる発電部が配置されている。
【0044】
正極8は、例えば、多孔性の炭素材料からなる拡散層8aと、触媒を担持した炭素粉末からなる触媒層8bとを積層して構成される。正極8は酸素を還元する機能を有しており、その触媒には、例えば、白金微粒子や、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウムまたは金などと白金との合金微粒子などが用いられる。また、触媒層8bには、PTFE樹脂粒子やプロトン交換樹脂粒子が含まれる場合がある。プロトン交換樹脂粒子としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂やスルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂などを用いることができる。拡散層8aの触媒層側には撥水性向上のため、PTFE樹脂粒子を含む炭素粉末のペーストが塗布されている場合もある。
【0045】
電解質層10は、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により形成される。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂膜、具体的には、デュポン社製の“ナフィオン”(商品名)、旭硝子社製の“フレミオン”(商品名)、旭化成工業社製の“アシプレックス”(商品名)などにより電解質層10を形成することができる。その他では、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂膜、スルホン化ポリイミド樹脂膜、硫酸ドープポリベンズイミダゾール膜などからも形成することができる。
【0046】
負極9は、拡散層9aと触媒層9bとからなり、燃料からプロトンを生成する機能、即ち燃料を酸化する機能を有しており、例えば、正極と同様に形成することができる。
【0047】
上記正極8、上記負極9および上記電解質層10は、積層されて電極・電解質一体化物を形成している。即ち、電極・電解質一体化物は、正極8と、負極9と、正極8と負極9との間に設けられた電解質層10とから形成されている。また、この電極・電解質一体化物は、平面状に複数個配置されている。
【0048】
各電極・電解質一体化物の間には、電気的絶縁体27が配置され、各電極・電解質一体化物間の短絡を防止するとともに、液体燃料の正極側や電池外への流出を防止している。電気的絶縁体27は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムやポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンなどの弾性絶縁樹脂で形成されている。
【0049】
正極8の電解質層10とは反対側の、正極8と接する箇所には正極集電体7bが設置され、負極9の電解質層10とは反対側の、負極9と接する箇所には負極集電体7aが設置されており、隣接する正極集電体7bの一部と負極集電体7aの一部とが、連結集電体7cで電気的に接続されている。これらの集電体7a、7b、7cは、例えば、白金、金などの貴金属や、ステンレス鋼などの耐食性金属、またはカーボンなどの導電性部材から形成されている。
【0050】
負極9と接する部分には燃料供給孔29が設けられており、この部分から液体燃料が負極9へと供給される。また、液体燃料を含浸して保持し且つ負極9に液体燃料を供給する燃料吸い上げ材5aが、液体燃料貯蔵部5の内部に配置されている。これにより、液体燃料が消費されても、液体燃料と負極9との接触が維持されるため、液体燃料を最後まで使い切ることができる。燃料吸い上げ材5aとしては、ガラス繊維を用いることができるが、液体燃料の含浸によって寸法が余り変化せず、化学的にも安定なものであれば他の材料を用いても良い。
【0051】
また、本体部24の中央部には、外部タンク3を挿入するための挿入口25が設けられている。挿入口25の先には、液体燃料を供給または排出するための開口部17が設けられている。開口部17には樹脂製または金属製である球状の弁体12bが備えられ、弁体12bは圧縮バネ13bにより封止リング21bに押圧されている。また、封止リング21bに対向する位置にはストッパー14bが設けられ、その下部にはストッパーガスケット15bが配置されている。開口部17の外側には、環状スリット20が設けられている。さらに、環状スリット20に隣接して圧縮吸収材18が備えられている。
【0052】
次に、本実施形態の液体燃料電池の外部タンクについて説明する。外部タンク3は、液体燃料電池の本体部24へ液体燃料4を供給する場合には供給タンク3aとなり、本体部24から液体燃料4を排出する場合には排出タンク3bとなる。液体燃料4としては、例えば、メタノール水溶液、エタノール水溶液、ジメチルエーテル、水素化ホウ素ナトリウム水溶液、水素化ホウ素カリウム水溶液、水素化ホウ素リチウム水溶液などが用いられる。
【0053】
外部タンク3は、例えば、PTFE、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂や、ステンレス鋼などの耐食性金属から形成することができる。
【0054】
次いで、本実施形態の液体燃料電池の液体燃料の供給または排出の方法について説明する。
【0055】
先ず、外部タンク3が供給タンク3aである場合を説明する。供給タンク3aは本体部24の挿入口25に挿入でき、着脱が可能である。供給タンク3aの先端部には、液体燃料4を供給するための開口部16aが設けられている。開口部16aには樹脂製または金属製である球状の弁体12aが備えられ、弁体12aは圧縮バネ13aにより封止リング21aに押圧されている。また、封止リング21aに対向する位置にはストッパー14aが設けられ、その下部にはストッパーガスケット15aが配置されている。
【0056】
また、本体部24の弁体12bの圧縮バネ13bの圧縮力は、供給タンク3aの弁体12aの圧縮バネ13aの圧縮力より小さく設定してある。これにより、本体部24に供給タンク3aを接続する際には、本体部24の弁体12bが最初に開放され、その後に供給タンク3aの弁体12aが開放される。逆に、本体部24から供給タンク3aを離脱する際には、供給タンク3aの弁体12aが最初に閉じられ、その後に本体部24の弁体12bが閉じられる。
【0057】
また、供給タンク3aの弁体12aと本体部24の弁体12bとの接触面は、本体部24の外装面より凹部にあり、本体部24の挿入口25へ供給タンク3aを挿入することで液体燃料4を供給する。
【0058】
次に、本体部24と供給タンク3aとの着脱方法をさらに詳しく説明する。図2から図5は、本体部24に供給タンク3aを装着している状態の断面図である。図2は、本体部24の挿入口25に供給タンク3aを挿入した最初の段階を示しており、弁体12aおよび弁体12bはともに閉じている。ここで、さらに供給タンク3aを本体部24に押し込むと、図3に示すように、供給タンク3aの弁体12aと本体部24の弁体12bが衝突する。ここで、さらに供給タンク3aを本体部24に押し込むと、本体部24の弁体12bの圧縮バネ13bの圧縮力は、供給タンク3aの弁体12aの圧縮バネ13aの圧縮力より小さく設定してあるので、図4に示すように、本体部24の弁体12bが封止リング21bから離れ、弁体12bが最初に開放される。次に、さらに供給タンク3aを本体部24に押し込むと、本体部24の弁体12bがストッパー14bに当接する。ここで、さらに供給タンク3aを本体部24に押し込むと、図5に示すように、供給タンク3aの弁体12aは封止リング21aから離れ、弁体12aが開放され、液体燃料4が供給タンク3aの開口部16a、接続部中間室19および本体部24の開口部17を流通して、液体燃料貯蔵部5の燃料吸い上げ材5aに供給される。
【0059】
次に、供給タンク3aを引き抜くときは挿入の際とは逆の順番となり、図5の状態から供給タンク3aの弁体12aが最初に閉じられ、接続部中間室19内の液体燃料4が液体燃料貯蔵部5内に流入してから、本体部24の弁体12bが閉じられ、図4の状態へと戻る。
【0060】
次に、外部タンク3が排出タンク3bである場合を説明する。排出タンク3bは本体部24の挿入口25に挿入でき、着脱が可能である。排出タンク3bの先端部には、液体燃料4を排出するための開口部16bが設けられている。開口部16bには樹脂製または金属製である球状の弁体12cが備えられ、弁体12cは圧縮バネ13cにより封止リング21cに押圧されている。また、封止リング21cに対向する位置には、ストッパー14cが設けられ、その下部にはストッパーガスケット15cが配置されている。
【0061】
また、本体部24の弁体12bの圧縮バネ13bの圧縮力は、排出タンク3bの弁体12cの圧縮バネ13cの圧縮力より大きく設定してある。これにより、本体部24に排出タンク3bを接続する際には、排出タンク3bの弁体12cが最初に開放され、その後に本体部24の弁体12bが開放される。逆に、本体部24から排出タンク3bを離脱する際には、本体部24の弁体12bが最初に閉じられ、その後に排出タンク3bの弁体12cが閉じられる。
【0062】
また、排出タンク3bの弁体12cと本体部24の弁体12bとの接触面は、本体部24の外装面より凹部にあり、本体部24の挿入口25へ排出タンク3bを挿入することで液体燃料4を排出する。
【0063】
次に、本体部24と排出タンク3bとの着脱方法をさらに詳しく説明する。図6から図9は、本体部24に排出タンク3bを装着している状態の断面図である。図6は、本体部24の挿入口25に排出タンク3bを挿入した最初の段階を示しており、弁体12cおよび弁体12bはともに閉じている。ここで、さらに排出タンク3bを本体部24に押し込むと、図7に示すように、排出タンク3bの弁体12cと本体部24の弁体12bが衝突する。ここで、さらに排出タンク3bを本体部24に押し込むと、本体部24の弁体12bの圧縮バネ13bの圧縮力は、排出タンク3bの弁体12cの圧縮バネ13cの圧縮力より大きく設定してあるので、図8に示すように、排出タンク3bの弁体12cが封止リング21cから離れ、弁体12cが最初に開放される。次に、さらに排出タンク3bを本体部24に押し込むと、排出タンク3bの弁体12cがストッパー14cに当接する。ここで、さらに排出タンク3bを本体部24に押し込むと、図9に示すように、本体部24の弁体12bは封止リング21bから離れ、弁体12bが開放され、液体燃料4が開口部17、接続部中間室19および開口部16bを流通して、排出タンク3bの燃料吸い上げ材5bに排出される。
【0064】
次に、排出タンク3bを引き抜くときは挿入の際とは逆の順番となり、図9の状態から本体部24の弁体12bが最初に閉じられ、接続部中間室19内の液体燃料4が排出タンク3b内に流入してから、排出タンク3bの弁体12cが閉じられ、図6の状態へと戻る。
【0065】
前記封止リング21a、21b、21cは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムやポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンなどの弾性絶縁樹脂、またはステンレス鋼などの金属で形成することができ、また、本体部24や外部タンク3と同材質で形成することもできる。
【0066】
また、前記環状スリット20を設けることで、接続部中間室19に残存する液体燃料を保持することができ、外部への液体燃料の流出を防止できる。なお、環状スリット20は複数設けることが好ましい。また、前記圧縮吸収材18の本来の目的は、本体部24と外部タンク3との接続時の衝撃を緩和するためのものであるが、前記環状スリット20と同様の機能を有することもできる。即ち、圧縮吸収材18を設けることで、接続部中間室19に残存する液体燃料を吸収することができ、外部への液体燃料の流出を防止できる。
【0067】
供給タンク3aおよび排出タンク3bには気液分離孔6aが設けられている。この気液分離孔6aの内側には気液分離膜6bが設けられている。この気液分離膜6bは細孔を持つPTFE製シートからなり、放電反応で生成した二酸化炭素などを、液体燃料4を漏液させることなく供給タンク3aおよび排出タンク3bから放出させることができる。また、気液分離膜6bを脱着可能とすることで、液体燃料4を補充する時の充填口ともなる。なお、この気液分離孔6aは、液体燃料貯蔵部5に設けることもできる。
【0068】
また、供給タンク3aおよび排出タンク3bの外装面には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムやポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンなどの弾性樹脂で形成されたタンクシールガスケット26a、26bが少なくとも一つ設けられている。これにより、液体燃料の外部への流出の防止をより確実に行える。
【0069】
また、供給タンク3aおよび排出タンク3bの外面部には、樹脂製または金属製である弾力を有する、例えば固定用プランジャ22の凸部が設けられており、本体部24の挿入口25の内面部には固定用爪23の凹部が設けられており、この凹凸部がかみ合うことで供給タンク3aおよび排出タンク3bと本体部24とが固定される。上記凹部および凸部の取り付け面は、上記の逆であってもよい。この機構により、供給タンク3aおよび排出タンク3bが固定できるとともに、確実に燃料供給状態を保持することができる。
【0070】
また、本体部24の挿入口25の周辺に開閉式シャッタ(図示せず)を設けると、異物の混入によるトラブルを未然に防ぐことができ、さらに安全性を高めることができる。
【0071】
さらに、本体部24の挿入口25の内面部に設けられた凸部の位置を変更することができる切り替えレバーを設けることもできる。その凸部と供給タンク3aおよび排出タンク3bの凹部がかみ合って対応することで、供給タンク3aと排出タンク3bとを間違えることなく挿入することができる。
【0072】
(実施形態2)
図10に実施形態2の液体燃料電池の断面図を示す。図10は、本体部24に供給タンク3aが完全に装着された状態を示す。本実施形態は、実施形態1の発電部の一部が複数個積層された構造となっていること以外は、実施形態1と同様の構造である。
【0073】
(実施形態3)
図11に実施形態3の液体燃料電池の断面図を示す。図11は、本体部24に供給タンク3aが完全に装着された状態を示す。本実施形態は、中央部に液体燃料貯蔵部5を設け、供給タンク3aの挿入口25を本体部24の側部に配置したこと以外は、実施形態1と同様の構造である。
【0074】
(実施形態4)
図12に実施形態4の液体燃料電池の断面図を示す。図12は、本体部24に供給タンク3aが完全に装着された状態を示す。本実施形態は、実施形態1の弁体12a、12bの形状が円柱状であること以外は、実施形態1と同様の構造である。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明は、液体燃料の供給および排出を液漏れすることなく確実に行うことができ、小型でも長時間安定して発電できる液体燃料電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部(a)と外部タンク(b)の断面図である。
【図2】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に供給タンクを接続する第1段階を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に供給タンクを接続する第2段階を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に供給タンクを接続する第3段階を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に供給タンクを接続する第4段階を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に排出タンクを接続する第1段階を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に排出タンクを接続する第2段階を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に排出タンクを接続する第3段階を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態1の液体燃料電池の本体部に排出タンクを接続する第4段階を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態2の液体燃料電池の断面図である。
【図11】本発明の実施形態3の液体燃料電池の断面図である。
【図12】本発明の実施形態4の液体燃料電池の断面図である。
【図13】従来の液体燃料電池の断面図である。
【図14】従来の他の液体燃料電池の断面図である。
【符号の説明】
1 空気孔
2 カバー板
3 外部タンク
3a 供給タンク
3b 排出タンク
4 液体燃料
5 液体燃料貯蔵部
5a、5b、5c 燃料吸い上げ材
6a 気液分離孔
6b 気液分離膜
6c 燃料充填口
7a 負極集電体
7b 正極集電体
7c 連結集電体
8 正極
8a 拡散層
8b 触媒層
9 負極
9a 拡散層
9b 触媒層
10 電解質層
11 集電リード部
12a、12b、12c 弁体
13a、13b、13c 圧縮バネ
14a、14b、14c ストッパー
15a、15b、15c ストッパーガスケット
16a、16b、17 開口部
18 圧縮吸収材
19 接続部中間室
20 環状スリット
21a、21b、21c 封止リング
22 固定用プランジャ
23 固定用爪
24 本体部
25 挿入口
26a、26b タンクシールガスケット
27 電気的絶縁体
28 燃料タンク
29 燃料供給孔

Claims (20)

  1. 酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料貯蔵部とを備えた液体燃料電池であって、
    前記液体燃料貯蔵部は、開口部を備え、
    前記液体燃料貯蔵部の開口部は、弁を備え、
    前記開口部の弁は、外部から押圧されることにより開放されることを特徴とする液体燃料電池。
  2. 本体部と外部タンクとを含み、前記本体部は、酸素を還元する正極と、燃料を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料貯蔵部とを備えた液体燃料電池であって、
    前記本体部と前記外部タンクとは着脱可能に形成され、前記本体部の液体燃料貯蔵部と前記外部タンクとはそれぞれ開口部を備え、
    前記本体部の開口部と前記外部タンクの開口部とは、それぞれ弁およびストッパーを備え、
    前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とは、相互に当接して押圧されることにより開放され、
    液体燃料が流入する側の前記弁の開放圧力が、液体燃料が流出する側の前記弁の開放圧力より小さく設定されていることを特徴とする液体燃料電池。
  3. 前記外部タンクが液体燃料を供給するための供給タンクであり、前記本体部の弁の開放圧力が前記供給タンクの弁の開放圧力より小さく設定されている請求項2に記載の液体燃料電池。
  4. 前記外部タンクが液体燃料を排出するための排出タンクであり、前記本体部の弁の開放圧力が前記排出タンクの弁の開放圧力より大きく設定されている請求項2に記載の液体燃料電池。
  5. 開放前の前記本体部の弁と、開放前の前記外部タンクの弁とは、それぞれ環状の液体燃料封止部に押圧されている請求項2〜4のいずれかに記載の液体燃料電池。
  6. 前記外部タンクの外装部には、環状部材が配置されている請求項2〜5のいずれかに記載の液体燃料電池。
  7. 前記液体燃料封止部および前記環状部材が、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、ポリプロピレン、ナイロンおよびポリエチレンからなる群から選択された少なくとも1種類からなる請求項5または6に記載の液体燃料電池。
  8. 前記本体部の開口部の外側および前記外部タンクの開口部の外側から選択される少なくとも一方には、保液スリットが設けられている請求項2〜7のいずれかに記載の液体燃料電池。
  9. 前記本体部には、前記外部タンクを挿入可能な挿入口が備えられている請求項2〜8のいずれかに記載の液体燃料電池。
  10. 前記本体部の開口部が前記本体部の挿入口の内部に設けられ、前記挿入口の直径が10mm以下である請求項9に記載の液体燃料電池。
  11. 前記本体部の挿入口の周辺に開閉式シャッタを設けた請求項9または10に記載の液体燃料電池。
  12. 前記外部タンクは、その外面部に凸部を備え、前記本体部の挿入口の内面部には凹部を備え、前記凸部と前記凹部とが嵌合する請求項9〜11のいずれかに記載の液体燃料電池。
  13. 前記外部タンクは、その外面部に凹部を備え、前記本体部の挿入口の内面部には凸部を備え、前記凸部と前記凹部とが嵌合する請求項9〜11のいずれかに記載の液体燃料電池。
  14. 前記本体部の挿入口の内面部に備えられた凸部の位置が、前記外部タンクの種類に応じて変更可能な請求項13に記載の液体燃料電池。
  15. 前記正極と、前記負極と、前記電解質層とが、電極・電解質一体化物を構成し、前記電極・電解質一体化物が同一平面上に配置されている請求項1〜14のいずれかに記載の液体燃料電池。
  16. 前記電極・電解質一体化物を複数備え、前記電極・電解質一体化物の各電解質層が、相互に連続した一体化物として形成されている請求項15に記載の液体燃料電池。
  17. 液体燃料を含浸して保持し且つ前記負極に前記液体燃料を供給する液体燃料含浸部を備え、前記液体燃料含浸部が前記負極と接する部分に配置されている請求項1〜16のいずれかに記載の液体燃料電池。
  18. 前記液体燃料貯蔵部および前記外部タンクから選択される少なくとも一つが、気液分離孔を備え、前記気液分離孔には気液分離膜が配置されている請求項1〜17のいずれかに記載の液体燃料電池。
  19. 請求項2〜18のいずれかに記載の液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法であって、
    前記本体部と前記外部タンクとを接続し、
    前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを当接させ、
    前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを相互に押圧して、液体燃料が流入する側の弁を開放した後にストッパーに当接させ、
    その後、さらに前記本体部の弁と前記外部タンクの弁とを相互に押圧して、液体燃料が流出する側の弁を開放し、
    前記本体部の液体燃料貯蔵部と前記外部タンクとの間で液体燃料を移動させた後、
    前記本体部の弁と前記外部タンクの弁との押圧を緩めて、前記液体燃料が流出する側の弁を閉じ、
    その後、さらに前記本体部の弁と前記外部タンクの弁との押圧を緩めて、前記液体燃料が流入する側の弁を閉じることを特徴とする液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法。
  20. 前記液体燃料が流入する側の弁を閉じた後、前記本体部と前記外部タンクとを分離する請求項19に記載の液体燃料電池の液体燃料の供給・排出方法。
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